JPWO2007148735A1 - 超音波画像作成装置、超音波画像作成方法、超音波画像作成プログラム - Google Patents
超音波画像作成装置、超音波画像作成方法、超音波画像作成プログラム Download PDFInfo
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Abstract
より精度が高く、より客観的な評価が可能な超音波画像作成装置、超音波画像作成方法、超音波画像作成プログラムを提供する。生体内臓器に放射された超音波の反射波を受信する探触子と、探触子が受信した反射波に基づき第一の信号データを作成する受信部と、第一の信号データに基づき第一の画像データを作成する画像データ作成部と、第一の画像データと、第一の画像データとは別の第二の画像データとを合成して合成データを作成する合成部と、合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、解析部が作成した複数の成分データの少なくともいずれかを表示する表示部と、を有する超音波画像作成装置とする。【選択図】図1
Description
本発明は、超音波画像作成装置、超音波画像作成方法及び超音波画像作成プログラムに関し、特に、生体内臓器に超音波を照射し、この反射波に基づき超音波画像を得る装置、方法及びそれを実現するために用いられるプログラムに関する。
被験者の生体内臓器の病変を抽出する超音波画像作成装置は様々な部位の生体内臓器の病変の診断に用いられている。このような超音波画像作成装置を用いた診断(以下「超音波画像診断」という。)は、例えば、肝硬変の診断等に有用である。なおここで「肝硬変」とは性肝疾患が進行して肝細胞が死滅、置換して線維状組織となり、肝機能が減衰する肝臓病の一つである。その初期においてはあまり自覚症状がなく、肝臓の線維化が進行して代償期を過ぎると合併症により様々な症状を呈するようになる。従って、肝硬変、更には生体内臓器の病変の診断に際しては早期診断、早期発見が重要なものとなっている。
しかしながら、超音波画像診断においては、得られた画像に対し医師が専ら主観的に病気進行度を判断しており、たとえ血液検査や生検診断を併用したとしても十分ではない場合がある。従って、より定量的な判断が可能な超音波画像診断方法、超音波画像診断装置が望まれている。
公知の超音波画像作成装置の例として、例えば下記特許文献1には、断層像内の局所的な一部に解析領域を設定する手段と、解析領域に相当する被検体部位に超音波パルスを定量解析用の送信条件に従って送信し且つその送信に伴って被検体部位から発生するエコー信号を受信する手段と、エコー信号に基づき組織性状を、最小二乗法等を用いて定量解析する手段と、を備える超音波画像作成装置が提案されている。また、スペックルパターンの統計的性質を利用して画像の平滑化を行い、微小構造物を抽出することで、肝硬変の進行度をはじめ、均質な組織構造の中にある微小な異常病変を観察することが可能な解析アルゴリズムを具備した超音波画像診断装置、即ち、被検体に超音波パルスを照射することにより断層像を得る超音波画像診断装置において、前記被検体部位Pから発生するエコー信号の強度あるいは振幅情報の統計的性質を用いて特定の信号を抽出する解析演算手段と、該解析演算手段より抽出した結果を表示する表示手段を備えたことを特徴とする超音波画像診断装置が提案されている。
また、下記特許文献2には、正常肝、慢性肝炎、肝硬変の病態を数値的に診断結果として出力する非侵襲性の超音波画像診断方法であって、超音波肝画像の注目領域内の画像について各ピクセルの階調値を抽出し、肝表面端側から隣り合う2ピクセル間の階調差を算出し、その絶対値を肝表面側から順に加算し、累計結果を直線近似して傾きを求め、この値を内部評価値とし、予め得てある正常肝等を示す超音波肝画像における傾きと比較する。また同画像の肝辺縁に沿う方向で所要数のピクセルを有しかつ上記同肝画像における肝臓の表裏面が収まる範囲領域を注目領域とし、この領域全体にメディアンフィルタを掛け、ヒストグラム伸張化を施した後、二値化処理、細線化を行い、肝辺縁の輪郭を特徴抽出して二次曲線近似を行い、近似の二次の係数を辺縁評価値とし、予め得てある正常肝等に係る肝画像の二次の係数と比較し、定量的に肝組織性状を診断する超音波画像診断装置が提案されている。
また、下記特許文献3には、肝臓の辺縁の退縮の程度を定量化するため、超音波探触子より肝臓に対し超音波を送受し、受信波に基づき超音波断層画像を得て、肝辺縁付近に関心領域を設定し(関心領域設定部)、この領域内の最長のエッジを肝臓の輪郭線とする(輪郭線検出部)。輪郭線から、肝辺縁を構成する2辺と推定される2直線を求める。この2直線と輪郭線に囲まれた部分を退縮により鈍化した部分とし、この部分の面積を算出する超音波画像診断装置が提案されている。
特開2001−238884号公報
特開2006−046527号公報
特開2005−319081号公報
しかしながら、上記公知の超音波画像診断装置では、いずれも処理対象を局所領域に限定していることから、精度において課題を有しており、より精度が高く、より客観的な評価を行うには未だ課題があるといえる
そこで、本発明は上記課題を解決し、より精度が高く、より客観的な評価が可能な超音波画像作成装置、超音波画像作成方法、超音波画像作成プログラムを提供することを目的とする。
