JP2010037009A - フィルム剥離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 剥離後の保護フィルムの処理を容易にし、剥離後の保護フィルムが投入される回収容器の利用効率を向上することのできるフィルム剥離装置を提供する。
【解決手段】 フィルム剥離装置1は、液晶パネル基板2から保護フィルム3の周縁部を剥離する周縁部剥離手段10と、液晶パネル基板2から剥離された保護フィルム3の周縁部を保持する保持手段11と、保持手段11を移動させる移動手段12と、尖端部分51aを有する折り目形成部51を備える折り目形成手段13と、折り目形成手段13によって折り目が形成された保護フィルム3を折り返す折り返し手段14とを含んで構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板の厚み方向一方の表面に貼着された保護フィルムを基板から剥離するフィルム剥離装置に関する。
従来から、液晶パネル基板およびプラズマディスプレイパネル基板などの基板を構成要素の一部とする画像表示装置を製造する過程では、基板の表面に対して微細な傷が付くまたは塵埃が付着するなどによって基板の品位が低下してしまうおそれがある。そこで、このような品位の低下を防止するために、表面を保護するための保護フィルムが基板に貼着されている。しかし、製品としての画像表示装置には保護フィルムが不要であるため、その製造過程において、基板の表面から保護フィルムを剥離する工程が必ず存在する。
このように基板からフィルムを剥離する装置が、たとえば特許文献1に開示されている。特許文献1のシート剥離装置では、感熱性を有する接着テープが用いられ、半導体ウェハに貼付された保護シートの端部に前記接着テープを熱圧着し、前記接着テープを引っ張ることによって保護シートを剥離している。このようにして剥離された保護シートは、前記接着テープとともに、シート剥離装置の下方に設けられている廃棄ボックスへそのまま廃棄されている。
また、特許文献2に開示されているフィルム剥離装置は、保護フィルムが表面に貼着されている基板を搬送するコンベアを備え、搬送される基板の保護フィルムに対し粘着ロールを付着させて、基板の搬送に伴って保護フィルムを剥離するように構成されている。このようにして剥離された保護フィルムは、フィルム剥離ロールによって粘着ロールから剥離された後、フィルム送りコンベアに引っ掛けられて搬送され、最終的には回収コンベアに落下させた後、回収コンベアによって装置の外へ搬送されて廃棄されている。
近年、液晶パネル基板およびプラズマディスプレイパネル基板の大型化に伴って、基板の表面に貼着される保護フィルム自体も大型化している。引用文献1および2に記載されるように、剥離後の保護フィルム101に何ら処理を施すことなく、保護フィルム101を回収のための回収容器100に向けて上方から落下させた場合、図14に示すように、回収容器100内において保護フィルム101の粘着面が、回収容器100の底面および内壁面ならびに既に収容されている保護フィルム101に対して不所望に貼着してしまう。したがって、回収容器100内における保護フィルム101の充填率が低い状態で回収容器100が満杯となってしまうため、回収容器100の利用効率が悪く、回収容器100から保護フィルム101を廃棄するサイクルが短くなってしまうという問題がある。
また、基板から剥離された保護フィルムは、一方の面に粘着性を有する粘着層が設けられており、さらに、基板から剥離する際に発生する剥離帯電によって静電気を帯びている。したがって、基板から剥離後の保護フィルムは取り扱いが困難であり、剥離後の保護フィルムに何ら処理を施すことなく回収容器まで搬送しようとする場合、周囲の装置に貼りついてしまうおそれがある。このように保護フィルムが装置に付着した場合、装置自体が停止してしまうおそれがあるという問題がある。
本発明は、上述する問題に鑑みてなされたものであり、基板から剥離された保護フィルムの形状を小さくし、基板から剥離された保護フィルムにおける粘着性を有する粘着面が露出する面積を低減して、剥離後の保護フィルムの処理を容易にし、剥離後の保護フィルムが投入される回収容器の利用効率を向上することのできるフィルム剥離装置を提供することを目的とする。
本発明は、基板の厚み方向一方の表面に貼着されている保護フィルムを前記基板から剥離するフィルム剥離装置であって、
前記基板から保護フィルムの周縁部を剥離する周縁部剥離手段と、
前記基板から剥離された保護フィルムの周縁部を保持する保持手段と、
前記保持手段を予め定める移動経路に沿って移動させる移動手段と、
尖端部分を有する折り目形成部を備える折り目形成手段と、
前記折り目形成手段によって折り目が形成された保護フィルムを折り返す折り返し手段とを有することを特徴とするフィルム剥離装置である。
