−第1実施形態−
本発明の第1実施形態に係る凝縮器39は、内部を流れる流体と外部を流れる流体とを熱交換させるために用いられる多管式顕熱凝縮器である。以下に、本発明の第1実施形態に係る凝縮器39を備える空気調和機100について図1を用いて説明する。
<空気調和機の構成>
空気調和機100は、加湿機能、除湿機能及び空気清浄機能を有しており、加湿運転時は加湿機として、除湿運転時は除湿機として、空気清浄運転時は空気清浄機として働く。また、本実施形態では、この空気調和機100は、単一機能だけでなく、同時に複数の機能を組み合わせて稼働させることができる。この複数の組み合わせとは、例えば、空気清浄機能と除湿機能との組み合わせ、および、空気清浄機能と加湿機能との組み合わせのことである。
空気調和機100は、図1に示すように、本体ケーシング10と、送風機2と、加湿ユニット4と、除湿ユニット3と、空気清浄部5と、制御部6とを備えている。また、本実施形態では、ユーザーが容易に空気調和機100を移動させることができるように、本体ケーシング10の下面(室内の床面と対向する面)に、キャスター(図示せず)が設けられている。
本体ケーシング10は、略直方体形状であり、送風機2、除湿ユニット3、加湿ユニット4、空気清浄部5および制御部6等を収容している。また、本体ケーシング10は、引き出し式の第1扉10aと、回動式の第2扉10bとを有している。
送風機2は、本体ケーシング10に収容されたとき、空気清浄部5とは反対側に配置されている。また、この空気調和機100を空気清浄部5側から視たときに、各内部部品は、空気清浄部5、除湿ユニット3、加湿ユニット4、送風機2の順で並んでいる。このため、送風機2が稼働されると、外部空気が空気清浄部5側から除湿ユニット3および加湿ユニット4を通過し送風機2に至る外部空気流A1が形成される。
制御部6は、本体ケーシング10の上部に配置されており、空気清浄部5、除湿ユニット3、加湿ユニット4および送風機2を制御する。
なお、図1では、加湿ユニット4の構成部品である、貯水容器40、気化部41および水車42が加湿ユニット4から引き出されているが、運転時には、加湿ユニット4の所定位置に配置されている。
加湿ユニット4は、運転時において、除湿ユニット3の有する第2送風機33の下方に重なるように配置されており、図2に示すように、主に、貯水容器40、水車42および気化部41を有している。
貯水容器40は、外部空気流A1を流れる空気に与える水分の水源であり、図1に示すように、本体ケーシング10に着脱可能に収容されている。具体的には、本体ケーシング10の有する引き出し式の第1扉10aが引き出されることによって、貯水容器40は本体ケーシング10の開口12から取り出される。さらに、図2に示すように、貯水容器40の内側には上部が開いている軸受40aが設けられており、この軸受40aは後述する回転軸424を回転可能に支持する。また、貯水容器40は、図1に示すように、ドレンパン40bを有している。
水車42は、図2および図3に示すように、車輪421と、車輪カバー422と、第2歯車423とを有しており、貯水容器40の内側を回転可能である。
車輪421には、図3に示すように、一方の側面から反対側の側面に向かって窪む複数の凹部421aが円を描くように形成されている。また、車輪421には、この凹部421aの開口側を覆うように、後述する車輪カバー422が組み合わされている。車輪カバー422には、台形状の孔422aが、車輪421の凹部421aと対向する位置に円を描くように形成されている。この台形状の孔422aの大きさは、凹部421aの開口の半分程度である。このため、車輪421に車輪カバー422が組み合わされたとき、凹部421aの開口は半分程度が開いた状態となる。第2歯車423は、後述する気化部41の第1歯車411と噛み合う歯車であり、回転中心には、車輪421、車輪カバー422および第2歯車423が共有する回転軸424が設けられている。この回転軸424を同軸として、第2歯車423、車輪カバー422、車輪421が順に重ねて組み合わされている。なお、この回転軸424は、上述のように、貯水容器40の軸受40aに回転可能に支持されている。このため、貯水容器40が本体ケーシング10から引き出されたときに、ユーザーは、水車42を貯水容器40から取り出して洗浄することができる。なお、貯水容器40の底面から軸受40aの軸心までの高さは、貯水容器40に溜められている水が最低水位のときであっても、水車42の最下位置にある凹部421aが水没するように設定されている。
気化部41は、供給された水を気化させる部材であり、図2に示すように、水車42に近接して配置されており、貯水容器40の満水時の水位よりも上方に配置されている。また、気化部41は、気化フィルタ44と、第1歯車411とを有しており、水車42と同様に、回転可能である。
