JP2010043316A - 押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材および熱交換器用アルミニウム合金押出管 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換器用押出管用アルミニウム合金材について、耐食性、機械的特性を損なうことなく押出性を向上させる。
【解決手段】質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下である組成を有し、望ましくは押出後の結晶粒の大きさが平均0.5mm以下、ろう付け後の結晶粒の大きさが、平均2.0mm以下とする。押出性が向上するとともに、耐食性、機械的性質においても良好な特性が得られ、品質を損なうことなく生産性が向上し、コスト低減が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下である組成を有し、望ましくは押出後の結晶粒の大きさが平均0.5mm以下、ろう付け後の結晶粒の大きさが、平均2.0mm以下とする。押出性が向上するとともに、耐食性、機械的性質においても良好な特性が得られ、品質を損なうことなく生産性が向上し、コスト低減が可能となる。
【選択図】図1
Description
この発明は、自動車向け熱交換器用の押出扁平多穴管に好適な押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材および熱交換器用アルミニウム合金押出管に関するものである。
自動車向け熱交換器用の押出扁平多穴管は、押出によって複数の流路穴を有する扁平形状に成形されたものであり、ろう付によってフィン、ヘッダチューブなどを接合して熱交換器を構成する。また、押出後には、通常、曲がりなどの矯正加工が施される。
上記製造過程を経る押出扁平多穴管は、複雑形状に押出できるように、その材料には優れた押出性を有していることが必要とされ、矯正加工に耐え得るような良好な機械的性質を有していることも要求される。さらに、製品とされた押出扁平多穴管は、自動車向け熱交換器用として過酷な環境で使用されることが想定されるため、優れた耐食性を有していることが必要とされる。これらの観点から、従来は、例えばFe、Cu、Mnなどを添加した押出チューブ材が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−26832号公報
上記製造過程を経る押出扁平多穴管は、複雑形状に押出できるように、その材料には優れた押出性を有していることが必要とされ、矯正加工に耐え得るような良好な機械的性質を有していることも要求される。さらに、製品とされた押出扁平多穴管は、自動車向け熱交換器用として過酷な環境で使用されることが想定されるため、優れた耐食性を有していることが必要とされる。これらの観点から、従来は、例えばFe、Cu、Mnなどを添加した押出チューブ材が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、昨今、コスト低減を目的とした生産性(押出性)の向上ニーズが高くなっており、該生産性を向上させる場合にも高い寸法精度と、表面性状(表面粗さ)の維持が必要である。このため、材料にはより優れた押出性が要望される。しかし押出性を重視して成分設計を行うと、耐食性や機械的特性が不十分になってしまうという問題があり、これらを両立できる材料の開発が望まれている。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、押出性を向上させるとともに、耐食性、機械的特性ともに良好である、押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材および熱交換器用アルミニウム合金押出管を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材のうち、第1の本発明は、質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下であることを特徴とする。
第2の本発明の押出性、耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金押出管は、質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下である組成を有し、押出後の結晶粒の大きさが平均0.5mm以下であることを特徴とする。
第3の本発明の押出性、耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金押出管は、質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下である組成を有し、ろう付け後の結晶粒の大きさが、平均2.0mm以下であることを特徴とする。
