JP2010045508A - 増幅回路及び無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源変調特性及び歪補償特性の双方を好適に制御することができる増幅回路及び無線通信装置を提供する。
【解決手段】増幅回路は、増幅器22と、増幅器22に電源変調電圧を付与する電源変調部20と、増幅器22の歪補償を行うプリディストータ30と、入出力信号の間における増幅器22の特性を示す第一の増幅器モデル31aを推定する第一推定部31と、電源変調電圧と、出力信号との間における増幅器22の特性を示す第二の増幅器モデル33aを推定する第二推定部33と、を備えている。プリディストータ30が、第一の増幅器モデル31aに基づいて、増幅器22の歪補償を行うものであるとともに、電源変調部20が、第二の増幅器モデル33aに基づいて、電源変調電圧を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、増幅回路及び無線通信装置に関するものであり、特に、歪み補償が可能な増幅回路等に関するものである。
増幅器は、高い線形性が要求されることがある。例えば、線形変調信号を増幅する電力増幅器、あるいは線形変調信号の受信機に用いる低雑音増幅器は、スペクトラム特性や信号の歪みに起因する伝送特性の劣化を抑えるために高い線形性が要求される。
しかし、増幅器の線形性を高くするためには、その飽和領域を高くする必要がある。
すなわち、増幅器の入出力電力特性は、出力信号電圧が増幅器電源電圧に近い範囲では、入力信号と出力信号との関係が線形とならず、入出力比が飽和する非線形領域となる。
したがって、線形性を確保するには、増幅器に対して十分に大きな電流・電圧(=電力)を電源電圧として与え、電源電圧よりも低く線形性の高い動作領域で増幅器を動作させる必要がある。
この結果、線形性の確保できる動作領域は、狭くなり、増幅器の使用電力(電源電力)に対する出力電力比(電力効率)が悪くなる。
このように、線形性の確保と電力効率の確保とはトレードオフの関係にある。
従来、線形性を確保しつつ、増幅器の電力効率の向上を図るために、非線形領域において生じる歪を補償するための歪補償方式が提案されている。
歪補償方式には、増幅器の入力信号に対して増幅器の歪特性と逆の特性を、予め増幅器入力に付加させておくことにより、増幅器出力において、歪のない所望信号を得る方式(プリディストーション;Pre-distortion)法がある。
プリディストーション法による歪補償を行うプリディストータ(Pre-distorter)の例としては、あらかじめ補正量をLUT(Look Up Table)に記憶させておき、増幅器出力信号と目標出力信号の差異を用いて、その補正量を逐次修正する方式(LUT方式とよばれている)や、歪み補正量を多項式によって近似し、その多項式の係数値を、増幅器出力信号と入力信号とを用いて計算(適応制御)する方式(多項式近似方式とよばれている)などがある。
一方、増幅器の効率化を図るための方式として、増幅器の入力信号を用いて増幅器の電源電圧を変調し、入力信号の大小に合わせて増幅器消費電力をダイナミックに変動させる方式(電源変調方式、またはエンベロープトラッキング方式とよばれている)がある。
増幅器の電源電圧を一定とする場合、増幅器の最大出力電圧に応じた大きさの電源電圧が必要となる。この結果、出力電圧が小さいときにも、増幅器の消費電力が大きく、電力効率が悪くなる。
これに対し、電源変調方式では、入力信号の大小に合わせて増幅器消費電力がダイナミックに変動するため、出力電圧が小さいときには増幅器消費電力が抑えられ、電力効率を向上させることができる。
また、非特許文献1,2には、電源変調を行いつつ、プリディストータによる歪み補償を行うという方式が提案されている。
電源変調を行いつつ、プリディストーション法による歪み補償を行うという方式は、増幅器の効率を大きくしつつ、歪みを小さくすることができるという点で優れている。
図4は、電源変調を行いつつ、プリディストータによる歪み補償を行うという方式の増幅回路を示すブロック図である。
図4の増幅回路では、電力増幅器(PA;Power Amplifier)100の電源電圧を制御する電源変調部101が備わっている。この電源変調部101は、増幅器100に与えられる入力信号エンベロープの大小に合わせて、増幅器100に与えられる電圧を変化させる。
また、前記増幅回路は、増幅器100の出力信号及び入力信号に基づいて、増幅器100の逆モデルを同定するPA逆モデル同定部102を備えている。プリディストータ103は、同定されるPA逆モデルに基づいて、増幅器100の歪補償を行う。
Donald F. Kimball, et. al., "High-Efficiency Envelope-Tracking W-CDMA Base-Station Amplifier Using GaN HFETs", IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, Vol. 54, No.11, November 2006. Feipeng Wang, et. al., "Design of Wide-Band Envelope-Tracking Power Amplifiers for OFDM Applications", IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, Vol.53, No.4, April 2005.
