JP2010042284A - 血液力学特性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘性率分布およびずり応力分布を測定する血液力学特性測定装置を提供すること。
【解決手段】経皮的に血管内の血流に向けて超音波等の波動を入射させ、その血管内の血液中に含まれる血球成分からの散乱エコーを受信した後、超音波ドプラ計測によって血流速度分布を計測する手段4と、血流速度分布に基づいて、2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式より、血液の粘性率分布及び/または血液の粘性率分布平均値を求める手段5,6と、計測された血流速度分布からずり速度分布を算出するずり速度分布算手段7と、算出されたずり速度分布と血液の粘性率分布または血液の粘性率分布平均値とに基づいて血液内のずり応力分布を求める手段9とからなることを特徴とする血液力学特性測定装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液力学特性測定装置に係わり、特に、血流動態の診断に用いられる超音波ドプラ計測法に基づき、血液性状を代表する粘性率分布や血液内のずり応力分布を算出することにより、殆どの血管系疾患の引き金となっている動脈硬化プラーク破綻の危険性予知に関わる情報を術者に提供したり、個人の日常健康管理のための医療診断機器に利用可能な血液力学特性測定装置に関する。
下記の非特許文献1には、半導体微細加工技術(集積回路製作技術)を用いてシリコン単結晶基板表面に加工した微細な溝(マイクロチャネル)のアレイ(マイクロチャネルアレイ)を毛細血管モデルとして用い、そこに採取した血液を流し込み、溝を通過する赤血球・血漿などを顕微鏡で観察しながら、通過時間を計測する技術が開示されている。これは、この通過時間を計測することにより、赤血球変形能、白血球粘着能、血小板凝集能などを評価するものである。本計測に用いるマイクロチャネルアレイは製品化(製品名:MC-FAN, Micro Channel array Flow ANalyzer)されている。
また、下記の特許文献1には、非侵襲的に生体表面から波動(超音波)を入力し、生体を流れる体液に反射させて動きや位置から血液等の状態を解析し、循環情報を求めて健康状態を評価することを目的とした循環動態測定装置が開示されている。この装置は、生体表面から生体内部に波動を送受信する循環センサ部と、受信された波動から循環動態を算出する処理部とを備え、さらに循環センサ部は、血流量を測定する手段と血圧を測定する手段とを備え、処理部において、測定された血流量及び血圧から血液の粘性に関する情報を算出し、または事前に採取して測定した血液の粘性値との組み合わせにより、血管の形状に関する抵抗成分を算出するものである。
この発明の測定原理は、血流速度や血圧及び血管径の時間変化から循環情報を求めることを基本とするものであり、生体の末梢部位の血管を電気回路で置き換え、血流量Qを電流、血管内の異なる2点間の血圧値Vを電圧に相当させ、血管抵抗RをこのVとQの比と考えて(オームの法則から)、血管抵抗R = 血圧差V/血流量Q(式1)を算出するものである。この血管抵抗Rには、血管太さなど形状的な要因と、血液の粘性の要因が加算されており、rを形状的な要因(血管形状抵抗成分)、ρを血液の粘性の要因とすると、R = r × ρ = 血圧差V/血流量Q(式2)となる。同一被験者においては、rが日々大きく変化することは考えにくいため、血管抵抗Rは血液の粘性の影響を大きく受ける。そのため、比較的短期間(数日)においては、血管抵抗Rの変動は血液粘性ρの変化と見なせる。すなわち、血管抵抗Rを測定することにより、血液の粘性ρの変化を知ることができることから、この血管抵抗Rを末梢部位の循環動態の指標に利用しようとするものである。
血管抵抗Rの測定方法については(式2)に基づくが、血流速度v、血管径d、血圧Vとすると、(式2)は、R = ρ×r = V/Q = 8V/πd2v(式3)となる。ここで、血流速度vと血管径dの測定は、循環センサ部に設置された複数枚の圧電振動子から超音波の送受信に基づいて行い、血圧の測定は、循環センサ部に設置された血圧センサを用いて行う。
また、下記の非特許文献2には、超音波システムを用いて血液粘性率を非侵襲で推定する方法が提案されている。硬い管内では、層流におけるニュートン流体の速度プロファイルの形状は、ナビエ-ストークス方程式における粘性率と圧勾配に関係している。順問題として考えれば、粘性率と圧勾配によって、血管内血流の速度分布の形状が決定される。従って、逆問題として考えれば、速度分布の形状から、粘性率と圧勾配を推定できることが考えられる。
管内を循環する流体の支配方程式は、ストークス方程式によって表される。円筒内の流れが層流であり、軸対称な1方向流であるような、強い制約下では、以下のような線形の常微分方程式が得られる。
ここで、p:圧力、x:円筒内長軸方向、ρ:密度、w:速度成分(x軸方向)、t:時間、r:円筒短軸断面半径、μ:粘性率である。超音波血流速度測定により、速度成分wの分布を知ることができるので、式(4)に基づいて、粘性率μと圧勾配dp/dxを求めることができる。
このように、式(4)を基本式とし、速度成分分布(速度プロファイル)から、粘性率と圧勾配を求める方法については、以下のようなものが提案されている。
(1) Linearized Method (線形化法、Bensahla,1983)
この方法は、速度プロファイルを時間軸方向に周波数分解し、その結果得られた拍動成分の速度プロファイルを基に、管内の2点の速度比をとって粘性率を推定するものである。しかし、この方法は時間軸方向の周波数解析を必要としているので、超音波診断技術に求められる実時間性を満たさない。また、速度比をとる2点の選び方によって、結果が変わってしまう問題もある。
(2) Integral Method(積分法、Deguet,1999)
この方法は、式(4)が、半径r方向に2回積分できるので、粘性率及び密度を空間的に一様な定数として、2つの異なる位置で積分すると2式からなる連立方程式が得られことから、これを解くことにより粘性率を求めるものである。しかし、この方法は2つの積分路の選び方が非常に微妙であり、積分路の選び方によって結果が変わってくる。この点で、線形化法と同じ問題がある。
(3) Maximum Likelihood Method (最尤推定法、Bacrie、1999、本論文で提案する手法)
この方法は、この非特許文献2に提案されている方法であり、上記(1)(2)のように、2点の計測だけでなく、多数点をとって、最尤推定法(最小二乗法)により粘性率と圧勾配を同時に推定する方法である。空間的に平均化して算出するので推定値の安定化が見込まれる。
これらの方法については、シミュレーションと流体実験により検証され、その結果については手法の妥当性が示されている。
また、下記の特許文献2には、血管内皮機能を評価するために、ずり応力に応じて変化する血管及び/または血流に関する情報を測定し、その変化量を算出した後、この変化量をずり応力の所定時間累積値によって正規化し、定量的な血管内皮機能の指標として用いることを特徴とする測定装置が開示されている。本測定装置は、血管内に生ずるずり応力を求めるずり応力算出手段と、ずり応力に応じて変化する血管及び/または血流に関する情報の変化量を、ずり応力の所定時間累計値で正規化した値を血管内皮機能の指標として求める指標算出手段とから構成されている。
ここで、ずり応力算出手段としては、ずり応力が、τ=4μQ/πr(Q:血流量、r:血管内半径、μ:粘性係数)によって計測することを特徴とするものである。すなわち、粘性係数が既知であるとし、血流量(血流速度計測により算出可)と血管内半径を測定して、上のずり応力算出式により、ずり応力を求めようとするものである。
特開2003-290226 特開2003-144395
菊池佑二、門馬正人、牧野鉄也、田村正孝:細胞マイクロレオロジー測定装置MC-FAN、細胞、30(7)、281-284、1998. C. C-Bacrie:"Estimation of Viscosity from UltrasoundMeasurementsof Velocity Profiles", Proc. IEEE Ultrasonics Symp., vol.2, pp.1489-1492, 1999.
