JP2010038737A - 乳量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 乳量測定の誤差要因となる泡の発生や液面の波立ちを低減し、泡や波の影響を可及的に回避して乳量測定精度を高める。
【解決手段】 送乳ラインLmの中途に接続し、流入する乳Mを一時的に貯留可能な計量容器部2の内部に配し、かつ貯留される乳Mの低位置の液面Mdを検知する低位置電極部3d及び高位置の液面Muを検知する高位置電極部3uを有する液面検知部3と、計量容器部2の下部に設けた流出口2deを開閉可能な弁機構部4と、弁機構部4を制御する制御系5を備える乳量計1を構成するに際して、円筒状の周面部2sを有する計量容器部2における縦方向中間部に括れ部6を形成することにより、括れ部6よりも下側に、当該括れ部6から内壁面2iに沿って流れ落ちる乳Mを放射方向に拡散させる容器下部2dを備えるとともに、容器下部2dに有する底面部2dsから低位置電極部3d及び高位置電極部3uを起設する。
【選択図】 図1
【解決手段】 送乳ラインLmの中途に接続し、流入する乳Mを一時的に貯留可能な計量容器部2の内部に配し、かつ貯留される乳Mの低位置の液面Mdを検知する低位置電極部3d及び高位置の液面Muを検知する高位置電極部3uを有する液面検知部3と、計量容器部2の下部に設けた流出口2deを開閉可能な弁機構部4と、弁機構部4を制御する制御系5を備える乳量計1を構成するに際して、円筒状の周面部2sを有する計量容器部2における縦方向中間部に括れ部6を形成することにより、括れ部6よりも下側に、当該括れ部6から内壁面2iに沿って流れ落ちる乳Mを放射方向に拡散させる容器下部2dを備えるとともに、容器下部2dに有する底面部2dsから低位置電極部3d及び高位置電極部3uを起設する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、搾乳機により搾乳した乳を送る送乳ラインの中途などに接続して乳量を測定する乳量計に関する。
従来、送乳ラインの中途に接続して乳量を測定する乳量計は知られており、この種の乳量計は、流れる乳を直接測定する非貯留タイプと、流れる乳を計量容器部に一時的に貯留して測定する貯留タイプに分類される。
非貯留タイプは、小型かつ簡易に構成できる利点を有するものの測定精度に難点があるため、高い測定精度を確保するには貯留タイプが必要となる。貯留タイプは、通常、送乳ラインの中途に接続し、流入口から流入する乳を一時的に貯留可能な計量容器部と、この計量容器部の内部に配し、かつ貯留される乳の低位置の液面を検知する低位置電極部及び貯留される乳の高位置の液面を検知する高位置電極部を有する液面検知部と、計量容器部の下部に設けた流出口を開閉可能な弁機構部と、低位置電極部の検知により流出口を閉じ、かつ高位置電極部の検知により流出口を開くように弁機構部を制御する制御系により構成されており、このような貯留タイプの乳量計としては、特許文献1で開示される乳量計(ミルクメーター)が知られている。
米国特許No.4,391,222
しかし、上述した特許文献1で開示される従来のミルクメーター(乳量計)は、次のような問題点があった。
第一に、この種の乳量計は、搾乳された乳が真空吸引により間欠的に計量容器部に流入するため、計量容器部内で大量の泡や液面の波立ちが発生しやすい問題がある。泡の発生や液面の波立ちは乳量に直接影響する誤差要因となり、如何に泡の発生や液面の波立ちを少なくするかは重要な課題となるが、従来の乳量計は、その構造から泡の発生や液面の波立ちを低減するという観点からは不十分であり、測定精度を高めるには限界があった。
第二に、計量容器部の内部において乳をできるだけスムースに流すことが、泡の発生を抑制する観点からも必要になり、従来のミルクメーターは、乳が流入した際の旋回経路の径を比較的大きくすることにより、その対策を図っている。このため、計量容器部全体の大径化を招き、乳量計の小型コンパクト化を図るには限界があった。
