JP6996035B2 - 超音波診断装置、および、生体組織の物性評価方法 - Google Patents

超音波診断装置、および、生体組織の物性評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波診断装置に係り、被検体内において弾性波を発生させ、伝搬に伴う組織変位を計測することにより、生体組織の性状を評価する技術に関する。
超音波撮像装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、X線CT(Computed Tomography)装置に代表される医療用の画像表示装置は、目視できない生体内の情報を数値または画像の形態で提示する装置として広く利用されている。中でも超音波撮像装置は、他の装置と比較して高い時間分解能を備えており、拍動下の心臓を滲みなく画像化できる性能を持つ。
生体内を伝搬する超音波は、主に縦波と横波に区別される。従来の超音波撮像装置は、主に縦波(音速約1540m/s)の情報を利用して、組織形態の映像化や血流速度の計測を行う。
近年、横波(以降、せん断波と呼ぶ)を利用して組織の弾性率を評価する技術が注目されており、慢性肝疾患や癌に対する臨床利用が進められている。この技術では、計測対象となる組織内部にせん断波を発生させ、組織の変位を計測し、変位から伝搬速度を求め、さらに伝搬速度から組織の弾性率を算出して組織を評価する。せん断波を発生させる手法は、機械方式と放射圧方式に大別される。機械方式は、バイブレータ等を利用して体表面に1kHz程度の振動を与えてせん断波を発生させる方式で、振動源となる駆動装置が必要である。一方、放射圧方式は、超音波を組織内の局所に集中させた集束超音波を利用して生体内に音響放射圧を加え、瞬時的に発生する組織変位を利用してせん断波を発生させる。
非特許文献1には、検査対象を伝搬するせん断波の波面から特定成分を抽出する方法が開示されている。具体的には、この方法は、伝搬するせん断波の波面振幅の空間分布を、方位方向および深度方向に関する空間周波数として縦軸および横軸とする周波数空間に変換し、空間周波数の空間を等角に分割する。そして、分割した空間に含まれる成分(波面振幅)毎に実空間に再変換することで、実空間上の波面振幅を、せん断波の伝搬方向別に抽出する。
特許文献1には、非特許文献1と同様に、検査対象の機械的特性を計測する目的でせん断波を励起して、実空間x-zの変位を計測し、空間周波数k-時間周波数fの空間に変換し、方向フィルタを適用することにより特定の方向に所定範囲の速度で伝搬するせん断波を抽出する技術が開示されている。
非特許文献2には、心筋性状を評価する技術が開示されている。心臓は洞房結節からの電気信号が、心臓の左右を隔てる中隔組織等の心筋組織を伝わることで、周期的な拍動を繰り返す。電気信号の伝導に伴い中隔組織には弾性波が伝わるが、非特許文献2の技術では、弾性波の伝搬に伴う中隔組織の変位を計測して心臓の機能評価を行なっている。
非特許文献3には、同じく心臓の組織性状を目的とした弾性波計測の技術が開示されている。この技術では、生体模擬組織に挿入したバイブレータを利用して表面波を生成し、媒質の変位を計測する。変位計測結果は周波数解析され、表面波の速度の周波数分散が算出される。
特表2015-524740号公報
H. Zhao, et al., IEEE Trans. Med. Imaging, 33, 11, (2014) H. Kanai, IEEE Trans. Ultrason. Ferr. Freq. Contll, vol. 52, no. 11, (2005) pp.1931 I. Nenadic, et.al., 32nd Annual International Conference of the IEEE EMBS (2010) pp.45
生体内の組織の中で、膀胱や心臓は、排尿や血液循環に関するポンプ機能を備えており、その壁構造は筋層組織で形作られている。その筋層組織の性状が異常である場合、ポンプ機能が低下し、排尿障害や不整脈等の症状が現れる。
泌尿器関係の障害は、特に高齢化社会が進む中で重要性が増す疾患である。例えば頻尿や残尿感は命に関わる症状ではないため、患者が医師に相談せず、疾患であるという診断がなされていない場合がある。このような場合、投薬など適切な処置が患者に対してなされない。しかし排尿関係の異常は、QOL(Quality of life)を著しく低下させる重要要素であるため、可能な限り簡便な診断方法が求められている。
また、心臓疾患の場合、発症した場合は命に関わるため、可能な限り早い段階でリスク判定を行なう必要がある。心臓については、主に血流や心臓としてのポンプ機能(拍動下の心壁運動)を検査することが多いが、心筋の性状を正確に評価することでより早期にリスク判定ができる可能性がある。
また、体表組織(脂肪および筋肉)と体内臓器(例えば肝臓)の間には腹膜があり、患者によっては、腹膜と体内臓器、または、体内臓器同士が癒着を起こしている場合がある。高齢化社会が進む中、身体的負担が少ない低侵襲な治療法として腹腔鏡手術が普及しつつあるが、体内の癒着の有無や癒着位置の情報は、鉗子やメス、ならびに、カメラ等を患部まで挿入するデバイスルートを確保する上で極めて重要な術前情報である。
