JP2010036133A - ガス処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】揮発性有機化合物を含むガスの処理効率を向上可能なガス処理方法を提供する。
【解決手段】揮発性有機化合物を含む被処理ガスを、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョン17と接触させること、エマルジョン17と接触後の被処理ガスを担体配置部12に充填された微生物担持担体18a,18bに接触させること、及び微生物担持担体18a,18bに、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョンを散布手段13から散布することを含む。
【選択図】図1
【解決手段】揮発性有機化合物を含む被処理ガスを、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョン17と接触させること、エマルジョン17と接触後の被処理ガスを担体配置部12に充填された微生物担持担体18a,18bに接触させること、及び微生物担持担体18a,18bに、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョンを散布手段13から散布することを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガス処理方法及び処理装置に関し、とりわけ揮発性有機化合物を含むガスの処理方法及び処理装置に関する。
近年、各種工場等から排出されるガス中に含まれる浮遊粒子状物質や光化学オキシダントによる大気汚染の問題が深刻化していることから、これらの大気汚染物質の排出量が規制されている。特に、塗装工場及び印刷工場等から排出されるガスに含まれる揮発性有機化合物は、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因物質でもあることから、各工場からの排出量が厳しく制限されている。このため、これらの物質の排出及び/又は飛散を削減するための技術が広く求められている。
揮発性有機化合物を含むガスの処理方法としては、例えば、揮発性有機化合物を吸着する吸着材に微生物及びマイクロナノバブルを含む洗浄水を散水し、ガス中の有機化合物を吸収・生物分解する方法等が提案されている(例えば、特許文献1)。また、揮発性有機化合物を溶解可能な高沸点の鉱物油、植物性油及び動物油等を噴霧し、ガス中の有機化合物を吸収する方法等も知られている(例えば、特許文献2)。
特開2007−136422号公報
特開平10−128049号公報
しかしながら、従来の方法では処理効率が十分とはいえず、処理効率のさらなる向上が求められている。そこで、本発明は、処理効率を向上可能な、新たなガスの処理方法及びその方法を行うためのガス処理装置を提供する。
本発明のガス処理方法は、被処理ガスをエマルジョンと接触させること、エマルジョンと接触後の被処理ガスを微生物担持担体と接触させること、及び、前記エマルジョンを前記微生物担持担体に散布することを含み、前記エマルジョンは、水、界面活性剤及び植物性油を含み、前記被処理ガスは、揮発性有機化合物を含む、ガスの処理方法である。
また、本発明のガス処理装置は、本発明のガス処理方法を行うためのガス処理装置であって、エマルジョン配置部と、微生物担持担体を配置可能な担体配置部と、前記担体配置部にエマルジョンを散布可能な散布手段とを備え、前記エマルジョン配置部は、被処理ガス導入口を備え、前記担体配置部は、前記エマルジョン配置部の上部に位置する、ガス処理装置である。
本発明によれば、処理効率を向上可能なガスの処理方法及びガス処理装置を提供できる。
[ガス処理方法]
本発明のガス処理方法は、揮発性有機化合物(以下、「VOC」ともいう)を含む被処理ガスを、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョンと接触させること、エマルジョンと接触後の被処理ガスを微生物担持担体と接触させること、及び、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョンを、前記微生物担持担体に散布することを含む。本発明のガス処理方法は、被処理ガスを、水、界面活性剤および植物性油を含むエマルジョンと、微生物担持担体との2段階で処理すれば、処理効率が向上し、さらに、前記エマルジョンを微生物担持担体に散布することによって、微生物への水分・栄養源の供給と、担体の洗浄及びエマルジョンに吸収された揮発性有機化合物等の微生物担持担体による吸着及び/又は分解とを同時に行うことができるという知見に基づく。
