JP2010037363A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】〔1〕顔料を含有するポリマー粒子、下記一般式(1)で表される化合物の1種以上を8〜30重量%、及び水を50〜65重量%含有するインクジェット記録用水系インク、及び〔2〕その水系インクを用いて、普通紙に1パスで印刷するインクジェット記録方法であって、普通紙の単位面積当たりに吐出される水系インク中の水の含有量が0.2〜1.0mg/cm2であるインクジェット記録方法である。
R1−O−(CH2CH2O)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、nは平均付加モル数を示し、4.5〜5.4である。)
【選択図】なし
Description
これまで、オフィス等においては電子写真方式のプリンターが一般に用いられてきた。しかし、インクジェット方式のプリンターは、熱定着を行わないため省エネルギーであり、水を溶媒として用いることで環境にも良く、着色剤に顔料を用いることで電子写真と同等の耐候性や耐水性を得ることができるため、最近ではオフィス等の用途にも水系顔料インクを搭載したインクジェット方式のプリンターが用いられるようになった。
特許文献3には、自己分散型顔料等の着色剤と水溶性有機溶剤を含むインクジェット記録用インクにおいて、着色剤の含有量が6重量%以上で、普通紙に対する吸収係数と接触角が特定の範囲にあるインクが開示されている。
特許文献4には、にじみと乾燥性の改善を課題として、自己分散型顔料、エチレンオキサイド部分の炭素数が8以上でありかつ25℃における水への溶解性が1%であるグリコールエーテル、及び水を含有するインクジェット記録用水系インクが開示されている。
本発明は、印刷物のカール抑制に優れ、印刷物の乾燥性が良好であり、保存安定性にも優れたインクジェット記録用水系インク、及びそれを用いるインクジェット記録方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕顔料を含有するポリマー粒子、下記一般式(1)で表される化合物の1種以上を8〜30重量%、及び水を50〜65重量%含有するインクジェット記録用水系インク。
R1−O−(CH2CH2O)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、nは平均付加モル数を示し、4.5〜5.4である。)
〔2〕前記〔1〕の水系インクを用いて、普通紙に1パスで印刷する、インクジェット記録方法であって、普通紙の単位面積当たりに吐出される水系インク中の水の含有量が0.2〜1.0mg/cm2である、インクジェット記録方法。
R1−O−(CH2CH2O)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、nは平均付加モル数を示し、4.5〜5.4である。)
以下、本発明に用いられる各成分について説明する。
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物において、R1の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基等の1価の炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、及びシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の1価の炭素数3〜5の脂環炭化水素基が挙げられる。
これらの中でもR1は、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。
R2の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基等の1価の炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の1価の炭素数3〜5の脂環炭化水素基、水素原子が挙げられる。これらの中でもR2は、水素原子が好ましい。
エチレンオキシド(CH2CH2O)の平均付加モル数(n)は、印刷物の乾燥性及びカール抑制の観点から4.5〜5.4である。
インク中の水分によって紙繊維の水素結合が切断され、乾燥時に乾燥前とは異なる水素結合が生じるためにカールが起こると考えられるが、一般式(1)で表される化合物は、インクが紙に吸収された際、紙繊維中のセルロース繊維の間に入り込み、エチレンオキシド鎖の酸素原子が水素結合を形成し、さらに疎水基であるR1が乾燥時の水素結合の形成を阻害することで、カールが抑制されると考えられる。
一般式(1)で表される化合物の合計含有量は、印刷物のカール抑制の観点から、8重量%以上であり、10重量%以上が好ましく、16重量%以上がより好ましく、20重量%以上が更に好ましく、印刷物の乾燥性及びインクの保存安定性の観点から、30重量%以下であり、27重量%以下が好ましい。以上の観点から、8〜30重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましく、16〜27重量%がより好ましく、20〜27重量%が更に好ましい。
水系インク中、一般式(1)で表される化合物の合計含有量と水の含有量との重量比〔一般式(1)で表される化合物の合計含有量/水の含有量〕は、印刷物の乾燥性、カール抑制、及びインクの保存安定性の観点から、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.2〜0.5、更に好ましくは0.25〜0.45である。
