JP2010044829A - 収差補正素子、光ヘッド及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明電極の分割数を少なくしながら精度良く波面収差を補正できる収差補正素子、光ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】収差補正素子の基板の透明電極と対向する側の面を、非点収差のラジアル方向またはタンジェンシャル方向の位相分布形状となるような非球面の形状とし、透明電極を基板の曲面に倣った形状とし、透明電極の分割パターンを放射状の8分割領域とすることによって、透明電極の電極数が4個で非点収差を精度よく補正することができる。
【選択図】図2
【解決手段】収差補正素子の基板の透明電極と対向する側の面を、非点収差のラジアル方向またはタンジェンシャル方向の位相分布形状となるような非球面の形状とし、透明電極を基板の曲面に倣った形状とし、透明電極の分割パターンを放射状の8分割領域とすることによって、透明電極の電極数が4個で非点収差を精度よく補正することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、収差補正素子、それを用いた光ヘッド及び光ディスク装置に関するものである。
CD(Compact Disc)規格やDVD(Digital Versatile Disk)規格と呼ばれる複数種類の記録密度の光ディスクが既に広く普及しているが、近年、青紫色の波長のレーザ光を用いて情報を記録することにより、さらに記録密度が高められた超高密度光ディスクであるBD(Blu-ray Disc)規格やHD DVD(High Definition Digital Versatile Disk)規格の光ディスクも実用化されている。
光ディスクへの記録や記録された情報を再生するための光ディスク装置の一部には、光ディスクの傾き、光ディスクの厚さ(光ディスクの外表面から記録層までの距離)のばらつき、光学素子や光ヘッドの組み立てにおける誤差等によって生ずるコマ収差、球面収差、非点収差等の収差を補正するため収差補正素子が用いられている。
例えばDVD規格においては2層記録の光ディスクが含まれており、1層目と2層目では光ディスクの外表面から記録層までの距離が約55μmほど異なる。従って光ディスクの厚さのばらつき以前に2層記録の光ディスクは球面収差を発生させる要因が存在している。またコマ収差は対物レンズの光軸と光ディスクの記録面の傾きによって発生し、タンジェンシャル方向(光ディスクのトラックの接線方向)の傾きによるコマ収差とラジアル方向(光ディスクの半径方向)の傾きによるコマ収差がある。
液晶を用いた収差補正素子は、液晶層とこの液晶層を挟むように配置されたガラス基板、ガラス基板の液晶層と接する面側に液晶に電界を印加する透明電極が配設されている。透明電極は収差の分布形状に合わせて複数のパターンに分割されている。液晶層の数をn(nは自然数)とすれば透明電極の数は2n、ガラス基板の数はn+1となり、液晶層の数1、透明電極の数2、ガラス基板の数2が最小構成となる。
液晶層の数および透明電極の数を増加するとガラス基板の数が増大し収差補正素子の厚さと重さが増加する。厚い収差補正素子は高密度に集積された光ヘッド内の部品配置を圧迫し、ひいては光ヘッドの設計自由度を低下させる要因となる。このため上記した最小構成の収差補正素子で精度よく、また、効率よく収差を補正することが求められる。
一例として、特許文献1では、球面収差の補正効果を高めるために液晶パネルに電圧を印加する電極のパターンを細かく分割する際に、外部から与える制御信号の数を増やさないようにする方法が考案されている。球面収差の位相の大きさの順から、同心円状のセグメント電極の同じ位相の大きさのセグメント電極を導通させようとすると、導通線同士の交差が起こるが、交差部に絶縁部を形成して電極で導通線を橋渡しすることで、交差しても導通線同士がショートしないようにしている。電圧制御部とセグメント電極との間を結ぶ導通線部が絶縁部を介してそれぞれ交差していることにより、どのようなパターン形状であっても電圧制御部での分圧を用いて外部からの信号線を減らすことを可能としている。
特開2002−14314号公報
非点収差、球面収差、コマ収差等の波面収差を精度よく補正するには、それぞれの収差の分布パターンに合うように透明電極の分割数を増やしてやればよい。特許文献1のような方法によっても、分割数が多くなれば、信号線の数が多くなってしまう。しかしながら、電極数を増やすと、収差を補正する性能は向上するが、電極数が増えることによって信号線が増えたり、また駆動回路が複雑になるなどの問題がある。