本発明は、一般的には、耐食性と機械的特性向上に寄与するものの、押出圧力が増加するため添加を避けるCrを積極的に含有させ、その代わりにSi、Cu、Mg、Naといった押出性を阻害する元素の添加量を極力制限することで、押出性と耐食性・機械的特性の両立を可能にしている。以下に、各成分の作用および具体的な限定理由について説明する。なお、以下の説明における含有量はいずれも質量比である。
Fe:0.1〜0.4%
Feは結晶粒を微細化して押出後の製品の曲がり等の矯正加工時に発生する肌荒れを防止し、また機械的性質(引張強さ)を向上させる。さらに押出時にAlMnFe化合物を形成し、Mn固溶量を低減することで加工圧力を低減し、押出性の向上に寄与する。Fe含有量が0.1%未満であると、これらの作用が十分に得られず、一方、0.4%を超えるとAlFe化合物が発生し、耐食性が劣化する。このため、Fe含有量を上記に定める。なお、同様の理由で下限を0.25%、上限を0.35%とするのが望ましい。
Feは結晶粒を微細化して押出後の製品の曲がり等の矯正加工時に発生する肌荒れを防止し、また機械的性質(引張強さ)を向上させる。さらに押出時にAlMnFe化合物を形成し、Mn固溶量を低減することで加工圧力を低減し、押出性の向上に寄与する。Fe含有量が0.1%未満であると、これらの作用が十分に得られず、一方、0.4%を超えるとAlFe化合物が発生し、耐食性が劣化する。このため、Fe含有量を上記に定める。なお、同様の理由で下限を0.25%、上限を0.35%とするのが望ましい。
Mn:0.3〜0.5%
Mnは、Alマトリックスに対して貴であって腐食の原因となるAlFe化合物と結びついて、AlMnFe化合物となり、耐食性を向上させる。また、Mn含有は機械的性質を向上させる作用もある。Mn含有量が0.3%未満であるとこれらの作用が不十分であり、一方、0.5%を超えると加工圧力が上昇し、押出性が悪くなる。このためMn含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.25%、上限を0.45%とするのが望ましい。
Mnは、Alマトリックスに対して貴であって腐食の原因となるAlFe化合物と結びついて、AlMnFe化合物となり、耐食性を向上させる。また、Mn含有は機械的性質を向上させる作用もある。Mn含有量が0.3%未満であるとこれらの作用が不十分であり、一方、0.5%を超えると加工圧力が上昇し、押出性が悪くなる。このためMn含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.25%、上限を0.45%とするのが望ましい。
Cr:0.05〜0.2%
Crは、電位を貴化し、チューブ表面の犠牲材層やフィン材等との電位差を確保し、チューブの耐食性を向上させる。また、Alマトリックスに固溶することで、機械的性質が向上する。Cr含有量が0.05%未満であるとこれらの作用が不十分であり、一方、0.2%を超えると晶出物が粗大化し、押出性が劣化する。また、粗大な晶出(介在)物は、欠落すると貫通孔の出来る原因となる。このため、Cr含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.10%、上限を0.20%とするのが望ましい。
Crは、電位を貴化し、チューブ表面の犠牲材層やフィン材等との電位差を確保し、チューブの耐食性を向上させる。また、Alマトリックスに固溶することで、機械的性質が向上する。Cr含有量が0.05%未満であるとこれらの作用が不十分であり、一方、0.2%を超えると晶出物が粗大化し、押出性が劣化する。また、粗大な晶出(介在)物は、欠落すると貫通孔の出来る原因となる。このため、Cr含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.10%、上限を0.20%とするのが望ましい。
Si+Cu<0.10%
SiおよびCuは、加工圧力を上昇させて押出性を劣化させる成分であり、特に、CuはAlの原子格子構造の中に入り込み、Alを変形しにくくする(押出性が低下)。また、SiはAlマトリックス中に散在するミクロ共晶となり、このミクロ共晶の数(総体積)が多いほど押出性が劣化する。これらの理由でSi、Cuの合計含有量を0.10%未満とする。合計含有量が0.10%以上では融点を低下させ、押出時に局部溶融によるピックアップ、表面荒れが発生する。なお、Cu含有量は0.03%以下、Si含有量は0.09%以下が望ましい。上記Si含有量の調整によって材料の融点は650℃以上であることが望ましい。