本発明に用いられる顔料を含有するポリマー粒子は、顔料とポリマーにより粒子が形成されているものである。例えば、ポリマーに顔料が内包された粒子形態、ポリマー中に顔料が均一に分散された粒子形態、ポリマー粒子表面に顔料が露出された粒子形態等が含まれる。
本発明に用いられる顔料を含有するポリマー粒子は、顔料を含有するポリマー粒子中の該ポリマーを架橋剤で架橋して得られる架橋ポリマー粒子であることが印刷物のカール抑制及びインクの保存安定性の観点から好ましい。
本発明に用いられる顔料を含有するポリマー粒子のインク中での平均粒径は、プリンターのノズルの目詰まり防止及びインクの保存安定性の観点から、10〜500nmが好ましく、30〜300nmがより好ましく、50〜200nmが更に好ましい。なお、平均粒径の測定は、レーザー粒子解析システム(大塚電子株式会社製、ELS−8000)を用い、フィルターを3%としたときのコリレータ感度が8000〜13000になるようにイオン交換水でインクを希釈し、インク中の顔料を含有するポリマー粒子の平均粒径を測定した。測定条件は、温度が25℃、入射光と検出器との角度が90°、積算回数が200回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。
ポリマーと顔料との合計量に対する顔料量の重量比〔顔料/(ポリマー+顔料)〕は、保存安定性の観点から、55/100〜90/100であることが好ましく、70/100〜85/100であることがより好ましい。
本発明に用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、カーボンブラック等が挙げられ、黒色インクにおいては、好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。これら顔料は、顔料誘導体を含んでいてもよい。上記の顔料は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
本発明に用いられる顔料を含有するポリマー粒子に用いられるポリマーとしては、印刷物の乾燥性、カール抑制、及びインクの保存安定性の観点から、水不溶性ポリマーが好ましい。ここで、水不溶性ポリマーとは、ポリマー固形分換算100gを105℃で2時間乾燥させ、恒量に達した後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下であるポリマーをいう。溶解量は、ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
用いるポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル単量体の付加重合により得られるビニルポリマー等が挙げられるが、インクの保存安定性の観点から、ビニルポリマーが好ましい。
ビニルポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ともいう)と、(b)マクロマー(以下「(b)成分」ともいう)及び/又は(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ともいう)とを含むモノマー混合物(以下、単に「モノマー混合物」ともいう)を共重合させてなるビニルポリマーが好ましい。このビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位と、(b)成分由来の構成単位及び/又は(c)成分由来の構成単位を有する。なかでも(a)成分由来の構成単位、(b)成分由来の構成単位及び(c)成分由来の構成単位を全て含むものが好ましい。
(a)塩生成基含有モノマーは、ポリマー粒子のインク中での分散安定性の観点から用いられる。
塩生成基含有モノマーとしては、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。
カチオン性モノマーとしては、アミン含有モノマー、アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸等が挙げられ、リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸等が挙げられる。
アニオン性モノマーの中では、インクの保存安定性、吐出安定性の観点から、カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
(b)マクロマーは、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500〜100,000の化合物であり、インクの保存安定性の観点から用いられる。片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。数平均分子量は、500〜100,000であり、1,000〜10,000が好ましい。なお、数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(b)マクロマーとしては、ポリマー粒子の保存安定性の観点から、スチレン系マクロマー、芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー、及びシリコーン系マクロマーが好ましい。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。共重合体の場合、顔料との親和性を高める観点から、スチレン系モノマーの含有量は50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。共重合される他のモノマーとしては、芳香族基含有(メタ)アクリレート又はアクリロニトリル等が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン等が挙げられる。