前記基板から保護フィルムの周縁部を剥離する周縁部剥離手段と、
前記基板から剥離された保護フィルムの周縁部を保持する保持手段と、
前記保持手段を予め定める移動経路に沿って移動させる移動手段と、
尖端部分を有する折り目形成部を備える折り目形成手段と、
前記折り目形成手段によって折り目が形成された保護フィルムを折り返す折り返し手段とを有することを特徴とするフィルム剥離装置である。
また本発明は、折り目形成手段が、折り目形成部を移動させる移動部をさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、折り返し手段が、平坦に形成され、一端部から他端部に向かって延びる案内面と、前記案内面に連なり、案内面の幅方向両側からそれぞれ立上る壁面とを有し、
前記壁面は、一端部から他端部に進むにつれて、案内面と壁面との成す角度が小さくなるように設けられることを特徴とする。
前記壁面は、一端部から他端部に進むにつれて、案内面と壁面との成す角度が小さくなるように設けられることを特徴とする。
本発明によれば、周縁部剥離手段は、基板の厚み方向一方の表面に貼着されている保護フィルムの周縁部を基板から剥離する。基板から剥離された保護フィルムの周縁部は、保持手段によって保持される。保持手段は、移動手段によって移動可能に構成されているので、保護フィルムの周縁部を保持している保持手段を移動手段によって移動させることによって、基板から保護フィルムを剥離することができる。また、折り目形成手段は、尖端部分を有する折り目形成部を備えているので、尖端部分で保護フィルムを切断するまたは保護フィルムに傷跡をつけることによって、保護フィルムに折り目を形成することができる。
さらに、折り返し手段は、折り目が形成された保護フィルムを折り目に沿って折り返すように構成されている。このように基板から剥離された保護フィルムを折り返すことができるので、剥離後の保護フィルムの形状を小さくすることができる。また、保護フィルムの折り返しに関して、保護フィルムの粘着面同士が対向するように、すなわち粘着面同士が貼着し合うように折り返すことによって、基板から剥離後の保護フィルムにおいて粘着面が露出する面積を低減することができる。
このように、剥離後の保護フィルムの形状を小さくし、さらに粘着面が露出する面積を低減することができるので、剥離後に不要となった保護フィルムが周囲の装置に付着してしまうことが防止され、剥離後の保護フィルムの回収を容易にすることができる。さらには、剥離後の不要な保護フィルムを回収するための回収容器に関し、回収容器の利用効率を向上させて剥離後の保護フィルムを回収させることができる。
図1は、本発明の実施の形態のフィルム剥離装置1を概略的に示す平面図である。フィルム剥離装置1は、たとえば矩形板状の液晶パネル基板に対して、厚み方向の一方の表面に貼着されている保護フィルムを、液晶パネル基板から剥離するための処理を行う装置である。
図2は、本実施の形態のフィルム剥離装置1によって剥離処理が行われる保護フィルム3が貼着されている液晶パネル基板2の構成を概略的に示す断面図である。厚み方向一方側の表面に所定の形状の電極22が形成された2枚のガラス基板などの光透過基板21を、電極22が形成された面同士を向かい合わせて、光透過基板21間の距離が均一となるようにスペーサ23を介在させて、シール25によって平行に貼り合わせられる。また、2枚の光透過基板21の間には、液晶材料24が封入される。各光透過基板21において、電極22が形成された面とは反対側の面には、偏光板26が貼り付けられる。さらに、上記の構成に、カラー表示を可能にするためのカラーフィルター27、たとえばRGB(
Red Green Blue)のフィルターなどが設けられても良い。このようにして液晶パネル基板2は構成されている。
Red Green Blue)のフィルターなどが設けられても良い。このようにして液晶パネル基板2は構成されている。
また、各偏光板26において光透過基板21に臨む側の面とは反対側の面には、偏光板26が擦傷によって損傷し、または塵埃が付着することを防止するために保護フィルム3が貼着されている。保護フィルム3は、厚み方向一方側に粘着性を有する粘着層が設けられ、この粘着層を介して偏光板26に貼着されている。以下、保護フィルム3において、粘着層が設けられている側の表面を粘着面と称し、粘着面とは反対側の表面を非粘着面と称することがある。なお、本実施の形態では、粘着面が矩形状の保護フィルム3が用いられている。また、本実施の形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)によって形成された、厚さ50μm程度の保護フィルム3が用いられている。
