JP2010036185A - 液状体の吐出方法、カラーフィルタの製造方法、有機el素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜形成領域ごとに必要量の液状体を安定して吐出することができる液状体の吐出方法、およびこの液状体の吐出方法を適用したカラーフィルタの製造方法、有機EL素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】液状体の吐出方法は、複数のノズルと膜形成領域2を有する被吐出物とを対向配置して相対移動させる走査に同期して、ノズルごとに設けられたエネルギー発生手段に、時分割で発生させた複数の駆動波形の一部を印加して、複数のノズルから機能性材料を含む液状体を液滴として膜形成領域2に吐出する吐出工程を有する。吐出工程では、前記走査において、複数のノズルからなるノズル列のうち、膜形成領域2に掛かる隣り合うノズルのエネルギー発生手段に、複数の駆動波形のうち互いに異なる吐出タイミングの駆動波形を印加すると共に、印加されるエネルギー発生手段の数が、駆動波形ごとに同数となるように、駆動波形の組み合わせを設定した。
【選択図】図8
【解決手段】液状体の吐出方法は、複数のノズルと膜形成領域2を有する被吐出物とを対向配置して相対移動させる走査に同期して、ノズルごとに設けられたエネルギー発生手段に、時分割で発生させた複数の駆動波形の一部を印加して、複数のノズルから機能性材料を含む液状体を液滴として膜形成領域2に吐出する吐出工程を有する。吐出工程では、前記走査において、複数のノズルからなるノズル列のうち、膜形成領域2に掛かる隣り合うノズルのエネルギー発生手段に、複数の駆動波形のうち互いに異なる吐出タイミングの駆動波形を印加すると共に、印加されるエネルギー発生手段の数が、駆動波形ごとに同数となるように、駆動波形の組み合わせを設定した。
【選択図】図8
Description
本発明は、機能性材料を含む液状体の吐出方法、これを用いたカラーフィルタの製造方法、有機EL素子の製造方法に関する。
機能性材料を含む液状体の吐出方法として、カラーフィルタ材料を含む液状体を基板上に吐出してカラーフィルタを製造する方法が知られている(特許文献1)。
上記カラーフィルタの製造方法では、液状体を液滴として吐出可能な複数のノズルを有する複数の液滴吐出ヘッドをノズル列が所定の方向に配列するように基板に対して対向させる。そして、ノズル列の両端部の所定領域に位置するノズル(未使用ノズル)からは液状体を吐出させない状態で、基板と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させつつ、ノズル(使用ノズル)から液状体を基板上の所定の位置に適宜吐出してカラーフィルタを形成する方法を採用している。これにより、ノズル列の両端部の所定領域に位置する吐出量が比較的多いノズルを使用せずに液状体の吐出を行うので、より均一に液状体が吐出されるとしている。
ところが、上記液滴吐出ヘッドの複数のノズルから吐出される液滴の吐出量は、実際にはノズル間でバラツキを有していた。このバラツキが大きいと、吐出後に形成された薄膜にムラが生じ、例えばカラーフィルタであれば色ムラとなるという課題があった。
このノズル間の吐出量のバラツキの原因として、ノズルから液状体を液滴として吐出させるためのエネルギー発生手段(例えば、圧電素子や加熱素子など)に駆動電圧を印加したときに、駆動電圧がばらつく所謂電気的クロストークが挙げられる。また、ノズルごとに液状体が供給される流路が異なることにより、液滴を吐出する圧力やスピードがノズル間で異なる所謂機械的クロストークが挙げられる。
このようなクロストーク現象の発生を防止する方法としては、隣接するノズル(エネルギー発生手段)ごとに異なる駆動波形を入力し、時期を違えて駆動するインクジェット式印刷方法が知られている(特許文献2)。
しかしながら、クロストーク現象を考慮して、隣接するノズル(エネルギー発生手段)ごとに異なる駆動波形を入力したとしても、駆動波形が印加されるエネルギー発生手段の数が駆動波形ごとに変動する場合があった。それゆえに、液滴の吐出に係る電気的な負荷が駆動波形ごとに変動し、駆動波形のなまり方が変化した。したがって、駆動波形ごとのなまり方に起因して、吐出される液滴の吐出量の偏りがノズル間で発生するという課題があった。ゆえに、所望の領域に必要量の液状体を安定的に吐出することが難しいという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の液状体の吐出方法は、複数のノズルと膜形成領域を有する被吐出物とを対向配置して相対移動させる走査に同期して、前記ノズルごとに設けられたエネルギー発生手段に、時分割で発生させた複数の駆動波形の一部を印加して、前記複数のノズルから機能性材料を含む液状体を液滴として前記膜形成領域に吐出する吐出工程を有する液状体の吐出方法であって、前記吐出工程では、前記走査において、前記複数のノズルからなるノズル列のうち、前記膜形成領域に掛かる隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に、前記複数の駆動波形のうち互いに異なる吐出タイミングの駆動波形を印加すると共に、印加される前記エネルギー発生手段の数が、前記駆動波形ごとに同数となるように、前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを設定することを特徴とする。
この方法によれば、液滴の吐出に際して、膜形成領域に掛かる隣り合うノズルのエネルギー発生手段における電気的なクロストークを回避し、且つ、駆動波形が印加されるエネルギー発生手段の数が駆動波形ごとに同数であるため、電気的な負荷による駆動波形ごとのなまりを均一化できる。すなわち、このような異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせによれば、ノズル間の吐出特性バラツキに起因する液滴の吐出量の偏りを低減して、膜形成領域に液状体を安定した吐出量で吐出することができる。
[適用例2]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記吐出工程では、前記走査において、前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを少なくとも1回は変えることが好ましい。
この方法によれば、膜形成領域に掛かるノズルのエネルギー発生手段に、同一の駆動波形の組み合わせを適用して、繰り返し液滴を吐出する場合に比べて、異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを少なくとも1回変えるので、ノズル間の吐出特性バラツキに起因する液滴の吐出量の偏りが走査の途中で変化することになる。したがって、吐出された液滴の吐出量の偏りに起因する走査方向のスジ状の吐出ムラを低減することができる。
この方法によれば、膜形成領域に掛かるノズルのエネルギー発生手段に、同一の駆動波形の組み合わせを適用して、繰り返し液滴を吐出する場合に比べて、異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを少なくとも1回変えるので、ノズル間の吐出特性バラツキに起因する液滴の吐出量の偏りが走査の途中で変化することになる。したがって、吐出された液滴の吐出量の偏りに起因する走査方向のスジ状の吐出ムラを低減することができる。
[適用例3]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記吐出工程では、複数回の前記走査を行って、前記複数のノズルから前記膜形成領域に前記液滴を吐出し、前記走査ごとに前記膜形成領域に掛かる隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを異ならせてもよい。
この方法によれば、複数回の走査ごとに、膜形成領域に掛かる隣り合うノズルのエネルギー発生手段に印加する異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせが異なるので、走査方向におけるスジ状の吐出ムラをより低減することができる。
この方法によれば、複数回の走査ごとに、膜形成領域に掛かる隣り合うノズルのエネルギー発生手段に印加する異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせが異なるので、走査方向におけるスジ状の吐出ムラをより低減することができる。
[適用例4]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記被吐出物は、少なくとも前記走査の方向に配列した複数の前記膜形成領域を有し、前記吐出工程では、前記隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを、吐出する異種の前記液状体ごとに異ならせるとしてもよい。
この方法によれば、異種の液状体を対応する膜形成領域に吐出する場合、液状体の種類ごとに膜形成領域に掛かる隣り合うノズルのエネルギー発生手段に印加する異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを異ならせるので、走査方向に吐出される液滴の吐出量の偏りを異種の液状体ごとに分散できる。すなわち、異種の液状体を複数のノズルから吐出しても、走査の方向におけるスジ状の吐出ムラが強調されない。
この方法によれば、異種の液状体を対応する膜形成領域に吐出する場合、液状体の種類ごとに膜形成領域に掛かる隣り合うノズルのエネルギー発生手段に印加する異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを異ならせるので、走査方向に吐出される液滴の吐出量の偏りを異種の液状体ごとに分散できる。すなわち、異種の液状体を複数のノズルから吐出しても、走査の方向におけるスジ状の吐出ムラが強調されない。
[適用例5]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記被吐出物は、少なくとも前記走査の方向に配列した複数の前記膜形成領域と、前記膜形成領域を区画する区画領域とを有し、前記吐出工程では、前記走査において、前記区画領域に掛かるノズルおよび/または液滴を吐出したときに前記区画領域に液滴の一部が着弾すると想定されるノズルを不使用として、使用するノズルのみを前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせの対象とすることが好ましい。
