JP2010140550A - 液晶素子及び光ピックアップ光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】対物レンズの偏心が生じても、収差をより確実に補正することができる液晶素子及び光ピックアップ光学系を提供する。
【解決手段】第1の透明電極層406及び第2の透明電極層407は、円形形状の第1の電極領域416、418と、第1の電極領域416、418の周囲に、当該円形形状と同心円状に配置される長円形状の第2の電極領域417、419と、を備え、第1の電極領域416、418は、略円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が光軸を中心として同心円状に配設される領域であり、第2の電極領域417、419は、略長円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が光軸を中心として同心円状に配設される領域であるように構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶素子及び光ピックアップ光学系に関し、特に、多層光ディスクの記録層間に起因する球面収差を補正する液晶素子及び光ピックアップ光学系に関する。
近年CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクが幅広く普及している。これら光ディスクは、再生専用の音楽やビデオなどのコンテンツの配布を主たるアプリケーションとしている。また、今日、光ディスクは、ダビングやビデオレコーディングなどの記録メディアとしての役割も有している。さらに、2011年に全ての地上波アナログテレビ放送がデジタルテレビ放送に移行するため、大画面の薄型ディスプレイが急速に普及している。そして、ハイビジョン動画記録のニーズが高まっている。これを受け、大容量の動画データを記録できる光ディスクとして、BD(Blu−ray Disc)が発売されている。BDは、記録用メディアとして発売されている。また、再生用ビデオコンテンツを記録したBDの販売も増えてきている。
BDには、波長405nmの青紫色半導体レーザから出射されるレーザ光が、開口数(NA)0.85の対物レンズにより集光される。これにより、BDに記録された情報が再生される。一方、DVDには、波長650nmのレーザ光が、NA0.6の対物レンズにより集光される。したがって、BDに使用されるレーザ光の波長は、DVDに使用されるレーザ光の波長の約0.6倍であり、DVDに使用されるレーザ光の波長に比べて短い。また、BDにレーザ光を集光する対物レンズのNAは、DVDにレーザ光を集光する対物レンズのNAの約1.4倍であり、DVDにレーザ光を集光する対物レンズのNAに比べて大きい。これにより、BDの記録容量は1層あたり25GBであり、2層DVDの記録容量は50GBになる。したがって、BDの記録容量は、DVDの約5倍に大容量化されている。一方で、BDのNAは大きいため、球面収差が増大しやすい。そこで、球面収差の増大を抑えるため、BDの透明基板の厚さはDVDよりも薄くなっている。例えば、BDの透明基板の厚さは0.1mmであり、DVDの透明基板の厚さは0.6mmである。このとき、2層BDでは、ディスク表面から0.1mmの深さにある記録層はL0層と呼ばれ、ディスク表面から0.075mmの深さにある記録層はL1層と呼ばれている。
そして、このような2層BDにおいて、再生スポットがL0層からL1層にジャンプする場合、実質的なカバー層厚が0.1mmから0.075mmに変化する。一般に、通常に光ディスク用の対物レンズの両面は、特定のカバー層厚に合わせて設計された非球面形状となっている。そのため、このようなカバー層厚の変化があると、球面収差が発生し、集光スポットがぼけてしまう。球面収差は、対物レンズのNAの4乗に比例して増大する。そのため、BDにおける球面収差は、DVDなどにおける球面収差に比べて増大しやすい。したがって、上記のような0.025mmのカバー層厚の変化は大きな球面収差を発生させてしまう。したがって、2層BDにおけるL0層からL1層への再生スポットのジャンプにおいては、球面収差の補正が必須である。
このような球面収差の補正は、コリメートレンズを光軸方向に沿って動かすことにより、行われる場合がある。具体的には、コリメートレンズを光軸方向に沿って動かすことにより、対物レンズに入射するレーザ光の発散度合いを調整する。これにより、当該球面収差を補正する。しかし、このような補正方法ではコリメートレンズの可動範囲を確保する必要がある。そのため、光ピックアップ光学系が大型となってしまう。よって、当該光ピックアップ光学系をノートパソコンなどに搭載されるスリムタイプのドライブ装置に適用することが困難となる。
そこで、特許文献1には、液晶素子を用いて当該球面収差を補正する技術が記載されている。特許文献1に記載の液晶素子は、コマ収差を補正するための透明電極、球面収差を補正するための透明電極、非点収差を補正するための透明電極を有している。液晶素子を光学系の固定部に設置した場合、トラッキング動作により対物レンズが光ディスクの半径方向に沿ってシフトすると、液晶の光軸と対物レンズの光軸がずれる。これにより、さらに収差が発生する。具体的には、光ディスクが傾くことによって発生するコマ収差を補正するためのコマ収差を液晶素子がレーザ光に発生させている場合に、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とがずれると非点収差が発生する。特許文献1では、さらに、非点収差を補正するための透明電極で当該非点収差を補正するための非点収差を液晶素子に発生させている。
また、特許文献2には、液晶素子によって、対物レンズに入射するレーザ光の発散度合いを変化させる技術が記載されている。これにより、多層光ディスクの層間の基板厚の違いによって生じる球面収差の補正を行っている。レーザ光の発散度合いを変化させるためには、収差として、焦点ずれ(デフォーカス)に相当する波面収差を与えればよい。したがって、液晶素子によって、デフォーカス収差を発生させるための位相差をレーザ光に付与すればよい。液晶素子によって、レーザ光にデフォーカス収差を発生させている場合に、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸がずれても、実質的に波面チルト成分に相当する収差しか発生しない。波面チルト成分の収差は、トラッキング動作によって補正することが可能である。したがって、特許文献2のように、レーザ光にデフォーカス収差を発生させて球面収差を補正する方法は、特許文献1のように、球面収差を当該球面収差そのものの波面収差をレーザ光に発生させて補正する方法に比べて、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸がずれた場合に発生する収差が小さいというメリットがある。しかし、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とがずれた場合、液晶素子の有効範囲を変更する必要がある。特許文献2では、液晶素子として、DMD(Digital Micromirror Device)を用い、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とのずれに応じ、液晶素子の有効範囲を変更している。
特開2003−338070号公報 特開2006−338840号公報
しかしながら、特許文献1では、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とのずれ量に応じて、各収差成分の補正量が変化する。そのため、対物レンズのトラッキング動作時には、リアルタイムに補正を行う必要がある。しかし、液晶素子の応答速度は一般に数十msecである。そして、当該応答速度は、光ディスクの回転に伴う偏心の補正には性能が不十分である。応答性能が不十分だと、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とのずれ量の変化に追随できない。そのため、実際の収差補正性能は低下してしまう。
また、特許文献2では、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とのずれに応じて、液晶素子の有効範囲を変更する際に、特許文献1と同様に、液晶素子の応答性能に起因する問題が生じる。そのため、実際の収差補正性能は低下してしまう。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、対物レンズの偏心が生じても、収差をより確実に補正することができる液晶素子及び光ピックアップ光学系を提供することを目的とする。
本発明にかかる液晶素子は、第1の透明基板と、第2の透明基板と、屈折率異方性媒質層と、を備える。前記第1の透明基板と第2の透明基板とは対向している。前記屈折率異方性媒質層は、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に挟持される。また、前記第1の透明基板の前記屈折率異方性媒質層側の表面に第1の透明電極層が形成されている。また、前記第2の透明基板の前記屈折率異方性媒質層側の表面に第2の透明電極層が形成されている。さらに、前記第1の透明電極層及び前記第2の透明電極層は、第1の電極領域と、前記第1の電極領域の周囲に形成される第2の電極領域とを備えている。また、前記第1の電極領域は、円形形状に形成されている。また、前記第2の電極領域は、長円形状に形成され、前記第1の電極領域の前記円形形状と同心円状に配置される。また、前記第1の電極領域は、略円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が光軸を中心として同心円状に配設される領域である。また、前記第2の電極領域は、略長円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が光軸を中心として同心円状に配設される領域である。
本発明においては、通常、光束が透過する範囲となる第1の電極領域の周囲に長円形状の第2の電極領域が設けられている。そのため、対物レンズの偏心などによって光束が透過する範囲が変化しても、第2の電極領域の透明電極に電圧を印加することによって、光束に所望する位相差を付与することができる。したがって、対物レンズの偏心が生じても、当該偏心が生じていない場合と同様に収差補正を行うことができる。
特に、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とのずれ量に応じてリアルタイムに補正量を変化させる必要もなく、当該ずれ量に応じて液晶素子の有効範囲を変更する必要もない。そのため、液晶素子の応答性能に起因する問題も生じない。したがって、対物レンズの偏心が生じても、収差をより確実に補正することができる。
また、前記第1の透明電極層において、略同じ値の電圧を印加する前記透明電極が前記光束の径方向に略周期的に配設されていることが好ましい。さらに、前記第1の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内(hは、h≧1を満たす整数、λは設計波長)で、光束の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するとともに、隣り合う前記透明電極を透過する光束間にhλの位相差を付与する部分を有するように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加することが好ましい。また、前記第2の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、光束の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与するように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加することが好ましい。
これにより、第1の透明電極層において、略同じ値の電圧を印加する透明電極が光束の径方向に略周期的に配設されている。また、第1の透明電極層によって電圧が印加されることにより、屈折率異方性媒質層が、液晶素子を透過する光束に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、光束の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。これにより、液晶素子は、液晶素子を透過する光束に、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差を付与することができる。具体的には、位相差が波長の整数倍であることは位相差がないのと同じであるため、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差は、当該位相差から波長の整数倍の位相差を差し引いたものと等価である。−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差から波長の整数倍の位相差を差し引くと、−1λ以上、+1λ以下の範囲内で、光束の径方向に沿って略周期的に変化する位相差となる。そのため、屈折率異方性媒質層が、液晶素子を透過する光束に、−1λ以上、+1λ以下の範囲内(この場合、h=1)で、光束の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与することにより、当該光束に、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差を付与することができる。