SiおよびCuは、加工圧力を上昇させて押出性を劣化させる成分であり、特に、CuはAlの原子格子構造の中に入り込み、Alを変形しにくくする(押出性が低下)。また、SiはAlマトリックス中に散在するミクロ共晶となり、このミクロ共晶の数(総体積)が多いほど押出性が劣化する。これらの理由でSi、Cuの合計含有量を0.10%未満とする。合計含有量が0.10%以上では融点を低下させ、押出時に局部溶融によるピックアップ、表面荒れが発生する。なお、Cu含有量は0.03%以下、Si含有量は0.09%以下が望ましい。上記Si含有量の調整によって材料の融点は650℃以上であることが望ましい。
以上のように、本願発明では、良好な押出性を確保するため、Si含有量を制限している。このSiは、従来の材料である程度含有することでAl中でMg2Si、NaSi2を形成し、それぞれMgとNaを無害化する(押出性を劣化させない化合物になる)。しかし、本発明では、上記のようにSi量を極力制限しているため、また、SiはAlマトリックス中でSiの共晶、Mg2Si、NaSi2の順番で形成され易いため、特にこの中では最も反応性が低いNaの無害化は、殆ど期待できない。よって、以下で説明するように本願発明では、さらに、Mg、Siの含有量を制限している。
Mg:300ppm以下
Mgは、Alの原子格子構造の中に入り込み、Alを変形し難くするため、加工圧力が上昇し、押出性が劣化する作用がある。このためMg含有量を300ppm以下に制限する。
Mgは、Alの原子格子構造の中に入り込み、Alを変形し難くするため、加工圧力が上昇し、押出性が劣化する作用がある。このためMg含有量を300ppm以下に制限する。
Na:10ppm以下
一般的にアルミニウム合金の製造法に採用されている三層法などでは、製造過程において電解浴などからNaが微量(例えば20ppm以上)で混入する。上記のように、通常はこのNaがSiで無害化されるため、特に問題となることはないが、Si量を制限すると、一般的に含有する微量のNaが熱間加工時の靱性を低下させ、押出性を劣化させる。このため、本願発明では、上記Si含有量の制限に加えてNaも厳しく制限することとしている。このNa含有量が10ppmを超えると、熱間加工時の靭性が低下し、クラックが生じやすくなって押出時の表面が荒れる。このため、本願発明では、Na含有量を10ppm以下としている。なお、Na含有量の低減は、電解浴中のNaFの量を制限することなどによって行うことができる。
一般的にアルミニウム合金の製造法に採用されている三層法などでは、製造過程において電解浴などからNaが微量(例えば20ppm以上)で混入する。上記のように、通常はこのNaがSiで無害化されるため、特に問題となることはないが、Si量を制限すると、一般的に含有する微量のNaが熱間加工時の靱性を低下させ、押出性を劣化させる。このため、本願発明では、上記Si含有量の制限に加えてNaも厳しく制限することとしている。このNa含有量が10ppmを超えると、熱間加工時の靭性が低下し、クラックが生じやすくなって押出時の表面が荒れる。このため、本願発明では、Na含有量を10ppm以下としている。なお、Na含有量の低減は、電解浴中のNaFの量を制限することなどによって行うことができる。
結晶粒のサイズ
(1)ろう付加熱前0.5mm以下
ろう付加熱前に0.5mmを超えていると、矯正時に肌荒れが発生する。したがって、押出後の矯正時における肌荒れ防止のために押出後の結晶粒の平均大きさを0.5mm以下とする。
(2)ろう付加熱後2.0mm以下
ろう付加熱後に、結晶粒の大きさが2.0mmを超えると、機械的特性の引張強さ低下し、要求品質が未達となる。このため、ろう付け加熱後の結晶粒の平均大きさを2.0mm以下とする。
(1)ろう付加熱前0.5mm以下
ろう付加熱前に0.5mmを超えていると、矯正時に肌荒れが発生する。したがって、押出後の矯正時における肌荒れ防止のために押出後の結晶粒の平均大きさを0.5mm以下とする。
(2)ろう付加熱後2.0mm以下
ろう付加熱後に、結晶粒の大きさが2.0mmを超えると、機械的特性の引張強さ低下し、要求品質が未達となる。このため、ろう付け加熱後の結晶粒の平均大きさを2.0mm以下とする。
以上説明したように、本発明の押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材は、質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下であるので、押出性が向上するとともに、耐食性、機械的性質においても良好な特性が得られる。
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明する。
上記した本願発明所定の組成を有するアルミニウム合金ビレットを常法の方法等によって溶製する。
