JP2010036481A - 液体吐出ヘッド及びインクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタで捕獲した異物によって、再度フィルターが目詰まりしにくくする。
【解決手段】インクジェットヘッドは、主流路35及びインク流出流路36からなるインク供給流路37と、主流路35の途中で分岐しその分岐部38aから気泡流出口に至る気泡流出流路38とを画定する流路構成部材11を含んでいる。流路構成部材11は、開口部11aを封止するフィルム41と、開口部11cを封止するフィルム52と、フィルム41と対向して配置され主流路35を流れるインクを濾過するフィルタ32とを有している。フィルム41の内表面42aは、インク流れ方向に関して下流側の一端が上流側の他端よりも下方に配置されるように傾斜している。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド及びインクを吐出するインクジェットヘッドに関する。
特許文献1には、印字ヘッドと、印字ヘッドに一体に設けられたフィルタユニットとを含み、インクカートリッジからのインクがフィルタユニットを介して印字ヘッドに供給されるインクジェットプリンタについて記載されている。このインクジェットプリンタにおいて、フィルタユニットには、水平方向に流れたインクが重力方向と逆、つまり、下方から上方に流れる流路が形成されており、その流路の入口部分に異物捕捉用フィルタが設けられている。このフィルタは、上流側の端部が下流側の端部よりも上方になるように水平方向に対して僅かに傾斜して配置されている。また、フィルタユニットには、インクが水平方向に流れる水平流路のフィルタよりも上流側にフィルタバイパス流路が設けられている。このように、フィルタバイパス流路をフィルタよりも上流側に配置していても、フィルタが傾斜して配置されていることで、フィルタに滞留した気泡が浮力によってフィルタバイパス流路側へ案内される。そのため、フィルタに滞留する気泡を排出することができる。
特開平9−141890号公報
上述した特許文献1に記載の技術においては、インクが下方から上方に流れる流路の入口にフィルタが配置されているので、インクの流れが停止すると、フィルタによって捕獲されたインク内の異物が自重でフィルタから剥離して下方に落ちる。しかし、フィルタから下方に落ちた異物は、フィルタと対向する水平流路部分に落ちただけなので、インクが流れ出すと、異物はその落ちた位置からインクと共にフィルタ側に移動する。このようにフィルタで捕獲した異物が何度もフィルタに移動すると、異物の形状によってはフィルタを通過してしまうことがある。さらには、同じ異物が何度もフィルタに捕獲されていると、長期間使用することによって増加した多くの異物によって、フィルタ全体が目詰まりし、印字ヘッドへのインク供給不足が生じる。
そこで、本発明の目的は、フィルタで捕獲した異物によって、再度フィルターが目詰まりしにくくすることが可能な液体吐出ヘッド及びインクジェットヘッドを提供することである。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドであって、液体が流入する液体流入口、前記液体流入口から流入した液体が流出するとともに液体を吐出する吐出口に連通した液体流出口、及び、液体中の気泡が流出する気泡流出口を有しており、前記液体流入口から前記液体流出口に至る第1流路、及び、前記第1流路の途中で分岐しその分岐部から前記気泡流出口に至る第2流路を画定する流路構成部材を含んでいる。そして、前記流路構成部材は、前記第1流路から前記第2流路に亘って形成され下方に向かって開口した第1開口部と、前記第2流路に形成され前記第1開口部と対向する第2開口部と、前記分岐部の近傍であって前記第1開口部に対向して配置され、前記第1流路を流れる液体を濾過するフィルタと、前記第1開口部を封止して前記第1及び第2流路の側壁の一部を構成する封止部材と、前記第2開口部を封止して前記第2流路の側壁の一部を構成する可撓性のフィルムとを有し、前記封止部材の内表面は、前記封止部材の下流側の一端が前記封止部材の上流側の他端よりも下方に配置されるように傾斜している。
これによると、フィルタと封止部材とが第1流路中で対向する構成となり、液体流入口から流入した液体が第1開口部側からフィルタに向かって上昇しフィルタを通過した後、液体流出口に流れる。これにより、フィルタで捕獲された液体内の異物が、液体の流れが停止したときに下方の封止部材の内表面上に落ち、封止部材の下流側の一端に向かって移動する。このとき、異物がフィルムと対向する領域を通過するときに液体中の圧力変動によって内表面上から舞い上がりにくくなる。すなわち、液体中に圧力変動が生じてもフィルムがその圧力変動に応じて振動するため、フィルム近傍の液体の脈動が減衰し異物が舞い上がりにくくなる。さらに、内表面は第1流路から第2流路、すなわち下流側に行くに連れてフィルタとの高さ方向の距離が大きくなるので、異物がフィルタから遠ざかる。このように異物が内表面から舞い上がりにくくなり且つフィルタから遠ざかることで、液体が液体流入口から液体流出口に流れても、内表面に落ちた異物がフィルタまで移動しにくくなって、フィルタの目詰まり及び異物によるインク供給不足が抑制される。
本発明において、前記封止部材の内表面は、前記下流側の一端から前記上流側の他端に亘って傾斜した傾斜平面であることが好ましい。これにより、封止部材の内表面に落下してきた異物が第2流路の下流側によりスムーズに移動しやすくなる。
また、本発明において、前記封止部材の前記一端には、前記内表面に開口が形成された凹部が形成されていることが好ましい。これにより、凹部内に異物を集めることが可能となる。
また、このとき、前記凹部には、前記凹部の開口縁から中心に向かって突出した環状突起が形成されていてもよい。これにより、凹部内の異物が凹部の外に出にくくなる。
また、本発明において、前記封止部材が、可撓性を有するフィルムであることが好ましい。これにより、封止部材が振動可能になるので、液体の圧力変動を抑制するとともに、封止部材の内表面上の異物を傾斜方向に沿って効果的に移動させることができる。