以下、図1を参照して、本実施の形態のフィルム剥離装置1について説明する。フィルム剥離装置1は、液晶パネル基板2から保護フィルム3の周縁部を剥離する周縁部剥離手段10と、液晶パネル基板2から剥離された保護フィルム3の周縁部を保持する保持手段11と、保持手段11を移動させる移動手段12と、尖端部分51aを有する折り目形成部51を備える折り目形成手段13と、折り目形成手段13によって折り目が形成された保護フィルム3を折り返す折り返し手段14と、フィルム送り手段15とを含んで構成される。また、液晶パネル基板2は、水平な床面4に配置された載置台16上における予め定める位置に、位置決めして上載されて固定される。このとき、液晶パネル基板2は、水平に配置され、非粘着面3aが上方を臨んでいる。
図3は、本実施の形態のフィルム剥離装置1に備えられる周縁部剥離手段10および保持手段11の構成を概略的に示す側面図である。保持手段11は、短尺の円筒状のローラ31と、ローラ31の側方に設けられる可動片32と、可動片32を支持する支持部材33と、支持部材33を駆動する駆動装置34と、軸線J2に沿って延びる支軸35とを含んで構成されている。なお、保持手段11は、後述する移動手段12に対して、軸線J2が鉛直方向と一致するように設けられる。また、周縁部剥離手段10は、後述するように外周面31aに粘着性を有し、軸線J1まわりに回転自在に設けられるローラ31と、後述する移動手段12とを含んで構成されている。
ローラ31は、軸線J2に垂直な軸線J1まわりに回転自在となるように、支軸35に対して設けられる。また、ローラ31の外周面31aには、粘着性を有する粘着層が形成されている。このような粘着層は、液晶パネル2から保護フィルム27を剥離することを可能とするために、液晶パネル基板2と保護フィルム3との間に作用している粘着力よりも強い粘着力を有するようにして形成され、たとえば粘着性を有するブチルゴムをローラ31の外周面31aに取り付けることによって実現される。
可動片32は、ローラ31を臨む側の面32aが湾曲して形成されており、ローラ31の外周面31aと面接触可能に形成されている。すなわち、湾曲面32aは、ローラ31の外周面31aの曲率と同一の曲率で湾曲している。また、可動片32は、支持部材33を介して、駆動装置34によって、ローラ31に対し近接するA1方向および離間するA2方向に駆動される。なお、可動片32は、ローラ31に当接する位置まで駆動されることができる。
駆動装置34は、支軸35に固定して設けられる。支軸35は、後述する移動手段12に、軸線J2まわりに回転可能に設けられる。支軸35の軸線J2まわりの回転は、図示しない駆動装置によって実現される。なお、保持手段11が移動手段12に設けられたとき、ローラ31の外周面31aの下部が、保持手段11において最下部に位置している。
周縁部剥離手段10および保持手段11は、このような構成によって、液晶パネル基板2に貼着されている保護フィルム3の周縁部を液晶パネル基板2から剥離し、剥離した保護フィルム3の周縁部を保持することができる。図4は、周縁部剥離手段10および保持手段11による保護フィルム3の周縁部の剥離および保持を説明するための側面図であり、(a)は保護フィルム3の周縁部の剥離前の状態を示し、(b)は保護フィルム3の周縁部の剥離および保持後の状態を示す。
ローラ31は、保護フィルム3の周縁部を剥離するために、予め移動手段12によって保護フィルム3の周縁部の上方まで移動されている。そして、図4(a)に示すように、ローラ31は、ローラ31の外周部31aが保護フィルム3の周縁部に当接するまで、移動手段12によって下降される。そして、移動手段12によって、保持手段11が保護フィルム3の中央部に向かって水平に移動されると、保護フィルム3の周縁部は、ローラ31の回転に伴って、ローラ31の外周面31aに巻き付きながら、液晶パネル基板2から剥離される。このとき、ローラ31の外周面31aは、前述するような粘着性を有しているので、保護フィルム3の周縁部は液晶パネル基板2から容易に剥離される。なお、保護フィルム3の周縁部を剥離する際には、可動片32は、ローラ31から離間した位置に配置されている。
ローラ31に巻き付いた保護フィルム3の周縁部が、ローラ31と可動片32とが対向する領域に移動するまで保持手段11が水平に移動されると、保持手段11の移動は停止される。そして、駆動装置34によって可動片32がA1方向に駆動されることによって、ローラ31と可動片32との間に保護フィルム3の周縁部が挟持される。このように、保持手段11は、保護フィルム2を挟持することによって保持することができる。保護フィルム2を保持した保持手段11は、図4(b)に示すように、移動手段12によって上昇するように駆動されて停止される。