膀胱、心臓、癒着膜に共通するのは、着目している組織が膜状(または一定の厚みを持つ平面板状)であるという点である。弾性波の波長サイズより充分に大きい生体組織の中心部に着目する場合には、着目領域に伝搬する弾性波の種類としては実体波(疎密波またはせん断波)が主要成分となるため、従来のようにせん断波に適した評価方法を用いればよい。しかしながら、膜状の組織の評価を超音波を用いて行うためには、評価対象の厚さが弾性波の波長サイズに比べて小さいため、実体波だけでなく表面波(レイリー波またはラブ波)の影響を検出し、その波に適した評価方法を用いる必要がある。
特許文献1および非特許文献1に記載の技術は、肝臓などの比較的大きな組織を対象としているため、計測する弾性波としてせん断波を想定している。そのため、膜状組織を評価するために、積極的にせん断波以外の波を計測し、膜状組織の特性を考慮した解析を行うことは、特許文献1および非特許文献1では開示されていない。
また非特許文献2の技術は心臓の中隔組織に着目しており、膜状組織を対象とする点で本発明と類似するが、大きな組織を対象とする場合と同様の手法で中隔組織を評価している。
非特許文献3の技術は、表面波に着目しているが、処理内容は特許文献1および非特許文献1に記載のせん断波に対する処理と同じであり、表面波の特性を考慮した処理は行っていない。
本発明の目的は、生体内の膜状の組織や組織の表面の性状を超音波によって評価する技術を提供することにある。
本発明によれば、検査対象である生体組織の表面に、1点以上の計測点を設定する計測点設定部と、生体組織に弾性波が伝搬している状態で、生体組織の計測点における変位を超音波を用いて計測することにより、弾性波のうち少なくとも表面波を計測する変位計測部と、計測した変位を用いて生体組織の物性を表す指標値を算出する物性評価部とを有する超音波診断装置が提供される。
本発明によれば、生体内の膜状の組織や組織の表面の性状を超音波によって評価することができる。
実施形態の超音波撮像診断装置の一構成例のブロック図。 (a)膜状の生体組織に放射圧用超音波を照射することを示す説明図、(b)放射圧用超音波により生じた表面波が伝搬することを示す説明図。 生体組織100の計測点で計測された変位の時間変化を示すグラフ。 (a)2つの生体組織の境界に放射圧用超音波を照射することを示す説明図、(b)放射圧用超音波により生じた表面波が、2つの生体組織の表面を伝搬することを癒着ありの場合と癒着なしの場合とで示す説明図。 (a)2つの生体組織の境界を表面波が伝搬することにより生じる変位の波形を、癒着ありの場合と無しの場合とで示すグラフ、(b)2つの生体組織の境界付近における変位波形の相関値と、物性を示す指標値の変化を、癒着ありの場合と無しの場合とで示すグラフ。 生体組織100が膀胱である場合の膨張期と収縮期の形状の変化と、物性を示す指標値(速度)の変化を説明する図。 膀胱の膨張期と収縮期における物性を示す指標値(速度)と容量の変化(ヒステリシス)を示す図。 実施形態1の超音波診断装置の動作を示すフローチャート。 (a)および(b)実施形態1の計測用超音波の送受信方法を示す説明図。 (a)および(b)実施形態1により求められた生体組織の機能を示す表示方法の例。 実施形態2の超音波診断装置の動作を示すフローチャート。 実施形態2により求められた生体組織の癒着の有無を示す表示方法の例。 (a)~(f)実施形態の計測波形から透過波の表面波を抽出する場合の手順を示す説明図。
以下、本発明の実施形態を図面に従い説明する。
本実施形態では、生体組織に伝搬する弾性波のうち表面波を主に計測することにより、物性を表す指標値を算出し、膜状組織または組織の表面の評価を行う。
図1に実施形態の超音波診断装置(超音波送受信装置)1の一構成例のブロック図を示す。本実施形態の超音波診断装置は、図1のように、計測点設定部31、変位計測部32と、物性評価部33とを備えて構成される。
計測点設定部31は、図2(a),(b)に示したように、検査対象である生体組織100の表面に、1点以上の計測点301を設定する。変位計測部32は、生体組織100に弾性波が伝搬している状態で、生体組織の計測点301における変位を超音波を用いて計測する。
生体組織100は、弾性体であり、何らかの方法で振動が与えられ、もしくは生体組織100の自発的な運動により振動を生じ、生体組織100には弾性波が伝搬している状態である。弾性波には、複数の種類があり、生体組織100の内部にはせん断波が、表面には表面波が伝搬する。表面波は、特徴的な振動を伴い進行し、その振幅はせん断波よりも小さく、生体組織の厚さが薄いほど大きくなる。また、表面波のモードには、膜の両面で位相関係が異なるモードもある。
本実施形態では、計測点設定部31が、生体組織100の表面に計測点301を設定するため、変位計測部32が計測点301の変位を計測することにより、表面波による変位を計測することができる。物性評価部33は、計測した変位を用いて生体組織100の物性を表す指標値を算出する。
