JP2010037143A - ガラス溶融炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子の沈殿、堆積を防止する。
【解決手段】下端に設けられた流下ノズル1に向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部2と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極4と、主電極4よりも低い位置に設けられ、主電極4のジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極5とを備える溶融槽6を有するガラス溶融炉であって、溶融槽6内の溶融ガラスの流れの中に溶融ガラスが通過可能な強磁性体部材7を配置すると共に、溶融槽6の外側に強磁性体部材7に磁場を与える磁気力発生装置8を設け、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子9を磁気力によって強磁性体部材7に付着させるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、高レベル放射性廃液のガラス固化に使用されるガラス溶融炉に関する。更に詳しくは、本発明はジュール熱を発生させるために溶融ガラスに通電する電極を有するガラス溶融炉に関するものである。
高レベル放射性廃液のガラス固化を行なうために使用されるガラス溶融炉として、通電によって発生するジュール熱を利用して高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスを加熱するものがある(非特許文献1)。このガラス溶融炉を図5に示す。溶融槽101の壁面には、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極102が設けられている。また、主電極102によって発生させたジュール熱による加熱では溶融槽101の底部の溶融ガラスを十分な温度に上昇させることができないので、主電極102よりも低い位置に補助電極103を設け、溶融槽101の底部の溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させ加熱を行なっている。
寺井良平、「冷却ルツボによるガラスの溶融」、[online]、マテリアルインテグレーション vol.20 No10 (2007) p55-p59、[平成20年7月15日検索]、インターネット<URL:http://www.tic-mi.com/publ/essay/terai/0710terai.pdf>
ところで高レベル放射性廃液には白金族金属等の粒子(以下、金属粒子という)が含まれている。金属粒子は溶融ガラスよりも比重が大きく、沈殿し炉底部に堆積する虞がある。しかしながら、上記のガラス溶融炉には金属粒子の沈殿、堆積を積極的に防止する手段を有していない。
本発明は、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子の沈殿、堆積を防止することができるガラス溶融炉を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、下端に設けられた流下ノズルに向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極と、主電極よりも低い位置に設けられ、主電極のジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極とを備える溶融槽を有するガラス溶融炉において、溶融槽内の溶融ガラスの流れの中に溶融ガラスが通過可能な強磁性体部材を配置すると共に、溶融槽の外側に強磁性体部材に磁場を与える磁気力発生装置を設け、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を磁気力によって強磁性体部材に付着させるものである。したがって、磁気力発生装置が強磁性体部材に磁場を与えると、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子が強磁性体部材に吸着される。そのため、金属粒子が沈殿するのを防止される。