図8は液晶を用いた一般的な収差補正素子101の断面図である。ガラス基板102、103の間に液晶分子を含む液晶層104が配設されている。ガラス基板102、103の内側表面(液晶層104側の面)には液晶に電界を印加する第1の透明電極105と第2の透明電極106が形成されている。ガラス基板102、103の厚さは約0.5〜1mm、液晶層104の厚さは数μm〜数十μm(マイクロメートル)である。この収差補正素子101の全体の厚さは約1〜2mmである。第1及び第2の透明電極105、106は収差の分布状態によって複数の領域に分割されている。
図9は非点収差の分布の例を示す図である。非点収差は光軸外の収差で放射状に分布する。非点収差は光ヘッドの光学部品の組み立て誤差や対物レンズがトラッキング方向にシフトすることによって発生する。図9(a)は対物レンズの有効範囲における非点収差の分布を示す図である。図9(b)、(c)は図9(a)の分布のラジアル方向及びタンジェンシャル方向の軸上における非点収差の大きさの分布状態を示す図である。非点収差の分布は光軸中心が鞍点となっており、収差の大きさは光軸を中心に点対象となっている。ラジアル方向とタンジェンシャル方向では位相が逆であり、ラジアル方向及びタンジェンシャル方向の軸線上の外周部において大きな収差を生じる。またラジアル方向及びタンジェンシャル方向の軸線に対して45度の傾きを持った方向の外周部において大きな収差を生じる場合もある。
図10は非点収差を補正する第1の透明電極105の分割パターンを示す図である。光軸を中心として同心円状に5分割された領域と放射状に8分割されており、全部で40個の領域に分割されている。非点収差の大きさは、光軸を中心に点対象となっているため、電極数は40個の領域に対して半分の数となるが、20個必要となる。
電極数が多くなると、制御回路のチャネル出力も多数必要となる。従って、透明電極の分割数はできるだけ少なくしながら、精度良く収差を補正できる収差補正素子が望まれている。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、透明電極の分割数を少なくしながら精度良く波面収差を補正できる収差補正素子、光ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の収差補正素子は、印加された電界に応じて屈折率が変化する液晶層と、前記液晶層を挟むように配設された一組の透明電極と、前記一組の透明電極を両側から挟むように配設された一組の基板とを有する収差補正素子であって、前記一組の基板の少なくとも一方は、前記一組の透明電極と対向する面の一部が非球面であることを特徴とする。
また、本発明の光ヘッドは、半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに向けて集光するとともに、前記光ディスクから反射した戻りレーザ光を受ける対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズの間の光路上に設けられ印加された電界に応じて屈折率が変化する液晶層と前記液晶層を挟むように配設された一組の透明電極と前記一組の透明電極を両側から挟むように配設された一組の基板を有する収差補正素子とを備えた光ヘッドであって、前記一組の基板の少なくとも一方は、前記一組の透明電極と対向する面の一部が非球面であることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに向けて集光するとともに、前記光ディスクから反射した戻りレーザ光を受ける対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズの間の光路上に設けられ印加された電界に応じて屈折率が変化する液晶層と前記液晶層を挟むように配設された一組の透明電極と前記一組の透明電極を両側から挟むように配設された一組の基板を有する収差補正素子とを備えた光ヘッドと、前記光ヘッドの光検出器の出力から前記光ディスクの情報の再生信号を演算処理する演算回路とを備えた光ディスク装置であって、前記一組の基板の少なくとも一方は、前記一組の透明電極と対向する面の一部が非球面であることを特徴とする。
本発明によれば、透明電極の分割数を少なくしながら精度良く波面収差を補正できる収差補正素子、光ヘッドおよびそれを用いた光ディスク装置を提供することができる。
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態が適用可能な光ディスク装置の構成の一例を示す図である。図1に示す光ディスク装置1は、光ヘッド2を有する。光ヘッド2は、所定の波長のレーザ光12を出力する半導体レーザ素子3を含む。なお、半導体レーザ素子3から出射されるレーザ光12の波長は、光ディスク10がCD系であれば780nm、DVD系であれば650nm、BD/HD DVD系であれば405nmである。