物性を表す指標値としては、生体組織100を伝搬する弾性波(主に表面波)の速度や、2以上の計測点を伝搬する弾性波の速度の差、2以上の計測点を伝搬する弾性波の位相差、生体組織100の弾性率等を用いることができる。
このように、本実施形態の超音波診断装置は、表面波を計測することにより、生体組織100が、膜状組織である場合や、生体組織100の表面が評価対象である場合に、精度よく物性を評価することができる。
物性評価部33は、算出した物性を表す指標値を用いて生体組織100の組織性状、または、生体組織100が構成する臓器(例えば心臓や膀胱)の機能の良否を判定することができる。
生体組織100が膜状または壁状である場合、物性を表す指標値としては、膜状または壁状の生体組織100の両面の計測点をそれぞれ伝搬する弾性波(主に表面波)の速度または位相の差を用いることができる。この場合、計測点設定部31は、図2(b)のように膜状または壁状の生体組織100の両面にそれぞれ計測点301、311を少なくとも1点ずつ設定する。変位計測部32は、図3に一例を示すように、各計測点301、311における変位を計測する。物性評価部33は、両面の計測点301,311における変位を用いて、両面の計測点301,311をそれぞれ伝搬する弾性波の速度または位相の差を、物性を表す指標値として算出する。
また、本実施形態において、生体組織の組織性状には、生体組織と周囲の組織との結合状態(例えば、癒着)の有無が含まれ、生体組織が周囲の組織に結合しているかどうかを判定することができる。この場合、計測点設定部32は、図4(a)に示すように、隣り合う2つの生体組織100-1,100-2が対向する位置において、2つの生体組織100-1,100-2のそれぞれの表面に計測点301,302を設定する。変位計測部32は、それぞれの計測点301,302において変位を計測することにより、弾性波(主に表面波)の波形を計測する(図4(b)、図5(a)参照)。
図4(b)の左側の図に示すように、生体組織100-1、100-2の間の境界層100-3が粘弾性膜である場合、生体組織100-1、100-2は結合(例えば、癒着)しており、両組織の変位は連動する。このため、計測点301,302の変位波形の相関度合、ならびに、計測点301,302の物性を表す指標値(例えば、弾性波の速度や弾性率)の相関度合は、図5(a)、(b)に示すように大きくなる。
一方、図4(b)の右側の図に示すように、生体組織100-1、100-2の間の境界層100-3が液層である場合、生体組織100-1、100-2は結合しておらず、両組織の変位は連動しないため、計測点301,302の変位波形の相関度合、ならびに、計測点301,302の物性を表す指標値(例えば、弾性波の速度や弾性率)の相関度合は、図5(a),(b)に示すように癒着している場合より小さくなる。
よって、物性評価部33は、2つの計測点301、302の変位の波形の相関度合、または、2点の計測点301,302の物性を表す指標値の相関度合を求めることにより、相関度合の大小により2つの生体組織の結合状態(例えば、癒着)の有無を判定することができる。
なお、図4(b)に示すように、境界層100-3にも計測点303を設定してもよい。
なお、計測点設定部31は、生体組織100の画像に基づいて、生体組織の表面に計測点301等を設定することが可能である。例えば、計測点設定部31は、生体組織100の画像を処理することにより、生体組織100の表面や生体組織100-1,100-2の境界を検出し、計測点301等を設定することができる。
また、生体組織100が、図6に示すように内部に空間100aを有し、空間100aに液体または気体を蓄えたり、排出したりすることができる臓器を構成している場合、物性評価部33は、物性を表す指標値と、空間100aの容量とに基づいて、生体組織100の組織性状、または、生体組織100が構成する臓器の機能の良否の判定を行う構成としてもよい。この場合、物性評価部33は、生体組織100の画像に基づき、画像における空間の大きさを求めることにより空間100aの容量を求めてもよい。
また、物性評価部33は、生体組織100が空間100aに液体または気体を蓄えたり、排出したりする途中の複数の時点における空間100aの容量を算出するとともに、複数の時点における生体組織100の物性を表す指標値を算出し、空間100aの容量と、指標値の変化とに基づいて、生体組織100が構成する臓器の機能の良否の判定を行う構成であってもよい。例えば、物性評価部33は、空間100aの容量と物性を表す指標値の変化とを、図7に示すように、容量と指標値を2軸とする空間にプロットし、得られたヒステリシスの形状または面積に基づいて判定を行う構成とする。
以下、本実施形態の超音波診断装置1の構成についてさらに詳しく説明する。以下の説明では、集束超音波を生体組織100に照射して、音響放射圧によりせん断波を発生させる場合を例に説明する。
図1に示したように、本実施形態の超音波診断装置1には、送受信制御部20と、制御部30が配置されている。超音波診断装置1には、探触子10と、外部入力部13と、表示部15が接続されている。送受信制御部20は、探触子10を構成する各振動子に受け渡す送信信号を生成する送信部(以下、送信ビームフォーマと呼ぶ)21と、探触子10の各振動子の出力から、生体組織100内の所定の点についての受信信号を生成する受信部(以下、受信ビームフォーマと呼ぶ)22とを備えている。
