JP2010042487A - 研磨装置及び研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨装置と研磨方法において、研磨むらの発生を抑制すること。
【解決手段】研磨パッド2が貼付された研磨定盤1と、研磨パッド2に基板Wを押圧するキャリア4と、研磨パッド2上に研磨砥液を滴下するノズル6と、基板W上に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定部8と、膜厚測定部8により測定された膜厚に基づいて、研磨砥液を滴下することによって基板面内における膜厚分布が一様になると判断される位置に、研磨砥液の滴下位置を変更する制御部9とを有する研磨装置による。
【選択図】図1
【解決手段】研磨パッド2が貼付された研磨定盤1と、研磨パッド2に基板Wを押圧するキャリア4と、研磨パッド2上に研磨砥液を滴下するノズル6と、基板W上に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定部8と、膜厚測定部8により測定された膜厚に基づいて、研磨砥液を滴下することによって基板面内における膜厚分布が一様になると判断される位置に、研磨砥液の滴下位置を変更する制御部9とを有する研磨装置による。
【選択図】図1
Description
本発明は、研磨装置及び研磨方法に関する。
LSI等の半導体装置の製造工程では、半導体基板上の膜の表面を研磨するためにCMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる研磨工程が行われる。そのCMPでは、研磨パッドの上にスラリ(研磨砥液)を供給しながら、半導体基板を研磨パッドに摺接させることにより研磨が行われる。このとき、半導体基板の膜の表面にスラリが均一な量で供給されていないと、基板面内において研磨量にむらが発生することになる。
そのような研磨むらを防止する技術として、研磨パッドに対して半導体基板を押圧する圧力を基板面内の個々の領域で調節し、各領域における研磨量を制御する方法がある。しかし、この方法では、圧力が高められた領域において、膜の表面に形成される研磨傷の数が増加するという別の問題を招いてしまう。
また、研磨パッドの表面に形成された溝のパターンの形状を工夫することにより研磨むらを防止する方法もあるが、溝のパターンだけで研磨むらを完全に防止するのは困難である。
一方、スラリを供給するためのノズルを研磨中に移動させ、スラリの滴下位置を変更することにより研磨むらを抑制する技術もある。しかし、単に滴下位置を変更するだけでは、基板面内の各領域に研磨むらの防止に有効な量のスラリが供給される保証がない。したがって、研磨むらが発生しないような滴下位置を研磨前に調査する必要があり、余計な労力を必要としてしまう。
更に、ノズルを複数設けてその各々に個別にスラリ供給用のポンプを接続し、各ノズルにおけるスラリ供給量を制御して研磨むらを抑制する技術もあるが、これでは複数のポンプによって装置が大きくなるという不都合を招いてしまう。
特表2008−503356号公報
特開2005−150744号公報
特開2006−147773号公報
特開2007−268678号公報
研磨装置と研磨方法において、研磨むらの発生を抑制することを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、研磨パッドが貼付された研磨定盤と、前記研磨パッドに基板を押圧するキャリアと、前記研磨パッド上に研磨砥液を滴下するノズルと、前記基板上に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定手段と、前記膜厚測定手段により測定された膜厚に基づいて、前記研磨砥液を滴下することによって基板面内における膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更する制御手段とを有する研磨装置が提供される。
また、その開示の別の観点によれば、研磨砥液が供給されている研磨パッドにより基板上の膜を研磨しながら、前記膜の基板面内における膜厚分布を取得するステップと、前記膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更するステップとを有する研磨方法が提供される。
開示の研磨装置と研磨方法によれば、基板面内における膜厚分布を取得し、その膜厚分布が一様になると判断される位置に研磨砥液の滴下位置を変更するので、膜厚分布をリアルタイムに反映させながら研磨速度を調節し、膜厚分布を一様に近づけることができる。
(1)第1実施形態
図1は、本実施形態に係る研磨装置の上面図である。
図1は、本実施形態に係る研磨装置の上面図である。