スチレン系マクロマーの具体例としては、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)(東亜合成株式会社の商品名)等が挙げられる。
マクロマーはシリコーン系マクロマーであってもよく、シリコーン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(c)疎水性モノマーは、印字濃度の向上の観点から用いられる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を示す。
芳香族基含有モノマーとしては、スチレン系モノマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン及び2−メチルスチレンが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
モノマー混合物には、インクの保存安定性の観点から(d)水酸基含有モノマー(以下「(d)成分」ともいう)を含有されていてもよい。
(d)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
モノマー混合物には、インクの保存安定性の観点から(e)下記式(2)で表されるモノマー(以下「(e)成分」ともいう)が含有してもよい。
CH2=C(R4)COO(R5O)qR6 (2)
(式中、R4は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R5は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R6は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基又は炭素数1〜9のアルキル基を有してもよいフェニル基、qは、平均付加モル数を示し、1〜60、好ましくは1〜30である。)
R4としては、水素原子、メチル基が好ましい。
R5O基としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン墓、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらの2種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルカンジイル基(オキシアルキレン基)が好ましい。
R6としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
(a)成分の含有量は、インクの保存安定性の観点から、好ましくは3〜40重量%、より好ましくは4〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%である。
(b)成分の含有量は、特に顔料との相互作用を高める観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(c)成分の含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
(d)成分の含有量は、インクの保存安定性の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
(e)成分の含有量は、インクの保存安定性の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
前記ポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
本発明に用いられる、顔料を含有する架橋ポリマー粒子に用いられる架橋ポリマーは、ポリマーの分子中に架橋性基を導入した自己架橋ポリマー、お互いに反応しうる官能基を持つ2種以上のポリマーを反応して得られる架橋ポリマー、ポリマーを架橋剤で架橋して得られる架橋ポリマー等が挙げられ、印刷物のカール抑制の観点から、ポリマーを架橋剤で架橋して得られる架橋ポリマーであることが好ましい。
架橋剤で架橋を行う前のポリマーは、架橋剤と反応しうる反応性基(架橋性官能基)を有し、該反応性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性基、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。該反応性基を有するポリマーは、前記ポリマーの製造において、該反応性基を有するモノマーを含む重合性モノマー組成物を共重合することによって製造することができる。
該反応性基を有するモノマーとしては、前述の塩生成基含有モノマー、前述の水酸基含有モノマーを用いることが好ましい。
本発明の架橋ポリマーは、架橋ポリマー1g当たり、塩基で中和されたカルボキシ基等のアニオン性基を0.5mmol/g以上含有することがインクの保存安定性の観点から好ましい。該アニオン性基の量は、好ましくは0.5〜5mmol/g、より好ましくは0.7〜3mmol/g、より好ましくは0.7〜2mmol/g、更に好ましくは0.7〜1.5mmol/g、更に好ましくは1.0〜1.5mmol/gである。
架橋剤としては、インクの保存安定性及び印刷物のカール抑制の効果の観点から、分子中に2以上の反応性官能基を有する化合物が用いられる。架橋剤の分子量は、架橋ポリマー粒子の保存安定性の観点から、120〜2000が好ましく、150〜1500がより好ましく、150〜1000が更に好ましい。
