JP6933262B2 - 超音波診断システム及び画像生成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波を照射して被検体の断層画像を作成する超音波診断システム及び超音波診断方法に関する。
非侵襲性である超音波による診断システムは、生体を直接切開して観察する外科手術の必要がないため、被検体内部の情報を診断する技術として医療分野で広く用いられている。
超音波診断の一手法である超音波CT(Computed Tomography)は、超音波を被検体に照射し、反射超音波や透過超音波を用いて被検体の断層画像を作成するものであり、近年の研究により、乳がんの検出に有用性があることが示されている。超音波CTは、例えば、超音波の送受信を行う多数の素子をリング状に配置したリング型アレイトランスデューサを使用し、断層像を作成する。
超音波CTでは、超音波の減衰量を測定して、断層面の減衰率分布を表示する手法と、超音波の伝搬時間を測定し、断層面の音速分布を表示する手法とが知られている。超音波CTを臨床的にさらに有効な診断手法とするために、減衰率分布や音速分布以外の物理量を画像化することが求められている。
国際公開第2017/051903号
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、被検体の断層面の密度分布像を生成することができる超音波診断システム及び超音波診断方法を提供することを目的とする。
本発明による超音波診断システムは、被検体の周囲に配置され、超音波の送信及び受信の少なくともいずれか一方を行う複数の素子と、前記複数の素子のいずれか1つが超音波を送信し、前記複数の素子の少なくとも一部が、前記超音波が前記被検体で散乱した散乱波を受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、前記散乱波を受信した素子から得たデータである実測定データを収集するデータ収集部と、前記実測定データを用いて前記被検体の音速分布を推定し、推定した音速分布を有する領域を超音波が伝搬した場合に素子で受信される仮想測定データを計算し、前記実測定データと前記仮想測定データとの差分波形を計算し、前記差分波形から音速分布像の計算に用いる成分又は散乱体分布像の計算に用いる成分を取得し、前記音速分布像の計算に用いる成分の差分波形を用いた音速分布像の計算、又は前記散乱体分布像の計算に用いる成分の差分波形を用いた散乱体分布像の計算を行う計算部と、を備えるものである。
本発明の一態様によれば、前記音速分布像の計算に用いる成分は、前記超音波を送信した素子の側以外の側に散乱する散乱波の成分である前方散乱波成分であり、前記散乱体分布像の計算に用いる成分は、前記超音波を送信した素子の側に散乱する散乱波の成分である後方散乱波成分である
本発明の一態様によれば、前記複数の素子はリング状に等間隔に配置されており、前記計算部は、超音波を送信した素子を中心にリング円周の一半側に位置する素子に対応する差分波形を前記後方散乱波成分に分類し、リング円周の他半側に位置する素子に対応する差分波形を前記前方散乱波成分に分類する。
本発明の一態様によれば、前記計算部は、超音波を送信した送信素子毎の音速分布像及び散乱体分布像を計算し、前記送信素子毎の音速分布像の加算、及び前記送信素子毎の散乱体分布像の加算を行う画像作成部をさらに備える。
本発明の一態様によれば、前記画像作成部は、前記音速分布像と前記散乱体分布像とから密度分布像を作成する。
本発明の一態様によれば、前記音速分布像の計算は前記前方散乱波成分の差分波形の逆伝搬を含み、前記散乱体分布像の計算は前記後方散乱波成分の差分波形の逆伝搬を含む。
本発明の一態様によれば、前記散乱体分布像を用いて前記推定した音速分布を更新し、更新後の音速分布を用いて、前記差分波形の計算と、前記音速分布像の計算又は前記散乱体分布像の計算とを行う。
本発明の一態様によれば、前記複数の素子はリング状に配置されており、リング円周上の一部の素子からの前記差分波形の逆伝搬により散乱体分布像を再構成する。
本発明による超音波診断方法は、被検体の周囲に配置された複数の素子のいずれか1つから超音波を送信し、前記複数の素子の少なくとも一部で散乱波を受信する処理を、超音波を送信する素子を順に切り替えて行う工程と、前記散乱波を受信した素子から得たデータである測定データを収集する工程と、前記実測定データを用いて前記被検体の音速分布を推定する工程と、推定した音速分布を有する領域を超音波が伝搬して各素子で受信される仮想測定データを計算する工程と、素子毎の前記実測定データと前記仮想測定データとの差分波形を計算する工程と、素子毎の差分波形を前方散乱波成分と後方散乱波成分とに分類する工程と、前記前方散乱波成分の差分波形を用いて音速分布像を計算する工程と、前記後方散乱波成分の差分波形を用いて散乱体分布像を計算する工程と、を備えるものである。