第1歯車411は、図2に示すように、気化フィルタ44の外周縁に固定されており、駆動部43の駆動によって回転する駆動歯車431および第2歯車423と噛み合うことによって支持されている。また、駆動歯車431および第2歯車423は、第1歯車411の回転軸424よりも下方に位置し、気化部41の鉛直中心線に対して互いに反対側に位置している。
このような構成によって、加湿ユニット4では、図2に示すように、駆動部43が駆動することで、気化部41および水車42が回転する。水車42が回転することによって、凹部421aは貯水容器40の水中を順番に通過して上昇する。凹部421aが浸水すると台形状の孔422aから凹部421aの内部に水が入る。このため、凹部421aが水中から出てきたとき、凹部421aの内部は水で満たされている。そして、凹部421aが最上位置に近づくにしたがって、凹部421a内部の水が台形状の孔422aから流出し、凹部421aが最上位置を通過したときに、ほぼ全ての水が流出する。このとき、水は、流出する際に重力によってある程度の勢いが付加されているので、凹部421aと近接している気化部41の側面に向かって流出する。
さらに、本体ケーシング10の最上面には、図1に示すように、空気清浄運転、除湿運転および加湿運転を選択する選択パネル11が設けられており、この選択パネル11は制御部6と接続されている。
次に除湿ユニット3について説明する。
<除湿ユニット>
除湿ユニット3は、図4および図5に示すように、吸着素子31、ヒータ32、第2送風機33および凝縮器39を有している。
吸着素子31は、ハニカム構造体であり、ゼオライト粉末、バインダーおよび膨張剤を混合して練り上げた多孔質の材料によって円板状に成形されている。ここでいうバインダーとしては、例えば、変性PPE、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂から選択されたものである。膨張剤は、ハニカム構造体の成形時に膨張することで、無数の気泡を形成させる。このため、吸着素子31は、水分に対した高い吸着性を有している。
ヒータ32は、吸着素子31の背面側の一部に対抗して配置されている。このヒータ32は、略扇形形状であって、吸着素子31の背面側の6分の1程度を覆う位置に設けられている。
第2送風機33は、吸着素子31の上方部分から背面側に向けて突出するような形状を有している。ヒータ32と第2送風機33とは空気の流通ができるように凝縮器39の有する第1送風管34aによって連絡されている。第2送風機33が稼働することで空気流が形成され、空気は第1送付管34a内を図4の矢印で示す方向に流れる。そして、ヒータ32近傍に流れてきた空気は、そこで加熱されて高温空気となる。
凝縮器39は、図5に示すように、凝縮器本体21とトラップ部22とを備えている。凝縮器本体21は、共通送風管34と凝縮部20とを有している。なお、凝縮器39は、樹脂によって構成されている。また、凝縮器本体21の有する第4送風管34d、凝縮部20および第5送風管34eとトラップ部22とは、ブロー成型によって一体的に形成されている。なお、本実施形態では、凝縮器本体21の有する第4送風管34d、凝縮部20および第5送風管34eとトラップ部22とが一体的に形成されているが、これに限定されず、少なくとも後述する排出口28が形成されている部分を含む凝縮器本体21とトラップ部22とが一体的に形成されていればよい。
共通送風管34は、第1送風管34a、第2送風管34b、第3送風管34c、第4送風管34d、第5送風管34e、第6送風管34fおよび第7送風管34gから構成される。ヒータ32によって加熱された高温空気は、対向する吸着素子31の背面側から吸着素子31の厚み方向の正面側に向かって進み、吸着素子31の正面側に流れる。ここで、吸着素子31の領域のうち高温空気が通過した領域では、吸着素子31が高温空気によって暖められることで、保持していた水分が第2送風機33による空気流れによって放出される。このため、吸着素子31を背面側から前面側に向けて通過した空気は、吸着素子31から放出された水分を含むことにより高温高湿空気となり、第2送風管34bに進む。
第2送風管34bは、正面視において略扇型形状を呈しており、吸着素子31の一部を正面側から覆うように配置されている。また、第2送風管34bは、上述したヒータ32と共に吸着素子31の同一部分を挟むような位置に設けられ、吸着素子31の正面側の6分の1程度を覆っている。
第3送風管34cは、第2送風管34bと第4送風管34dとの空気の流通ができるように、第2送風管34bと第4送風管34dとを連絡している。
第4送風管34dは、第3送風管34cと凝縮部20との空気の流通ができるように、第3送風管34cと凝縮部20とを連絡している。具体的には、第4送風管34dは、図5に示すように、吸着素子31の厚さ方向に直交する方向(略水平方向)に延びており、吸着素子31の下方に沿うように形成されている。また、第4送風管34dの上部左側には、第3送風管34cとの接続部38が形成されている。さらに、第4送風管34dの下部は、後述する複数の凝縮管35と接続されている。なお、ここでいう「上下」および「左右」は、除湿ユニット3を正面視した場合の「上下」および「左右」を意味している。また、第4送風管34d内を流れる空気の流れ方向に対して垂直に切った第4送風管34dの断面積は、どれも略同一である。