制御部30は、上述した計測点設定部31、変位計測部32、物性評価部33および画像生成部34を含む。制御部30には、メモリ16が接続されている。
制御部30は、計測点設定部31、変位計測部32、物性評価部33および画像生成部34の機能をソフトウエアによって実現することも可能であるし、その一部または全部をハードウエアによって実現することも可能である。ソフトウエアによって実現する場合、制御部30は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサを内蔵するコンピュータシステムで構成され、CPU等が、メモリ16に予め格納されたプログラムを読み込んで実行することにより、計測点設定部31、変位計測部32、物性評価部33および画像生成部34の機能を実現する。また、ハードウエアによって実現する場合には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて制御部30を構成し、計測点設定部31、変位計測部32、物性評価部33および画像生成部34の動作を少なくとも実現するように回路設計を行えばよい。
<実施形態1>
実施形態1の超音波診断装置の各部の動作例を図8を用いて説明する。実施形態1では、膜状の生体組織100の物性を示す指標値を算出するとともに、生体組織100の構成する臓器の機能の良否を判定する例について説明する。なお制御部30は、ソフトウエアにより実現される場合を例に説明する。図8は、超音波診断装置全体の動作を示すフローチャートである。また、図9(a)、(b)には、探触子10において送受信される超音波の一例を示す。
制御部30は、図6に示したように、画像取得範囲400の生体組織100の画像を生成するために、画像生成用超音波の送受信を送受信制御部20に指示する(ステップ801)。送受信制御部20の送信ビームフォーマ21は、画像取得範囲400に1以上の送信走査線を設定し、送信走査線に沿って超音波ビームを照射させるための送信信号を生成して探触子10の各振動子に出力する。これにより、探触子10から送信走査線に沿って画像生成用超音波ビームが生体組織100の画像取得範囲400に照射される。生体組織100では、照射された超音波ビームのエコーが生じ、探触子10の各振動子によって受信される。受信ビームフォーマ21は、各振動子の受信信号を整相加算することにより、画像取得範囲400内の設定した複数の受信走査線上の複数の受信焦点について焦点データを生成する。画像生成部34は、焦点データを受信焦点の位置に対応する画素の画素値として設定することにより、画像取得範囲400の画像を生成し、表示部15に表示させる(ステップ802)。
制御部30は、生体組織100の計測範囲300の位置を図2のようにユーザから外部入力部13を介して受け付ける(ステップ803)。図2の例では、生体組織100は膜状である。
計測点設定部31は、画像生成部34の生成した画像の計測範囲300について2値化処理等の画像処理を施すことにより、膜状の生体組織100の外形を抽出し、表面近傍に計測点301等を設定する(ステップ804)。ここでは、膜状の生体組織100の両面の表面波の速度を物性を表す評価値として算出するために、膜状の生体組織100の両面(表面と裏面)にそれぞれ2点以上の計測点301-1、301-2、311-1、311-2を設定する。また、ここでは、速度の他に、両面を伝搬する表面波の位相差も物性を表す評価値として求める。
つぎに、変位計測部32は、図9(a)、(b)のように、計測点301-1等の位置に弾性波を伝搬させることができる位置330を設定し、この位置330に送信焦点を結び、所定の音響強度を有する放射圧用超音波23を照射するように送受信制御部20に指示する(ステップ805)。これを受けて送受信制御部20は、音響放射圧を生じさせる放射圧用超音波23を計測範囲300内の所定の位置に照射するための送信信号を送信ビームフォーマ21に生成させ探触子10に出力する。探触子10は、生体組織100の送信焦点330に向かって放射圧用超音波を送信する。これにより、生体組織100内で音響放射圧が生成され、生体組織100は局所的に圧力を受け、弾性よる復元力が働くため、生体組織100に弾性波が発生する。弾性波は、膜状の生体組織を送信焦点330を起点に放射状に伝搬するが、膜状の生体組織100の表面には、弾性波のうち表面波が、中心部にはせん断波が主に伝搬する。なお、図9(a)、(b)の図面では、右方向に伝搬する波面を計測する場合を例示している。