架橋剤に含まれる反応性官能基の数は、分子量を制御して保存安定性を向上する観点から、2〜6が好ましい。反応性官能基としては、水酸基、エポキシ基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシ基、オキサゾリン基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1以上が好ましく挙げられる。
架橋剤は、効率よくポリマーを表面架橋する観点から、25℃の水100gに溶解させたときの溶解量が好ましくは50g以下、より好ましくは40g以下、更に好ましくは30g以下ものが好適である。
分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルが挙げられ、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルがより好ましい。
インクの保存安定性及び印刷物のカール抑制を向上させる観点から、架橋剤が、ポリマーのアニオン性基と反応する官能基を有するものであって、該ポリマー1g当たりのアニオン性基量換算での架橋剤の使用量が、該ポリマーのアニオン性基0.1〜3mmol/gと反応する量であることが好ましく、0.4〜2.5mmol/gと反応する量であることがより好ましく、0.7〜2.5mmol/gと反応する量であることがより好ましく、0.7〜2.0mmol/gと反応する量であることが更に好ましく、0.7〜1.5mmol/gと反応する量が更に好ましい。
本発明に用いられる顔料を含有するポリマー粒子は、ポリマー、有機溶剤、顔料、水、及び必要に応じて中和剤を含有する混合物を分散処理して、ポリマー粒子の分散体を得たのち、有機溶剤を除去することによって、水分散体として得ることができる。
また、顔料を含有する架橋ポリマー粒子は、顔料含有ポリマー粒子のポリマーを架橋させることによって得ることができ、架橋反応は、分散処理時、有機溶剤除去時、あるいはそれらの工程の前後に行ってもよいが、前記の顔料含有ポリマー粒子の水分散体を得たのちに、架橋剤を添加して、加熱することによって架橋させることが好ましい。
架橋率(モル%)=[架橋剤の反応性基のモル数×100/ポリマーが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数] (3)
式(3)において、「架橋剤の反応性基のモル数」とは、使用する架橋剤の重量を反応性基の当量で除した値である。即ち、使用する架橋剤のモル数に架橋剤1分子中の反応性基の数を乗じたものである。
本発明の水系インク中、水の含有量は、インクの保存安定性及び印刷物のカール抑制の観点から、50〜65重量%であり、50〜60重量%が好ましい。水系インクの水分量が50%以上であると、インクの保存安定性が良好であり、65重量%以下であると印刷物のカール抑制効果が良好である。
本発明のインクには、インクの保存性とカール特性の経時的な変化を抑制する観点から酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤を添加することで、一般式(1)で表される化合物のエチレンオキシド鎖が切断され、酸が発生することを抑制することができるため、保存性及びカール特性の経時変化が向上すると考えられる。
水系インク中の酸化防止剤の含有量は、0.01〜1重量%が好ましく、0.05〜0.5重量%がより好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、アスコルビン酸又はそのアルカリ金属塩、クエン酸イソプロピル、没食子酸プロピル等が挙げられ、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アスコルビン酸又はそのアルカリ金属塩が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、インクの保存性とカール特性の経時的な変化を抑制する観点から、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)及びテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ―tert―ブチル−p−クレゾール(BHT)等が好ましい。
上記の酸化防止剤の中では、2,6−ジ―tert―ブチル−p−クレゾール(BHT)及びアスコルビン酸が好ましい。
これらの酸化防止剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水系インクの好ましい表面張力(20℃)は、インクとしては、好ましくは20〜50mN/m、より好ましくは27〜45mN/mである。また、インクのpHは4〜12が好ましく、より好ましくは5〜11である。
水系インク中の顔料を含有するポリマー粒子及び/又は顔料含有架橋ポリマー粒子の含有量は、印字濃度と保存安定性の観点から、3〜30重量%が好ましく、4〜30重量%がより好ましく、6〜25重量%がより好ましく、8〜20重量%が更に好ましく、10〜15重量%が特に好ましい。
水系インク中の顔料の含有量は、インクの保存安定性、印刷物の印字濃度とカールの観点から5〜12重量%が好ましく、6〜10重量%がより好ましい。5重量%以上であれば、印字濃度がでにくい1パス印刷においても高い印字濃度が得られ、また12重量%以下であれば、カールの抑制効果が良好となる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の水系インクを用いて、普通紙に1パスで印刷する方法であって、普通紙の単位面積当たりに吐出される水系インク中の水の含有量が0.2〜1.0mg/cm2である方法であり、カール抑制効果が高く、かつ印字濃度に優れた印刷物を得ることができる。