また、第1の透明電極層によって電圧が印加されることにより、屈折率異方性媒質層は、隣り合う透明電極を透過する光束間にhλの位相差を付与する部分を有する。そして、第1の透明電極層によって電圧が印加された屈折率異方性媒質層は、このような位相差を光束に付与することにより、光束に、デフォーカス収差を発生させることができる。そして、当該デフォーカス収差により、球面収差を補正することができる。また、当該デフォーカス収差は、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差に基づくものである。そのため、当該デフォーカス収差量は大きな値となる。したがって、第1の透明電極層によって屈折率異方性媒質層に電圧を印加することにより、液晶素子を透過する光束に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内の比較的制限された位相差を付与するだけで、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差に基づく大きなデフォーカス収差を発生させることができ、大きな球面収差を補正することができる。
しかし、第1の透明電極層によって屈折率異方性媒質層に電圧を印加することにより、液晶素子を透過する光束に発生されるデフォーカス収差は、離散的な値となってしまう。そのため、第2の透明電極層によって電圧が印加されることにより、屈折率異方性媒質層が、液晶素子を透過する光束に、光束の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与することが好ましい。これにより、液晶素子を透過する光束に所定の範囲内で略連続的な値の収差を発生させることができる。そして、第1の透明電極層によって電圧が印加されることにより、屈折率異方性媒質層が、液晶素子を透過する光束に付与する離散的なデフォーカス収差と、当該略連続的な値のデフォーカス収差とが合わさる。したがって、第1の透明電極層及び第2の透明電極層によって電圧が印加されることにより、屈折率異方性媒質層が、液晶素子を透過する光束に−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差に基づく大きなデフォーカス収差であって略連続的なデフォーカス収差を発生させることができる。これにより、当該液晶素子は、大きな収差を略連続的に補正することができる。
また、前記液晶素子により、当該液晶素子を透過する光束に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲が−S以上、+S以下(Sは正の数)である場合に、前記第1の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、−(i/j)S(jが奇数の場合、iは、i≦jを満たす偶数、jが偶数の場合、iは、i≦jを満たす奇数)、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正するような収差を発生させるように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加することが好ましい。
さらに、前記第2の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正するような収差を発生させるように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加することが好ましい。
これにより、液晶素子を透過する光束に発生させた収差により補正する球面収差量の範囲を任意の数2jで等分し、第1の透明電極層を駆動することにより、屈折率異方性媒質層は、等分して得られる離散的な値の球面収差量(−(i/j)S、0、+(i/j)S)を補正するようなデフォーカス収差を当該光束に発生させる。このとき、第2の透明電極層を駆動することにより、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差を補正するような収差を当該光束に発生させると、当該光束に、−S以上、+S以下の球面収差量を略連続的に補正するような収差を発生させることができる。そして、jの数を大きくする程、第2の透明電極層を駆動することにより、当該光束に発生させる収差の範囲を小さくすることができる。したがって、jの数を大きくすることにより、第2の透明電極層の第2の透明電極の輪帯数を少なくすることができる。
また、前記液晶素子は、レーザ光源からの光束を光記録媒体に集光する光ピックアップ光学系の所定位置に固定して配置されており、前記液晶素子は、前記液晶素子を透過する光束に位相差を与えることにより、当該光束にデフォーカス収差を付与することが好ましい。
通常、液晶素子を光ピックアップ光学系の所定位置に固定して配置すると、アクチュエータによって対物レンズが動作することにより、液晶素子と対物レンズとの間に軸ズレが生じる。また、光記録媒体の各記録層の基板厚みの違いに基づく球面収差を補正するために、液晶素子により、液晶素子を透過する光束に、光線高さの4乗に比例する球面収差を発生させる。このとき、軸ズレなどが発生すると、光線高さの3乗に比例する大きなコマ収差が発生する。このとき、液晶素子により、液晶素子を透過する光束に、光線高さの2乗に比例するデフォーカス成分を含む位相差を付与すると、当該光束に発生する収差としては、光線高さの1乗に比例するチルト成分のみが残る。当該チルト成分は、光束のスポット形状に影響を与えない。そのため、液晶素子が当該液晶素子を透過する光束に位相差を与えることにより、デフォーカス収差を付与することにより、軸ズレなどに起因するコマ収差を低減することができる。
また、液晶素子を光ピックアップ光学系の所定位置に固定して配置することにより、液晶素子を対物レンズとともにアクチュエータに搭載する場合に比べて、アクチュエータの重量を低減することができる。これにより、アクチュエータの周波数応答性を劣化させずに済む。そのため、高速な信号再生を実現することができる。
さらに、また、前記第1の透明電極層は、異なる電圧が印加される複数本の前記透明電極を有し、前記透明電極は、同じ電圧が印加される複数の輪帯からなり、前記輪帯は、一部が欠失されてなる端部を有し、前記内側の輪帯の端部と、前記内側の輪帯と同じ電圧を印加する外側の輪帯の端部とが略半径方向に沿って引き出し電極により順次接続され、複数本の前記透明電極の前記引き出し電極が互いに重なり合わないように配置されていることが好ましい。
これにより、同じ電圧を印加する複数の輪帯状の電極を1本の透明電極とすることができる。そして、引き出し電極の本数を第1の透明電極層に印加する電圧数とすることができる。よって、引き出し電極の領域を最小限に抑えることができ、液晶素子の収差補正性能の低下を防ぐことができる。
本発明にかかる光ピックアップ光学系は、レーザ光源からの光束を平行光に変換するコリメートレンズと、前記コリメートレンズから出射された光束を光記録媒体に集光する対物レンズと、を備えている。また、前記コリメートレンズと前記対物レンズとの間に上述の液晶素子が配置されている。
換言すれば、通常、光束が透過する範囲となる第1の電極領域の周囲に長円形状の第2の電極領域が設けられている。そのため、対物レンズの偏心などによって光束が透過する範囲が変化しても、第2の電極領域の透明電極に電圧を印加することによって、光束に所望する位相差を付与することができる。したがって、対物レンズの偏心が生じても、当該偏心が生じていない場合と同様に収差補正を行うことができる。
特に、液晶素子の光軸と対物レンズの光軸とのずれ量に応じてリアルタイムに補正量を変化させる必要もなく、当該ずれ量に応じて液晶素子の有効範囲を変更する必要もない。そのため、液晶素子の応答性能に起因する問題も生じない。したがって、対物レンズの偏心が生じても、収差をより確実に補正することができる。
さらに、前記液晶素子と前記対物レンズとの間に立ち上げミラーを備え、前記第2の電極領域の長円形状の長軸が前記光記録媒体の記録面に平行となるように、前記液晶素子が配置されていることが好ましい。
これにより、光記録媒体の記録面がレーザ光源から液晶素子までの光軸と平行とすることができる。そのため、当該光ピックアップ光学系の高さを低減することができる。さらに、液晶素子の第2の電極領域の長円形状の長軸が光記録媒体の記録面に平行であるため、当該光ピックアップ光学系の高さをより一層低減することができる。よって、当該光ピックアップ光学系をノートパソコンなどに搭載されるスリムタイプのドライブ装置に適用することができる。
本発明により、対物レンズの偏心が生じても、収差をより確実に補正することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。また、以下、球面収差量として、光記録媒体の各記録層の基板厚みの違いやバラツキによって生じる球面収差を例に挙げて説明するが、本発明によれば、半導体レーザのバラツキ、対物レンズのバラツキ、温度変化などによって生じる球面収差量を補正することも可能である。
(実施例1)
まず、本発明の実施例1にかかる光ピックアップ光学系100について説明する。図1は、実施例1にかかる光ピックアップ光学系100の一例を示したものである。光ピックアップ光学系100は、半導体レーザ1(レーザ光源)、ビームスプリッタ2、コリメートレンズ3、液晶素子4、立ち上げミラー5、対物レンズ6、光検出器7、フレキシブルプラスティックケーブル(FPC)431等を備えている。また、液晶素子4と立ち上げミラー5との間には、図示しない1/4波長板が配置されている。
半導体レーザ1から出射された直線偏光のレーザ光(光束)の光路上にビームスプリッタ2が設けられている。また、ビームスプリッタ2より出射したレーザ光の光路上に、コリメートレンズ3が設けられている。コリメートレンズ3は、ビームスプリッタ2から出射されたレーザ光を発散光から略平行光に変換する。
コリメートレンズ3から出射されたレーザ光の光路上に液晶素子4が設けられている。
液晶素子4の側面図を図2に示す。図2に示すように、液晶素子4は、第1の透明基板401(第2の透明基板)、第2の透明基板402(第1の透明基板)、第3の透明基板403(第2の透明基板)、第1の液晶層404(屈折率異方性媒質層)、第2の液晶層405(屈折率異方性媒質層)、第1の透明電極層406(第2の透明電極層)、第2の透明電極層407(第1の透明電極層)、第3の透明電極層408(第1の透明電極層)、第4の透明電極層409(第2の透明電極層)、封止材410、411、412、413、異方性導電性接着剤414、415などを有している。
また、第1の透明基板401と第2の透明基板402との間に、封止材410及び封止材411により液晶が封入されている。これにより、第1の液晶層404が形成されている。同様に、第2の透明基板402と第3の透明基板403との間に、封止材412及び封止材413により液晶が封入されている。これにより、第2の液晶層405が形成されている。
また、第1の透明電極層406は、第1の透明基板401の第1の液晶層404側の面に形成されている。また、第2の透明電極層407は、第2の透明基板402の第1の液晶層404側の面に形成されている。そして、第1の透明電極層406及び第2の透明電極層407に電圧が印加されることにより、第1の液晶層404の配向が変化する。同様に、第3の透明電極層408は、第2の透明基板402の第2の液晶層405側の面に形成されている。また、第4の透明電極層409は、第3の透明基板403の第2の液晶層405側の面に形成されている。そして、第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409に電圧が印加されることにより、第2の液晶層405の配向が変化する。
液晶素子4は、直線偏光のレーザ光の収差を補正する。そして、第1の透明電極層406、第2の透明電極層407、第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409が駆動されることにより、液晶素子4は、透過するレーザ光に位相差を発生させ、収差を補正する。
具体的には、液晶素子4は、コリメートレンズ3から出射されたレーザ光に位相差を発生させて、収差補正を行う。一方、液晶素子4は、光ディスク8(光記録媒体)により反射され、対物レンズ6により集光されたレーザ光に位相差を発生させて、収差補正を行う。
また、第1の液晶層404と及び第2の液晶層405は、液晶分子の配向方向が互いに直交するように設けられている。そのため、第1の液晶層404が半導体レーザ1から対物レンズ6に向かうレーザ光の収差を補正する場合、第2の液晶層405が光ディスク8から光検出器7に向かうレーザ光の収差を補正する。
液晶素子4から出射されたレーザ光の光路上に1/4波長板(図示省略)が設けられている。
そして、液晶素子4から出射されたレーザ光は、1/4波長板(図示省略)を透過することにより、円偏光に変換される。
対物レンズ6は、1/4波長板(図示省略)を透過したレーザ光の光路上に設けられている。
対物レンズ6は、入射されたレーザ光を光ディスク8(光記録媒体)のディスク面(記録面)に集光させる機能を有する。対物レンズ6は、さらに、光ディスク8のディスク面で反射されたレーザ光を光検出器7に導く機能も有する。