図4の増幅回路では、電源変調を行いつつ、プリディストータ103による歪み補償を行うことができるものの、プリディストータの出力信号(増幅器への入力信号)に比例した信号が電源変調部101に与えられるにすぎない。
したがって、電源変調部101では、プリディストータの出力信号のエンベロープに応じて増幅器100の電源電圧を変化させるだけである。
この結果、図4の増幅回路では、増幅器の効率が最大化されるわけではなく、電源電圧の変化を考慮しない大雑把な効率化が行われる。
つまり、増幅器の効率特性は、増幅器の電源電圧(ドレイン電圧)によって変化する。したがって、プリディストータの出力信号(増幅器への入力信号)のエンベロープに応じて増幅器100の電源電圧を変化させるだけでは、ある程度の効率化は可能であるとしても、電源電圧の変化による増幅器100の特性の変化が考慮されていないため、大雑把な効率化となる。
以上のように、図4の増幅回路では、電源変調部の電源変調特性を好適に制御することができず、歪特性及び増幅器効率の双方共に最適化を図ることが困難であった。
そこで、本発明は、電源変調特性及び歪補償特性の双方を好適に制御することができる増幅回路及び無線通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の増幅回路は、増幅器と、前記増幅器に当該増幅器の入力信号に応じた電源変調電圧を付与する電源変調部と、前記増幅器の歪補償を行う歪補償部と、前記増幅器への入力信号、及び出力信号に基づいて、前記入力信号と、前記出力信号との間における前記増幅器の特性を示す第一の増幅器モデルを推定する第一推定部と、前記電源変調電圧、及び前記出力信号に基づいて、前記電源変調電圧と、前記出力信号との間における前記増幅器の特性を示す第二の増幅器モデルを推定する第二推定部と、を備え、前記歪補償部が、前記第一の増幅器モデルに基づいて、前記増幅器の歪補償を行うものであるとともに、前記電源変調部が、前記第二の増幅器モデルに基づいて、前記電源変調電圧を制御することを特徴としている。
上記のように構成された増幅回路によれば、歪補償部が、第一推定部により推定される第一の増幅器モデルに基づいて増幅器の歪補償を行うとともに、電源変調部が、第二推定部により推定される第二の増幅器モデルに基づいて電源変調電圧を制御するので、電源変調特性及び歪補償特性の双方を増幅器の特性に応じて好適に制御することができる。
また、歪補償部と、電源変調部とは、それぞれ互いに独立した両推定部より得られる第一及び第二の増幅器モデルに基づき、互いに独立して歪補償及び電源変調電圧の制御を行うので、これら制御を行うための演算を簡略なものにできる。
前記第一推定部は、前記第一の増幅器モデルに基づいて前記出力信号から求められる推定入力信号と、前記入力信号との差異が最小となるように当該第一の増幅器モデルを推定するものであることが好ましく、この場合、増幅器出力の歪みをより小さくする歪補償特性とすることができる。
また、前記第二推定部は、前記第二の増幅器モデルに基づいて前記電源変調電圧から求められる推定出力信号と、前記出力信号との差異が最小となるように当該第二の増幅器モデルを推定するものであることが好ましく、この場合、増幅器効率をより高める電源変調特性に制御することができる。
前記両推定部は、それぞれ差異の最小化を勾配法によって行うものであってもよい。
この場合、勾配法により、歪補償特性又は電源変調特性を最適化する制御に要する演算を容易かつ速やかに行うことができる。
また、本発明の無線通信装置は、上述の増幅回路を送信信号の増幅、又は受信信号の増幅のために備えたことを特徴としている。
上記構成の無線通信装置によれば、上述のように電源変調特性及び歪補償特性の双方を好適に制御することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、無線通信装置としての無線基地局1aと、同じく無線通信装置としての端末装置1b,1c,1dとを有する無線通信システムの構成図である。
無線通信装置1a,1b,1c,1dは、それぞれ、無線信号を受信するための受信機11、無線信号を送信するための送信機12、及び、送受信信号の処理を行う処理部13を備えている。
受信機11は、線形変調信号を受信するものであり、線形変調信号を受信して増幅するために低雑音増幅回路11aを有している。
また、送信機12は、線形変調信号を送信するものであり、線形変調信号を増幅する電力増幅回路12aを有している。