第三に、電極を含む計量容器部の内部におけるレイアウト構造が対称性を有していないため、乳量計を傾斜して設置した場合には発生する測定誤差が大きくなる。特に、このような構造を、携帯性(可搬性)を考慮し、任意の送乳ラインに対して着脱可能にした乳量計に適用した場合、設置状態が不安定になりやすいことから発生する測定誤差が無視できず、結局、携帯性(可搬性)の乳量計には採用が困難となる。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した乳量計の提供を目的とするものである。
本発明は、送乳ラインLmの中途に接続し、流入口2uiから流入する乳Mを一時的に貯留可能な計量容器部2と、この計量容器部2の内部に配し、かつ貯留される乳Mの低位置の液面Mdを検知する低位置電極部3d及び貯留される乳Mの高位置の液面Muを検知する高位置電極部3uを有する液面検知部3と、計量容器部2の下部に設けた流出口2deを開閉可能な弁機構部4と、低位置電極部3dの検知により流出口2deを閉じ、かつ高位置電極部3uの検知により流出口2deを開くように弁機構部4を制御する制御系5を備えてなる乳量計1を構成するに際して、円筒状の周面部2sを有する計量容器部2における縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部6を形成することにより、最下部の括れ部6よりも下側に、当該括れ部6から内壁面2iに沿って流れ落ちる乳Mを放射方向に拡散させる容器下部2dを備えるとともに、容器下部2dに有する底面部2dsから低位置電極部3d及び高位置電極部3uを起設してなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、括れ部6を水平面で切断した断面の内部面積Sxは、括れ部6以外の周面部2sを水平面で切断した断面の内部面積Ssに対して、50%以下に選定することができる。また、計量容器部2には、括れ部6よりも上側に、流入口2uiから流入する乳Mが内壁面2iに沿って漸次小径となる螺旋状に流れる容器上部2uを設けることができる。さらに、計量容器部2は、括れ部6の上方と下方に分割部Ku,Kdを設け、少なくとも上下方向に三分割した分割体2pa,2pb,2pcの組み合わせにより構成することができる。一方、容器下部2dには、底面部2dsから起立し、低位置電極部3d及び高位置電極部3uの回りを囲むとともに、下端部及び上端部に開口部11u,11dを有し、かつ上端部の開口部11uに対して乳Mの浸入を防止する上カバー部12を有する筒形の電極カバー11を設けることができる。また、低位置電極部3d及び高位置電極部3uには、棒状の電極本体部3dm,3umの外周面を電極絶縁部3dc,3ucで被覆することにより電極本体部3dm,3umの上端一部のみを露出させた先端検知部3dmp,3umpを設けることができる。さらに、容器下部2dには、流出口2deの手前であって底面部2dsよりも所定高さHs上方に配し、乳Mの流出時に、乳Mの流出量を規制することにより泡Moを優先して排出させる堰板部13を設けることができる。他方、乳量計1には、計量容器部2を着脱可能に保持し、かつ任意の設置対象部Wに着脱可能に構成したホルダー15を備えることができる。
このような構成を有する本発明に係る乳量計1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 円筒状の周面部2sを有する計量容器部2における縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部6を形成することにより、最下部の括れ部6よりも下側に、当該括れ部6から内壁面2iに沿って流れ落ちる乳Mを放射方向に拡散させる容器下部2dを備えるため、内壁面2iを流れ落ちる乳Mが貯留した乳Mの液面に到達した際は、流速及び単位内壁面当たりの流量が小さくなり、乳量測定の誤差要因となる泡の発生や液面の波立ちを大きく低減できるとともに、容器下部2dに有する底面部2dsから低位置電極部3d及び高位置電極部3uを起設させたため、低位置電極部3d及び高位置電極部3uの位置を落下時の泡が発生する内壁面2iから最も遠ざけることが可能になる。この結果、低位置電極部3d及び高位置電極部3uに対する泡や波(液面変動)の影響を可及的に回避でき、乳量測定精度を飛躍的に高めることができる。
