JP2010063957A - 液状体の配置方法および電気光学装置の製造方法 - Google Patents

液状体の配置方法および電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な処理によって、被吐出領域に液状体を配置することができる配置パターンを生成する。
【解決手段】複数のノズル52と基板Bとを相対移動させ、前記基板B上の被吐出領域Qに前記液状体を配置する液状体の配置方法であって、前記ノズル52の吐出状態を検査するノズル検査工程と、前記被吐出領域Q内にノズル列52a方向のノズル間隔と前記相対移動方向の吐出間隔とにより前記液状体が着弾するドットdからなる第1配置パターンを生成する第1配置パターン生成工程と、前記第1配置パターンから所定数の前記ドットdを消去してなる第2配置パターンを生成する第2配置パターン生成工程と、第2配置パターンに基づいて液状体を配置する液状体配置工程とを有し、前記第1配置パターン生成工程では、前記ノズル検査工程の検査結果に基づき、前記液状体が前記被吐出領域Q内に着弾可能な最大範囲に前記第1配置パターンを生成する。
【選択図】図9

Description

本発明は、液状体をノズルから吐出して基板上に配置する液状体の配置方法およびそれを適用した電気光学装置の製造方法に関する。
例えば、電気光学装置としての液晶表示装置等のカラーフィルタ、有機EL装置の機能膜の成膜等の分野に液状体を液滴として吐出する液状体の吐出方法が適用されている。液状体の吐出方法は、複数のノズルが規則的に形成されている液滴吐出ヘッドを有する液状体吐出装置を用いて、これらのノズルから機能性材料を含む液状体を基板上の被吐出領域に液滴として吐出することにより、液状体からなる機能膜を形成する。
基板(ワーク)に液滴吐出ヘッドから液状体を液滴として吐出して機能膜を形成する液状体吐出装置(液滴吐出装置)および液状体の吐出方法(液滴吐出方法)として、基板を第1方向および第1方向と略直交する第2方向に移動させて、第2方向に沿ってあらかじめ位置決めされた複数のキャリッジに配設された液滴吐出ヘッドのノズルから液状体を吐出して機能膜を形成する液状体吐出装置および液状体の吐出方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−187758号公報
基板、特に被吐出領域に対する液滴の配置パターンは、いわゆるドットマトリクスパターンとして表すことができる。液状体の吐出方法では、このドットマトリクスパターンを被吐出領域に対する各ノズルの相対位置(以下、走査位置とする)に対応した吐出のON/OFFデータ(吐出データ)に変換して、吐出制御を行っている。このようなドットマトリクスパターンは、基板上に形成しようとする液状体のパターン(カラーフィルタ製造の場合は対応する画素構造による)や、ノズルの配列構成等のハードウェア条件に応じてあらかじめ生成される。
ところが、ノズルの吐出特性は、個体ごとにわずかなばらつきを有しており、後発的な要因等によって吐出特性が変化することもある。また、ハードウェア条件が必ずしも理想モデルに一致しない場合がある。高精度な液状体の配置を行うためには、ノズルの吐出特性や、様々なハードウェア条件に合わせて改めてドットマトリクスパターンを生成しなおすことが望まれる。例えば、あるノズルからの吐出量に著しい異常がある場合に当該ノズルを使用しないようなドットマトリクスパターンを生成したり、液滴の着弾アライメントに応じて着弾位置が補正されるようなドットマトリクスパターンを生成したりするケースが考えられる。
上述のような様々なケースに対応して、被吐出領域内に配置すべき液滴の数や各走査における各ノズルの走査位置、各ノズルの使用頻度などを考慮しつつ、それぞれの条件に応じて適切な液滴の配置パターン(ドットマトリクスパターン)を考えることは非常に手間のかかることである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)液状体を吐出する複数のノズルが列状に配置されたノズル列と基板とを相対移動させながら、前記基板上の被吐出領域に前記ノズルから前記液状体を配置する液状体の配置方法であって、複数の前記ノズルの吐出状態を検査するノズル検査工程と、前記被吐出領域内に、前記ノズル列方向のノズル間隔と前記相対移動方向の吐出間隔とにより前記液状体が着弾する複数の着弾候補位置に対応するドットからなる第1配置パターンを生成する第1配置パターン生成工程と、前記第1配置パターンから所定数の前記ドットを消去してなる第2配置パターンを生成する第2配置パターン生成工程と、前記第2配置パターンに基づいて前記ノズルから前記被吐出領域内に前記液状体を吐出して配置する液状体配置工程と、を有し、前記第1配置パターン生成工程では、前記ノズル検査工程で得られた検査結果に基づき、前記液状体が前記被吐出領域内に着弾可能な最大範囲に前記第1配置パターンを生成することを特徴とする液状体の配置方法。
この方法によれば、被吐出領域の最大範囲に対して着弾候補位置に対応するドットからなる第1配置パターンから、所定数のドットを消去して第2配置パターンを生成する。そしてこの第2配置パターンに基づいて液状体を配置する。なお、最大範囲は、ノズル検査工程の検査結果に基づいて設定される。そのため、被吐出領域に配置可能な最大範囲にドットを配置することができる。また、最大範囲に設定された第1配置パターンから、所定数のドットを消去することで第2配置パターンを生成しているため、様々な条件であっても簡単に処理することができる。
(適用例2)前記第2配置パターン生成工程では、前記第1配置パターンから所定数の前記ドットを消去することによって、前記被吐出領域内に供給される前記液状体の量を調整することを特徴とする上記の液状体の配置方法。
この方法によれば、第1配置パターンから消去されるドットの数を規定することによって、被吐出領域に配置される液状体の総量を容易に調整し管理することができる。
(適用例3)前記第2配置パターン生成工程では、前記ノズル検査工程で得られた検査結果によって、吐出不具合の虞のある前記ノズルに対応する前記ドットを優先的に消去することを特徴とする上記の液状体の配置方法。
この方法によれば、第1配置パターンから吐出抜け、吐出量異常等を発生する虞のあるノズルに対応するドットを消去して第2配置パターンを生成することができる。そのため、簡単な処理によって被吐出領域内に液状体を安定的に配置することができるとともに液状体の配置量を安定させることができる。
(適用例4)前記第2配置パターン生成工程では、前記被吐出領域の境界により近い前記着弾候補位置に対応する前記ドットを優先的に消去することを特徴とする上記の液状体の配置方法。
この方法によれば、液状体が被吐出領域に着弾したとき被吐出領域の外にはみ出すことをさらに防止することができる。
(適用例5)複数の前記ノズルから前記被吐出領域の前記ドットに配置される前記液状体の配置状態を検査する配置状態検査工程を有し、前記第2配置パターン生成工程では、前記配置状態検査工程で得られた検査結果により、配置された前記液状体のばらつきを補正するように前記ドットを消去することを特徴とする上記の液状体の配置方法。
この方法によれば、配置状態検査により配置された液状体の量もしくは厚さのばらつき等の不具合を検知し、量もしくは厚さの少ない着弾候補位置に対応するドットを優先的に使用した第2配置パターンを生成することによって、その不具合を補正することができる。従って、簡単な処理によって不具合を補正することができ、液状体の配置欠落を低減させることができる。
(適用例6)少なくとも一方の基板上に設けられる隔壁部によって区画された複数の色要素領域を有する電気光学パネルを備えた電気光学装置の製造方法であって、上記の液状体の配置方法を適用して、前記基板上の前記複数の色要素領域に、色要素形成材料を含む複数種の液状体を配置して複数種の色要素を描画する色要素描画工程と、描画された色要素を乾燥して成膜化する成膜工程と、を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
この方法によれば、上記の液状体の配置方法を適用して色要素領域を形成しているため、高品質な電気光学装置を簡単な処理で製造することができる。
本発明の実施形態を、基板上の被吐出領域としての複数の画素領域に複数色の着色層を有するカラーフィルタの製造方法を例にとり説明する。着色層は、画素構成要素であり、複数のノズルから画素領域に向けて着色層形成材料を含む液状体が液滴として吐出されて形成される。上記液状体を液滴として吐出(配置)するには、以下に説明する液状体吐出装置を用いる。
(液状体吐出装置の構成について)