この方法によれば、液状体を液滴として膜形成領域に吐出する際に、使用するノズルに対して複数の駆動波形との関連づけを吐出データの一部として生成すればよいので、すべてのノズルに対して関連づける場合に比べて、吐出データを簡略化できる。
この方法によれば、液状体を液滴として膜形成領域に吐出する際に、使用するノズルに対して複数の駆動波形との関連づけを吐出データの一部として生成すればよいので、すべてのノズルに対して関連づける場合に比べて、吐出データを簡略化できる。
[適用例6]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記被吐出物は、少なくとも前記走査の方向に配列した複数の前記膜形成領域を有し、前記吐出工程では、前記隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを、前記膜形成領域ごとに異ならせるとしてもよい。
この方法によれば、異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせの選択に伴う、走査方向における液滴の吐出量の偏りを膜形成領域ごとに分散できる。すなわち、走査方向におけるスジ状の吐出ムラを膜形成領域ごとに抑制して、目立ち難くすることができる。
この方法によれば、異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせの選択に伴う、走査方向における液滴の吐出量の偏りを膜形成領域ごとに分散できる。すなわち、走査方向におけるスジ状の吐出ムラを膜形成領域ごとに抑制して、目立ち難くすることができる。
[適用例7]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記吐出工程では、前記膜形成領域ごとに、前記隣り合うノズルのそれぞれから前記走査の方向に複数の前記液滴を吐出し、前記隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを、前記液滴の吐出ごとに異ならせるとしてもよい。
この方法によれば、駆動波形の組み合わせの選択に伴う、走査方向における液滴の吐出量の偏りを液滴の吐出ごとに分散できる。すなわち、走査方向におけるスジ状の吐出ムラを液滴の吐出ごとに抑制して、より目立ち難くすることができる。
この方法によれば、駆動波形の組み合わせの選択に伴う、走査方向における液滴の吐出量の偏りを液滴の吐出ごとに分散できる。すなわち、走査方向におけるスジ状の吐出ムラを液滴の吐出ごとに抑制して、より目立ち難くすることができる。
[適用例8]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記エネルギー発生手段に、所定の周期で発生する前記複数の駆動波形のうちの一部を印加することを特徴とする。
この方法によれば、膜形成領域に掛かる隣り合うノズルに所定の周期で吐出タイミングが異なる駆動波形が印加される。したがって、電気的なクロストークを回避すると共に、吐出タイミング間における吐出条件が一様となり、走査方向において、液滴の吐出量を安定化させることができる。
この方法によれば、膜形成領域に掛かる隣り合うノズルに所定の周期で吐出タイミングが異なる駆動波形が印加される。したがって、電気的なクロストークを回避すると共に、吐出タイミング間における吐出条件が一様となり、走査方向において、液滴の吐出量を安定化させることができる。
[適用例9]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記エネルギー発生手段に、1周期内において発生する前記複数の駆動波形のうちの一部を印加するとしてもよい。
この方法によれば、電気的なクロストークを回避すると共に、1周期内において、隣り合うノズルから複数の液滴を膜形成領域に吐出することができる。すなわち、より短時間に膜形成領域に所定量の液状体を吐出することができる。
この方法によれば、電気的なクロストークを回避すると共に、1周期内において、隣り合うノズルから複数の液滴を膜形成領域に吐出することができる。すなわち、より短時間に膜形成領域に所定量の液状体を吐出することができる。
[適用例10]上記適用例の液状体の吐出方法において、前記エネルギー発生手段に、非周期的に発生する前記複数の駆動波形のうちの一部を印加するとしてもよい。
この方法によれば、吐出タイミングごとに吐出条件が異なることになるため、走査方向において、液滴の吐出量の変動が発生する。これにより、ノズル間の吐出特性のバラツキに起因する吐出量の変動に加えて、走査方向の吐出量の変動が付加され、2次元的に吐出量の変動を分散させることができる。このような2次元的に分散された吐出ムラは、スジ状の(1次元的な)吐出ムラに比べて視認性が低いため、結果的に吐出ムラを目立ち難くする効果を奏する。
この方法によれば、吐出タイミングごとに吐出条件が異なることになるため、走査方向において、液滴の吐出量の変動が発生する。これにより、ノズル間の吐出特性のバラツキに起因する吐出量の変動に加えて、走査方向の吐出量の変動が付加され、2次元的に吐出量の変動を分散させることができる。このような2次元的に分散された吐出ムラは、スジ状の(1次元的な)吐出ムラに比べて視認性が低いため、結果的に吐出ムラを目立ち難くする効果を奏する。
[適用例11]本適用例のカラーフィルタの製造方法は、基板上に区画形成された複数の膜形成領域に少なくとも3色の着色層を有するカラーフィルタの製造方法であって、上記液状体の吐出方法を用い、着色材料を含む少なくとも3色の液状体を前記複数の膜形成領域に吐出する吐出工程と、吐出された前記液状体を固化して、前記少なくとも3色の着色層を形成する固化工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、着色材料を含む少なくとも3色の液状体を所望の膜形成領域に安定した吐出量で吐出して、吐出ムラに起因する色ムラなどの不良を低減し、カラーフィルタを歩留りよく製造することができる。
この方法によれば、着色材料を含む少なくとも3色の液状体を所望の膜形成領域に安定した吐出量で吐出して、吐出ムラに起因する色ムラなどの不良を低減し、カラーフィルタを歩留りよく製造することができる。
[適用例12]本適用例の有機EL素子の製造方法は、基板上に区画形成された複数の膜形成領域に少なくとも発光層を有する有機EL素子の製造方法であって、上記液状体の吐出方法を用い、発光層形成材料を含む液状体を前記複数の膜形成領域に吐出する吐出工程と、吐出された前記液状体を固化して、前記発光層を形成する固化工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、発光層形成材料を含む液状体を前記複数の膜形成領域に安定した吐出量で吐出して、吐出ムラに起因する発光ムラ、輝度ムラなどの不良を低減し、有機EL素子を歩留りよく製造することができる。
この方法によれば、発光層形成材料を含む液状体を前記複数の膜形成領域に安定した吐出量で吐出して、吐出ムラに起因する発光ムラ、輝度ムラなどの不良を低減し、有機EL素子を歩留りよく製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部を認識可能な大きさとするため、各部の縮尺を適宜変更している。
(実施形態1)
<液滴吐出装置>
まず、本実施形態に係る液滴吐出装置の構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、液滴吐出装置100は、被吐出物としてのワークW上に液状体を液滴として吐出して、液状体からなる膜を形成するものである。ワークWが載置されるステージ104と、載置されたワークWに液状体を液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッド20(図2参照)が搭載されたヘッドユニット101とを備えている。
<液滴吐出装置>
まず、本実施形態に係る液滴吐出装置の構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、液滴吐出装置100は、被吐出物としてのワークW上に液状体を液滴として吐出して、液状体からなる膜を形成するものである。ワークWが載置されるステージ104と、載置されたワークWに液状体を液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッド20(図2参照)が搭載されたヘッドユニット101とを備えている。
そして、ヘッドユニット101を副走査方向(X方向)に駆動するためのX方向ガイド軸102と、X方向ガイド軸102を回転させるX方向駆動モータ103とを備えている。また、ステージ104を副走査方向に対して直交する主走査方向(Y方向)にガイドするためのY方向ガイド軸105と、Y方向ガイド軸105に係合して回転するY方向駆動モータ106とを備えている。これらX方向ガイド軸102とY方向ガイド軸105とが上部に配設された基台107を有し、その基台107の下部に、制御装置108を備えている。
さらに、ヘッドユニット101の複数の液滴吐出ヘッド20をクリーニング(回復処理)するために、Y方向ガイド軸105に沿って移動するクリーニング機構109と、吐出された液状体を加熱し溶媒を蒸発・乾燥させるためのヒータ111とを備えている。クリーニング機構109は、Y方向ガイド軸105に係合して回転するY方向駆動モータ110を有している。
ヘッドユニット101には、液状体をワークWに塗布する複数の液滴吐出ヘッド20(図2参照)を備えている。そして、これら複数の液滴吐出ヘッド20により、制御装置108から供給される吐出用の制御信号に応じて、個別に液状体を吐出できるようになっている。この液滴吐出ヘッド20については後述する。
X方向駆動モータ103は、これに限定されるものではないが例えばステッピングモータ等であり、制御装置108から駆動パルス信号が供給されると、X方向ガイド軸102を回転させ、X方向ガイド軸102に係合したヘッドユニット101をX方向に移動させる。