第5送風管34eは、凝縮部20と第6送風管34fとの空気の流通ができるように、凝縮部20と第6送風管34fとを連絡している。具体的には、第5送風管34eは、図5に示すように、第4送風管34dと同様に吸着素子31の厚さ方向に直交する方向(略水平方向)に延びており、第4送風管34dの下方に第4送風管34dと対向するように配置されている。また、第5送風管34eの上部は、複数の凝縮管35と接続されている。さらに、第5送風管34eを流れる空気の流れ方向に対して垂直に切った第5送風管34eの断面積は、どれも略同一である。
さらに、第5送風管34eの下部には、凝縮器本体21において空気が凝縮することによって生じた凝縮水を凝縮器本体21から排出するための排出口28が形成されている。
第6送風管34fは、第5送風管34eと第7送風管34gとの空気の流通ができるように、第5送風管34eと第7送風管34gとを連絡している。
第7送風管34gは、第6送風管34fと第2送風機33とを連絡している。第6送風管34fを通過してきた空気は、第7送風管34gを通って第2送風機33に吸い込まれる。
凝縮部20は、図4および図5に示すように、第4送風管34dと第5送風管34eとを連絡しており、複数の凝縮管35を有している。また、凝縮管35は、第4送風管34dから第5送風管34eに鉛直方向に延びている。さらに、凝縮管35同士は、所定の間隔をあけて配置されている。このため、第3送風管34cを流れてきた高温高湿空気は、第4送風管34d内を接続部38からの距離が遠くなる方向、すなわち、除湿ユニット3の正面視において左側から右側(図4の矢印に示す方向)に向かって流れるとともに、複数の凝縮管35に分配される。また、複数の凝縮管35に分配された空気は、第5送風管34eにおいて合流して第6送風管34f内に流れる。
また、凝縮管35同士が所定の間隔をあけて配置されているため、凝縮部20には、凝縮管35同士の間に、外部空気流A1が通過する外部空気通過部35aが形成されている。
トラップ部22は、凝縮器本体21内部を流通する空気が排出口28から凝縮器本体21外部に漏出し続けないように、凝縮器本体21内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通を遮断することができる遮断機構である。また、トラップ部22は、図6に示すように、排出流路24と、貯溜部23とを有している。排出流路24は、第5送風管34eに形成されている排出口28の縁から連続して形成されており、凝縮器本体21の下方に延びる円筒状の流路である。また、貯溜部23は、排出流路24の端部から連続して形成されており、除湿ユニット3の正面視において、その略中央付近が円弧状に湾曲する円筒状の流路である。このため、貯溜部23は、除湿ユニット3の正面視において、略U字型形状を有している。さらに、貯溜部23は、円弧状に湾曲しているため、排出口28から排出流路24を介して流出した凝縮水を貯留することができる。
このような構成によって、貯溜部23に貯留されている凝縮水の量が所定量未満である場合には、凝縮器本体21の内部空間と凝縮器本体21の外部空間とがトラップ部22の内部空間を介して連通している。また、貯溜部23に貯留されている凝縮水の量が所定量以上となった場合には、凝縮器本体21の内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通が遮断される。具体的には、図6に示すように、貯溜部23に貯溜された凝縮水の液面の位置L1が図6に示す位置L2に到達すると、貯溜部23に貯められた凝縮水によって、凝縮器本体21の内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通が遮断される。
このような構成によって、凝縮器39内部を流れる高温高湿空気は、凝縮部20の凝縮管35の内壁面に接触しながら流れる。このため、凝縮器39外部を通過する外部空気は、凝縮管35内部を流れる高温高湿空気との間で熱交換を行い、互いに混ざり合うことなく、凝縮管35内部を流れる空気から熱量を奪う。したがって、凝縮管35内壁面に接触した高温高湿の空気は冷却され、凝縮管35の内壁面には結露が生じる。この結露水は、凝縮管35から第5送風管34eに流下し、排出口28を介して凝縮器本体21内部から流出する。そして、排出口28から流出した凝縮水は、排出流路24を流下し、貯溜部23に一時的に貯留される。そして、貯溜部23に貯留された凝縮水の量が所定量以上となると、凝縮器本体21の内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通が遮断される。