前記低雑音増幅回路11a及び電力増幅回路12aの基本的構成は、共に同様であるので、以下では、電力増幅回路12aを増幅回路の一例として説明する。
図2は、(電力)増幅回路12aのハードウェア構成を示す回路図である。この増幅回路12aは、デジタル信号処理部(DSP)21、RF電力増幅器22(以下、単に増幅器22ともいう)、エンベロープ(包絡線)増幅器23等を備えている。
前記増幅器22は、線形変調信号を増幅するためのものであるが、非線形特性を有する動作領域を有しており、後述の図3の歪補償部30が必要とされる。
また、この増幅器22においては、入力信号の変化や増幅器特性のばらつきによって電力効率や歪特性が変化することがある。
デジタル信号処理部21は、増幅器22への入力となる信号(ベースバンド信号)を出力するとともに、増幅器22の出力(ベースバンド信号)を取得することができる。
なお、デジタル信号処理部21から増幅器22の信号入力端子までの間には、DAコンバータ(DAC)24、ローパスフィルタ(LPF)25、アップコンバータ26、バンドパスフィルタ27、及び、ドライバ28が設けられている。
また、デジタル信号処理部21から増幅器22の電源電圧入力端子までの間には、DAコンバータ(DAC)24、ローパスフィルタ29d、及び、エンベロープ増幅器23が設けられている。
エンベロープ増幅器23の入力信号(アナログ)の基になるデジタル信号は、デジタル信号処理部21によって、増幅器22への入力信号(デジタル)に基づいた電源変調電圧を設定するための制御信号として与えられる。従って、デジタル信号処理部21からDAコンバータ24、ローパスフィルタ29d、エンベロープ増幅器23を経て、増幅器22に電源電圧を付与する回路部分は、増幅器22への入力信号に応じて変調された電源変調電圧を当該増幅器22に付与する電源変調部20を構成している。
一方、増幅器22の出力端からからデジタル信号処理部21までの間には、方向性結合器29e、ダウンコンバータ29a、ローパスフィルタ29b、及び、ADコンバータ(ADC)29cが設けられている。
図3は、増幅回路12aの機能のうち、増幅器22に関する機能を示すブロック図である。
同図に示すように、デジタル信号処理部21は、増幅器22に与えられる信号の歪補償を行うプリディストータ(歪補償部)30、歪補償を行うために必要なパラメータをプリディストータ30に提供する第一推定部31、増幅器22へ与えられる電源変調電圧(ドレイン電圧)を付与する電源変調部20、及び、電源変調電圧を制御するために必要なパラメータを電源変調部20に提供する第二推定部33を備えている。
まず以下では、信号の歪補償を行うプリディストータ30、及びこれに付随する第一推定部31について詳述する。
プリディストータ30は、信号(歪補償前の信号)x(n)に増幅器22の歪特性に応じた歪補償処理を施して信号(歪補償後の信号)u(n)を出力する。プリディストータ30は、増幅器22の歪特性の逆特性を信号x(n)に付加することによって、歪補償を行う。
予め歪補償が施されたプリディストータ30の出力信号u(n)を増幅器22に与えることで、増幅器22からは、歪みの無い(もしくは少ない)出力信号z(n)が得られる。
ここで、増幅器22の歪特性は、下記式(1)に示す、べき級数モデル(PSM:Power Series Model)で表現される非線形特性として示すことができる。
Figure 2010045508
上記式(1)に基づいて、プリディストータ30は、上記歪補償処理をべき級数で表現された関数に基づいて演算する。下記式(2)に、プリディストータ30が歪補償処理を行うために用いる歪補償特性のべき級数モデルを示す。
Figure 2010045508
プリディストータ30は、上記式(2)に示すように、増幅器逆特性のパラメータに基づいて、増幅器22の歪特性の逆特性を信号x(n)に付加し、歪補償を行う。すなわち、プリディストータ30が出力する信号(増幅器22への入力信号)u(n)は、増幅器逆特性のパラメータを調整することによって調整可能である。
上記式(2)中の増幅器逆特性のパラメータは、第一推定部31により求められる。
第一推定部31は、増幅器22への入力信号である信号u(n)、及び出力信号z(n)に基づいて、増幅器逆特性のパラメータを演算し、プリディストータ30に出力する。
第一推定部31は、信号u(n)と、出力信号z(n)との間における増幅器22の特性を示す第一の増幅器モデル31aを有している。この第一の増幅器モデルは、下記式(3)のように表される。