まず、液状体を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液状体吐出装置について図1を参照して説明する。図1は、液状体吐出装置の構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、液状体吐出装置10は、基板Bを主走査方向に移動させる基板移動機構20と、複数の液滴吐出ヘッドを有するヘッドユニット9を副走査方向に移動させるヘッド移動機構30と、ノズルからの液状体の吐出状態を検査する吐出検査機構70とを備えている。この液状体吐出装置10は、基板Bとヘッドユニット9との相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット9に搭載された複数の液滴吐出ヘッドから液状体を液滴として吐出して、基板Bに液状体で所定の機能膜(パターン)を形成するものである。なお、図中のX方向は基板Bの移動方向すなわち主走査方向を示し、Y方向はヘッドユニット9の移動方向すなわち副走査方向を示し、Z方向は、X方向とY方向とに直交する方向を示している。
このような液状体吐出装置10を用いて、例えば、赤、緑および青の3色のフィルタエレメントを有するカラーフィルタを製造する場合は、液状体吐出装置10の各々の液滴吐出ヘッドから、赤、緑および青の3色の液状体のいずれかを基板Bの画素領域に液滴として吐出して、赤、緑および青の3色のフィルタエレメントのパターンを形成する。
ここで、液状体吐出装置10の各構成について説明する。
基板移動機構20は、一対のガイドレール21と、一対のガイドレール21に沿って移動する移動テーブル22と、移動テーブル22上に基板Bを吸着固定可能に載置するステージ5とを備えている。移動テーブル22は、ガイドレール21の内部に設けられた図示しないエアスライダとリニアモータによりX方向(主走査方向)に移動する。
ヘッド移動機構30は、一対のガイドレール31と、一対のガイドレール31に沿って移動する第1の移動台32とを備えている。第1の移動台32にはキャリッジ8が設けられ、キャリッジ8には複数の液滴吐出ヘッド50(図2参照)を搭載したヘッドユニット9が取り付けられている。そして、第1の移動台32は、キャリッジ8をY方向(副走査方向)に移動させてヘッドユニット9を基板Bに対してZ方向に所定の間隔をあけて対向配置する。
吐出検査機構70は、第2の移動台33と撮像装置15とを備えている。第2の移動台33は、上記第1の移動台32と並列してヘッド移動機構30の一対のガイドレール31に沿ってY方向に移動可能に設けられている。撮像装置15は、例えばカメラ等が用いられ、第2の移動台33に撮像装置15のレンズ15aがZ方向下部に向かうように設置されている。撮像装置15は、第2の移動台33によりY方向に移動して、基板Bもしくは検査用の記録紙等の表面にノズルから吐出され着弾した液滴の着弾状態もしくは塗布状態を観察して撮像することができる。必要により検査面を照明する照明装置を第2の移動台33に備えてもよい。
液状体吐出装置10は、上記構成の他にも、ヘッドユニット9に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50のノズルの目詰まりの解消等のメンテナンスを行うメンテナンス機構60を備えている。また、液状体吐出装置10は、液滴吐出ヘッド50に液状体を供給するための液状体供給機構や、液滴吐出ヘッド50もしくはノズルごとに吐出された液状体を受けて、その吐出重量を計測する電子天秤等の計測器を有する吐出量計測機構が設けられている。これらの各機構は、制御部4(図4参照)によって制御される。図1では、制御部4、液状体供給機構および吐出量計測機構は、図示省略した。
(液滴吐出ヘッドについて)
ここで複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドについて図2および図3を参照して説明する。図2は液滴吐出ヘッドの構造を示す概略図である。(a)は概略分解斜視図、(b)はノズル部の構造を示す断面図である。図3は、ヘッドユニットにおける液滴吐出ヘッドの配置を示す概略平面図である。詳しくは、基板Bに対向する側から見た図である。なお、図3に示すX方向、Y方向は、図1に示すX方向、Y方向と同一な方向を示す。
図2(a)および(b)に示すように、液滴吐出ヘッド50は、液滴Dが吐出される複数のノズル52を有するノズルプレート51と、複数のノズル52がそれぞれ連通するキャビティ55を区画する隔壁54を有するキャビティプレート53と、各キャビティ55に対応する駆動素子としての振動子59を有する振動板58とが、順に積層され接合された構造となっている。
キャビティプレート53は、ノズル52に連通するキャビティ55を区画する隔壁54と、キャビティ55に液状体を充填するための流路56,57とを有している。流路57は、ノズルプレート51と振動板58とによって挟まれ、出来上がった空間が、液状体が貯留されるリザーバの役目を果たす。液状体は、液状体供給機構から配管を通じて供給され、振動板58に設けられた供給孔58aを通じてリザーバに貯留された後に、流路56を通じて各キャビティ55に充填される。
図2(b)に示すように、振動子59は、ピエゾ素子59cと、ピエゾ素子59cを挟む一対の電極59a,59bとからなる圧電素子である。外部から一対の電極59a,59bに、駆動信号としての駆動波形が印加されることにより接合された振動板58を変形させる。これにより隔壁54で仕切られたキャビティ55の体積が増加して、液状体がリザーバからキャビティ55に吸引される。そして、駆動波形の印加が終了すると、振動板58は元に戻り充填された液状体を加圧する。これにより、ノズル52から液状体を液滴Dとして吐出できる構造となっている。ピエゾ素子59cへ印加される駆動波形を制御することにより、それぞれのノズル52に対して液状体の吐出制御を行うことができる。
図3に示すように、上述の液滴吐出ヘッド50は、ヘッドユニット9のヘッドプレート9aに配置される。ヘッドプレート9aには、3つの液滴吐出ヘッド50からなるヘッド群50Aと、同じく3つの液滴吐出ヘッド50からなるヘッド群50Bの合計6個の液滴吐出ヘッド50が搭載されている。この場合、ヘッド群50Aの液滴吐出ヘッド50(ヘッドR1)とヘッド群50Bの液滴吐出ヘッド50(ヘッドR2)とは同種の液状体を吐出する。他のヘッドG1とヘッドG2、ヘッドB1とヘッドB2においても同様である。すなわち、3種の異なる液状体を吐出可能な構成となっている。
各液滴吐出ヘッド50は、一定のピッチPで配設された複数(180個)のノズル52からなるノズル列52aを有している。そのため、1つの各液滴吐出ヘッド50は長さLなる吐出幅を有している。ヘッドR1とヘッドR2とは、主走査方向(X方向)から見て隣り合うノズル列52aが主走査方向と直交する副走査方向(Y方向)に1ノズルピッチPを置いて連続するように主走査方向に並列して配設されている。そのため、ヘッドR1およびヘッドR2は、長さ2Lの吐出幅を有している。
本実施形態では、ノズル列52aが1列の場合について説明しているがこれに限定されない。液滴吐出ヘッド50は、複数のノズル列52aが図中X方向に一定の間隔をおいて、Y方向に1/2ピッチ(P/2)ずれて配列されていてもよい。このようにすることにより、実質的なピッチPが狭くなり、高精細に液滴Dを吐出することができる。
(液状体吐出装置の制御系について)
次に液状体吐出装置10の制御系について図4を参照して説明する。図4は、液状体吐出装置の制御系を示すブロック図である。
図4に示すように、液状体吐出装置10の制御系は、液滴吐出ヘッド50、基板移動機構20、ヘッド移動機構30等を駆動する各種ドライバを有する駆動部46と、駆動部46を含め液状体吐出装置10を制御する制御部4とを備えている。駆動部46は、基板移動機構20およびヘッド移動機構30の各リニアモータをそれぞれ駆動制御する移動用ドライバ47と、液滴吐出ヘッド50を吐出制御するヘッドドライバ48と、液滴吐出ヘッド50のノズル52からの液滴の吐出状態として着弾状態もしくは塗布状態を検査する吐出検査機構70を制御する吐出検査用ドライバ68と、メンテナンス機構60の各メンテナンス用ユニットを駆動制御するメンテナンス用ドライバ49と、吐出量計測機構を制御する図示しない吐出量計測用ドライバとを備えている。
制御部4は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、P−CON44とを備え、これらは互いにバス45を介して接続されている。P−CON44には、上位コンピュータ11が接続されている。ROM42は、CPU41で処理する制御プログラム等を記憶する制御プログラム領域と、描画動作や機能回復処理等を行うための制御データ等を記憶する制御データ領域とを有している。
RAM43は、基板Bにパターンを描画するパターンデータを記憶するパターンデータ記憶部等の各種記憶部を有し、制御処理のための各種作業領域として使用される。P−CON44には、駆動部46の各種ドライバ等が接続されており、CPU41の機能を補うと共に、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が構成されて組み込まれている。このため、P−CON44は、上位コンピュータ11からの各種指令等をそのままあるいは加工してバス45に取り込むと共に、CPU41と連動して、CPU41等からバス45に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部46に出力する。