この研磨装置20は、研磨パッド2が上面に貼付された研磨定盤1を有する。研磨パッド2の材料は特に限定されず、ロームアンドハース社製のIC1000のような発泡ウレタン製のパッドを使用し得る。
研磨定盤1の上方には、半導体基板Wを保持するキャリア4が設けられる。
キャリア4と研磨定盤1はそれぞれ矢印A、Bの方向に回動可能であり、このような回動運動によって半導体基板Wと研磨パッド2が互いに摺接し、半導体基板W上に形成された膜が研磨されることになる。
また、この研磨装置20は、研磨パッド2の目立てを行うためのコンディショナ7を有する。コンディショナ7は、矢印Cの方向に回動可能であると共に、矢印Dの方向に揺動可能である。また、コンディショナ7の表面には多数のダイヤモンド粒が接着されており、そのダイヤモンド粒によって研磨終了後の研磨パッド2の目立てが行われる。
更に、研磨定盤1の上方には、複数のノズル6を備えたアーム5が設けられる。ノズル6の個数と間隔は特に限定されず、本実施形態では12個のノズル6を25mmの間隔で一列に並べて設ける。
各ノズル6には共通のポンプ10が接続されており、研磨中はそのポンプ10が常に各ノズル6にスラリを送出し、各ノズル6から研磨パッド2上にスラリが滴下されることになる。
なお、ノズル6から滴下されたスラリが半導体基板Wの全面に行き渡るように、アーム5の長さを半導体基板Wの直径よりも長くするのが好ましい。
スラリは特に限定されない。スラリとしては、例えば、シリカ、セリウム、及びアルミナ等の砥粒と、分散剤、酸化剤、防食剤、及びキレート剤等の添加剤とを純水に溶解させたものを使用し得る。
研磨中の膜の膜厚は、膜厚測定部8により随時測定される。制御部9は、この膜厚測定部8から出力される膜厚測定信号Stに基づいて、後述のように各ノズル6の開放と遮断とを制御する。
図2は、この研磨装置20の断面図である。
キャリア4は、メンブレン4aとリテーナリング4bとを有する。このうち、メンブレン4a内の圧力を制御することにより、研磨パッド2に押圧される半導体基板Wの研磨圧力が制御される。また、リテーナリング4bは、研磨中に半導体基板Wがキャリア4の側方に飛び出すのを防止する機能を有する。
膜厚測定部8は、半導体基板Wに近接するように研磨定盤1に埋め込まれたコイル8aと、コイル8aに高周波電流を流す高周波電源8bとを有する。研磨対象の膜が導電膜の場合、コイル8aで発生する高周波磁界により導電膜内部に渦電流が発生し、その渦電流から発生する磁界によりコイル8aのインピーダンスが変動する。例えば、研磨対象の膜の膜厚が薄くなるほどコイル8aのインピーダンスは減少する。
このようにインピーダンスが膜厚に依存することを利用して、膜厚測定部8は研磨対象の膜の膜厚を測定し、その測定信号Stを既述の制御部9に出力する。
また、本実施形態では、研磨定盤1の五箇所に上記のコイル8aを埋め込むことにより、半導体基板Wの五つの領域での膜厚を測定するようにする。そして、各領域における測定信号Stに基づいて、制御部9は基板面内における膜厚分布を取得する。
なお、研磨対象の膜が絶縁膜の場合には、光学的に膜厚を測定し得る。
図3は、光学的に膜厚を測定する場合の断面図である。
この場合は、研磨定盤1の一部に開口1aを設けると共に、その開口1aの上の研磨パッド2に透光性の窓2aを設ける。そして、膜厚測定部8は、窓2aを通じてレーザ光L1を半導体基板Wに向けて照射し、その反射光L2を受光する。反射光L2の強度は、研磨対象の膜内での干渉により膜厚に応じて変化する。膜厚測定部8は、そのような反射光L2の強度を測定することで膜厚を測定する。
図4は、アーム5の拡大断面図である。
アーム5の内部には、スラリが流れるスラリ供給配管5eと、ノズル6の各々に供給されるスラリの流れを開放又は遮断する複数の弁11とが設けられる。弁11としては、応答速度の速い電磁弁を用いるのが好ましい。
弁11の開閉は、膜厚測定部8から出力される膜厚測定信号Stに基づいて、制御部9によって次のようにして制御される。
図5(a)、(b)は、弁11の開閉方法について説明するための図である。
これらの図中に示されるグラフGは、膜厚測定信号Stに基づいて制御部9が取得した基板面内における膜厚分布であって、グラフの横軸は半導体基板Wの中心からの距離を示し、縦軸は膜厚を示す。なお、この例では、半導体基板Wの直径を300mmとしている。
また、アーム5に設けられたノズル6については、基板上での対応する位置に示し、遮断状態のものをハッチング付きの丸印で、開放状態のものをハッチングなしの丸印で示す。
図5(a)の例では、膜厚が基板中心で厚く基板周辺で薄い傾向にあり、膜厚分布は基板面内で一様ではない。