Figure 2010045508
第一推定部31は、出力信号z(n)が与えられると、第一の増幅器モデル31aによって、信号uの推定(入力)信号を求める。
次いで、第一推定部31は、第一の増幅器モデル31aによって求められる推定信号と、実際に増幅器22に入力される信号と、から両者の誤差e1(n)を演算する。この誤差e1(n)の演算式は、下記式(4)の通りである。
Figure 2010045508
第一推定部31は、上記のように求められる誤差e1(n)が最小となるように、第一の増幅器モデル31aによる推定信号の演算及び誤差e1(n)の演算を繰り返す。第一推定部31は、誤差e1(n)が最小化される推定信号が得られるモデルを好適な第一の増幅器モデル31aとして推定する。
第一推定部31は、好適な第一の増幅器モデル31aを推定すると、そのときの当該モデルにおける増幅器逆特性のパラメータをプリディストータ30に出力する。
具体的に、第一推定部31は、勾配法に基づいて誤差e1(n)を最小化し、増幅器逆特性のパラメータを求める。
誤差e1(n)は、上記式(3),(4)より、下記式(5)に示すような「増幅器逆特性のパラメータ」に関する関数とみることができる。
第一推定部31は、下記式(6)に基づく演算を繰り返し、式(6)中の微分項が0(又は0とみなせる値)となると演算の反復を終了し、その時点での増幅器逆特性のパラメータを誤差e1(n)を最小化する増幅器逆特性のパラメータとして求める。
Figure 2010045508
増幅器逆特性のパラメータを受け取ったプリディストータ30は、上述のように、上記式(2)に基づいて歪補償を行う。
以上のように、プリディストータ30は、第一推定部31により推定された好適な第一の増幅器モデル31aに基づいて、増幅器22の歪補償を行う。
次に、増幅器22へ与えられる電源変調電圧を付与する電源変調部20、及びこれに付随する第二推定部33について詳述する。
電源変調部20は、増幅器22への入力信号(プリディストータ30の出力信号)である信号u(n)のエンベロープ(包絡線)に応じて、増幅器22に付与する電源電圧を変化させる変調制御を行う。すなわち、電源変調部20は、信号u(n)(のエンベロープ)が小さければ、電源変調電圧v(n)も小さくし、信号u(n)(のエンベロープ)が大きければ、電源変調電圧v(n)も大きくして、信号u(n)の変化に沿った電源変調電圧v(n)に設定し、増幅器22に設定した電源変調電圧v(n)を付与する。
電源変調部20は、下記式(7)によって表される電源変調特性のべき級数モデルに基づいて、電源変調電圧v(n)を設定する。
Figure 2010045508
上記式(7)に示すように、電源変調電圧v(n)は、信号u(n)と、電源変調特性のパラメータとによって求められる。すなわち、電源変調部20が出力する電源変調電圧v(n)は、電源変調特性のパラメータを調整することによって調整可能である。
上記式(7)中の電源変調特性のパラメータは、第二推定部33により求められる。
第二推定部33は、電源変調部20が出力する電源変調電圧v(n)、及び出力信号z(n)に基づいて、電源変調特性のパラメータを演算し、電源変調部20に出力する。
第二推定部33は、電源変調電圧v(n)と、出力信号z(n)との間における増幅器22の特性を示す第二の増幅器モデル33aを有している。この第二の増幅器モデル33aは、下記式(8)のように表される。
Figure 2010045508
第二推定部33は、電源変調電圧v(n)が与えられると、第二の増幅器モデル33aによって、増幅器22の推定出力信号を求める。
次いで、第二推定部33は、第二の増幅器モデル33aによって求められる推定出力信号と、実際に増幅器22から出力される出力信号z(n)と、から両者の誤差e2(n)を演算する。この誤差e2(n)の演算式は、下記式(9)の通りである。
Figure 2010045508
第二推定部33は、上記のように求められる誤差e2(n)が最小となるように、第二の増幅器モデル33aによる推定出力信号の演算及び誤差e2(n)の演算を繰り返す。第二推定部33は、誤差e2(n)が最小化される推定出力信号が得られるモデルを好適な第二の増幅器モデル33aとして推定する。
第二推定部33は、好適な第二の増幅器モデル33aを推定すると、そのときの当該モデルにおける電源変調特性のパラメータを電源変調部20に出力する。
具体的に、第二推定部33は、勾配法に基づいて、誤差e2(n)を最小化し、電源変調特性のパラメータを求める。