また、貯溜部23に貯留されている凝縮水の水位が図6に示す位置L3に到達すると、貯溜部23の有する開口23aから凝縮水が流出する。また、貯溜部23から流出した凝縮水は、ドレンパン40aを介して貯水容器40に流れ込む。
なお、凝縮部20において熱交換された空気は、第2送風機33に吸い込まれる。
さらに、除湿ユニット3は、駆動モータ(図示せず)を更に有している。駆動モータは、ピニオン歯車を有している。そして、吸着素子31の外周には、ピニオン歯車と噛み合う従動歯車が設けられている。このため、駆動モータが稼働すると、ピニオン歯車と噛み合っている従動歯車に動力が伝わり、吸着素子31が回転する。そして、吸着素子31が回転しながら、本体ケーシング10に吸い込まれた外部空気が吸着素子31の一部を通過する。吸着素子31は、この空気が吸着素子31を通過する際に、通過しようとする空気中の水分を吸着して保持し、通過後の空気の水分を低減させる。そして、吸着素子31が回転を続けることで、吸着素子31のうち水分を保持している部分が、ヒータ32と対向する位置にまで移動し、加熱される。これにより水分を保持していた吸着素子31の一部は、保持していた水分をその場で放出し、ほとんど水分を保持していない状態となる。そして、吸着素子31は、回転を続けることで、新たな外部空気と接触し、この新たな外部空気から水分を吸着して保持する。このようにして、吸着素子31が回転することにより、水分の吸着と放出とを繰り返すことができる。
<特徴>
(1)
従来より、被凝縮流体の流れる流路と、流路外部を流れる凝縮流体との間で熱交換を行わせることで、被凝縮流体を凝縮する凝縮器がある。このような凝縮器は、除湿機に適用されることがある。例えば、特開2001−205035号公報に開示されている除湿機の熱交換器(凝縮器に相当)は、略水平方向に延びる複数のパイプと、複数のパイプの開口端に接続されているダクトとを有している。また、ダクトには、上方に延びる空気流路と、下方に延びる排水路とが形成されている。この熱交換器では、被凝縮流体が、空気流路からダクトを介して複数のパイプに流れる。このとき、複数のパイプの内部を流れる被凝縮流体と複数のパイプの外部を流れる凝縮流体との間で熱交換が行われる。このようにして、この凝縮器では、被凝縮流体を凝縮している。
ところで、内部を被凝縮流体が流通する凝縮器には、被凝縮流体が凝縮することによって生じた凝縮水を、凝縮器内部から凝縮器外部に排出するための排出口が設けられていることが多い。しかしながら、凝縮器内部を流通する被凝縮流体が、排出口から凝縮器外部に漏出することで、凝縮効率が低下するおそれがある。このため、上述の除湿機は、熱交換器の内部空間と外部空間とを遮断するための遮断機構として案内タンクを備えている。この案内タンクには、パイプから流下した凝縮水が排出される排出路が嵌合する貫通孔が形成されている上ケースと、排出路から排出された凝縮水を貯水する貯水凹部が形成されている下ケースとが含まれている。この案内タンクでは、排出路から排出された凝縮水を貯水凹部に貯水して、排出路の開口端部まで凝縮水の水位を上昇させることで、排出路の開口が遮蔽されている。このようにして、この除湿機では、熱交換器内部を流通する被凝縮流体が、排出路から熱交換器に漏出し続けるおそれを減らしている。
しかしながら、遮断機構と凝縮器とを別体形成することで部品点数が増加し、製造コストが増加する要因となる。
そこで、上記実施形態では、第4送風管34d、凝縮部20および第5送風管34eとトラップ部22とは、一体的に形成されている。このため、第4送風管、凝縮部および第5送風管とトラップ部とが別体形成される場合と比較して、部品点数を削減することができる。
これによって、凝縮器39の製造コストの増加を抑えることができている。
また、上記実施形態では、排出口28から流出した凝縮水は、排出流路24を流下し、貯溜部23に一時的に貯留される。そして、貯溜部23に貯留された凝縮水の量が所定量以上となると、凝縮器本体21の内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通が遮断される。このため、この凝縮器39では、貯溜部23に貯められた凝縮水によって、凝縮器本体21の内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通が遮断されるため、凝縮器本体21内部を流れる空気が凝縮器本体21外部に漏出し続けるおそれを減らすことができる。
これによって、凝縮効率を向上させることができている。
さらに、上記実施形態では、貯溜部23に貯留されている凝縮水の水位が図6に示す位置L3に到達すると、貯溜部23の有する開口23aから凝縮水が流出する。このように、貯溜部23に貯留されている凝縮水の水位に基づいて、凝縮水が凝縮器39から排出されるため、排出口28の開口面積を小さくすることができる。