変位計測部32は、送受信制御部20に、計測用超音波24を送受信し、膜状の生体組織100の両面にそれぞれ配置された計測点301-1,301-2、311-1,311-2等の組織の変位を計測する(ステップ806,807)。これにより、図3のように、計測点301-1,301-2、311-1,311-2の変位を、少なくともある時点において計測する。なお、図3の例では、時系列に変位を計測している。具体的には、送受信制御部20の制御下で、送信ビームフォーマ21は送信信号を生成し、探触子10に出力する。これにより、図9(a),(b)のように、探触子10は、複数の計測点301等に所定のタイミングで1以上の計測用超音波24を照射し、計測点301等から反射した超音波のエコーを、探触子10の各振動子によって受信する。送受信制御部20は、計測用超音波24の複数の計測点301をそれぞれ通って深さ方向(z方向)に延びる複数の受信走査線を設定し、受信ビームフォーマ22を動作させて、受信走査線上の複数の受信焦点について振動子の出力信号を整相加算させて、受信焦点データを生成させる。送受信制御部20は、計測用超音波24の送信およびそのエコーの受信を、所定の時間間隔で繰り返すことにより、図3のような計測点301-1等ごとの変位の時間変化を得てもよい。
なお、図9(a)の例は、複数の計測点301ごとに計測用超音波24を照射し、その都度、送信した計測点301に受信走査線を設定して受信焦点データを得る構成を示している。一方、図9(b)の例は、複数の計測点301にわたって1つの計測用超音波24を照射し、複数の計測点301にそれぞれ受信走査線を設定して受信焦点データを得る構成を示している。図9(a)の送受信パターンは、感度に優れ、図9(b)の送受信パターンは、時間分解能が高い。生体組織100の部位や、必要な時間分解能に応じて、図3(a),(b)のいずれかの送受信パターンを用いればよい。
物性評価部33は、ステップ807で求めた表面側及び裏面側の計測点301等の変位を用いて、表面側(深度z=z)および裏面側(z=z)をそれぞれ伝搬する弾性波(主に表面波)の速度Vz0、Vz1と、その比率Vz0/Vz1、ならびに、表面側の弾性波と裏面側の弾性波の位相差δを求める。変位の計測結果は、伝搬方向xと深さ方向zと時間方向tの3次元の情報である。伝搬方向xと時間方向tの変化から速度、深さ方向zと時間方向tの相互相関演算により位相差δを算出することができる。速度Vは、粘弾性率Eの違いを、位相差δは、深度による物性の違いを、それぞれ示す評価指標である。
具体的には、生体組織100の表面側(深度z=z)の計測点301-1、301-2の膜面内方向xの位置がそれぞれx=x、x=xである場合、時刻tの変位uをそれぞれu(x0,,t)、u(x1,,t)で表すと、表面側を伝搬する弾性波の速度Vz0は、式(1)で表される。ただし、Δ[a,b]は、aとbとの差、もしくは、相互相関演算の結果を示す。
Figure 0006996035000001
同様に、生体組織100の裏面側(深度z=z)の計測点311-1、311-2の方向xの位置がそれぞれx=x、x=xである場合、裏面側を計測点311-1、311-2の時刻tの変位uはそれぞれu(x0,,t)、u(x1,,t)で表され、裏面側を伝搬する弾性波の速度Vz1は、式(2)で表される。
Figure 0006996035000002
物性評価部33は、式(1)、(2)より、それぞれ表面側および裏面側の弾性波の速度Vz0、Vz1を求め、さらに速度比Vz0/Vz1を算出する(ステップ808,809)。さらに、物性評価部33は、式(3)により弾性率Eを求めてもよい。
E=3ρV ・・・(3)
ただし、Vは、式(1)または式(2)で求めた速度であり、ρは予め定めて定めておいた密度である。
また、図3に示したように、物性評価部33は、表面側の計測点301等の変位uと裏面側の計測点311等の変位uとの位相差δを、式(4)により、相互相関演算により求める(ステップ810,811)。
Figure 0006996035000003
物性評価部33は、算出した物性を表す指標値(速度V、速度比率、位相差δ)を用いて、生体組織100が構成する臓器の機能を良否を判定する(ステップ812)。例えば、臓器ごとに予め定めておいた基準値と、算出した指標値を比較することにより、臓器の機能の良否を判定する。例えば、組織が軟らかく変形しやすい方が望ましい臓器であれば、速度Vから求められる粘弾性率Eが組織が基準値よりも軟らかいことを示している場合は機能が良いと判定し、逆に基準値よりも硬いことを示している場合には、機能が悪いと判定する。判定結果は、図10(a)に示すように、ステップ802で求めた画像(Bモード画像)に重畳させて、計測点の位置の膜状の生体組織100に機能の良否を示す色彩や模様を付して表示部15に表示することができる(ステップ813)。また、図10(b)に示すように、生体組織100の深さ方向zおよび伝搬方向xについて計測点301、311等ごとに指標値の大小、または、基準値との比較結果(機能の良否)を示す色彩や模様を表示してもよい。
また、生体組織100が内部に空間100aを有する臓器である場合、ステップ812において、物性評価部33は、ステップ802において生成された画像を時系列に取得し、空間100aの面積を求めることにより容量を求め、それぞれの時点の指標値(例えば速度V)と容量とを上述した図7のようにプロットしてもよい。このプロットをその臓器の収縮期と膨張期にそれぞれ行うことにより、その臓器特有のヒステリシスを得て、ヒステリシスの形状や面積、収縮加速度や膨張加速度により、臓器の機能の良否を判定することができる。