同様にY方向駆動モータ106,110は、これに限定されるものではないが例えばステッピングモータ等であり、制御装置108から駆動パルス信号が供給されると、Y方向ガイド軸105に係合して回転し、Y方向駆動モータ106,110を備えたステージ104およびクリーニング機構109をY方向に移動させる。
クリーニング機構109は、液滴吐出ヘッド20をクリーニングする際には、ヘッドユニット101を臨む位置に移動し、液滴吐出ヘッド20のノズル面に密着して不要な液状体を吸引するキャッピング、液状体等が付着したノズル面を拭き取るワイピング、液滴吐出ヘッド20の全ノズルから液状体の吐出を行う予備吐出あるいは不要となった液状体を受けて排出させる処理を行う。クリーニング機構109の詳細は省略する。
ヒータ111は、これに限定されるものではないが例えばランプアニールによりワークWを熱処理する手段であり、ワークW上に吐出された液状体を加熱して、溶媒を蒸発させ膜に変換するための熱処理を行う。このヒータ111の電源の投入及び遮断も制御装置108によって制御される。
液滴吐出装置100の塗布動作は、制御装置108から所定の駆動パルス信号をX方向駆動モータ103およびY方向駆動モータ106に送り、ヘッドユニット101を副走査方向(X方向)に、ステージ104を主走査方向(Y方向)に相対移動させる。そして、この相対移動の間に制御装置108から吐出用の制御信号を供給し、各液滴吐出ヘッド20からワークWの所定の領域に液状体を液滴として吐出し塗布を行う。
図2は、液滴吐出ヘッドの構造を示す概略図である。同図(a)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す概略斜視図、同図(b)は、液滴吐出ヘッドの複数のノズルの配置を示す概略平面図である。なお、同図は、構成を明確にするため適宜拡大または縮小している。
図2(a)に示すように液滴吐出ヘッド20は、複数のノズル22を有するノズルプレート21と、各ノズル22に対応してこれを区画する区画部24を含む液状体の流路が形成されたリザーバプレート23と、エネルギー発生手段としての圧電素子(ピエゾ)29を有する振動板28とからなる3層構造の所謂ピエゾ方式インクジェットヘッドである。ノズルプレート21とリザーバプレート23の区画部24および振動板28によって複数の圧力発生室25が構成されている。各ノズル22は、各圧力発生室25にそれぞれ連通している。また、圧電素子29は、各圧力発生室25に対応するように振動板28に複数配設されている。
リザーバプレート23には、振動板28に形成された供給孔28aを通じてタンク(図示省略)から供給される液状体が、一時的に貯留される共通流路27が設けられている。また共通流路27に充填された液状体は、供給口26を通じて各圧力発生室25に供給される。
図2(b)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、2つのノズル列22a,22bを有しており、それぞれ複数(180個)の直径がおよそ28μmのノズル22がピッチP1で配列している。そして、2つのノズル列22a,22bは互いにピッチP1に対して半分のノズルピッチP2ずれた状態でノズルプレート21に配設されている。この場合、ピッチP1は、およそ140μmである。よって、ノズル列22a,22bに直交する方向から見ると360個のノズル22がおよそ70μmのノズルピッチP2で配列した状態となっている。したがって、2つのノズル列22a,22bを有する液滴吐出ヘッド20の有効ノズルの全長は、ノズルピッチP2×359(およそ25mm)である。また、ノズル列22a,22bの間隔は、およそ2.54mmである。
液滴吐出ヘッド20は、電気信号としての駆動波形が圧電素子29に印加されると圧電素子29自体が歪んで振動板28を変形させる。これにより、圧力発生室25の体積変動が起こり、これによるポンプ作用で圧力発生室25に充填された液状体が加圧され、ノズル22から液状体を液滴30として吐出することができる。
なお、本実施形態の液滴吐出ヘッド20は、所謂2連のノズル列22a,22bを有しているが、これに限定されず1連のものでもよい。さらには、ノズル22から液状体を液滴30として吐出させるエネルギー発生手段は、圧電素子29に限定されず、電気熱変換素子としてのヒータや電気機械変換素子としての静電アクチュエータ等でもよい。
図3は、制御装置および制御装置に関連する各部との電気的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置108は、液状体の吐出データを外部情報処理装置から受け取る入力バッファメモリ120と、入力バッファメモリ120に一時的に記憶された吐出データを記憶手段(RAM)121に展開して、関連する各部に制御信号を送る処理部122とを備えている。また処理部122からの制御信号を受けてX方向駆動モータ103とY方向駆動モータ106とに位置制御信号を送る走査駆動部123と、同じく処理部122からの制御信号を受けて液滴吐出ヘッド20に駆動電圧パルス(駆動波形)を送るヘッド駆動部124とを備えている。
入力バッファメモリ120に受け取られる吐出データは、ワークW上の膜形成領域の相対位置を表すデータと、膜形成領域に液状体の液滴をドットとしてどのように配置するかを示すデータと、液滴吐出ヘッド20のノズル列22a,22bのうち、どのノズル22を駆動(ON−OFF)するかを指定するデータと、を含んでいる。
処理部122は、記憶手段としてのRAM121に格納された吐出データの中から膜形成領域に関する位置の制御信号を走査駆動部123に送る。走査駆動部123は、この制御信号を受けてX方向駆動モータ103に位置制御信号を送って液滴吐出ヘッド20を副走査方向(X方向)に移動させる。またY方向駆動モータ106に位置制御信号を送ってワークWが保持されたステージ104を主走査方向(Y方向)に移動させる。これによってワークWの所望の位置に液滴吐出ヘッド20から液状体の液滴30が吐出されるように液滴吐出ヘッド20とワークWとを相対移動させる。
また処理部122は、RAM121に格納された吐出データの中から膜形成領域に液状体の液滴30をドットとしてどのように配置するかを示すデータを、ノズル22ごとの4ビットの吐出ビットマップデータに変換してヘッド駆動部124に送る。また、液滴吐出ヘッド20のノズル列22a,22bのうち、どのノズル22を駆動(ON−OFF)するかを指定するデータに基づいて、液滴吐出ヘッド20の圧電素子29に印加する駆動電圧パルス(駆動波形)をいつ発信するかの「タイミング検出信号」であるラッチ(LAT)信号とチャンネル(CH)信号をヘッド駆動部124に送る。ヘッド駆動部124は、これらの制御信号を受けて液滴吐出ヘッド20に適正な駆動電圧パルス(駆動波形)を送って、ノズル22から液状体の液滴30を吐出させる。
図2に示したように、各ノズル列22a,22bは、それぞれに独立した共通流路27に連通している。したがって、各ノズル列22a,22bを構成するそれぞれ180個のノズル22の圧電素子29に同時に駆動波形を印加すると、隣り合うノズル22間において、液滴の吐出量(体積または重量)や吐出スピードが変動する電気的、機械的なクロストークが生じ易い。
それゆえに、本実施形態では、処理部122は、膜形成領域に掛かる隣り合うノズル22からは同時に液滴を吐出しないようにヘッド駆動部124にLAT信号とCH信号を送る。具体的には、ヘッド駆動部124は、LAT信号に対応して所定の周期で駆動電圧パルス(駆動波形)を発生する。そして、処理部122は、ワークWと液滴吐出ヘッド20の相対移動に同期して、時系列的に異なる駆動波形が上記隣り合うノズル22に対応する圧電素子29に印加されるように、CH信号をヘッド駆動部124に送る。また、主走査において、駆動波形が印加される圧電素子29の数が駆動波形ごとに同数となるように、膜形成領域に掛かる隣り合うノズル22に印加する異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを設定している。詳しくは、後述する液状体の吐出方法において述べる。これにより少なくとも電気的なクロストークを回避すると共に、電気的な負荷による駆動波形ごとのなまりを均一化して、安定した吐出量で液滴を吐出することを実現している。
<カラーフィルタ>
次に、本実施形態に係るカラーフィルタについて説明する。図4は、カラーフィルタを示す平面図である。
次に、本実施形態に係るカラーフィルタについて説明する。図4は、カラーフィルタを示す平面図である。
図4に示すように、カラーフィルタ10は、透明な基板としてのガラス基板1の表面に複数の膜形成領域2を区画する隔壁部4を有している。言い換えれば、隔壁部4は、複数の膜形成領域2を区画する区画領域を構成している。各膜形成領域2には、3色(R;赤,G;緑,B;青)の着色層3が形成されている。各着色層3R,3G,3Bは、同色の着色層3同士が直線的に配置されている。すなわち、カラーフィルタ10は、ストライプ方式の着色層3を備えている。
<カラーフィルタの製造方法>
次に、本実施形態のカラーフィルタの製造方法について図5および図6を参照して説明する。図5はカラーフィルタの製造方法を示すフローチャート、図6(a)〜(f)はカラーフィルタの製造方法を示す概略断面図である。また、本実施形態のカラーフィルタ10の製造方法は、前述した液滴吐出装置100と、後述する液状体の吐出方法とを用いたものである。
次に、本実施形態のカラーフィルタの製造方法について図5および図6を参照して説明する。図5はカラーフィルタの製造方法を示すフローチャート、図6(a)〜(f)はカラーフィルタの製造方法を示す概略断面図である。また、本実施形態のカラーフィルタ10の製造方法は、前述した液滴吐出装置100と、後述する液状体の吐出方法とを用いたものである。
図5に示すように、本実施形態のカラーフィルタ10の製造方法は、ガラス基板1に隔壁部4を形成する工程(ステップS1)と、隔壁部4が形成されたガラス基板1の表面を処理する工程(ステップS2)とを備えている。そして、表面処理されたガラス基板1に機能性材料としての着色材料を含む3色の液状体を吐出する工程(ステップS3)と、吐出された液状体を乾燥して固化し着色層3を形成する工程(ステップS4)とを備えている。さらに、形成された隔壁部4と着色層3とを覆うように平坦化層を形成する工程(ステップS5)と、平坦化層上に透明電極を形成する工程(ステップS6)とを備えている。