本発明によれば、被検体の断層面の密度分布像を生成することができる。
本発明の実施形態における超音波診断システムの概略構成図である。 図1のA−A線断面図である。 演算装置の機能ブロック図である。 同実施形態による断層像作成方法を説明するフローチャートである。 図5aは散乱体分布像であり、図5bは点散乱体の輝度を示すグラフである。 図6aは散乱体分布像であり、図6bは点散乱体の輝度を示すグラフである。 図7aは音速分布像であり、図7bは点散乱体の輝度を示すグラフである。 図8aは音速分布像であり、図8bは点散乱体の輝度を示すグラフである。 変形例による断層像作成方法を説明するフローチャートである。 図10a,10bはシミュレーションモデルを示す図であり、図10cは後方散乱画像を示し、図10dは前方散乱画像を示す。 前方散乱波成分を受信する素子及び後方散乱波成分を受信する素子を示す図である。
以下、図面を参照して本発明についてさらに詳細に説明する。本発明の実施形態に係る超音波診断システムは、人体等の被検体に超音波を照射し、受信した信号を用いて被検体の断層像を作成する。医師は、作成された断層像を確認することで、悪性腫瘍等の病変を診断することができる。
図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断システム10は、リングアレイRと、スイッチ回路110と、送受信回路120と、演算装置130と、画像表示装置140とを備えている。
リングアレイRは、複数の振動子が組み合わさって構成される、好ましくは直径80〜500mm、より好ましくは直径100〜300mmのリング型形状の振動子である。また、リングアレイRは、直径を可変とする構成をとることもできる。本実施形態では一例として、4つの凹面型振動子P01〜P04を組み合わせたリング形状の振動子を用いる。
例えば、凹面型振動子P01〜P04が、それぞれ256個の短冊形圧電素子E(以下、単に「素子E」とも呼ぶ。)を有する場合、リングアレイRは1024個の素子Eから構成されることになる。凹面型振動子P01〜P04に設けられる素子Eの数は限定されず、好ましくは1〜1000個、より好ましくは100〜500個である。
各素子Eは、電気的信号と超音波信号とを相互変換する機能を有する。素子Eは被検体Tに超音波を送信し、被検体Tで散乱される散乱波を受信し、電気的信号を測定データとして形成する。散乱波は、前方散乱波、後方散乱波(前方散乱波以外の散乱波をいい、側方散乱波を含む)等を含む。
本実施形態では、各素子Eが、超音波の送信及び受信の両方の機能を備えるものとして説明するが、これに限定されない。例えば、超音波の送信機能及び受信機能のうちいずれか一方のみを有する送信素子又は受信素子を使用し、複数の送信素子及び複数の受信素子をリング状に配置してもよい。また、送信及び受信の両方の機能を備える素子と、送信素子と、受信素子とが混在する構成であってもよい。
図2は、図1のA−A線断面図である。例えば、リングアレイRは、穴の開いたベッドの下に、ベッドの穴と挿入部SPとが重畳するように設置される。被験者はベッドの穴から、撮像対象となる身体の部位(被検体T、例えば乳房)を挿入部SPに挿入する。
被検体Tを挿入するための挿入部SPは、リングアレイRの中央に設けられている。リングアレイRの複数の素子Eは、リングに沿って挿入部SPの周囲に等間隔で設けられている。リングアレイRの内周側には、音響レンズと呼ばれる凸面レンズが表面に取り付けられている。このような表面加工をリングアレイRの内周側に施すことで、各素子Eが送信する超音波を、リングアレイRを含む平面内に収束させることができる。リングアレイRと被検体Tとの間は、例えば水で満たされている。
本実施形態では、各素子Eを等間隔にリング状に配置しているが、リングアレイRの形状は円形に限定されず、例えば、六角形、正方形、三角形など任意の多角形、少なくとも一部に曲線や円弧を含む形状、その他任意の形状、または、これらの形状の一部(例えば、半円や円弧)であってもよい。すなわち、リングアレイRは、アレイRと一般化することができる。
リングアレイRはスイッチ回路110を介して送受信回路120に接続されている。送受信回路120(制御部)は、リングアレイRの素子Eに制御信号(電気的信号)を送信し、超音波の送受信を制御する。例えば、送受信回路120は、素子Eに対して、送信する超音波の周波数や大きさ、波の種類(連続波やパルス波等)等を指示する。