上述してきたように、実施形態1の超音波診断装置は、膜状の生体組織100の物性を示す指標値を求め、表示することができる。さらに、生体組織100が構成する臓器の機能の良否を判定して表示することもできる。
<実施形態2>
実施形態2の超音波診断装置の各部の動作例を図11を用いて説明する。実施形態2では、隣合う生体組織100-1と生体組織100-2のそれぞれの表面の物性を示す指標値を算出し、生体組織100-1と生体組織100-2が癒着しているかどうかを判定する例について説明する。図11は、超音波診断装置全体の動作を示すフローチャートである。なお、図11のフローにおいて、図8のフローと同様の動作については説明を省略する。
制御部30は、図8のフローのステップ801~803と同様に、画像取得範囲400の生体組織100-1、100-2の画像を生成し、計測範囲300をユーザから受け付ける。そして、計測点設定部31は、計測範囲300の画像を処理することにより、生体組織100-1,100-2の境界を抽出し、境界を挟んで対向する表面に計測点301、302等を設定する(ステップ1104)。ここでは、生体組織100-1、100-2表面にそれぞれ2点以上の計測点301、302を設定する。また、生体組織100-1、100-2の間の境界層100-3に計測点303をさらに設定してもよい。
つぎに、変位計測部32は、図8のステップ805~806と同様に、放射圧用超音波23を探触子10から照射させて、生体組織100-1、100-2に弾性波を伝搬させ、生体組織100-1、100-2に計測用超音波24を送受信する。そして、ステップ807と同様に、境界の表面にそれぞれ複数配置された計測点301,302、ならびに、境界層100-3に配置された303の組織の変位を時系列に計測する(ステップ1107)。
物性評価部33は、図8のステップ808,809と同様に、ステップ807で求めた計測点301、303、302の変位u(x0,,t)、u(x0,,t)、u(x0,,t)を用いて、生体組織100-1の表面、境界層100-3、生体組織100-2の表面をそれぞれ伝搬する弾性波(主に表面波)の速度Vz0、Vz1、Vz2を式(5)により求め、さらに、その比率Vz0/Vz1、Vz0/Vz2、Vz1/Vz2を求める(ステップ1108,1109)。
Figure 0006996035000004
また、図8のステップ810,811と同様の処理により、弾性波による変位u(x0,,t)、u(x0,,t)、u(x0,,t)のうち、u(x0,,t)とu(x0,,t)との位相差δ0-1、u(x0,,t)とu(x0,,t)との位相差δ1-2、u(x0,,t)とu(x0,,t)との位相差δ0-2を式(6)により求める(ステップ1110,1111)。
Figure 0006996035000005
さらに、物性評価部33は、計測点301、303、302の変位u(x0,,t)、u(x0,,t)、u(x0,,t)の振幅Az0、Az1、Az2を求め、その比率Az0/Az1、Az0/Az2、Az1/Az2を求める(ステップ1112,1113)。
物性評価部33は、算出した物性を表す指標値(速度V、速度比率、位相差δ、振幅A,振幅比率)を用いて、生体組織100-1、100-2の境界が癒着している(境界層100-3が粘弾性膜)か、癒着していないか(境界層100-3が液膜)を判定する(ステップ1114)。癒着している場合、計測点301、303,302は一体となっているため、図5(a),(b)に示したように、各計測点の変位は相関性が高い。よって、例えば、速度比率および振幅比率は1に近く、位相差が小さいほど、癒着していると判定できるため、予め定めておいた基準値と、算出した指標値を比較することにより、癒着の有無を判定する。
判定結果は、図12に示すように、ステップ802で求めた画像(Bモード画像)に重畳させて、計測点の位置の生体組織100-1に機能の良否を示す色彩や模様を付して表示部15に表示することができる(ステップ813)。
なお、生体組織100において発生した弾性波(ここでは主に表面波)は、着目方向に伝搬する主成分(透過波)の他に、生体組織100の線維や脂肪などの構造物で反射され着目方向とは逆方向に伝搬する反射波や、構造物で屈折、回折、散乱等した屈折波・回折波・散乱波を含んでいる。そのため、表面に設定した計測点301等において、弾性波全体の速度を計測した場合、反射波や屈折波・回折波・散乱波が主成分の速度を過小評価させる原因となる。そこで、変位計測部32が、主成分を抽出する処理を行って、反射波や屈折波・回折波・散乱波の影響を低減し、主成分の速度を精度よく計測する構成としてもよい。
具体的には、変位計測部32は、変位の周波数分布を求め、さらに、周波数ごとに、所定の強度(振幅)以上の波成分を選択する。これにより、変位計測部32は、主成分である透過波の表面波を中心とした速度成分を反射波や屈折波・回折波・散乱波から分離して抽出することができる。