本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出して画像を形成するインクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドであって、インクが流入するインク流入口、前記インク流入口から流入したインクが流出するとともにインクを吐出するノズルに連通したインク流出口、及び、インク中の気泡が流出する気泡流出口を有しており、前記インク流入口から前記インク流出口に至る第1流路、及び、前記第1流路の途中で分岐しその分岐部から前記気泡流出口に至る第2流路を画定する流路構成部材を含んでいる。そして、前記流路構成部材は、前記第1流路から前記第2流路に亘って形成され下方に向かって開口した第1開口部と、前記第2流路に形成され前記第1開口部と対向する第2開口部と、前記分岐部の近傍であって前記第1開口部に対向して配置され、前記第1流路を流れるインクを濾過するフィルタと、前記第1開口部を封止して前記第1及び第2流路の側壁の一部を構成する封止部材と、前記第2開口部を封止して前記第2流路の側壁を構成する可撓性のフィルムとを有し、前記封止部材の内表面は、前記封止部材の下流側の一端が前記封止部材の上流側の他端よりも下方に配置されるように傾斜している。
これによると、フィルタと封止部材とが第1流路中で対向する構成となり、インク流入口から流入したインクが第1開口部側からフィルタに向かって上昇しフィルタを通過した後、インク流出口に流れる。これにより、フィルタで捕獲されたインク内の異物が、インクの流れが停止したときに下方の封止部材の内表面上に落ち、封止部材の下流側の一端に向かって移動する。このとき、異物がフィルムと対向する領域を通過するときにインク中の圧力変動によって内表面上から舞い上がりにくくなる。すなわち、インク中に圧力変動が生じてもフィルムがその圧力変動に応じて振動するため、フィルム近傍のインクの脈動が減衰し異物が舞い上がりにくくなる。さらに、内表面は第1流路から第2流路、すなわち下流側に行くに連れてフィルタとの高さ方向の距離が大きくなるので、異物がフィルタから遠ざかる。このように異物が内表面から舞い上がりにくくなり且つフィルタから遠ざかることで、インクがインク流入口からインク流出口に流れても、内表面に落ちた異物がフィルタまで移動しにくくなって、フィルタの目詰まり及び異物によるインク供給不足が抑制される。
本発明において、前記封止部材が、可撓性を有するフィルムであることが好ましい。これにより、封止部材が振動可能になるので、インクの圧力変動を抑制するとともに、封止部材の内表面上の異物を傾斜方向に沿って効果的に移動させることができる。
本発明の液体吐出ヘッドによると、フィルタと封止部材とが第1流路中で対向する構成となり、液体流入口から流入した液体が第1開口部側からフィルタに向かって上昇しフィルタを通過した後、液体流出口に流れる。これにより、フィルタで捕獲された液体内の異物が、液体の流れが停止したときに下方の封止部材の内表面上に落ち、封止部材の下流側の一端に向かって移動する。このとき、異物がフィルムと対向する領域を通過するときに液体中の圧力変動によって内表面上から舞い上がりにくくなる。すなわち、液体中に圧力変動が生じてもフィルムがその圧力変動に応じて振動するため、フィルム近傍の液体の脈動が減衰し異物が舞い上がりにくくなる。さらに、内表面は第1流路から第2流路、すなわち下流側に行くに連れてフィルタとの高さ方向の距離が大きくなるので、異物がフィルタから遠ざかる。このように異物が内表面から舞い上がりにくくなり且つフィルタから遠ざかることで、液体が液体流入口から液体流出口に流れても、内表面に落ちた異物がフィルタまで移動しにくくなって、フィルタの目詰まり及び異物によるインク供給不足が抑制される。
本発明のインクジェットヘッドによると、フィルタと封止部材とが第1流路中で対向する構成となり、インク流入口から流入したインクが第1開口部側からフィルタに向かって上昇しフィルタを通過した後、インク流出口に流れる。これにより、フィルタで捕獲されたインク内の異物が、インクの流れが停止したときに下方の封止部材の内表面上に落ち、封止部材の下流側の一端に向かって移動する。このとき、異物がフィルムと対向する領域を通過するときにインク中の圧力変動によって内表面上から舞い上がりにくくなる。すなわち、インク中に圧力変動が生じてもフィルムがその圧力変動に応じて振動するため、フィルム近傍のインクの脈動が減衰し異物が舞い上がりにくくなる。さらに、内表面は第1流路から第2流路、すなわち下流側に行くに連れてフィルタとの高さ方向の距離が大きくなるので、異物がフィルタから遠ざかる。このように異物が内表面から舞い上がりにくくなり且つフィルタから遠ざかることで、インクがインク流入口からインク流出口に流れても、内表面に落ちた異物がフィルタまで移動しにくくなって、フィルタの目詰まり及び異物によるインク供給不足が抑制される。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるインクジェットヘッドが採用されたインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ101には、図中左方に給紙部111が、図中右方に排紙部112がそれぞれ構成されている。
インクジェットプリンタ101の内部には、給紙部111から排紙部112に向かって記録媒体である用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙部111のすぐ下流位置には、用紙を挟持搬送する一対の送りローラ105a、105bが配置されている。一対の送りローラ105a、105bは、用紙Pを給紙部111から図中右方に送り出す。用紙搬送経路の中間部には、2つのベルトローラ106、107と、両ローラ106、107の間に架け渡されるように巻き回されたエンドレスの搬送ベルト108と、搬送ベルト108によって囲まれた領域内においてインクジェットヘッド1と対向する位置に配置されたプラテン115とを含むベルト搬送機構113が設けられている。プラテン115は、インクジェットヘッド1と対向する領域において搬送ベルト108が下方に撓まないように搬送ベルト108を支持する。ベルトローラ107と対向する位置には、ニップローラ104が配置されている。ニップローラ104は、給紙部111から送りローラ105a、105bによって送り出された用紙Pを搬送ベルト108の外周面108aに押さえ付ける。