上記の非特許文献1に記載の技術によれば、マイクロチャネルアレイの溝を毛細血管モデルとして用い、そこを通過する血液成分を顕微鏡で観察すると共に通過時間を計測して、赤血球変形能、白血球粘着能、血小板凝集能などを評価するので、血液の性状を直感的に評価でき、優れた手法である。しかしながら、採血後の血液に対して検査が行われるので、抗凝固剤を添加するなど、血液が凝固しないような対処が必要となる。このため、生体内と同じ状態で血液性状を評価することは困難であると考えられる。
また、上記の非特許文献2に記載の技術によれば、ストークス方程式利用し、血液の粘性率と圧勾配を定量的に推定しようとする方法であり、血流として、1方向流を仮定したストークス方程式を用いている。しかしながら、実際の血流は1方向のみの流れであるとは限らず、仮定の制約が強すぎる問題があると考えられる。従って、多方向に速度成分を持つような流れに対して、1方向流仮定を適用すると、算出される粘性率及び圧勾配の定量性が不十分となり、推定結果の信頼性は低下するものと考えられる。またこの手法では上述の特許文献1と同様、血管内の平均的な粘性率及び圧勾配を算出しているため、制約が強すぎる。また、この手法では、血管内を流れる血流全体の平均的な粘性率を算出するに留まり、粘性率の空間的な分布を画像化することはできない。
また、上記の特許文献1に記載の技術によれば、粘性に関する指標として、血流量と血圧の比で定義された血管抵抗を用いることを特徴としている。しかしながら、血管抵抗には、血管の形状要因や血液の粘性要因だけでなく、血管壁の粘弾性など、その他の要因も含まれていると考えられる。従って、複雑に各種要因を含む血管抵抗値を粘性に関する指標として用いるのは、粘性率のような物理量を算出していることには相当せず、定量性に欠けていると考えられる。また、血管抵抗値の算出は、超音波による2点での流量測定に基づいているため、このままではその2点区間の平均的な血管抵抗値を算出しているに過ぎない、と考えられる。
また、上記の特許文献2に記載の技術によれば、血管内皮機能を評価するためにずり応力を求めているが、ずり応力推定に用いられている式、τ=4μQ/πr (Q:血流量、r:血管内半径、μ:粘性係数)について、血行力学的にその導出過程が不明確である。従って、得られたずり応力値の妥当性も不明瞭である。また本来、ずり応力は、血管内皮側と軸中央で異なるなど、分布を持つものであるが、上記算出式では血管内の平均的なずり応力値しか算出できず、内皮機能を評価するには、不十分であると考えられる。
ところで、近年の厚生労働省人口動態調査によると、動脈硬化症に代表されるような血管系疾患は、ガンに匹敵する死亡数となっている。動脈硬化症における不安定プラークは、ずり応力の少ない部位に発生し、多量の脂質を薄い線維被膜が覆う脆弱な構造をしているが、大きなずり応力や圧較差によって突如破綻し、血栓形成により閉塞に至ることが知られている。血流速度勾配とずり応力は、粘性率を係数として概ね比例関係にあるが、血糖値の上昇、または血液中のヘマトクリット上昇(多血症)、あるいは血栓形成(血栓症)に伴って粘性率が上昇すると、それに起因してずり応力が増加し、血管内皮への負荷が大きくなるため、不安定プラーク破綻の危険性が増すものと考えられている。すなわち、血液のずり応力や粘性率は、不安定プラーク破綻の危険因子であると言える。現在、不安定プラークを検出するのに注目されている技術として、冠動脈への血管内エコー法や経皮的頸動脈エコーを利用して、拍動により変形する血管壁の局所的な歪みを求め、プラークの弾性(硬さ)を把握することにより、プラークの不安定度を診断する弾性イメージングがある。しかし、プラーク破綻の危険性を予知するには、このような組織診断だけでなく、破綻の直接的な引き金となる血液のずり応力、またはずり応力を制御している粘性率を知ることが必要不可欠である。血液のずり応力や粘性率を知ることにより、プラーク破綻の危険性を予知でき、血管系疾患の予防に有用な指標となり得ると考えられる。従って、診断において血液のずり応力及び粘性率を正確かつ非侵襲に評価することができれば、有意義な診断情報を提供できるものと考えられる。
一方、診断的な側面のみならず、近年の健康維持促進の観点から、血液の健康度を日常的にチェックすることは、個人レベルでの血管系疾患の予防にとって重要である。例えば、喫煙においては、ヘマトクリット、平均赤血球容積の増加、また血小板の活性化により血栓形成が促進され、その結果、血液粘性が上昇する。さらには、血糖値の高い血液も、その粘性は大きいことが分かっている。このように、粘性に代表される血液性状は、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の日常的なモニタリング指標として有用であると考えられる。従って、簡便に血液の粘性率を正確に把握することができれば、生活習慣病予防に対する個人の健康管理を促進し、結果的に医療費の抑制に寄与するものと期待される。
これらのニーズに対して、キーワードとなるのは、正確にずり応力、及び粘性率を評価することの他に、血管内における血液の粘性率分布、及び血流によるずり応力分布を知ることである。周知の通り、血液は血球成分と血漿成分の混在流体であり、それぞれの成分の粘性率は異なっている。すなわち、血液内の粘性率は分布を持っており、この分布が、不安定プラークの破綻に大きく影響しているものと考えられる。平均的な粘性率、またはずり応力から、血液の組成に関して議論し、血液の性状を評価することには限界がある。従って、平均的な粘性率及びずり応力の評価に加えて、これらの分布を正確に知ることができれば、上記のニーズを十分に満たすことができると考えられる。
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、生体内を流れる血液内の粘性率分布及びずり応力分布を捉えるために、超音波ドプラ計測により得られた血流速度分布を領域分割し、局所的に粘性率が一定であると仮定した、非圧縮粘性流体の2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式を用いて、各領域において粘性率を算出し、これを全空間内で反復することにより、粘性率の分布を得ることにある。
