JP2010038743A - 電子コンパス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】携帯端末2の操作面20に垂直な方向を向くZ軸と、携帯端末2の横幅方向を向くX軸と、上記X軸とZ軸との双方に直交するY軸との3軸方向における、地磁気ベクトルMの各成分を検出する3軸磁気センサ21を備える。また、上記3軸方向における、重力加速度ベクトルGの各成分を検出する3軸加速度センサ22を備える。さらに、携帯端末2が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段5を備える。方位算出手段5は、X軸に平行で操作面20の左側から右側へ向かう右向X軸ベクトルを地球座標系の水平面6に投影し、さらに地球座標系の鉛直線を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転させた回転投影ベクトル4が向く方向を上記測定方位として算出する。
【選択図】図2
Description
この電子コンパスは、図9(A)に示すごとく、携帯端末91に磁気センサ92と加速度センサ93とが設けられている。磁気センサ92は、携帯端末91に固定されたX軸、Y軸、Z軸の3軸方向における地磁気ベクトルMの各成分を検出する。ここでX軸は、携帯端末91の幅方向を向く軸であり、Y軸は携帯端末91の長手方向を向く軸である。また、Z軸は携帯端末91の操作面94に垂直な軸である。
同様に、加速度センサ93は上記3軸方向における、重力加速度ベクトルGの各成分を検出する。
すなわち図10(A)に示すごとく、ピッチ角θが90°以上となった場合、投影ベクトルey1がXY面に関して図9(A)の反対側に現れる。上述したように、この投影ベクトルey1の方向を携帯端末91が向く方位としているため、携帯端末91が反対方向を向いていると誤って算出される。例えば図9(B)では携帯端末91は北西を向いていると表示されているが、ピッチ角θが90°を超えると反転し、図10(B)に示すごとく南東を向いていると表示される。
上記3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する3軸加速度センサと、
上記地磁気ベクトルと上記重力加速度ベクトルとに基づいて定められる地球座標系と、上記携帯端末に固定された上記X軸と上記Y軸と上記Z軸とからなる携帯座標系との関係に基づいて、上記携帯端末が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段と、
該方位算出手段により算出された上記測定方位を出力する出力手段と、
を備え、上記方位算出手段は、上記X軸に平行で上記操作面の左側から右側へ向かう右向X軸ベクトルを上記地球座標系の水平面に投影し、さらに上記地球座標系の鉛直線を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転させた回転投影ベクトルが向く方向を上記測定方位として算出することを特徴とする電子コンパスにある(請求項1)。
本発明の電子コンパスは、回転投影ベクトルが向く方向を測定方位(携帯端末が向く方位)として算出する。
これにより、携帯端末をX軸まわりに回転して保持し、ピッチ角θが90°を超えた場合でも、測定方位が反転しなくなる。すなわち、本発明では右向X軸ベクトルを水平面に投影して投影ベクトルとし、鉛直軸を中心に投影ベクトルを下向き矢視にて反時計回りに90°回転することにより、回転投影ベクトルとしている。右向X軸ベクトルはX軸に平行であるため、携帯端末をX軸まわりに何度回転しても、右向X軸ベクトルの向きは変わらず、投影ベクトルの向きも変わらない。
そのため、この投影ベクトルを反時計回りに90°回転して求められる上記回転投影ベクトルも、携帯端末をX軸まわりに何度回転しても向きは変わらない。
本発明(請求項1)において、上記方位算出手段は、上記3軸磁気センサにより検出された上記地磁気ベクトル(Mx,My,Mz)と、上記3軸加速度センサにより検出された上記重力加速度ベクトル(Gx,Gy,Gz)とから、上記地球座標系における北を向く北向ベクトルと、上記回転投影ベクトルとがなす角度ηを、下記数式2