この処理を図13を用いてさらに詳しく説明する。変位計測部32は、図8、図11のステップ807、1107において計測した弾性波の伝搬方向(x方向)と深さ方向(z方向)を2軸とする空間(平面)の各点についての変位の時間変化(図13(a)参照)から、特定の深度z=zの時空間データ(図13(b)参照)を抽出する。図13(b)のように、深度z=zの時空間データは、時間tと伝搬方向(x方向)を2軸とする平面の変位(振幅)として表される。なお、図13(b)は、着目方向の逆方向に伝搬する波がなく、主成分(透過波)61と屈折波・回折波・散乱波63のみが伝搬している例である。
つぎに、変位計測部32は、図13(b)の時間tと伝搬方向(x方向)を2軸とする時空間データに2D-FFT(2次元フーリエ変換)を実行し、時間周波数fと空間周波数kxと強度(振幅)で表される波成分に分離する(図13(c))。図13(c)のように2D-FFT後のデータは、時間周波数fと空間周波数kxを2軸とする空間(平面)の波成分の強度(振幅)分布(以下周波数パワー分布とも呼ぶ)となっている。
変位計測部32は、図13(c)の周波数パワー分布から、時間周波数fごとまたは空間周波数kxごとに所定の強度以上の波成分をフィルタ(図13(d)、(e))により選択する。図13(e)のフィルタは、時間周波数fまたは空間周波数kxごとに波成分の強度(振幅)が最も大きい点を含むように範囲1301を設定し、この範囲1301の波成分のみを選択するものである。
フィルタにより抽出された範囲1301の周波数パワー分布(図13(e))主成分61である透過波を中心とする速度の波成分を反射波62や屈折波・回折波・散乱波63から分離したものとなっている。
つぎに、変位計測部32は、フィルタで抽出した周波数パワー分布(図13(e))に、2D-IFFT(2次元逆フーリエ変換)を施し、再び時間tと伝搬方向(x方向)を2軸とする平面の変位(振幅)データに戻す(図13(f))。
変位計測部32は、深さzを少しずつ変えながら、図13(a)~(e)の処理を繰り返し、全ての深度について変位データを得る(図13(f))。これにより、透過波の表面波を中心とした速度成分を反射波や屈折波・回折波・散乱波から分離して抽出することができる。よって、物性評価部33は、変位計測部32が生成した深さ方向(z方向)と伝搬方向(x方向)と時間方向(t方向)について主成分61の変位(振幅)を示す波面データ(図13(f))に基づいて、速度を算出することができる。
上述してきたように、本実施形態によれば、表面波を計測することにより、生体内の膜状の組織、組織の表面の性状、ならびに、組織が構成する臓器の機能や結合(例えば癒着)の有無を超音波によって高精度に評価することができる。
本実施形態の超音波診断装置を利用することにより、医師は膀胱や心臓の異常を早期に発見できる。また生体内の結合(例えば癒着)の有無を判断できるため、腹腔鏡下手術の前に事前にデバイスルートの確認が可能であり、患者への身体的負担を低減できる。
1…超音波診断装置、10…探触子、13…入力部、15…表示部、16…メモリ、20…送受信制御部、21…送信ビームフォーマ、22…受信ビームフォーマ、30…制御部、31…計測点設定部、32…変位計測部、33…物性評価部、34…画像生成部、100…検査対象(生体組織)

Claims (11)

  1. 検査対象である生体組織の表面に、1点以上の計測点を設定する計測点設定部と、
    前記生体組織に弾性波が伝搬している状態で、前記生体組織の前記計測点における変位を超音波を用いて計測することにより、前記弾性波のうち少なくとも表面波を計測する変位計測部と、
    計測した前記変位を用いて前記生体組織の物性を表す指標値を算出する物性評価部とを有し、
    前記生体組織は、膜状または壁状であり、前記計測点設定部は、前記膜状または壁状の生体組織の両面にそれぞれ前記計測点を設定し、
    前記物性評価部は、前記両面の前記計測点における前記変位を用いて、前記両面の前記計測点をそれぞれ伝搬する前記弾性波の速度または位相の差を、前記物性を表す指標値として算出することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 検査対象である生体組織の表面に、1点以上の計測点を設定する計測点設定部と、
    前記生体組織に弾性波が伝搬している状態で、前記生体組織の前記計測点における変位を超音波を用いて計測することにより、前記弾性波のうち少なくとも表面波を計測する変位計測部と、
    計測した前記変位を用いて前記生体組織の物性を表す指標値を算出する物性評価部とを有し、
    前記物性評価部は、算出した前記物性を表す指標値を用いて前記生体組織の組織性状、または、前記生体組織が構成する臓器の機能の良否を判定し、
    前記生体組織の組織性状には、前記生体組織と周囲の組織との結合状態が含まれることを特徴とする超音波診断装置。
  3. 検査対象である生体組織の表面に、1点以上の計測点を設定する計測点設定部と、
    前記生体組織に弾性波が伝搬している状態で、前記生体組織の前記計測点における変位を超音波を用いて計測することにより、前記弾性波のうち少なくとも表面波を計測する変位計測部と、
