JP2010042339A - プレート式反応器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原料ガスを反応させるための反応容器と、前記反応容器内に並んで配列され、断面形状の周縁又は端縁が一直線上で連結している複数の伝熱管を含む複数の伝熱プレートと、隣り合う伝熱プレート間の隙間に触媒が充填されてなる触媒層とを有するプレート式反応器であって、前記伝熱プレートは、前記原料ガスの流れ方向と垂直方向であって、伝熱プレートの長さ方向と垂直方向に測定した場合の隣り合う伝熱プレート間の触媒層厚さの最大値(S2)と、隣り合う伝熱プレート間の触媒層厚さの最小距離(S1)とが、1<S2/S1≦2の関係を有するように配列されていることを特徴とする、プレート式反応器。
【選択図】図1
Description
一方で上記プレート式反応器では、触媒層が複数回に折れ曲がる波状の流路として形成されているために、伝熱プレートと触媒との熱交換には優れるものの、同時に触媒層の圧力損失が増大することがあった。そのため、プレート式反応器において、良好な伝熱効率を得るとともに、プレート式反応器内部の触媒層における圧力損失を低減できる技術が求められている。
本発明のS2は、例えば図1〜3に示されるように、伝熱管の連結部を結んで形成される直線を伝熱プレートの中心軸としたとき、一対の伝熱プレートが平行かつ互いに伝熱管の中心軸の半分に相当する距離だけ上下に離れている場合には、一方の伝熱管の中心軸と、もう一方の伝熱管の中心軸から触媒層側に最も離れた伝熱管の外面を通る中心軸に平行な軸までの距離となる。
上記の場合以外、例えば一対の伝熱プレートの上下方向の距離が上記の関係ではない場合、S2は、伝熱管の凸縁の連結部から、伝熱プレートの中心軸の垂直方向であって、伝熱プレートの長さ方向と垂直方向に伸ばして、隣り合う伝熱プレートの伝熱管の触媒層側の外面までの距離を測定することによって求められる。
ここで本発明において、伝熱プレートの長さ方向とは、例えば図4で示すように伝熱プレートを縦に配列したとき、伝熱プレート(伝熱管)の幅の方向(図4中のW)を意味する。
一方、S1は、隣り合う伝熱プレートの伝熱管の外面間の距離の最小値を測定することにより求められ、例えば、伝熱プレートを円弧のパターンが連続して形成された二枚の波板を両波板のパターンの端に形成される凸縁で互いに接合することによって形成し、波板の形状が円弧で近似できる場合には円弧の中心点を結ぶ直線と波板の触媒層側の外面との交点間の距離を測定することによって求めることができる。
(式)
[触媒層の平均層厚さ]=[触媒層の体積]÷[伝熱プレートの長さ(幅)(図1における紙面に垂直方向の長さ)]÷[伝熱プレートの原料ガスの流れ方向の長さ]
(ここで、[触媒層の体積]は、触媒層が形成される一対の伝熱プレートを地面に対して垂直に保ち、かつ底(各反応帯域の最も下面)に蓋を設置して、一対の伝熱プレートに挟まれた空間内に水などの液体又は直径1mm以下のガラスビーズを注ぎいれたときに、該空間を満たすのに必要な水などの液体又は直径1mm以下のガラスビーズの体積とする。)
本発明において、S2/S1は1<S2/S1の関係を満たす。伝熱プレートに凹凸が
全くないとき、S2/S1の値は1になる。S2/S1は、反応原料ガスの流速変化によって反応原料ガス流れの混合を促進し、触媒層中心部と伝熱プレート表面近傍との温度差を縮小することで、伝熱効率の向上を図る観点から1.3≦S2/S1であることがより好ましく、1.6≦S2/S1であることが更に好ましい。
このような関係を満たす範囲において、伝熱プレートは、隣り合う伝熱プレートの表面の凸縁が互いに対向するように並べられてもよいし、一方の伝熱プレートの表面の凸縁が他方の伝熱プレートの表面の凹縁に対向するように並べられてもよい。高い伝熱効率を確保する観点から、一方の伝熱プレートの表面の凸縁が他方の伝熱プレートの表面の凹縁に対してガスの流れ方向の垂直方向に平行に対向するように並べられること、すなわち、一対の伝熱プレートが平行かつ互いに伝熱管の中心軸の半分に相当する距離だけ上下に離れていることが特に好ましい。