図5のステップS1は、隔壁部形成工程である。ステップS1では、図6(a)に示すように、まず、ガラス基板1の表面に、膜形成領域2を区画するように第1隔壁部4aを形成する。形成方法としては、真空蒸着法やスパッタ法により、CrやAlなどの金属膜または金属化合物の膜をガラス基板1の表面に遮光性を有するように成膜する。そしてフォトリソグラフィ法により、感光性樹脂(フォトレジスト)を塗布して膜形成領域2が開口するように露光・現像・エッチングする。続いてフォトリソグラフィ法により、感光性の隔壁部形成材料をおよそ2μmの厚みで塗布して露光・現像し、第2隔壁部4bを第1隔壁部4a上に形成する。隔壁部4は、第1隔壁部4aと第2隔壁部4bとからなる所謂二層バンク構造となっている。なお、隔壁部4は、これに限らず、遮光性を有する感光性の隔壁部形成材料を用いて形成した第2隔壁部4bのみの一層構造としてもよい。そして、ステップS2へ進む。
図5のステップS2は、表面処理工程である。ステップS2では、後の液状体の吐出工程において、吐出された液状体が膜形成領域2に着弾して濡れ拡がるように、ガラス基板1の表面を親液処理する。また、吐出された液状体の一部が第2隔壁部4bに着弾したとしても膜形成領域2内に収まるように、第2隔壁部4bの少なくとも頭頂部を撥液処理する。
表面処理方法としては、隔壁部4が形成されたガラス基板1に対して、O2を処理ガスとするプラズマ処理とフッ素系ガスを処理ガスとするプラズマ処理とを行う。すなわち、膜形成領域2が親液処理され、その後感光性樹脂からなる第2隔壁部4bの表面(壁面を含む)が撥液処理される。なお、第2隔壁部4bを形成する材料自体が撥液性を有していれば後者の処理を省くこともできる。そして、ステップS3へ進む。
図5のステップS3は、液状体の吐出工程である。ステップS3では、図6(b)に示すように、液滴吐出装置100のステージ104に表面処理されたガラス基板1を載置する。そして、ガラス基板1が載置されたステージ104と液滴吐出ヘッド20との主走査方向への相対移動に同期して、着色材料を含む液状体が充填された液滴吐出ヘッド20の複数のノズル22から液滴30を膜形成領域2に吐出する。膜形成領域2に吐出される液状体の総吐出量は、後の乾燥工程(ステップS4)で所定の膜厚が得られるように、あらかじめ吐出回数などが設定された吐出データに基づいて、制御装置108の処理部122から適正な制御信号がヘッド駆動部124に送られて制御される。詳しい液状体の吐出方法は後述する。そして、ステップS4へ進む。
図5のステップS4は、乾燥工程である。ステップS4では、図6(c)に示すように、液滴吐出装置100に備えられたヒータ111によってガラス基板1が加熱され、吐出された液状体から溶媒成分が蒸発して固化し、着色材料からなる着色層3が形成される。そして、ステップS5へ進む。
図5のステップS5は、平坦化層形成工程である。ステップS5では、図6(e)に示すように、着色層3と第2隔壁部4bとを覆うように平坦化層6を形成する。形成方法としては、スピンコート法、ロールコート法などによりアクリル系樹脂をコーティングして乾燥させる方法が挙げられる。また、感光性アクリル樹脂をコーティングしてから紫外光を照射して硬化させる方法も採用することができる。膜厚は、およそ100nmである。なお、着色層3が形成されたガラス基板1の表面が比較的に平坦ならば、平坦化層形成工程を省いてもよい。そして、ステップS6へ進む。
図5のステップS6は、透明電極形成工程である。ステップS6では、図6(f)に示すように、平坦化層6の上にITO(Indium Tin Oxide)などからなる透明電極7を成膜する。成膜方法としては、ITOなどの導電材料をターゲットとして真空中で蒸着あるいはスパッタする方法が挙げられる。膜厚は、およそ10nmである。形成された透明電極7は、カラーフィルタ10が用いられる電気光学装置によって適宜必要な形状(パターン)に加工される。
本実施形態では、まずR(赤)の着色材料を含む液状体を膜形成領域2に吐出して乾燥させることにより着色層3Rを形成し、続いてG(緑)、B(青)の順に異なる着色材料を含む液状体を順次吐出して乾燥することにより、図6(d)に示すように3色の着色層3R,3G,3Bを形成した。なお、これに限定されず、例えば、ステップS3の液状体の吐出工程で異なる着色材料を含む3色の液状体をそれぞれ異なる液滴吐出ヘッド20に充填し、各液滴吐出ヘッド20をヘッドユニット101に装備して、各液滴吐出ヘッド20から所望の膜形成領域2に液状体を吐出する。そして、溶媒の蒸気圧を一定にして乾燥することが可能な減圧乾燥装置にガラス基板1をセットして減圧乾燥する方法を用いてもよい。
<液状体の吐出方法>
本実施形態の液状体の吐出方法について実施例に基づいて、さらに詳しく説明する。
本実施形態の液状体の吐出方法について実施例に基づいて、さらに詳しく説明する。
まず、本実施形態に係る駆動波形について図7を参照して説明する。図7は、駆動波形と制御信号との関係を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、各ノズル22に対応して配設された圧電素子29(図2参照)には、制御信号LATのタイミングでラッチされたノズル22ごとのON/OFFデータ(吐出データ)に従い、駆動波形A1,B1,C1,A2,B2,C2,…の一部が選択されて供給される。そして、駆動波形が供給されるタイミングで、ノズル22から液滴30が吐出される。なお、各駆動波形は、圧電素子29に供給されることで規定量の液滴30が吐出されるように設計された、同一の形状、大きさのものである。
駆動波形の選択は、駆動波形の供給タイミングを規定する制御信号CH1〜CH3により行われる。すなわち、制御信号CH1によって第1系統のタイミングの駆動波形A1,A2,…が、制御信号CH2によって第2系統のタイミングの駆動波形B1,B2,…が、制御信号CH3によって第3系統のタイミングの駆動波形C1,C2,…がそれぞれ選択される。
本実施形態では、膜形成領域2に掛かる隣り合うノズル22に対応する圧電素子29に、駆動波形の供給タイミングの系統(制御信号LATを基準とした相対的な序列)を個々に対応づけることにより、吐出タイミングの重複が起こりえないようにされている。これにより、少なくとも電気的なクロストークが好適に低減され、クロストークに起因するノズル間の吐出特性(吐出量や吐出速度など)のバラツキが相対的に緩和されている。また、各系統のタイミングは周期的となっているため、吐出条件が各吐出タイミング間で一様となり、液滴30の吐出量を主走査方向に対して安定化させることができる。また、制御信号LATの1周期内(1ラッチ内)において、3つの駆動波形が発生するので、同一の圧電素子29に1ラッチ内で3つの駆動波形を印加すれば、同一ノズル22から吐出タイミングを変えて3滴の液滴30を吐出することができる。さらに、1ラッチ内の3つの駆動波形をそれぞれ別の圧電素子29に印加すれば、3つのノズル22から液滴30を異なる吐出タイミングで吐出することができる。以降、ノズル22の圧電素子29に駆動波形を印加することを、ノズル22に駆動波形を印加すると表現する。
液滴吐出装置100において、例えば、液滴吐出ヘッド20(複数のノズル22)とガラス基板1との主走査における相対移動速度を200mm/秒とする。また、制御信号LATの周期、すなわち駆動周波数を20kHzとする。この吐出条件では、主走査において1回の吐出に係る吐出分解能は、1ラッチを基準として3つの駆動波形のうちの1つを使用するノズル22に印加すると、およそ10μmとなる。言い換えれば、3つの駆動波形を連続的に使用するノズル22に印加したときには、吐出タイミングを変えて主走査方向におよそ3.3μmの最小ピッチで液滴を吐出することが可能である。
(実施例1)
図8は、実施例1の液状体の吐出方法を示す概略図である。詳しくは、ノズル列における駆動波形の選択と、膜形成領域における液滴の配置を示す概略図である。
図8は、実施例1の液状体の吐出方法を示す概略図である。詳しくは、ノズル列における駆動波形の選択と、膜形成領域における液滴の配置を示す概略図である。
図8に示すように、ノズル列22aの180個のノズル22にノズル番号が与えられている。また、各ノズル22に印加する駆動波形の波形選択の方法が例示されている。波形選択における番号1は、図7の第1系統のタイミングで発生する駆動波形A1,A2,…を指す。同様に、番号2は第2系統のタイミングで発生する駆動波形B1,B2,…を指し、番号3は第3系統のタイミングで発生する駆動波形C1,C2,…を指す。以下、図において○付きの番号1〜3を波形選択の系統番号1〜3と呼ぶ。
膜形成領域2の大きさやX方向およびY方向における配置ピッチは、設計事項であるが、実施例1では、ノズル22の配置ピッチ(およそ140μm)に対して1回の主走査で3つのノズル22がそれぞれの膜形成領域2に掛かる状態となっている。言い換えれば、図4に示したカラーフィルタ10のストライプ方向とノズル列方向とが一致するように、液滴吐出ヘッド20とガラス基板1とが相対配置されている。
主走査において、膜形成領域2を区画する隔壁部4を通過するノズル22および吐出された液滴の少なくとも一部が隔壁部4に着弾すると想定されるノズル22は、使用しない。すなわち不吐出としている。そして、各膜形成領域2において隣り合うノズル22(使用するノズル)から主走査方向にそれぞれ2滴の液滴を吐出する。膜形成領域2においてX方向に引かれた鎖線は、第1〜第3系統の駆動波形を印加したときの液滴の主走査方向(Y方向)の位置を示すものである。なお、図8は、同種の液状体が吐出される膜形成領域2について、選択波形の組み合わせと、これに対する液滴の配置パターンを示したものである。
実施例1の液状体の吐出方法は、図8に示したノズル列22aにおける波形選択を前提とする。すなわち、膜形成領域2に掛かる隣り合うノズル22に、同じタイミングで駆動波形が印加されないように、第1〜第3系統の駆動波形を逐次選択して印加する。
波形選択1は、180個のノズル22に対して、ノズル番号1〜180の順に、系統番号1〜3を繰り返して割り付けている。ただし、不吐出としたノズル22には、駆動波形の系統を割り付けしない。例えば、同図では、ノズル番号4,8,12,16を不吐出とし、系統番号を割り付けていない。すなわち、使用するノズル22(以下、使用ノズルとする)のみに系統番号を割り付けている。このように割り付けすることにより、吐出データ生成時の負荷を軽減している。