そこで、制御部9は、スラリを滴下することによって膜厚分布が一様になると判断される位置のノズル6を開放し、それ以外の位置のバルブ6を遮断することにより、基板面内における研磨速度を調節する。
この例では、膜厚が閾値Tよりも厚い領域にスラリが供給される位置のノズル6を開放し、それ以外のノズル6を遮断することにより、閾値Tよりも厚い膜厚の領域を優先的に研磨し、基板面内での膜厚分布の均一化が図られる。
閾値Tは特に限定されないが、膜厚の基板面内における平均値を用いるのが好適である。
一方、図5(b)の例では、膜厚が基板中心で薄く基板周辺で厚い傾向にある。この場合も、閾値Tよりも厚い領域にスラリが供給される位置のバルブ6を開放し、それ以外のノズル6を遮断することにより、基板面内での膜厚分布を一様に近づけることができる。
なお、この例では12個のノズルによって半導体基板Wを25mm間隔で12個の領域に区分したが、区分数はこれに限定されず、更に多くのノズルを用いて区分数を多くしてもよい。
図6は、上記した研磨方法のフローチャートである。
最初のステップS1では、スラリが供給されている研磨パッド2により基板W上の膜を研磨しながら、制御部9が膜の基板面内における膜厚分布を取得する。その膜厚分布の一例は、既述の図5(a)、(b)のグラフGのようになる。
次いで、ステップS2に移り、制御部9の制御下において、上記の膜厚分布が一様になると判断される位置のノズル6を開放し、それ以外のノズル6を遮断することにより、スラリの滴下位置を変更する。
これらのステップS1、S2を一定期間毎、例えば10秒毎に行うことにより、研磨中に滴下位置の変更が行われる。
このような研磨方法によれば、制御部9が取得した膜厚分布をリアルタイムに反映させながら基板面内における研磨速度を調節し、膜厚分布を一様に近づけることが可能となる。
また、研磨装置20は、各ノズル6にスラリを送出するポンプ10が一個のみなので、各ノズルに個別のポンプを設ける従来例と比較して、装置を小型化することができる。そして、そのポンプ10は研磨中に常にスラリを送出している状態なので、ポンプ10の立ち上がり時間を待つ必要がない。
更に、スラリの滴下位置を変更するには、弁11(図4参照)を開放又は遮断するのみでよく、アーム5の移動を必要としない。そのため、アーム5の移動に要する時間を省くことができ、膜厚分布を取得してから滴下位置を変更するまでのタイムラグを縮小することが可能となる。
次に、本実施形態に関連して本願発明者が行った調査について説明する。
図7は、本願発明者が行った調査結果について示すグラフである。
この調査では、研磨パッド2上でのスラリの滴下位置(a)〜(c)毎に、研磨後の基板面内における膜厚分布が調べられた。膜厚の測定には、図2で説明したコイルを使用する膜厚測定部8が用いられた。
図7の横軸は半導体基板Wの中心からの距離を示し、縦軸は、研磨による膜厚の減少分(研磨量)を示す。
図8は、この調査におけるスラリの滴下位置(a)〜(c)を示す平面図である。
また、研磨条件は次の通りである:
被研磨膜: :銅膜
研磨パッド2の種類 :IC1000
研磨圧力 :200g/cm2
研磨定盤1とキャリア4の各回転数:70rpm
スラリ供給量 :300cc/min
スラリの種類 :銅膜用スラリ
この条件で各滴下位置(a)〜(c)からスラリを滴下しながら研磨を行ったところ、図7のように滴下位置によって基板面内における研磨量の分布に差が生じた。この結果から、本実施形態のように滴下位置を変更することにより、基板の各領域において研磨速度を調節し、基板面内における膜厚分布を均一にできることが裏付けられた。
被研磨膜: :銅膜
研磨パッド2の種類 :IC1000
研磨圧力 :200g/cm2
研磨定盤1とキャリア4の各回転数:70rpm
スラリ供給量 :300cc/min
スラリの種類 :銅膜用スラリ
この条件で各滴下位置(a)〜(c)からスラリを滴下しながら研磨を行ったところ、図7のように滴下位置によって基板面内における研磨量の分布に差が生じた。この結果から、本実施形態のように滴下位置を変更することにより、基板の各領域において研磨速度を調節し、基板面内における膜厚分布を均一にできることが裏付けられた。
ところで、研磨後の膜厚分布を均一にするには、上記のようにスラリの滴下位置を制御する方法の他に、研磨圧力を制御する方法もある。但し、この方法では研磨圧力の増加によって研磨傷が増加するおそれがある。
そこで、本願発明者は、研磨圧力と研磨傷の発生数との関係について調査した。
この調査では、300mmの半導体基板に対し、以下の条件で研磨を行った:
被研磨膜: :銅膜
研磨パッド2の種類 :IC1000
研磨圧力 :150g/cm2、200g/cm2、300g/cm2
研磨定盤1とキャリア4の各回転数:100rpm