また、請求項2記載の発明は、下端に設けられた流下ノズルに向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極と、主電極よりも低い位置に設けられ、主電極のジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極とを備える溶融槽を有するガラス溶融炉において、溶融ガラス中に当該溶融ガラスを撹拌する電磁力を生じさせる電磁力発生装置を備えるものである。したがって、電磁力発生装置が電磁力を発生させると、この電磁力によって溶融ガラスが撹拌され、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子が沈殿するのを防止される。
また、請求項3記載の発明は、下端に設けられた流下ノズルに向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極と、主電極よりも低い位置に設けられ、主電極のジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極とを備える溶融槽を有するガラス溶融炉において、溶融ガラス中に当該溶融ガラスを撹拌する電磁力を生じさせる電磁力発生装置を備えると共に、溶融槽内の溶融ガラスの流れの中に溶融ガラスが通過可能な強磁性体部材を配置し、溶融槽の外側に強磁性体部材に磁場を与える磁気力発生装置を設け、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を磁気力によって強磁性体部材に付着させるものである。
したがって、磁気力発生装置が強磁性体部材に磁場を与えると、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子が強磁性体部材に吸着される。また、電磁力発生装置が電磁力を発生させると、この電磁力によって溶融ガラスが撹拌される。これらのため、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子が沈殿するのを防止される。
請求項1記載のガラス溶融炉では、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を強磁性体部材によって吸着するので、金属粒子が沈殿し炉底部に堆積するのを防止することができる。そのため、補助電極の正極と負極との間の電流パスや主電極と補助電極との間の電流パスが発生するのを防止することができると共に、流下ノズルへの開口が堆積した金属粒子によって塞がれるのを防止することができる。
また、請求項2記載のガラス溶融炉では、溶融ガラスを撹拌し高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を浮遊させるので、金属粒子が沈殿し炉底部に堆積するのを防止することができる。そのため、補助電極の正極と負極との間の電流パスや主電極と補助電極との間の電流パスが発生するのを防止することができると共に、流下ノズルへの開口が堆積した金属粒子によって塞がれるのを防止することができる。
また、請求項3記載のガラス溶融炉では、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を強磁性体部材によって吸着すると共に、溶融ガラスを撹拌し高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を浮遊させるので、金属粒子が沈殿し炉底部に堆積するのを防止することができる。そのため、補助電極の正極と負極との間の電流パスや主電極と補助電極との間の電流パスが発生するのを防止することができると共に、流下ノズルへの開口が堆積した金属粒子によって塞がれるのを防止することができる。
なお、本発明のガラス溶融炉は、流下ノズルの周囲に設けられた発熱体と、発熱体を加熱する誘導加熱装置を備えることが好ましい。この場合には、誘導加熱装置によって発熱体を加熱し、発熱体の熱によって流下ノズル内の溶融ガラスを加熱するので、溶融ガラスを効率よく加熱することができる。即ち、発熱体を設けずに、誘導加熱装置が発生させる電磁場を直接溶融ガラスに影響させる場合は、電気伝導率が比較的大きくなければならないので、溶融ガラスの温度は高くなければならない。溶融ガラスの温度が低いほど、電磁場のエネルギーは金属粒子を加熱するのに使われることになる。これに対し、発熱体を使用した場合は、誘導加熱装置が発生させる電磁場は発熱体の加熱に使用されることになり、発熱体の発熱によって溶融ガラスを加熱するので、溶融ガラスを効率よく加熱することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に本発明のガラス溶融炉の第1の実施形態を示す。