即ち、本発明の一手段としての超音波画像作成装置は、生体内臓器に放射された超音波の反射波を受信する探触子と、探触子が受信した反射波に基づき第一の信号データを作成する受信部と、第一の信号データに基づき第一の画像データを作成する画像データ作成部と、第一の画像データと、第一の画像データとは別の第二の画像データとを合成して合成データを作成する合成部と、合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、を有する。
またこの手段において、限定されるわけではないが、解析部が作成した複数の成分データの少なくともいずれかを表示する表示部を有することも好ましい。
またこの手段における解析部は、限定されるわけではないが、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、第二の成分データに負の成分が含まれる場合、第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成することも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づき作成されたものであることも好ましい。ここで「正常な生体内臓器」とは、疾病または事故などによる組織構造変化を有さない臓器をいう。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、正常な生体内臓器を模してコンピュータ内で計算により得られる反射波に基づき作成されたものであることも好ましい。なお、実際の診断装置で収集した画像でなくても、画像全面がスペックルパターンになっているものでかまわない。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、レイリー分布に近似できる成分からなることも好ましい。ここでレイリー分布に近似できる成分とは、微小かつ密に散乱体の存在する構造なる媒質に、音波を照射して得られるエコー信号の振幅確率密度分布を算出した場合に得られる成分をいう。
また、本発明の他の一手段としての超音波画像作成装置は、生体内臓器に放射された超音波の反射波を受信する探触子と、探触子が受信した反射波に基づき第一の信号データを作成する受信部と、第一の信号データと、第一の信号データとは別の第二の信号データとを合成して合成データを作成する合成部と、合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、を有する。
また、この手段において、限定されるわけではないが、解析部が作成した複数の成分データの少なくともいずれかを表示する表示部を有することも好ましい。
また、この手段において、限定されるわけではないが、解析部は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、第二の成分データに負の成分が含まれる場合、第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成することも好ましい。
また、この手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づき作成されたものであることも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、正常な生体内臓器を模してコンピュータ内で計算により得られる反射波に基づき作成されたものであることも好ましい。
また、この手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、レイリー分布に近似できる成分からなることも好ましい。
また、本発明の他の一手段に係る超音波画像作成方法は、生体内臓器に超音波を放射し、その反射波を受信し、受信した反射波に基づき第一の信号データを作成し、第一の信号データに基づき第一の画像データを作成し、第一の画像データと、第一の画像データとは別の第二の画像データを合成して合成データを作成し、合成データに対して独立成分分析を行い複数の成分データを作成し、作成した前記複数の成分データの少なくともいずれかを表示する。
またこの手段において、限定されるわけではないが、独立成分分析は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、第二の成分データに負の成分が含まれる場合、第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成することが好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものであることも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、レイリー分布に近似できる成分からなることも好ましい。
また、本発明の他の一手段に係る超音波画像作成方法は、生体内臓器に超音波を放射し、その反射波を受信し、受信した反射波に基づき第一の信号データを作成し、第一の信号データと、前記第一の信号データとは別の第二の信号データを合成して合成データを作成し、合成データに対して独立成分分析を行い複数の成分データを作成し、作成した複数の成分データから画像データを作成し、その画像データを表示する。
またこの手段において、限定されるわけではないが、独立成分分析は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、第二の成分データに負の成分が含まれる場合、第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成することも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものであることも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、レイリー分布に近似できる成分からなることも好ましい。