また、本発明の他の目的は、超音波ドプラ計測により得られた血流速度分布からずり速度分布を算出し、ニュートンの粘性の法則である(ずり応力)=(粘性率)×(ずり速度)に、それぞれ算出された粘性率分布とずり速度分布を代入、すなわち、粘性率分布とずり速度分布を乗算して、ずり応力分布を算出することにある。なお、ずり応力分布の算出は、計測の安定化を図るために、粘性率の平均値とずり速度分布を乗算しても得ることもできる。
また、本発明の他の目的は、ナビエ-ストークス方程式に基づいてずり応力を算出するのではなく、血液の粘性率分布が一様であると仮定して、血流の純粋な速度測定値からずり速度分布を求め、ずり応力分布を相対的に把握することにある。
また、本発明の他の目的は、得られた粘性率分布、ずり応力分布、ずり速度分布を実時間で時々刻々術者または検査者に画像表示すると同時に、粘性率分布及びずり応力分布の平均値を数値として画面表示することにある。
本発明は、上記の問題を解決するために、下記の手段を採用した。
第1の手段は、経皮的に血管内の血流に向けて超音波等の波動を入射させ、その血管内の血液中に含まれる血球成分からの散乱エコーを受信した後、超音波ドプラ計測によって血流速度分布を計測する手段と、前記計測された血流速度分布に基づいて、2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式を利用して、前記血液の粘性率分布及び/または前記血液の粘性率分布平均値を求める手段とからなることを特徴とする血液力学特性測定装置である。
第2の手段は、第1の手段において、前記血液の粘性率分布を、実時間で計測して画像表示すると同時に、前記血液の粘性率分布平均値を数値として表示する手段とを備えたことを特徴とする血液力学特性測定装置である。
第3の手段は、経皮的に血管内の血流に向けて超音波等の波動を入射させ、その血管内の血液中に含まれる血球成分からの散乱エコーを受信した後、超音波ドプラ計測によって血流速度分布を計測する手段と、前記計測された血流速度分布に基づいて、2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式を利用して、前記血液の粘性率分布及び/または血液の粘性率分布平均値を求める手段と、前記計測された血流速度分布からずり速度分布を算出するずり速度分布算手段と、前記算出されたずり速度分布と血液の粘性率分布または血液の粘性率分布平均値とに基づいて血液内のずり応力分布を求める手段とからなることを特徴とする血液力学特性測定装置である。
第4の手段は、第3の手段において、前記血液内のずり応力分布は、前記算出されたずり速度分布と血液の粘性率分布または血液の粘性率分布平均値とを乗算することにより算出されることを特徴とする血液力学特性測定装置である。
第5の手段は、経皮的に血管内の血流に向けて超音波等の波動を入射させ、その血管内の血液中に含まれる血球成分からの散乱エコーを受信した後、超音波ドプラ計測によって血流速度分布を計測する手段と、前記計測された血流速度分布からずり速度分布を算出するずり速度分布算手段と、血液の粘性率分布が一様であるとの条件下において、前記算出されたずり速度分布から血液内のずり応力分布を求める手段とからなることを特徴とする血液力学特性測定装置である。
第6の手段は、第3の手段乃至第5の手段のいずれか1つの手段において、前記血液の粘性率分布及び前記血液内のずり応力分布を、実時間で計測して画像表示すると同時に、前記血液の粘性率分布及び血液内のずり応力分布の平均値を数値として表示する手段とを備えたことを特徴とする血液力学特性測定装置である。
本発明によれば、従来の技術では捉えることが困難であった、血液内の粘性率分布及びずり応力分布を正確に把握することができ、また粘性率分布及びずり応力分布を画像として、また副次的に粘性率分布及びずり応力分布の平均値を数値として、術者あるいは検査者に、実時間で呈示することが可能となる。
また、粘性率分布及びずり応力分布の画像により、血球成分(高粘性)と血漿成分(低粘性)の含有割合など、血液の組成を把握することが可能となる。これにより、例えば、動脈硬化プラークに接する血液の粘性率、あるいは血流のずり応力が通常よりも高い、などの測定結果から、プラーク破綻の危険性を正確かつ容易に予知することが可能となり、血管系疾患の防止に寄与ですることがきる。
一実施形態の発明に係る血液力学特性測定装置の構成及び該装置の全体の処理の流れを示す図である。 図1に示した粘性率分布算出部5の詳細な構成を示す図である。 図2に示した粘性率分布算出部5における具体例を示す図である。 図1に示したずり応力分布算出部9の詳細な構成を示す図である。 図4に示したずり応力分布算出部9における具体例を示す図である。 図1におけるずり速度分布算出部7の詳細な構成を示す図である。 図6に示したずり速度分布算出部7の具体例を示す図である。 心電同期を用いた粘性率、ずり応力、ずり速度の時系列データの測定例を示す図である。
以下に、本発明の一実施形態を図1乃至図8を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係る血液力学特性測定装置の構成及び該装置の全体の処理の流れを示す図である。
同図において、1は生体断層面描出及び血管内の血流速度分布計測に用いる超音波プローブであり、プローブ表面上に、1次元配列または2次元配列された素子から超音波を発生させて生体内に入射し、測定対象血管2内の血球からの散乱波及び血管周辺組織3からの散乱波を、同一の素子を経由して受信するものであり、受信した散乱波は、断層面の構成、及び血流速度分布計測に用いられる。
4は速度分布測定部であり、超音波プローブ1を経由して受信された超音波散乱波を用いて、断層像を作成して血管位置を同定すると同時に、2次元断層面内、または3次元空間内の2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布を求める。ここで、2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布は、例えば、ある時間間隔をおいて時間的に連続する超音波断層像、または超音波3次元ボリューム像を2枚用いて、血球の移動量を相関法により求め、その移動量を2枚の像の時間間隔で除算することにより求めることができるものである。あるいは2次元速度ベクトル分布を求めることに限れば、超音波ドプラ法を用いて、血球に対して超音波を連続照射し、連続受信した隣接する散乱波の移動量を超音波照射時間間隔で除算して、2次元速度ベクトルの1速度成分である、超音波照射方向の速度成分を求め、それに直交するもう一方の速度成分は、流体力学における非圧縮条件を用いて求めて、完全な2次元速度ベクトル分布を求めることもできるものである。