そして、CPU41は、ROM42内の制御プログラムに従って、P−CON44を介して各種検出信号、各種指令、各種データ等を入力し、RAM43内の各種データ等を処理した後、P−CON44を介して駆動部46等に各種の制御信号を出力することにより、液状体吐出装置10全体を制御している。例えば、CPU41は、液滴吐出ヘッド50、基板移動機構20およびヘッド移動機構30を制御して、ヘッドユニット9と基板Bとを対向配置させる。そして、ヘッドユニット9と基板Bとの相対移動に同期して、ヘッドユニット9に搭載された各液滴吐出ヘッド50の所定数のノズル52から基板Bに液状体を液滴Dとして吐出してパターンを形成する。
この場合、X方向への基板Bの移動に同期して液状体を吐出することを主走査と呼び、Y方向にヘッドユニット9を移動させることを副走査と呼ぶ。本実施形態の液状体吐出装置10は、主走査と副走査とを組み合わせて複数回繰り返すことにより液状体を吐出することができる。主走査は、液滴吐出ヘッド50に対して一方向への基板Bの移動に限らず、基板Bを往復させて行うこともできる。
上位コンピュータ11は、制御プログラムや制御データ等の制御情報を液状体吐出装置10に送出するだけでなく、これらの制御情報を修正することもできる。また、ノズル52の位置情報等に基づいて、基板B上の吐出領域ごとに必要量の液状体を液滴Dとして配置する配置情報を生成する配置情報生成部としての機能を有している。配置情報は、吐出させるノズル52と吐出させないノズル52との分類および吐出領域における液滴Dの吐出位置(言い換えれば、基板Bとノズル52との相対位置)、液滴Dの配置数(言い換えれば、ノズル52ごとの吐出数、吐出割合)、主走査における複数のノズル52のON/OFF、吐出タイミング等の情報を、例えば、ビットマップとして現したものである。
(液滴吐出ヘッドの駆動制御について)
次に、液滴吐出ヘッドの駆動制御について図5を参照して説明する。(a)は、液滴吐出ヘッドの電気的な制御を示すブロック図であり、(b)は、駆動信号および制御信号のタイミング図である。
図5(a)に示すように、ヘッドドライバ48は、液滴吐出ヘッド50を制御する駆動信号COMを生成するD/Aコンバータ(以降、DACと称す)71と、DAC71が生成する駆動信号COMのスルーレートデータ(以下、波形データWDと称す)の格納メモリを内部に有する波形データ選択回路72と、P−CON44(図4参照)を介して上位コンピュータ11から送信される吐出制御データを格納するためのデータメモリ73と、を備えている。COMラインに、DAC71で生成された駆動信号COMがそれぞれ出力される。
各液滴吐出ヘッド50には、ノズル52ごとに設けられた振動子59(図2参照)への駆動信号COMの印加をON/OFFするスイッチング回路74を備えている。ノズル52において、振動子59の一方の電極59bは、DAC71のグランドライン(GND)に接続されている。また、振動子59の他方の電極59a(以下、セグメント電極59aと称す)は、スイッチング回路74を介して、COMラインに電気的に接続されている。また、スイッチング回路74、波形データ選択回路72には、クロック信号(CLK)や各吐出タイミングに対応したラッチ信号(LAT)が入力されるようになっている。
データメモリ73には、液滴吐出ヘッド50の駆動タイミングごとに各振動子59への駆動信号COMの印加(ON/OFF)を規定する吐出データDAと、DAC71に入力される波形データWDの種別を規定する波形番号データWNとが格納されている。
上述の構成において、各吐出タイミングに係る駆動制御は次のように行われる。図5(b)に示すように、タイミングt1〜t2の期間において、吐出データDA、波形番号データWNが、それぞれシリアル信号化されて、スイッチング回路74、波形データ選択回路72に送信される。そして、タイミングt2において各データがラッチされることで、吐出(ON)に係る各振動子59のセグメント電極59aが、COMラインに接続された状態となる。DAC71の生成に係る駆動信号の波形データWDは設定される。
タイミングt3〜t4の期間においては、タイミングt2で設定された波形データWDに従い、それぞれ電位上昇、電位保持、電位降下の一連のステップで駆動信号COMが生成される。そして、COMラインと接続された状態にある振動子59に、生成された駆動信号COMが供給され、ノズル52に連通するキャビティ55の容積(圧力)制御が行われる。
ここで、タイミングt3における電位上昇成分はキャビティ55を膨張させ、液状体をキャビティ55内に引き込む役割を果たしている。また、タイミングt4における電位降下成分は、キャビティ55を収縮させ、液状体をノズル52外に押し出して吐出させる役割を果たしている。
(第1実施形態)
(液状体の配置方法)
ここで、本実施形態の液状体の配置方法について図6〜図9に基づいて説明する。図6は、液状体の配置方法を示すフローチャートである。図7は、ノズル検査を説明する概略図である。図8は、配置パターンとノズルの関係を説明する図である。図9は、配置パターンを説明する図である。
図6に示すステップS1では、ノズル52i(iは、各ノズル52に対応する1からiまでの自然数)の吐出状態を検査するノズル検査工程としての着弾状態検査を行う。着弾状態検査では、液状体吐出装置10のステージ5(図1参照)に着弾観察用被吐出物として記録紙18を載置する。そして、図7に示すように、各液滴吐出ヘッド50のノズル52iから液滴DがY方向において仮想の直線上に着弾するように吐出する。具体的には、制御部4がヘッドユニット9とステージ5とを相対移動させ、主走査方向(X方向)において、各ノズル列52aの吐出タイミングを変えることにより直線上に着弾させる。そして、撮像装置15を用いて記録紙18上に着弾した液滴Dの着弾状態を観察する。
図7(a)に示すように、例えば、ノズル列52aにおいて、主走査方向に飛行曲がりが発生するノズル52iがあれば、吐出された液滴Dが直線上からずれた位置に着弾する。このような着弾状態を撮像して画像処理することにより、図4に示すCPU41がずれ量ΔXi(iは、ノズル52iに対応する1からiまでの自然数)を演算して基準着弾位置からのずれ量ΔXiを求めることができる。図7(a)では、ノズル523がX(−)方向に飛行曲がりが発生してずれ量ΔX3だけずれて着弾し、ノズル5230がX(+)方向に飛行曲がりが発生してずれ量ΔX30だけずれて着弾する場合を示している。当然のことながら着弾位置がX方向(主走査方向)に限らず斜めにずれることがある。よって、ずれ量は、X方向のずれ量ΔXiとY方向のずれ量ΔYi(iは、ノズル52iに対応する1からiまでの自然数)とに分けて算出される。
図6に示すステップS2では、第1配置パターンの生成を行う。上述したように、液状体の吐出制御は液滴の配置情報、すなわちドットマトリクスパターンに基づいて行われる。このドットマトリクスパターンは、図8に示すように、主走査方向、副走査方向の成分を有するマトリクスMTにおいて、液状体の配置位置となる着弾候補位置90にドットdを配したものとして表すことができる。ドットdは、単に吐出の有無を示すだけでなく、階調性を有するものとすることも可能であり、例えば、階調性に応じて液状体の吐出量や吐出タイミングを変化させることもできる。
ここで、主走査方向の液状体の着弾候補位置、すなわちマトリクスMTのX方向のピッチvは、液状体の吐出制御周期と走査速度によって決められるようになっている。また、副主走査方向の液状体の着弾候補位置、すなわちマトリクスMTのY方向のピッチpは、ノズル間隔によって決められる。この場合、液滴吐出ヘッド50に配置されたノズルピッチPを用いてもよいし、また、複数回の走査を考慮してノズル52iのノズルピッチPの自然数分の1倍に設定することが可能である。複数回の走査において、ノズル52iの副走査方向における位置を互いにずらすことにより、より細かいピッチにドットdを配置することができる。また、複数回の走査を行うことによって、ノズル52i間における特性(例えば吐出量)のばらつきを空間的に分散させることができる。なお、本実施形態では、説明を簡便にするためにノズルピッチP(P=p)を採用している。
本実施形態では、図9(a)に示すように、被吐出領域Qに対して1つの仮想領域Rを設定している。仮想領域Rは、ステップS1のノズル検査工程で得られた被吐出領域Qの境界の近くに位置する着弾候補位置90に対応するノズル52iのX方向のずれ量ΔXiとおよびY方向のずれ量ΔYiを考慮して設定される。すなわち、ノズル52iから着弾候補位置90に液状体が吐出され着弾したときに、被吐出領域Qの領域外に液状体がはみ出さない最大範囲になるように仮想領域Rは設定される。仮想領域Rの内部には、上述のマトリクスMTが形成される。このとき、着弾候補位置90のそれぞれにドットdが配置され、第1配置パターンが形成される。本実施形態では、仮想領域Rの内部に6行×12列の配列で72個のドットdが設定されている。