スラリ供給量 :200cc/min
スラリの種類 :銅膜用スラリ
この条件で研磨した後、欠陥検査装置において大きさが0.16μm以上の欠陥を研磨傷とみなしてその数を計数したところ、図9に示すような結果が得られた。
被研磨膜: :銅膜
研磨パッド2の種類 :IC1000
研磨圧力 :150g/cm2、200g/cm2、300g/cm2
研磨定盤1とキャリア4の各回転数:100rpm
スラリ供給量 :200cc/min
スラリの種類 :銅膜用スラリ
この条件で研磨した後、欠陥検査装置において大きさが0.16μm以上の欠陥を研磨傷とみなしてその数を計数したところ、図9に示すような結果が得られた。
図9に示されるように、研磨圧力の上昇と共に研磨傷の発生数も増加する。よって、研磨圧力によって膜厚分布の均一化を図ろうとしたのでは、研磨傷による不良が発生するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、スラリの滴下位置を制御することにより膜厚分布の均一化を図るので、研磨圧力を上昇させる必要がなく、研磨傷による不良の発生を抑制できる。
(2)第2実施形態
図10は、本実施形態に係る研磨装置30の上面図である。なお、図10において第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る研磨装置30の上面図である。なお、図10において第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、アーム5に設けられるノズル6の数を一個にし、アーム5を回動可能にした点である。
図10に示されるように、アーム5は、その一端5aにノズル6が設けられ、他端5bを中心にしてモータ等によって水平面内で回動可能となっている。
アーム5の回動角度θは制御部9により制御される。
制御部9は、第1実施形態と同様に、膜厚測定部8の膜厚測定信号Stに基づいて、基板面内における膜厚分布を取得する。そして、膜厚が閾値T(図5(a)、(b)参照)よりも厚い領域の半導体基板Wにスラリが供給されるように回動角度θを変更し、膜厚分布が基板面内で一様に近づくようにする。
回動角度θによる半導体基板Wの区分数は特に限定されない。半導体基板Wの直径が300mmの場合は、例えば50mm間隔で半導体基板Wを六つの領域に区分し、各領域にスラリが供給されるように回動角度θを制御し得る。
このような研磨装置30によれば、膜厚分布の取得と回動角度θの変更とを一定の時間毎、例えば10秒毎に行うことにより、制御部9が取得した膜厚分布をリアルタイムに反映させながら、基板面内における研磨速度を調節し、膜厚分布を一様に近づけることが可能となる。
(3)第3実施形態
図11は、本実施形態に係る研磨装置40の上面図である。なお、図11において第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図11は、本実施形態に係る研磨装置40の上面図である。なお、図11において第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
本実施形態が第2実施形態と異なる点は、アーム5を水平面内で平行移動可能とした点である。
図12は、アーム5を平行移動させる機構の断面図である。
この機構は、第1及び第2のギア21、22と、これらを連絡する外部ベルト23及び内部ベルト24とを有する。各ギア21、22の一方には、これらを回動させるためのモータが接続される。
内部ベルト24は各ギア21、22の回動軸21a、22aを連絡し、これにより各ギア21、22が同期して回動する。そして、外部ベルト23の上にはアーム5が固定されており、各ギア21、22の回動運動にあわせてアーム5が水平面内で平行移動する。
平行移動の距離Dは制御部9により制御される。
制御部9は、第1、第2実施形態と同様に、膜厚測定部8の膜厚測定信号Stに基づいて、基板面内における膜厚分布を取得する。そして、膜厚が閾値T(図5(a)、(b)参照)よりも厚い領域の半導体基板Wにスラリが供給されるように距離Dを変更し、膜厚分布が基板面内で一様に近づくようにする。
距離Dの変更による半導体基板Wの区分数は特に限定されない。例えば、半導体基板Wの直径が300mmの場合は、50mm間隔で半導体基板Wを六つの領域に区分し、各領域にスラリが供給されるように距離Dを制御し得る。
これによれば、膜厚分布の取得と距離Dの変更とを10秒毎のように一定の時間毎に行うことにより、制御部9が取得した膜厚分布をリアルタイムに反映させながら、基板面内における研磨速度を調節し、膜厚分布を一様に近づけることが可能となる。
(4)第4実施形態