本発明のガス処理方法は、揮発性有機化合物(以下、「VOC」ともいう)を含む被処理ガスを、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョンと接触させること、エマルジョンと接触後の被処理ガスを微生物担持担体と接触させること、及び、水、界面活性剤及び植物性油を含むエマルジョンを、前記微生物担持担体に散布することを含む。本発明のガス処理方法は、被処理ガスを、水、界面活性剤および植物性油を含むエマルジョンと、微生物担持担体との2段階で処理すれば、処理効率が向上し、さらに、前記エマルジョンを微生物担持担体に散布することによって、微生物への水分・栄養源の供給と、担体の洗浄及びエマルジョンに吸収された揮発性有機化合物等の微生物担持担体による吸着及び/又は分解とを同時に行うことができるという知見に基づく。
したがって、本発明のガス処理方法によれば、ガスの処理効率を向上させることが可能になる。また、本発明のガス処理方法によれば、設備コストやランニングコストの低減も好ましくは可能になる。さらに、本発明のガス処理方法によれば、好ましくは揮発性有機化合物の少なくとも一部がエマルジョンに吸収された被処理ガスを微生物担持担体と接触させるため、微生物担持担体のメンテナンス回数及び/又はランニングコストの低減が好ましくは可能になる。
[被処理ガス]
本発明において被処理ガスとは、揮発性有機化合物を含むガスである。揮発性有機化合物を含むガスとしては、例えば、塗料工場、印刷工場、化学工場、食品工場、蛍光灯製造工場、液晶モジュール製造工場、電子部品の製造工場、畜舎等から排出されるガスが挙げられる。本発明において揮発性有機化合物とは、大気中に排出され又は飛散した時に気体である有機化合物のことをいう。VOCガスとしては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、スチレン、スチレンモノマー、メチルエチルケトン、2−プロパノール、ジクロロメタン、ベンゼン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、パラジクロロベンゼン及びトリクロロエチレン等を含むガスが挙げられる。被処理ガスは、その他に、例えば、アンモニア、硫化水素、硫化メチル、メチルメルカプタン、低級脂肪酸等を含んでもよい。低級脂肪酸としては、例えば、酢酸、酪酸、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸及びイソ吉草酸等が挙げられる。
本発明において被処理ガスとは、揮発性有機化合物を含むガスである。揮発性有機化合物を含むガスとしては、例えば、塗料工場、印刷工場、化学工場、食品工場、蛍光灯製造工場、液晶モジュール製造工場、電子部品の製造工場、畜舎等から排出されるガスが挙げられる。本発明において揮発性有機化合物とは、大気中に排出され又は飛散した時に気体である有機化合物のことをいう。VOCガスとしては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、スチレン、スチレンモノマー、メチルエチルケトン、2−プロパノール、ジクロロメタン、ベンゼン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、パラジクロロベンゼン及びトリクロロエチレン等を含むガスが挙げられる。被処理ガスは、その他に、例えば、アンモニア、硫化水素、硫化メチル、メチルメルカプタン、低級脂肪酸等を含んでもよい。低級脂肪酸としては、例えば、酢酸、酪酸、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸及びイソ吉草酸等が挙げられる。
[エマルジョン]
本発明においてエマルジョン(エマルションともよばれる)とは、水、界面活性剤及び植物性油を含み、好ましくは水に植物性油が分散された状態のことをいい、より好ましくは界面活性剤が乳化剤として機能し、植物性油が水に分散した状態である。このため、本発明におけるエマルジョンは、好ましくは、水中油型(O/W型)エマルジョンや水系分散液ともいうことができる。エマルジョンは、例えば、水、界面活性剤及び植物性油を混合し攪拌することによって得ることができる。
本発明においてエマルジョン(エマルションともよばれる)とは、水、界面活性剤及び植物性油を含み、好ましくは水に植物性油が分散された状態のことをいい、より好ましくは界面活性剤が乳化剤として機能し、植物性油が水に分散した状態である。このため、本発明におけるエマルジョンは、好ましくは、水中油型(O/W型)エマルジョンや水系分散液ともいうことができる。エマルジョンは、例えば、水、界面活性剤及び植物性油を混合し攪拌することによって得ることができる。