この場合には、携帯端末が向く方位(測定方位)を確実に定めることができる。
この場合には、測定方位が表示装置に表示されるため、ユーザが測定方位を視認できる。
この場合には、3軸磁気センサおよび3軸加速度センサからの出力情報のうち高周波数成分をカットすることができるため、地磁気および重力加速度に対する磁気および加速度のノイズを除去しやすくなる。これにより、例えば携帯端末を振ったため重力加速度情報が瞬間的に変化した場合や、携帯端末の近辺を磁石が通過したため地磁気情報が瞬間的に変化した場合でも、安定して携帯端末の向く方位を算出することができる。
本発明の実施例にかかる電子コンパスにつき、図1〜図6を用いて説明する。
本例の電子コンパス1は、図1に示すごとく、携帯端末2の操作面20に垂直な方向を向くZ軸と、携帯端末2の横幅方向を向くX軸と、X軸とZ軸との双方に直交するY軸との3軸方向における、地磁気ベクトルMの各成分を検出する3軸磁気センサ21が、携帯端末2に設けられている。また、上記3軸方向における、重力加速度ベクトルGの各成分を検出する3軸加速度センサ22が携帯端末2に設けられている。
また、地磁気ベクトルMと重力加速度ベクトルGとに基づいて定められる地球座標系と、携帯端末2に固定されたX軸とY軸とZ軸とからなる携帯座標系との関係に基づいて、携帯端末2が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段5(マイコン24)を備える。
換言すると、方位算出手段5は、YZ面と水平面6との交線Lに平行で互いに反対方向を向く2個のベクトル3、4’のうち、右向X軸ベクトルexを水平面6に投影し、地球座標系の鉛直線Z’を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転した回転投影ベクトル4と一致する方(ベクトル4’)を選択し、このベクトル4’の方向を上記測定方位として算出している。
3軸磁気センサ21は、磁石等により発生した磁気と、地磁気を検出することができる。磁石等によって生じる磁気が無い状況では地磁気を検知することができる。3軸磁気センサ21は3個のセンサから構成されており、これら3個のセンサにより地磁気ベクトルMのX軸成分Mx、Y軸成分My、Z軸成分Mzを検出する。これらのベクトル成分により、下記数式4に示すごとく、地磁気ベクトルMが定まる。
一方、3軸加速度センサ22は、該3軸加速度センサ22を動かした時に生じる運動加速度や重力加速度を検知することができる。運動加速度が生じない静止状態では重力加速度を検知することができる。3軸加速度センサ22は重力加速度ベクトルGのX軸成分Gx、Y軸成分Gy、Z軸成分Gzを検出する。これらのベクトル成分により、下記数式4に示すごとく、重力加速度ベクトルGが定まる。
この回転行列Rは、Z軸回りの回転行列Η、Y軸回りの回転行列Φ、X軸回りの回転行列Θ、の順に掛けている。この順番が重要で、後述するように、これ以外の順番で掛けると、本発明の効果を得られない。
ここで高周波数成分とは、例えば携帯端末2を持つ手が震えることにより3軸加速度センサ22から出力される、重力加速度情報に対するノイズ成分や、または携帯端末2に磁石等が一時的に接近することにより3軸磁気センサ21から瞬間的に出力される、地磁気成分情報に対するノイズ成分である。また、本例のローパスフィルタ30は、CPU25により処理されるデジタルローパスフィルタである。
次に、算出したヨー角ηを使って、携帯端末2が向く方位を表示装置23に表示する(ステップS4)。その後ステップS5に移り、プログラム26pを終了するか否かを判断する。プログラム26pを終了する操作がユーザにより行われた場合はYesと判断して終了する。終了操作が行われていない場合はNoと判断し、ステップS1に戻って再び地磁気ベクトル情報70及び重力加速度ベクトル情報71を計測する。
本例の電子コンパス1は図2、図3に示すごとく、回転投影ベクトル4が向く方向を測定方位(携帯端末2の向く方位)として算出する。