また、本発明の他の一手段に係る画像処理作成プログラムは、コンピュータに、生体内臓器に放射された超音波の反射波に基づき作成された第一の画像データと、第一の画像データとは別の第二の画像データと、を合成して合成データを作成する合成部と、合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、して機能させる。
また、この手段において、限定されるわけではないが、解析部が作成した複数の成分データの少なくともいずれかを表示する表示部と、しても機能させることは好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、解析部は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、第二の成分データに負の成分が含まれる場合、第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する機能も有することが好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものであることも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、正常な生体内臓器を模してコンピュータ内で計算により得られる反射波に基づき作成されたものであることも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の画像データは、レイリー分布に近似できる成分からなることも好ましい。
また、本発明の他の一手段に係る超音波画像作成プログラムは、コンピュータに、生体内臓器に放射された超音波の反射波に基づき作成された第一の信号データと、第一の信号データとは別の第二の信号データと、を合成して合成データを作成する合成部と、合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、解析部が作成した前記複数の成分データの少なくともいずれかを表示する表示部と、して機能させる。
またこの手段において、限定されるわけではないが、解析部は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、第二の成分データに負の成分が含まれる場合、第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する機能も有することも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものであることも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、正常な生体内臓器を模してコンピュータ内で計算により得られる反射波に基づき作成されたものであることも好ましい。
またこの手段において、限定されるわけではないが、第二の信号データは、レイリー分布に近似できる成分からなることも好ましい。
本発明によると、より精度が高く、より客観的な評価が可能な超音波画像作成装置、超音波画像作成方法、超音波画像作成プログラムとなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書においては同一又は同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る超音波画像作成装置の機能ブロックを示す図である。図1で示すとおり、本実施形態に係る超音波画像作成装置は、送信部1、探触子2、受信部3、画像データ作成部4、合成部5、解析部6、表示部7、を少なくとも有して構成されている。
図1は、本実施形態に係る超音波画像作成装置の機能ブロックを示す図である。図1で示すとおり、本実施形態に係る超音波画像作成装置は、送信部1、探触子2、受信部3、画像データ作成部4、合成部5、解析部6、表示部7、を少なくとも有して構成されている。
送信部1、探触子2、受信部3は、これらの組み合わせにより、少なくとも、超音波を生体内臓器に放射し、その反射波を受信し、信号データを作成することができるものである。ここで「信号データ」とは、探触子2において受信した波形信号データを時系列的に連続して配置した1次元のデータを意味する。また本実施形態において、信号データについては上記である限り限定されることなく種々の信号データを採用することができるが、RF信号データ及びこれを加工した信号データを好ましく用いることができる。また超音波画像作成の対象となる「生体内臓器」としては、限定されることなく種々の臓器が該当するが、例えば肝臓、膵臓、腎臓、心臓、乳房などが挙げられる。送信部1は、生体内臓器に超音波を放射させるための信号を探触子2に出力することができるものであり、受信部3は、探触子が受信した反射波に基づき信号データ(以下「第一の信号データ」という。)の作成及び記憶を行うことができるものである。探触子2は、生体内臓器に超音波を放射し、その反射波を受信することができる装置である。なお、送信部1、探触子2、受信部3の各構成は周知の装置を採用することができ、特に限定はされない。なお、受信部3により作成される信号データは、後述する合成部5により他のデータと合成されるため、測定対象となる生体内臓器の第一の信号データの作成とは別に、病変の程度は別ではあるが同種の生体内臓器の信号データ(以下「第二の信号データ」という。)も作成及び記憶しておく。なお、この第二の信号データについては、限定されるわけではないが、病変部を含まない正常な状態の生体内臓器の信号データであればレイリー成分のみを含むものであるため診断精度の観点からより好ましい。