伝熱プレートを、複数の伝熱管を周縁又は端縁で連結して形成する場合や、複数の前記伝熱管を反応容器において周縁又は端縁で接するように積み重ねて形成する場合には、伝熱管の断面形状を調整したり、上記(P)を適宜調整することで、上記S2/S1の値を調整できる。伝熱管の断面形状は、円形でもよいし、楕円形やラグビーボール型等の略円形でもよいし、矩形や菱形等の多角形でもよい。
例えば図1のように、伝熱管の形状がラグビーボール型の略円形である場合には、伝熱管の連結部を基点として上下の伝熱管の外面に接する各接線が形成する触媒層側の角度であり、図2のように、伝熱管が菱形である場合には、伝熱管の連結部を基点として上下の伝熱管の各外面が形成する触媒層側の角度である。
なお、伝熱面角度の上限については特に限定されないが、伝熱プレートと触媒との伝熱効率を保つために、120°以下であることが好ましく、100°以下であることが特に好ましい。
伝熱面角度が30°未満であると、伝熱管の連結部付近の触媒層にガスが滞留する部分、すなわちデッドスペースが生じてガスの渦が発生し、ガスの滞留が起こる。渦中に存在するガスは触媒層内の滞留時間が長くなり、原料ガス全体の触媒層内の滞留時間も長くなる。
この場合、渦に存在しないガスの滞留時間は短くなり、反応転化率が低下する一方で、滞留時間の長い原料ガスは選択率が低下する。結果として、反応による目的成分の収量が低下する。
また、熱媒体の入口温度と出口温度の温度差は0.5〜10℃であることが好ましく、2〜5℃であることがより好ましい。
1〜複数の伝熱管毎に、熱媒体の流量、温度、及び流す方向を変えることも可能である。また、一つの反応帯域においても、1〜複数の流路毎に、独立して同温の熱媒体を同じ方向に流す場合も、向流(カウンターフロー)方向に流す場合もある。また、ある反応帯域の伝熱管に供給され排出された熱媒体を同じあるいは別の反応帯域の伝熱管に供給することも可能である。
一方、反応原料ガスが、炭素数3及び4の不飽和脂肪族アルデヒドからなる群から選ばれる原料ガスの少なくとも1種のときは、200〜350℃で反応帯域に供給されることが好ましく、より好ましくは、250〜330℃である。該反応原料ガスがアクロレインの場合は、反応帯域に供給される熱媒体の温度が250〜320℃であることが好ましい。
同じ反応帯域では、熱媒体の温度は基本的に同じであることが好ましいが、ホットスポット現象が発生しない範囲で変化させることは可能である。
原料ガス側伝熱抵抗に比較し、熱媒体側の抵抗が小さく問題にならない値とするには、0.5〜1.0m/sが最も適当である。大きすぎると熱媒体の循環ポンプの動力が大きくなって経済面で好ましくない。
味する。例えば、図1では図中のdが隣り合う伝熱プレートの伝熱管の触媒層側の頂点間距離である。
伝熱プレートの伝熱管の触媒層側の頂点間距離が2mm以上であることで、触媒層に温度測定装置を垂直に設置したときに温度測定装置の温度測定部と伝熱プレートが接触することを防ぐことができる。伝熱プレートの伝熱管の触媒層側の頂点間距離は、4mm以上であることがより好ましく、6mm以上であることが特に好ましい。伝熱プレートの伝熱管の触媒層側の頂点間距離の上限値については、触媒層の温度分布の平滑化、惹いてはホットスポットの防止と緊密な関係があり、触媒の劣化防止の観点から10mm以下であることが好ましい。
前記温度測定装置の好ましい例を以下に示し、温度測定装置の配置方法及び触媒の充填方法として好ましく用いられるものを以下に示す。
おけるガスの流れ方向に沿って固定されることは、所定の熱媒体の温度における反応の状態を正確に把握する観点から好ましく、一本の支持体で前記触媒層における反応の状態を広く把握する観点から好ましい。
触媒の組成としては、モリブデン、タングステン、ビスマスなどを含む金属酸化物、ま
たは、バナジウムなどを含む金属酸化物が挙げられる。該組成の金属酸化物粉末を、球状、ペレット状、またはリング状に成型し、高温で焼成して触媒として用いる。
また、触媒の形状は、公知の形状が採用でき、直径が3〜15mm(ミリメートル)の球状、または楕円形以外の形状で3〜15mmの相当直径を有するペレット状、あるいは円柱の円柱中心に穴の開いたリング状の形状のもので、円外径が4〜10mm、円内径が1〜3mm、高さが2〜10mmの形状が好適に用いられる。上記直径、相当直径、円外径及び高さが、3〜5mmの触媒がより好ましい。