ガラス溶融炉は、下端に設けられた流下ノズル1に向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部2と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラス(以下、溶融ガラス等3という)に通電してジュール熱を発生させる主電極4と、主電極4よりも低い位置に設けられ、主電極4のジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極5とを備える溶融槽6を有するものであって、溶融槽6内の溶融ガラスの流れの中に溶融ガラスが通過可能な強磁性体部材7を配置すると共に、溶融槽6の外側に強磁性体部材7に磁場を与える磁気力発生装置8を設け、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子9を磁気力によって強磁性体部材7に付着させるものである。
ガラス溶融炉は高レベル放射性廃液をガラス固化するのに使用される。高レベル放射性廃液には、例えばルテニウム、パラジウム等の白金族粒子等の金属粒子9が含まれている。
溶融槽6は例えば耐火れんが13によって形成されている。溶融槽6の炉底部2は例えば下に向けて収束する角錐状又は円錐状等の傾斜面2aを有しており、下端の流下ノズル1に向けて溶融ガラス等3が流れるようになっている。本実施形態では、炉底部2は円錐状の傾斜面2aを有している。ただし、円錐状の傾斜面2aに限るものではなく、例えば四角錐等の角錐状の傾斜面2aでも良く、その他、流下ノズル1に向けて溶融ガラス等3を導く形状のものであれば特に限定されない。
主電極4は正極と負極から構成されている。本実施形態では、正極と負極から構成される主電極4を1組設けている。ただし、主電極4の組数は1組に限るものではなく、2組以上の主電極4を設けても良い。主電極4は溶融槽6の比較的高い位置に溶融ガラス等3に接触し得る状態で設けられている。本実施形態では、溶融槽6の周壁6aの上端近傍位置に主電極4が設けられている。ただし、主電極4の位置はこれに限るものではない。また、正極と負極は周壁6aの中心を挟んだ対向位置、即ち周壁6aを上から見て一の直径上に対向して設けられている。ただし、正極と負極の配置はこれに限るものではない。
補助電極5は正極と負極から構成されている。本実施形態では、正極と負極から構成される補助電極5を1組設けている。ただし、補助電極5の組数は1組に限るものではなく、2組以上の補助電極5を設けても良い。補助電極5は溶融槽6の比較的低い位置に溶融ガラス等3に接触し得る状態で設けられている。本実施形態では、溶融槽6の炉底部2の流下ノズル1の近傍位置に補助電極5が設けられている。ただし、補助電極5の位置はこれに限るものではない。また、正極と負極は周壁6aの中心を挟んだ対向位置、即ち炉底部2を上から見て一の直径上に対向して設けられている。ただし、正極と負極の配置はこれに限るものではない。
ガラス溶融炉は、高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子9を付着させる強磁性体部材7を溶融ガラス等3中に設けている。強磁性体部材7は、磁場を通し易くしてその表面の磁場勾配を高くして金属粒子9を付着させるためのものであり、溶融ガラス等3の流れを妨げないようにすると共に表面積を広くするため、本実施形態では透磁率の大きな電磁軟鉄の棒を格子状に組み合わせて構成されている(以下、強磁性体格子7という)。ただし、強磁性体部材7は電磁軟鉄の棒を格子状に組み合わせたものに限るものではない。溶融ガラス等3は強磁性体格子7を構成する棒の間を通り抜けることができる。強磁性体格子7を設ける位置は特に限定されるものではないが、溶融ガラス等3の流れが通過する位置に設けられている。本実施形態では、炉底部2の最も低い位置に強磁性体格子7を設けている。強磁性体格子7を炉底部2の最も低い位置に設けることで、溶融ガラス等3の温度の低い位置に強磁性体格子7を配置することができる。また、強磁性体格子7を補助電極5の近傍に設けても良い。強磁性体格子7をこの位置に設けることで、特に補助電極5近傍への金属粒子9の堆積を効率良く防止することができる。ただし、強磁性体格子7を設ける位置はこれらに限るものではない。また、強磁性体格子7の表面に防食用のセラミックコーティングを施すことが好ましい。