(2) 容器下部2dに有する底面部2dsから低位置電極部3d及び高位置電極部3uを起設するため、底面部2dsの中心位置に低位置電極部3d及び高位置電極部3uを配設可能になる。したがって、乳量計1が傾斜設置された場合であっても発生する測定誤差を最小限にすることができ、特に、設置状態が不安定になりやすい携帯タイプ(可搬タイプ)の乳量計1に適用して最適となる。
(3) 好適な態様により、括れ部6を水平面で切断した断面の内部面積Sxを、括れ部6以外の周面部2sを水平面で切断した断面の内部面積Ssに対して、50%以下に選定すれば、本発明に係る乳量計1を実施するに際し、泡の発生を抑制する観点から最も望ましいパフォーマンスを得ることができる。
(4) 好適な態様により、計量容器部2に、括れ部6よりも上側に、流入口2uiから流入する乳Mが内壁面2iに沿って漸次小径となる螺旋状に流れる容器上部2uを設ければ、計量容器部2を小径化、即ち、乳量計1全体の小型コンパクト化を図りつつ、計量容器部2の内部に乳Mをスムースに流すことができるとともに、良好な気液分離(遠心分離)を行うことができる。
(5) 好適な態様により、計量容器部2を、括れ部6の上方と下方に分割部Ku,Kdを設け、少なくとも上下方向に三分割した分割体2pa,2pb,2pcの組み合わせにより構成すれば、括れ部6を形成した場合であっても、計量容器部2における製造の容易化とメンテナンス(洗浄,交換等)の容易化を図ることができる。
(6) 好適な態様により、容器下部2dに、底面部2dsから起立し、低位置電極部3d及び高位置電極部3uの回りを囲むとともに、下端部及び上端部に開口部11u,11dを有し、かつ上端部の開口部11uに対して乳Mの浸入を防止する上カバー部12を有する筒形の電極カバー11を設ければ、低位置電極部3d及び高位置電極部3uに対する泡の影響や波(液面変動)の影響を回避して乳量を正確かつ安定に測定することができる。
(7) 好適な態様により、低位置電極部3d及び高位置電極部3uに、棒状の電極本体部3dm,3umの外周面を電極絶縁部3dc,3ucで被覆することにより電極本体部3dm,3umの上端一部のみを露出させた先端検知部3dmp,3umpを設ければ、低位置電極部3d及び高位置電極部3uを容器下部2dの底面部2dsに起立して設けた場合であっても乳Mの架橋による誤検出を防止して液面に対する確実な検出を行うことができる。
(8) 好適な態様により、容器下部2dに、流出口2deの手前であって底面部2dsよりも所定高さHs上方に配し、乳Mの流出時に、乳Mの流出量を規制することにより泡Moを優先して排出させる堰板部13を設ければ、泡Moを効率的に排出することができる。
(9) 好適な態様により、乳量計1に、計量容器部2を着脱可能に保持し、かつ任意の設置対象部Wに着脱可能に構成したホルダー15を設ければ、傾斜設置した場合であっても測定誤差が発生しにくい乳量計1を様々な場所に設置することが可能となり、汎用性及び設置容易性を高めることができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る乳量計1の構成について、図1〜図9を参照して具体的に説明する。
乳量計1において、2は計量容器部である。この計量容器部2は、全体を透明又は半透明のプラスチック或いはガラス等の素材より形成し、円筒状をなす周面部2sの上端に天面部2usを有するとともに、周面部2sの下端に底面部2dsを有する。なお、底面部2dsは傾斜面である。そして、周面部2sの縦方向中間部には、括れ部6を形成する。これにより、括れ部6より下側が容器下部2dとなり、括れ部6より上側が容器上部2uとなる。この場合、図7に示すように、括れ部6を水平面で切断した断面の内部面積Sxは、括れ部6以外の周面部2sを水平面で切断した断面の内部面積Ssに対して、50%以下に選定する。これにより、本発明に係る乳量計1を実施するに際し、泡の発生を抑制する観点から最も望ましいパフォーマンスを得ることができる。括れ部6は、図1に示すように、周面部2sの縦断面が円弧状となるように中心に向けて絞り形成するとともに、容器上部2uは、上側に位置する周面部2sから括れ部6に至る径が漸次小径となり、かつ容器下部2dは、下側に位置する周面部2sから括れ部6に至る径が漸次小径となるように形成する。