ここで、各ドットdに対応して吐出される液状体は、実際には図中に示すドットdよりも大きな径を有している。そのため、72個のドットd全てに対応して液状体が吐出されるとなると、その総量は被吐出領域Qの容量を上回ることになり、オーバーフローが発生することになる。このように、第1配置パターンには現実に液状体を配置するには不適切なドットdも含まれているため、これをそのまま吐出制御に用いることはできず、第2のドットパターンへの変換が必要となる。
図6に示すステップS3では、第2配置パターンの生成を行う。本実施形態では、被吐出領域Q内に、例えばWgの液状体を供給する場合を例にとり説明する。前述のように、図1に示す液状体吐出装置10は、液滴吐出ヘッド50もしくはノズル52iごとに吐出された液状体を受けて、その吐出重量を計測する電子天秤等の計測器を有する吐出量計測機構(図示せず)が設けられている。そのため、ノズル52i当りの液状体の吐出量wgを知ることができ、適用すべきノズル数がわかる。
本実施形態では、Wgの液状体を供給するのに35個のノズル52iから液状体を吐出する必要があると仮定する。従って、図9(b)に示すように、第1配置パターンの72個のドットdから37個のドットdを消去する。このとき、被吐出領域Qの境界に近いドットdから消去するのが好ましい。このように消去することによって、被吐出領域Q外に液状体がはみ出したり、液状体が着弾したときに飛散する微小液滴を低減させ、色ごとの混色の危険性を低減することができる。このようにして、第2配置パターンが生成される。
図6に示すステップS4では、生成された第2配置パターンに基づいて、各ドットdに対応するノズル52iから液状体を吐出して被吐出領域Q内に配置して本実施形態の液状体の配置を終了する。
なお、被吐出領域Q内に、供給すべき液状体の総量は被吐出領域Qごとに違う値に設定してもよい。この場合は、適用すべきノズル数を被吐出領域Qごとに変更して、被吐出領域Qごとに第2配置パターンを生成する。このようにすることにより、各被吐出領域Qごとに成膜される膜厚を調整することができる。
また、本実施形態で説明した第2配置パターンは一実施例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば、被吐出領域Qの境界に近いドットdから消去するとともに、全体のドットdから均等に間引くように消去したりすることも可能である。
以下、第1実施形態の効果を記載する。
(1)上述の液状体の配置方法では、被吐出領域Qの最大範囲である仮想領域Rに対して着弾候補位置に対応するドットdからなる第1配置パターンを生成することができる。この第1配置パターンをベースにして、所定数のドットdを消去するという簡単な処理によって、実際に液状体を配置する第2配置パターンを生成することができる。そのため、様々な条件に応じて都度ビットマップデータを生成する必要がなく作業効率を向上させることができる。
(2)上述の液状体の配置方法では、ノズル52の着弾状態検査の結果に基づいて、着弾した液状体が被吐出領域Qの外にはみ出さない範囲(仮想領域R)に第1配置パターンを生成することができる。また、第2配置パターンを生成する際に、被吐出領域Qの境界に近いドットdから優先的に消去する。そのため、隣接する被吐出領域Qに液状体が混入したり、隣接する被吐出領域Qとの境界部分で液状体が混合することを防ぐことができる。
(3)上述の液状体の配置方法では、第1配置パターンから消去されるドットdの数を規定することによって、被吐出領域Qに配置される液状体の総量を容易に調整し管理することができる。
(第2実施形態)
ここで、第2実施形態について、同じく図6、図7および図10を参照して説明する。図10は、第2実施形態における配置パターンを説明する図である。なお、第1実施形態と同様な構成および内容については、符号を等しくして説明を省略する。
図6に示すステップS1のノズル検査工程としての着弾状態検査において、図7(b)に示すように、例えば、ヘッドR1のノズル列52aのあるノズル525が目詰まりをおこしていれば、液滴Dが吐出されない。すなわち、着弾状態検査で使用される記録紙18上において、ノズル525に対応する位置に液滴Dが着弾しない。すなわち、隙間が発生するため吐出抜けのノズル525を検出することができる。
また、図7(c)に示すように、例えば、ノズル列52aにおいて吐出量が過多なノズル525があれば、着弾径d5が過大となる。また、吐出量が過少なノズル5230があれば、着弾径d30が過小となる。このような着弾状態を撮像して画像処理することにより、液状体の吐出量異常を検出することができる。
次いで、第1実施形態と同様に、図6に示すステップS2の第1配置パターンの生成を行い、ステップS3の第2配置パターン生成に進む。本実施形態では、ステップS1のノズル検査工程で1つのノズル525に吐出抜けが発生した場合を例にとり説明する。
本実施形態でも、被吐出領域Q内にWgの液状体を供給しようとする。その場合は、第1実施形態で説明したように、図10(a)に示す35個のドットdを有する第2配置パターンが生成されるはずである。ところが、ノズル525に吐出抜けが発生しているため、被吐出領域Q内にWgの液状体を供給することができない。
そのため、図10(b)に示すように、吐出不具合の発生しているノズル525に対応する4個のドットdからなるドット列d5を消去して、吐出状態の良好なノズル5212に対応する4個のドットdからなるドット列d12を復活させる。このとき、被吐出領域Qの境界から遠いドットdから復活させることが好ましい。このように第2配置パターンを生成することによって、被吐出領域Q外に液状体がはみ出すことや、液状体が着弾したときに飛散する微小液滴を低減させ色ごとの混色の危険性を低減することができる。このようにして、第2配置パターンが生成される。
次いで、図6に示すステップS4では、生成された第2配置パターンに基づいて、各ドットdに対応するノズル52iから液状体を吐出して被吐出領域Q内に配置して本実施形態の液状体の配置を終了する。
なお、ノズル検査工程(ステップS1)とその結果に基づく第1もしくは第2配置パターンの生成(ステップS2もしくはステップS3)は、基板Bの個体を入れ替えるタイミングなどにおいて、定期的に行うようにすることが望ましい。ノズル52の吐出特性は、後天的な事情、例えば流路内への気泡の混入やノズルメンテナンスの実行履歴等によっても変化する可能性がある。このようにすることによって、ノズル52の吐出特性の変化に迅速に対応することができる。
以下、第2実施形態の効果を記載する。
(1)上述の液状体の配置方法では、被吐出領域Qの最大範囲である仮想領域Rに対して生成された第1配置パターンをベースにして、着弾状態検査の結果から得られた吐出抜けもしくは吐出量異常のノズル52に対応するドットdを消去するという簡単な処理によって、実際に液状体を配置する第2配置パターンを生成することができる。そのため、様々な条件に応じて都度ビットマップデータを生成する必要がなく作業効率を向上させることができる。
(2)上述の液状体の配置方法では、ノズル52の着弾状態検査の結果に基づいて吐出抜けもしくは吐出量異常のノズル52に対応するドットdを消去する。また、消去されたドットdの数に応じて復活させるドットdは、被吐出領域Qの境界からより遠いドットdから優先させる。そのため、配置される液状体の量を安定的に管理できるとともに、隣接する被吐出領域Qに液状体が混入したり、隣接する被吐出領域Qとの境界部分で液状体が混合することを防ぐことができる。
(第3実施形態)
ここで、第3実施形態について、同じく図11および図12を参照して説明する。図11は、第3実施形態における液状体の配置方法を示すフローチャートである。図12は、第3実施形態における配置パターンを説明する図である。なお、第1実施形態および第2実施形態と同様な構成および内容については、符号を等しくして説明を省略する。
まず、第1実施形態および第2実施形態と同様に、図11に示すステップS11からステップS14までの液状体の配置作業を実施する。その後、ステップS15に進む。
図11に示すステップS15では、被吐出領域Qのドットdに対して液状体の配置状態を検査する配置状態検査工程を実施する。配置状態検査では、図1に示す液状体吐出装置10のステージ5に載置された基板Bに対して、ヘッド移動機構30により撮像装置15を移動させ基板Bの被吐出領域Qにノズル52iから吐出され着弾した液滴の着弾状態もしくは配置状態を観察する。その後、ステップS16に進む。
図11に示すステップS16では、被吐出領域Qに対する液状体の配置状態に不具合があるか否かを判断する。不具合がない場合(NO)は、液状体の配置作業を終了する。何らかの不具合がある場合(YES)は、ステップS13の第2配置パターンの生成工程に進む。
