JP2010037350A - 透湿性フィルムおよびその用途 - Google Patents
透湿性フィルムおよびその用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010037350A JP2010037350A JP2008197852A JP2008197852A JP2010037350A JP 2010037350 A JP2010037350 A JP 2010037350A JP 2008197852 A JP2008197852 A JP 2008197852A JP 2008197852 A JP2008197852 A JP 2008197852A JP 2010037350 A JP2010037350 A JP 2010037350A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- moisture
- film
- resin
- permeable
- permeable film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】透湿性フィルムは、透湿性樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とを含み、水蒸気透過度が20g/m2・24h以上、かつ、23〜80℃の平均線膨張率が±50
0ppm/℃以下である。積層フィルムは、前記透湿性フィルムに粘着層を積層してなり、例えば表面保護フィルムとして用いられる。
【選択図】なし
Description
00ppm/℃以下であることを特徴とする。
ことが好ましい。
透湿性フィルムは、前記透湿性樹脂(A)100重量部に対し、前記プロピレン系樹脂(B)を30重量部以下の割合で含有することが好ましい。また、透湿性フィルムは、波長550nmにおけるヘイズが20%以下であることも好ましく、表面抵抗率が1011Ω/□以下であることも好ましい。
本発明に係る透湿性フィルムは、透湿性樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とを含んでいる。まず、透湿性樹脂(A)、プロピレン系樹脂(B)について説明する。
本発明で用いられる透湿性樹脂とは、水蒸気透過率が1000g/m2・日/0.1m
m以上、好ましくは2000g/m2・日/0.1mm以上の透湿性を有するポリマーで
ある。上記条件を満たす限り、透湿性樹脂の種類には特に制限はなく、各種の透湿性樹脂を適宜使用することができるが、金属イオン含有透湿性樹脂を使用することが特に好ましい。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂(B)としては、プロピレン単独重合体またはプロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられるが、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。
プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位は、プロピレン系樹脂中に通常35モル%以下、好ましくは30モル%以下の割合で含んでいてもよい。
このようなプロピレン系樹脂(B)は、例えばマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および電子供与体からなるチーグラー触媒系、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いメタロセン触媒系でプロピレンを重合あるいはプロピレンとプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとを共重合することにより製造することができる。
本発明に係る透湿性フィルムは、前記透湿性樹脂(A)100重量部に対し、前記プロピレン系樹脂(B)を30重量部以下、好ましくは2〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部の割合で含有することが望ましい。
くは200g/m2・24時間以上であることが望ましい。水蒸気透過率が20g/m2・24時間未満であると、本発明の透湿性フィルムを光学フィルムの保護フィルムとして使用し、光学フィルムとPVA偏光子との接着に水系接着材を用いた場合の貼り合わせ時に、水がフィルム断面から乾燥できず、保護フィルムと光学フィルムとの界面に水ぶくれが生じたり、PVA偏光子の偏光度が低下したり、偏光子に黒点が出たりするなどの欠点が生じるおそれがある。透湿性フィルムにおいて、透湿性樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)の配合量を上記範囲内とすることにより、水蒸気透過率を上記範囲内とすることができる。
範囲内にあると、光学フィルムを搬送、剥離などの工程での剥離帯電を避けたり、ゴミやほこりの吸着を防止したりするのに有効である。透湿性フィルムにおいて、透湿性樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)の配合量を上記範囲内とすることにより、表面抵抗率を上記範囲内とすることができる。
本発明の透湿性フィルムは、上述の透湿性樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)と、必要に応じて用いられる各種添加剤を用い、押出成形法などの溶融成形法、溶液流延法(溶剤キャスト法)などによりフィルム状に成形することにより得ることができる。
本発明に係る積層体は、例えば上記透湿性フィルムに粘着層を積層したものである。
粘着層は、公知の各種の方法により形成される。例えば、塗工機で透湿性フィルム上に粘着剤をコーティングする方法、透湿性フィルムと粘着剤をTダイやサーキュラーダイから多層フィルム状に製膜する共押出法、前記樹脂をフィルム状に成形後透湿性フィルムと貼り合わせる方法等が挙げられる。
透湿性フィルムの表面に形成される粘着層を構成する粘着剤としては、通常用いられる再剥離用粘着剤(アクリル系、ゴム系、合成ゴム系等)を特に制限なく使用できる。なかでもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン系エラストマー樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂のうちの少なくとも1種を含む樹脂組成物が好ましい。
[表面保護フィルム]
上記のような積層体は、例えば薄型表示パネルに使用される偏光フィルム、位相差フィルム、ARフィルム等の光学フィルムの表面保護、プリント配線基板等の電子部品材料の表面保護や製造工程における中間製品の表面保護フィルムとして用いられる。
なお以下の実施例、比較例においては、フィルムの各種物性は、下記測定方法に従って評価した。
サンプルをJIS Z0208 B法に準拠し、40℃90%RHの条件下でサンプル面積28.