画像データ作成部4は、受信部3から出力される信号データに基づき2次元の画像データを作成する機能を有する部である。より具体的には、受信部3から出力された第一の信号データは、この部により画像データに変換される(以下これを「第一の画像データ」という。)なおここで「画像データ」とは、1次元の信号データを2次元のデータとして再配置処理を施したものを意味し、更にこの再配置処理に対数圧縮や輝度変調などの処理を施したものも含む。「画像データ」としては、後述する解析部における解析が可能な限り様々な画像データを用いることができるが、超音波画像診断において一般的であるBモード画像データとしておくことがデータ処理の観点から好ましい。なお、後述する合成部4では、複数の画像データを合成するため、画像データ作成部4は、上記第二の信号データに基づき第二の画像データを作成しておく。なお画像データ作成部4は、この機能を奏する限りにおいて構成は限定されないが、例えば、コンピュータにおけるハードディスク等の記録媒体に格納されたプログラム(プログラムの一部である場合を含む。)を実行することで実現可能である。なお、画像データ作成部4は、上記受信部3において測定された第二の信号データに基づき第二の画像データも作成することができる。
合成部5は、第一の画像データと、第二の画像データとを合成して合成データを作成する機能を有する部であって、この機能を奏する限りにおいて構成は限定されないが、例えば、コンピュータにおけるハードディスク等の記録媒体に格納されたプログラム(プログラムの一部である場合を含む。)を実行することで実現可能である。ここで「合成」とは、複数の2次元の画像データにおけるデータ配列を再配置処理し、1次元のデータとすることを意味する。この再配置の処理は、後述する解析部5による独立成分分析の種類により適宜調整が可能であり、限定されるものではない。
解析部6は、合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する。ここで独立成分分析(Independent Component Analysis:ICA)とは、複数の互いに独立な信号源の信号が線形に混合された観測信号を元の独立した信号に分離抽出する手法をいう。この結果、まず、正の成分のみを含む成分データ(以下「第一の成分データ」という。)、正の成分及び負の成分を含む成分データ(以下「第二の成分データ」という。)を作成する。ここで「成分データ」とは、独立成分分析の結果えられた2次元のデータを意味する。
また、本実施形態に係る解析部6は、得られた第二の成分データから更に負の成分のみを取り出して成分データ(以下「第三の成分データ」という。)を作成する。なお、この負の成分の抽出は、0をしきい値として用いて分離することで容易に実行できる(0の成分を有するデータ成分については第二の成分データに含ませても良いし、第三の成分データに含ませても良い。)。なお、合成部5及び解析部6におけるフローを図2に示しておく。なお解析部6は、上記機能を奏する限りにおいて構成は限定されないが、例えば、コンピュータにおけるハードディスク等の記録媒体に格納されたプログラム(プログラムの一部である場合を含む。)を実行することで実現可能である。
本発明者らは、正常な生体内臓器から得られる信号データに基づき2次元画像データを得ると、その2次元画像データ中にスペックルと呼ばれるパターン(以下「スペックルパターン」という。)が存在し、そのスペックルパターンはレイリー分布に近似でき、しかも生体内臓器の組織とは無関係に独立した信号成分である点に着目した。一方、病変した生体内臓器から得られる信号データに基づき得られる2次元画像データにおいてはスペックルパターンが減少しレイリー分布から遠ざかる傾向がある点にも着目した。そこで、本実施形態に係る超音波画像作成装置は、独立成分分析を行いレイリー分布に従う成分(以下「レイリー成分」という。)とレイリー分布に従わない成分(以下「非レイリー成分」という。)に分離することで、病変した生体内臓器の組織をより定量的に抽出することができる点に相当した。特に、本実施形態に係る超音波画像作成装置においては、測定対象となる病変部位を有する生体内臓器の組織に基づく第一の画像データと、正常な生体内臓器の組織に基づく第二の画像データを合成しているため、第一の画像データにおけるレイリー成分と第二の画像データにおけるレイリー成分から再構築された新規のレイリー成分データ(以下「第一の成分データ」という。)と、第一の成分データと独立であると判定された新規のレイリー成分及び非レイリー成分とが含まれた成分データ(以下「第二の成分データ」という。)に分けることができ、更に、第二の成分のデータから、負の成分のみ(若しくは0以下の成分のみ)のデータ成分を抽出し、成分データ(以下「第三の成分データ」という。)とすることで病変部位を極めて精度よく抽出できるようになる。
なお、第三の成分データは、そのままでは画像データとして使用することが難しいため、除外された部分(正の成分の部分)については所定のデータ成分(たとえば0)を補充し、負の成分については正に変換させる等し、2次元の画像データ(以下「第三の画像データ」という。)に変換した後、表示部6に出力させることが好ましい。なおこの機能については画像データ作成部で行ってもよいし、解析部6にて行うことも可能である。なお、図3に、解析部5による独立成分分析の概念を示しておく。また、図4に、この独立成分分析による結果を画像化した場合の概念を示しておく。なお図4中、左上図は実際の生体内臓器の組織図であり、超音波画像作成装置により得られるものではないが、右上の第三の画像データの結果と高い対応関係を有している(下図参照)ことが見てとれる。