上記ビレットは、常法により熱間押出をして所望の形状を有する押出扁平管とする。なお、熱間押出に際しては、鋳造後に500〜600℃で4〜12時間の均質化処理を行い、ビレット温度500〜550℃、押出速度80〜100m/minの条件を採択するのが望ましい。
得られた押出扁平管1は、図1に示すように、流路穴2が並列して設けられており、全体が扁平な形状になっている。なお、流路穴2は丸穴でも角穴でもよく、特に限定されない。
上記した本願発明所定の組成を有するアルミニウム合金ビレットを常法の方法等によって溶製する。
上記ビレットは、常法により熱間押出をして所望の形状を有する押出扁平管とする。なお、熱間押出に際しては、鋳造後に500〜600℃で4〜12時間の均質化処理を行い、ビレット温度500〜550℃、押出速度80〜100m/minの条件を採択するのが望ましい。
得られた押出扁平管1は、図1に示すように、流路穴2が並列して設けられており、全体が扁平な形状になっている。なお、流路穴2は丸穴でも角穴でもよく、特に限定されない。
上記押出扁平管1に対しては、曲がりなどの矯正加工が施される。矯正加工としては、ロール矯正、引張矯正などが挙げられるが、本発明としては矯正方法が特に限定されるものではない。
上記押出扁平管1は複数を並設して、フィン3、ヘッダチューブ4などを組み付けてろう付加熱に供する。ろう付加熱の条件は特に限定されるものではないが、通常、590〜610℃に加熱して(通常1〜10分)、ろう付を行う。
上記押出扁平管1は複数を並設して、フィン3、ヘッダチューブ4などを組み付けてろう付加熱に供する。ろう付加熱の条件は特に限定されるものではないが、通常、590〜610℃に加熱して(通常1〜10分)、ろう付を行う。
上記実施形態では、自動車向け熱交換器用の押出扁平多穴管として説明を行ったが、本発明としては自動車向けに限定されるものではなく、また、押出管の形状が扁平多穴管に限定されるものでもない。
以上、上記実施形態によって本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜変更が可能である。
以上、上記実施形態によって本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜変更が可能である。
以下に、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
表1に示すアルミニウム合金を溶解鋳造し、直径20cmのビレットを製造した。このビレットを600℃×12時間の条件で均質化処理したのち、ビレット温度520℃、押出速度70〜100m/minの条件により押出加工することにより、図1に示すような幅15mm、高さ1mm、最薄肉部0.25mm、18個の冷媒通路丸穴を有した押出扁平管を成形した。
表1に示すアルミニウム合金を溶解鋳造し、直径20cmのビレットを製造した。このビレットを600℃×12時間の条件で均質化処理したのち、ビレット温度520℃、押出速度70〜100m/minの条件により押出加工することにより、図1に示すような幅15mm、高さ1mm、最薄肉部0.25mm、18個の冷媒通路丸穴を有した押出扁平管を成形した。
[押出性]
この押出扁平管の表面性状を、表面粗さ計(東京精密社製 SURFCOM 575A−3DF)を用いて表面粗さ(Rmax)を測定し、その結果を表2に示した。
この押出扁平管の表面性状を、表面粗さ計(東京精密社製 SURFCOM 575A−3DF)を用いて表面粗さ(Rmax)を測定し、その結果を表2に示した。
[押出材結晶粒サイズ]
この押出扁平管の結晶粒サイズを、光学顕微鏡による断面組織観察によって測定し、その結果を表2に示した。押出直後の表面性状が良好なものでも、押出直後の結晶粒径が大きいものは矯正後の表面粗さが大きく悪化してしまう。
この押出扁平管の結晶粒サイズを、光学顕微鏡による断面組織観察によって測定し、その結果を表2に示した。押出直後の表面性状が良好なものでも、押出直後の結晶粒径が大きいものは矯正後の表面粗さが大きく悪化してしまう。
次に、上記押出扁平管に対し、歪率8%で矯正加工を行ったうえで、改めて表面粗さ(Rmax)を測定し、その結果を表2に示した。矯正後の表面粗さがRmax15μmを超えるものは、ろう付時にろう侵食(エロージョン)が発生する。
[ろう付性]
次に、上記押出扁平管に、600℃×3min保持のろう付熱処理し、ろう付性として、光学顕微鏡でろう付部の断面観察を行い、ろう侵食の有無を目視で判断し、その結果を表2に示した。なお、表中では、〇:ろう侵食なし ×:ろう侵食あり、として評価した。
[ろう付後結晶粒サイズ]
また、ろう付後の結晶粒サイズを前記と同様に光学顕微鏡による断面組織観察によって測定し、その結果を表2に示した。ろう付後の結晶粒径が大きくなると、引張強度が低下する傾向がある。