本実施の形態では、図1に示すように、保護フィルム3の周縁部のうち、保護フィルム3の一角部が周縁部剥離手段10および保持手段11によって剥離されて保持される。しかし、保護フィルム3の角部に限定されず、保護フィルム3の角部以外の周縁部を剥離して保持するようにしても良い。
周縁部剥離手段10および保持手段11の構成は、前述するものに限定されず、保護フィルム3の周縁部を剥離するための手段と、保護フィルム3の周縁部を保持する手段とが別々に構成されても良い。また、保持手段11は、保護フィルム3を挟持することによって保持するような構成に限定されず、粘着力によって保持するように構成されても良い。さらに、保護フィルム3の周縁部を剥離するための手段としては、前述のような粘着性を有するローラに限定されず、たとえば短冊状に形成されるシートであって、粘着性を有する粘着層が設けられる粘着テープによって剥離するように構成されても良い。
図5は、本実施の形態のフィルム剥離装置1を概略的に示す側面図である。以下、図1および図5を参照して、移動手段12について説明する。移動手段12は、複数の脚部45によって支持される第1駆動部41と、第1駆動部41によって移動可能に支持される第2駆動部42と、第2駆動部42によって移動可能に支持される第3駆動部43と、第3駆動部43によって移動可能に支持される連結部44とを含んで構成され、水平な床面4に配置される。また、移動手段12は、液晶パネル基板2を上載する載置台16を取り囲むように設けられる。
第1駆動部41は、図示しないガイドレールおよび駆動装置41aを含み、第2駆動部42を支持するとともに、駆動装置41aによって、第2駆動部42を矢符B1,B2方向(総称する場合はB方向)に沿って水平に移動させる。第2駆動部42は、図示しないガイドレールおよび駆動装置42aを含み、第3駆動部43を支持するとともに、駆動装置42aによって、第3駆動部43を矢符C1,C2方向(総称する場合はC方向)に沿って水平に移動させる。なお、C方向は、B方向に直交する方向である。また、B方向およびC方向が、載置台16における予め定める位置に上載されている液晶パネル基板2において、保護フィルム3が非粘着面3aを規定している各辺の延びる方向と一致するように、移動手段12は配置されている。本実施の形態では、B方向が非粘着面3aを規定する長辺の延びる方向に一致し、C方向が非粘着面3aを規定する短辺の延びる方向に一致する。
第3駆動部43は、図示しない昇降装置43aを含み、連結部44を支持するとともに、連結部44を矢符D1,D2方向(総称する場合はD方向)に沿って移動させる。なお、D方向は、鉛直方向に一致する方向である。連結部44は、第3駆動装置43に支持されるとともに、保持手段11が連結される。このとき、前述するように、保持手段11は、支軸35の軸線J2が鉛直方向と一致するように、連結部44に連結される。
移動手段12は、このように構成されることによって、保持手段11を3次元的に移動させることができる。したがって、移動手段12は、保持手段11を予め定める移動経路に沿って移動させることができる。本実施の形態では、保持手段11によって保護フィルム3の角部が剥離されて保持される。また、図1に示すように、保持手段11は、保護フィルム3の非粘着面3aの対角線方向に延びる移動経路Kに沿って移動される。移動手段12の構成は、前述するものに限定されず、たとえば6軸または7軸垂直多関節ロボットによって構成されても良い。
次に、折り目形成手段13について説明する。図6は、本実施の形態のフィルム剥離装置1に備えられる折り目形成手段13および後述する折り返し手段14の構成を概略的に示す斜視図である。折り目形成手段13は、折り目形成部51と、折り目形成部51が固定して設けられる可動台52と、可動台52を移動させる駆動装置53とを含んで構成される。
折り目形成部51は、尖端部分51aを有し、尖端部分51aの延びる方向が水平面に対して傾斜するように、可動台52に固定して設けられる。また、保持手段11が保護フィルム3の対角線方向に延びる移動経路Kに沿って移動されることから、折り目形成部51は、図1に示すように、フィルム剥離装置1の上方から見たとき、尖端部分51aの延びる方向と前記対角線方向とが平行になるように、可動台52に固定して設けられる。折り目形成部51をこのように設けることによって、剥離された保護フィルム3の移動する方向と尖端部分51aの延びる方向とが一致するので、後述するように、保護フィルム3に対して折り目形成部51を貫通させた後、保護フィルム3の移動に伴って、保護フィルム3を切断して、折り目を形成することができる。
駆動装置53は、可動台52の下方に設けられ、可動台52を矢符E1,E2方向(総称する場合はE方向)に沿って移動させる。なお、本実施の形態では、E方向は鉛直方向に一致する。