これにより、図3に示すごとく、携帯端末2をX軸まわりに回転して保持し、ピッチ角θが90°を超えた場合でも、測定方位が反転しなくなる。すなわち、本例では右向X軸ベクトルexを水平面6に投影して投影ベクトル40とし、鉛直軸Z’を中心に投影ベクトル3を下向き矢視にて反時計回りに90°回転することにより、回転投影ベクトル4としている。右向X軸ベクトルexはX軸に平行であるため、携帯端末2をX軸まわりに何度回転しても、右向X軸ベクトルexの向きは変わらず、投影ベクトル40の向きも変わらない。
そのため、この投影ベクトル40を反時計回りに90°回転して求められる上記回転投影ベクトル4も、携帯端末2をX軸まわりに何度回転しても向きは変わらない。
実施例1の電子コンパス1の効果を確認した。上記数式2を使ってヨー角ηを算出し、回転投影ベクトル4が向く方向、すなわち携帯端末2の方位を求めるプログラム26pをマイコン24のROM26に書き込み、このマイコン24を3軸磁気センサ21および3軸加速度センサ22と接続して携帯端末2に搭載した。これを本発明の電子コンパス1に係るサンプルとし、携帯端末2のピッチ角θを0°、30°、45°、60°、90°に各々傾斜した状態で測定方位を算出した。そして正確な方位との誤差と求めた。この実験を、センサの個体を変えて4回行い、ピッチ角θと方位誤差との関係をグラフにした。また、方位誤差の平均値、標準偏差、最大値、最小値を求めて表にした。得られた結果を図7に示す。
このように、0°<θ<90°の範囲で測定方位の誤差が殆ど一定になり、θ=90°付近でも方位を正確に測定できることが分かる。
このように、0°<θ<60°までは方位誤差が一定だが、θ=90°で誤差が増大し、平均して52.5°にもなることが分かる。また、θ=90°では標準偏差も大きく、方位が測定不能になっていることがわかる。
2 携帯端末
21 3軸磁気センサ
22 3軸加速度センサ
23 出力手段(表示装置)
4 回転投影ベクトル
40 投影ベクトル
5 方位算出手段
6 水平面
M 地磁気ベクトル
G 重力加速度ベクトル
ex 右向X軸ベクトル
ey’ 北向ベクトル
Claims (4)
- 携帯端末に設けられ、該携帯端末の操作面に垂直な方向を向くZ軸と、上記携帯端末の横幅方向を向くX軸と、該X軸と上記Z軸との双方に直交するY軸との3軸方向における、地磁気ベクトルの各成分を検出する3軸磁気センサと、
上記3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する3軸加速度センサと、
上記地磁気ベクトルと上記重力加速度ベクトルとに基づいて定められる地球座標系と、上記携帯端末に固定された上記X軸と上記Y軸と上記Z軸とからなる携帯座標系との関係に基づいて、上記携帯端末が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段と、
該方位算出手段により算出された上記測定方位を出力する出力手段と、
を備え、上記方位算出手段は、上記X軸に平行で上記操作面の左側から右側へ向かう右向X軸ベクトルを上記地球座標系の水平面に投影し、さらに上記地球座標系の鉛直線を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転させた回転投影ベクトルが向く方向を上記測定方位として算出することを特徴とする電子コンパス。 - 請求項1または請求項2において、上記出力手段は、上記携帯端末の操作面に設けた表示装置からなり、上記方位算出手段によって求められた上記測定方位を上記表示装置に表示するよう構成されていることを特徴とする電子コンパス。
- 請求項1〜請求項3において、上記3軸磁気センサから連続的に出力される地磁気ベクトル情報と、上記3軸加速度センサから連続的に出力される重力加速度ベクトル情報とのうち、予め定められた周波数よりも高い高周波数成分を除去するローパスフィルタを備え、上記方位算出手段は、上記地磁気ベクトル情報と上記重力加速度ベクトル情報とのうち上記ローパスフィルタを通過した低周波数成分のみを用いて上記測定方位を算出することを特徴とする電子コンパス。
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