5は2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式に基づき計測対象血管2内の血液の粘性率の分布を算出する粘性率分布算出部であり、粘性率分布の算出には、速度分布測定部4で得られた2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布を用いる。
6は粘性率分布算出部5で得られた粘性率分布の空間的な平均値を求めるための粘性率分布平均値算出部であり、粘性率分布算出部5は、血液粘性率の空間的なパターンを認識するための部分であるのに対し、粘性率分布平均値算出部6は、血液粘性率値を定量的に把握するための部分である。
7は速度分布測定部4で求められた2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布を用いて、ずり速度分布を算出するずり速度分布算出部である。具体的には、ずり速度分布算出部7は2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布に基づいて、2次元または3次元のひずみ速度テンソルを求め、そのテンソル成分の内、せん断成分を抽出して、ずり速度分布を算出する。血液の粘性率が空間的に一様であると仮定すると、ずり速度分布はずり応力分布に比例する。従って、ずり応力分布の相対的評価として、ずり速度分布を直接用いることもできる。
8はずり速度分布算出部7で得られたずり速度分布の空間的な平均値を求めるためのずり速度分布平均値算出部であり、ずり速度分布算出部7は血流によるずり速度の空間的なパターンを認識するための部分であるのに対し、ずり速度分布平均値算出部8は血流ずり速度値を定量的に把握するための部分である。
9はニュートン粘性法則式:(ずり応力)=(粘性率)×(ずり速度)に基づいて、ずり応力分布を算出するずり応力分布算出部である。粘性率には、粘性率分布算出部5、または粘性率が一様であると仮定して、粘性率分布平均値算出部6にて求められた値を用いる。また、ずり速度には、ずり速度分布算出部7で求められたずり速度分布を用いる。このようにして求められた、粘性率分布(あるいは粘性率分布平均値)とずり速度分布を用いて、ずり応力分布を算出する。
10はずり応力分布算出部9で得られたずり応力分布の空間的な平均値を求めるためのずり応力分布平均値算出部である。ずり応力分布算出部9は血流によるずり応力の空間的なパターンを認識するための部分であるのに対し、ずり応力分布平均値算出部10は血流ずり応力値を定量的に把握するための部分である。
11は、血管位置を同定するための超音波断層像にて描出された血管内腔上に、2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式に基づく粘性率分布算出部5で得られた血液の粘性率分布、ずり速度分布算出部7で得られたずり速度分布、またはずり応力分布算出部9で得られたずり応力分布の各々を重ね合わせて画像表示する表示部である。これら各々の分布画像は、表示部11において切り替え表示可能である。また同時に、粘性率分布平均値算出部6にて得られた粘性率分布平均値、ずり速度分布平均値算出部8にて得られたずり速度分布平均値、またはずり応力分布平均値算出部10にて得られたずり応力分布平均値を表示部11画面上に定量的な数値として表示することが可能である。
次に、本発明に係る血液力学特性測定装置の動作について説明する。
まず、上記で説明した生体の体表より非侵襲で血液の粘性率分布、ずり速度分布、ずり応力分布、及び粘性率分布平均値、ずり速度分布平均値、ずり応力分布平均値を求めるために、生体断層面描出及び血管内の血流速度分布計測に用いる超音波プローブ1を体表面に配置し接触させる。プローブ表面上に、1次元配列または2次元配列された素子から超音波を発生させて生体内に入射し、測定対象血管2内の血球からの散乱波及び血管周辺組織3からの散乱波を、同一の素子を経由して受信する。受信した散乱波は、断層面の構成及び血流速度分布計測に用いられる。
速度分布測定部4は、素子を1次元配列または2次元配列した超音波プローブ1を経由して受信された超音波散乱波を用いて、断層像を作成して血管位置を同定すると同時に、2次元断層面内における2次元速度ベクトル分布、または3次元空間内の3次元速度ベクトル分布を求める。2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布は、例えば、ある時間間隔をおいて時間的に連続する超音波断層像、または超音波3次元ボリューム像を2枚用いて、血球の移動量を相関法により求め、その移動量を2枚の像の時間間隔で除算することにより求めることができる。
あるいは、2次元速度ベクトル分布を求めることに限れば、超音波ドプラ法を用いて、血球に対して超音波を連続照射し、連続受信した隣接する散乱波の移動量を超音波照射時間間隔で除算して、2次元速度ベクトルの1速度成分である、超音波照射方向の速度成分を求め、それに直交するもう一方の速度成分は、流体力学における非圧縮条件を用いて求めて、完全な2次元速度ベクトル分布を求めることもできる。
ここで求められる2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布は、それらの測定を時間連続的に反復して得ることができるので、速度分布測定部4では、2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布の時系列を求めることができる。
特に、速度分布測定部4において、2次元速度ベクトル分布を相関法の適用以外で求める方法としては、前述のように流体力学の非圧縮条件を用いることができる。この際、計測手段として超音波ドプラ法を利用するが、この超音波ドプラ法で求められる速度成分は、前述のように、2次元速度ベクトルの内の、超音波ビーム照射方向の1成分のみである。これに直交する速度成分を求めれば、2次元速度ベクトルが求められるわけであるが、これを算出するのに、非圧縮条件を利用することができる。本発明においては、血液が非圧縮性の流体であることを仮定したので、血流速度場の至る場所での2次元速度ベクトル成分に対し、以下の非圧縮条件が成り立つことになる。