本実施の形態では、移動経路Kを挟んで、左右に2つの折り目生成手段13が設けられ、各折り目形成手段13は、可動台52が互いに空間を空けて離間するように、かつ折り目形成部51の尖端部分51aが後述する予め定める距離Lだけ互いに離間するように配置されている。このような折り目形成部51は、たとえば大形のカッターナイフなどによって実現され、炭素工具鋼(SK)などの材質によって形成される。
また、本実施の形態では、2つの折り目形成手段が設けられているが、2つに限定されることなく、たとえば4つの折り目形成手段を設けることによって、保護フィルム3をより小さく折り畳むことができる。
次に、折り返し手段14について説明する。図7は、折り返し手段14の構成を概略的に示す図である。図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)に示される各切断面線から見た断面図であり、上から順に切断面線b1−b1,b2−b2,b3−b3,b4−b4に対応する。折り返し手段14は、案内部14aと、案内部14aに連なる一対の壁部14bとから成る。折り返し手段14において、図7(a)における上方側の端部を排出部14cと称し、図7(a)における下方側の端部を導入部14dと称することにする。
案内部14aは、導入部14dから排出部14cに進むにつれて、図7(a)における左右方向(以下、「幅方向」と記す)の幅が狭くなるように形成されており、厚み方向一方側の面である上面(以下、「案内面」と記す)が平坦になるように形成されている。一対の壁部14bは、案内部14aの幅方向両端部に連なってそれぞれ設けられる。各壁部14bは、導入部14dから排出部14cに進むにつれて、壁部14bの内壁面と案内部14aの案内面との成す角度が減少するように形成される。換言すれば、各壁部14bは、導入部14dから排出部14cに進むにつれて、案内部14aの案内面に対し、壁部14bの内壁面が近接していくように、折り曲げられて形成されている。壁部14bの内壁面と案内部14aの案内面との成す角度は、排出部14dにおいて少なくとも90度未満である。このようにしておくことで、折り目が形成された保護フィルム3を、案内面および内壁面に沿って移動させるだけで、保護フィルム3を折り目に沿って容易に折り返すことができる。
このような折り返し手段14は、冷間圧延鋼板(SPCC)、亜鉛めっき鋼板(SECC)および一般構造用圧延鋼材(SS400)などによって形成されても良い。また、案内部14aの案内面および各壁部14bの内壁面には、フッ素樹脂およびポリアセタール(POM)樹脂などを貼着する、またはフッ素コーティングを施すことが好ましい。このようにすることで、前記案内面および内壁面の摩擦係数を低下させることができるため、保護フィルム3を滞りなく案内面および内壁面に沿って移動させることができる。
以下、折り目形成手段13および折り返し手段14による保護フィルム3の切断および折り返しについて説明する。なお、本実施の形態では、折り目形成手段13の折り目形成部51が保護フィルム3を貫通することに伴って、保護フィルム3が切断されることによって形成される切断部が、保護フィルム3に折り目として形成される。しかし、折り目形成手段13は、保護フィルム3を切断することに限らず、保護フィルム3を折り目に沿って折り返すために十分な傷跡を保護フィルム3に形成するように構成されても良い。
図8は、折り目形成手段13によって、保護フィルム3に折り目3c,3dが形成されている状態を示す斜視図である。また、図9は、折り目形成手段13によって、保護フィルム3に折り目3c,3dが形成されていると共に、折り返し手段14によって、折り目3c,3dに沿って保護フィルム3が折り返されている状態を示す斜視図である。なお、図8および図9では、保持手段11およびフィルム送り手段15が省略して示されている。
折り目形成手段13および折り返し手段14は、図1に示すように、移動経路Kに沿って、移動経路Kの中間よりも下流側に配置される。また、折り返し手段14は、折り目形成手段13よりも移動経路Kの下流側に配置される。さらに、折り返し手段14は、排出部14cよりも導入部14dの方が上流側となるように配置される。折り返し手段14は、移動経路Kを含み、水平面に垂直な仮想平面に対し、面対称となるように配置される。本実施の形態では、折り返し手段14は、案内部14aの案内面が水平となるように配置されているが、水平面に対して傾斜するように配置されても良い。
保護フィルム3の周縁部を保持している保持手段11は、移動手段12によって、保護フィルム3の周縁部が案内部14aの案内面の上方を通過するように、移動経路Kに沿って移動される。このとき、保持手段11は、保持手段11のローラ31と折り返し手段14とが干渉しないように、適度な高さを維持して移動する。