図示しない搬送モータがベルトローラ106を回転させることによって、搬送ベルト108が駆動される。これにより、搬送ベルト108が、ニップローラ104によって外周面108aに押さえ付けられた用紙Pを粘着保持しつつ排紙部112に向けて搬送する。なお、搬送ベルト108の表面には、弱粘性のシリコン樹脂層が形成されている。
用紙搬送経路に沿う搬送ベルト108のすぐ下流には、剥離機構114が設けられている。剥離機構114は、搬送ベルト108の外周面108aに粘着されている用紙Pを外周面108aから剥離して、図中右方の排紙部112に向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド1は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、用紙搬送方向(副走査方向)に沿って4つ並べて固定されている。つまり、このインクジェットプリンタ101は、ライン式プリンタである。4つのインクジェットヘッド1は、その下端にヘッド本体2をそれぞれ有している。ヘッド本体2は、搬送方向に直交した方向(主走査方向)に長尺な細長い直方体形状となっている。また、ヘッド本体2の底面が外周面108aに対向するインク吐出面2aとなっている。搬送ベルト108によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体2のすぐ下方を順に通過する際に、この用紙Pの上面すなわち印刷面に向けてインク吐出面2aから各色のインクが吐出されることで、用紙Pの印刷面に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
次に、インクジェットヘッド1について詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態であるインクジェットヘッドの外観側面図である。図3は、図2に示すインクジェットヘッドの長手方向に沿った断面図である。なお、図3では説明の都合上、上下方向の縮尺を拡大し、且つ、同一線に沿った断面図では通常描かれないインク流路をも適宜に示している。また、図3においてはバルブ60を省略している。インクジェットヘッド1は、図2及び図3に示すように、主走査方向に延在しており、下から順に、ヘッド本体2と、インクを一時的に貯留するリザーバユニット3と、リザーバユニット3に取り付けられたバルブ60とを有している。
リザーバユニット3について、図4及び図5をさらに参照しつつ説明する。図4は、図3に示す流路構成部材11の長手方向に沿った部分断面図である。図5は、リザーバユニット3を構成する各部材の平面又は底面図である。なお、図5(a)は、流路構成部材11の平面図であり、図5(b)は、流路構成部材11の底面図であり、図5(c)〜図5(e)は、プレート12〜14の平面図である。
リザーバユニット3は、図3〜図5に示すように、インクを一時的に貯溜するインク溜を有しているとともに、ヘッド本体2に含まれる流路ユニット9(図7〜図9参照)にインクを供給するものである。リザーバユニット3は、主走査方向に延在した流路構成部材11と、主走査方向に延在した矩形状の平面を有する3枚のプレート12〜14とが積層された積層構造を有している。これらのうち3枚のプレート12〜14が、例えば、ステンレス鋼等の金属プレートとなっている。
流路構成部材11は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂からなるものであり、その内部に上部リザーバ31が形成されている。また、流路構成部材11の上面における主走査方向の一端部(図中左端部)近傍には、インク流入口31aと、気泡流出口31cとが、副走査方向に配列するように形成されている。さらに、流路構成部材11の下面における中央部にはインク流出口31bが形成されている。
上部リザーバ31は、流路構成部材11の主走査方向の中央部から一端部の間にのみ形成されている。上部リザーバ31は、インク供給流路37と、気泡流出流路38とを含んでいる。インク供給流路37は、インク流入口31aから主走査方向に沿って延在する主流路35、及び、主流路35の上面から流路構成部材11の中央部まで延在した後、下方に向かってインク流出口31bまで延在するインク流出流路36を有している。気泡流出流路38は、主流路35の途中で分岐しその分岐部38aから流路構成部材11の中央部に向かって主走査方向に延在し、インク流出口31b近傍においてUターンしてから流路構成部材11の一端部に向かって気泡流出口31cまで延在している。なお、主流路35及び気泡流出流路38はインク吐出面2aと平行な同一平面上に配置されており、インク流出流路36の主走査方向に延在する部分が気泡流出流路38よりも鉛直方向上方に配置されている。主流路35は、平面視において略平行四辺形状を有している。
主流路35の鉛直方向に関する略中央には、平面視において略平行四辺形状を有するフィルタ32が配置されている。このフィルタ32によって、主流路35が上流側と下流側とに分けられている。主流路35の上流側は、フィルタ32に関してインク流入口31aの反対側(図中右側)、すなわち、分岐部38aで気泡流出流路38と互いに連通している。なお、分岐部38aはフィルタ32近傍に形成されている。気泡流出流路38の一部は、主流路35との間で流路壁を共有するように主流路35に沿って直線状に延在している。一方、主流路35の下流側は、流路構成部材11の主走査方向の中央部近傍で、インク流出流路36と互いに連通している。