[ろう付後強度]
ろう付け後、供試材に室温で引張試験を行った。その結果を表2に示した。
次に、上記押出扁平管に、600℃×3min保持のろう付熱処理し、ろう付性として、光学顕微鏡でろう付部の断面観察を行い、ろう侵食の有無を目視で判断し、その結果を表2に示した。なお、表中では、〇:ろう侵食なし ×:ろう侵食あり、として評価した。
[ろう付後結晶粒サイズ]
また、ろう付後の結晶粒サイズを前記と同様に光学顕微鏡による断面組織観察によって測定し、その結果を表2に示した。ろう付後の結晶粒径が大きくなると、引張強度が低下する傾向がある。
[ろう付後強度]
ろう付け後、供試材に室温で引張試験を行った。その結果を表2に示した。
[耐食性]
この押出扁平管に対し、ASTM(G85−85)に準拠したSWAAT試験を行い、貫通孔が発生するまでの日数を測定し、耐食性を評価した。その結果を表2に示した。
この押出扁平管に対し、ASTM(G85−85)に準拠したSWAAT試験を行い、貫通孔が発生するまでの日数を測定し、耐食性を評価した。その結果を表2に示した。
1 押出扁平管
2 流路穴
3 フィン
4 ヘッダチューブ
2 流路穴
3 フィン
4 ヘッダチューブ
Claims (3)
- 質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下であることを特徴とする、押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材。
- 質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下である組成を有し、押出後の結晶粒の大きさが平均0.5mm以下であることを特徴とする押出性、耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金押出管。
- 質量%で、Fe:0.1〜0.4%、Mn:0.3〜0.5%、Cr:0.05〜0.2%、Si+Cu<0.10%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、該不可避不純物中のMgが300ppm以下、Naが10ppm以下である組成を有し、ろう付け後の結晶粒の大きさが、平均2.0mm以下であることを特徴とする押出性、耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金押出管。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008207605A JP2010043316A (ja) | 2008-08-12 | 2008-08-12 | 押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材および熱交換器用アルミニウム合金押出管 |
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JP2008207605A JP2010043316A (ja) | 2008-08-12 | 2008-08-12 | 押出性、耐食性に優れた熱交換器用押出管用アルミニウム合金材および熱交換器用アルミニウム合金押出管 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111394626A (zh) * | 2020-04-20 | 2020-07-10 | 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 | 一种3005Mod铝合金长寿命扁管料及其制造方法 |
-
2008
- 2008-08-12 JP JP2008207605A patent/JP2010043316A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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CN111394626A (zh) * | 2020-04-20 | 2020-07-10 | 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 | 一种3005Mod铝合金长寿命扁管料及其制造方法 |
CN111394626B (zh) * | 2020-04-20 | 2021-06-11 | 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 | 一种3005Mod铝合金长寿命扁管料及其制造方法 |
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