フォーカスサーボ時、及びトラッキングサーボ時には、対物レンズ6が図示されないアクチュエータにより動作する。
実施例1においては、光ディスク8として、2層BDを例に挙げて説明する。光ディスク8において、L0層の実質的なカバー層厚は、0.1mmであり、L1層の実質的なカバー層厚は0.075mmである。
また、実施例1において、対物レンズ6として、カバー層厚0.0875mmの位置に良好にレーザ光を収束する対物レンズを例に挙げて説明する。光ディスク8のディスク表面からカバー層厚0.0875mmの位置は、L0層及びL1層との略中間の位置である。したがって、対物レンズ6を用いて、L0層に光スポットを集光する場合に発生する球面収差は、L1層に光スポットを集光する場合に発生する球面収差と絶対値が等しく、符号のみが逆となる。そこで、液晶素子4を駆動することにより、当該球面収差の補正を行う。
次に、半導体レーザ1から出射されたレーザ光が光ディスク8のディスク面で反射され光検出器7に検出されるまでの挙動について説明する。半導体レーザ1から出射されたレーザ光はビームスプリッタ2を透過してコリメートレンズ3に入射する。
コリメートレンズ3は、半導体レーザ1から出射されたレーザ光を発散光から略平行光に変換する。
コリメートレンズ3を透過したレーザ光は、液晶素子4に入射される。ここで、実施例1においては、液晶素子4によって、液晶素子4を透過するレーザ光に、収差を低減するような位相差を付与する。
次いで、液晶素子4を透過したレーザ光は、1/4波長板(図示省略)を透過した後、対物レンズ6に入射される。そして、対物レンズ6は、レーザ光を光ディスク8のディスク面に集光させる。
光ディスク8のディスク面で反射されたレーザ光は、対物レンズ6を介して光検出器7に入射し、検出される。光検出器7は、当該レーザ光を検出し、光電変換して出力信号を出力する。そして、光検出器7の出力信号に基づいて、フォーカスエラー信号、トラックエラー信号、再生信号などを生成する。また、当該フォーカスエラー信号、トラックエラー信号、再生信号などを用いて光ディスク8の記録及び/又は再生を行う。
次に、実施例1にかかる液晶素子4について詳細に説明する。図3に、液晶素子4を透明基板401、402、403毎に分解した状態を表す斜視図を示す。なお、図3において、液晶層404、405、封止材410、411、412、413等の図示は省略している。
図3に示すように、第1の透明電極層406は、円形形状の第1の電極領域416と、第1の電極領域416の周囲に、長円形状の第2の電極領域417と、を備えている。また、第2の電極領域417は、第1の電極領域416の円形形状に対して同心円状に配置されている。換言すれば、第2の電極領域417は、第1の電極領域416の側方方向に所定量延出する領域となっている。即ち、第2の電極領域417は、第1の電極領域416を取り囲むように形成されている。
第1の電極領域416では、略円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が同心円状に配設されている。
第2の電極領域417では、略長円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が同心円状に配設されている。そして、第2の電極領域417に配設される透明電極の輪帯の短軸は、第1の電極領域416に配設される輪帯の直径と同じか、当該直径より長くなっている。これにより、第2の電極領域417は、第1の電極領域416を取り囲むように形成される。
また、図1に示すように、第2の電極領域417の長軸は、光ディスク8のディスク面に平行となっている。
また、第1の透明電極層406と同様に、第2の透明電極層407は、円形形状の第1の電極領域418と、第1の電極領域418の周囲に、長円形状の第2の電極領域419と、を備えている。
また、第3の透明電極層408は、円形形状の第1の電極領域420と、第1の電極領域420の周囲に、長円形状の第2の電極領域421と、を備えている。
また、第4の透明電極層409は、円形形状の第1の電極領域422と、第1の電極領域422の周囲に、長円形状の第2の電極領域423と、を備えている。
それぞれの第1の電極領域418、420、422における透明電極の配設状態は、第1の電極領域416と同様であるため、その説明を省略する。また、それぞれの第2の電極領域419、421、423における透明電極の配設状態も、第2の電極領域417と同様であるため、その説明を省略する。
そして、第1の透明基板401において、第1の電極領域416は、第2の透明基板402上の第1の電極領域418と対向する位置に設けられている。また、第2の透明基板402の第1の液晶層404側の面において、第1の電極領域418は、第2の透明基板402の第2の液晶層405側の面上の第1の電極領域420と対向する位置に設けられている。また、第2の透明基板402の第2の液晶層405側の面において、第1の電極領域420は、第3の透明基板403上の第1の電極領域422と対向する位置に設けられている。
同様に、第1の透明基板401において、第2の電極領域417は、第2の透明基板402上の第2の電極領域419と対向する位置に設けられている。また、第2の透明基板402の第1の液晶層404側の面において、第2の電極領域419は、第2の透明基板402の第2の液晶層405側の面上の第2の電極領域421と対向する位置に設けられている。また、第2の透明基板402の第2の液晶層405側の面において、第2の電極領域421は、第3の透明基板403上の第2の電極領域423と対向する位置に設けられている。
即ち、液晶素子4を光軸方向から見た場合に、各第1の電極領域416、418、420、422は重なるように設けられている。同様に、液晶素子4を光軸方向から見た場合に、各第2の電極領域417、419、421、423は重なるように設けられている。
図4に、液晶素子4を光軸方向から見た模式図を示す。図4に示すように、第1の電極領域416、418、420、422と第2の電極領域417、419、421、423が設けられているところが液晶素子4の有効範囲となる。図4において、液晶素子4の有効範囲を太線で囲んで示す。実施例1では、対物レンズ6の有効径が2.4mmであるため、第1の電極領域416、418、420、422の直径は2.4mmとなっている。また、通常レンズシフトが生じる範囲は、±0.3mmであるため、第2の電極領域417、419、421、423の長軸は、2.4mm+0.3mm×2より、3.0mmとなっている。さらに、第2の電極領域417、419、421、423の長軸は、光ディスク8のディスク面(図4に示すラジアル方向)に平行となっている。これにより、トラッキング動作などにより対物レンズ6が移動することによって、液晶素子4の光軸と対物レンズ6の光軸とがずれても、液晶素子4を透過する光束の透過範囲は液晶素子4の有効範囲内となる。そのため、対物レンズ6の偏心が生じても、当該偏心が生じていない場合と同様に収差を補正することができる。
特に、液晶素子4の光軸と対物レンズ6の光軸とのずれ量に応じてリアルタイムに補正量を変化させる必要もなく、当該ずれ量に応じて液晶素子の有効範囲を変更する必要もない。そのため、液晶素子4の応答性能に起因する問題も生じない。したがって、対物レンズ6の偏心が生じても、収差をより確実に補正することができる。
また、第2の電極領域417、419、421、423の短軸は、第1の電極領域416、418、420、422の直径と略同じとなっている。図1に示すように、実施例1にかかる光ピックアップ光学系100では、立ち上げミラー5を用いている。そのため、液晶素子4から出射された光束は、立ち上げミラー5により略直角に反射されて対物レンズ6に入射する。これにより、光ディスク8は、光ディスク8のディスク面が半導体レーザ1から液晶素子4までの光軸と平行となるように、光ピックアップ光学系100に搭載されることとなる。したがって、立ち上げミラー5を備えることにより、光ピックアップ光学系100の高さを低減することができる。
さらに、液晶素子4の第2の電極領域417、419、421、423の長軸が光ディスク8のディスク面と平行であるため、液晶素子4の幅方向のみが長くなる。したがって、液晶素子4の高さを低減することができる。これにより、光ピックアップ光学系100の高さをより一層低減することができる。よって、当該光ピックアップ光学系100をノートパソコンなどに搭載されるスリムタイプのドライブ装置に適用することができる。
また、第1の透明電極層406は、第1の液晶層404が、液晶素子4を透過するレーザ光に、レーザ光の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与するように、第1の液晶層404に電圧を印加する。これにより、液晶素子4が当該液晶素子4を透過するレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲が−S以上、+S以下である場合、第1の液晶層404は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−(1/j)S以上(jは、j≧1を満たす整数)、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正する収差を発生させる。即ち、第1の液晶層404は、液晶素子4を透過するレーザ光に、レーザ光の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与することにより、当該レーザ光に、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正する収差を発生させる。
また、第2の透明電極層407において、略同じ値の電圧を印加する透明電極がレーザ光の径方向に略周期的に配設されている。そして、第2の透明電極層407は、第1の液晶層404が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内(hは、h≧1を満たす整数、λは設計波長)で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するように、第1の液晶層404に電圧を印加する。換言すれば、第2の透明電極層407によって駆動されることにより、第1の液晶層404は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。
また、第2の透明電極層407は、第1の液晶層404が、第2の透明電極層407において隣り合う透明電極を透過するレーザ光間にhλの位相差を付与する部分を有するように、第1の液晶層404に電圧を印加する。
これにより、液晶素子4が当該液晶素子4を透過するレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲が−S以上、+S以下である場合、第1の液晶層404は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−(i/j)S(jが奇数の場合、iは、i≦jを満たす偶数、jが偶数の場合、iは、i≦jを満たす奇数)、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正する収差を発生させる。換言すれば、第2の透明電極層407は、第1の液晶層404が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−(i/j)S、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正する収差を発生させるように、第1の液晶層404に電圧を印加する。
即ち、第1の液晶層404は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するとともに、第2の透明電極層407の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間にhλの位相差を付与する部分を有することにより、当該レーザ光に、−(i/j)S、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正する収差を発生させる。
また、第3の透明電極層408において、略同じ値の電圧を印加する透明電極がレーザ光の径方向に略周期的に配設されている。そして、第3の透明電極層408は、第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内(hは、h≧1を満たす整数、λは設計波長)で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するように、第2の液晶層405に電圧を印加する。換言すれば、第3の透明電極層408によって駆動されることにより、第2の液晶層405は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。
また、第3の透明電極層408は、第2の液晶層405が、第3の透明電極層408において隣り合う透明電極を透過するレーザ光間にhλの位相差を付与する部分を有するように、第2の液晶層405に電圧を印加する。