半導体レーザ素子3からのレーザ光12は、偏光ビームスプリッタ4を通過した後、コリメートレンズ5よりコリメートされ、収差補正素子6、λ/4板および回折素子7を透過し、対物レンズ8により、光ディスク10の記録再生面10aに集光される。DVD系、BD/HD DVD系は記録再生面が多層の場合がある。
光ディスク10の記録再生面10aに集光されたレーザ光12は、記録再生面10aで反射され、反射レーザ光13として対物レンズ8に戻され、λ/4板および回折素子7、収差補正素子6、コリメートレンズ5を透過して偏光ビームスプリッタ4に戻される。偏光ビームスプリッタ4に戻された反射レーザ光13は、偏光ビームスプリッタ4の反射面4aで反射され、光検出器11の受光面に結像される。
光検出器11の受光面は、通常、所定形状かつ複数に分割されており、それぞれの受光領域において受光された光ビームの光強度に応じた電流が出力される。個々の受光領域から出力された電流は、図示しないI/V(電流−電圧)変換アンプにより電圧信号に変換された後、演算回路14により、RF(再生)信号、フォーカスエラー信号およびトラックエラー信号等に利用可能に、演算処理される。なお、RF(再生)信号は、詳述しないが、所定の信号形式に変換され、もしくは所定のインタフェースを通じて、例えば一時記憶装置または外部記憶装置等に出力される。
演算回路14により得られた信号はまた、サーボドライバ15に供給され、対物レンズ8の焦点位置に所定のサイズで形成される光スポットを、対物レンズ8と光ディスク10の記録再生面10aとの間の距離に一致するよう、対物レンズ8の位置を変化させるためのフォーカスエラー信号の生成に利用される。なお、フォーカスエラー信号は、対物レンズ8の位置を変位させるアクチュエータ9に対して対物レンズ8の位置を変化させるためのフォーカス制御信号を得るために利用され、フォーカスエラー信号に基づいて生成されたフォーカス制御信号が、アクチュエータ9に供給される。アクチュエータ9はこれにより、アクチュエータ9に保持された対物レンズ8は、光ディスク10の記録再生面10aに対して、接近し、あるいは離れる方向(図1における左右方向)に、任意に移動される。
演算回路14により得られた信号はまた、サーボドライバ15に供給され、対物レンズ8の焦点位置に集光されたレーザ光14の光スポットが光ディスク10の記録再生面10aに記録されている記録マーク列もしくは予め形成されている案内溝すなわちトラックの概ね中心に案内されるよう対物レンズ8の位置を変化させるためのトラッキングエラー信号の生成に利用される。
なお、トラッキングエラー信号は、対物レンズ8の位置を変位させるアクチュエータ9に対して対物レンズ8の位置を所定の位置に変化させるためのトラッキング制御信号を得るために利用され、トラッキングエラー信号に基づいて生成されたトラッキング制御信号が、アクチュエータ9に供給される。従って、アクチュエータ9に保持された対物レンズ8は、光ディスク10の記録再生面10aのラジアル方向すなわちトラックまたは記録マーク列と交差する方向に、任意に移動される。
すなわち、対物レンズ8は、サーボドライバ15により、光ディスク10の記録再生面10aに形成されているトラックまたは記録マーク列に、対物レンズ9により集光された光スポットの大きさが、その焦点距離において最小となるように、逐次制御される。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる収差補正素子6の断面図である。基板16、17の間に液晶分子を含む液晶層18が配設されている。基板16、17は、光を透過する樹脂材料やガラス等の材料が用いられる。基板16、17の内側表面(液晶層18側の面)には液晶に電界を印加する第1の透明電極19と第2の透明電極20が形成されている。液晶層18は、第1の透明電極19と第2の透明電極20の電圧差によって電界が印加されると液晶層18の屈折率を変化させることができ、入射した光の位相を変化させることができる。収差補正素子6の動作は、サーボドライバ15によって制御されている。
基板16、17の厚さは約0.5〜1mm、液晶層18の厚さは数μm〜数十μm(マイクロメートル)である。この収差補正素子6の全体の厚さは約1〜2mmである。外形は数mm角の正方形あるいはそれに近い長方形、または面積がほぼ同じような円形であってもよい。液晶層18の周辺部には液晶を密封するための密封部材があるが、省略している。