また、計量容器部2は、図1に示すように、括れ部6の上方と下方に分割部Ku,Kdを設け、少なくとも上下方向に三分割した分割体2pa,2pb,2pcの組み合わせにより構成することができる。この場合、分割部Ku,Kdの連結部分は、段差部を介して嵌合可能に構成し、連結時にはOリングを介在させて密閉性を確保する。したがって、図2及び図3に示すように、コの字形のロックバー21の両端を、最上部の分割体2paの外周部に回動自在に取付け、分割体2pa,2pb,2pcを組付けた際に、ロックバー21を最下部の分割体2pcに掛止すれば、分割体2pa,2pb,2pcを容易に一体化できるとともに、他方、ロックバー21を分割体2pcから外せば、図6に示すように、容易に分解することができる。なお、22は分割体2pcの表面に突起状に形成し、ロックバー21をクリック的に係止する係止部を示す。このような分割構造とすることにより、括れ部6を形成した場合であっても、計量容器部2における製造の容易化とメンテナンス(洗浄,交換等)の容易化を図ることができる。
一方、容器上部2u(分割体2pa)は、天面部2usの内面中央に、図1に示すような下方に突出した円筒形の排気口23を設けるとともに、天面部2usの外面には、この排気口23に連通し、かつ横方に突出した接続口24を設ける。また、図4(図1)に示すように、天面部2usと周面部2sの境界部位には、流入口2uiを臨ませる。この場合、流入口2uiは、境界ラインの接線方向に向いており、外面から横方に突出した接続口25に連通する。
他方、容器下部2d(分割体2pc)は、底面部2dsの中心位置に、低位置電極部3d,高位置電極部3u及びコモン電極部3cを有する液面検知部3を配設する。この場合、底面部2dsに支持ブロック26を取付け、この支持ブロック26により各電極部3d,3u及び3cを支持する。なお、各電極部3d,3u及び3cは、図3に示すように、正三角形の頂点に位置するように配する。このように、低位置電極部3d,高位置電極部3u及びコモン電極部3cは、底面部2dsから起設するため、底面部2dsの中心位置に低位置電極部3d及び高位置電極部3uを配設可能になる。したがって、低位置電極部3d及び高位置電極部3uの位置を落下時の泡が発生する内壁面2iから最も遠ざけることができる。この結果、低位置電極部3d及び高位置電極部3uに対する泡や波(液面変動)の影響を可及的に回避でき、乳量測定精度を飛躍的に高めることができる。また、乳量計1が傾斜設置された場合であっても発生する測定誤差を最小限にすることができ、特に、設置状態が不安定になりやすい携帯タイプ(可搬タイプ)として構成した本実施形態に係る乳量計1に適用して最適となる。
低位置電極部3dは、図7に示すように、計量容器部2の内部に貯留される乳Mの低位置の液面Mdを検知する機能を有し、図5に示すように、棒状の電極本体部3dmと、この電極本体部3dmの周面を覆うことにより当該電極本体部3dmの上端一部のみを露出させる電極絶縁部3dcにより構成する。これにより、電極本体部3dmの上端一部が先端検知部3dmpとなる。電極本体部3dmは、支持ブロック26を貫通し、支持ブロック26から上方に起立して計量容器部2の内部に配されるとともに、支持ブロック26から外部に露出する電極本体部3dmは接続端子(コネクタ)となる。なお、電極絶縁部3dcは、濡れ性の小さいフッ素系樹脂素材を用いた絶縁性塗料を電極本体部3dmに塗布して構成できる。一方、高位置電極部3uは、図8に示すように、計量容器部2の内部に貯留される乳Mの高位置の液面Muを検知する機能を有し、低位置電極部3dと同様に構成することができる。高位置電極部3uにおいて、3umは電極本体部、3ucは電極絶縁部、3umpは先端検知部をそれぞれ示す。低位置電極部3d及び高位置電極部3uに、このような構成を採用すれば、低位置電極部3d及び高位置電極部3uを容器下部2dの底面部2dsに起立して設けた場合であっても乳Mの架橋による誤検出を防止して液面に対する確実な検出を行うことができる。他方、コモン電極部3cは、棒状の電極本体部3cmにより構成し、電極絶縁部は用いない。コモン電極部3cも支持ブロック26を貫通し、支持ブロック26から起立して計量容器部2の内部に配される。そして、低位置電極部3dと高位置電極部3uの長さは、特に、低位置電極部3dの先端検知部3dmpと高位置電極部3uの先端検知部3ump間の落差Hmに基づく計量容器部2の内部容積が100〔ミリリットル〕となるように選定する。なお、コモン電極部3cの長さは、高位置電極部3uと同程度に選定する。