[植物性油]
本発明において「植物性油」とは、植物を原材料として得られる油のことをいう。植物性油としては、例えば、食用油、乾性油等が挙げられ、中でも、安全性、入手容易性及び微生物の栄養の基質成分ともなり得る点から、食用油が好ましい。本発明において「食用油」とは、料理等の飲食に供される油のことをいい、好ましくは動物やヒトが消費しても大きな副作用や毒性反応を示すことがない油のことをいう。食用油としては、例えば、ココナッツオイル、コーン油、綿実油、パーム油、こめ油、ピーナッツ油、菜種油、紅花油、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、オリーブ油等が挙げられ、1種類のみを使用しても良いし、これらを組み合わせて使用してもよい。中でもココナッツオイルが好ましく、ココナッツオイルとごま油及び/又は大豆油とを組み合わせて使用することがより好ましい。また、植物性油として、サラダ油を使用しても良い。本発明においてサラダ油とは、日本農林規格(JAS)規格のある原材料を使用し、JAS認定工場で製造されたものであって、好ましくは低温下でも長時間結晶化しないように精製された精製植物性油のことをいう。サラダ油の原材料としては、菜種、綿実、大豆、ごま、紅花、ひまわり、トウモロコシ、こめ(米糠)及び落花生が挙げられる。
本発明において「植物性油」とは、植物を原材料として得られる油のことをいう。植物性油としては、例えば、食用油、乾性油等が挙げられ、中でも、安全性、入手容易性及び微生物の栄養の基質成分ともなり得る点から、食用油が好ましい。本発明において「食用油」とは、料理等の飲食に供される油のことをいい、好ましくは動物やヒトが消費しても大きな副作用や毒性反応を示すことがない油のことをいう。食用油としては、例えば、ココナッツオイル、コーン油、綿実油、パーム油、こめ油、ピーナッツ油、菜種油、紅花油、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、オリーブ油等が挙げられ、1種類のみを使用しても良いし、これらを組み合わせて使用してもよい。中でもココナッツオイルが好ましく、ココナッツオイルとごま油及び/又は大豆油とを組み合わせて使用することがより好ましい。また、植物性油として、サラダ油を使用しても良い。本発明においてサラダ油とは、日本農林規格(JAS)規格のある原材料を使用し、JAS認定工場で製造されたものであって、好ましくは低温下でも長時間結晶化しないように精製された精製植物性油のことをいう。サラダ油の原材料としては、菜種、綿実、大豆、ごま、紅花、ひまわり、トウモロコシ、こめ(米糠)及び落花生が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、例えば、リン脂質、ペプチド及びサポニン等が挙げられ、微生物の栄養源にもなりうることからリン脂質が好ましい。また、リン脂質、ペプチド及びサポニンのうち1種類のみを使用しても良いし、これらを組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、リン脂質、ペプチド及びサポニン等が挙げられ、微生物の栄養源にもなりうることからリン脂質が好ましい。また、リン脂質、ペプチド及びサポニンのうち1種類のみを使用しても良いし、これらを組み合わせて使用してもよい。
リン脂質としては、乳化剤として使用可能なリン脂質が使用でき、例えば、卵黄レシチン及び植物レシチン等のレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン等が挙げられ、中でも植物レシチン等のレシチン及びホスファチジルエタノールアミンが好ましい。
ペプチドとしては、乳化剤として使用可能なペプチドが使用でき、例えば、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン及びケラチン等が挙げられる。