ここで、被吐出領域Qに対する液状体の配置状態に不具合があった場合について説明する。
図11に示すステップS11からステップS14までの液状体の配置作業を実施すると、本来であれば図12(a)に示すように被吐出領域Q内の全てのドットdの位置に液状体が配置されるはずである。ところが、ステップS15の配置状態検査で、本来液状体が配置されるべきドットdに液状体が配置されていないことがわかった。
本実施形態では、ノズル525,526に吐出不具合が発生して、ドット列da5の3行目から5行目(c3〜c5)およびドット列da6の3行目および4行目(c3,c4)に吐出抜けが発生したとする。この場合、図12(b)のg−g断面図である図12(c)に示すように、被吐出領域Qに形成される膜Tは、吐出抜けが発生した箇所の厚みthが他の部分に比較して薄くなってしまう。すなわち膜厚不良が発生してしまう。なお、図12(c)は、液状体の配置後、液状体が被吐出領域Qに一部濡れ広がり膜が形成された状態を示している。
図11に示すステップS13では、上述の配置状態の不具合を補修するように第2配置パターンを再生成する。図12(d)に示すように、ステップS15の配置状態検査で吐出抜けが発生した着弾候補位置90に対応する位置にドットdを配置する。具体的には、ドット列da5の3行目から5行目(c3〜c5)およびドット列da6の3行目および4行目(c3,c4)にドットdを配置する。なお、この場合、前回の第2配置パターンから液状体が正常に配置された箇所のドットdを消去して第2配置パターンを再生成してもよい。
図11に示すステップS14では、再生成された第2配置パターンに基づいて、各ドットdに対応するノズル52iから液状体を吐出して被吐出領域Q内に配置する。なお、このとき液状体の配置工程に移る前に、図1に示す液状体吐出装置10のメンテナンス機構60を用い、液滴吐出ヘッド50のノズル52iの目詰まりの解消等のメンテナンスを行い、ノズル52iの機能回復を行うことが望ましい。また、必要があれば、ステップS11のノズル検査工程を実施して、ノズル52iの機能が回復していることを確認することが望ましい。その後、ステップS15の配置状態検査を行い、不具合がなければ本液状体の配置作業は終了する。
本実施形態では配置状態の不具合としてノズル52の吐出抜けの場合を例にとり説明したがこれに限定されない。吐出量異常に対しても、液状体の配置量の少ない箇所に対して、液状体の吐出量を調整しつつドットdを配置することができる。また、液状体の配置により形成された面の凹凸もしくは不均一に対しても、液状体の配置量の少ない箇所に対して、液状体の吐出量を調整しつつドットdを配置することができる。
本実施形態では配置状態検査において、撮像装置15を用いて着弾状態もしくは配置状態を観察する場合を例にとり説明したがこれに限定されない。光学的な平面平滑試験機を用いて液状体の配置状態の不具合を検出してもよいし、三次元測定器を用いて液状体の配置状態の不具合を検出してもよい。
本実施形態では一連の液状体の配置作業において、配置状態の不具合を補正する場合について説明したがこれに限定されない。液状体の配置作業後、仮乾燥工程等を経て一部成膜された被吐出領域Qに対して、膜の不具合を補修する場合にも適用することができる。
以下、第3実施形態の効果を記載する。
(1)上述の液状体の配置方法では、配置状態検査において、実際に液状体が配置された被吐出領域Qを検査して配置された液状体の量もしくは厚さのばらつき等の不具合を検知する。そして、液状体の量が少ない箇所もしくは厚さの薄い箇所に対してドットを配置して第2配置パターンを作成する。または、液状体が正常に配置された箇所のドットdを消去して第2配置パターンを作成する。その結果、簡単な処理によって不具合を補正することができ、液状体の配置欠落を低減させることができる。
(第4実施形態)
次に上述の液状体の配置方法を用いた電気光学装置としての液晶表示装置の製造方法およびこの製造方法を用いて製造された液晶表示装置について説明する。
(液晶表示装置)
図13は、液晶表示装置の構造を示す概略斜視図である。図13に示すように、本実施形態の液晶表示装置500は、TFT(Thin Film Transistor)透過型の液晶表示パネル520と、液晶表示パネル520を照明する照明装置516とを備えている。液晶表示パネル520は、色要素としてのカラーフィルタを有する対向基板501と、画素電極510に3端子のうちの1つが接続されたTFT素子511を有する素子基板508と、両基板501,508によって挟持された液晶(図示省略)とを備えている。また、液晶表示パネル520の外面側となる両基板501,508の表面には、透過する光を偏向させる上偏光板514と下偏光板515とが配設される。
対向基板501は、透明なガラス等の材料からなり、液晶を挟む表面側に隔壁部504によってマトリクス状に区画された複数の被吐出領域としての色要素領域に複数種の色要素としてRGB3色のカラーフィルタ505R,505G,505Bが形成されている。隔壁部504は、Crなどの遮光性を有する金属あるいはその酸化膜からなるブラックマトリクスと呼ばれる下層バンク502と、下層バンク502の上(図面では下向き)に形成された有機化合物からなる上層バンク503とにより構成されている。また対向基板501は、隔壁部504と隔壁部504によって区画されたカラーフィルタ505R,505G,505Bとを覆う平坦化層としてのオーバーコート層(OC層)506と、OC層506を覆うように形成されたITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなる対向電極507とを備えている。カラーフィルタ505R,505G,505Bは後述する液晶表示装置の製造方法を用いて製造されている。
素子基板508は、同じく透明なガラス等の材料からなり、液晶を挟む表面側に絶縁膜509を介してマトリクス状に形成された画素電極510と、画素電極510に対応して形成された複数のTFT素子511とを有している。TFT素子511の3端子のうち、画素電極510に接続されない他の2端子は、互いに絶縁された状態で画素電極510を囲むように格子状に配設された走査線512とデータ線513とに接続されている。
照明装置516は、光源として白色のLED、EL、冷陰極管等を用い、これらの光源からの光を液晶表示パネル520に向かって出射することができる導光板や拡散板、反射板等の構成を備えたものであれば、どのようなものでもよい。
なお、液晶表示パネル520は、アクティブ素子としてTFT素子に限らずTFD(Thin Film Diode)素子を有したものでもよく、さらには、少なくとも一方の基板にカラーフィルタを備えるものであれば、画素を構成する電極が互いに交差するように配置されるパッシブ型の液晶表示装置でもよい。また、上下偏光板514,515は、視角依存性を改善する目的等で用いられる位相差フィルムなどの光学機能性フィルムと組み合わされたものでもよい。
(液晶表示装置の製造方法)
次に本実施形態の液晶表示装置の製造方法について図14および図15に基づいて説明する。図14は、液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートである。図15は、液晶表示装置の製造方法を示す概略断面図である。
図14に示すように、本実施形態の液晶表示装置500の製造方法は、対向基板501の表面に隔壁部504を形成する工程と、隔壁部504によって区画された色要素領域としての被吐出領域を表面処理する工程とを備えている。また、前述の液状体吐出装置10を用いて表面処理された被吐出領域に色要素形成材料としてのカラーフィルタ形成材料を含む3種(3色)の液状体を付与して、カラーフィルタ505を描画する色要素描画工程と、描画されたカラーフィルタ505を乾燥して成膜化する成膜工程とを備えている。さらに隔壁部504とカラーフィルタ505とを覆うようにOC層506を形成する工程と、OC層506を覆うようにITOからなる透明な対向電極507を形成する工程とを備えている。
図14のステップS21は、隔壁部504を形成する工程である。ステップS21では、図15(a)に示すように、まずブラックマトリクスとしての下層バンク502を対向基板501上に形成する。下層バンク502の材料は、例えば、Cr、Ni、Al等の不透明な金属、あるいはこれらの金属の酸化物等の化合物を用いることができる。下層バンク502の形成方法としては、蒸着法あるいはスパッタ法で上記材料からなる膜を対向基板501上に成膜する。膜厚は、遮光性が保たれる膜厚を選定された材料に応じて設定すればよい。例えば、Crならば、100〜200nmが好ましい。そして、フォトリソグラフィ法により開口部502aに対応する部分以外をレジストで膜を覆い、上記材料に対応する酸等のエッチング液を用いて膜をエッチングする。これにより開口部502aを有する下層バンク502が形成される。