ここでは、vが超音波ドプラ法で計測された速度成分であるとし、vに直交するもう一方の速度成分uを算出することを考える。式1をxについて積分すると、以下のような、uに関する積分方程式が導ける。
この式は、1つの速度成分を知れば、もう一方の速度成分は、非圧縮条件を用いて算出できることを示している。すなわち、超音波ドプラ法で超音波ビーム照射方向の速度成分vの分布を求めることができれば、それに直交するもう一方の速度成分uの分布を算出することができる。従って、超音波ドプラ法による速度計測結果と式2に基づいて、2次元速度ベクトル分布を算出することが可能であるが、式2は、積分を含むので、求める速度分布域が広範囲に及ぶ場合には、ノイズによる誤差伝播により、算出の安定性に不十分な場合が生じ、さらには、uの初期値u(x0,y)を適切に与える必要がある。このような場合に備えて、式1の非圧縮条件式に基づいた反復法によるuの算出も可能である。式1に基づいて、超音波ドプラ法により計測されたvの分布に基づいてuを算出するのに、以下のような反復式を用いる。
ここで、vはビーム軸方向成分、uは方位方向成分に直交する速度成分、i、jは格子点、Δx、Δyは格子点間隔、kは繰り返しのインデックスである。uの初期値としては、ビーム軸方向とチューブ軸との角度が既知であるので、以下のように与えられる。
一方向流であれば、式4に基づいて方位方向の速度成分を推定可能であるが、一般に血管内を流れる血流は、1方向流では近似することは困難である。従って、式4を反復式における初期値として、式3によりuを修正しながら求めるのが有効である。式3の収束性は実験データにより確認しており、すなわち、式3はuの算出に有効である。
図2は、図1に示した粘性率分布算出部5の詳細な構成を示す図である。
同図において、12は速度分布サブ領域分割部であり、速度分布測定部4で得られた、2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布を、細かなサブ領域13に分割する機能を有する。本発明において2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式に基づき粘性率を算出するのに、血液が非圧縮性であると仮定しているため、粘性率は空間的に一意であるとして算出される。しかしながら、血液は赤血球や血小板などの混在流体であり、粘性率は一意とならず、分布を持つ。この分布を得るために、サブ領域13に分割し、該サブ領域13内では粘性率が一様であるとして、粘性率を算出する。これを分割した全てのサブ領域13に対して反復することにより、粘性率分布を得るものである。
14は粘性率算出部であり、サブ領域13内では粘性率が一様であるとして、2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式に基づく粘性率の算出を行う。3次元速度ベクトル分布が用いられたときの粘性率算出式は式8、または式9、または式10に基づいて行われ、2次元速度ベクトル分布が用いられたときの粘性率算出式は式13に基づいて行われる。
15は粘性率分布構成部(サブ領域統合)であり、粘性率算出部14で求めた全てのサブ領域13内での粘性率を、元のサブ領域位置に埋め込んで統合することにより、粘性率分布を構成するものである。
ここで、粘性率は、速度分布測定部4にて算出された、2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布の時系列と、血液が非圧縮粘性流体であると仮定したときの2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式に基づいて得られる。
まず、3次元速度ベクトル分布の時系列に基づく粘性率算出法について説明する。速度分布測定部4において相関法などにより得られた3次元速度ベクトル分布の時系列の直交3成分をu、v、wとすると、3次元のナビエ-ストークス方程式は直交座標系(xyz)において以下のように記述できる。
ここで、t:時間、ρ:密度、p:圧力、ν:動粘性率で、粘性率μと密度ρの比であり、ν=μ/ρである。また、u,xなどの表記は、uをxで偏微分することを表しており、以下同様である。すなわち、ナビエ-ストークス方程式は、速度ベクトル成分u、v、wが既知であるとすると、未知数として、圧力p、動粘性率νを含む方程式であると見なすことができる。これらの式から、動粘性率νを求めるために、式5と式6、または式6と式7、または式7と式5のように、3式の内、2式を用いて、微分操作により、圧力pを含む項を消去する。
すなわち、式5と式6からは、ξ = v,x - u,yと置いて動粘性率νが、式8として求まる。
また同様に、式6と式7からは、η = w,y - v,zと置いて動粘性率νが、式9として求まる。
さらに同様に、式7と式5からは、ω = u,z - w,xと置いて動粘性率νが、式10として求まる。
以上のように、3次元ナビエ-ストークス方程式の3式の内、2式を用いれば、3次元速度ベクトル分布の時系列のみから動粘性率νを算出することが可能となる。動粘性率νは、血液の粘性を表す物理量として、動粘性率分布、及び動粘性率分布平均値を求め、粘性率算出の代替として用いることができる。すなわち、以降、粘性率という場合は、この動粘性率算出も含まれる。また、粘性率は、式8、または式9、または式10によって算出された動粘性率と既知の血液密度を乗算することにより得ることができる。以上から、本発明における粘性率算出の基本原理は、式8、または式9、または式10である。
一方で、血液が非圧縮粘性流体であることを仮定しているので、粘性率は空間的に1つの値(空間内の粘性率分布の平均値に準じた値)として得られるので、このままでは、粘性率分布を算出することはできない。そこで、粘性率分布を算出するために、速度分布測定部4において算出された3次元速度ベクトル分布を、速度分布サブ領域分割部12を用いて2次元または3次元空間領域におけるサブ領域13に分割し、各々の局所的なサブ領域13に対して、式8、または式9、または式10を用いる粘性率算出部14を適用することにより粘性率(または動粘性率を含む)を算出する。このようにして全てのサブ領域13で粘性率を求め、粘性率分布構成部(サブ領域統合)15において、サブ領域13における粘性率を空間的に再配置して統合すれば、血液内の粘性率分布を得ることができる。これが、本発明における、粘性率分布算出の基本原理である。