なお、電磁軟鉄製の強磁性体格子7の使用温度の上限は例えば850℃程度である。溶融槽6の比較的低い位置では溶融ガラス等3の温度は例えば800℃程度である。したがって、電磁軟鉄製の強磁性体格子7の使用は十分可能である。
溶融槽6の外側には、溶融ガラス等3中の強磁性体格子7に磁場を与える磁気力発生装置8が設けられている。この磁気力発生装置8は、溶融槽6を径方向に貫通する磁力線Bを発生させて強磁性体格子7に磁力線Bを通すものであり、例えば図2に示すように、溶融槽6の外側に設置された一対の直流コイル(以下、直流コイル8という)によって構成されている。各直流コイル8としては、常伝導コイルでも超伝導コイルでも良い。例えば発生させる直流磁場が1テスラ程度以下のもので足りる場合には常伝導コイルを使用し、1テスラ程度を越える大きさの直流磁場を発生させる必要がある場合には、超伝導コイルを使用することが好ましい。各直流コイル8は、強磁性体格子7を挟んで対向するように配置されている。各直流コイル8に流す電流の方向を溶融槽6の径方向外側から見て逆方向にすることで、溶融槽6を径方向に貫通する磁力線Bを発生させることができる。ただし、溶融槽6を径方向に貫通する磁力線Bを発生させる装置としては、一対の直流コイル8に限るものではなく、例えば一対の永久磁石でも良い。即ち、強磁性体格子7を挟んで溶融槽6の直径上に一対の永久磁石を設置し、一方の永久磁石のN極を溶融槽6に対向させ、他方の永久磁石のS極を溶融槽6に対向させることで、溶融槽6を径方向に貫通する磁力線Bを発生させるようにしても良い。また、磁気力発生装置8はこれら以外のものでも良い。
ガラス溶融炉は、流下ノズル1の周囲に設けられた発熱体10と、発熱体10を加熱する誘導加熱装置11を備えている。発熱体10は、例えば円筒形状を成しており、流下ノズル1を囲むように設けられている。発熱体10は、例えばインコネル等の金属管である。ただし、発熱体10は金属管に限るものではなく、例えば炭化ケイ素等の管でも良い。誘導加熱装置11は、例えば誘導加熱コイルであり、発熱体10を囲むように設けられている。誘導加熱装置11が発生させる電磁場によって発熱体10が加熱される。発熱体10の熱によって流下ノズル1内の溶融ガラスが加熱される。
流下ノズル1には、図示しないバルブが設けられている。流下ノズル1の下方には、図示しないガラス固化容器が置かれる。
次に、ガラス溶融炉によるガラス固化について説明する。
流下ノズル1のバルブ(図示せず)を閉じた状態で、溶融槽6内に溶融ガラスと高レベル放射性廃液を入れる。溶融ガラスと高レベル放射性廃液を予め混合してから溶融槽6内に流し込んでも良く、溶融ガラスと高レベル放射性廃液とを別々に流し込んでも良い。また、溶融ガラスと高レベル放射性廃液とを混合しないまでも1つの流れに合流させてから溶融槽6内に流し込んでも良い。また、溶融槽6に高レベル放射性廃液と原料ガラスを投入し、後述するジュール熱によって原料ガラスを溶融させるようにしても良い。
溶融槽6内に溶融ガラスと高レベル放射性廃液を流し込んだ後、主電極4及び補助電極5を使用して溶融ガラス等3に通電し、ジュール熱を発生させて溶融ガラス等3を加熱する。これにより、溶融ガラス等3の温度が低下して流動性が悪化するのを防止することができる。溶融ガラス等3の温度は、例えば液面の付近では1200℃程度、底に近い部分では800℃程度になる。
また、磁気力発生装置8に通電する。これにより、強磁性体格子7に磁力線が通り、溶融ガラス等3中の金属粒子9は強磁性体格子7を通り抜ける際、磁気力によって強磁性体格子7に付着する。即ち、金属粒子9がトラップされる。溶融槽6内の溶融ガラス等3は溶融槽6内に流し込まれた勢いやジュール熱による加熱で流動しており、その流れが強磁性体部材7を通り抜けるので、金属粒子9が強磁性体格子7に次々にトラップされる。また、金属粒子9は溶融ガラスや高レベル放射性廃液に比べて比重が大きいので沈下し、炉底部2の低い位置に設けられた強磁性体格子7にトラップされる。このように、本発明のガラス溶融炉では、強磁性体格子7によって金属粒子9をトラップすることができるので、溶融槽6の壁面に金属粒子9が沈殿し堆積して補助電極5の正極と負極との間の電流パスや主電極4と補助電極5との間の電流パスが形成されるのを防止することができると共に、流下ノズル1への開口が堆積した金属粒子9によって塞がれるのを防止することができる。