誤差e2(n)は、上記式(8),(9)より、下記式(10)に示すような「電源変調特性のパラメータ」に関する関数とみることができる。
第二推定部33は、下記式(11)に基づく演算を繰り返し、式(11)中の微分項が0(又は0とみなせる値)となると演算の反復を終了し、その時点での電源変調特性のパラメータを誤差e2(n)を最小化する電源変調特性のパラメータとして求める。
Figure 2010045508
電源変調特性のパラメータを受け取った電源変調部20は、上述のように、上記式(7)に基づいて電源変調電圧v(n)を求め、求めた電源変調電圧v(n)を増幅器22に付与する。
以上のように、電源変調部20は、第二推定部33により推定された好適な第二の増幅器モデル33aに基づいて、増幅器22に付与される電源変調電圧v(n)を設定し、制御する。
上記のように構成された増幅回路12aによれば、歪補償部が、第一推定部31により推定される第一の増幅器モデル31aに基づいて増幅器22の歪補償を行うとともに、電源変調部20が、第二推定部33により推定される第二の増幅器モデル33aに基づいて電源変調電圧v(n)を設定し、制御するので、電源変調特性及び歪補償特性の双方を増幅器の特性に応じて好適に制御することができる。
また、プリディストータ30と、電源変調部20とは、それぞれ互いに独立した両推定部31,33より得られる第一及び第二の増幅器モデル31a,33aに基づき、互いに独立して歪補償及び電源変調電圧の設定制御を行うので、これら制御を行うための演算を簡略なものにできる。
また、本実施形態では、第一推定部31が、誤差e1(n)が最小となるように第一の増幅器モデル31aを推定するので、増幅器出力の歪みをより小さくする歪補償特性とすることができる。
さらに、第二推定部33が、誤差e2(n)が最小となるように第二の増幅器モデル33aを推定するので、増幅器効率をより高める電源変調特性に制御することができる。
加えて上記両誤差の最小化を勾配法によって行うので、歪補償特性と電源変調特性とを最適化する制御に要する演算を容易かつ速やかに行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
無線通信システムの構成図である。 増幅回路のハードウェア構成を示す回路図である。 増幅回路の機能のうち、増幅器に関する機能を示すブロック図である。 従来の増幅回路の機能ブロック図である。
符号の説明
1a 無線基地局
1b,1c,1d 端末装置
12a 増幅回路
20 電源変調部
22 増幅器
30 プリディストータ(歪補償部)
31 第一推定部
31a 第一の増幅器モデル
33 第二推定部
33a 第二の増幅器モデル

Claims (5)

  1. 増幅器と、
    前記増幅器に当該増幅器の入力信号に応じた電源変調電圧を付与する電源変調部と、
    前記増幅器の歪補償を行う歪補償部と、
    前記増幅器への入力信号、及び出力信号に基づいて、前記入力信号と、前記出力信号との間における前記増幅器の特性を示す第一の増幅器モデルを推定する第一推定部と、
    前記電源変調電圧、及び前記出力信号に基づいて、前記電源変調電圧と、前記出力信号との間における前記増幅器の特性を示す第二の増幅器モデルを推定する第二推定部と、を備え、
    前記歪補償部が、前記第一の増幅器モデルに基づいて、前記増幅器の歪補償を行うものであるとともに、
    前記電源変調部が、前記第二の増幅器モデルに基づいて、前記電源変調電圧を制御することを特徴とする増幅回路。
  2. 前記第一推定部は、前記第一の増幅器モデルに基づいて前記出力信号から求められる推定入力信号と、前記入力信号との差異が最小となるように当該第一の増幅器モデルを推定する請求項1に記載の増幅回路。
  3. 前記第二推定部は、前記第二の増幅器モデルに基づいて前記電源変調電圧から求められる推定出力信号と、前記出力信号との差異が最小となるように当該第二の増幅器モデルを推定する請求項1又は2に記載の増幅回路。
  4. 前記差異の最小化を勾配法によって行う請求項2又は3に記載の増幅回路。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の増幅回路を送信信号の増幅、又は受信信号の増幅のために備えたことを特徴とする無線通信装置。
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