Mo(a)Bi(b)Co(c)Ni(d)Fe(e)X(f)Y(g)Z(h)Q(i)Si(j)O(k)・・・式(1)
上記式(1)中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Coはコバルト、Niはニッケル、Feは鉄、Xはナトリウム、カリウム、ルビジュウム、セシウム及びタリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Yはほう素、りん、砒素及びタングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Zはマグネシウム、カルシウム、亜鉛、セリウム及びサマリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Qはハロゲン元素、Siはシリカ、Oは酸素を表す。
また、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j及びkは、それぞれMo、Bi、Co、Ni、Fe、X、Y、Z、Q、Si及びOの原子比を表し、モリブデン原子(Mo)が12のとき、0.5≦b≦7、0≦c≦10、0≦d≦10、1≦c+d≦10、0.05≦e≦3、0.0005≦f≦3、0≦g≦3、0≦h≦1、0≦i≦0.5、0≦j≦40であり、kは各元素の酸化状態によって決まる値である。
Mo(12)V(a)X(b)Cu(c)Y(d)Sb(e)Z(f)Si(g)C(h)O(i)・・・式(2)
上記式(2)中、XはNb及びWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。YはMg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。ZはFe、Co、Ni、Bi、Alからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。但し、Mo、V、Nb、Cu、W、Sb、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Fe、Co、Ni、Bi、Al、Si、CおよびOは元素記号である。a、b、c、d、e、f、g、hおよびiは各元素の原子比を表し、モリブデン原子(Mo)12に対して、0<a≦12、0≦b≦12、0≦c≦12、0≦d≦8、0≦e≦500、0≦f≦500、0≦g≦500、0≦h≦500であり、iは前記各成分のうちCを除いた各成分の酸化度によって決まる値である。
上記炭素数3の炭化水素としては、プロピレン、プロパンが挙げられる。
上記炭素数4の炭化水素としては、イソブチレン、ブタンが挙げられる。
上記炭素数3及び4の不飽和脂肪族アルデヒドとしては、アクロレイン、メタクロレインが挙げられる。
また、上記反応物である炭素数3及び4の不飽和脂肪族アルデヒド、並びに炭素数3及び4の不飽和脂肪酸における、炭素数3及び4の不飽和脂肪族アルデヒドとしては、アクロレイン、メタクロレインが挙げられ、炭素数3及び4の不飽和脂肪酸としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
上記反応原料ガスは、1種のみの構成としてもよく、また2種以上を混合した混合物としてもよい。上記反応原料ガスの組成は、目的に応じて適宜選択される。
上記反応原料ガスの、上記原料ガスに対する含有量は、特に限定されないが、反応原料ガスの総量として、5〜13モル%であることが好ましい。また、上記分子状酸素の、上記原料ガスに対する含有量は、反応原料ガスの総量の1〜3倍量であることが好ましい。
以下、本発明を図面に基づいてさらに具体的に説明する。
上記H、L及びPは、1<S2/S1≦2となるように適宜調整される。
図3のプレート式反応器では、一方の伝熱プレートと他方の伝熱プレートを形成する波板の波高さ(H)がそれぞれ異なっており、このことにより、伝熱プレート間の触媒層厚さの変化を大きくさせたものである。このように波板の波高さが異なる伝熱プレートを配列した場合には、プレート式反応器を通過する原料ガスの混合が促進され、伝熱効果がよ
り高まり、触媒層における温度分布が平滑化される。