基板16の透明電極19と対向する側の面は、その一部が対物レンズ8の有効範囲(開口範囲)を示す有効径21の内側が非球面となっている。この非球面の形状は、波面収差の位相分布形状となっている。基板16の透明電極19と対向する側の面の断面の曲線は、ラジアル方向の非点収差、またはタンジェンシャル方向の非点収差の分布形状の曲線になっている。透明電極19は、基板16の曲面に倣った形状となっている。液晶層18は、基板16、17と透明電極19、20の間の空間に充填されている。従って液晶層24の断面形状は、非点収差のラジアル方向またはタンジェンシャル方向の位相分布形状となっている。基板16は、液晶層18の電圧非印加時の屈折率と同様の屈折率を持つ材料を用いてもよい。なお非球面の範囲は一部ではなく基板16の外縁部まで及んでもよい。
図3は、透明電極19の分割パターンを示す図である。透明電極19の中心部は透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されている。透明電極19は、透明電極面の略中心を起点として、ラジアル方向の分割線22a、22e、タンジェンシャル方向の分割線22c、22g、ラジアル方向に対して略±45°の傾斜した分割線22b、22h、ラジアル方向に対して略±135°の傾斜した分割線22d、22fの8本の分割線により8個の領域23a〜23hに分割されている。透明電極面の中心と有効径21の中心は略一致しており、分割線22b、22d、22f、22hは、有効径21との交点から外側において、ラジアル軸と略平行になっている。したがって透明電極19における有効径21に相当する領域が透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されている。
非点収差の大きさは、光軸を中心に点対象となっているため、電極数は4個でよい。なお透明電極の分割パターンは透明電極20に適用してもよい。非点収差の補正を少ない電極数で精度よく補正することができる。
以上のように、基板16の透明電極19と対向する側の面を、非点収差のラジアル方向またはタンジェンシャル方向の位相分布形状となるような非球面の形状とし、透明電極19を基板16の曲面に倣った形状とし、透明電極19の分割パターンを領域23a〜23hのように8分割とすることによって、透明電極の電極数が4個で非点収差を精度よく補正することができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係わる収差補正素子24を示す図である。図4(a)は、基板25側から見た平面図であり、図4(b)はラジアル方向の断面図である。基板25、26の間に液晶分子を含む液晶層27が配設されている。基板25、26の内側表面(液晶層27側の面)には液晶に電界を印加する第1の透明電極28と第2の透明電極29が形成されている。収差補正素子24は、ラジアル方向の断面形状とタンジェンシャル方向の断面形状が同一である。
基板25は、透明電極28と対向する面が、1個の円とこの円と同心円状の複数の円環状の平面と外縁部の平面に分割されている。また、1個の円と複数の円環状の平面は、隣り合う平面は基板の厚さ方向の高さが異なっている。中心部分が円30aでその外側が同心円状の円環30b〜30e、外縁部の平面が外縁平面30fである。これらの円30aと複数の円環状平面30b〜30eは、波面収差の位相分布形状に近似するように配置されている。この位相分布形状は、非点収差のラジアル方向またはタンジェンシャル方向の位相分布形状である。収差補正素子24の基板25の円30aと複数の円環状平面30b〜30eは、図2で説明した収差補正素子6の曲面形状を同心円状の1個の円形平面と4個の円環状平面で近似している。
図5は、透明電極28の分割パターンを示す図である。収差補正素子24の透明電極28の分割パターンは、図3で説明した収差補正素子6の透明電極19の分割パターンと同じである。透明電極28の中心部は透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されている。透明電極28は、透明電極面の略中心を起点として、ラジアル方向の分割線32a、32e、タンジェンシャル方向の分割線32c、32g、ラジアル方向に対して略±45°の傾斜した分割線32b、32h、ラジアル方向に対して略±135°の傾斜した分割線32d、32fの8本の分割線により8個の領域33a〜33hに分割されている。透明電極面の中心と有効径21の中心は略一致しており、分割線32b、32d、32f、32hは、有効径21との交点から外側において、ラジアル軸と略平行になっている。したがって透明電極28における有効径21に相当する領域が透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されている。
非点収差の大きさは、光軸を中心に点対象となっているため、電極数は4個でよい。なお透明電極の分割パターンは透明電極29に適用してもよい。非点収差の補正を少ない電極数で精度よく補正することができる。