図3、図4及び図5(b)に示すように、流路構成部材11の下面であって主流路35の上流側及び気泡流出流路38の上流部の下面となる部分に、下方に向かって開口した開口部(第1開口部)11aが形成されている。開口部11aはフィルタ32と対向している。流路構成部材11の下面には、開口部11aを封止する可撓性を有するフィルム(封止部材)41が溶着されている。このフィルム41は、主流路35及び気泡流出流路38の下面の流路壁となっている。言い換えれば、主流路35及び気泡流出流路38が、一枚のフィルム41を介して大気と接している。フィルム41は、後述のプレート12との間に僅かな隙間を介するように下面に溶着されている。フィルム41はこの隙間分だけ変位可能となっている。また、フィルム41が可撓性を有しているため、主流路35及び気泡流出流路38内において急激な圧力変動があったとき、フィルム41がこの圧力変動を吸収するダンパとして機能する。
図4に示すように、フィルム41の主流路35及び気泡流出流路38の一部(分岐部38aからインク流出口31b近傍までの部分)の下面の流路壁を構成する一部42は、インクの流れ方向に関して、下流側の一端が上流側の他端よりも鉛直方向の下方に配置されるように傾斜している。このようにフィルム41の一部42が傾斜していることで、フィルタ32に捕獲されたインク中の異物がフィルム41上に落下してきたときに、異物を下流側に移動させることができる。また、一部42の内表面42aは平坦となっており、当該内表面42aが傾斜平面となっている。このように内表面42aが傾斜平面であることで、異物を下流側によりスムーズに移動させることが可能となる。本実施形態における内表面42aは傾斜平面であるが、内表面が階段状に傾斜していてもよく、内表面の全体が下流側に行くに連れて下方に傾斜しておればよい。この場合においても上述と同様な効果を得ることができる。
また、フィルム41の一部42であって気泡流出流路38の下流側の一端には、内表面42aに開口が形成された凹部43が形成されている。このように凹部43が形成されていることで、下流側に移動してきた異物を集めることが可能となる。凹部43の開口縁には、開口の中心に向かって突出した環状突起44が形成されている。このように凹部43に環状突起44が形成されていることで、凹部43内に入り込んだ異物が凹部43の外(気泡流出流路38)に出にくくなる。なお、開口の中心に向かって突出し突起は、必ずしも環状でなくてもよい、開口縁に形成された複数の突起片であってもよい。
図3、図4及び図5(a)に示すように、流路構成部材11の上面には上方に向かって開口した2つの開口部11b,11cが形成されている。開口部11bはインク流出流路36の上面となる部分に形成されており、開口部(第2開口部)11cは気泡流出流路38の上面の一部となる部分に形成されている。開口部11cはフィルム41と対向する位置に形成されている。流路構成部材11の上面には、開口部11bを封止するフィルム51と、開口部11cを封止するフィルム52とが溶着されている。これらフィルム51,52は可撓性を有している。また、フィルム51がインク流出流路36の上面の流路壁を構成し、フィルム52が気泡流出流路38の上面の一部の流路壁を構成している。なお、開口部11cは、開口部11bよりも副走査方向に幅広且つ主走査方向に短い矩形形状を有しており、フィルム52のインクと接する内表面の面積がフィルム51よりも若干大きくなっている。また、フィルム52は、後述の気泡排出作業時において膨らむことによって増加する体積も、フィルム51におけるよりも大きい。
このように、本実施形態のインクジェットヘッド1は、主流路35および気泡流出流路38の流路壁の一部が、ダンパ効果を有するフィルム41によって構成されている。また、フィルム41の内表面は、主流路35でフィルタ32に対向し、気泡流出流路38の上流部でフィルム52に対向した傾斜面であり、フィルム41の上流側(主流路側)領域より下流側(気泡流出流路側)領域の方が、対向する流路側壁までの間隔が大きい。
つまり、インクを吐出して画像を形成するインクジェットプリンタ101に用いられるインクジェットヘッド1であって、このインクジェットヘッド1は、インクが流入するインク流入孔(インク流入口31a)、このインク流入孔から流入したインクが流出するとともにインクを吐出するノズルに連通したインク流出孔(インク流出口31b)、及び、インク中の気泡が流出する気泡流出孔(気泡流出口31c)を有し、インク流入孔からインク流出孔に至り且つインク流入孔とインク流出孔との間において外部に向かって開口した第1開口(第1開口部)が形成された第1流路(主流路35)、及び、この第1流路の途中部で分岐して気泡流出孔に至るとともにその分岐部の近傍に外部に向かって開口した第2開口(第2開口部)が形成された第2流路(気泡流出流路38)を画定する流路構成部材を有している。
さらに、流路構成部材には、第2流路が第1流路から分岐する分岐部の近傍であって、第1開口に対向して配置され、第1流路を流れるインクを濾過するフィルタ(フィルタ32)と、第1開口を封止して、第1流路の側壁の一部を構成する封止部材(フィルム41)と、第2開口を封止して、第2流路の側壁を構成する可撓性のフィルム(フィルム52)とが備えられ、封止部材が取り付けられた第1開口が、フィルタに対向する上流側領域から分岐部を介してフィルムに対向する下流側領域まで延在し、封止部材の内表面は、この内表面の対向する側壁までの間隔が、上流側領域より下流側領域の方が大きい傾斜面であることを特徴としている。
これによって、封止部材の上流側領域では、流路の間隔が狭く、その分流速が速い。そのため、フィルタ32に捕獲された異物や気泡を流出させるときには、気泡流出口31c側に速やかにインク流とともに移動させることができる。また、下流側領域では、流路の間隔が広い。この領域では、共にダンパ効果を有する2つのフィルム41,52が対向しており、流路間隔が広くなった分だけ両者のダンパ効果がそれぞれ向上する。インクに加わる必要のない圧力変動を効果的に減衰でき、インクの吐出特性の安定化に寄与する。また、インクジェットヘッド1が水平に設置されておれば、圧力変動による異物の舞い上がりを確実に抑えることができる。