これによって、空気調和機100の運転開始持の除湿能力を向上させることができる。
(2)
上記実施形態では、貯溜部23が、除湿ユニット3の正面視において、略U字型形状を有している。このため、この凝縮器39では、容易な構成によって、凝縮器本体21の内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通を遮断することができている。
(3)
上記実施形態では、第5送風管34eの下部に排出口28が形成されている。このため、例えば、凝縮水の排出口が凝縮器本体の上部に形成されている場合と比較して、凝縮水を排出口28から流出させやすくすることができている。
(4)
上記実施形態では、凝縮器本体21とトラップ部22とは、ブロー成型によって形成されている。このため、この凝縮器39では、凝縮器本体21とトラップ部22とを容易に構成することができる。
<変形例>
上記実施形態では、凝縮器本体21内部を流通する空気が排出口28から凝縮器本体21外部に漏出し続けないように、凝縮器本体21内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通を遮断するための遮断機構として、トラップ部22を備えている。
これに代えて、排出口近傍に、排出口を間欠的に遮蔽または開放することが可能な蓋部が設けられていてもよい。このように、凝縮器本体に蓋部が設けられることで、排出口が開放されている場合には、凝縮器本体内部で発生した凝縮水を排出口から排出することができる。また、排出口が遮蔽されている場合には、排出口を介した凝縮器本体内部と凝縮器本体外部との連通が遮断されるため、凝縮器本体内部を流れる空気が排出口を介して凝縮器本体外部に漏出するおそれを減らすことができる。
−第2実施形態−
本発明の第2実施形態に係る凝縮器139を備える空気調和機について図7を用いて説明する。なお、凝縮器139以外の構成については、第1実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。
凝縮器139は、図7に示すように、凝縮器本体121とトラップ部122とを備えている。凝縮器本体121は、共通送風管134と凝縮部120とを有している。共通送風管134は、第1送風管(図示せず)、第2送風管134b、第3送風管134c、第4送風管134d、第5送風管134e、第6送風管134fおよび第7送風管134gから構成される。ヒータ132によって加熱された高温空気は、対向する吸着素子131の背面側から吸着素子131の厚み方向の正面側に向かって進み、吸着素子131の正面側に流れる。ここで、吸着素子131の領域のうち高温空気が通過した領域では、吸着素子131が高温空気によって暖められることで、保持していた水分が第2送風機133による空気流れによって放出される。このため、吸着素子131を背面側から前面側に向けて通過した空気は、吸着素子131から放出された水分を含むことにより高温高湿空気となり、第2送風管134bに進む。
第2送風管134bは、正面視において略扇型形状を呈しており、吸着素子131の一部を正面側から覆うように配置されている。また、第2送風管134bは、上述したヒータ132と共に吸着素子131の同一部分を挟むような位置に設けられ、吸着素子131の正面側の6分の1程度を覆っている。
第3送風管134cは、第2送風管134bと第4送風管134dとの空気の流通ができるように、第2送風管134bと第4送風管134dとを連絡している。
第4送風管134dは、第3送風管134cと凝縮部120とを連絡している。具体的には、図7に示すように、第4送風管134dは、吸着素子131の厚さ方向に直交する方向(略水平方向)に延びており、吸着素子131の下方に沿うように形成されている。また、図8、図9および図10に示すように、第4送風管134dの上部左側には、第3送風管134cとの接続部138aが形成されている。
また、第4送風管134dの下部には、図8、図9および図10に示すように、第4送風管134dと凝縮部120とが組み合わされた状態で第3送風管134cと凝縮部120との空気の流通ができるように、凝縮部120の上部と接続可能な開口134hが形成されている。このようにして、第4送風管134dは、第3送風管134cと凝縮部120とを連絡している。このため、第2送風管および第3送風管134cを通過してきた高温高湿空気の略全部を抵抗なく凝縮部120に向かわせることができる。また、第4送風管134dの開口134h近傍には、後述するネジ180が挿通するネジ孔180aが設けられている。
第5送風管134eは、凝縮部120と第6送風管134fとを連絡している。具体的には、第5送風管134eは、第4送風管134dと同様に吸着素子131の厚さ方向に直交する方向(略水平方向)に延びており、第4送風管134dの下方に第4送風管134dと対向するように配置されている。また、第5送風管134eの右側部には第6送風管134fとの接続部138bが形成されている。また、第5送風管134eの下部には、凝縮器本体121において空気が凝縮することによって生じた凝縮水を凝縮器本体121内部から排出するための排出口128が形成されている。