「1パスで印刷する」とは、ラインヘッドの場合、インクジェットヘッドのスキャン(走査)方向と印刷対象物の送り方向を同一の方向にして一度のスキャンで画像を形成すること、またシリアルヘッドの場合、インクジェットヘッドを双方向にスキャンさせ、印刷対象をインクジェットヘッドのスキャン方向と垂直の方向に送りながら、かつ着弾させたインク上にインクを実質的に再度着弾させることなく(重ねることなく)、画像を形成することをいう。
1パスで印刷すると、単位面積当たりに、インクジェットのノズルから射出される滴数が減少する。従って、数パスで印刷するのに比較して1滴1滴が大きくなり、大きなドット1滴は、小さなドット数滴と比較して、単位面積当たりのインク量がばらつくため、印刷紙上のある微小部分では、インク量が多く、浸透し易くなる部分が存在する。本発明の水系インクは、カール抑制効果を有するため、1パスでの印刷方法に適している。
また、普通紙の単位面積当たりに吐出される水系インク中の水の含有量は、目詰まりと印字濃度を満足させつつ、印刷後に普通紙の裏面に画像が写り込みを抑制し、かつ印刷後の普通紙のカールを抑制する観点から、0.2〜1.0mg/cm2であることが好ましく、0.4〜0.8mg/cm2であることがより好ましい。
印刷される色は、シアン、マゼンタ、イエロー、グリーン、レッド、オレンジ、ブラック、グレー等の単色だけでなく、それらを印刷紙上で混色した2次色、3次色等の多次色であってもよい。
本発明の水系インクを適用しうるインクジェット記録装置は制限されないが、特にサーマル方式及びピエゾ方式のオンデマンドインクジェットプリンターとして好適である。また、高速印刷が可能なプリンターに適しており、例えば3〜150枚/分、好ましくは5〜100枚/分、より好ましくは10〜100枚/分の印刷速度で印刷しうるプリンターに好適に使用することができる。
(1)ポリマーの重量平均分子量の測定
溶媒として、60mmol/Lのリン酸と50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するN,N−ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。使用カラム:東ソー株式会社製(TSK-GEL、α-M×2本)、本体:東ソー株式会社製(HLC−8120GPC)、流速:1mL/minを用いた。
(2)インク粘度の測定
E型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、標準ローター(1°34′×R24)を使用し、測定温度20℃、測定時間1分、回転数20〜100rpmのうち、該インクで装置が許容する最高回転数の条件で測定した。
反応容器内に、メチルエチルケトン20部、2−メルカプトエタノール0.03部、及びモノマーとして、(a)メタクリル酸(三菱瓦斯化学株式会社、商品名GE−110)15部、(b)スチレンマクロマー(東亜合成株式会社、商品名AS−6S、数平均分子量6,000)10部、(c)2−エチルヘキシルメタクリレート(三菱レイヨン株式会社、商品名アクリエステルEH)30部、(c)スチレンモノマー(新日鉄化学株式会社)30部、及び(e)メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(上記式(2)において、qが9、R3及びR5がメチル基、R4がエチレン基、新中村化学株式会社製、商品名NKエステルM−90G)15部のうちのそれぞれ10%ずつを入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、初期仕込みモノマー溶液を得た。
一方、滴下ロート中に、上記各モノマーの残りの90%ずつを仕込み、次いで2−メルカプトエタノール0.27部、メチルエチルケトン60部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、滴下モノマー溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の初期仕込みモノマー溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の滴下モノマー溶液を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、その反応液の液温を75℃で2時間維持した後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を該反応液に加え、更に75℃で2時間、85℃で2時間熟成させ、反応終了とし、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、メチルエチルケトンを除去することによって単離した。得られたポリマーの重量平均分子量は196,000であった。
製造例1で得られたポリマー25部をメチルエチルケトン70部に溶かし、その中に5N水酸化ナトリウム水溶液4.1部、及びイオン交換水230部を加えて攪拌し、次いで浅田鉄工株式会社製ウルトラディスパーに仕込み、ディスパー翼を1分間に2000回転させ、10分間処理した後、顔料 カーボンブラック(CABOT社製 商品名:MONARCH 880)を100部加え、ディスパー翼を1分間に9000回転させ、15℃で1時間処理した。
次に、得られた分散液を浅田鉄工株式会社製、ピコミル(分散メディア:ジルコニア、温度:20℃、分散メディア/分散液重量比:8/2)を用い、周速15m/sにて2時間処理した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Micro fluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス処理した。次に、得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、60℃、減圧下でメチルエチルケトン及び一部の水を除去して、固形分濃度が30%の顔料を含有するポリマー粒子の水分散体1を得た。