また、容器下部2dには、底面部2dsから起立し、低位置電極部3d及び高位置電極部3uの回りを囲むとともに、下端部及び上端部に開口部11u,11dを有し、かつ上端部の開口部11uに対して乳Mの浸入を防止する上カバー部12を有する筒形の電極カバー11を設ける。このような電極カバー11を設けることにより、低位置電極部3d及び高位置電極部3uに対する泡の影響や波(液面変動)の影響を回避して乳量を正確かつ安定に測定することができる。上カバー部12により、開口部11uから電極カバー11の内部に余計な乳Mや泡が入るのを阻止する。
さらに、図1に示すように、計量容器部2の下部、即ち、容器下部2d(分割体2pc)の周面部2sには、流出口2deを設ける。この流出口2deは、傾斜した底面部2dsの下端側に配し、流出口2deの下端は底面部2dsの上面に連続する。また、流出口2deに対して弁機構部4を付設する。この場合、容器下部2dの周面部2sには、パイプ状をなす一対の中継接続部27,28を一体に設け、一方の中継接続部28の中間位置に、弁機構部4を収容する弁機構室29を設け、この弁機構室29の内部に流出口2deを臨ませる。中継接続部28は、上接続口28uと下接続口28dを有し、上接続口28uは、接続チューブ30を介して容器上部2u(分割体2pa)に設けた接続口24に接続するとともに、他方の中継接続部27も、上接続口27uと下接続口27dを有し、上接続口27uは、接続チューブ31を介して容器上部2u(分割体2pa)に設けた接続口25に接続する。
弁機構部4は、弁機構室29の内部に配した弁体32と、弁機構室29を密閉状に仕切るダイヤフラム33を備える。ダイヤフラム33は弾性素材により形成し、弁機構室29を仕切ることにより、内側が中継接続部28の内部通路となり、外側が操作室35となる。この操作室35には真空接続口34が連通する。また、弁体32は、後部をダイヤフラム33の中央に結合する。これにより、操作室35を真空吸引すれば、ダイヤフラム33が操作室35側に変位し、弁体32が後退することにより流出口2deを開放する(図9参照)。一方、操作室35の真空吸引を解除すれば、ダイヤフラム33は弾性復帰及び下流側ラインLmdの負圧により流出口2de側に変位し、弁体32が前進することにより流出口2deを閉塞する(図1参照)。
さらに、容器下部2dには、図9に示すように、流出口2deの手前であって底面部2dsよりも所定高さHs上方に配した堰板部13を設ける。この堰板部13は、乳Mの流出時に、乳Mの流出量を規制し、泡Moを優先して排出させる機能を有する。このような堰板部13を設ければ、泡Moを効率的に排出することができる。
他方、図5に示すように、低位置電極部3dの検知により流出口2deを閉じ、かつ高位置電極部3uの検知により流出口2deを開くように弁機構部4を制御する制御系5を備える。制御系5は、各種制御処理及び演算処理等を行うコンピューティング機能を有するコントローラ41を備え、このコントローラ41の入力ポートには検出処理部42を接続するとともに、コントローラ41の出力ポートには開閉バルブ(電磁バルブ)45を接続する。また、検出処理部42は、所定の接続ケーブル51を介して、低位置電極部3d,高位置電極部3u及びコモン電極部3cに接続する。この検出処理部42は、コモン電極部3cと低位置電極部3d間に所定の電圧を付与し、抵抗値変化を検出することにより、貯留される乳Mの液面Md(図7)を検出する機能を有するとともに、コモン電極部3cと高位置電極部3u間に所定の電圧を付与し、抵抗値変化を検出することにより、貯留される乳Mの液面Mu(図8)を検出する機能を有する。そして、検出結果(検出信号)はコントローラ41に付与する。さらに、真空接続口34は、接続チューブ52を介して真空ライン(真空ポンプ)Lvに接続するとともに、この接続チューブ52の中途に開閉バルブ45を接続する。これにより、開閉バルブ45を開閉制御することにより、上述した操作室35に対する真空吸引又は真空吸引の解除を切換えることができる。