    計測した前記変位を用いて前記生体組織の物性を表す指標値を算出する物性評価部とを有し、
    前記物性評価部は、算出した前記物性を表す指標値を用いて前記生体組織の組織性状、または、前記生体組織が構成する臓器の機能の良否を判定し、
    前記計測点設定部は、隣り合う2つの生体組織が対応する位置の前記2つの生体組織のそれぞれの表面に前記計測点を設定し、
    前記物性評価部は、2つの前記計測点の前記変位の波形または前記物性を表す指標値の相関度合を求め、前記相関度合の大小により前記2つの生体組織の結合状態の有無を判定することを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記計測点設定部は、前記生体組織の画像に基づいて、前記生体組織の表面に前記計測点を設定することを特徴とする超音波診断装置。
  5. 検査対象である生体組織の表面に、1点以上の計測点を設定する計測点設定部と、
    前記生体組織に弾性波が伝搬している状態で、前記生体組織の前記計測点における変位を超音波を用いて計測することにより、前記弾性波のうち少なくとも表面波を計測する変位計測部と、
    計測した前記変位を用いて前記生体組織の物性を表す指標値を算出する物性評価部とを有し、
    前記物性評価部は、算出した前記物性を表す指標値を用いて前記生体組織の組織性状、または、前記生体組織が構成する臓器の機能の良否を判定し、
    前記生体組織は、内部に空間を有し、前記空間に液体または気体を蓄えたり、排出したりすることができる臓器を構成し、
    前記物性評価部は、前記物性を表す指標値と、前記空間の容量とに基づいて前記判定を行うことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項に記載の超音波診断装置であって、
    前記物性評価部は、前記生体組織の画像に基づき、前記画像における前記空間の大きさを求めることにより前記空間の容量を求めることを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項に記載の超音波診断装置であって、前記物性評価部は、前記生体組織が前記空間に液体または気体を蓄えたり、排出したりする途中の複数の時点における前記空間の容量を算出するとともに、前記複数の時点における前記生体組織の前記物性を表す指標値を算出し、前記空間の容量と前記指標値の変化に基づいて前記判定を行うことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項に記載の超音波診断装置であって、前記物性評価部は、前記空間の容量と前記物性を表す指標値の変化を前記容量と前記指標値を2軸とする空間にプロットし、得られたヒステリシスの形状または面積に基づいて前記判定を行うことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記生体組織に超音波を送信する送信部と、前記生体組織から戻るエコーを受信する受信部とさらに有し、
    前記送信部は、前記生体組織に前記弾性波を発生させて伝搬させるために、前記生体組織に放射圧を生じさせるための第1の超音波と、前記計測点の変位を計測するための第2の超音波とを送信し、
    前記変位計測部は、前記第2の超音波のエコーを受信した前記受信部の受信信号を用いて前記変位を計測することを特徴とする超音波診断装置。
  10. 請求項4または6に記載の超音波診断装置であって、前記生体組織に超音波を送信する送信部と、前記生体組織から戻るエコーを受信する受信部と、前記生体組織の画像を生成する画像生成部をさらに有し、
    前記送信部は、前記生体組織に前記弾性波を発生させて伝搬させるために、前記生体組織に放射圧を生じさせるための第1の超音波と、前記計測点の変位を計測するための第2の超音波と、前記生体組織の画像を撮像するための第3の超音波とをさらに送信し、
    前記変位計測部は、前記第2の超音波のエコーを受信した前記受信部の受信信号を用いて前記変位を計測し、
    前記画像生成部は、前記第3の超音波のエコーを受信した前記受信部の出力する受信信号を用いて前記画像を生成することを特徴とする超音波診断装置。
  11. 検査対象である生体組織の表面に、1点以上の計測点を設定する工程と、
    前記生体組織に弾性波が伝搬している状態で、前記生体組織の前記計測点における変位を超音波を用いて計測することにより、前記弾性波のうち少なくとも表面波を計測する工程と、
    計測した前記変位を用いて前記生体組織の物性を表す指標値を算出する工程とを有し、
    前記生体組織は、膜状または壁状であり、前記計測点を設定する工程は、前記膜状または壁状の生体組織の両面にそれぞれ前記計測点を設定し、
    前記指標値を算出する工程は、前記両面の前記計測点における前記変位を用いて、前記両面の前記計測点をそれぞれ伝搬する前記弾性波の速度または位相の差を、前記物性を表す指標値として算出する
    ことを特徴とする生体組織の物性評価方法。
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