式8、または式9、または式10は、局所的な血流速度分布を用いて粘性率が算出できることを示しているので、上記のような考え方で、粘性率分布の算出が可能である。また、粘性率分布は、3次元速度ベクトル分布の時系列を用いて得られるので、時間的にこの処理を反復することにより、粘性率分布の時系列を求めることも可能である。さらに、式8、または式9、または式10は、3次元速度ベクトル成分から得られるので、頸動脈のような直線的な血管だけでなく、心臓のように3次元の血流分布を持つ対象にも適用できる。
以上は、3次元速度ベクトル分布を利用した粘性率分布の算出法に関する説明であるが、3次元速度ベクトルを求めるのが困難である場合、実用的な、2次元のナビエ-ストークス方程式を用いても、血液の粘性率分布を算出することは可能である。3次元ナビエ-ストークス方程式を用いた場合と同様、血液が非圧縮性粘性流体であると仮定して2次元流、すなわち、断面内にのみ速度ベクトルが存在する流れを扱うものとする。このとき、非圧縮性粘性流体に対する2次元ナビエ-ストークス方程式は、以下のように記述できる。
ここで、u、vは、同一断面内における2次元速度ベクトルの直交成分、pは圧力、ρ、νは密度、及び動粘性率(ν=μ/ρ、μは粘性率)であり、非圧縮性流体を仮定したので、ρ、νは定数と見なすことができる。速度分布測定部4において、相関法や、前述の非圧縮条件を用いた方式などにより、2次元の速度ベクトルの時系列が求められたとすると、未知パラメータは、密度・圧力・動粘性率であるが、その内の動粘性率νを求めるために、式11をyで、式12をxで微分した後に圧力項を消去し、非圧縮条件を用いて渦度輸送方程式を導いてからνについて解くと、ξを渦度として以下のように求まる。
ここで渦度は、
で定義されるように、2次元速度ベクトル成分から求まる量である。すなわち、2次元ナビエ-ストークス方程式を満たす血液の動粘性率νは、渦度を有する血流の2次元速度場の時間変化、すなわち、2次元速度ベクトル分布の時系列を計測することで求められることになる。3次元ナビエ-ストークス方程式を用いた粘性率の説明と同様、式13で算出される動粘性率は、血液の粘性を表す物理量として、動粘性率分布、及び動粘性率分布平均値を求め、粘性率算出の代替として用いることができる。すなわち、以降、粘性率という場合は、この動粘性率算出も含まれる。また、2次元の場合でも粘性率を算出するには、式13によって算出された動粘性率と既知の血液密度を乗算することにより得ることができる。以上から、本発明において、2次元ナビエ-ストークス方程式に基づく粘性率算出の基本原理は、式13となる。
一方で2次元のナビエ-ストークス方程式を用いた場合でも、血液が非圧縮粘性流体であることを仮定しており、粘性率は空間的に1つの値として得られるので、このままでは、粘性率分布を算出することはできない。従って、粘性率分布を算出するための方式としても、前述の、3次元の方式を用いることができる。すなわち、速度分布測定部4において算出された2次元速度ベクトル分布を、速度分布サブ領域分割部12を用いて2次元断面領域におけるサブ領域に分割し、各々の局所的なサブ領域において、粘性率算出部14にて式13を適用することにより粘性率(または動粘性率を含む)を算出する。このようにして全てのサブ領域13で粘性率を求め、粘性率分布構成部(サブ領域統合)15において、サブ領域13における粘性率を空間的に再配置して統合すれば、血液内の粘性率の2次元分布を得ることができる。これが、本発明において2次元ナビエ-ストークス方程式を用いた場合の、粘性率分布算出の基本原理である。式13は、局所的な血流速度分布を用いて粘性率が算出できることを示しているので、上記のような考え方で、粘性率の2次元分布の算出が可能である。また、粘性率分布は、2次元速度ベクトル分布の時系列を用いて得られるので、時間的にこの処理を反復することにより、粘性率分布の時系列を求めることも可能である。
以上のように、2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式に基づく粘性率分布算出部5では、2次元速度ベクトル分布の時系列、または3次元速度ベクトル分布の時系列を用いて、粘性率の2次元分布、または3次元分布を得ることを可能としている一方で、粘性率分布平均値算出部6では、それらの粘性率分布の空間的な平均値を数値として得ることも可能である。さらに、粘性率分布の時系列も求めることが可能であるので、当然ながら、粘性率分布平均値の時系列を求めることも可能である。
図3は、図2に示した粘性率分布算出部5における具体例を示す図である。
同図において、16は速度分布測定部4で得られた、2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布の断面図、17は粘性率算出部14で得られた全てのサブ領域13における粘性率に対して、粘性率分布構成部(サブ領域統合)15を経て求められた粘性率分布の断面図、18は粘性率分布平均値算出部6で算出された粘性率分布平均値である。
同図に示すように、速度分布測定部4にて算出された、2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布16を、速度分布サブ領域分割部12において破線で囲まれたサブ領域13に分割し、各々のサブ領域13において粘性率算出部14によって粘性率を算出する。粘性率算出部14では、3次元速度ベクトル分布を基にした場合は、式8、または式9、または式10を用いて粘性率を求め、2次元速度ベクトル分布を基にした場合は、式13を用いて粘性率を求める。粘性率算出部14で算出された各々サブ領域13での粘性率値は、粘性率分布構成部(サブ領域統合)15において、元のサブ領域13に再配置して統合され、最終的な粘性率分布17が求められる。同時に、粘性率算出部14から算出された粘性率値は、血液内における局所的な値であるので、粘性率分布平均値算出部6により、粘性率分布平均値18が算出される。