これにより、液晶素子4が当該液晶素子4を透過するレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲が−S以上、+S以下である場合、第2の液晶層405は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−(i/j)S、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正する収差を発生させる。換言すれば、第3の透明電極層408は、第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−(i/j)S、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正する収差を発生させるように、第2の液晶層405に電圧を印加する。
即ち、第2の液晶層405は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するとともに、第3の透明電極層408の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間にhλの位相差を付与する部分を有することにより、当該レーザ光に、−(i/j)S、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正する収差を発生させる。
また、第4の透明電極層409は、第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、レーザ光の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与するように、第2の液晶層405に電圧を印加する。これにより、液晶素子4が当該液晶素子4を透過するレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲が−S以上、+S以下である場合、第2の液晶層405は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−(1/j)S以上(jは、j≧1を満たす整数)、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正する収差を発生させる。即ち、第2の液晶層405は、液晶素子4を透過するレーザ光に、レーザ光の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与することにより、当該レーザ光に、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正する収差を発生させる。
第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408において、略同じ値の電圧を印加する透明電極がレーザ光の径方向に略周期的に配設されている。そして、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408によって電圧が印加されることにより、第1の液晶層404又は第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。これにより、液晶素子4は、液晶素子4を透過するレーザ光に、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差を付与することができる。具体的には、位相差が波長の整数倍であることは位相差がないのと同じであるため、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差は、当該位相差から波長の整数倍の位相差を差し引いたものと等価である。−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差から波長の整数倍の位相差を差し引くと、−1λ以上、+1λ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差となる。そのため、第1の液晶層404及び第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−1λ以上、+1λ以下の範囲内(この場合、h=1)でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与することにより、当該レーザ光に、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差を付与することができる。
また、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408によって電圧が印加されることにより、第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408において隣り合う透明電極を透過するレーザ光間にhλの位相差を付与する部分を有する。そして、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408によって電圧が印加された第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、このような位相差をレーザ光に付与することにより、レーザ光に、デフォーカス収差を発生させることができる。ここで、デフォーカス収差とは、位相差のデフォーカス成分に基づく収差である。また、位相差のデフォーカス成分とは、光線高さ(r)の2乗に比例する位相差である。そして、当該デフォーカス収差により、球面収差を補正することができる。また、当該デフォーカス収差は、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差に基づくものである。そのため、当該デフォーカス収差量は大きな値となる。したがって、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408によって第1の液晶層404又は第2の液晶層405に電圧を印加することにより、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内の比較的制限された位相差を付与するだけで、−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差に基づく大きなデフォーカス収差を発生させることができ、大きな球面収差を補正することができる。
しかし、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408によって第1の液晶層404又は第2の液晶層405に電圧を印加することにより、液晶素子4を透過するレーザ光に発生されるデフォーカス収差は、離散的な値となってしまう。そこで、実施例1においては、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409によって電圧が印加されることにより、第1の液晶層404又は第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、レーザ光の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与する。これにより、液晶素子4を透過するレーザ光に所定の範囲内で略連続的な値の収差を発生させることができる。そして、第2の透明電極層407及び第1の透明電極層406又は第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409によって電圧が印加されることにより、第1の液晶層404又は第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に付与する離散的なデフォーカス収差と、当該略連続的な値のデフォーカス収差とが合わさる。したがって、第2の透明電極層407及び第1の透明電極層406又は第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409によって電圧が印加されることにより、第1の液晶層404又は第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に−1λ以下、+1λ以上の大きな位相差に基づく大きなデフォーカス収差であって略連続的なデフォーカス収差を付与することができる。これにより、当該液晶素子4は、大きな収差を略連続的に補正することができる。
さらに、具体的には、実施例1では、液晶素子4でレーザ光に付与すべき位相差から波長の整数倍の位相差を差し引いて、液晶素子4において、実際に、液晶素子4を透過するレーザ光に付与する位相差の範囲を−1λ以上、+1λ以下とする。これにより、液晶素子4によって、当該液晶素子4を透過するレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲が低減される。次いで、当該低減された球面収差量の範囲が、−S以上、+S以下である場合、当該球面収差量の範囲を任意の数2jで等分する。そして、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408は、第1の液晶層404又は第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、等分して得られる離散的な値の球面収差量(−(i/j)S、0、+(i/j)S)を補正するデフォーカス収差を発生させるように、第1の液晶層404又は第2の液晶層405に電圧を印加する。
また、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409は、第1の液晶層404又は第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正するデフォーカス収差を発生させるように、第1の液晶層404又は第2の液晶層405に電圧を印加する。
これにより、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408を駆動することにより、第1の液晶層404及び第2の液晶層405は、低減された球面収差量の範囲を任意の数2jで等分して得られる離散的な値の球面収差量(−(i/j)S、0、+(i/j)S)を補正するデフォーカス収差を、液晶素子4を透過するレーザ光に発生させる。一方、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409を駆動することにより、第1の液晶層404及び第2の液晶層405が、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正するデフォーカス収差を当該レーザ光に発生させる。そのため、離散的な球面収差量(−(i/j)S、0、+(i/j)S)を補正するデフォーカス収差と、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正するデフォーカス収差とが合わさって、液晶素子4を透過するレーザ光に発生する。これにより、当該レーザ光に、−S以上、+S以下の球面収差量を略連続的に補正するデフォーカス収差を発生させることができる。そして、液晶素子4により、比較的小さいデフォーカス収差量をレーザ光に発生させることにより、大きな球面収差を補正することができる。
また、jの数を大きくする程、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409を駆動することにより、当該レーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲を小さくすることができる。したがって、jの数を大きくすることにより、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409の透明電極の輪帯数を少なくすることができる。
図5(a)に、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408における透明電極の配置を示す。また、図5(b)に、図5(a)に示す第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408に配設される複数の透明電極のうちから1本の透明電極だけを示す。
第2の透明電極層407は、第1の液晶層404が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するように、第1の液晶層404に電圧を印加する。同様に、第3の透明電極層408は、第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するように、第2の液晶層405に電圧を印加する。したがって、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408において、同じ電圧を印加する輪帯が複数存在する。
そこで、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408では、同じ電圧を印加する輪帯をつないで、トグロ状の1本の透明電極としている。具体的には、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408は、異なる電圧が印加される複数本の透明電極を有している。そして、当該透明電極は、同じ電圧が印加される複数の輪帯から形成されている。また、当該輪帯は、一部が欠失されてなる端部を有している。そして、内側の輪帯の端部と、当該内側の輪帯と同じ電圧を印加する外側の輪帯の端部とが略半径方向に沿って引き出し電極により順次接続されている。また、複数本の透明電極の引き出し電極が互いに重なり合わないように配置されている。