さらに、第5送風管134eの上部には、図8、図9および図10に示すように、第5送風管134eと凝縮部120とが組み合わされた状態で凝縮部120と第6送風管134fとの空気の流通ができるように、凝縮部120の下部と接続可能な開口134iが形成されている。このようにして、第5送風管134eは、凝縮部120と第6送風管134fとを連絡している。また、第5送風管134eの開口134i近傍には、後述するネジ181が挿通するネジ孔181aが設けられている。
第6送風管134fは、第5送風管134eと第7送風管134gとの空気の流通ができるように、第5送風管134eと第7送風管134gとを連絡している。
第7送風管134gは、第6送風管134fと第2送風機133とを連絡している。第6送風管134fを通過してきた空気は、第7送風管134gを通って第2送風機133に吸い込まれる。
凝縮部120は、図7、図8、図9および図10に示すように、第4送風管134dと第5送風管134eとを連絡している。このため、第4送風管134dを流れてきた高温高湿空気が、後述する複数の凝縮管135の外壁面と接触しながら第5送風管134eに導かれる。なお、このとき、第4送風管134dを流れてきた高温高湿空気が複数の複数の凝縮管135に分配されることで複数の空気流路が形成されている。また、分配された空気は、第5送風管134eにおいて合流し、第6送風管134fに導かれる。
また、凝縮部120は、図11に示すように、複数の凝縮管135と、管板136,137とを有している。
凝縮管135は、内径が8.5mmであって、鉛直方向に延びる銅製のパイプである。なお、本実施形態では、凝縮管135の内径は8.5mmであるが、これに限定されず、凝縮管135の内径が8mm以上であればよい。また、本実施形態では、凝縮管135は、銅製のパイプであるが、これに限定されず、他の金属、例えば、水による腐食防止のための表面処理が施されたアルミ等によって構成されていてもよい。
管板136,137は、凝縮管135同士が所定の間隔をあけて配置されるように、凝縮管135を固定する部材である。また、管板136,137は、凝縮管135の一端側に配置される第1管板136と、凝縮管135の他端側に配置される第2管板137とから構成される。さらに、第1管板136と第2管板137とは、対向するように配置されている。
第1管板136は、略長方形の形状を呈するステンレス鋼(SUS)製の部材である。また、第1管板136には、第1管板136の板厚方向に貫通する円形状の孔136aが複数設けられている。また、この孔136aは、図11および図12に示すように、第1管板136の長手方向において第1列孔群136bと第2列孔群136cと第3列孔群136dとの3列が設けられるように、所定のピッチ(本実施形態では、18mmの間隔)Aで配置されている。また、第1列孔群136b、第2列孔群136c、および第3列孔群136dは、各列136b,136c,136dが第1管板136の長手方向に半ピッチだけずれて、千鳥状に配置されている。また、第1管板136と凝縮管135とは、第1管板136の孔136aが凝縮管135に貫通されて拡管処理が施されることで、固定されている。さらに、第1管板136には、後述するネジ180が挿通するネジ孔180bが設けられている。
第2管板137は、第1管板136と同様に、略長方形の形状を呈するステンレス鋼製の部材である。また、第2管板137には、第2管板137の板厚方向に貫通する円形状の孔137aが複数設けられている。また、この孔137aは、第1管板136と同様に、第2管板137の長手方向において第1列孔群137bと第2列孔群137cと第3列孔群137dとの3列が設けられるように、所定のピッチ(本実施形態では、18mmの間隔)で配置されている。また、第1列孔群137b、第2列孔群137c、および第3列孔群137dは、各列137b,137c,137dが第2管板137の長手方向に半ピッチだけずれて、千鳥状に配置されている。また、第2管板137と凝縮管135とは、第2管板137の孔137aが凝縮管135に貫通されて拡管処理が施されることで、固定されている。さらに、第2管板137には、後述するネジ181が挿通するネジ孔181bが設けられている。
なお、本実施形態では、第1管板136および第2管板137は、ステンレス鋼によって構成されているが、銅害が発生しにくいように表面処理が施された銅によって構成されていてもよい。
このような構成によって、この凝縮部120では、第1管板136と第2管板137とによって、複数の凝縮管135が固定されている。このため、凝縮部120において、凝縮管135は千鳥状に配置されている。