図13は、本実施形態に係る研磨装置50の上面図である。なお、図13において第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図13は、本実施形態に係る研磨装置50の上面図である。なお、図13において第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、アーム5に設けるノズル6の個数を一個とし、そのノズル6をアーム5に沿ってスライド可能とした点である。
図14は、ノズル6をスライドさせる機構の断面図である。
この機構は、第1及び第2のギア31、32と、これらを連絡する外部ベルト33とを有する。また、各ギア31、32の回動軸31a、32a同士は、内部ベルト34により連絡される。
そして、第2のギア32の回動軸32aには、モータの回動軸36と連絡された駆動ベルト35が接続されており、モータの回動運動によって各ギア31、32が回動する。
外部ベルト33にはノズル6が固定される。そのノズル6は第1のスラリ供給配管5cに接続されており、更に第1のスラリ供給配管5cはそれよりも直径が大きな第2のスラリ供給配管5dに挿通されている。
この機構によれば、モータ36の回動運動によってノズル6が水平方向にスライドする。スライドの際、第1のスラリ供給配管5cが第2のスラリ供給配管5d内に入るので、各配管5c、5dによってノズル6のスライド運動が阻害されることはない。
ノズル6のスライド量Lは制御部9により制御される。
制御部9は、第1〜第3実施形態と同様に、膜厚測定部8の膜厚測定信号Stに基づいて、基板面内における膜厚分布を取得する。そして、膜厚が閾値T(図5(a)、(b)参照)よりも厚い領域の半導体基板Wにスラリが供給されるようにスライド量Lを変更し、膜厚分布が基板面内で一様に近づくようにする。
スライド量Lによる半導体基板Wの区分数は特に限定されない。半導体基板Wの直径が300mmの場合は、例えば50mm間隔で半導体基板Wを六つの領域に区分し、各領域にスラリが供給されるようにスライド量Lを制御し得る。
膜厚分布の取得とスライド量Lの変更は、例えば10秒毎のように一定の時間毎に行われる。これにより、制御部9が取得した膜厚分布をリアルタイムに反映させながら、基板面内における研磨速度を調節し、膜厚分布を一様に近づけることが可能となる。
(5)第5実施形態
本実施形態では、上記した第1〜第4実施形態に係る研磨方法を半導体装置の製造工程に適用する。以下では、銅配線の形成に有用なダマシンプロセスについて説明する。
本実施形態では、上記した第1〜第4実施形態に係る研磨方法を半導体装置の製造工程に適用する。以下では、銅配線の形成に有用なダマシンプロセスについて説明する。
図15〜図17は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。
最初に、図15(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、シリコン基板71にSTI(Shallow Trench Isolation)用の溝を形成し、その中に素子分離絶縁膜72として酸化シリコン膜を埋め込む。
そして、素子分離絶縁膜72で画定されるシリコン基板71の活性領域に、イオン注入によりpウェル73を形成した後、活性領域の表面を熱酸化して厚さが約2nmのゲート絶縁膜74を形成する。
更に、ゲート絶縁膜74の上にポリシリコン膜をパターニングしてなるゲート電極75を形成する。そして、シリコン基板71の上側全面に絶縁膜を形成し、それをエッチバックしてゲート電極75の横に絶縁性サイドウォール76として残す。その絶縁膜として、例えばCVD法により酸化シリコン膜を形成する。
次いで、ゲート電極75と絶縁性サイドウォール76とをマスクにするイオン注入により、ゲート電極75の横のシリコン基板1にn型ソース/ドレイン領域78を形成する
続いて、シリコン基板71の上側全面にスパッタ法によりコバルト層等の高融点金属層を形成し、それをアニールしてシリコンと反応させ、n型ソース/ドレイン領域78の上に高融点金属シリサイド層77を形成する。
続いて、シリコン基板71の上側全面にスパッタ法によりコバルト層等の高融点金属層を形成し、それをアニールしてシリコンと反応させ、n型ソース/ドレイン領域78の上に高融点金属シリサイド層77を形成する。
これにより、ゲート絶縁膜74、ゲート電極75、及びソース/ドレイン領域78等を有する電界効果型トランジスタTRの基本構造が完成する。
その後に、トランジスタTRを覆う第1の層間絶縁膜80として、CVD法によりPSG膜を1.5μm程度の厚さに形成する。ゲート電極75等を反映して第1の層間絶縁膜80の上面に形成された凹凸は、CMP法による研磨で平坦化される。