次に上層バンク503を下層バンク502の上に形成する。上層バンク503の材料としては、アクリル系の感光性樹脂材料を用いることができる。また、感光性樹脂材料は、遮光性を有することが好ましい。上層バンク503の形成方法としては、例えば、下層バンク502が形成された対向基板501の表面に感光性樹脂材料をロールコート法やスピンコート法で塗布し、乾燥させて厚みがおよそ2μmの感光性樹脂層を形成する。そして、被吐出領域Qに対応した大きさで開口部が設けられたマスクを対向基板501と所定の位置で対向させて露光・現像することにより、上層バンク503を形成する方法が挙げられる。これにより対向基板501上に複数の被吐出領域Qをマトリクス状に区画する隔壁部504が形成される。そしてステップS22へ進む。
図14のステップS22は、表面処理工程である。ステップS22では、O2を処理ガスとするプラズマ処理とフッソ系ガスを処理ガスとするプラズマ処理とを行う。すなわち、被吐出領域Qが親液処理され、その後感光性樹脂からなる上層バンク503の表面(壁面を含む)が撥液処理される。そしてステップS23へ進む。
図14のステップS23は、色要素としてのカラーフィルタの描画工程である。ステップS23では、図15(b)に示すように、表面処理された各被吐出領域Qのそれぞれに、対応する液状体80R,80G,80Bを付与してカラーフィルタ505を描画する。液状体80RはR(赤色)のカラーフィルタ形成材料を含むものであり、液状体80GはG(緑色)のカラーフィルタ形成材料を含むものであり、液状体80BはB(青色)のカラーフィルタ形成材料を含むものである。各液状体80R,80G,80Bを付与する方法は、前述の液状体の配置方法を用い、液滴吐出ヘッド50に各液状体80R,80G,80Bを充填し、液滴として被吐出領域Qに着弾させる。各液状体80R,80G,80Bは、被吐出領域Qの面積に応じて必要量が付与され、被吐出領域Qに濡れ拡がり、表面張力によって盛り上がる。そしてステップS24へ進む。
図14のステップS24は、描画されたカラーフィルタ505を乾燥して成膜化する工程である。ステップS24では、図15(c)に示すように、吐出描画されたカラーフィルタ505を一括乾燥し、各液状体80R,80G,80Bから溶剤成分を除去してカラーフィルタ505R,505G,505Bを成膜する。乾燥方法としては、溶剤成分を均質に乾燥可能な減圧乾燥などの方法が望ましい。そしてステップS25へ進む。
図14のステップS25は、OC層形成工程である。ステップS25では、図15(d)に示すように、カラーフィルタ505と上層バンク503とを覆うようにOC層506を形成する。OC層506の材料としては、透明なアクリル系樹脂材料を用いることができる。形成方法としては、スピンコート法、オフセット印刷などの方法が挙げられる。OC層506は、カラーフィルタ505が形成された対向基板501の表面の凹凸を緩和して、後にこの表面に膜付けされる対向電極507を平担化するために設けられている。また、対向電極507との密着性を確保するために、OC層506の上にさらにSiO2などの薄膜を形成してもよい。そしてステップS26へ進む。
図14のステップS26は、対向電極507を形成する工程である。ステップS26では、図15(e)に示すように、スパッタ法や蒸着法を用いてITOなどの透明電極材料を真空中で成膜して、OC層506を覆うように全面に対向電極507を形成する。
このようにして出来上がった対向基板501と画素電極510およびTFT素子511を有する素子基板508とを接着剤を用いて所定の位置で接着し、両基板501,508との間に液晶を充填すれば、液晶表示装置500ができ上がる。
以下、第4実施形態の効果を記載する。
(1)液晶表示装置500の製造方法において、色要素描画工程では、液晶表示パネル520の対向基板501の被吐出領域Qに、前述の液状体の配置方法で3種の液状体80R,80G,80Bを吐出して、3種の色要素としてのカラーフィルタ505R,505G,505Bが形成されている。そのため、被吐出領域Qの最大範囲に着弾候補位置(ドットd)からなるからなる第1配置パターンを生成し、この第1配置パターンをベースにして、所定数のドットdを消去して第2配置パターンを生成するという簡単な処理によって、カラーフィルタ505R,505G,505Bを形成することができる。そのため、生産効率を向上させることができる。
(2)この液晶表示装置500の製造方法では、前述の液状体の配置方法を用いるため着弾した液状体が被吐出領域Qの外にはみ出さない範囲に第1配置パターンを生成することができる。そのため、隣接する被吐出領域Qに色の違う液状体が混入したり、隣接する被吐出領域Qとの境界部分で液状体が混合することを防ぐことができる。
(3)この液晶表示装置500の製造方法では、前述の液状体の配置方法を用いるため、第1配置パターンから消去されるドットdの数を規定することによって、被吐出領域Qに配置される液状体の総量を容易に調整し管理することができる。液状体の配置量は、カラーフィルタ505R,505G,505Bにおける色度を左右する重要な因子であるため、配置される液状体の総量を定量管理することによって求める色度を実現することができる。
(第5実施形態)
次に前述の液状体の配置方法を用いた電気光学装置としての有機EL表示装置の製造方法およびこの製造方法を用いて製造された有機EL表示装置について説明する。
(有機EL表示装置)
図16は、有機EL表示装置の要部構造を示す概略断面図である。図16に示すように、本実施形態の電気光学装置としての有機EL表示装置600は、発光素子部603を有する素子基板601と、素子基板601と空間622を隔てて封着された封止基板620とを備えている。また素子基板601は、素子基板601上に回路素子部602を備えており、発光素子部603は、回路素子部602上に重畳して形成され、回路素子部602により駆動されるものである。発光素子部603には、3色の発光層617R,617G,617Bがそれぞれの色要素領域としての被吐出領域Qに形成され、ストライプ状となっている。素子基板601は、3色の発光層617R,617G,617Bに対応する3つの被吐出領域Qを1組の絵素とし、この絵素が素子基板601の回路素子部602上にマトリクス状に配置されたものである。本実施形態の有機EL表示装置600は、発光素子部603からの発光が素子基板601側に出射するものである。
封止基板620は、ガラス又は金属からなるもので、封止樹脂を介して素子基板601に接合されており、封止された内側の表面には、ゲッター剤621が貼り付けられている。ゲッター剤621は、素子基板601と封止基板620との間の空間622に侵入した水又は酸素を吸収して、発光素子部603が侵入した水又は酸素によって劣化することを防ぐものである。なお、このゲッター剤621は省略しても良い。
本実施形態の素子基板601は、回路素子部602上に複数の被吐出領域Qを有するものであって、複数の被吐出領域Qを区画する隔壁部としてのバンク618と、複数の被吐出領域Qに形成された電極613と、電極613に積層された正孔注入/輸送層617aとを備えている。また複数の被吐出領域Q内に発光層形成材料を含む3種の液状体を付与して形成された発光層617R,617G,617Bを有する色要素としての発光素子部603を備えている。バンク618は、下層バンク618aと被吐出領域Qを実質的に区画する上層バンク618bとからなり、下層バンク618aは、被吐出領域Qの内側に張り出すように設けられて、電極613と各発光層617R,617G,617Bとが直接接触して電気的に短絡することを防止するためにSiO2等の無機絶縁材料により形成されている。
素子基板601は、例えばガラス等の透明な基板からなり、素子基板601上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。なお、半導体膜607には、ソース領域607a及びドレイン領域607bが高濃度Pイオン打ち込みにより形成されている。なお、Pが導入されなかった部分がチャネル領域607cとなっている。さらに下地保護膜606及び半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、ゲート絶縁膜608上にはAl、Mo、Ta、Ti、W等からなるゲート電極609が形成され、ゲート電極609及びゲート絶縁膜608上には透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。ゲート電極609は半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置に設けられている。また、第1層間絶縁膜611aおよび第2層間絶縁膜611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ接続されるコンタクトホール612a,612bが形成されている。そして、第2層間絶縁膜611b上に、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明な電極613が所定の形状にパターニングされて配置され(電極形成工程)、一方のコンタクトホール612aがこの電極613に接続されている。また、もう一方のコンタクトホール612bが電源線614に接続されている。このようにして、回路素子部602には、各電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615が形成されている。なお、回路素子部602には、保持容量とスイッチング用の薄膜トランジスタも形成されているが、図16ではこれらの図示を省略している。