その後、流下ノズル1のバルブを開くと、溶融槽6内の溶融ガラス等3が流下ノズル1から排出されてガラス固化容器に充填される。このとき、磁気力発生装置8への通電を停止することで強磁性体格子7にトラップされていた金属粒子9が放され、溶融ガラス等3と一緒にガラス固化容器内に充填される。
流下ノズル1には発熱体10と誘導加熱装置11が設けられているので、誘導加熱装置11に通電し発熱体10を発熱させることで、流下ノズル1内で溶融ガラスが冷えて流動性が悪化するのを防止することができる。発熱体10の発熱によって溶融ガラスを加熱することができるので、効率よく溶融ガラスを加熱することができる。
次に、本発明のガラス溶融炉の第2の実施形態を示す。このガラス溶融炉を図3及び図4に示す。なお、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態のガラス溶融炉は、金属粒子9を磁気力によって強磁性体格子7に付着させることに代えて、溶融ガラス等3中に当該溶融ガラス等3を撹拌する電磁力を生じさせる電磁力発生装置12を備えている。
電磁力発生装置12は、本実施形態の場合には溶融槽6の周方向に向かう回転磁界を発生させる交流コイルで構成され、溶融槽6の炉底部2に周方向に沿って並べるように配置されている。本実施形態では、電磁力発生装置12として三相交流コイル12a,12b,12cを使用している。ただし、三相交流コイル12a,12b,12c以外の交流コイルを使用しても良い。また、三相交流コイル12a,12b,12cを4組設けている。ただし、三相交流コイル12a,12b,12cの数は4組に限るものではない。各相のコイル12a,12b,12cは例えば30度ずつずらして配置されている。本実施形態では、円錐状の傾斜面2aとなっている炉底部2に三相交流コイル12a,12b,12cを配置しているので、各コイル12a,12b,12cの形状を上辺よりも下辺が短い台形形状とし、隣りのコイルとの間隔を詰めて各コイル12a,12b,12cを配置している。各コイル12a,12b,12cの位相差は120度となっている。
図4に各コイル12a,12b,12cの配置を示す。なお、図4では鉄心の図示を省略している。図4において、○の中に・を記載した記号は、図面に対し奥側から手前側に向かって電流が流れていることを意味する。また、○の中に×を記載した記号は、図面に対し手前側から奥側に向かって電流が流れていることを意味する。即ち、ある瞬間において、前記記号の方向に電流が流れている。ここで、(磁場の強さ)=(巻き数)×(電流)の条件を見たすように、各コイル12a,12b,12cの巻き数が決められる。また、各コイル12a,12b,12cに流す電流は、(電流)=(電圧)÷(インピーダンス)から求められる。
電磁力発生装置12に図示しない電源より三相交流の電流が供給されると、例えば図4に矢印B1で示すように、炉底部2の壁を貫通して内外を通って循環する磁力線が発生する。磁力線B1は各コイル毎に発生するが、各コイルの位相差や各コイルに流れる電流の方向やその変化によって溶融槽6の周方向一側に向かう回転磁界が形成される。
電磁力発生装置12によって周方向の回転磁界を形成することで、炉底部2の壁の近傍位置、即ち磁力線B1が径方向に貫通する位置に炉底部2の壁に沿って上昇又は下降して流れる電流が発生する。例えば、図4のP1位置では同図の奥側から手前側に向かう電流が、P2位置では同図の手前側から奥側に向かう電流が発生する。回転磁界と溶融ガラス等3中に生じる電流とによってフレミングの左手の法則から炉底部2の周方向に向かう電磁力Fが発生する。溶融ガラス等3中に発生する電流は場所によって向きが逆になるが、磁力線B1の向きも逆になっているので、常に同じ周方向の電磁力Fが発生する。この電磁力Fは溶融ガラス等3中に発生し、溶融ガラス等3を周方向に駆動する。これにより、溶融ガラス等3が撹拌され、高レベル放射性廃液に含まれている金属粒子9を浮遊させて沈殿、堆積を防止することができる。したがって、上述の強磁性体格子7によってトラップする場合と同様に、金属粒子9によって補助電極5の正極と負極との間の電流パスや主電極4と補助電極5との間の電流パスが形成されるのを防止することができると共に、流下ノズル1への開口が堆積した金属粒子9によって塞がれるのを防止することができる。