次いで、図15(b)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングによりn型ソース/ドレイン領域78の上の第1の層間絶縁膜80にコンタクトホール80aを形成し、その中にn型ソース/ドレイン領域78と電気的に接続された導電性プラグ81を形成する。
導電性プラグ81を形成するには、まず、第1の層間絶縁膜80の上面とコンタクトホール80aの内面に、スパッタ法で窒化チタン膜を形成する。そして、その窒化チタン膜の上にCVD法によりタングステン膜を形成してコンタクトホール80aを完全に埋め込む。その後に、第1の層間絶縁膜80の上面の上の余分な窒化チタン膜とタングステンとをCMP法により研磨して除去し、これらの膜をコンタクトホール80a内にのみ導電性プラグ81として残す。
次に、図15(c)に示すように、導電性プラグ81と第1の層間絶縁膜80の上に、CVD法により酸化シリコン膜を厚さ約30nmに形成し、その酸化シリコン膜をエッチングストッパ膜83とする。
更に、このエッチングストッパ膜83の上に第2の層間絶縁膜84として低誘電率絶縁膜を厚さ約150nmに形成する。その低誘電率絶縁膜は、例えばCVD法により形成されたSiOC膜である。
その後に、第2の層間絶縁膜84の上にCMPの犠牲絶縁膜85としてCVD法により酸化シリコン膜を厚さ約50nmに形成する。
続いて、図16(a)に示すように、犠牲絶縁膜85の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、配線溝形状の窓82aを備えたレジストパターン82を形成する。
そして、図16(b)に示すように、レジストパターン82をマスクにして絶縁膜83〜85をRIE(Reactive Ion Etching)によりエッチングし、これらの絶縁膜に配線溝84aを形成する。
そのエッチングは、各絶縁膜83〜85に対して個別にエッチングガスを切り替えることにより行われ、第2の層間絶縁膜84に対してはCF4ガスがエッチングガスとして使用される。CF4ガスに対する第2の層間絶縁膜84とエッチングストッパ膜83との選択比は比較的大きく、第2の層間絶縁膜84のエッチングはエッチングストッパ膜83の上で停止する。
一方、エッチングストッパ膜83と犠牲絶縁膜85に対してはCF4ガスとO2ガスとの混合ガスがエッチングガスとして使用される。
その後に、アッシングによりレジストパターン82を除去する。
次に、図17(a)に示すように、犠牲絶縁膜85の上面と配線溝84aの内面とに、スパッタ法によりタンタル膜を厚さ約30nmに形成し、そのタンタル膜を銅拡散防止膜86とする。
更に、この銅拡散防止絶縁膜86の上にスパッタ法により銅シード層87を約30nm程度の厚さに形成した後、この銅シード層87を給電層にして電解銅めっきを行い、配線溝84aを銅めっき膜88で埋め込む。
そして、図17(b)に示すように、銅拡散防止膜86、銅シード層87、及び銅めっき膜88をCMPにより研磨し、これらの膜を配線溝84a内にのみ一層目金属配線88aとして残す。
このCMPでは、低誘電率絶縁膜よりなる第2の層間絶縁膜84にダメージが入るのを防止するため、犠牲絶縁膜85の途中の深さで研磨を停止し、第2の層間絶縁膜84の上に犠牲絶縁膜85を残すようにする。
この後は、金属配線と層間絶縁膜との多層配線構造を形成する工程が行われるが、その詳細については省略する。
以上説明した半導体装置の製造方法によれば、第1の層間絶縁膜80の平坦化工程(図15(a))、導電性プラグ81の形成工程(図15(b))、及び銅めっき膜88の平坦化工程(図17(b))においてCMPが行われる。これらのCMPに第1〜第4実施形態で説明した研磨方法を適用することにより、基板面内における研磨量の均一化が図られ、半導体装置の歩留まりを向上させることができる。
特に、金属膜に対するCMPでは、金属膜を化学的にエッチングする作用のあるスラリにより研磨が行われるので、研磨量が基板面内で不均一になり易い。よって、導電性プラグ51の形成工程(図15(b))や銅めっき膜88(図17(b))の平坦化工程に第1〜第4実施形態を適用することで、研磨量の均一化の実益を得ることが可能となる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 研磨パッドが貼付された研磨定盤と、
前記研磨パッドに基板を押圧するキャリアと、
前記研磨パッド上に研磨砥液を滴下するノズルと、
前記基板上に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定手段と、
前記膜厚測定手段により測定された膜厚に基づいて、前記研磨砥液を滴下することによって基板面内における膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更する制御手段と、