折り返し手段13は、初期状態において、可動台52がE2方向に移動されて停止されている。そして、保持手段11が所定の位置まで移動したときに、駆動装置53によって、可動台52がE1方向に移動される。この可動台52の移動動作に伴って、可動台52に固定されている折り目形成部51の尖端部分51aは、保護フィルム3を貫通し、または保護フィルム3に対し傷跡を形成する。このように、保護フィルム3に向かって尖端部分51aを移動させることによって、容易にかつ確実に保護フィルム3に折り目3c,3dを形成することができる。以下、図8などに示されるように、保護フィルム3を切断することによって形成された折り目を切断部と記す場合がある。
保持手段11が所定の位置まで移動したときとは、全ての折り目形成部51の上方を、剥離された保護フィルム3の周縁部が通過した直後の時点に対応し、この時点において可動台52がE1方向に移動される。これにより、折り目形成手段13によって、1枚の保護フィルム3が、複数枚の保護フィルムに分割されてしまうことを防止することができる。
可動台52は、E1方向の移動に伴って尖端部分51aが保護フィルム51を貫通した後、停止される。すなわち、可動台52は、尖端部分51aが保護フィルム3を貫通した状態で停止される。このとき、保持手段11は、保護フィルム3の周縁部を保持した状態で、移動手段12によって移動経路Kに沿って移動されている。前述するように、剥離された保護フィルム3の移動する方向と尖端部分51aの延びる方向とが一致しているので、保持手段11の移動動作に伴って、保護フィルム3に対し切断部3c,3dを形成することができる。すなわち、保護フィルム3の剥離と同時に保護フィルム3を切断することができる。
これにより、保護フィルム3の一部が未だ液晶パネル基板2に貼着されている状態、すなわち保護フィルム3の一部が液晶パネル基板2に固定されている状態で、保護フィルム3に対して折り目の形成が開始されるので、保護フィルム3が液晶パネル基板2から完全に剥離された後に折り目を形成する場合に比べて、保護フィルム3に対し容易に折り目を形成することができ、さらに、折り目を形成するために剥離後の保護フィルム3を固定する必要がないので、簡単な構成によって保護フィルム3に折り目を形成することが実現できる。
図8に示す状態からさらに保護フィルム3が移動手段12によって移動されると、図9に示す状態となる。図9では、保護フィルム3の折り返しが開始されている。なお、保護フィルム3は、液晶パネル基板2からの剥離に伴って、液晶パネル基板2に貼着されている状態では上方を臨んでいた非粘着面3aが下方を臨むようにして剥離される。すなわち、保護フィルム3において液晶パネル基板2から剥離された部分は、非粘着面3aが下方を臨んでいる。したがって、保護フィルム3は、折り返し手段14を通過する際に、案内面および内壁面の上を滑らかに移動することができる。
保護フィルム3は、折り返し手段を通過することによって、切断線3c,3dよりも外側の各部分が、前述するように形成される各壁部14bによって折り返される。このように、液晶パネル基板2から剥離された保護フィルム3を折り返すことができるので、剥離後の保護フィルム3の形状を小さくすることができる。また、保護フィルム3の折り返しに関して、保護フィルム3の粘着面3b同士が対向するように折り返すことによって、粘着面3bが露出する面積を低減することができる。
本実施の形態では、矩形状の保護フィルム3が、保持手段11を対角線方向に移動経路Kに沿って移動させることによって剥離され、また、折り返し手段14が水平方向移動経路Kに沿って、かつ前記仮想平面に対して面対称に配置されている。したがって、保護フィルム3において切断部3c,3dよりも外側の各部分が、各壁部14bによって折り返されるタイミングが異なる。本実施の形態では、切断部3cよりも外側の部分が先に折り返され、それに遅れて切断部3dよりも外側の部分が折り返される。このように、タイミングをずらして保護フィルム3が折り返されるので、保護フィルム3における折り返された部分同士が貼り付き合うことが防止され、粘着面3b同士を確実に貼着させることができる。
図10は、本実施の形態のフィルム剥離装置1において、保護フィルム3に形成される折り目3c,3dの位置を示す平面図である。折り目3cと3dとの間隔は、図1に示すように、各折り目形成部51の尖端部分51aの間隔と等しくなる。ここで、折り目3cに沿って折り目3cよりも外側の部分が折り返される場合を考えると、折り目3cと3dとの間の間隔Lに対して、折り目3cから保護フィルム3の角部3eまでの距離が間隔Lよりも大きくなると、折り目3dよりも外側の部分の折り返しの妨げとなってしまう場合がある。逆に、折り目3cと3dとの間の間隔Lに対して、折り目3cから保護フィルム3の角部3eまでの距離が間隔Lよりも小さくなると、折り返したときの粘着面3b同士が貼着する面積が減少し、露出する粘着面3bの面積が大きくなってしまう。さらに、折り返し後の保護フィルム3の大きさが大きくなってしまう。