図3においては、ある瞬時での粘性率分布及び粘性率分布平均値をそれぞれ算出を示しているが、この処理を時間的に反復して連続的に行うことにより、粘性率分布の時系列、及び粘性率分布平均値の時系列を求めることができる。
粘性率分布算出法について、例えば、2次元の場合の式13の妥当性を計算機シミュレーションで検討した。この際、実際の血液の動粘性率(0.03 cm2/s)を基準として、0.002cm2/s〜0.04cm2/sまで、粘性率を増減させた動粘性率を与えた場合について、ナビエ-ストークス方程式に基づいた流れ解析を行い、得られた2次元速度ベクトル分布のみを参照して、式13を用いて動粘性率を推定した。動粘性率を0.002cm2/sずつ細かく変化させて動粘性率算出を行った結果、真の粘性率に対して、算出された粘性値の平均二乗誤差は、1.8%であった。すなわち、流れがナビエ-ストークス方程式に従うものであり、2次元速度ベクトル分布を高精度に求めることができれば、本発明により、高精度に粘性率値の算出が可能であることを確認した。
図4は、図1に示したずり応力分布算出部9の詳細な構成を示す図である。
同図に示すように、ずり速度分布算出部9において、粘性率分布算出部5において算出された血液の粘性率分布または粘性率分布平均値算出部6において算出された粘性率分布平均値と、ずり速度分布算出部7において算出されたずり速度分布とを入力することにより、ニュートン粘性法則式に従って、(ずり応力分布)=(粘性率分布)×(ずり速度分布)、または(ずり応力分布)=(粘性率分布平均値)×(ずり速度分布)の演算を行い、ずり応力分布を算出する。
ここで、粘性率分布に代えて、粘性率分布平均値も適用できるようにしているのは、測定の安定化を図るためである。当然ながら、粘性率分布を利用したずり応力分布算出の方が、粘性率分布平均値を利用したずり応力分布算出よりも高い精度と、詳細なずり応力分布を得ることができる。
このようにして得られたずり応力分布は、ずり応力分布平均値算出部10にて、ずり応力分布平均値を求めることも可能である。また、粘性率分布時系列の算出と同様な考え方により、ずり応力分布の時系列を求めることも可能である。
図5は、図4に示したずり応力分布算出部9における具体例を示す図である。
同図において、19はずり速度分布算出部7で得られたずり速度分布の断面図、20はずり応力分布の断面図、21はずり応力分布平均値算出部10で得られたずり応力分布平均値、22はニュートン粘性法則式に従い、サブ領域13ごとに得られた粘性率とずり速度の乗算により、サブ領域13ごとにずり応力を算出するずり応力算出部である。
典型的な血液動態では血管内皮側で大きなずり応力を生ずるが、ずり応力分布算出部9において、ずり応力分布を適切に算出することにより、定量的なずり応力分布の評価が可能となる。
このずり応力分布の算出には、粘性率分布算出部5で得られた粘性率分布17または粘性率分布平均値算出部6で得られた粘性率分布平均値18と、ずり速度分布算出部7で得られたずり速度分布19を用いる。粘性率分布17とずり速度分布19をサブ領域13に分割し、各々のサブ領域13で、ずり応力算出部22において、ニュートン粘性法則式を適用して、粘性率×ずり速度の演算を実行して、サブ領域13ごとに、ずり応力を算出する。サブ領域13ごとに算出されたずり応力は、元のサブ領域13に再配置し統合することによって、ずり応力分布20が求められる。さらに、サブ領域13ごとに得られたずり応力を、ずり応力分布平均値算出部10にて平均化することにより、空間的なずり応力分布平均値21を算出することができる。
図5に示す具体例は、ある瞬時でのずり応力分布算出およびずり応力分布平均値算出を示しているが、この処理を時間的に反復して連続的に行うことにより、ずり応力分布の時系列、およびずり応力分布平均値の時系列を求めることができる。
図6は、図1におけるずり速度分布算出部7の詳細な構成を示す図である。
同図において、23はずり速度分布算出に必要なひずみ速度分布を得るために、速度成分分布を微分するための速度成分分布微分演算部であり、速度分布測定部4で得られた2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布に対して、空間微分演算を行う。
24はひずみ速度テンソル分布算出部であり、速度成分分布微分演算部23で得られた、2次元速度ベクトル、または3次元速度ベクトル成分の微分に対して加算処理を行って、2次元、または3次元のひずみ速度テンソル成分を求める。
25はずり速度分布抽出部であり、ひずみ速度テンソル分布算出部25において得られたひずみ速度テンソル分布から、ずり速度成分のみを抽出し、ずり速度度分布を求める。
なお、ずり速度分布算出部7は、ずり応力分布算出部9に必要なずり速度分布を算出するものであるが、ナビエ-ストークス方程式が成立しない場合に備えて、このような場合でもずり応力分布が把握可能となるように、血液の粘性率分布が一様であると仮定したときにずり応力分布に比例するずり速度分布を、相対的なずり応力分布として代替することも可能である。
ずり速度分布算出部7において、ずり速度分布を算出するには、まず、速度分布測定部4で得られた2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布に対して、速度成分分布微分演算部23にて速度ベクトル成分を、空間微分し、さらにひずみ速度テンソル分布演算部24にてひずみ速度テンソルを算出する。3次元速度ベクトル分布を用いた場合の3次元ひずみ速度テンソルは、式15a〜式15fのように求められる。
ここで、exx、eyy、ezz、exy、eyz、ezxは、対称なひずみ速度テンソルにおける6成分を示している。exx、eyy、ezzが垂直ひずみ速度テンソル成分、exy、eyz、ezxがせん断ひずみ速度テンソル成分を示している。
なお、2次元速度ベクトル分布を用いた場合の2次元ひずみ速度テンソルは、式15a、式15b、式15cとして求められる。
式15a〜式15fのように求められたひずみ速度テンソルから、ずり速度分布抽出部25にてせん断成分を抽出し、3次元の場合のずり速度分布については式15d〜式15f、2次元の場合のずり速度分布については式15dが求められる。すなわち、3次元の場合のずり速度成分として求められるのは、exy、eyz、ezxであり、2次元の場合のずり速度成分として求められるのは、exyである。また、このようにして求められたずり速度分布に対し、ずり速度分布平均値算出部8を適用することにより、ずり速度分布平均値を算出することも可能である。また、粘性率分布時系列の算出と同様な考え方により、ずり速度分布の時系列を求めることも可能である。