表示部6は、解析部5等で処理された結果のデータの入力を受付け、表示するものである。構成としては限定されることはないが、例えば液晶モニタ等のディスプレイ装置を好適に用いることができる。
以上、本実施形態に係る超音波画像作成装置によると、より精度が高く、より客観的な評価が可能な超音波画像作成装置、超音波画像作成方法、超音波画像作成プログラムを提供することができる。特に本超音波画像作成装置では、受信した信号データを収集するアルゴリズムと生体構造との関係に着目し、画像全体を覆いつくすように発生しているノイズであるスペックルパターンを広範囲で分離するので、局所的な結果のブレを有しないという利点も有している。
なお、本実施形態においては、本発明の効果をより明確に説明するため病変した部位を有する内臓器に対しての処理を前提に説明しているが、測定対象となる内臓器の病変の具合によって独立成分分析の結果に負のデータが生じない場合もある。すなわち負のデータがない又は少ない場合には正常な内臓器であると判断する判断部を設けておくことは好ましい態様である。なお、正常な内臓器であるとする判断としては、限定されるわけではないが、微小かつ蜜に散乱体の存在する構造なる2つの異なる媒質モデルにおいて、音波を照射して得られるエコー信号を第一および第二の信号データとして入力した場合における負のデータの発生度を基準とすることが好ましい。ここで媒質モデルとは、計算機上におけるシミュレーションまたは生体組織に音響特性を合わせて作成する擬似生体試料であり、検査実施時に用いる周波数等のパラメータを合わせてエコー信号を収集することで、正常な内臓器であるかの判断条件を決定することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、信号データから画像データを作成し、更にこれを複数合成して解析処理を行っているが、独立成分分析においては2次元の画像データに限られず、信号データをそのまま合成し、独立成分分析を行うことが可能である。図5に本実施形態に係る超音波画像作成装置の機能ブロック図を示しておく。
本実施形態は、信号データから画像データを作成し、更にこれを複数合成して解析処理を行っているが、独立成分分析においては2次元の画像データに限られず、信号データをそのまま合成し、独立成分分析を行うことが可能である。図5に本実施形態に係る超音波画像作成装置の機能ブロック図を示しておく。
本実施形態においては、合成部5により作成される合成データは実施形態1でいう第一の信号データと第二の信号データとが合成されたものである点が異なるが、病変した生体内臓器の組織とレイリー分布との関係は同じであるため、同様に解析を行うことができる。なお、この場合において、実施形態1にいう画像データ作成部4は存在しなくても良いことになるが、第三の成分データを表示部7に表示させる際に診断を行う者に把握やすくするために、第一の画像データを作成し、第三の成分データとともに表示させる方法も可能であるため、設けても差し支えない。
本発明は、超音波画像診断において用いることができる超音波画像作成装置、超音波画像作成方法、超音波画像作成プログラムとして、産業上の利用可能性がある。
1…送信部、2…探触子、3…受信部、4…画像データ生成部、5…合成部、6…解析部、7…表示部
Claims (27)
- 生体内臓器に放射された超音波の反射波を受信する探触子と、
前記探触子が受信した反射波に基づき第一の信号データを作成する受信部と、
前記第一の信号データに基づき第一の画像データを作成する画像データ作成部と、
前記第一の画像データと、前記第一の画像データとは別の第二の画像データとを合成して合成データを作成する合成部と、
前記合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、を有する超音波画像作成装置。 - 前記複数の成分データより作成された画像を表示する表示部と、を有する請求項1記載の超音波画像作成装置。
- 前記解析部は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、前記第二の成分データに負の成分が含まれる場合、前記第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する請求項1または請求項2記載の超音波画像作成装置。
- 前記第二の画像データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づき作成されたものである請求項1または請求項2記載の超音波画像作成装置。
- 前記第二の画像データは、レイリー分布に近似できる成分からなる請求項1または請求項2記載の超音波画像作成装置。
- 生体内臓器に放射された超音波の反射波を受信する探触子と、
前記探触子が受信した反射波に基づき第一の信号データを作成する受信部と、
前記第一の信号データと、前記第一の信号データとは別の第二の信号データとを合成して合成データを作成する合成部と、
前記合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、を有する超音波画像作成装置。 - 更に前記解析部が作成した前記複数の成分データより作成された画像を表示する表示部と、を有する超音波画像作成装置。