スイッチ回路110は、リングアレイRの複数の素子Eの各々に接続されており、送受信回路120からの信号を任意の素子Eに伝達し、素子Eを駆動させ、信号の送受信を行わせる。例えば、スイッチ回路110が、送受信回路120からの制御信号を供給する素子Eを切り替える制御を行うことで、複数の素子Eのいずれか1つを、超音波を送信する送信素子として機能させ、複数(例えば全て)の素子Eで散乱波を受信させる。
全ての素子Eを同時に駆動して測定データを収集してもよいし、リングアレイRの複数の素子Eをいくつかのグループに分けて、グループ単位で順に測定データを収集してもよい。グループの切り替えを数μs〜msオーダ以下で行うことで、ほぼリアルタイムに測定データの収集を行うことができる。
リングアレイRは、ステッピングモータ等により上下動可能に設置されている。リングアレイRを上下動させて、被検体Tの全体のデータ収集が行われる。
演算装置130は、例えばCPU、記憶部(RAM、ROM、ハードディスク等)、通信部等を備えたコンピュータにより構成されている。記憶部に格納されたプログラムが実行されることで、図3に示すような、送信素子決定部131、データ収集部132、計算部133、画像作成部134等の機能が実現され、計算結果格納領域135及び測定データ格納領域136が記憶部に確保される。各部による処理については後述する。
次に、本実施形態による断層像作成方法を図4に示すフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、リングアレイRは、256個の素子E〜E256が設けられているものとする。素子E〜E256はこの順番で円周上に等間隔に配置されている。
まず、被検体Tを挿入部SPに挿入していない状態(被検体Tがない状態であれば、いかなる状態でもよく、例えば、被検体Tを挿入する筐体や水が存在する状態でもよい)で、送信素子を切り替えながら超音波を送信し、複数の素子で受信する(ステップS1)。例えば、素子Eから超音波を送信し、全ての素子E〜E256で透過波の受信を行う。送信素子を素子Eから素子E256まで順に切り替えながら、全ての素子E〜E256で透過波の受信を行う。
送信素子決定部131は、素子E〜E256から順に超音波が送信されるように、送受信回路120に指示する。データ収集部132は、スイッチ回路110及び送受信回路120を介して、素子E〜E256により得られたデータである測定データ(受信データ)を収集(受信又は取得することを含む)する。測定データ(透過波データ)は、測定データ格納領域136に格納される。
透過波データの測定は事前に行っておいてもよい。
次に、挿入部SPから被検体Tを挿入した状態で、送信素子を切り替えながら超音波を送信し、複数の素子で散乱波を受信する(ステップS2)。例えば、素子Eから超音波を送信し、全ての素子E〜E256で散乱波の受信を行う。送信素子を素子Eから素子E256まで順に切り替えながら、全ての素子E〜E256で散乱波の受信を行う。
素子E〜E256により得られたデータである実測定データ(散乱波データ)は、測定データ格納領域136に格納される。
ステップS1,S2で得られる測定データは、第1軸が受信素子番号、第2軸が信号到達時間、第3軸が送信素子番号となる3次元データである。
計算部133が、ステップS2で取得した実測定データを用いて、撮像領域の音速分布の推定値を計算する(ステップS3)。例えば、ステップS2で取得した実測定データを用いて開口合成法による断層像を生成し、被検体Tの輪郭を抽出する。そして、透過波の信号到達時間から、被検体T内の平均音速を計算する。あるいはまた、公知のray−baseの音速分布再構成法を用いて音速分布を計算する。計算結果は、計算結果格納領域135に格納される。
素子E〜E256のうち未選択の素子を1つ選択する(ステップS4)。計算部133が、ステップS3で算出した音速分布の推定値を用いて、ステップS4で選択した素子から超音波を送信した場合に、各素子で受信される仮想測定データ(エミュレートデータ)を算出する(ステップS5)。
例えば、計算部133は、波動方程式やヘルムホルツ方程式を数値的に解き、ステップS3で算出した音速分布を有する領域を伝搬する超音波の挙動を計算し、各素子で受信される仮想測定データを求める。
計算部133が、測定データ格納領域136から、ステップS2で取得した実測定データのうち、送信素子がステップS4で選択した素子であるデータを取り出す。計算部133は、受信素子毎に、取り出した実測定データから、ステップS5で計算した仮想測定データを減算し、差分波形を算出する(ステップS6)。