波板の波の高さ(H)が20mm、波板の波の周期(L)が40mmのものを2枚準備した。この波板を両波板の凸部を互いに接合して、複数の伝熱管が形成された伝熱プレートを一組作製した。図4に示すようにこれらの伝熱プレートを伝熱プレートの間隔(P)が24mmとなるように並列させ、伝熱プレートの幅(長さ)を100mmとして両端を閉じてプレート式反応器を作製した。
該プレート式反応器のスロートS1は7.6mmで、S2/S1は1.9であった。また、伝熱面角度(θ)は74°であった。該プレート式反応器に触媒を充填し、触媒層の層高さは1mとし、触媒量を1リットルとした。触媒は、形状が直径4mmφで高さが3mmの円柱状のものを用いた。ガスとして空気を用い、プレート式反応器の上方より供給した。空気の温度は23℃で、流量はロータメータを用いて測定し、標準状態(0℃、103kPa)に換算した。
プレート式反応器に用いた伝熱プレートの仕様を表1に示す。
表1に示す仕様のプレート式反応器を用いて、圧力損失を測定する試験を行った。実施例で用いたプレート式反応器と比較するため、スロートS1の値が近いものを用いた。実施例1で用いた触媒と同じものを、層高が1mとなるように反応器に充填した。触媒の充填量は1.1リットルであった。S2/S1は2.6であり、伝熱面角度(θ)は25°であった。
のものとした本発明のプレート式反応器によれば、伝熱プレートと触媒との熱交換が効率よく行われるとともに、触媒層における圧力損失が低減される。このことから、反応生成物の収率を損なうことがなく、圧力損失を補うために原料ガスの送風機或いは圧縮機などの動力を大きくする必要がなく、経済的に有利である。
S1 触媒層厚さの最小値
S2 触媒層厚さの最大値
θ 伝熱面角度
H、h 波板の波高さ
L 波板の波の周期
P 伝熱プレート間の距離
d 伝熱プレートの伝熱管の触媒層側の頂点間距離
r 円弧の半径
F ガスの流れ方向
T 触媒層の層高さ(触媒層の長さ)
W 触媒層の幅(伝熱管の長さ)
Claims (6)
- 原料ガスを反応させるための反応容器と、前記反応容器内に並んで配列され、断面形状の周縁又は端縁が一直線上で連結している複数の伝熱管を含む複数の伝熱プレートと、隣り合う伝熱プレート間の隙間に触媒が充填されてなる触媒層とを有するプレート式反応器であって、
前記伝熱プレートは、前記原料ガスの流れ方向と垂直方向であって、伝熱プレートの長さ方向と垂直方向に測定した場合の隣り合う伝熱プレート間の触媒層厚さの最大値(S2)と、隣り合う伝熱プレート間の触媒層厚さの最小距離(S1)とが、1<S2/S1≦2の関係を有するように配列されていることを特徴とする、プレート式反応器。 - 前記伝熱管の連結部における触媒層側の伝熱面角度が、30°以上であることを特徴とする、請求項1に記載のプレート式反応器。
- 前記触媒層のガス入口からガスの流れ方向の該触媒層の長さの50%長さまでの領域において、前記1<S2/S1≦2の関係を有するように伝熱プレートが配列されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のプレート式反応器。
- 前記触媒層のガス入口からガスの流れ方向の該触媒層の長さの50%長さまでの領域において、前記伝熱管の連結部における触媒層側の伝熱面角度が、30°以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプレート式反応器。
- 前記原料ガスの流れ方向と垂直方向であって、伝熱プレートの長さ方向と垂直方向に測定した場合の隣り合う伝熱プレートの伝熱管の触媒層側の頂点間距離が2mm以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレート式反応器。
- 炭素数3及び4の炭化水素、並びにターシャリーブタノールからなる群から選ばれる反応原料ガスを酸化し、不飽和脂肪族アルデヒドまたは不飽和脂肪酸を製造するための気相接触酸化反応に用いられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレート式反応器。
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