次に、本実施形態に係る乳量計1の使用方法(設置方法)及び動作(機能)について、図1〜図10を参照して説明する。
まず、計量容器部2を着脱可能に保持し、かつ任意の設置対象部Wに着脱可能に構成したホルダー15を用意する。このホルダー15は、図2に仮想線で示すように、コの字形のホルダー本体部15mと、このホルダー本体部15mの上端に取付けたフック部15hにより構成するため、ホルダー本体部15mの内側に計量容器部2を保持させることができる。なお、ホルダー本体部15mの内側に収容した計量容器部2は、ボルト等の固定具によりホルダー本体部15mに固定する。このようなホルダー15を利用すれば、傾斜設置した場合であっても測定誤差が発生しにくい乳量計1を様々な場所に設置することが可能となり、汎用性及び設置容易性を高めることができる。
今、ホルダー15に保持された計量容器部2(乳量計1の本体)を、図10に示す搾乳システムWm(設置対象部W)に設置する場合を想定する。搾乳システムWmは、乳牛Cの搾乳を行うシステムであり、搾乳システムWmにより搾乳した生乳(乳M)は所定の送乳ラインLmを介してミルクパイプLoに送られる。ホルダー15は、フック部15hを備えるため、搾乳システムWmにおける任意の設置場所、例えば、図10に示す自動離脱装置62を吊り下げるアームステー61の空スペース等を利用して設置できる。この場合、自動離脱装置62に、前述した制御系5におけるコントローラ41,検出処理部42及び開閉バルブ45を内蔵させている。
したがって、設置した際には、乳量計1の本体を、送乳ラインLm及び制御系5に対して接続する。即ち、乳量計1の本体における下接続口27dに、送乳ラインLmの上流側ライン(ミルクチューブ)Lmuを接続するとともに、下接続口28dに、送乳ラインLmの下流側ライン(ミルクチューブ)Lmdを接続する。また、真空接続口34は、真空チューブ52を介して自動離脱装置62に内蔵する開閉バルブ45に接続するとともに、低位置電極部3d,高位置電極部3u及びコモン電極部3cは、所定の接続ケーブル51を介して自動離脱装置62に内蔵する検出処理部42に接続する。なお、計量容器部2に乳Mが貯留されていなければ、弁機構部4により流出口2deが閉塞されている。
一方、搾乳時(測定時)には、送乳ラインLmの上流側ラインLmuから搾乳された乳Mが間欠的に送られ、乳Mは、流入口2uiから計量容器部2の内部に流入する。この際、図1に示すように、流入口2uiから流入した乳Mは、天面部2usと周面部2sの境界ラインに沿って進入するとともに、容器上部2uの内壁面2iに沿って漸次小径となる螺旋状に流れる。このときの乳Mが流れる経路を、図1中、点線矢印Frで示す。このように、括れ部6よりも上側の容器上部2uを、流入口2uiから流入する乳Mが内壁面2iに沿って漸次小径となる螺旋状に流れるように形成すれば、計量容器部2を小径化、即ち、乳量計1全体の小型コンパクト化を図りつつ、計量容器部2の内部に乳Mをスムースに流すことができるとともに、良好な気液分離(遠心分離)を行うことができる。容器上部2uでは、流入口2uiから流入した乳Mに対する気液分離が行われるため、乳Mは括れ部6に流入するとともに、分離された空気Amは排気口23から排出される。