ステップS2で取得した実測定データは、音速分布に関する大きな構造から散乱された第1の波と、音速分布に関する微細構造及び密度変化の構造で散乱された第2の波を含む。一方、ステップS5で算出した仮想測定データは、ステップS3で算出した音速分布に関する大きな構造から散乱された波であり、上述の第1の波に相当する。従って、実測定データから仮想測定データを減じることで、第1の波の成分がキャンセルされ、上述の第2の波の成分を主成分とする波の成分が残る。
計算部133が、受信素子毎の差分波形を、音速分布像の計算に用いる成分と散乱体分布像の計算に用いる成分に、例えば、後方散乱波成分と前方散乱波成分とに分類する(ステップS7)。前方散乱波成分は、超音波を送信した素子の側以外の側に散乱する散乱波の成分であり、後方散乱波成分は、超音波を送信した素子の側に散乱する散乱波の成分である(図11参照)。例えば、送信素子を中心にリングアレイRの一半側に位置する受信素子の差分波形を、後方散乱波成分に分類する。リングアレイRの他半側に位置する受信素子の差分波形を、前方散乱波成分に分類する。
例えば、素子Eが送信素子である場合、素子Eを中心にリングアレイRの一半側に位置する素子E193〜E256、E〜E64の差分波形が後方散乱波成分に分類される。また、リングアレイRの他半側に位置する素子E65〜E192の差分波形が前方散乱波成分に分類される。
計算部133が、前方散乱波成分から音速分布像を計算する(ステップS8)。前方散乱波成分として分類された差分波形を、受信素子位置から送信素子に向かって逆向きに打ち直すことによって、つまり、空間と時間を離散化して、時間領域有限差分法などのアルゴリズムにより波動方程式を解き、波をリングアレイR内に伝搬させることによって、集束する散乱位置を検出する、いわゆるバックプロパゲーション法を用いて音速分布像を計算する。
計算部133が、後方散乱波成分から散乱体分布像を計算する(ステップS9)。散乱体分布像の計算は、上述したステップS8と同様の手法を用いることができる。
ステップS5〜S9の処理を、全ての送信素子について行う(ステップS10)。これにより、送信素子と同数(例えば256個)の音速分布像及び散乱体分布像が得られる。
画像作成部134が、得られた音速分布像を加算し、最終的な音速分布像を生成する(ステップS11)。また、画像作成部134が、全ての散乱体分布像を加算し、最終的な散乱体分布像を生成する。RFデータを加算してもよく、絶対値データや包絡線検波後のデータを加算してもよい。
散乱は音響インピーダンスZ=ρc(ρ:密度、c:音速)の空間微分であり、散乱体分布像は、音速分布及び密度分布を含む。画像作成部134は、音速分布像及び散乱体分布像を比較し、例えば散乱体分布像から音速分布像を減じることで、密度分布像を生成する(ステップS12)。画像作成部134により生成された画像は、画像表示装置140に表示される。
このように本実施形態によれば、前方散乱波成分と後方散乱波成分とを分類し、後方散乱波よりも振幅の大きい透過波(前方散乱波)の影響を分離した上で、後方散乱波成分を時間反転して打ち直す。そのため、密度分布と音速分布とをそれぞれ独立して評価することができる。密度分布を画像化することで、超音波CTを臨床的にさらに有効な診断手法にすることができる。
シミュレーション
上記実施形態による断層像作成方法を用いて、後方散乱波成分に基づく散乱体分布像の有効性をシミュレーションによって実証する。
<シミュレーション1>
リングアレイの径方向内側に、8個の点散乱体を同心円の円周上に等間隔に配置した。上記実施形態による方法で計算を行い、後方散乱波成分に基づく散乱体分布像を作成した。シミュレーション条件は以下の通りである。下記の5つの条件は、シミュレーション1〜4において共通である。
リングアレイ素子数:256個
リングアレイ半径:50mm
サンプリング周波数:5MHz
励起:単位インパルス
リングアレイの中心から8個の点散乱体までの距離:7.5mm
点散乱体は、12時の位置から反時計回りに、密度を10kg/mずつ段階的に増やした。
結果を図5a,5bに示す。図5aは散乱体分布像を示す。図5bは点散乱体の輝度を示すグラフである。図5bの横軸の番号1〜8は、12時の位置から反時計回りに順に配置された点散乱体に相当する。
<シミュレーション2>
8個の点散乱体の密度を、それぞれ、シミュレーション1よりも10kg/m増加させた。また、点散乱体のサイズ(半径)を、12時の位置から反時計回りに、1/8mmから1mmまで1/8mmずつ段階的に増加させた。その他の条件はシミュレーション1と同じとした。
結果を図6a,6bに示す。図6aは散乱体分布像を示す。図6bは点散乱体の輝度を示すグラフである。
<シミュレーション3>