3cm2を透過する水蒸気の質量(g)を測定し、算出した。
23℃の環境下に24時間放置したフィルムから、100mm×100mmの大きさの試験片を採取し、その試験片の寸法を測定し、23℃寸法L23とした。そして、その試験片を80℃恒温槽中に24時間放置した後、恒温槽から試験片を取り出し、23℃の環境下に1時間放置した後、寸法を測定し、80℃寸法L80とした。これらの寸法を用い、線膨張率を下記の式より算出した。
23〜80℃の平均線膨張率(/℃)=(L80−L23)/(57・L23)
(3)ヘイズ
JIS K7105に準拠し、ヘーズメーター(TC-H3DPK、(有)東京電色技術センター製)を
用いて、サンプルを測定した。
JIS K6911に準拠し、温度23±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、デジタル抵抗
計(デジタル超高抵抗/微小電流計、(株)アドバンテスト製)を用いて、サンプルを測定した。
透湿性樹脂(A)として、エチレンアクリル酸系のカリウムアイオノマー(エンティラMK400(商品名):三井・デュポンポリケミカル社製)を用い、プロピレン系樹脂(B)
として、ランダムポリプロピレン(F327(商品名):プライムポリマー社製)を用いた。透湿性樹脂(A)90重量%、プロピレン系樹脂(B)10重量%の組成である均一混合体を押出機ホッパーに供給し、押出機内で270℃で溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ドラムに密着固化させて、透湿性フィルムを得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表1に示す。
実施例1において、透湿性樹脂(A)を80重量%、プロピレン系樹脂(B)を20重量%に変更した組成の均一混合体を押出機ホッパーに供給し、押出機内で270℃で溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ドラムに密着固化させて、透湿性フィルムを得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表1に示す。
実施例1において、プロピレン系樹脂(B)を、シンジオタクティックポリプロピレン(Finaplas1471(商品名):Total社製)に変更して用いた。透湿性樹脂(A)90重量%、このプロピレン系樹脂(B)10重量%の組成である均一混合体を押出機ホッパーに供給し、押出機内で270℃で溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ド
ラムに密着固化させて、透湿性フィルムを得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表1に示す。
実施例3において、透湿性樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)の組成の均一混合体を押出機ホッパーに供給し、押出機内の溶融温度を240℃に変更し、溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ドラムに密着固化させて、透湿性フィルムを得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表1に示す。
実施例1で得られた透湿性フィルムと、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EV150(
商品名):三井・デュポンポリケミカル社製)から得られた厚み23μmのフィルムを、ラミネーターで貼り合わせ、積層フィルムを得た。かくして得られた積層フィルムの物性を表1に示す。
実施例1で得られた透湿性フィルムと、ポリオレフィン系エラストマー樹脂(ノティオPN-2070(商品名):三井化学社製)から得られた厚み15μmのフィルムを、ラミネー
ターで貼り合わせ、積層フィルムを得た。かくして得られた積層フィルムの物性を表1に示す。
実施例1で得られた透湿性フィルムと、ウレタン樹脂から得られた厚み46μmのフィルムを、ラミネーターで貼り合わせ、積層フィルムを得た。かくして得られた積層フィルムの物性を表1に示す。
エチレンアクリル酸系のカリウムアイオノマー(エンティラMK400(商品名):三井・
デュポンポリケミカル社製)を押出機ホッパーに供給し、押出機内で190℃で溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ドラムに密着固化させて、透湿性フィルムを得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表2に示す。
ランダムポリプロピレン(F327(商品名):プライムポリマー社製)を押出機ホッパーに供給し、押出機内で270℃で溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ドラムに密着固化させて、透湿性フィルムを得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表2に示す。
透湿性樹脂(A)として、エチレンアクリル酸系のカリウムアイオノマー(エンティラMK400(商品名):三井デュポンポリケミカル社製)を80重量%、低密度ポリエチレン
樹脂(ミラソン11P(商品名):三井化学社製)を20重量%の組成の均一混合体を押出
機ホッパーに供給し、押出機内で190℃で溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ドラムに密着固化させて、透湿性フィルムを得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表2に示す。
比較例3において、透湿性樹脂(A)を50重量%、低密度ポリエチレン樹脂を50重量%に変更した組成の均一混合体を押出機ホッパーに供給し、押出機内で190℃で溶融させ、異物を濾過後、口金より吐出させ、冷却ドラムに密着固化させて、透湿性フィルム
を得た。かくして得られた透湿性フィルムの物性を表2に示す。
Claims (10)
- 透湿性樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とを含み、水蒸気透過度が20g/m2・
24h以上、かつ、23〜80℃の平均線膨張率が±500ppm/℃以下であることを特徴とする透湿性フィルム。 - 前記透湿性樹脂(A)がカリウムイオンを有するアイオノマー樹脂である請求項1記載の透湿性フィルム。