を有することを特徴とする研磨装置。
前記研磨パッドに基板を押圧するキャリアと、
前記研磨パッド上に研磨砥液を滴下するノズルと、
前記基板上に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定手段と、
前記膜厚測定手段により測定された膜厚に基づいて、前記研磨砥液を滴下することによって基板面内における膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更する制御手段と、
を有することを特徴とする研磨装置。
(付記2) 前記制御手段は、前記膜厚が閾値よりも厚い領域の前記膜に前記研磨砥液が供給される位置に前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1に記載の研磨装置。
(付記3) 前記ノズルが複数設けられたと共に、
前記研磨砥液を前記複数のノズルの各々に共通に送出するポンプと、
前記複数のノズルの各々に供給される前記研磨砥液の流れを開放又は遮断する複数の弁とを更に有し、
前記制御手段は、前記複数の弁を開放又は遮断することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
前記研磨砥液を前記複数のノズルの各々に共通に送出するポンプと、
前記複数のノズルの各々に供給される前記研磨砥液の流れを開放又は遮断する複数の弁とを更に有し、
前記制御手段は、前記複数の弁を開放又は遮断することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
(付記4) 前記研磨定盤の上方に設けられたアームを更に有し、
前記アームに前記複数のノズルが並べて設けられたことを特徴とする付記3に記載の研磨装置。
前記アームに前記複数のノズルが並べて設けられたことを特徴とする付記3に記載の研磨装置。
(付記5) 一端に前記ノズルが設けられ、他端を中心にして水平面内で回動可能なアームを更に有し、
前記制御手段は、前記アームの回動角度を調節することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
前記制御手段は、前記アームの回動角度を調節することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
(付記6) 一端に前記ノズルが設けられ、水平面内で平行移動可能なアームを更に有し、
前記制御手段は、前記アームの平行移動の距離を調節することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
前記制御手段は、前記アームの平行移動の距離を調節することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
(付記7) 前記ノズルがスライド可能に設けられたアームを更に有し、
前記制御手段は、前記ノズルのスライド量を調節することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
前記制御手段は、前記ノズルのスライド量を調節することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする付記1又は付記2に記載の研磨装置。
(付記8) 前記膜厚測定手段は、前記膜からの反射光、又は前記半導体基板に近接して設けられたコイルのインピーダンスに基づいて、前記膜厚を測定することを特徴とする付記1〜7のいずれかに記載の研磨装置。
(付記9) 研磨砥液が供給されている研磨パッドにより基板上の膜を研磨しながら、前記膜の基板面内における膜厚分布を取得するステップと、
前記膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更するステップと、
を有することを特徴とする研磨方法。
前記膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更するステップと、
を有することを特徴とする研磨方法。
(付記10) 前記研磨は、共通のポンプから送出された前記研磨砥液を複数のノズルにより前記研磨パッド上に滴下して行われ、
前記滴下位置の変更は、前記複数のノズルにおいて前記研磨砥液の流れを開放又は遮断することにより行われることを特徴とする付記9に記載の研磨方法。
前記滴下位置の変更は、前記複数のノズルにおいて前記研磨砥液の流れを開放又は遮断することにより行われることを特徴とする付記9に記載の研磨方法。