図7は、図6に示したずり速度分布算出部7の具体例を示す図である。
同図において、26はサブ領域13ごとにずり速度を算出するずり速度算出部、27はずり速度分布平均値算出部8で得られたずり速度分布平均値である。
速度分布測定部4において求められた2次元速度ベクトル分布、または3次元速度ベクトル分布16に対して、サブ領域13に分割し、各々のサブ領域13に対して、ずり速度算出部26にて、ずり速度を算出する。ここで求められるずり速度は、3次元速度ベクトル分布を対象とした場合は式15d〜式15f、2次元速度ベクトル分布を対象とした場合は式15dに基づいて算出される。このように全てのサブ領域で算出されたずり速度値を、元のサブ領域に再配置し統合することによって、ずり速度分布19を得ることができる。さらに、全てのサブ領域で得られたずり速度を、ずり速度分布平均値算出部8にて平均化することで、空間的に平均化されたずり速度分布平均値27を算出することも可能である。
図7に示す具体例は、ある瞬時でのずり速度分布算出及びずり速度分布平均値算出を示しているが、この処理を時間的に反復して連続的に行うことにより、ずり速度分布の時系列、及びずり速度分布平均値の時系列を求めることができる。
本発明による粘性率分布算出のアルゴリズムは、2次元または3次元のナビエ-ストークス方程式が成立するニュートン流体に対して無条件に適用可能である。ニュートン流体とは、ずり応力とずり速度が線形関係にあるような流体である。血液は、ずり応力とずり速度が非線形関係にある非ニュートン流体であるが、全体として非線形関係にある場合でも、細かく分割すれば、線形関係にあると見なせる。従って、微小なずり速度が加わり、ずり応力とずり速度が線形関係と見なせる時間区間においては、血液のような非ニュートン流体に対しても、本発明による粘性率分布算出アルゴリズムは適用可能である。拍動の少ない、末梢血管を対象とした測定においては、以上のように適用可能であるが、拍動を伴う血管において粘性率分布を算出する場合、拍動の時相により算出される粘性率の大きさが周期的に変化することが起こり得る。この様子を図8に示す。
図8は、心電同期を用いた粘性率、ずり応力、ずり速度の時系列データに対する測定例を示す図である。
28は速度分布測定部4にて得られた3次元速度ベクトル分布の時系列、または2次元速度ベクトル分布の時系列の内、1成分のみを表示した血流速度波形である。
29は、本発明により算出されたずり速度分布、粘性率分布、ずり応力分布の時系列を示した例である。記号を付した箇所は、心電同期によるずり速度・粘性率・ずり応力の抽出部30にて、抽出される時相を示す。
30は、心電同期によるずり速度・粘性率・ずり応力の抽出部であり、心電図によりタイミングを取り、記号を付した箇所で示す時相において、ずり速度・粘性率・ずり応力が抽出される。
31は心電同期によるずり速度・粘性率・ずり応力の抽出部30にて抽出されたずり速度・粘性率・ずり応力を、時系列に並べたものであり、時間によらず、ずり速度・粘性率・ずり応力をほぼ一定で捉えることができるので、安定した評価が可能となる。
同図に示すように、拍動下の血液は、その非ニュートン性により粘性率が時間的に変化するように観測されるが、粘性率、ずり応力、ずり速度の時系列データに対して、ずり速度・粘性率・ずり応力の抽出部30によって心電同期を掛けることによって、同一のずり速度が加わったときの粘性率分布を算出することができる。すなわち、拍動がある場合でも、心電同期を掛けることによって、本発明による粘性率分布算出アルゴリズムは常に同一の条件で粘性率分布を示すように算出することができ、拍動の影響を受けずに、血液の粘性率分布及びその空間的な平均値を算出することが可能である。
以上のように、本発明に係る粘性率分布及びずり応力分布及びずり速度分布の血液力学特性測定装置は、動脈硬化プラーク破綻の危険性を診断及び予知するために、既存の超音波診断装置における、新しい測定機能として搭載することが可能となる。また、粘性率分布及びずり速度分布及びずり応力分布の測定装置を小型化することによって、個人の日常健康管理機器(ホームヘルスケア機器)としての利用も可能となる。
1 超音波プローブ
2 計測対象血管
3 血管周辺組織
4 速度分布測定部
5 粘性率分布算出部
6 粘性率分布平均値算出部
7 ずり速度分布算出部
8 ずり速度分布平均値算出部
9 ずり応力分布算出部
10 ずり応力分布平均値算出部
11 表示部
12 速度分布サブ領域分割部
13 サブ領域
14 粘性率算出部
15 粘性率分布構成部(サブ領域統合)
16 2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布の断面図
17 粘性率分布の断面図
18 粘性率分布平均値
19 ずり速度分布の断面図
20 ずり応力分布の断面図
21 ずり応力分布平均値
22 ずり応力算出部
23 速度成分分布微分演算部
24 ひずみ速度テンソル分布算出部
25 ずり速度分布抽出部
26 ずり速度算出部
27 ずり速度分布平均値
28 血流速度波形
29 ずり速度分布、粘性率分布、ずり応力分布の時系列
30 心電同期によるずり速度・粘性率・ずり応力の抽出部
31 抽出されて時系列に並べられたずり速度・粘性率・ずり応力

Claims (2)

  1. 経皮的に血管内の血流に向けて超音波等の波動を入射させ、その血管内の血液中に含まれる血球成分からの散乱エコーを受信した後、超音波ドプラ計測によって血流速度分布を計測する手段と、前記計測された血流速度分布からずり速度分布を算出するずり速度分布算出手段と、血液の粘性率分布が一様であるとの条件下において、前記算出されたずり速度分布から血液内のずり応力分布を求める手段とからなることを特徴とする血液力学特性測定装置。
  2. 前記血液の粘性率分布及び前記血液内のずり応力分布を、実時間で計測して画像表示すると同時に、前記血液の粘性率分布及び血液内のずり応力分布の平均値を数値として表示する手段とを備えたことを特徴とする請求項記載の血液力学特性測定装置。
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