波形選択1を適用すると、例えば、ノズル番号1のノズル22には、第1系統の駆動波形A1,A2が印加される。ノズル番号2のノズル22には、第2系統の駆動波形B1,B2が印加される。ノズル番号3のノズル22には、第3系統の駆動波形C1,C2が印加される。これにより、ノズル番号1,2,3の各ノズル22から膜形成領域2に吐出された液滴の配置は、Aパターンのように6つの液滴が互いに主走査方向においてずれる。主走査方向(Y方向)に配列した膜形成領域2には、同様にして波形選択1が適用され、繰り返しAパターンのように液滴が配置される。したがって、同種の液状体が吐出される膜形成領域2に掛かる隣り合う3つのノズル22には、それぞれ吐出タイミングが異なる駆動波形が印加され、ノズル間の電気的なクロストークが回避される。さらに、制御信号LATの1ラッチにおいて、使用ノズルの数が駆動波形ごとに同数となるので、駆動波形ごとの電気的な負荷が平準化され、駆動波形ごとのなまりが均一化される。よって、所望の膜形成領域2に安定した吐出量で液状体が吐出される。また、膜形成領域2ごとに液滴の配置が同一となる。言い換えれば、各膜形成領域2における液滴の配置が均質化される。
(実施例2)
次に、実施例2の液状体の吐出方法について、実施例1との相違点を中心に説明する。図9は、実施例2の液状体の吐出方法を示す概略図である。
次に、実施例2の液状体の吐出方法について、実施例1との相違点を中心に説明する。図9は、実施例2の液状体の吐出方法を示す概略図である。
図9に示すように、実施例2の液状体の吐出方法は、同種の液状体が吐出される膜形成領域2ごとに、使用ノズルに印加する駆動波形の系統を異ならせている。波形選択2,3は、波形選択1に対して、系統番号1〜系統番号3の選択の順序を1つずつずらしたものである。
波形選択1を適用して、主走査方向に配列する各膜形成領域2に繰り返し液滴を吐出する実施例1では、使用ノズルには常に同一系統の駆動波形が印加されることになる(図8参照)。そうすると、使用ノズル間において、少なくとも電気的なクロストークを回避することができるものの、使用ノズル間の吐出特性バラツキ(例えば、電気的クロストーク以外の機械的クロストーク)によって、吐出された液滴の吐出量に偏りが発生するおそれがある。使用ノズルから吐出量に偏りを有した液滴が、主走査方向に連続して吐出されると、スジ状の吐出ムラとなって現れる。
実施例2の液状体の吐出方法では、このような吐出ムラを抑制するために、主走査において、膜形成領域2ごとに使用ノズルに印加される駆動波形の系統を変えている。具体的には、膜形成領域2ごとに波形選択1,2,3のうちいずれかを適用するので、液滴の配置は、Aパターン、Bパターン、Cパターンのいずれかになる。AパターンからCパターンを順次繰り返してもよいし、ランダムでもよい。同じ液滴の配置パターンが連続しないように適用することが好ましい。すなわち、使用ノズル間の吐出特性バラツキに起因する液滴の吐出量の偏りを、主走査方向において分散させている。
(実施例3)
次に、実施例3の液状体の吐出方法について、実施例2との相違点を中心に説明する。図10は、実施例3の液状体の吐出方法を示す概略図である。
次に、実施例3の液状体の吐出方法について、実施例2との相違点を中心に説明する。図10は、実施例3の液状体の吐出方法を示す概略図である。
図10に示すように、実施例3の液状体の吐出方法は、実施例2に対して波形選択1,2,3におけるノズル番号への第1〜第3系統の駆動波形の割り付け方は同一だが、使用ノズルからの液滴の吐出ごとに、波形選択1〜3を順次切り替えている。よって、液滴の配置は、Dパターン、Eパターン、Fパターンのいずれかになる。これによれば、膜形成領域2に掛かる使用ノズルにおいて、液滴の吐出ごとに駆動波形の系統が変わる。言い換えれば、使用ノズルにおいて液滴の吐出ごとに異なる駆動波形が印加される。したがって、各膜形成領域2において、主走査方向に配置される液滴の吐出量の偏りを、より分散させている。
(実施例4)
次に、実施例4の液状体の吐出方法について、実施例1との相違点を中心に説明する。図11は、実施例4の液状体の吐出方法を示す概略図である。
次に、実施例4の液状体の吐出方法について、実施例1との相違点を中心に説明する。図11は、実施例4の液状体の吐出方法を示す概略図である。
図11に示すように、実施例4の液状体の吐出方法は、実施例1に対してノズル列22aと膜形成領域2との相対的な配置が異なる。実施例4では、同種の液状体が吐出される膜形成領域2が、主走査方向(Y方向)に連続して配列している。副走査方向(X方向)には、異種の液状体が吐出される膜形成領域2が所定の間隔を置いて配列している。したがって、1回の吐出に係る使用ノズルの数は、実施例1に比べて少なくなる。また、実施例1と同様に使用ノズルの数が駆動波形ごとに同等となるように設定している。よって、駆動波形ごとの吐出による電気的な負荷がさらに小さくなる。同種の液状体が吐出される膜形成領域2ごとに、使用ノズルに印加される異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせ(波形選択)を異ならせる点は、実施例2と同じである。ゆえに、液滴の配置は、Gパターン、Hパターン、Jパターンのいずれかとなり、駆動波形のなまりによる液滴の吐出量の偏りがさらに抑制されている。なお、実施例4の場合、主走査において矩形状の膜形成領域2の長手方向に液滴を配置してゆくので、膜形成領域2ごとに使用ノズルから吐出する液滴の数(吐出数)は、2滴だけでなく、さらに増やしてもよい。
上記実施例1〜実施例4において、上述の説明は便宜上ノズル列22aにのみ着目したものであったが、実際にはノズル列22aのピッチを補完するような位置において、ノズル列22b(図2参照)からも同様の吐出が行われるようになっている。
また、膜形成領域2に付与される液状体の総吐出量(必要量)は、要求される膜の特性(カラーフィルタであれば透過率、色度、彩度などの光学特性)に応じて、膜形成領域2の大きさ(面積)や、液状体の溶質濃度を考慮して決定される。したがって、上記総吐出量を複数回の主走査によって膜形成領域2に付与する場合には、主走査ごとに上記液滴の配置パターンを異ならせることが好ましい。すなわち、主走査ごとに波形選択の組み合わせを異ならせることが好ましい。これによれば、液滴の吐出量の偏りをより分散させることができる。
さらには、複数のノズル22(液滴吐出ヘッド20)を副走査して、膜形成領域2に掛かるノズル22を変えて主走査すれば、ノズル間の吐出特性バラツキによる液滴の吐出量の偏りをさらに分散させることが可能である。
このように膜形成領域2に掛かる隣り合うノズル22に印加する異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを変えることは、主走査ごとに少なくとも1回行うことにより相応の作用と効果を奏する。
さらには、複数のノズル22(液滴吐出ヘッド20)を副走査して、膜形成領域2に掛かるノズル22を変えて主走査すれば、ノズル間の吐出特性バラツキによる液滴の吐出量の偏りをさらに分散させることが可能である。
このように膜形成領域2に掛かる隣り合うノズル22に印加する異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを変えることは、主走査ごとに少なくとも1回行うことにより相応の作用と効果を奏する。
また、上記実施例2〜実施例4において、波形選択1に対して第1〜第3系統の駆動波形の選択をノズル列方向に1ノズルずつ順次ずらして他の波形選択を設定することは、液滴の配置パターンを吐出データ化する際に、波形選択1を適用した液滴の配置パターンを踏襲すればよいので、比較的容易に行える。
<液晶表示装置>
次に、カラーフィルタを備えた液晶表示装置について、簡単に説明する。図12は、液晶表示装置の構成を示す概略分解斜視図である。
次に、カラーフィルタを備えた液晶表示装置について、簡単に説明する。図12は、液晶表示装置の構成を示す概略分解斜視図である。
図12に示すように、液晶表示装置200は、TFT(Thin Film Transistor)透過型の液晶表示パネル220と、液晶表示パネル220を照明する照明装置216とを備えている。液晶表示パネル220は、カラーフィルタを有する対向基板201と、画素電極210に3端子のうちの1つが接続されたTFT素子211を有する素子基板208と、一対の基板201,208によって挟持された液晶(図示省略)とを備えている。また、液晶表示パネル220の外面側となる一対の基板201,208の表面には、透過する光を偏向させる上偏光板214と下偏光板215とが配設される。
対向基板201は、透明なガラス等の材料からなり、液晶を挟む表面側に隔壁部204によってマトリクス状に区画された複数の膜形成領域に、赤(R)、緑(G)、青(B)、3色のカラーフィルタ205R,205G,205Bが形成されている。隔壁部204は、Crなどの遮光性を有する金属あるいはその酸化膜からなるブラックマトリクスと呼ばれる下層バンク202と、下層バンク202の上(図面では下向き)に形成された有機化合物からなる上層バンク203とにより構成されている。また、隔壁部204とカラーフィルタ205R,205G,205Bとを覆う平坦化層としてのオーバーコート層(OC層)206と、OC層206を覆うように形成されたITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなる対向電極207とを備えている。対向基板201は上記実施形態のカラーフィルタ10の製造方法を用いて製造されている(実施例1乃至4のいずれか1つの実施例を適用)。
素子基板208は、同じく透明なガラス等の材料からなり、液晶を挟む表面側に絶縁膜209を介してマトリクス状に形成された画素電極210と、画素電極210に対応して形成された複数のTFT素子211とを有している。TFT素子211の3端子のうち、画素電極210に接続されない他の2端子は、互いに絶縁された状態で画素電極210を囲むように格子状に配設された走査線212とデータ線213とに接続されている。
照明装置216は、例えば光源として白色のLED、EL、冷陰極管等を用い、これらの光源からの光を液晶表示パネル220に向かって出射することができる導光板や拡散板、反射板等の構成を備えたものであれば、どのようなものでもよい。