8個の点散乱体の音速を、12時の位置から反時計回りに2m/sずつ段階的に増やした。その他の条件はシミュレーション1と同じとし、前方散乱波成分に基づく音速分布像を作成した。
結果を図7a,7bに示す。図7aは音速分布像を示す。図7bは点散乱体の輝度を示すグラフである。
<シミュレーション4>
8個の点散乱体の音速を、それぞれ、シミュレーション3よりも10m/s増加させた。また、シミュレーション2と同様に、点散乱体のサイズ(半径)を、12時の位置から反時計回りに、1/8mmから1mmまで1/8mmずつ段階的に増加させた。その他の条件はシミュレーション3と同じとした。
結果を図8a,8bに示す。図8aは音速分布像を示す。図8bは点散乱体の輝度を示すグラフである。
図7a,7bに示すように、音速分布像は、輝度が音速に比例した。また、図8a,8bに示すように、音速分布像では、輝度が散乱体サイズにも依存した。
一方、図5a,5b、図6a,6bに示すように、散乱体分布像は、輝度が密度に比例するが、輝度の散乱体サイズ依存性は小さいことが確認された。
ここまで図5から図8では、密度を変えた散乱体モデルと音速を変えた散乱体モデル、それぞれを別々のシミュレーションで検討した。また散乱体の形状が円形であり、実際の生体中の構造と大きく異なる。
図10に、音速分布と密度分布を同時に持たせたモデルにおける検討の結果を示す。音速分布はMRIによる臨床画像から、画像の輝度に応じた組織のセグメンテーションを行い、現実的に対象として存在しうる構造をモデル化した。
具体的には、水(乳房領域の外部)、皮膚、乳腺組織、脂肪の4組織に、輝度と、輪郭の内外の判定からセグメンテーションを行い、それぞれの音速は1500,1640,1550,1450m/sとした(図10a参照)。これに図10bに示した密度を変更した点散乱体を重畳したモデルを作成した。
点散乱体の音速は周囲音速と同一であり、密度は1100kg/mである。それ以外の組織は全て密度が1000kg/mである。エコーデータを計算し、画像再構成した結果を、それぞれ図10cに示す後方散乱画像、図10dに示す前方散乱画像である。
一般に、ステップS3に相当する初期音速分布の推定値は、空間解像度においては、真値を上回ることはない(撮像における解像度の限界)。今回の計算の中では、設定したモデルに対して空間方向にローパスフィルタを与えたモデルをステップS3における初期音速分布推定値として用いた。
1つのモデル内で音速分布と密度分布とを同時に与えているが、図10cに示す後方散乱像は音速分布を反映した画像、図10dに示す前方散乱像は密度分布を反映した画像として、それぞれ画像化されていることが確認できる。
また、別の実施例として、図9に示す方法を説明する。図4に示す実施方法では、ステップS3は公知の方法によって既に設定された状態で最終画像を構築する方法であった。ステップS11にて、ステップS3より高精度な音速分布像が求まった時に、これを活用する方法として、ステップS11の計算結果を踏まえ、ステップS3の音速分布を更新し、ステップS4以降を繰り返すことも可能である。
この時、ステップS11では、真値とステップS3の音速分布像との差分の絶対値が求まるので、厳密には「真値−ステップS3での推定値」の符号情報が失われている。そこでステップS11の情報の符号として正負両方の可能性があることを考慮しながら、予め定めたコスト関数が最小化するようにステップS3の音速分布を更新する。コスト関数としては、例えば隣接画素間の差分絶対値の総和などが想定される。
このようなステップS3の音速分布の更新が有効なのは以下の観点による。ステップS6において差分波形を計算する際に、実際のパルス伝搬時間Tと推定されたパルス伝搬時間Tの差ΔT=T−Tがパルス幅PWより大きくなってしまった場合に、差分波形が実際の受信パルスとエミュレートされた受信パルスが時間軸上で分離してしまう。この結果、逆伝搬における散乱体源へ集束の精度が低下してしまう。そのため、ステップS11で新たに求めた音速分布情報を用いて、ステップS3の音速分布を更新し、再構成処理を改めて行うことで、演算精度の向上を見込むことで出来る。
この時、精度が確保できていない段階では、パルス幅PWが長い条件を用いて(低周波のパルスを用いることや、サイクル数の長いパルスを用いる)、ステップS13からステップS3にループが更新される都度、パルス幅PWを短くしていくという構成をとる。この場合、より正確にはステップS13からステップS2にループが戻り、ステップS2の送信波形も変更して、送信、撮像を再度行う。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
本出願は、2017年10月31日付で出願された日本特許出願2017−210737に基づいており、その全体が引用により援用される。