調製例1で得られた水分散体40gに、架橋率が40モル%となるように架橋剤(商品名:デナコールEX321、エポキシ当量140、水100gへの溶解量約27g(25℃)、ナガセケムテックス株式会社製)を0.177g加え、90℃下で1時間攪拌を行った。得られた分散液を冷却し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を用いて濾過を行い、固形分濃度が30%の顔料を含有する架橋ポリマー粒子の水分散体2を得た。
架橋ポリマー粒子の架橋率(モル%)の算出は、以下のように行った。
調製例1では、水不溶性ポリマー2.4部に架橋剤(デナコールEX−321、エポキシ当量140)0.234部を反応させた。従って、架橋剤の反応性基のモル数は、0.234/140=0.00167となる。
ここで、架橋剤(デナコールEX−321)はカルボキシ基と反応するため、架橋剤と反応できるポリマーの反応性基のモル数は、ポリマーが有するメタクリル酸(分子量86)のモル数であり、2.4×0.15/86=0.00419 となる。
よって、水不溶性架橋ポリマー粒子の架橋率は、0.00167×100/0.00419=40(モル%)となる。
水溶性ポリマー分散剤〔花王株式会社製、商品名:デモールC(多環芳香族化合物のスルホン酸塩のホルマリン縮合物)〕25部、水400部、更に顔料カーボンブラック(CABOT社製 商品名:MONARCH 880)75部を加え、ディスパー翼を用いて20℃で1時間混合した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理した。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)で濾過することにより、固形分濃度が30%の水溶性ポリマー分散型顔料の水分散体3を得た。
ペンタエチレングリコールモノエチルエーテル(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル270、日本乳化剤株式会社製) 20部、2−ピロリドン(和光純薬株式会社製)2部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル2部(商品名:ブチルトリグリコール、日本乳化剤株式会社製)、1,2−ヘキサンジオール(東京化成工業株式会社製)2部、サーフィノール465(日信化学工業株式会社製)0.5部、オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製)0.5部、プロキセルXL2(アビシア株式会社製)0.3部、2,6−ジ―t―ブチル−p−クレゾール(商品名:アンテージBHT、川口化学工業株式会社製)0.2部、及びイオン交換水30.8部を混合し、室温で15分間攪拌して、混合溶液を得た。
次に調製例2で得られた顔料を含有する架橋ポリマー粒子の水分散体2 41.7部(固形分換算12.5部、顔料分換算10.0部)をマグネチックスターラーで撹拌しながら、混合溶液を添加し、1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、富士フイルム株式会社製)で濾過し、水系インクを得た。
調製例2で得られた顔料を含有する架橋ポリマー粒子の水分散体2を調製例1で得られた顔料を含有するポリマー粒子の水分散体1にした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例1〔インクの製造〕
ペンタエチレングリコールモノエチルエーテルをテトラエチレングリコールモノエチルエーテルにした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例2〔インクの製造〕
ペンタエチレングリコールモノエチルエーテルをヘキサエチレングリコールモノエチルエーテルにした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
調製例2で得られた顔料を含有する架橋ポリマー粒子の水分散体2を比較調製例1で得られた水溶性ポリマー分散型顔料の水分散体とした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例4〔インクの製造〕
調製例2で得られた顔料を含有する架橋ポリマー粒子の水分散体2を、Cab−o−jet 200(キャボット社製、自己分散型顔料)にした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。なお、自己分散型顔料はイオン交換水で調整し、固形分換算10.0部となるように配合した。
比較例5〔インクの製造〕
ペンタエチレングリコールモノエチルエーテルを5部とし、トリエチレングリコールモノブチルエーテル17部とした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例6〔インクの製造〕
ペンタエチレングリコールモノエチルエーテルを36部とし、2−ピロリドン0部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル0部、1,2−ヘキサンジオール0部、及びイオン交換水20.8部とした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例7〔インクの製造〕