発光素子部603は、陽極としての電極613と、電極613上に順次積層された正孔注入/輸送層617a、各発光層617R,617G,617B(総称して発光層617b)と、上層バンク618bと発光層617bとを覆うように積層された陰極604とを備えている。なお、陰極604と封止基板620およびゲッター剤621を透明な材料で構成すれば、封止基板620側から発光する光を出射させることができる。
有機EL表示装置600は、ゲート電極609に接続された走査線(図示省略)とソース領域607aに接続された信号線(図示省略)とを有し、走査線に伝わった走査信号によりスイッチング用の薄膜トランジスタ(図示省略)がオンになると、そのときの信号線の電位が保持容量に保持され、該保持容量の状態に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ615のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ615のチャネル領域607cを介して、電源線614から電極613に電流が流れ、さらに正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを介して陰極604に電流が流れる。発光層617bは、これを流れる電流量に応じて発光する。有機EL表示装置600は、このような発光素子部603の発光メカニズムにより、所望の文字や画像などを表示することができる。
(有機EL表示装置の製造方法)
次に本実施形態の有機EL表示装置の製造方法について図17および図18に基づいて説明する。図17は、有機EL表示装置の製造方法を示すフローチャート、図18は、有機EL表示装置の製造方法を示す概略断面図である。なお、図18(a)〜(f)においては、素子基板601上に形成された回路素子部602は、図示を省略している。
図17に示すように、有機EL表示装置の製造方法は、素子基板601の複数の被吐出領域Qに対応する位置に電極613を形成する工程と、電極613に一部が掛かるように下層バンク618aを形成し、さらに下層バンク618a上に実質的に被吐出領域Qを区画するように上層バンク618bを形成するバンク(隔壁部)形成工程とを備えている。また上層バンク618bで区画された被吐出領域Qの表面処理を行う工程と、表面処理された被吐出領域Qに正孔注入/輸送層形成材料を含む液状体を付与して正孔注入/輸送層617aを吐出描画する工程と、吐出された液状体を乾燥して正孔注入/輸送層617aを成膜する工程とを備えている。また、正孔注入/輸送層617aが形成された被吐出領域Qの表面処理を行う工程と、表面処理された被吐出領域Qに色要素形成材料としての発光層形成材料を含む3種の液状体を付与して発光層617bを吐出描画する色要素描画工程としての発光層描画工程と、吐出された3種の液状体を乾燥して発光層617bを成膜する工程とを備えている。さらに、上層バンク618bと発光層617bを覆うように陰極604を形成する工程を備えている。各液状体の被吐出領域Qへの付与は、液状体吐出装置10を用いて行う。
図17のステップS31は、電極(陽極)形成工程である。ステップS31では、図18(a)に示すように、回路素子部602がすでに形成された素子基板601の被吐出領域Qに対応する位置に電極613を形成する。形成方法としては、例えば、素子基板601の表面にITO等の透明電極材料を用いて真空中でスパッタ法あるいは蒸着法で透明電極膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ法にて必要な部分だけを残してエッチングして電極613を形成する方法が挙げられる。また、フォトレジストで素子基板601を先に覆って、電極613を形成する領域が開口するように露光・現像する。そして開口部にITO等の透明電極膜を形成し、残存したフォトレジストを除く方法でもよい。そしてステップS32へ進む。
図17のステップS32は、バンク(隔壁部)形成工程である。ステップS32では、図18(b)に示すように、素子基板601の複数の電極613の一部を覆うように下層バンク618aを形成する。下層バンク618aの材料としては、無機材料である絶縁性のSiO2(酸化珪素)を用いている。下層バンク618aの形成方法としては、例えば、後に形成される発光層617bに対応して、各電極613の表面をレジスト等を用いてマスキングする。そしてマスキングされた素子基板601を真空装置に投入し、SiO2をターゲットあるいは原料としてスパッタリングや真空蒸着することにより下層バンク618aを形成する方法が挙げられる。レジスト等のマスキングは、後に剥離する。なお、下層バンク618aは、SiO2により形成されているため、その膜厚が200nm以下であれば十分な透明性を有しており、後に正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが積層されても発光を阻害することはない。
続いて、各被吐出領域Qを実質的に区画するように下層バンク618aの上に上層バンク618bを形成する。上層バンク618bの材料としては、後述する発光層形成材料を含む3種の液状体84R,84G,84Bの溶媒に対して耐久性を有するものであることが望ましく、さらに、フッ素系ガスを処理ガスとするプラズマ処理によりテトラフルオロエチレン化できること、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミドなどといった有機材料が好ましい。上層バンク618bの形成方法としては、例えば、下層バンク618aが形成された素子基板601の表面に感光性の前記有機材料をロールコート法やスピンコート法で塗布し、乾燥させて厚みがおよそ2μmの感光性樹脂層を形成する。そして、被吐出領域Qに対応した大きさで開口部が設けられたマスクを素子基板601と所定の位置で対向させて露光・現像することにより、上層バンク618bを形成する方法が挙げられる。これにより下層バンク618aと上層バンク618bとを有する隔壁部としてのバンク618が形成される。そして、ステップS33へ進む。
図17のステップS33は、被吐出領域Qを表面処理する工程である。ステップS33では、バンク618が形成された素子基板601の表面を、まずO2ガスを処理ガスとしてプラズマ処理する。これにより電極613の表面、下層バンク618aの張り出し部および上層バンク618bの表面(壁面を含む)を活性化させて親液処理する。次ぎにCF4等のフッ素系ガスを処理ガスとしてプラズマ処理する。これにより有機材料である感光性樹脂からなる上層バンク618bの表面のみにフッ素系ガスが反応して撥液処理される。そして、ステップS34へ進む。
図17のステップS34は、正孔注入/輸送層形成工程である。ステップS34では、図18(c)に示すように、正孔注入/輸送層形成材料を含む液状体82を被吐出領域Qに付与する。液状体82を付与する方法としては、前述の液状体吐出装置10を用いる。液滴吐出ヘッド50から吐出された液状体82は、液滴として素子基板601の電極613に着弾して濡れ拡がる。液状体82は被吐出領域Qの面積に応じて必要量が液滴として吐出され表面張力で盛り上がった状態となる。液状体吐出装置10により、1種の液状体82を吐出して描画するので、少なくとも1回の主走査により吐出描画が可能である。そしてステップS35へ進む。
図17のステップS35は、乾燥・成膜工程である。ステップS35では、素子基板601を例えばランプアニール等の方法で加熱することにより、液状体82の溶媒成分を乾燥させて除去し、電極613の下層バンク618aにより区画された領域に正孔注入/輸送層617aが形成される。本実施形態では、正孔注入/輸送層形成材料としてPEDOT(Polyethylene Dioxy Thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)を用いた。なお、この場合、各被吐出領域Qに同一材料からなる正孔注入/輸送層617aを形成したが、後の発光層の形成材料に対応して正孔注入/輸送層617aの材料を被吐出領域Qごとに変えてもよい。そしてステップS36へ進む。