また、括れ部6に流入した乳Mは、括れ部6から容器下部2dの内壁面2iに沿って流れ落ちる。したがって、この際、容器下部2dの内壁面2iの形状により、括れ部6を通過した乳Mは放射方向に拡散され、かつ螺旋状に旋回する流れはほとんど無くなる。乳Mが放射方向に拡散されれば、内壁面2iに沿って流れ落ちる乳Mの流速及び単位内壁面当たりの流量が小さくなるため、貯留した乳Mの液面に到達した際の泡の発生や液面の波立ちを大きく低減できる。このときの乳Mが流れる経路を、図1中、点線矢印Fsで示す。よって、乳量測定の誤差要因となる泡の発生や液面の波立ちを低減できるとともに、前述したように、容器下部2dに有する底面部2dsから起設した低位置電極部3d,高位置電極部3u及びコモン電極部3cの位置は、落下時の泡が発生する内壁面2iから最も遠ざけた位置となるため、低位置電極部3d及び高位置電極部3uに対する泡や波(液面変動)の影響を可及的に回避でき、乳量測定精度を飛躍的に高めることができる。
そして、計量容器部2に乳Mが貯留され、図7に示すように、乳Mの液面が低位置電極部3dの先端検知部3dmpまで上昇すれば、この液面Mdに到達したことを検出処理部42が検出し、コントローラ41に検出信号を付与する。これにより、コントローラ41はタイマ機能により計時処理を開始する。この後、乳Mの液面がさらに上昇し、図8に示すように、高位置電極部3uの先端検知部3umpまで上昇すれば、この液面Muに到達したことを検出処理部42が検出し、コントローラ41に検出信号を付与する。これにより、コントローラ41は計時処理を終了し、このときの計時時間tを取込むとともに、計時処理をリセットする。
また、コントローラ41は計時処理を終了すると同時に、開閉バルブ45に対して切換信号を付与し、開閉バルブ45を開側に切換える。これにより、操作室35が真空吸引され、ダイヤフラム33が操作室35側に変位するとともに、弁体32が後退することにより流出口2deが開放される。流出口2deが開放されることにより、計量容器部2に貯留された乳Mは、流出口2deから中継接続部28内に流出し、接続口28dから送乳ラインLmの下流側ラインLmdに送られる。この際、流出口2deの手前であって底面部2dsよりも所定高さHs上方には、堰板部13を有するため、流出口2deからの流出時には、堰板部13により乳Mの流出量が規制され、かつ泡Moが優先して排出される。即ち、図9中、点線矢印Feで示すように、堰板部13により乳Mの流出が制限されるとともに、この乳Mの上に浮かぶ泡Moは、点線矢印Foで示すように、堰板部13の上を通り、流出口2deから効率的に排出される。
そして、乳Mの流出により液面が下降し、図7に示すように、低位置電極部3dの先端検知部3dmpまで下降すれば、この液面Mdに達したことを検出処理部42が検出し、コントローラ41に検出信号を付与する。これにより、コントローラ41はタイマ機能により計時を開始するとともに、同時に、コントローラ41から開閉バルブ45に切換信号を付与し、開閉バルブ45を閉側に切換える。この結果、操作室35の真空吸引が解除され、ダイヤフラム33の弾性復帰により流出口2de側に変位するとともに、弁体32が前進することにより流出口2deを閉塞する。搾乳時には、以上の動作(処理)が繰り返される。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、括れ部6は周面部2sの一個所に設けた場合を示したが二個所以上に形成してもよい。即ち、周面部2sに対して二個所以上の括れ部6…を軸方向へ所定間隔置きに形成することもできる。また、コモン電極部3cは棒状の電極本体部3cmにより構成した場合を例示したが、任意の形態により実施可能であり、例えば、電極本体部3dm,3umの周面を覆う電極絶縁部3dc,3ucの周面にパイプ状のコモン電極部3c…をそれぞれ付設するなどにより実施してもよい。さらに、容器下部2dの周面部2sと容器上部2uの周面部2sは同径であってもよいし異径であってもよい。一方、制御系5は、制御ボックス等により別途構成し、乳量計1の本体又はホルダー15等に取付けてもよい。他方、本発明に係る乳量計1は、例示した搾乳システムWmのみならず、各種形式の搾乳システムをはじめ、搾乳以外の用途や各種動物の乳量測定等に係わる各種設置対象部Wに設置して利用できる。