- 前記解析部は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、前記第二の成分データに負の成分が含まれる場合、前記第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する請求項6または請求項7記載の超音波画像作成方法。
- 前記第二の信号データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づき作成されたものである請求項6または請求項7記載の超音波画像作成装置。
- 前記第二の信号データは、レイリー分布に近似できる成分からなる請求項6または請求項7記載の超音波画像作成装置。
- 生体内臓器に超音波を放射し、その反射波を受信し、
受信した前記反射波に基づき第一の信号データを作成し、
前記第一の信号データに基づき第一の画像データを作成し、
前記第一の画像データと、前記第一の画像データとは別の第二の画像データを合成して合成データを作成し、前記合成データに対して独立成分分析を行い複数の成分データを作成し、作成した前記複数の成分データより作成された画像を表示する、超音波画像作成方法。 - 更に前記独立成分分析は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、前記第二の成分データに負の成分が含まれる場合、前記第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する請求項11記載の超音波画像作成方法。
- 前記第二の画像データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものである請求項11記載の超音波画像作成方法。
- 前記第二の画像データは、レイリー分布に近似できる成分からなる請求項11または請求項12記載の超音波画像作成方法。
- 生体内臓器に超音波を放射し、その反射波を受信し、
受信した前記反射波に基づき第一の信号データを作成し、
前記第一の信号データと、前記第一の信号データとは別の第二の信号データを合成して合成データを作成し、
前記合成データに対して独立成分分析を行い複数の成分データを作成し、
作成した前記複数の成分データより作成された画像を表示する、超音波画像作成方法。 - 更に前記独立成分分析は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、更に、前記第二の成分データに負の成分が含まれる場合、前記第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する請求項15記載の超音波画像作成方法。
- 前記第二の信号データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものである請求項15または請求項16記載の超音波画像作成方法。
- 前記第二の信号データは、レイリー分布に近似できる成分からなる請求項15または請求項16記載の超音波画像作成方法。
- コンピュータに、
生体内臓器に放射された超音波の反射波に基づき作成された第一の画像データと、前記第一の画像データとは別の第二の画像データと、を合成して合成データを作成する合成部と、前記合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、を有する超音波画像作成プログラム。 - 更に前記解析部が作成した前記複数の成分データより作成された画像を表示する表示部と、して機能させる超音波画像作成プログラム。
- 前記解析部は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、前記第二の成分データに負の成分が含まれる場合、前記第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する機能も有する請求項19または請求項20記載の超音波画像作成プログラム。
- 前記第二の画像データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものである請求項19または請求項20記載の超音波画像作成プログラム。
- 前記第二の画像データは、レイリー分布に近似できる成分からなる請求項19または請求項20記載の超音波画像作成プログラム。
- コンピュータに、
生体内臓器に放射された超音波の反射波に基づき作成された第一の信号データと、前記第一の信号データとは別の第二の信号データと、を合成して合成データを作成する合成部と、
前記合成データに対して独立成分分析を行い、複数の成分データを作成する解析部と、
前記解析部が作成した前記複数の成分データの少なくともいずれかを表示する表示部と、して機能させる超音波画像作成プログラム。 - 前記解析部は、正の成分のみを含む第一の成分データと、正の成分及び負の成分の少なくともいずれかを含む第二の成分データを作成し、前記第二の成分データに負の成分が含まれる場合、前記第二の成分データに基づき負の成分のみからなる第三の成分データを作成する機能も有する請求項24記載の超音波画像作成プログラム。
- 前記第二の信号データは、正常な生体内臓器に超音波を照射して得られる反射波に基づいて作成されたものである請求項24記載の超音波画像作成プログラム。
- 前記第二の信号データは、レイリー分布に近似できる成分からなる請求項24記載の超音波画像作成プログラム。
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