1…研磨定盤、1a…開口、2…研磨パッド、2a…窓、4…キャリア、4a…メンブレン、4b…リテーナリング、5…アーム、5a…アームの一端、5b…アームの他端、5c…第1のスラリ供給配管、5d…第2のスラリ供給配管、5e…スラリ供給配管、6…ノズル、7…コンディショナ、7a…軸、8…膜厚測定部、8a…コイル、8b…高周波電源、9…制御部、10…ポンプ、11…弁、20、30、40、50…研磨装置、21、22…第1及び第2のギア、23…外部ベルト、24…内部ベルト、21a、22a…回動軸、31、32…第1及び第2のギア、31a、32a…回動軸、33…外部ベルト、34…内部ベルト、35…駆動ベルト、36…モータの回動軸、71…シリコン基板、72…素子分離絶縁膜、73…pウェル、74…ゲート絶縁膜、75…ゲート電極、76…絶縁性サイドウォール、77…高融点金属シリサイド層、78…n型ソース/ドレイン領域、80…第1の層間絶縁膜、80a…コンタクトホール、81…導電性プラグ、82…レジストパターン、82a…窓、83…エッチングストッパ膜、84…第2の層間絶縁膜、84a…配線溝、85…犠牲絶縁膜、86…銅拡散防止膜、87…銅シード層、88…銅めっき膜、88a…一層目金属配線。
Claims (5)
- 研磨パッドが貼付された研磨定盤と、
前記研磨パッドに基板を押圧するキャリアと、
前記研磨パッド上に研磨砥液を滴下するノズルと、
前記基板上に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定手段と、
前記膜厚測定手段により測定された膜厚に基づいて、前記研磨砥液を滴下することによって基板面内における膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更する制御手段と、
を有することを特徴とする研磨装置。 - 前記制御手段は、前記膜厚が閾値よりも厚い領域の前記膜に前記研磨砥液が供給される位置に前記滴下位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
- 前記ノズルが複数設けられたと共に、
前記研磨砥液を前記複数のノズルの各々に共通に送出するポンプと、
前記複数のノズルの各々に供給される前記研磨砥液の流れを開放又は遮断する複数の弁とを更に有し、
前記制御手段は、前記複数の弁を開放又は遮断することにより、前記研磨砥液の前記滴下位置を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨装置。 - 研磨砥液が供給されている研磨パッドにより基板上の膜を研磨しながら、前記膜の基板面内における膜厚分布を取得するステップと、
前記膜厚分布が一様になると判断される位置に、前記研磨砥液の滴下位置を変更するステップと、
を有することを特徴とする研磨方法。 - 前記研磨は、共通のポンプから送出された前記研磨砥液を複数のノズルにより前記研磨パッド上に滴下して行われ、
前記滴下位置の変更は、前記複数のノズルにおいて前記研磨砥液の流れを開放又は遮断することにより行われることを特徴とする請求項4に記載の研磨方法。
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JP2008209034A JP2010042487A (ja) | 2008-08-14 | 2008-08-14 | 研磨装置及び研磨方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022271492A1 (en) * | 2021-06-25 | 2022-12-29 | Applied Materials, Inc. | Spray system for slurry reduction during chemical mechanical polishing (cmp) |
JP7492854B2 (ja) | 2020-05-11 | 2024-05-30 | 株式会社荏原製作所 | 研磨装置及び研磨方法 |
-
2008
- 2008-08-14 JP JP2008209034A patent/JP2010042487A/ja not_active Withdrawn
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US11819976B2 (en) | 2021-06-25 | 2023-11-21 | Applied Materials, Inc. | Spray system for slurry reduction during chemical mechanical polishing (cmp) |
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