これにより、同じ電圧を印加する複数の輪帯状の電極を1本の透明電極とすることができる。そして、引き出し電極の本数を、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408において透明電極に印加する電圧数とすることができる。よって、液晶素子4において、引き出し電極が占める領域を最小限に抑えることができ、液晶素子の収差補正性能の低下を防ぐことができる。
図6に、第2の透明基板402における第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408の配線の一例を示す。図6に示すように、第2の透明基板402上には、第1の微調電極424、第2の微調電極425、第1のトグロ電極426、第2のトグロ電極427、第1の微調電極受け渡し部428、第2の微調電極受け渡し部429、トグロ電極接続領域430が設けられている。第1の微調電極424、第2の微調電極425、第1のトグロ電極426、第2のトグロ電極427は、後述するFPC(フレキシブルプラスティックケーブル)431などを介して外部と接続される。また、第1の微調電極424は、第1の微調電極受け渡し部428と接続されている。第2の微調電極425は、第2の微調電極受け渡し部429と接続されている。第1のトグロ電極426は、トグロ電極接続領域430に接続されている。第2のトグロ電極427は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の透明電極の一部と接続されている。また、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の第2のトグロ電極427と接続されていない透明電極は、トグロ電極接続領域430と接続されている。
図7に、第1の透明基板401における第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409の配線の一例を示す。図7に示すように、第1の透明基板401上には、第1の微調電極受け取り部432、第2の微調電極受け取り部433が設けられている。第1の微調電極受け取り部432は、異方性導電性接着剤414、415により、第1の微調電極受け渡し部428と接続されている。同様に、第2の微調電極受け取り部433は、異方性導電性接着剤414、415により、第2の微調電極受け渡し部429と接続されている。また、第1の微調電極受け取り部432は、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409の透明電極の一部と接続されている。また、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409の透明電極の第1の微調電極受け取り部432と接続されていない透明電極は、第2の微調電極受け取り部433と接続されている。
なお、実施例1では、第2の透明基板402の表裏面にとぐろ状に配線された第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408を形成することとしたが、トグロ状に配線されていない第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409が第2の透明基板402上に形成されてもよい。しかし、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408を印加することにより補正を行う収差補正量は、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409に比べて大きい。また、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408ではトグロ状に透明電極を配線するため、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409に比べて引き出し電極の本数が少ない。そのため、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408における輪帯数は、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409に比べて多くなる傾向にある。この場合、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408を1枚の第2の透明基板402の表裏面に形成した方が、第2の透明電極層407と第3の透明電極層408との位置ずれが生じにくい。したがって、第2の透明基板402の表裏面に、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408を形成したほうが、液晶素子4の製造が容易となる傾向がある。
図8は、液晶素子4の一例を示す斜視図である。図8(a)に、液晶素子4の表面を示し、図8(b)に、液晶素子4の裏面を示す。
図8に示すように、液晶素子4の第2の透明基板402上には、液晶ドライバICチップ434が、異方性導電性接着剤などにより接続されている。
第2の透明基板402の液晶ドライバICチップ434が搭載された面の裏側の面には、複数のボンディングパッド435が接続されている。
そして、第2の透明基板402の延出部の両面を挟むように接続されたFPC431によって、延出部の両面が電気的に接続されている。具体的には、第2の透明基板402の両面に接続された液晶ドライバICチップ434やボンディングパッド435などの電極はFPC431により接続されている。
次に、実施例1にかかる対物レンズ6について詳細に説明する。対物レンズ6の面形状を規定する非球面係数、曲率cを図9の表に示す。
対物レンズ6の面形状は、以下の(1)式によって規定される。
Figure 2010140550
(1)式において、rは、光軸からの光線の高さ、zは、高さrにおける非球面を光軸まで仮想的に延長したときの光軸との交点と接平面からの距離(サグ量)、cは、非球面の光軸上での曲率、kは、コーニック係数、α、α、α、α、・・・、αは、それぞれ、2次、4次、6次、8次、・・・、16次の非球面係数である。なお、c=1/R、(Rは曲率半径)である。
そして、(1)式と図9に示す係数の値とにより、実施例1にかかる対物レンズ6の入射面(R1)と出射面(R2)の面形状が規定される。
図10の表に、コリメートレンズ3から光ディスク8までの光路における面間距離と液晶素子4で補正すべき収差の補正量との関係を示す。図10において、物体面とは、コリメートレンズ3から出射された略平行光の半導体レーザ1側における集光点の面である。コリメートレンズ3は、略平行光を出射するため、物体面と液晶素子4との面間距離は∞で表されている。また、絞り面とは、対物レンズ6の入射面側に配置された絞り(図示省略)の面である。
また、図10において、左向きの矢印は、左の値と同じであることを意味する。また、図10において、「光記録媒体の基板」と示す行では、面間距離の代わりに、光ディスク8のカバー層厚を示す。対物レンズ6は、カバー層厚0.0875mmの位置にレーザ光を良好に集光する。そのため、対物レンズ6が2層BDのL0層やL1層にレーザ光を集光する場合など、実質的なカバー層厚が、カバー層厚0.0875mmからずれると、球面収差が発生する。図10では、当該球面収差を補正するために、液晶素子4において補正すべき補正量をカバー層厚と対応付けて示している。
例えば、カバー層厚0.0996mmの位置は、L0層のカバー層厚が0.1mmであるから、略L0層の位置である。そして、カバー層厚が0.0996mmである場合、液晶素子4により補正すべき補正量は125mλrmsである。また、カバー層厚0.07589mmの位置は、L1層のカバー層厚が0.075mmであるから、略L1層の位置である。そして、カバー層厚が0.07589mmである場合、液晶素子4により補正すべき補正量は−125mλrmsである。
図11を参照しながら、実施例1にかかる液晶素子4がレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量について説明する。図11は、実施例1にかかる液晶素子4でレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量の範囲(以下、補正範囲Tと称する。)と、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408を駆動することによりレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量(以下、球面収差量Aと称する。)と、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409を駆動することによりレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差量(以下、球面収差量Bと称する)との関係を示す。
図11において、補正範囲Tは、−250mλrms以上+250mλrms以下である。この補正範囲Tは、液晶素子4でレーザ光に発生すべき位相差から波長の整数倍の位相差を差し引くことにより、低減されている。まず、実施例1では、当該補正範囲Tを6(この場合、2j=6より、j=3)等分する。このとき、−250×2/3≒−167、250×2/3≒167であるから、球面収差量Aは、−167mλrms、0mλrms、+167mλrmsである。また、−250×1/3≒−83、250×1/3≒83であるから、球面収差量Bは、−83mλrms以上、+83mλrms以下の範囲で略連続的な値の球面収差量となる。
そのため、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408は、第1の液晶層404及び第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−167mλrms、0mλrms、+167mλrmsの球面収差量を補正する収差を発生させるように、電圧を印加する。
また、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409は、第1の液晶層404及び第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−83mλrms以上、+83mλrms以下の範囲で略連続的な値の球面収差量を補正する収差を発生させるように、電圧を印加する。
そして、球面収差量Aを補正する収差と球面収差量Bを補正する収差とが合わさることにより(Totalの球面収差量=球面収差量A+球面収差量B)、補正範囲T内の球面収差を略連続的に補正する収差が、レーザ光に発生する。
以下、図12(a)、図13(a)、・・・図19(a)に、補正範囲Tを補正するために、液晶素子4において、液晶素子4を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示す。また、図12(b)、図13(b)、・・・、図19(b)に、液晶素子4全体でレーザ光に付与する位相差(位相差A(後述)と位相差B(後述)とを合わせた位相差)を示す。また、図12(c)、図13(c)、・・・図19(c)に、液晶素子4を透過するレーザ光に球面収差量Aを補正するデフォーカス収差を発生させるために、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408を駆動することにより、液晶素子4を透過するレーザ光に付与する位相差(以下、位相差Aと称する。)を示す。また、図12(d)、図13(d)、・・・図19(d)に、液晶素子4を透過するレーザ光に球面収差量Bを補正するデフォーカス収差を発生させるために、第1の透明電極層407又は第4の透明電極層409を駆動することにより、液晶素子4を透過するレーザ光に付与する位相差(以下、位相差Bと称する。)を示す。図12〜図19において、縦軸が波面収差を示し、横軸が光線高さを示す。
なお、図12〜図19においては、h=1の場合を例に挙げて説明する。即ち、図12〜図19において、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408は、第1の液晶層404又は第2の液晶層405が、液晶素子4を透過するレーザ光に、−1λ以上、+1λ以下の範囲内で、レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するように、第1の液晶層404又は第2の液晶層405に電圧を印加する。
図12に、カバー層厚が0.0996mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図12(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約5λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図12(c)に示すように、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、−0.8λ以上、0λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。また、第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408から電圧が印加されることにより、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間に−0.8λの位相差を付与する部分を有する。これにより、レーザ光に、+125mλrms(球面収差量A)の球面収差を補正する収差を発生させることができる。