トラップ部122は、凝縮器本体121内部を流通する空気が排出口128から凝縮器本体121外部に漏出し続けないように、凝縮器本体121内部空間と凝縮器本体121の外部空間との連通を遮断することができる遮断機構である。また、トラップ部122は、図9に示すように、排出流路124と、貯溜部123とを有している。排出流路124は、第5送風管134eに形成されている排出口128の縁から連続して形成されており、凝縮器本体121の下方に延びる円筒状の流路である。また、貯溜部123は、排出流路124の端部から連続して形成されており、除湿ユニット103の正面視において、その略中央付近が円弧状に湾曲する円筒状の流路である。貯溜部123は、円弧状に湾曲しているため、排出口128から排出流路124を介して流出した凝縮水を貯留することができる。
このような構成によって、貯溜部123に貯留されている凝縮水の量が所定量未満である場合には、凝縮器本体121の内部空間と凝縮器本体121の外部空間とがトラップ部122の内部空間を介して連通している。また、貯溜部123に貯留されている凝縮水の量が所定量以上となった場合には、凝縮器本体121の内部空間と凝縮器本体21の外部空間との連通が遮断される。
また、本実施形態では、共通送風管134とトラップ部122とは、ポリプロピレンによって構成されている。なお、本実施形態では、共通送風管134がポリプロピレンによって構成されているが、これに限定されず、他の樹脂によって構成されていてもよい。また、共通送風管134とトラップ部122とは、ブロー成形によって形成されており、第5送風管134eとトラップ部122とは、一体的に形成されている。
次に、共通送風管134と凝縮部120との固定作業について説明する。
まず、ブロー成型によって形成されている第4送風管134dの下部が、除湿ユニット103の正面視において、略水平方向よりも上方に傾斜するように切断される。これによって、第4送風管134dの下部には、第4送風管134dと凝縮部120とが組み合わされた状態で、第4送風管134dの内部空間と凝縮部120の内部空間とを連通させるための開口134hが形成される。
さらに、第5送風管134eの上部が、除湿ユニット103の正面視において、略水平方向よりも上方に傾斜するように切断される。これによって、第5送風管134eには、第5送風管134eと凝縮部120とが組み合わされた状態で、第5送風管134eの内部空間と凝縮部120の内部空間とを連通させるための開口134iが形成される。
次に、第1管板136が、第4送風管134dの開口134hから第4送風管134dの内側に嵌め込まれる。また、第2管板137が、第5送風管134eの開口134iから第5送風管134eの内側に嵌め込まれる。
そして、図13に示すように、凝縮部120と第4送風管134dおよび第5送風管134eとが、ネジ止めによって固定される。具体的には、第4送風管134dと凝縮部120とは、ネジ180が第4送風管134dに設けられているネジ孔180a、第1管板136に設けられているネジ孔180bの順に挿通し、ネジ止めによって固定される。また、第5送風管134eと凝縮部120とは、ネジ181が第5送風管134eに設けられているネジ孔181a、第2管板137に設けられているネジ孔181bの順に挿通し、ネジ止めによって固定される。
なお、本実施形態では、第1管板136および第2管板137によって固定されている複数の凝縮管135のうち、第1列孔群136bと第1列孔群137bとを貫通している凝縮管135の列を第1列凝縮管群、第2列孔群136cと第2列孔群137cとを貫通している凝縮管135の列を第2列凝縮管群、第3列孔群136dと第3列孔群137dとを貫通している凝縮管135の列を第3列凝縮管群とすると、複数の凝縮管135は、凝縮部120と第4送風管134dおよび第5送風管134eとが固定された状態で、外部空気流A1に対して第1列凝縮管群、第2列凝縮管群、第3列凝縮管群の順に並んで配置される。
また、凝縮部120と第4送風管134dとが固定された状態では、第4送風管134dの下部は、第3送風管134cとの接続部138aからの距離が遠くなるにしたがって上方に傾斜している。このため、第4送風管134dでは、図9に示すように、接続部138aからの距離が近い第4送風管134dの内部空間S1が、接続部138aからの距離が遠い第4送風管134dの内部空間S2よりも大きくなっている。したがって、凝縮器139内部を流れる空気の流れ方向に対して垂直に切った第4送風管134dの断面積は、第3送風管134cからの距離が近いほど大きくなっている。
さらに、凝縮部120と第5送風管134eとが固定された状態では、第5送風管134eの上部は、第6送風管134fとの接続部138bからの距離が近くなるにしたがって、上方に傾斜している。このため、第5送風管134eでは、図9に示すように、接続部138bからの距離が近い第5送風管134eの内部空間S4が、接続部138bからの距離が遠い第5送風管134eの内部空間S3よりも大きくなっている。したがって、この凝縮器139内部を流れる空気の流れ方向に対して垂直に切った第5送風管134eの断面積は、第6送風管134fからの距離が近いほど大きくなっている。