したがって、折り目3cから保護フィルム3の角部3eまでの距離を、折り目3cと3dとの間の間隔Lと等しくすることが好ましい。角部3fと折り目3dとの間隔についても同様である。ここで、折り目3cおよび3dが角部3gと3hとを結ぶ対角線に対して等しい間隔だけ離間してそれぞれ形成されることを考慮し、角部3eから角部3gと3hとを結ぶ対角線までの距離をXとすると、尖端部分51aが離間する間隔Lは、(2/3)Xとするのが好ましい。尖端部分51aが互いに離間する間隔Lは、このようにして決定されるのが好ましい。
図11は、本実施の形態のフィルム剥離装置1に備えられるフィルム送り手段15の構成を概略的に示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。フィルム送り手段15は、軸線J3に沿って延びる回転軸61と、回転軸61の一端部に固定して設けられる短尺のローラ62と、減速機63を介して回転軸61を軸線J3まわりに回転駆動させる駆動装置64と、支持アーム65とを含んで構成される。本実施の形態のフィルム剥離装置1は、フィルム送り手段15を2つ備え、折り返し手段14の近傍に、それぞれのローラ62が向かい合うように配置される。フィルム送り手段15は、折り返し手段14によって折り返された直後の状態の保護フィルム3に対し、前記保護フィルム3の上方から下方に移動され、ローラ62が保護フィルム3に接触される。さらに、駆動装置64によって、ローラ62が回転駆動される。これにより、保護フィルム3の粘着面3b同士を完全に接着させて折り畳むとともに、折り畳まれた保護フィルム3を、折り返し手段14の案内部の案内面に沿って搬送することができる。ここで、フィルム送り手段15のローラ62が回転駆動される前に、保持手段11による保護フィルム3の周縁部の保持は解除されている。このようにして搬送される折り畳まれた保護フィルム3は、折り返し手段14の排出部14cから排出され、下方に落下する。折り返し手段14の排出部14cの下方には、剥離後の不要な保護フィルム3を回収するための図示しない回収容器が設けられており、下方に落下した保護フィルム3は、回収容器内に回収される。
このように、剥離後の保護フィルムの形状を小さくし、さらに粘着面が露出する面積を低減することができるので、回収容器の利用効率を向上させて剥離後の保護フィルムを回収させることができる。
図12は、保護フィルム3が折り目形成手段13によって折り目を形成される前のフィルム剥離装置1を示す平面図である。図13は、保護フィルム3が折り返し手段14およびフィルム送り手段15によって折り畳まれた後のフィルム剥離装置1を示す平面図である。
以下、図1、図12および図13を参照しながら、フィルム剥離装置1の動作を説明する。フィルム剥離装置1は、先ず予め定める位置に位置決めされて固定されている液晶パネル基板2に対し、厚み方向一方側の表面に貼着されている保護フィルム3の角部を、周縁部剥離手段10によって剥離する。そして、剥離された保護フィルム3の角部を保持手段11によって保持する。そして、移動手段12によって、保護フィルム3の角部を保持した保持手段11を予め定める移動経路Kに沿って移動させる。
折り目形成手段13および折り返し手段14は、移動経路Kに沿って所定の位置に配置されており、保持手段11が予め定める位置まで移動されたときに、折り目形成手段13の可動台52が駆動されることによって、可動台52に設けられている折り目形成部51が保護フィルム3に対し切り込みが入れられる。保持手段11の移動に伴って、保護フィルム3には折り目が形成される。折り目形成手段13の移動経路K下流側には、折り返し手段14が配置され、保持手段11の移動に伴って、保護フィルム3は折り返される。具体的には、折り返し手段14は、平坦な案内面と案内面に連なる内壁面とを有し、保護フィルム3が案内面および内壁面に沿って移動されることによって、保護フィルム3は折り返される。折り返された保護フィルム3は、フィルム送り手段15によって完全に折り畳まれながら、案内面に沿って搬送される。搬送された保護フィルム3は、折り返し手段14の排出部14cから排出されて、回収容器に回収される。
本実施の形態のフィルム剥離装置1では、折り返し手段14は、折り目が形成された保護フィルム3を折り目に沿って折り返すように構成されている。このように液晶パネル基板2から剥離された保護フィルム3を折り返すことができるので、剥離後の保護フィルム3の形状を小さくすることができる。また、保護フィルム3の折り返しに関して、保護フィルム3の粘着面3b同士が対向するように、すなわち粘着面3b同士が貼着し合うように折り返すことによって、液晶パネル基板2から剥離後の保護フィルム3において粘着面3bが露出する面積を低減することができる。