このように金属粒子9を浮遊させた状態で流下ノズル1のバルブを開くと、溶融ガラス等3と一緒に金属粒子9もガラス固化容器に排出される。電磁力発生装置12によって撹拌しながら溶融ガラス等3を排出しても良いが、電磁力発生装置12を停止させても暫くの間は金属粒子9は浮遊し続けているので、電磁力発生装置12を停止させてから流下ノズル1のバルブを開いて溶融ガラス等3を排出しても良い。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、流下ノズル1に発熱体10と誘導加熱装置11を設け、誘導加熱装置11によって発熱体10を発熱させて流下ノズル1内の溶融ガラス等3を加熱していたが、換言すると流下ノズル1内の溶融ガラス等3を間接的に加熱していたが、必ずしも間接的に加熱する必要はなく、例えば発熱体10を省略し、誘導加熱装置11によって溶融ガラス等3を直接的に加熱するようにしても良い。即ち、誘導加熱装置11が発生させる電磁場を溶融ガラス等3にまで侵入させて加熱するようにしても良い。この場合、溶融ガラスの温度は比較的高くなければならない。溶融ガラスの温度が低い場合は、溶融ガラスの電気伝導率も低いので、誘導加熱装置11の電磁場のエネルギーの大部分は溶融ガラス自体を加熱するのではなく、金属粒子9の加熱に使われることになる。または、流下ノズル1内の溶融ガラス等3の加熱が不要な場合には、誘導加熱装置11による加熱を行なわなくても良い。
また、上述の説明では、強磁性体部材7及び磁気力発生装置8(第1の実施形態)と電磁力発生装置12(第2の実施形態)とのいずれか一方を備え、金属粒子9を磁気トラップ又は磁気撹拌していたが、これら両方を同時に行なうようにしても良い。
本発明のガラス溶融炉の第1の実施形態を示す縦断面図である。 同ガラス溶融炉の横断面図である。 本発明のガラス溶融炉の第2の実施形態を示す縦断面図である。 同ガラス溶融炉の横断面図である。 従来のガラス溶融炉の断面図である。
符号の説明
1 流下ノズル
2 炉底部
3 高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラス(溶融ガラス等)
4 主電極
5 補助電極
6 溶融槽
7 強磁性体格子(強磁性体部材)
8 直流コイル(磁気力発生装置)
9 金属粒子
10 発熱体
11 誘導加熱装置
12 電磁力発生装置

Claims (3)

  1. 下端に設けられた流下ノズルに向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極と、前記主電極よりも低い位置に設けられ、前記ジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極とを備える溶融槽を有するガラス溶融炉において、前記溶融槽内の前記溶融ガラスの流れの中に前記溶融ガラスが通過可能な強磁性体部材を配置すると共に、前記溶融槽の外側に前記強磁性体部材に磁場を与える磁気力発生装置を設け、前記高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を磁気力によって前記強磁性体部材に付着させることを特徴とするガラス溶融炉。
  2. 下端に設けられた流下ノズルに向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極と、前記主電極よりも低い位置に設けられ、前記ジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極とを備える溶融槽を有するガラス溶融炉において、前記溶融ガラス中に当該溶融ガラスを撹拌する電磁力を生じさせる電磁力発生装置を備えることを特徴とするガラス溶融炉。
  3. 下端に設けられた流下ノズルに向けて内径が漸次狭まるように傾斜する炉底部と、高レベル放射性廃液が混合された溶融ガラスに通電してジュール熱を発生させる主電極と、前記主電極よりも低い位置に設けられ、前記ジュール熱による加熱では十分な温度を得ることができない部位に通電しジュール熱を発生させる補助電極とを備える溶融槽を有するガラス溶融炉において、前記溶融ガラス中に当該溶融ガラスを撹拌する電磁力を生じさせる電磁力発生装置を備えると共に、前記溶融槽内の前記溶融ガラスの流れの中に前記溶融ガラスが通過可能な強磁性体部材を配置し、前記溶融槽の外側に前記強磁性体部材に磁場を与える磁気力発生装置を設け、前記高レベル放射性廃液に含まれる金属粒子を磁気力によって前記強磁性体部材に付着させることを特徴とするガラス溶融炉。
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