また、凝縮部120と第4送風管134dのおよび第5送風管134eとが固定された状態では、凝縮部120は、第4送風管134dの下部および第5送風管134eの上部の傾斜に沿って配置されるため、鉛直方向に対して傾斜した状態で配置される。このため、第1管板136および第2管板137は鉛直方向に対して傾斜した状態で配置され、凝縮管135は第1管板136および第2管板137の傾斜に沿って鉛直方向に対して傾斜して配置されることになる。したがって、凝縮部120と第4送風管134dのおよび第5送風管134eとが固定された状態では、凝縮管135の端面は水平方向に対して傾くように配置されていることになる。
また、第4送風管134dの下部は、除湿ユニット103の正面視において、略水平方向よりも上方に傾斜するように切断されている。さらに、第5送風管134eの上部は、除湿ユニット103の正面視において、略水平方向よりも上方に傾斜するように切断されている。このため、図8に示すように、凝縮部120と第4送風管134dおよび第5送風管134eとが固定されている場合、凝縮部120は、第4送風管134dの下部および第5送風管134eの上部の傾斜に沿って配置されるため、鉛直方向に対して傾斜した状態となる。このとき、第1管板136および第2管板137は鉛直方向に対して傾斜した状態で配置されるため、凝縮管135は第1管板136および第2管板137の傾斜に沿って鉛直方向に対して傾斜して配置されることになる。したがって、凝縮部120と第4送風管134dのおよび第5送風管134eとが固定された状態では、凝縮管135の端面は水平面に対して傾くように、鉛直方向に対して傾斜して配置されていることになる。
なお、本実施形態では、第4送風管134dの下部および第5送風管134eの上部は、凝縮部120と第4送風管134dおよび第5送風管134eとが固定された状態において複数の凝縮管135のうちの接続部138aとの距離が最も近い凝縮管135(図8において最も左側に位置する凝縮管135)の傾斜が、第3送風管134cから第4送風管134dに流れる空気の流れ方向(例えば、接続部138aにおける空気の流れ方向)に沿うように切断される。
さらに、図9に示すように、凝縮部120と第4送風管134dとが固定された状態では、第4送風管134dの内部空間は、接続部138aからの距離が近い内部空間S1が、接続部138aからの距離が遠い内部空間S2よりも大きくなる。したがって、凝縮器139内部を流れる空気の流れ方向に対して垂直に切った第4送風管134dの断面積は、第3送風管134cからの距離が近いほど大きくなっている。
また、凝縮部120と第5送風管134eとが固定された状態では、第5送風管134eの内部空間は、接続部138bからの距離が近い内部空間S4が、接続部138bからの距離が遠い内部空間S3よりも大きくなる。したがって、この凝縮器139内部を流れる空気の流れ方向に対して垂直に切った第5送風管134eの断面積は、第6送風管134fからの距離が近いほど大きくなっている。
このような構成によって、凝縮器139内部を流れる高温高湿空気は、凝縮器139の内壁面に接触しながら流れる。このため、凝縮器139外部を通過する外部空気は、凝縮器139内部を流れる高温高湿空気との間で熱交換を行い、互いに混ざり合うことなく、凝縮器139内部、主に、凝縮管135内部を流れる空気から熱量を奪う。したがって、凝縮管135内壁面に接触した高温高湿の空気は冷却され、凝縮管135の内壁面には結露が生じる。この結露水は、凝縮管135から第5送風管134eに流下し、排出口128を介して凝縮器本体121内部から流出する。そして、排出口128から流出した凝縮水は、排出流路124を流下し、貯溜部123に一時的に貯留される。そして、貯溜部123に貯留された凝縮水の量が所定量以上となると、凝縮器本体121の内部空間と凝縮器本体121の外部空間との連通が遮断される。
また、貯溜部123に貯留されている凝縮水の水位が貯溜部123の有する開口123aの位置まで到達すると、開口123aから凝縮水が流出する。また、貯溜部123から流出した凝縮水は、ドレンパンを介して貯水容器に流れ込む。
また、凝縮管135内部を流れる空気は、除湿ユニット103内を循環している。具体的には、凝縮部120を流れる空気は、第5送風管134e、第6送風管134fおよび第7送風管134gを介して第2送風機133に送られ、再び、第2送風機133から第1送風管、第2送風管、第3送風管134cおよび第4送風管134dを介して凝縮部120へ送られる。
このように、凝縮器139の少なくとも一部が金属によって構成されることで、熱交換効率を向上させることができる。
これによって、凝縮効率を向上させることができる。