なお、このフィルム41は、優れたガスバリア性を有する材質、例えば、シリカ膜(SiOx膜)やアルミ膜が蒸着されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムから構成されている。そのため、インクジェットヘッド1の外側の気体がフィルム41を介して上部リザーバ31内にほとんど侵入することができないようになっている。フィルム51,52も、フィルム41と同じ材質で構成されている。
また、流路構成部材11の上面には、インク流入口31aに接続された供給側ジョイント部30aと気泡流出口31cに接続された流出側ジョイント部30bとが形成されている。供給側ジョイント部30aには、インクジェットヘッド1にインクを供給するためのインク管(不図示)が接続されている。なお、インク管の途中部位には、インク管に接続されたインクタンク内のインクをインクジェットヘッド1に強制的に送るポンプが設けられている。このポンプは、通常印刷時においては単に流路として働き、上部リザーバ31にインクを強制的に送るときにだけ駆動される。流出側ジョイント部30bには、開閉可能なバルブ60が接続されている(図2参照)。
図3及び図5(c)に示すように、プレート12〜14のうち、最上層のプレート12には、落込流路12aとなる貫通孔が平面視における中央に形成されている。落込流路12aは、インク流出口31bを介して上部リザーバ31と連通している。図3及び図5(e)に示すように、最下層のプレート14には、10個の供給流路14aとなる貫通孔が形成されている。各供給流路14aは、ヘッド本体2の流路ユニット9に形成されたインク供給口101(後述:図7参照)にそれぞれ連通されている。供給流路14aとなる貫通孔の周辺には、接着剤を逃がすための溝(不図示)が多数形成されている。図3及び図5(d)に示すように、中間層のプレート13には、インク溜としての分岐流路13aとなる穴が形成されている。分岐流路13aは、落込流路12aと各供給流路14aとに連通されている。これら落込流路12a、分岐流路13a及び供給流路14aにより下部リザーバ39が形成されている。
次に、インクが供給されたときにおけるリザーバユニット3内でのインクの流れについて説明する。図6(a)はフィルタで異物を捕獲したときの状況図であり、図6(b)は異物が凹部に移動するときの状況図である。なお、図3、図4、図6中黒塗り矢印が上部リザーバ31から下部リザーバ39へのインクの流れを示しており、図4中白抜き矢印が主流路35から気泡流出流路38へのインクの流れを示している。
まず、通常印刷時においては、バルブ60により気泡流出口31cが閉鎖される。そして、図3中黒塗り矢印で示すように、インク管からのインクが、供給側ジョイント部30a及びインク流入口31aを介して上部リザーバ31に流入する。上部リザーバ31に流入したインクは、主流路35の上流側からフィルタ32を通過しつつ主流路35の下流側に流れ込む。このとき、図6(a)に示すように、インク中の異物Eがフィルタ32によって捕獲される。主流路35の下流側からインク流出流路36に流れ込んだインクは、インク流出口31bを介して下部リザーバ39に流出する。下部リザーバ39においては、上部リザーバ31からのインクが、落込流路12aを介して分岐流路13aに流れ込む。分岐流路13aに流れ込んだインクが、各供給流路14aに到達し、インク供給口201を介して流路ユニット9(図5参照)に供給される。
印刷が終了してインクの流れが停止すると、フィルタ32によって捕獲された異物Eがその自重によってフィルタ32から下方の内表面42a上に落ちる。内表面42aに落ちた異物は、内表面42aの傾斜方向に沿って下流側に転がるようにして移動する。すなわち、内表面42aのフィルタ32と対向する領域から分岐部38aを越えて気泡排出流路38に移動する。そして、下流側に移動した異物Eは、図6(b)に示すように、凹部43内に落ちて集められる。
異物がフィルタ32から凹部43まで移動する間に、再度印刷が開始されインクが上部リザーバ31から下部リザーバ39に流れ始めると、分岐部38aよりも上流に位置する異物Eはそのインクの流れによって内表面42aから舞い上がって再度フィルタ32に向かって移動する場合がある。しかしながら、分岐部38aよりも下流に位置する異物Eはそのインクの流れによる圧力変動によって内表面42aから舞い上がりにくく、フィルタ32側に移動しない。
これは分岐部38a近傍にあるフィルム41及びフィルム52が圧力変動に応じて振動するため、インクの脈動が大幅に減衰し、気泡排出流路38のフィルム52と対向する領域では、さらにインクが動きにくくなるからである。これより、異物Eがフィルム52と対向する領域を通過するときには内表面42aから舞い上がりにくくなり、フィルタ32側に移動せず、そのまま凹部43に向かって移動する。また、インクの流れによる圧力変動によってフィルム41も振動するが、フィルム52と対向する領域を通過する異物Eにおいてはインクの流れが上述のようにほとんど影響しないので、フィルム41の振動(内表面42aの振動)は異物Eの傾斜方向への移動を促進する。すなわち、異物Eは、インクが静止した領域において傾斜面が振動するときの環境とほぼ同じ環境にある状態となるので、内表面42aの振動によって異物Eが傾斜方向に沿って強制的に移動する。これにより、フィルム41が振動せずに単に内表面42aを転がり移動するときよりも速く異物Eが凹部43に向かって移動する。
また、内表面42aは、下流側に行くに連れてフィルタ32との高さ方向(鉛直方向)の距離が大きくなるので、異物Eがフィルタ32から遠ざかる。このように異物Eが内表面42aから舞い上がりにくくなり且つフィルタ32から遠ざかることで、インクが上部リザーバ31から下部リザーバ39に流れても、分岐部38aよりも下流にある異物Eがフィルタ32まで移動しにくくなる。この結果、フィルタ32が目詰まりしにくくなり、異物Eによるインク供給不足が生じにくくなる。