また、図12(d)では、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409を駆動しない。そのため、位相差B=0となっている。
そして、図12(b)に示すように、位相差B=0であるため、液晶素子4全体でレーザ光に付与する位相差は位相差Aだけとなる。第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差Aを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量Aを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.0996mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
図13に、カバー層厚が0.1057mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図13(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約8λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図13(c)に示すように、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、−0.8λ以上、0λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。また、第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408から電圧が印加されることにより、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間に−0.8λの位相差を付与する部分を有する。これにより、レーザ光に、+125mλrms(球面収差量A)の球面収差を補正する収差を発生させることができる。
また、図13(d)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って約−4λから0λまで略連続的に変化する位相差を付与する。これにより、レーザ光に、0mλrmsから+63mλrmsまでの略連続的な球面収差(球面収差量B)を補正する収差を発生させることができる。
そして、図13(b)に示すように、第2の透明電極層407及び第1の透明電極層406又は第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差A及び位相差Bを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量A及び球面収差量Bを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.1057mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
図14に、カバー層厚が0.09331mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図14(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約2.6λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図14(c)に示すように、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、−0.8λ以上、0λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。また、第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408から電圧が印加されることにより、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間に−0.8λの位相差を付与する部分を有する。これにより、レーザ光に、+125mλrms(球面収差量A)の球面収差を補正する収差を発生させることができる。
また、図14(d)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って0λから約+4λまで略連続的に変化する位相差を付与する。これにより、レーザ光に、−63mλrmsから0mλrmsまでの略連続的な球面収差(球面収差量B)を補正する収差を発生させることができる。
そして、図14(b)に示すように、第2の透明電極層407及び第1の透明電極層406又は第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差A及び位相差Bを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量A及び球面収差量Bを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.09331mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
図15に、カバー層厚が0.09331mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図15(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約2.6λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図15(c)では、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408を駆動しない。そのため、位相差A=0となっている。
また、図15(d)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って0λから約−4λまで略連続的に変化する位相差を付与する。これにより、レーザ光に、0mλrmsから+63mλrmsまでの略連続的な球面収差(球面収差量B)を補正する収差を発生させることができる。
そして、図15(b)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差Bを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量Bを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.09331mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
図16に、カバー層厚が0.08145mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図16(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約−2.6λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図16(c)では、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408を駆動しない。そのため、位相差A=0となっている。
また、図16(d)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って0λから約+4λまで略連続的に変化する位相差を付与する。これにより、レーザ光に、−63mλrmsから0mλrmsまでの略連続的な球面収差(球面収差量B)を補正する収差を発生させることができる。
そして、図16(b)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差Bを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量Bを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.08145mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
図17に、カバー層厚が0.08145mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図17(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約−2.6λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図17(c)に示すように、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、0λ以上、+0.8λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。また、第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408から電圧が印加されることにより、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間に+0.8λの位相差を付与する部分を有する。これにより、レーザ光に、−125mλrms(球面収差量A)の球面収差を補正する収差を発生させることができる。
また、図17(d)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って0λから約−4λまで略連続的に変化する位相差を付与する。これにより、レーザ光に、0mλrmsから+63mλrmsまでの略連続的な球面収差(球面収差量B)を補正する収差を発生させることができる。
そして、図17(b)に示すように、第2の透明電極層407及び第1の透明電極層406又は第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差A及び位相差Bを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量A及び球面収差量Bを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.08145mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
図18に、カバー層厚が0.07589mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図18(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約−5.5λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図18(c)に示すように、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、0λ以上、+0.8λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。また、第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408から電圧が印加されることにより、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間に+0.8λの位相差を付与する部分を有する。これにより、レーザ光に、−125mλrms(球面収差量A)の球面収差を補正する収差を発生させることができる。
また、図18(d)では、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409を駆動しない。そのため、位相差B=0となっている。
そして、図18(b)に示すように、位相差B=0であるため、液晶素子4全体でレーザ光に付与する位相差は位相差Aだけとなる。第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差Aを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量Aを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.07589mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
図19に、カバー層厚が0.07046mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減するために、液晶素子4において、レーザ光に発生させる位相差量を示す。図19(a)より、当該球面収差を補正するためには、液晶素子4において、レーザ光に約−8λの位相差を発生させなくてはならないことが分かる。