1:乳量計,2:計量容器部,2i:内壁面,2s:周面部,2d:容器下部,2u:容器上部,2ui:流入口,2de:流出口,2ds:底面部,2pa:分割体,2pb:分割体,2pc:分割体,3:液面検知部,3u:高位置電極部,3d:低位置電極部,3dm:電極本体部,3um:電極本体部,3dc:電極絶縁部,3uc:電極絶縁部,3dmp:先端検知部,3ump:先端検知部,4:弁機構部,5:制御系,6:括れ部,11:電極カバー,11u:開口部,11d:開口部,12:上カバー部,13:堰板部,15:ホルダー,Lm:送乳ライン,M:乳,Md:貯留される乳の低位置の液面,Mu:貯留される乳の高位置の液面,Mo:泡,Ku:分割部,Kd:分割部,Hs:所定高さ,W:設置対象部
Claims (8)
- 送乳ラインの中途に接続し、流入口から流入する乳を一時的に貯留可能な計量容器部と、この計量容器部の内部に配し、かつ貯留される乳の低位置の液面を検知する低位置電極部及び貯留される乳の高位置の液面を検知する高位置電極部を有する液面検知部と、前記計量容器部の下部に設けた流出口を開閉可能な弁機構部と、前記低位置電極部の検知により前記流出口を閉じ、かつ前記高位置電極部の検知により前記流出口を開くように前記弁機構部を制御する制御系を備えてなる乳量計において、円筒状の周面部を有する計量容器部における縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部を形成することにより、最下部の括れ部よりも下側に、当該括れ部から内壁面に沿って流れ落ちる乳を放射方向に拡散させる容器下部を備えるとともに、前記容器下部に有する底面部から前記低位置電極部及び前記高位置電極部を起設してなることを特徴とする乳量計。
- 前記括れ部を水平面で切断した断面の内部面積は、前記括れ部以外の前記周面部を水平面で切断した断面の内部面積に対して、50%以下に選定することを特徴とする請求項1記載の乳量計。
- 前記計量容器部は、前記括れ部よりも上側に、前記流入口から流入する乳が内壁面に沿って漸次小径となる螺旋状に流れる容器上部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の乳量計。
- 前記計量容器部は、前記括れ部の上方と下方に分割部を設け、少なくとも上下方向に三分割した分割体の組み合わせにより構成することを特徴とする請求項1,2又は3記載の乳量計。
- 前記容器下部には、底面部から起立し、前記低位置電極部及び前記高位置電極部の回りを囲むとともに、下端部及び上端部に開口部を有し、かつ上端部の開口部に対して乳の浸入を防止する上カバー部を有する筒形の電極カバーを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の乳量計。
- 前記低位置電極部及び前記高位置電極部は、棒状の電極本体部の外周面を電極絶縁部で被覆することにより電極本体部の上端一部のみを露出させた先端検知部を有することを特徴とする請求項1又は5記載の乳量計。
- 前記容器下部には、前記流出口の手前であって前記底面部よりも所定高さ上方に配し、乳の流出時に、乳の流出量を規制することにより泡を優先して排出させる堰板部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の乳量計。
- 前記計量容器部を着脱可能に保持し、かつ任意の設置対象部に着脱可能に構成したホルダーを備えることを特徴とする請求項1記載の乳量計。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
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JP2013034458A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-21 | Orion Machinery Co Ltd | 乳量計 |
CN105865576A (zh) * | 2016-06-21 | 2016-08-17 | 天津和利惠牧科技有限公司 | 一种量杯 |
-
2008
- 2008-08-05 JP JP2008202448A patent/JP2010038737A/ja active Pending
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