なお、異物がフィルタ32から凹部43まで移動する間に、ポンプが駆動され上部リザーバ31に強制的にインクが送られノズルからパージする動作が行われても、上述と同様にフィルム52と対向する領域を通過する異物Eは内表面42aから舞い上がりにくく、フィルタ32側に移動しない。
一方、上部リザーバ31内に滞留している気泡を外部に排出するための気泡排出作業時においては、バルブ60による気泡流出口31cが開放された状態で、ポンプが駆動され上部リザーバ31に強制的にインクが送られる。このとき、供給側ジョイント部30aを介してインク流入口31aから上部リザーバ31に流入したインクは、主流路35の上流側に流れ込む。そして、主流路35の上流側から分岐部38aを越えて気泡流出流路38に流れたインクは、気泡流出口31c、流出側ジョイント部30b及びバルブ60を介して外部に排出される。このとき、インク流入口31aから流入したインク中に気泡が含まれていても、気泡はインクとともに容易に気泡流出口31cから排出されることになる。また、このとき、インクとともに異物Eも排出される。
次に、図7〜図10を参照しつつ、ヘッド本体2について説明する。図7は、ヘッド本体2の平面図である。図8は、図7の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図8では説明の都合上、アクチュエータユニット221の下方にあって破線で描くべき圧力室210、アパーチャ212及びノズル208を実線で描いている。図9は、図8に示すIX−IX線に沿った部分断面図である。図10(a)はアクチュエータユニット221の拡大断面図であり、図10(b)は、図10(a)においてアクチュエータユニット221の表面に配置された個別電極を示す平面図である。
ヘッド本体2は、図7に示すように、流路ユニット9、及び、流路ユニット9の上面9aに固定された4つのアクチュエータユニット221を含んでいる。図8に示すように、アクチュエータユニット221は、圧力室210に対向して設けられた複数のアクチュエータを含んでおり、流路ユニット9に形成された圧力室210内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する機能を有する。
流路ユニット9は、リザーバユニット3のプレート14とほぼ同じ平面形状を有する直方体形状となっている。流路ユニット9の上面9aには、リザーバユニット3の供給流路14a(図3参照)に対応して、計10個のインク供給口201が開口している。流路ユニット9の内部には、インク供給口201に連通するマニホールド流路205及びマニホールド流路205から分岐した副マニホールド流路205aが形成されている。流路ユニット9の下面には、図8及び図9に示すように多数のノズル208がマトリクス状に配置されたインク吐出面2aが形成されている。圧力室210も流路ユニット9におけるアクチュエータユニット221の固定面においてノズル208と同様マトリクス状に多数配列されている。
本実施形態では、主走査方向に等間隔に並ぶ圧力室210の列が、副走査方向に互いに平行に16列配列されている。各圧力室列に含まれる圧力室210の数は、後述のアクチュエータユニット221の外形形状(台形形状)に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。ノズル208も、これと同様の配置がされている。
流路ユニット9は、図9に示すように、上から順に、キャビティプレート222、ベースプレート223、アパーチャプレート224、サプライプレート225、マニホールドプレート226〜228、カバープレート229、及び、ノズルプレート230、という9枚のステンレス鋼等の金属プレートから構成されている。これらプレート222〜230は、主走査方向に長尺な矩形状の平面を有する。
キャビティプレート222には、インク供給口201(図7参照)に対応する貫通孔、及び、圧力室210に対応する略菱形の貫通孔が多数形成されている。ベースプレート223には、各圧力室210について圧力室210とアパーチャ212との連絡孔及び圧力室210とノズル208との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口201とマニホールド流路205との連絡孔(図示せず)が形成されている。アパーチャプレート224には、各圧力室210についてアパーチャ212となる貫通孔及び圧力室210とノズル208との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口201とマニホールド流路205との連絡孔(図示せず)が形成されている。サプライプレート225には、各圧力室210についてアパーチャ212と副マニホールド流路205aとの連絡孔及び圧力室210とノズル208との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口201とマニホールド流路205との連絡孔(図示せず)が形成されている。マニホールドプレート226、227、228には、各圧力室210について圧力室210とノズル208との連絡孔、及び、積層時に互いに連結してマニホールド流路205及び副マニホールド流路205aとなる貫通孔が形成されている。カバープレート229には、各圧力室210について圧力室210とノズル208との連絡孔が形成されている。ノズルプレート230には、各圧力室210についてノズル208に対応する孔が形成されている。
これらプレート222〜230を互いに位置合わせしつつ積層することによって、流路ユニット9内に、マニホールド流路205から副マニホールド流路205a、そして副マニホールド流路205aの出口から圧力室210を経てノズル208に至る多数の個別インク流路232が形成される。
次に、流路ユニット9におけるインクの流れについて説明する。図7〜図9に示すように、リザーバユニット3からインク供給口101を介して流路ユニット9内に供給されたインクは、マニホールド流路205から副マニホールド流路205aに分岐される。副マニホールド流路205a内のインクは、各個別インク流路232に流れ込み、絞りとして機能するアパーチャ212及び圧力室210を介してノズル208に至る。