図19(c)に示すように、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、0λ以上、+0.8λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。また、第1の液晶層404又は第2の液晶層405は、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408から電圧が印加されることにより、第2の透明電極層407又は第3の透明電極層408の隣り合う透明電極を透過するレーザ光間に+0.8λの位相差を付与する部分を有する。これにより、レーザ光に、−125mλrms(球面収差量A)の球面収差を補正する収差を発生させることができる。
また、図19(d)に示すように、第1の透明電極層406又は第4の透明電極層409が駆動されることにより、液晶素子4は、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って約0λから+4λまで略連続的に変化する位相差を付与する。これにより、レーザ光に、−63mλrmsから0mλrmsまでの略連続的な球面収差(球面収差量B)を補正する収差を発生させることができる。
そして、図19(b)に示すように、第2の透明電極層407及び第1の透明電極層406又は第3の透明電極層408及び第4の透明電極層409を駆動することにより、液晶素子4は、レーザ光に、位相差A及び位相差Bを付与する。これにより、液晶素子4は、レーザ光に球面収差量A及び球面収差量Bを補正する収差を発生させることができる。そして、基板厚みが0.07046mmの位置に集光する場合に発生する球面収差を低減することができる。
また、図12〜図19に示すように、位相差Bは、光線高さ(r)の2乗に比例するデフォーカス成分となっている。したがって、液晶素子4がレーザ光に付与する位相差は、デフォーカス成分を含んでいる。
通常、液晶素子4を光ピックアップ光学系100の所定位置に固定して配置すると、アクチュエータによって対物レンズ6が動作することにより、液晶素子4と対物レンズ6との間に軸ズレが生じる。また、光ディスク8の各記録層の基板厚みの違いに基づく球面収差を補正するために、液晶素子4により、液晶素子4を透過するレーザ光に、光線高さ(r)の4乗に比例する球面収差を発生させる。このとき、軸ズレなどが発生すると、光線高さ(r)の3乗に比例する大きなコマ収差が発生する。このとき、液晶素子4により、液晶素子4を透過するレーザ光に、光線高さ(r)の2乗に比例するデフォーカス成分を含む位相差を付与すると、当該レーザ光に発生する収差としては、光線高さ(r)の1乗に比例するチルト成分のみが残る。当該チルト成分は、レーザ光のスポット形状に影響を与えない。そのため、液晶素子4が当該液晶素子4を透過するレーザ光に与える位相差に、デフォーカス成分を含むことにより、軸ズレなどに起因するコマ収差を低減することができる。
また、図12〜図14では、レーザ光に、−0.8λ以上、0λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差Aを付与することにより、+125mλrmsの球面収差量Aを補正する収差を発生させている。また、図12〜図14では、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って約−4λから約+4λまで略連続的に変化する位相差Bを付与することにより、−63mλrmsから+63mλrmsまでの略連続的な値の球面収差量Bを補正する収差を発生させている。そして、液晶素子4は、レーザ光に、球面収差量Aを補正する収差と球面収差量Bを補正する収差とを合わせて発生させることにより、+63mλrmsから+188mλrmsまでの球面収差量を略連続的に補正する収差を発生させている。ここで、図12〜図14において、位相差Aと位相差Bとを合わせた値の絶対値の最大値は、約4λとなっている。
同様に、図17〜図19では、レーザ光に、0λ以上、+0.8λ以下の範囲内でレーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差Aを付与することにより、−125mλrmsの球面収差量Aを補正する収差を発生させている。また、図17〜図19では、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って約−4λから約+4λまで略連続的に変化する位相差Bを付与することにより、−63mλrmsから+63mλrmsまでの略連続的な値の球面収差量Bを補正する収差を発生させている。そして、液晶素子4は、レーザ光に、球面収差量Aを補正する収差と球面収差量Bを補正する収差とを合わせて発生させることにより、−188mλrmsから−63mλrmsまでの球面収差量を略連続的に補正する収差を発生させている。ここで、図17〜図19において、位相差Aと位相差Bとを合わせた値の絶対値の最大値は、約4λとなっている。
また、図15、図16では、位相差A=0であるため、球面収差量A=0となっている。また、図15、図16では、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って約−4λから約+4λまで略連続的に変化する位相差Bを付与することにより、−63mλrmsから+63mλrmsまでの略連続的な値の球面収差量Bを補正する収差を発生させている。そして、液晶素子4は、レーザ光に、球面収差量Aを補正する収差と球面収差量Bを補正する収差とを合わせて発生させることにより、−63mλrmsから+63mλrmsまでの球面収差量を略連続的に補正する収差を発生させている。ここで、図15、図16において、位相差Aと位相差Bとを合わせた値の絶対値の最大値は、約4λとなっている。
したがって、図12〜図19に示すように、実施例1にかかる液晶素子4により、レーザ光に、−188mλrms〜+188mλrmsの球面収差を補正する収差を略連続的に発生させることができる。また、レーザ光に当該球面収差を略連続的に補正する収差を発生させるために、液晶素子4により、レーザ光に付与する位相差の絶対値の最大値は、約4λである。一方、従来の液晶素子により、レーザ光に当該球面収差を略連続的に補正する収差を発生させるために、レーザ光に付与する位相差の絶対値は、図13(a)や図19(a)に示すように、最大で、約8λである。したがって、実施例1にかかる液晶素子4を用いることにより、球面収差を補正するためにレーザ光に付与すべき位相差を約1/2に低減することができる。
換言すれば、液晶素子4は、レーザ光に比較的小さな位相差を付与することにより、大きな収差を略連続的に補正することができる。
また、液晶素子4は、略輪帯状に形成された透明電極により駆動されるため、液晶素子4を透過するレーザ光に付与される位相差は、図12〜図19に示すように、階段状に変化する値となる。
図12(c)、図13(c)、・・・図19(c)に示すように、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408において、レーザ光に付与する位相差が各透明電極の輪帯毎に0.2λずつ異なるように、各透明電極は電圧を印加する。例えば、第1の透明電極層406、第4の透明電極層409に印加する電圧を無視した場合、図13(c)では、レーザ光の光軸から外縁側に向かうにつれて、各透明電極の輪帯毎に−0.2λずつレーザ光に付与される位相差が増えていく。そして、レーザ光に付与される位相差は、光軸から5輪帯目で−0.8λに達した後、6輪帯目を透過したレーザ光に付与される位相差は0λとなる。したがって、5輪帯目を透過したレーザ光と6輪帯目を透過したレーザ光との位相差は−0.8λとなる。そして、6輪帯から10輪帯まで、−0.2λずつレーザ光に付与される位相差が増えていく。このように、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408により電圧が印加されることにより、第1の液晶層404及び第2の液晶層405は、レーザ光に、当該レーザ光の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与する。また、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408により電圧が印加されることにより、第1の液晶層404及び第2の液晶層405は、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409において隣り合う透明電極を透過するレーザ光間に−0.8λの位相差を付与する部分を有する。具体的には、図13(c)に示すように、5輪帯を透過するレーザ光と6輪帯を透過するレーザ光との位相差、10輪帯を透過するレーザ光と11輪帯を透過するレーザ光との位相差、15輪帯を透過するレーザ光と16輪帯を透過するレーザ光との位相差、20輪帯を透過するレーザ光と21輪帯を透過するレーザ光との位相差、25輪帯を透過するレーザ光と26輪帯を透過するレーザ光との位相差、30輪帯を透過するレーザ光と31輪帯を透過するレーザ光との位相差、35輪帯を透過するレーザ光と36輪帯を透過するレーザ光との位相差、40輪帯を透過するレーザ光と41輪帯を透過するレーザ光との位相差が1λとなっている。なお、実際には、隣り合う透明電極間の境界部分は、隣接する透明電極との電位差により電界が発生したり、液晶分子の方向が滑らかに変化したりする。そのため、隣り合う透明電極間の境界部分を透過するレーザ光の位相は滑らかに変化する。
また、図13(c)に示すように、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408に設けられる透明電極の輪帯数は43輪帯となっている。一方、図13(d)に示すように、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409に設けられる透明電極の輪帯数は34輪帯となっている。したがって、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408に設けられる透明電極の輪帯数の方が、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409に設けられる透明電極の輪帯数よりも多くなっている。
図13(c)に示すように、第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408では、同じ電圧を印加する輪帯が複数存在する。そのため、図5に示すように、同じ電圧を印加する輪帯をつないで1本の透明電極とすることにより、引き出し電極の本数を低減することができる。しかし、図13(d)に示すように、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409では、同じ電圧を印加する輪帯が存在しない。そのため、個々の輪帯の透明電極に引き出し電極を設ける必要がある。したがって、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409における透明電極の輪帯数が多いと、その分、引き出し電極が占める面積が増大する。
また、液晶素子4のレーザ光が透過する部分のうち、引き出し電極が占める部分では、不要な収差などが発生してしまう。したがって、引き出し電極が占める面積を低減することが好ましい。そのため、液晶素子4に形成する透明電極の輪帯数は少ない方が好ましい。一方、液晶素子4に形成する透明電極の輪帯数が多いほど、収差補正をより連続的に行うことができるため、光利用効率が向上する。
そのため、引き出し電極の本数を低減可能な第2の透明電極層407及び第3の透明電極層408に形成する透明電極の輪帯数を、第1の透明電極層406及び第4の透明電極層409に形成する透明電極の輪帯数よりも多くする方が好ましい。これにより、光利用効率の向上を図りながら、液晶素子4において引き出し電極が占める面積の低減を図ることができる。
また、対物レンズ6の有効径は2.4mmであるため、対物レンズ6において、レーザ光が透過する円形範囲の半径は1.2mmである。そのため、図12(a)、図13(a)、・・・図19(a)において、光線高さ1.2mm付近で、液晶素子4により、レーザ光に付与すべき位相差のデータは途切れている。しかし、対物レンズ6のトラッキング動作によって、対物レンズ6の光軸と液晶素子4の光軸とは最大で0.3mm程度ずれる。そのため、図12(b)、図13(b)、・・・図19(b)、図12(c)、図13(c)、・・・図19(c)、図12(d)、図13(d)、・・・図19(d)において、液晶素子4がレーザ光に付与する位相差のデータは、1.5mm(1.2mm+0.3mm)程度まで続いている。
これは、第1の透明電極層406、第2の透明電極層407、第3の透明電極層408、第4の透明電極層409が、それぞれ、第1の電極領域416、418、420、422と、第2の電極領域417、419、421、423とを有しているためである。即ち、液晶素子4の有効範囲は長円形状となっているためである。具体的には、液晶素子4の長円形の有効範囲の短軸は、対物レンズ6において、レーザ光が透過する円形範囲の半径(1.2mm)と略同じとなっている。また、液晶素子4の有効範囲の長軸は、当該半径と対物レンズ6の偏心量との和(1.5mm)と略同じとなっている。
これにより、対物レンズ6のトラッキング動作によって、対物レンズ6が偏心しても、球面収差を良好に低減することができる。