以上のように、基板25の透明電極28と対向する側の面を、円形平面30aと複数の円環状平面30b〜30eによって、波面収差の位相分布形状に近似するように配置し、透明電極28を基板25の面に倣った形状とし、透明電極28の分割パターンを領域33a〜33hのように8分割とすることによって、透明電極の電極数が4個で非点収差を精度よく補正することができる。
図6は、球面収差の分布の例を示す図である。光ディスクの基板の厚さ(光ディスクの外表面から記録再生面までの距離)のばらつきによって球面収差が発生する。図6(a)は対物レンズの有効範囲(開口範囲)における球面収差の分布を示す図である。球面収差は対物レンズを通過するレーザ光の光軸からの距離によって位相の進み遅れが生じるため、位相の進み遅れの状態が光軸を中心に同心円状に出現する。図6(b)は図6(a)の分布のラジアル方向の軸上における球面収差の大きさの分布状態を示す図である。球面収差は光軸中心部と外周部においては同位相の進みまたは遅れが発生し、その中間部では光軸中心部または外周部と逆位相の進みまたは遅れが発生する。図6(b)に示すように光軸中心部と外周部において収差が最も大きくなっている。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係わる収差補正素子34を示す図である。図7(a)は、基板35側から見た平面図であり、図7(b)はラジアル方向の断面図である。基板35、36の間に液晶分子を含む液晶層37が配設されている。基板35、36の内側表面(液晶層37側の面)には液晶に電界を印加する第1の透明電極38と第2の透明電極39が形成されている。収差補正素子34は、ラジアル方向の断面形状とタンジェンシャル方向の断面形状が同一である。
基板35は、透明電極38と対向する面が、1個の円形平面とこの円形平面と同心円状の複数の円環状の平面と外縁部の平面に分割されている。また、1個の円形平面と複数の円環状の平面は、隣り合う平面は基板の厚さ方向の高さが異なっている。中心部分が円形平面40a、その外側が同心円状の円環状平面40b〜40e、外縁部の平面が外縁平面40fである。これらの円形平面30aと複数の円環状平面40b〜40eは、波面収差の位相分布形状に近似するように配置されている。この位相分布形状は、球面収差の位相分布形状である。
基板35の円形平面40aと複数の円環状平面40b〜40eは、図6で説明した球面収差の大きさの分布形状を同心円状の1個の円形平面と4個の円環状平面で近似している。この球面収差の補正は、透明電極の電極数は1個でよいことになる。液晶層37の基板35、36で挟まれた厚さ方向の厚さに比例して入射した光の位相を変化させることができる。
以上のように、基板35の透明電極38と対向する側の面を、円形平面40aと複数の円環状平面40b〜40eによって、球面収差の位相分布形状に近似するように配置し、透明電極38を基板35の面に倣った形状とすることによって、透明電極の電極数が1個で非点収差を精度よく補正することができる。
本発明は以上の構成に限定されるもではなく種々の変形が可能である。
1 光ディスク装置
2 光ヘッド
3 半導体レーザ
6 収差補正素子
8 対物レンズ
9 アクチュエータ
10 光ディスク
14 演算回路
15 サーボドライバ
16 基板
17 基板
18 液晶層
19 第1の透明電極
20 第2の透明電極
2 光ヘッド
3 半導体レーザ
6 収差補正素子
8 対物レンズ
9 アクチュエータ
10 光ディスク
14 演算回路
15 サーボドライバ
16 基板
17 基板
18 液晶層
19 第1の透明電極
20 第2の透明電極
Claims (17)
- 印加された電界に応じて屈折率が変化する液晶層と、
前記液晶層を挟むように配設された一組の透明電極と、
前記一組の透明電極を両側から挟むように配設された一組の基板とを有する収差補正素子であって、
前記一組の基板の少なくとも一方は、前記一組の透明電極と対向する面の一部が非球面であることを特徴とする収差補正素子。 - 前記非球面は、波面収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項1記載の収差補正素子。
- 前記位相分布形状は、非点収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項2記載の収差補正素子。
- 前記一組の透明電極の一方は、前記透明電極の中心部が前記透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されていることを特徴とする請求項3記載の収差補正素子。
- 印加された電界に応じて屈折率が変化する液晶層と、
前記液晶層を挟むように配設された一組の透明電極と、
前記一組の透明電極を両側から挟むように配設された一組の基板とを有する収差補正素子であって、