アクチュエータユニット221について説明する。図7に示すように、4つのアクチュエータユニット221は、それぞれ台形の平面形状を有しており、インク供給口201を避けるよう千鳥状に配置されている。さらに、各アクチュエータユニット221の平行対向辺は流路ユニット9の長手方向に沿っており、隣接するアクチュエータユニット221の斜辺同士は流路ユニット9の幅方向(副走査方向)に関して互いにオーバーラップしている。
図10(a)に示すように、アクチュエータユニット221は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる3枚の圧電シート241、242、243から構成されている。最上層の圧電シート241上における圧力室210に対向する位置には、個別電極235が形成されている。最上層の圧電シート241とその下側の圧電シート242との間にはシート全面に形成された共通電極234が介在している。個別電極235は、図10(b)に示すように、圧力室210と相似な略菱形の平面形状を有する。略菱形の個別電極235における鋭角部の一方は延出され、その先端には個別電極235と電気的に接続された円形のランド236が設けられている。
共通電極234はすべての圧力室210に対応する領域において等しくグランド電位に保たれている。一方、個別電極235は、選択的に電位を制御することができるよう、各ランド236と図示しないドライバICの各端子とが図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)を介して接続されている。つまり、アクチュエータユニット221において、個別電極235と圧力室210とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働き、圧力室210の数に対応した複数のアクチュエータが作り込まれている。
ここで、アクチュエータユニット221の駆動方法について述べる。圧電シート241はその厚み方向に分極されており、個別電極235を共通電極234と異なる電位にして圧電シート241に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電シート241における電界印加部分が圧電効果により歪む活性部として働く。つまり、アクチュエータユニット221は、圧力室210から離れた上側1枚の圧電シート241を、活性部を含む層とし且つ圧力室210に近い下側2枚の圧電シート242、243を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプである。図10(a)に示すように、圧電シート241〜243は圧力室210を区画するキャビティプレート222の上面に固定されているため、圧電シート241における電界印加部分とその下方の圧電シート242、243との間で平面方向への歪みに差が生じると、圧電シート241〜243全体が圧力室210側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室210内のインクに圧力(吐出エネルギー)が付与され、ノズル208からインク滴が吐出される。
次に、上部リザーバ31内に滞留している気泡を排出する気泡排出作業について説明する。インクタンクを交換するときに、インクの供給路中に気泡が入り込む虞がある。このようなときに、気泡を含むインクの排出作業が行われる。このとき、図示しない廃液タンクに接続された廃インク管の他方端部をバルブ60に接続する。もちろん、廃インク管は、常時パルブ60に接続されていてもよい。その後、バルブ60を操作して気泡流出口31cを開放する。そして、図示しないポンプを駆動することによって、供給側ジョイント部30aに接続されているインク管にインクを強制的に供給する。これにより、インク管からのインクが、供給側ジョイント部30a及びインク流入口31aを介して上部リザーバ31に流れ込む。
このとき、ポンプによるインクに加えられた正圧によってフィルム41,51,52が図4中2点鎖線で示すように外側に膨らむ。このとき、気泡排出流路38に比べて、主流路35の上流側と下流側を分けるフィルタ32の流路抵抗が非常に大きいことから、主流路35の上流側に存在するインクは主に分岐部38aを越えて気泡排出流路38側に流れる。
このように、主流路35の上流側のインクが主に分岐部38aを越えて気泡排出流路38側に流れるので、主流路35の上流側のインクに存在する異物Eがフィルタ32側に移動せず、気泡排出流路38側に移動する。そのため、通常、印字時やパージ動作時において、異物Eがフィルタ32を通過しようとするアタック頻度が減少する。その結果、異物Eのフィルタ32を通過する数が減少する。また、主流路35の上流側のインク中の気泡も異物Eと同様にフィルタ32を通過しようとするアタック頻度が減少する。そのため、気泡が主流路35の下流側にほとんど移動せず、気泡排出流路38側に移動する。
そして、主流路35の上流側から気泡排出流路38を通って気泡流出口31cからバルブ60に流れるインクとともに気泡及び異物Eが流出する。バルブ60に流れたインク、気泡及び異物Eは、バルブ60に接続された廃インク管を通って廃液タンクに排出される。その後、再びバルブ60を操作して気泡流出口31cを閉塞する。
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッド1によると、フィルタ32から内表面42a上に落ちてきた異物Eが、内表面42aから舞い上がりにくくなり且つフィルタ32から遠ざかることで、インクがインク流入口31aからインク流出口31bに流れても、内表面42aに落ちた異物Eがフィルタ32まで移動しにくくなって、フィルタ32の目詰まり及び異物Eによるインク供給不足が抑制される。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、内表面42aに凹部43が形成されていなくてもよい。また、凹部43の開口縁に環状突起44が形成されていなくてもよい。また、封止部材41は可撓性を有していなくてもよく合成樹脂や金属から構成されていてもよい。この場合、凹部43や環状突起44を形成しやすくなる。