10 超音波診断システム
110 スイッチ回路
120 送受信回路
130 演算装置
140 画像表示装置

Claims (9)

  1. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信及び受信の少なくともいずれか一方を行う複数の素子と、
    前記複数の素子のいずれか1つが超音波を送信し、前記複数の素子の少なくとも一部が、前記超音波が前記被検体で散乱した散乱波を受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、
    前記散乱波を受信した素子から得たデータである実測定データを収集するデータ収集部と、
    前記実測定データを用いて前記被検体の音速分布を推定し、推定した音速分布を有する領域を超音波が伝搬した場合に素子で受信される仮想測定データを計算し、前記実測定データと前記仮想測定データとの差分波形を計算し、前記差分波形から音速分布像の計算に用いる成分又は散乱体分布像の計算に用いる成分を取得し、前記音速分布像の計算に用いる成分の差分波形を用いた音速分布像の計算、又は前記散乱体分布像の計算に用いる成分の差分波形を用いた散乱体分布像の計算を行う計算部と、
    を備える超音波診断システム。
  2. 前記音速分布像の計算に用いる成分は、前記超音波を送信した素子の側以外の側に散乱する散乱波の成分である前方散乱波成分であり、前記散乱体分布像の計算に用いる成分は、前記超音波を送信した素子の側に散乱する散乱波の成分である後方散乱波成分であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断システム。
  3. 前記複数の素子はリング状に等間隔に配置されており、
    前記計算部は、超音波を送信した素子を中心にリング円周の一半側に位置する素子に対応する差分波形を前記後方散乱波成分に分類し、リング円周の他半側に位置する素子に対応する差分波形を前記前方散乱波成分に分類することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断システム。
  4. 前記計算部は、超音波を送信した送信素子毎の音速分布像及び散乱体分布像を計算し、
    前記送信素子毎の音速分布像の加算、及び前記送信素子毎の散乱体分布像の加算を行う画像作成部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波診断システム。
  5. 前記画像作成部は、前記音速分布像と前記散乱体分布像とから密度分布像を作成することを特徴とする請求項4に記載の超音波診断システム。
  6. 前記音速分布像の計算は前記前方散乱波成分の差分波形の逆伝搬を含み、前記散乱体分布像の計算は前記後方散乱波成分の差分波形の逆伝搬を含むことを特徴とする請求項2、及び請求項2を引用する請求項3乃至5のいずれかに記載の超音波診断システム。
  7. 前記散乱体分布像を用いて前記推定した音速分布を更新し、更新後の音速分布を用いて、前記差分波形の計算と、前記音速分布像の計算又は前記散乱体分布像の計算とを行うことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の超音波診断システム。
  8. 前記複数の素子はリング状に配置されており、
    リング円周上の一部の素子からの前記差分波形の逆伝搬により散乱体分布像を再構成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断システム。
  9. 被検体の周囲に配置された複数の素子のいずれか1つから超音波を送信し、前記複数の素子の少なくとも一部で散乱波を受信する処理を行う工程と、
    前記散乱波を受信した素子から得たデータである測定データを収集する工程と、
    前記実測定データを用いて前記被検体の音速分布を推定する工程と、
    推定した音速分布を有する領域を超音波が伝搬して各素子で受信される仮想測定データを計算する工程と、
    前記実測定データと前記仮想測定データとの差分波形を計算する工程と、
    前記差分波形から音速分布像の計算に用いる成分又は散乱体分布像の計算に用いる成分を取得する工程と、
    前記音速分布像の計算に用いる成分の差分波形を用いて音速分布像を計算する工程と、
    前記散乱体分布像の計算に用いる成分の差分波形を用いて散乱体分布像を計算する工程と、
    を備える画像生成方法。
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