トリエチレングリコールモノブチルエーテル17部、及びイオン交換水15.8部とした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
比較例8〔インクの製造〕
2−ピロリドン0部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル0部、1,2−ヘキサンジオール0部、及びイオン交換水36.8部とした以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
インクジェットプリンター(エプソン株式会社製、型番:EM−930C)を用いて、ブラックの全ノズルで問題なく吐出可能となった状態から、市販の普通紙(上質普通紙、HP社製、商品名:HP Multipurpose Paper)に横204mm×縦275の大きさに吐出量を調整してブラック、又はグレー画像を印刷した〔印刷条件=用紙種類:普通紙、モード設定:ブラック、ファイン(1パス)、双方向〕。
前記ブラック、又はグレー画像は、一つの画像において画像濃度が均一であるものを用いた。吐出量の調整はフォトショップ上で画像のDutyを変えて、全ノズル吐出ではブラックを、吐出量を減らすためにはDutyを下げたグレー画像を印刷した。吐出量は、インクカートリッジの重量変化で測定しながら、Dutyを変化させて印刷を繰り返し、実際の打ち込み量の平均が0.80±0.01mg/cm2となるようにDutyを調整した。
印刷終了し、ヘッドがホームポジションに戻ってから所定の時間後に黒地から白地に向かって印刷面を伸ばすように指でこすり、白地部のよごれの光学濃度を測定した。
光学濃度の測定にはマクベス濃度計(グレタグマクベス社製、品番:RD914)を用い、測定条件は、観測光源:D65、観測視野:2度、濃度基準:DIN16536、白色基準:紙の濃度Paper、フィルター無しとし、出力されるブラック成分の数値を読み取った。白色基準となる紙の濃度は印刷していない上記普通紙の表面を用い、擦りで生じる汚れの光学濃度が、0.05以下になるまでの乾燥時間を測定した。乾燥時間が短時間であるほど、良好である。
〔評価基準〕
A:乾燥時間が、30秒未満。
B:乾燥時間が、30秒以上1分未満。
C:乾燥時間が、1分以上。
実施例及び比較例で得られたインクの初期粘度及び70℃で1週間静置した後の粘度を、下記の測定方法で測定し、粘度の変化率(%)を、([70℃で1週間静置後の粘度(mPa・s)]−[初期粘度(mPa・s)])×100/[初期粘度(mPa・s)]の値として求め、保存安定性を評価した。
粘度は、E型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、標準ローター(1°34′×R24)を使用し、測定温度20℃、測定時間1分、回転数20〜100rpmのうち、該インクで装置が許容する最高回転数の条件で測定した。粘度の変化率の絶対値が小さいほど良好である。
インクジェットプリンター(エプソン株式会社製、型番:EM−930C)を用いて、ブラックの全ノズルで問題なく吐出可能となった状態から、市販の普通紙(上質普通紙、XEROX株式会社製、商品名:XEROX 4200)に横204mm×縦275の大きさに吐出量を調整してブラック、又はグレー画像を印刷した〔印刷条件=用紙種類:普通紙、モード設定:ブラック、ファイン(1パス)、双方向〕。
前記ブラック、又はグレー画像は、一つの画像において画像濃度が均一であるものを用いた。吐出量の調整はフォトショップ上で画像のDutyを変えて、全ノズル吐出ではブラックを、吐出量を減らすためにはDutyを下げたグレー画像を印刷した。吐出量は、インクカートリッジの重量変化で測定しながら、Dutyを変化させて印刷を繰り返し、実際の打ち込み量の平均が0.80±0.01mg/cm2となるようにDutyを調整した。印刷所要時間は1枚あたり9秒であった。印刷は5回行い、印刷後すぐに印刷面を上にして平面状に静置した。
得られた印刷物を25℃相対湿度55%で1ヶ月放置後、反り返った4隅の高さを定規で測定し、合計20点のカール高さ(cm)の平均値を記録した。カール高さ(cm)の平均値は小さい方が好ましい。
Claims (4)
- 顔料を含有するポリマー粒子、下記一般式(1)で表される化合物の1種以上を8〜30重量%、及び水を50〜65重量%含有するインクジェット記録用水系インク。
R1−O−(CH2CH2O)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、nは平均付加モル数を示し、4.5〜5.4である。) - R1が炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基又はシクロプロピル基であり、R2が水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基又はシクロプロピル基である請求項1に記載のインクジェット記録用水系インク。
- 顔料を含有するポリマー粒子が、顔料を含有するポリマー粒子中の該ポリマーを架橋剤で架橋して得られる架橋ポリマー粒子である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水系インク。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の水系インクを用いて、普通紙に1パスで印刷するインクジェット記録方法であって、普通紙の単位面積当たりに吐出される水系インク中の水の含有量が0.2〜1.0mg/cm2である、インクジェット記録方法。
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