図17のステップS36は、正孔注入/輸送層617aが形成された素子基板601を表面処理する工程である。ステップS36では、上記の正孔注入/輸送層形成材料を用いて正孔注入/輸送層617aを形成した場合、その表面が、次のステップS37で用いられる3種の液状体84R,84G,84Bに対して撥液性を有するので、少なくとも被吐出領域Qの領域内を再び親液性を有するように表面処理を行う。表面処理の方法としては、3種の液状体84R,84G,84Bに用いられる溶媒を塗布して乾燥する。溶媒の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法等の方法が挙げられる。そしてステップS37へ進む。
図17のステップS37は、RGB発光層描画工程である。ステップS37では、図18(d)に示すように、前述の液状体の配置方法を適用して液状体吐出装置10の異なる液滴吐出ヘッド50から複数の被吐出領域Qに発光層形成材料を含む3種の液状体84R,84G,84Bを付与する。液状体84Rは発光層617R(赤色)を形成する材料を含み、液状体84Gは発光層617G(緑色)を形成する材料を含み、液状体84Bは発光層617B(青色)を形成する材料を含んでいる。着弾した各液状体84R,84G,84Bは、被吐出領域Qに濡れ広がって断面形状が円弧状に盛り上がる。そして、ステップS38へ進む。
図17のステップS38は、乾燥・成膜工程である。ステップS38では、図18(eに示すように、吐出描画された各液状体84R,84G,84Bの溶媒成分を乾燥させて除去し、各被吐出領域Qの正孔注入/輸送層617aに各発光層617R,617G,617Bが積層されるように成膜化する。各液状体84R,84G,84Bが吐出描画された素子基板601の乾燥方法としては、溶媒の蒸発速度をほぼ一定とすることが可能な減圧乾燥が好ましい。そしてステップS39へ進む。
図17のステップS39は、陰極形成工程である。ステップS39では、図18(f)に示すように、素子基板601の各発光層617R,617G,617Bと上層バンク618bの表面とを覆うように陰極604を形成する。陰極604の材料としては、Ca、Ba、Al等の金属やLiF等のフッ化物を組み合わせて用いるのが好ましい。特に発光層に近い側に仕事関数が小さいCa、Ba、LiFの膜を形成し、遠い側に仕事関数が大きいAl等の膜を形成するのが好ましい。また、陰極604の上にSiO2、SiN等の保護層を積層してもよい。このようにすれば、陰極604の酸化を防止することができる。陰極604の形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法等が挙げられる。特に発光層の熱による損傷を防止できるという点では、蒸着法が好ましい。このようにして出来上がった素子基板601を用いて有機EL表示装置600を製造する。
以下、第5実施形態の効果を記載する。
(1)この有機EL表示装置600の製造方法において、発光層描画工程では、正孔注入/輸送層617aが形成された素子基板601の被吐出領域Qに、前述の液状体の配置方法を用いて3種の液状体84R,84G,84Bを吐出して、3種の色要素としての発光層617R,617G,617Bが形成されている。そのため、被吐出領域Qの最大範囲に着弾候補位置(ドットd)からなるからなる第1配置パターンを生成し、この第1配置パターンをベースにして、所定数のドットdを消去して第2配置パターンを生成するという簡単な処理によって、発光層617R,617G,617Bを形成することができる。そのため、生産効率を向上させることができる。
(2)この有機EL表示装置600の製造方法では、前述の液状体の配置方法を用いるため着弾した液状体が被吐出領域Qの外にはみ出さない範囲に第1配置パターンを生成することができる。そのため、隣接する被吐出領域Qに色の違う液状体が混入したり、隣接する被吐出領域Qとの境界部分で液状体が混合することを防ぐことができる。
(3)この有機EL表示装置600の製造方法では、前述の液状体の配置方法を用いるため、第1配置パターンから消去されるドットdの数を規定することによって、被吐出領域Qに配置される液状体の総量を容易に調整し管理することができる。液状体の配置量は、発光層617R,617G,617Bにおける色度を左右する重要な因子であるため、配置される液状体の総量を定量管理することによって求める色度を実現することができる。
液状体吐出装置の構成を示す概略斜視図。 液滴吐出ヘッドの構造を示す概略図。 ヘッドユニットにおける液滴吐出ヘッドの配置を示す概略平面図。 液状体吐出装置の制御系を示すブロック図。 液滴吐出ヘッドの制御を説明する図。 第1実施形態の液状体の配置方法を示すフローチャート。 ノズル検査を説明する概略図。 配置パターンとノズルの関係を説明する図。 第1実施形態における配置パターンを説明する図。 第2実施形態における配置パターンを説明する図。 第3実施形態の液状体の配置方法を示すフローチャート。 第3実施形態における配置パターンを説明する図。 液晶表示装置の構造を示す概略斜視図。 液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート。 液晶表示装置の製造方法を示す概略断面図。 有機EL装置の要部構造を示す概略断面図。 有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 有機EL装置の製造方法を示す概略断面図。
符号の説明
4…制御部、8…キャリッジ、9…ヘッドユニット、9a…ヘッドプレート、10…液状体吐出装置、15…撮像装置、20…基板移動機構、30…ヘッド移動機構、50…液滴吐出ヘッド、52,52i…ノズル、52a…ノズル列、60…メンテナンス機構、70…吐出検査機構、90…着弾候補位置、500…液晶表示装置、505R,505G,505B…カラーフィルタ、600…有機EL表示装置、617R,617G,617B…発光層、B…基板、D…液滴、d…ドット、Q…被吐出領域、R…仮想領域。

Claims (6)

  1. 液状体を吐出する複数のノズルが列状に配置されたノズル列と基板とを相対移動させながら、前記基板上の被吐出領域に前記ノズルから前記液状体を配置する液状体の配置方法であって、
    複数の前記ノズルの吐出状態を検査するノズル検査工程と、
    前記被吐出領域内に、前記ノズル列方向のノズル間隔と前記相対移動方向の吐出間隔とにより前記液状体が着弾する複数の着弾候補位置に対応するドットからなる第1配置パターンを生成する第1配置パターン生成工程と、
    前記第1配置パターンから所定数の前記ドットを消去してなる第2配置パターンを生成する第2配置パターン生成工程と、
    前記第2配置パターンに基づいて前記ノズルから前記被吐出領域内に前記液状体を吐出して配置する液状体配置工程と、を有し、
    前記第1配置パターン生成工程では、前記ノズル検査工程で得られた検査結果に基づき、前記液状体が前記被吐出領域内に着弾可能な最大範囲に前記第1配置パターンを生成することを特徴とする液状体の配置方法。
  2. 前記第2配置パターン生成工程では、前記第1配置パターンから所定数の前記ドットを消去することによって、前記被吐出領域内に供給される前記液状体の量を調整することを特徴とする請求項1に記載の液状体の配置方法。
  3. 前記第2配置パターン生成工程では、前記ノズル検査工程で得られた検査結果によって、吐出不具合の虞のある前記ノズルに対応する前記ドットを優先的に消去することを特徴とする請求項1または2に記載の液状体の配置方法。
  4. 前記第2配置パターン生成工程では、前記被吐出領域の境界により近い前記着弾候補位置に対応する前記ドットを優先的に消去することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液状体の配置方法。
  5. 複数の前記ノズルから前記被吐出領域の前記ドットに配置される前記液状体の配置状態を検査する配置状態検査工程を有し、
    前記第2配置パターン生成工程では、前記配置状態検査工程で得られた検査結果により、配置された液状体のばらつきを補正するように前記ドットを消去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液状体の配置方法。
  6. 少なくとも一方の基板上に設けられる隔壁部によって区画された複数の色要素領域を有する電気光学パネルを備えた電気光学装置の製造方法であって、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液状体の配置方法を適用して、前記基板上の前記複数の色要素領域に、色要素形成材料を含む複数種の液状体を配置して複数種の色要素を描画する色要素描画工程と、
    描画された色要素を乾燥して成膜化する成膜工程と、を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012110840A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Seiko Epson Corp 液状体吐出方法、及びカラーフィルターの製造方法

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