前記一組の基板の少なくとも一方は、前記一組の透明電極と対向する面の一部が1個の円と該円と同心円状の複数の円環状の平面に分割され、隣り合う前記平面は前記基板の厚さ方向の高さが異なることを特徴とする収差補正素子。 - 前記複数の平面は、波面収差の位相分布形状に近似するように配置されていることを特徴とする請求項5記載の収差補正素子。
- 前記位相分布形状は、非点収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項6記載の収差補正素子。
- 前記位相分布形状は、球面収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項6記載の収差補正素子。
- 前記一組の透明電極の一方は、前記透明電極の中心部が前記透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されていることを特徴とする請求項7記載の収差補正素子。
- 半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに向けて集光するとともに、前記光ディスクから反射した戻りレーザ光を受ける対物レンズと、
前記半導体レーザと前記対物レンズの間の光路上に設けられ印加された電界に応じて屈折率が変化する液晶層と前記液晶層を挟むように配設された一組の透明電極と前記一組の透明電極を両側から挟むように配設された一組の基板を有する収差補正素子とを備えた光ヘッドであって、
前記一組の基板の少なくとも一方は、前記一組の透明電極と対向する面の一部が非球面であることを特徴とする光ヘッド。 - 前記非球面は、波面収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項10記載の光ヘッド。
- 前記位相分布形状は、非点収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項11記載の光ヘッド。
- 前記一組の透明電極の一方は、前記透明電極における前記対物レンズの有効径に相当する領域が前記透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されていることを特徴とする請求項12記載の光ヘッド。
- 半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに向けて集光するとともに、前記光ディスクから反射した戻りレーザ光を受ける対物レンズと、前記半導体レーザと前記対物レンズの間の光路上に設けられ印加された電界に応じて屈折率が変化する液晶層と前記液晶層を挟むように配設された一組の透明電極と前記一組の透明電極を両側から挟むように配設された一組の基板を有する収差補正素子とを備えた光ヘッドと、
前記光ヘッドの光検出器の出力から前記光ディスクの情報の再生信号を演算処理する演算回路とを備えた光ディスク装置であって、
前記一組の基板の少なくとも一方は、前記一組の透明電極と対向する面の一部が非球面であることを特徴とする光ディスク装置。 - 前記非球面は、波面収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項14記載の光ディスク装置。
- 前記位相分布形状は、非点収差の位相分布形状であることを特徴とする請求項15記載の光ディスク装置。
- 前記一組の透明電極の一方は、前記透明電極における前記対物レンズの有効径に相当する領域が前記透明電極面の略中心を起点に略等角度に8分割されていることを特徴とする請求項16記載の光ディスク装置。
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JP2008208609A JP2010044829A (ja) | 2008-08-13 | 2008-08-13 | 収差補正素子、光ヘッド及び光ディスク装置 |
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JP2008208609A JP2010044829A (ja) | 2008-08-13 | 2008-08-13 | 収差補正素子、光ヘッド及び光ディスク装置 |
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Family Applications (1)
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-
2008
- 2008-08-13 JP JP2008208609A patent/JP2010044829A/ja active Pending
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