本実施形態の液晶表示装置200は、上記実施形態のカラーフィルタ10の製造方法を用いて製造されたカラーフィルタ205R,205G,205Bを有する対向基板201を備えているので、色ムラ等の表示不具合の少ない高い表示品質を有する。
なお、液晶表示パネル220は、アクティブ素子としてTFT素子211に限らずTFD(Thin Film Diode)素子を有したものでもよく、さらには、少なくとも一方の基板にカラーフィルタを備えるものであれば、画素を構成する電極が互いに交差するように配置されるパッシブ型の液晶表示装置でもよい。また、上下偏光板214,215は、視角依存性を改善する目的等で用いられる位相差フィルムなどの光学機能性フィルムと組み合わされたものでもよい。
上記実施形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)上記実施例1の液状体の吐出方法は、膜形成領域2に掛かる使用ノズルに異なる吐出タイミングの駆動波形が印加され、少なくとも電気的なクロストークが低減される。また、各系統の駆動波形において、使用ノズルの数が同等となるように設定されている。したがって、駆動波形ごとのなまりを均一化して、液滴の吐出量の偏りを抑制することができる。よって、膜形成領域に安定した吐出量で液滴を吐出することができる。すなわち、膜形成領域ごとに必要量(総吐出量)の液状体を安定して付与することができる。
(1)上記実施例1の液状体の吐出方法は、膜形成領域2に掛かる使用ノズルに異なる吐出タイミングの駆動波形が印加され、少なくとも電気的なクロストークが低減される。また、各系統の駆動波形において、使用ノズルの数が同等となるように設定されている。したがって、駆動波形ごとのなまりを均一化して、液滴の吐出量の偏りを抑制することができる。よって、膜形成領域に安定した吐出量で液滴を吐出することができる。すなわち、膜形成領域ごとに必要量(総吐出量)の液状体を安定して付与することができる。
(2)上記実施例2の液状体の吐出方法は、主走査方向に配列する膜形成領域2ごとに適用する波形選択を切り替えるので、実施例1の効果に加え、複数のノズル22の吐出特性バラツキに起因する液滴の吐出量の偏りが抑制され、主走査方向のスジ状の吐出ムラを低減することができる。
(3)上記実施例3の液状体の吐出方法は、主走査方向に配列する各膜形成領域2において、液滴の吐出ごとに適用する波形選択を変えるので、上記実施例2の効果に加え、液滴の吐出量の偏りを膜形成領域2ごとに抑制して、主走査方向のスジ状の吐出ムラをより低減することができる。
(4)上記実施例4の液状体の吐出方法は、主走査方向に連続的に配列した同種の液状体が吐出される膜形成領域2ごとに、異なる波形選択を適用して当該膜形成領域2に掛かる使用ノズルから液滴を吐出する。駆動波形ごとに使用ノズルの数が同等となるように設定され、且つ実施例1に比べて同時に駆動波形が印加される使用ノズルの数が少なくなっている。よって、実施例1の効果に加えて、液滴の吐出に係る電気的な負荷がさらに小さくなり、駆動波形のなまりによる使用ノズル間の液滴の吐出量の偏りをさらに抑制することができる。
(5)上記実施形態1のカラーフィルタ10の製造方法は、上記液状体の吐出方法を用いて、3色の液状体をそれぞれ所望の膜形成領域2に吐出して、乾燥することにより着色層3R,3G,3Bを形成する。したがって、各膜形成領域ごとに必要量(総吐出量)の液状体が安定して付与されるので、吐出ムラによる色ムラなどの不良が低減され、カラーフィルタ10を歩留りよく製造することができる。
(実施形態2)
次に、本実施形態に係る有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を備えた有機EL表示装置と、有機EL素子の製造方法について説明する。
次に、本実施形態に係る有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を備えた有機EL表示装置と、有機EL素子の製造方法について説明する。
<有機EL表示装置>
図13は有機EL表示装置を示す概略断面図である。図13に示すように、有機EL表示装置600は、有機EL素子としての発光素子部603を有する素子基板601と、素子基板601と空間622を隔てて封着された封止基板620とを備えている。素子基板601は、基板上に回路素子部602を備えている。発光素子部603は、回路素子部602上に重畳して形成され、回路素子部602により駆動されるものである。発光素子部603には、3色の発光層617R,617G,617Bがそれぞれ膜形成領域としての発光層形成領域Aに形成され、ストライプ状となっている。素子基板601は、3色の発光層617R,617G,617Bに対応する3つの発光層形成領域Aを1組の絵素とし、この絵素が素子基板601の回路素子部602上にマトリクス状に配置されたものである。有機EL表示装置600は、発光素子部603からの発光が素子基板601側に射出するものである。
図13は有機EL表示装置を示す概略断面図である。図13に示すように、有機EL表示装置600は、有機EL素子としての発光素子部603を有する素子基板601と、素子基板601と空間622を隔てて封着された封止基板620とを備えている。素子基板601は、基板上に回路素子部602を備えている。発光素子部603は、回路素子部602上に重畳して形成され、回路素子部602により駆動されるものである。発光素子部603には、3色の発光層617R,617G,617Bがそれぞれ膜形成領域としての発光層形成領域Aに形成され、ストライプ状となっている。素子基板601は、3色の発光層617R,617G,617Bに対応する3つの発光層形成領域Aを1組の絵素とし、この絵素が素子基板601の回路素子部602上にマトリクス状に配置されたものである。有機EL表示装置600は、発光素子部603からの発光が素子基板601側に射出するものである。
封止基板620は、ガラスまたは金属からなるもので、封止樹脂を介して素子基板601に接合されており、封止された内側の表面には、ゲッター剤621が貼り付けられている。ゲッター剤621は、素子基板601と封止基板620との間の空間622に侵入した水または酸素を吸収して、発光素子部603が侵入した水または酸素によって劣化することを防ぐものである。なお、このゲッター剤621は省略しても良い。
素子基板601は、回路素子部602上に複数の発光層形成領域Aを有するものであって、各発光層形成領域Aを区画する隔壁部618と、各発光層形成領域Aに形成された電極613と、電極613に積層された正孔注入/輸送層617aとを備えている。また複数の発光層形成領域A内に発光層形成材料を含む3種の液状体を付与して形成された発光層617R,617G,617Bを有する発光素子部603を備えている。隔壁部618は、下層バンク618aと発光層形成領域Aを実質的に区画する上層バンク618bとからなり、下層バンク618aは、発光層形成領域Aの内側に張り出すように設けられて、電極613と各発光層617R,617G,617Bとが直接接触して電気的に短絡することを防止するためにSiO2等の無機絶縁材料により形成されている。
素子基板601は、例えばガラス等の透明な基板からなり、素子基板601上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。なお、半導体膜607には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度Pイオン打ち込みにより形成されている。なお、Pイオンが導入されなかった部分がチャネル領域607cとなっている。さらに下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、ゲート絶縁膜608上にはAl、Mo、Ta、Ti、W等からなるゲート電極609が形成され、ゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。ゲート電極609は半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置に設けられている。また、第1層間絶縁膜611aおよび第2層間絶縁膜611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ接続されるコンタクトホール612a,612bが形成されている。そして、第2層間絶縁膜611b上に、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明な電極613が所定の形状にパターニングされて配置され、一方のコンタクトホール612aがこの電極613に接続されている。また、もう一方のコンタクトホール612bが電源線614に接続されている。このようにして、回路素子部602には、各電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615が形成されている。なお、回路素子部602には、保持容量とスイッチング用の薄膜トランジスタも形成されているが、図13ではこれらの図示を省略している。
発光素子部603は、陽極としての電極613と、電極613上に順次積層された正孔注入/輸送層617a、各発光層617R,617G,617B(総称して発光層Lu)と、上層バンク618bと発光層Luとを覆うように積層された陰極604とを備えている。正孔注入/輸送層617aと発光層Luとにより発光が励起される機能層617を構成している。なお、陰極604と封止基板620およびゲッター剤621を透明な材料で構成すれば、封止基板620側から発光する光を出射させることができる。
有機EL表示装置600は、ゲート電極609に接続された走査線(図示省略)とソース領域607aに接続された信号線(図示省略)とを有し、走査線に伝わった走査信号によりスイッチング用の薄膜トランジスタ(図示省略)がオンになると、そのときの信号線の電位が保持容量に保持され、該保持容量の状態に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ615のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ615のチャネル領域607cを介して、電源線614から電極613に電流が流れ、さらに正孔注入/輸送層617aと発光層Luとを介して陰極604に電流が流れる。発光層Luは、これを流れる電流量に応じて発光する。有機EL表示装置600は、このような発光素子部603の発光メカニズムにより、所望の文字や画像などを表示することができる。また、有機EL表示装置600は、発光層Luが上記実施形態1の液状体の吐出方法を用いて形成されているため、液状体の吐出ムラに起因する発光ムラ、輝度ムラ等の表示不具合が低減され、高い表示品質を有している。