- 前記透湿性樹脂(A)100重量部に対し、前記プロピレン系樹脂(B)を30重量部以下の割合で含有することを特徴とする請求項1または2記載の透湿性フィルム。
- 波長550nmにおけるヘイズが20%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
- 表面抵抗率が1011Ω/□以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の透湿性フィルムに粘着層を積層した積層フィルム。
- 前記粘着層として、少なくともエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン系エラストマー樹脂、およびウレタン樹脂のいずれかを含有する樹脂を用いた請求項6に記載の積層フィルム。
- 前記粘着層として、アクリル系粘着剤を用いた請求項6に記載の積層フィルム。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載のフィルムを、表面保護フィルムとして用いた積層体。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載のフィルムを、偏光機能を有するフィルムと貼り合わせた積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008197852A JP2010037350A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | 透湿性フィルムおよびその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008197852A JP2010037350A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | 透湿性フィルムおよびその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010037350A true JP2010037350A (ja) | 2010-02-18 |
Family
ID=42010237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008197852A Pending JP2010037350A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | 透湿性フィルムおよびその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010037350A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101411020B1 (ko) | 2011-12-29 | 2014-06-24 | 제일모직주식회사 | 편광판용 점착제, 이로부터 형성된 점착층을 포함하는 편광판 및 이를 포함하는 액정표시장치 |
-
2008
- 2008-07-31 JP JP2008197852A patent/JP2010037350A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101411020B1 (ko) | 2011-12-29 | 2014-06-24 | 제일모직주식회사 | 편광판용 점착제, 이로부터 형성된 점착층을 포함하는 편광판 및 이를 포함하는 액정표시장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI487766B (zh) | 表面保護膜 | |
KR102347913B1 (ko) | 광가교성 투명 점착재, 투명 점착재 적층체 및 광학 장치 구성용 적층체 | |
CN101583684B (zh) | 丙烯酸压敏粘合剂组合物 | |
TWI335350B (ja) | ||
KR101983418B1 (ko) | 폴리올레핀계 필름 | |
KR20120136384A (ko) | 표면 보호 필름 | |
JP5871734B2 (ja) | 表面保護フィルム | |
JP6206749B1 (ja) | 積層フィルム | |
JP6628101B2 (ja) | 積層フィルム | |
CN106795374B (zh) | 组合物及层叠体 | |
JP5300310B2 (ja) | 表面保護フィルム | |
WO2011096350A1 (ja) | 表面保護フィルム | |
JP5465810B2 (ja) | 感圧型粘着フィルムまたはシート、表面保護フィルムまたはシート、および物品の表面を保護するために使用する方法 | |
JP7206747B2 (ja) | 接着性樹脂組成物および易剥離性フィルム | |
JP2010037350A (ja) | 透湿性フィルムおよびその用途 | |
JP2010242079A (ja) | 表面保護フィルム | |
JP2016043560A (ja) | 積層二軸延伸フィルム | |
WO2011096351A1 (ja) | 表面保護フィルム | |
JP2020186394A (ja) | 積層体 | |
JP4767573B2 (ja) | 粘着フィルム用セパレーター | |
JP2006282761A (ja) | 表面保護フィルム | |
TWI575042B (zh) | 感壓型黏著薄膜或片、表面保護薄膜或片、以及將感壓型黏著薄膜或片使用於保護物品表面之方法 | |
JP6016801B2 (ja) | 感圧型粘着フィルムまたはシート、表面保護フィルムまたはシート、および感圧型粘着フィルムまたはシートを物品の表面を保護するために使用する方法 | |
JP3078374B2 (ja) | 描画性保護フイルムおよびその製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20100915 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20100915 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120229 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120313 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120724 |