また、図12(c)、図13(c)、・・・図19(c)及び図12(d)、図13(d)、・・・図19(d)に示すように、第1の透明電極層406、第2の透明電極層407、第3の透明電極層408、第4の透明電極層409において、それぞれ、第1の電極領域416、418、420、422を駆動することによって液晶素子4によりレーザ光に付与する波面収差(位相差の波面形状)は、第2の電極領域417、419、421、423を駆動することによって液晶素子4によりレーザ光に付与する波面収差(位相差の波面形状)と連続している。
液晶素子4では、レーザ光にデフォーカス収差を付与する。そして、液晶素子4の長円形の有効範囲内において、レーザ光が当該液晶素子4を透過する位置が変わると、その位置によって、レーザ光に付与されるデフォーカス収差の値も異なることとなる。しかし、デフォーカス収差は、光線高さ(r)の2乗に比例する。そのため、対物レンズ6の偏心により、レーザ光が液晶素子4を透過する位置が変化しても、変化前にレーザ光に付与されたデフォーカス収差と、変化後にレーザ光に付与されるデフォーカス収差との差は、光線高さ(r)の1乗に比例するチルト成分となる。当該チルト成分は、レーザ光のスポット形状に影響を与えない。したがって、第2の電極領域417、419、421、423を駆動することによって液晶素子4によりレーザ光に付与する波面収差(位相差の波面形状)を、第1の電極領域416、418、420、422を駆動することによって液晶素子4によりレーザ光に付与する波面収差(位相差の波面形状)と連続させることにより、対物レンズ6が偏心しても、当該偏心によって生じる収差をチルト成分とすることができる。そのため、液晶素子4が当該液晶素子4を透過するレーザ光に位相差を与えることによって、デフォーカス収差を付与することにより、対物レンズ6が偏心しても、球面収差を、対物レンズ6が偏心していない場合と同様に補正することができる。
なお、本発明は、液晶素子4によりレーザ光に比較的小さい位相差を付与することにより大きな収差を補正するものであり、補正する収差は球面収差に限られるものではない。例えば、実施例1では、液晶素子4において発生する位相差を光線高さの2乗に比例するデフォーカス成分としたが、デフォーカス成分を減らして、その分、球面収差成分が含まれてもよい。
実施例1にかかる光ピックアップ光学系の一例を模式的に示す側面図である。 実施例1にかかる液晶素子の一例を模式的に示す断面図である。 実施例1にかかる液晶素子を透明基板毎に分解した状態を表す斜視図である。 実施例1にかかる液晶素子を光軸方向から見た模式図である。 実施例1にかかる第2の透明電極層及び第3の透明電極層における透明電極の配置を示す平面図(図5(a))、第2の透明電極層及び第3の透明電極層に配設される複数の透明電極のうちから1本の透明電極だけを示す平面図(図5(b))である。 実施例1にかかる第2の透明基板における第2の透明電極層及び第3の透明電極層の配線の一例を示す平面図である。 実施例1にかかる第1の透明基板における第1の透明電極層及び第4の透明電極層の配線の一例を示す平面図である。 実施例1にかかる液晶素子の一例を示す斜視図である。 実施例1にかかる対物レンズの面形状を規定する非球面係数、曲率cを示す表である。 実施例1にかかるコリメートレンズから光ディスクまでの光路における面間距離と液晶素子で補正すべき収差の補正量との関係を示す表である。 実施例1にかかる液晶素子によってレーザ光に収差を発生させることにより補正する球面収差を説明する図である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図12(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図12(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図12(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図12(d))である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図13(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図13(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図13(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図13(d))である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図14(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図14(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図14(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図14(d))である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図15(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図15(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図15(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図15(d))である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図16(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図16(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図16(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図16(d))である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図17(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図17(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図17(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図17(d))である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図18(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図18(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図18(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図18(d))である。 実施例1にかかる液晶素子において、液晶素子を透過するレーザ光に付与すべき位相差を示すグラフ(図19(a))、液晶素子全体でレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図19(b))、第2の透明電極層又は第3の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図19(c))、第1の透明電極層又は第4の透明電極層を駆動することにより、液晶素子を透過するレーザ光に付与する位相差を示すグラフ(図19(d))である。
符号の説明
100 光ピックアップ光学系
1 半導体レーザ(レーザ光源)
3 コリメートレンズ
4 液晶素子
401 第1の透明基板(第2の透明基板)
402 第2の透明基板(第1の透明基板)
403 第3の透明基板(第2の透明基板)
404 第1の液晶層(屈折率異方性媒質層)
405 第2の液晶層(屈折率異方性媒質層)
406 第1の透明電極層(第2の透明電極層)
407 第2の透明電極層(第1の透明電極層)
408 第3の透明電極層(第1の透明電極層)
409 第4の透明電極層(第2の透明電極層)
416、418、420、422 第1の電極領域
417、419、421、423 第2の電極領域
5 立ち上げミラー
6 対物レンズ
8 光ディスク(光記録媒体)

Claims (8)

  1. 第1の透明基板と、
    前記第1の透明基板と対向する第2の透明基板と、
    前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に挟持される屈折率異方性媒質層と、
    前記第1の透明基板の前記屈折率異方性媒質層側の表面に形成される第1の透明電極層と、
    前記第2の透明基板の前記屈折率異方性媒質層側の表面に形成される第2の透明電極層と、
    を備え、
    前記第1の透明電極層及び前記第2の透明電極層は、円形形状の第1の電極領域と、前記第1の電極領域の周囲に、前記円形形状と同心円状に配置される長円形状の第2の電極領域と、を備え、
    前記第1の電極領域は、略円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が光軸を中心として同心円状に配設される領域であり、
    前記第2の電極領域は、略長円形の輪帯状に形成された大きさの異なる複数の透明電極が光軸を中心として同心円状に配設される領域である液晶素子。
  2. 前記第1の透明電極層において、略同じ値の電圧を印加する前記透明電極が前記光束の径方向に略周期的に配設されており、
    前記第1の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、−hλ以上、+hλ以下の範囲内(hは、h≧1を満たす整数、λは設計波長)で、光束の径方向に沿って略周期的に変化する位相差を付与するとともに、隣り合う前記透明電極を透過する光束間にhλの位相差を付与する部分を有するように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加し、
    前記第2の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、光束の径方向に沿って略連続的に変化する位相差を付与するように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加する請求項1に記載の液晶素子。
  3. 前記液晶素子により当該液晶素子を透過する光束に収差を発生させることによって補正する球面収差量の範囲が−S以上、+S以下(Sは正の数)である場合に、
    前記第1の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、−(i/j)S(jが奇数の場合、iは、i≦jを満たす偶数、jが偶数の場合、iは、i≦jを満たす奇数)、0、+(i/j)Sの球面収差量を補正するような収差を発生させるように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加する請求項2に記載の液晶素子。
  4. 前記第2の透明電極層は、前記屈折率異方性媒質層が、前記液晶素子を透過する光束に、−(1/j)S以上、+(1/j)S以下の範囲内で略連続的な値の球面収差量を補正するような収差を発生させるように、前記屈折率異方性媒質層に電圧を印加する請求項3に記載の液晶素子。
  5. 前記液晶素子は、レーザ光源からの光束を光記録媒体に集光する光ピックアップ光学系の所定位置に固定して配置されており、
    前記液晶素子は、前記液晶素子を透過する光束に位相差を与えることにより、当該光束にデフォーカス収差を付与する請求項1乃至4の何れか一項に記載の液晶素子。
  6. 前記第1の透明電極層は、異なる電圧が印加される複数本の前記透明電極を有し、
    前記透明電極は、同じ電圧が印加される複数の輪帯を備え、
    前記輪帯は、一部が欠失されてなる端部を有し、
    前記内側の輪帯の端部と前記内側の輪帯と同じ電圧を印加する外側の輪帯の端部とが略半径方向に沿って引き出し電極により順次接続され、
    複数本の前記透明電極の前記引き出し電極が互いに重なり合わないように配置されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の液晶素子。
  7. レーザ光源からの光束を平行光に変換するコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズから出射された光束を光記録媒体に集光する対物レンズと、
    を備え、
    前記コリメートレンズと前記対物レンズとの間に、請求項1乃至6の何れか一項に記載の液晶素子が配置されている光ピックアップ光学系。
  8. 前記液晶素子と前記対物レンズとの間に立ち上げミラーを備え、
    前記第2の電極領域の長円形状の長軸が前記光記録媒体の記録面に平行となるように、前記液晶素子が配置されている請求項7に記載の光ピックアップ光学系。
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