<有機EL素子の製造方法>
次に本実施形態の有機EL素子としての発光素子部603の製造方法について図14を参照して説明する。図14(a)〜(f)は、有機EL素子の製造方法を示す概略断面図である。なお、図14(a)〜(f)においては、素子基板601上に形成された回路素子部602は、図示を省略している。
次に本実施形態の有機EL素子としての発光素子部603の製造方法について図14を参照して説明する。図14(a)〜(f)は、有機EL素子の製造方法を示す概略断面図である。なお、図14(a)〜(f)においては、素子基板601上に形成された回路素子部602は、図示を省略している。
本実施形態の発光素子部603の製造方法は、素子基板601の複数の発光層形成領域Aに対応する位置に電極613を形成する工程と、電極613に一部が掛かるように下層バンク618aを形成し、さらに下層バンク618a上に実質的に発光層形成領域Aを区画するように上層バンク618bを形成する隔壁部形成工程とを備えている。また上層バンク618bで区画された発光層形成領域Aの表面処理を行う工程と、表面処理された発光層形成領域Aに正孔注入/輸送層形成材料を含む液状体を付与して正孔注入/輸送層617aを吐出描画する工程と、吐出された液状体を乾燥して正孔注入/輸送層617aを成膜する工程とを備えている。また、正孔注入/輸送層617aが形成された発光層形成領域Aの表面処理を行う工程と、表面処理された発光層形成領域Aに発光層形成材料を含む3種の液状体を吐出する吐出工程と、吐出された3種の液状体を乾燥して発光層Luを成膜する工程とを備えている。さらに、上層バンク618bと発光層Luを覆うように陰極604を形成する工程を備えている。各液状体の発光層形成領域Aへの付与は、上記実施形態1の液状体の吐出方法を用いて行う。
電極(陽極)形成工程では、図14(a)に示すように、回路素子部602がすでに形成された素子基板601の発光層形成領域Aに対応する位置に電極613を形成する。形成方法としては、例えば、素子基板601の表面にITO等の透明電極材料を用いて真空中でスパッタ法あるいは蒸着法で透明電極膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ法にて必要な部分だけを残してエッチングして電極613を形成する方法が挙げられる。そして隔壁部形成工程へ進む。
隔壁部形成工程では、図14(b)に示すように、素子基板601の複数の電極613の一部を覆うように下層バンク618aを形成する。下層バンク618aの材料としては、無機材料である絶縁性のSiO2(酸化珪素)を用いている。下層バンク618aの形成方法としては、例えば、後に形成される発光層Luに対応して、各電極613の表面をレジスト等を用いてマスキングする。そしてマスキングされた素子基板601を真空装置に投入し、SiO2をターゲットあるいは原料としてスパッタリングや真空蒸着することにより下層バンク618aを形成する方法が挙げられる。レジスト等のマスキングは、後に剥離する。なお、下層バンク618aは、SiO2により形成されているため、その膜厚が200nm以下であれば十分な透明性を有していおり、後に正孔注入/輸送層617aおよび発光層Luが積層されても発光を阻害することはない。
続いて、各発光層形成領域Aを実質的に区画するように下層バンク618aの上に上層バンク618bを形成する。上層バンク618bの材料としては、後述する発光層形成材料を含む3種の液状体100R,100G,100Bの溶媒に対して耐久性を有するものであることが望ましく、さらに、フッ素系ガスを処理ガスとするプラズマ処理により撥液化できること、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミドなどといった有機材料が好ましい。上層バンク618bの形成方法としては、例えば、下層バンク618aが形成された素子基板601の表面に感光性の上記有機材料をロールコート法やスピンコート法で塗布し、乾燥させて厚みがおよそ2μmの感光性樹脂層を形成する。そして、発光層形成領域Aに対応した大きさで開口部が設けられたマスクを素子基板601と所定の位置で対向させて露光・現像することにより、上層バンク618bを形成する方法が挙げられる。これにより下層バンク618aと上層バンク618bとを有する隔壁部618が形成される。そして、表面処理工程へ進む。
発光層形成領域Aを表面処理する工程では、隔壁部618が形成された素子基板601の表面を、まずO2ガスを処理ガスとしてプラズマ処理する。これにより電極613の表面、下層バンク618aの張り出し部および上層バンク618bの表面(壁面を含む)を活性化させて親液処理する。次にCF4等のフッ素系ガスを処理ガスとしてプラズマ処理する。これにより有機材料である感光性樹脂からなる上層バンク618bの表面のみにフッ素系ガスが反応して撥液処理される。そして、正孔注入/輸送層形成工程へ進む。
正孔注入/輸送層形成工程では、図14(c)に示すように、正孔注入/輸送層形成材料を含む液状体90を発光層形成領域Aに付与する。液状体90を付与する方法としては、図1の液滴吐出装置100を用いる。液滴吐出ヘッド20から吐出された液状体90は、液滴として素子基板601の電極613に着弾して濡れ拡がる。液状体90は発光層形成領域Aの面積に応じて必要量が液滴として吐出される。そして乾燥・成膜工程へ進む。
乾燥・成膜工程では、素子基板601を例えば液滴吐出装置100に備えられたヒータ111(ランプアニール等)で加熱することにより、液状体90の溶媒成分を乾燥させて除去し、電極613の下層バンク618aにより区画された領域に正孔注入/輸送層617a(同図(d)参照)が形成される。本実施形態では、正孔注入/輸送層形成材料としてPEDOT(Polyethylene Dioxy Thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)を用いた。なお、この場合、各発光層形成領域Aに同一材料からなる正孔注入/輸送層617aを形成したが、後に形成される発光層Luに対応して正孔注入/輸送層617aの材料を発光層形成領域Aごとに変えてもよい。そして次の表面処理工程へ進む。
次の表面処理工程では、上記の正孔注入/輸送層形成材料を用いて正孔注入/輸送層617aを形成した場合、その表面が、3種の液状体100R,100G,100Bに対して撥液性を有するので、少なくとも発光層形成領域Aの領域内を再び親液性を有するように表面処理を行う。表面処理の方法としては、3種の液状体100R,100G,100Bに用いられる溶媒を塗布して乾燥する。溶媒の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法等の方法が挙げられる。そして液状体の吐出工程へ進む。
液状体の吐出工程では、図14(d)に示すように、複数の発光層形成領域Aに発光層形成材料を含む3種の液状体100R,100G,100Bを付与する。液状体100Rは赤色発光する発光層形成材料を含み、液状体100Gは緑色発光する発光層形成材料を含み、液状体100Bは青色発光する発光層形成材料を含んでいる。着弾した各液状体100R,100G,100Bは、発光層形成領域Aに濡れ拡がって断面形状が円弧状に盛り上がる。これらの液状体100R,100G,100Bを付与する方法としては、上記実施形態1の液状体の吐出方法を用いた。なお、各発光層形成材料は、湿式の塗布方法に適した公知の材料を用いればよい。そして、乾燥・成膜工程へ進む。
乾燥・成膜工程では、図14(e)に示すように、吐出された各液状体100R,100G,100Bの溶媒成分を乾燥させて除去し、各発光層形成領域Aの正孔注入/輸送層617aに各発光層617R,617G,617Bが積層されるように成膜する。各液状体100R,100G,100Bが吐出された素子基板601の乾燥方法としては、溶媒の蒸発速度をほぼ一定とすることが可能な、減圧乾燥が好ましい。そして陰極形成工程へ進む。
陰極形成工程では、図14(f)に示すように、素子基板601の各発光層617R,617G,617Bと上層バンク618bの表面とを覆うように陰極604を形成する。陰極604の材料としては、Ca、Ba、Al等の金属やLiF等のフッ化物を組み合わせて用いるのが好ましい。特に発光層617R,617G,617Bに近い側に仕事関数が小さいCa、Ba、LiFの膜を形成し、遠い側に仕事関数が大きいAl等の膜を形成するのが好ましい。また、陰極604の上にSiO2、SiN等の保護層を積層してもよい。このようにすれば、陰極604の酸化を防止することができる。陰極604の形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法等が挙げられる。特に発光層617R,617G,617Bの熱による損傷を防止できるという点では、蒸着法が好ましい。
このようにして出来上がった素子基板601は、必要量の各液状体100R,100G,100Bが対応する発光層形成領域Aに吐出ムラなく付与され、乾燥・成膜化後の膜厚がほぼ一定となった各発光層617R,617G,617Bを有する。
上記実施形態2の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態2の発光素子部603の製造方法において、液状体100R,100G,100Bの吐出工程では、上記実施形態1の液状体の吐出方法を用いているので、所望の発光層形成領域Aに、必要量の各液状体100R,100G,100Bが液滴として安定した吐出量で吐出されている。ゆえに、乾燥・成膜後の膜厚がほぼ一定となった各発光層617R,617G,617Bが得られる。
(1)上記実施形態2の発光素子部603の製造方法において、液状体100R,100G,100Bの吐出工程では、上記実施形態1の液状体の吐出方法を用いているので、所望の発光層形成領域Aに、必要量の各液状体100R,100G,100Bが液滴として安定した吐出量で吐出されている。ゆえに、乾燥・成膜後の膜厚がほぼ一定となった各発光層617R,617G,617Bが得られる。