このように、剥離後の保護フィルム3の形状を小さくし、さらに粘着面3bが露出する面積を低減することができるので、剥離後に不要となった保護フィルム3が周囲の装置に付着してしまうことが防止され、剥離後の保護フィルム3の回収を容易にすることができる。さらには、剥離後の不要な保護フィルム3を回収するための回収容器に関し、回収容器の利用効率を向上させて剥離後の保護フィルム3を回収させることができる。
1 フィルム剥離装置
2 液晶パネル基板
3 保護フィルム
3a 非粘着面
3b 粘着面
10 周縁部剥離手段
11 保持手段
12 移動手段
13 折り目形成手段
14 折り返し手段
14a 案内部
14b 壁部
15 フィルム送り手段
51 折り目形成部
51a 尖端部分
2 液晶パネル基板
3 保護フィルム
3a 非粘着面
3b 粘着面
10 周縁部剥離手段
11 保持手段
12 移動手段
13 折り目形成手段
14 折り返し手段
14a 案内部
14b 壁部
15 フィルム送り手段
51 折り目形成部
51a 尖端部分
Claims (3)
- 基板の厚み方向一方の表面に貼着されている保護フィルムを前記基板から剥離するフィルム剥離装置であって、
前記基板から保護フィルムの周縁部を剥離する周縁部剥離手段と、
前記基板から剥離された保護フィルムの周縁部を保持する保持手段と、
前記保持手段を予め定める移動経路に沿って移動させる移動手段と、
尖端部分を有する折り目形成部を備える折り目形成手段と、
前記折り目形成手段によって折り目が形成された保護フィルムを折り返す折り返し手段とを有することを特徴とするフィルム剥離装置。 - 前記折り目形成手段は、折り目形成部を移動させる移動部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルム剥離装置。
- 前記折り返し手段は、平坦に形成され、一端部から他端部に向かって延びる案内面と、前記案内面に連なり、案内面の幅方向両側からそれぞれ立上る壁面とを有し、
前記壁面は、一端部から他端部に進むにつれて、案内面と壁面との成す角度が小さくなるように設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム剥離装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008199003A JP2010037009A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | フィルム剥離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008199003A JP2010037009A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | フィルム剥離装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010037009A true JP2010037009A (ja) | 2010-02-18 |
Family
ID=42009955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008199003A Pending JP2010037009A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | フィルム剥離装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010037009A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017181789A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 日東電工株式会社 | 離型フィルムの剥離方法及び光学表示パネルの製造方法 |
JP2021082777A (ja) * | 2019-11-22 | 2021-05-27 | リンテック株式会社 | シート折畳装置およびシート折畳方法 |
CN114683673A (zh) * | 2020-12-28 | 2022-07-01 | 日机装株式会社 | 剥离机构及使用该剥离机构的层叠装置 |
-
2008
- 2008-07-31 JP JP2008199003A patent/JP2010037009A/ja active Pending
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