また、上述した実施形態は、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明の適用可能対象はこのようなインクジェットヘッドに限られない。例えば、導電ペーストを吐出して基板上に微細な配線パターンを形成したり、あるいは、有機発光体を基板に吐出して高精細ディスプレイを形成したり、さらには、光学樹脂を基板に吐出して光導波路等の微小電子デバイスを形成するための、液体吐出ヘッドに適用することができる。
本発明の一実施形態であるインクジェットヘッドが採用されたインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態であるインクジェットヘッドの外観側面図である。 図2に示すインクジェットヘッドの長手方向に沿った断面図である。 図3に示す流路構成部材の長手方向に沿った部分断面図である。 リザーバユニットを構成する各部材の平面又は底面図である。 (a)はフィルタで異物を捕獲したときの状況図であり、(b)は異物が凹部に移動するときの状況図である。 ヘッド本体の平面図である。 図7の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図8に示すIX−IX線に沿った部分断面図である。 (a)はアクチュエータユニットの拡大断面図であり、(b)は図10(a)においてアクチュエータユニットの表面に配置された個別電極を示す平面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
11 流路構成部材
11a 開口部(第1開口部)
11c 開口部(第2開口部)
31a インク流入口(液体流入口)
31b インク流出口(液体流出口)
31c 気泡流出口
32 フィルタ
37 インク供給流路(第1流路)
38 気泡流出流路(第2流路)
38a 分岐部
41 フィルム(封止部材)
42a 内表面
43 凹部
44 環状突起
52 フィルム
101 インクジェットプリンタ(液体吐出装置)

Claims (7)

  1. 液体を吐出する液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドであって、
    液体が流入する液体流入口、前記液体流入口から流入した液体が流出するとともに液体を吐出する吐出口に連通した液体流出口、及び、液体中の気泡が流出する気泡流出口を有しており、前記液体流入口から前記液体流出口に至る第1流路、及び、前記第1流路の途中で分岐しその分岐部から前記気泡流出口に至る第2流路を画定する流路構成部材を含み、
    前記流路構成部材は、
    前記第1流路から前記第2流路に亘って形成され下方に向かって開口した第1開口部と、
    前記第2流路に形成され前記第1開口部と対向する第2開口部と、
    前記分岐部の近傍であって前記第1開口部に対向して配置され、前記第1流路を流れる液体を濾過するフィルタと、
    前記第1開口部を封止して前記第1及び第2流路の側壁の一部を構成する封止部材と、
    前記第2開口部を封止して前記第2流路の側壁の一部を構成する可撓性のフィルムとを有し、
    前記封止部材の内表面は、前記封止部材の下流側の一端が前記封止部材の上流側の他端よりも下方に配置されるように傾斜していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記封止部材の内表面は、前記下流側の一端から前記上流側の他端に亘って傾斜した傾斜平面であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記封止部材の前記一端には、前記内表面に開口が形成された凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記凹部には、前記凹部の開口縁から中心に向かって突出した環状突起が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記封止部材が、可撓性を有するフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. インクを吐出して画像を形成するインクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドであって、
    インクが流入するインク流入口、前記インク流入口から流入したインクが流出するとともにインクを吐出するノズルに連通したインク流出口、及び、インク中の気泡が流出する気泡流出口を有しており、前記インク流入口から前記インク流出口に至る第1流路、及び、前記第1流路の途中で分岐しその分岐部から前記気泡流出口に至る第2流路を画定する流路構成部材を含み、
    前記流路構成部材は、
    前記第1流路から前記第2流路に亘って形成され下方に向かって開口した第1開口部と、
    前記第2流路に形成され前記第1開口部と対向する第2開口部と、
    前記分岐部の近傍であって前記第1開口部に対向して配置され、前記第1流路を流れるインクを濾過するフィルタと、
    前記第1開口部を封止して前記第1及び第2流路の側壁の一部を構成する封止部材と、
    前記第2開口部を封止して前記第2流路の側壁を構成する可撓性のフィルムとを有し、
    前記封止部材の内表面は、前記封止部材の下流側の一端が前記封止部材の上流側の他端よりも下方に配置されるように傾斜していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 前記封止部材が、可撓性を有するフィルムであることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
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