(2)上記実施形態2の発光素子部603の製造方法を用いて、有機EL表示装置600を製造すれば、各発光層617R,617G,617Bの膜厚がほぼ一定であるため、各発光層617R,617G,617Bごとの抵抗がほぼ一定となる。よって、回路素子部602により発光素子部603に駆動電圧を印加して発光させると、各発光層617R,617G,617Bごとの抵抗ムラによる発光ムラや輝度ムラ等が低減される。すなわち、発光ムラや輝度ムラ等が少なく、見映えのよい表示品質を有する有機EL表示装置600を製造することができる。
上記実施形態の他にも、様々な変形を加えることができる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記実施形態1の液状体の吐出方法の実施例1〜4において、膜形成領域2に掛かる使用ノズルに適用する波形選択は、吐出される異種の液状体ごとに異ならせてもよい。これによれば、ノズル列の吐出特性バラツキに起因する主走査方向へのスジ状の吐出ムラが、異種の液状体の吐出によって強調されることを抑制することができる。
(変形例2)上記実施形態1の実施例4の液状体の吐出方法に、さらに実施例3の液状体の吐出方法を導入してもよい。すなわち、液滴の吐出ごとに駆動波形の組み合わせ(波形選択)を異ならせてもよい。
(変形例3)上記実施形態1の液状体の吐出方法において、被吐出物としてのガラス基板1上における膜形成領域2の配置に応じて、実施例1〜4の液状体の吐出方法を組み合わせてもよい。例えば、1つのガラス基板1上において、異なる大きさの膜形成領域2が大きさによって分けられて配置されている場合、また、膜形成領域2のストライプ方向がX方向とY方向とに分けて配置されている場合などが適用例として挙げられる。すなわち、膜形成領域2に掛かるノズル22の数によって、最適な液状体の吐出方法を採用し、各膜形成領域2に安定した吐出量で必要量の液状体を付与することが可能である。
(変形例4)上記実施形態1の液状体の吐出方法において、1ラッチあたりに発生する駆動波形の数は、これに限定されない。制御信号LATおよびチャンネル信号CHを発生させるヘッド駆動部124の回路構成を鑑みて、1ラッチあたりにタイミングが異なる2つの駆動波形を発生させてもよい。あるいは、高周波駆動が可能な液滴吐出ヘッド20の構成ならば、さらに1ラッチあたりに発生する駆動波形を4つ以上に増やすことも可能である。これによれば、単位時間あたりの液滴吐出数を増やして、膜形成領域に必要量の液状体を効率よく付与することができる。
(変形例5)上記実施形態1の液状体の吐出方法において、駆動波形の発生は、周期的であることに限定されない。例えば、駆動波形を非周期的に発生させてもよい。これによれば、吐出タイミングごとに吐出条件が異なることになるため、主走査の方向において、液滴の吐出量の変動状態が変わる。これにより、ノズル間の吐出特性バラツキに起因する吐出量の変動に、主走査の方向の吐出量の変動が付加され、2次元的に吐出量のムラを分散させることができる。すなわち、主走査方向への1次元的なスジ状の吐出ムラが目立ち難くなる。
(変形例6)上記実施形態1の液状体の吐出方法において、複数の駆動波形は、同一の形状、大きさであることに限定されない。例えば、系統番号1〜3の駆動波形において、駆動電圧を異ならせてもよい。これによれば、波形選択により、液滴の吐出量を変動させることができる。すなわち、液滴の吐出ごとに吐出量を分散させることができる。
(変形例7)上記実施形態1のカラーフィルタ10の製造方法において、3色の着色層3R,3G,3Bの配置は、ストライプ方式に限定されない。斜め方向に同色の着色層3が配列するモザイク方式、三角形の頂点にあたる位置に各色の着色層3が配置されるデルタ方式であっても、上記液状体の吐出方法を適用することができる。また、着色層3は3色に限定されず、R,G,B以外の色を加えた多色でもよい。
(変形例8)上記実施形態2の発光素子部603の製造方法は、3色の発光層Luを形成することに限定されない。例えば、白色や赤色など単色の構成としてもよい。これによれば、単色の有機EL素子を備えた照明装置や感光装置を提供することができる。
(変形例9)上記実施形態1の液状体の吐出方法を適用可能なデバイスの製造方法は、カラーフィルタの製造方法や有機EL素子の製造方法に限定されない。例えば、基板上の膜形成領域に導電材料を含む液状体を吐出して、所定のパターンを有する配線を形成する金属配線の製造方法、基板上の膜形成領域に配向膜形成材料を含む液状体を吐出して、所定のパターンを有する配向膜を形成する配向膜の製造方法などにも適用することができる。
2…膜形成領域、3,3R,3G,3B…着色層、10…カラーフィルタ、22…ノズル、29…エネルギー発生手段としての圧電素子、30…液滴、100R,100G,100B…発光層形成材料を含む液状体、603…有機EL素子としての発光素子部、617R,617G,617B,Lu…発光層、A…膜形成領域としての発光層形成領域、W…被吐出物としてのワーク。
Claims (12)
- 複数のノズルと膜形成領域を有する被吐出物とを対向配置して相対移動させる走査に同期して、前記ノズルごとに設けられたエネルギー発生手段に、時分割で発生させた複数の駆動波形の一部を印加して、前記複数のノズルから機能性材料を含む液状体を液滴として前記膜形成領域に吐出する吐出工程を有する液状体の吐出方法であって、
前記吐出工程では、前記走査において、前記複数のノズルからなるノズル列のうち、前記膜形成領域に掛かる隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に、前記複数の駆動波形のうち互いに異なる吐出タイミングの駆動波形を印加すると共に、印加される前記エネルギー発生手段の数が、前記駆動波形ごとに同数となるように、前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを設定することを特徴とする液状体の吐出方法。 - 前記吐出工程では、前記走査において、前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを少なくとも1回は変えることを特徴とする請求項1に記載の液状体の吐出方法。
- 前記吐出工程では、複数回の前記走査を行って、前記複数のノズルから前記膜形成領域に前記液滴を吐出し、前記走査ごとに前記膜形成領域に掛かる隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを異ならせることを特徴とする請求項1または2に記載の液状体の吐出方法。
- 前記被吐出物は、少なくとも前記走査の方向に配列した複数の前記膜形成領域を有し、
前記吐出工程では、前記隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを、吐出する異種の前記液状体ごとに異ならせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法。 - 前記被吐出物は、少なくとも前記走査の方向に配列した複数の前記膜形成領域と、前記膜形成領域を区画する区画領域とを有し、
前記吐出工程では、前記走査において、前記区画領域に掛かるノズルおよび/または液滴を吐出したときに前記区画領域に前記液滴の一部が着弾すると想定されるノズルを不使用として、使用するノズルのみを前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせの対象とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法。 - 前記被吐出物は、少なくとも前記走査の方向に配列した複数の前記膜形成領域を有し、
前記吐出工程では、前記隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを、前記膜形成領域ごとに異ならせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法。 - 前記吐出工程では、前記膜形成領域ごとに、前記隣り合うノズルのそれぞれから前記走査の方向に複数の前記液滴を吐出し、前記隣り合うノズルの前記エネルギー発生手段に印加する前記異なる吐出タイミングの駆動波形の組み合わせを、前記液滴の吐出ごとに異ならせることを特徴とする請求項6に記載の液状体の吐出方法。
- 前記エネルギー発生手段に、所定の周期で発生する前記複数の駆動波形のうちの一部を印加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法。
- 前記エネルギー発生手段に、1周期内において発生する前記複数の駆動波形のうちの一部を印加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法。
- 前記エネルギー発生手段に、非周期的に発生する前記複数の駆動波形のうちの一部を印加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法。
- 基板上に区画形成された複数の膜形成領域に少なくとも3色の着色層を有するカラーフィルタの製造方法であって、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法を用い、着色材料を含む少なくとも3色の液状体を前記複数の膜形成領域に吐出する吐出工程と、
吐出された前記液状体を固化して、前記少なくとも3色の着色層を形成する固化工程と、を備えたことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 基板上に区画形成された複数の膜形成領域に少なくとも発光層を有する有機EL素子の製造方法であって、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法を用い、発光層形成材料を含む液状体を前記複数の膜形成領域に吐出する吐出工程と、
吐出された前記液状体を固化して、前記発光層を形成する固化工程と、を備えたことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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