サポニンとしては、例えば、植物由来のサポニン及び微生物由来のサポニンが挙げられ、好ましくは植物由来のサポニンである。植物としては、例えば、桔梗、キラヤ、ムクロジ、サイカチ、イトヒメハギ、ヨーロッパカンゾウ、ヒロハセネガ、ヒナタイノコズチ、ミシマサイコ、アケビ、ミツバアケビ、エゴノキ、ジャノヒゲ、ハスナゲ、及びヤマノイモ等が挙げられる。また、サポニンは、トリペルテンサポニン及びステロイドサポニンに分類され、これらの一方を使用してもよいし、これらを組み合わせて使用してもよい。トリペルテンサポニンとしては、オレアナン型サポニン及びダマラン型サポニン等がある。オレアナン型サポニンとしては、例えば、プラチコジンD(桔梗由来)、エンメイヒサポニン(サイカチ由来)、サピンダサポニン(ムクロジ由来)、キラヤサポニン(キラヤ由来)、オンジサポニンG(イトヒメハギ由来)、セネギン(ヒロハセネガ由来)、オンジサポニンG(イトヒメハギ由来)、グリチルリチン(ヨーロッパカンゾウ由来)アケボサイドStk(アケビ又はミツバアケビ由来)、サイコサポニンa(ミシマサイコ由来)等が挙げられる。ステロイドサポニンとしては、例えば、オフィオポゴニンA(ジャノヒゲ由来)、チモサポニンA−III(ハスナゲ由来)、ディオシチン(ヤマノイモ由来)、ジギトニン(ジギタリス由来)等が挙げられる。サポニンは、1種類で使用しても良いし、これらのものを組み合わせて使用しても良い。
エマルジョン中の植物性油の割合は、例えば、5〜50重量%であり、5〜35重量%が好ましく、7〜30重量%がより好ましい。界面活性剤の割合は、例えば、1〜10重量%であり、3〜8重量%が好ましく、4〜5重量%がより好ましい。水の割合は、例えば、70〜94重量%であり、80〜89重量%が好ましい。また、水100重量部に対し、例えば、植物性油が5〜50重量部、界面活性剤が1〜10重量部が好ましく、処理効率及びランニングコストの点から、植物性油が10〜30重量部、界面活性剤が5重量部であることがより好ましい。
[微生物担持担体]
本発明において微生物担持担体とは、微生物を担持可能な担体に微生物を担持させたものをいい、例えば、被処理ガス中の揮発性有機化合物の吸着及び/又は分解が可能な担体のことをいう。微生物を担持可能な担体としては、ガス処理に使用される公知の担体を使用でき、例えば、被処理ガスの成分や担持させる微生物の種類等に応じて適宜決定できる。担体としては、例えば、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、光硬化性樹脂及びウレタン樹脂等の合成高分子樹脂;オイルスポンジ、寒天、アガロース、カラギーナン、アルギン酸等の天然高分子;キトサン、セルロース、セラミックス、ゼオライト等の有機又は無機材料等で形成された担体が挙げられ、好ましくはポリオレフィン、オイルスポンジ、並びに、もみ殻、ゼオライト、硬質ウレタンフォーム及びグラススラブ等を含むロックウールで形成された担体である。保水性及び安定性の観点からポリオレフィン素材の担体が好ましく、環境面の観点から生分解性であるオイルスポンジが好ましい。
本発明において微生物担持担体とは、微生物を担持可能な担体に微生物を担持させたものをいい、例えば、被処理ガス中の揮発性有機化合物の吸着及び/又は分解が可能な担体のことをいう。微生物を担持可能な担体としては、ガス処理に使用される公知の担体を使用でき、例えば、被処理ガスの成分や担持させる微生物の種類等に応じて適宜決定できる。担体としては、例えば、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、光硬化性樹脂及びウレタン樹脂等の合成高分子樹脂;オイルスポンジ、寒天、アガロース、カラギーナン、アルギン酸等の天然高分子;キトサン、セルロース、セラミックス、ゼオライト等の有機又は無機材料等で形成された担体が挙げられ、好ましくはポリオレフィン、オイルスポンジ、並びに、もみ殻、ゼオライト、硬質ウレタンフォーム及びグラススラブ等を含むロックウールで形成された担体である。保水性及び安定性の観点からポリオレフィン素材の担体が好ましく、環境面の観点から生分解性であるオイルスポンジが好ましい。
被処理ガスがトルエン、酢酸エチル、イソプロパノール、酢酸ブチル、ベンゼン等を含む場合、例えば、モレキュラシーブ等のゼオライト、ポリオレフィン素材、オイルスポンジ等の担体が使用できる。被処理ガスがキシレン等を含む場合、例えば、モレキュラシーブ等のゼオライト、オイルスポンジ、セラミックス、活性炭、繊維性活性炭、多孔質カーボン、ヤシガラ、ピートモス等の天然繊維質の担体が使用できる。被処理ガスがアンモニア、硫化水素、硫化メチル及びメチルメルカプタン等を含む場合、例えば、ロックウールを主成分とし、さらにもみ殻、ゼオライト硬質ウレタンフォーム及びグラススラブ等が配合された担体を使用できる(特開2006−150135号公報参照)。ポリオレフィン素材の担体としては、例えば、ソフロンキューブ(商品名:積水アクアシステム株式会社製)が挙げられる。担体の気泡の形状は、独立気泡及び連続気泡のいずれであっても良く、微生物の担持の観点から連続気泡が好ましい。担体は、1種類であっても良いし、2種類以上の複数種類の担体を組み合わせたものであっても良い。
担体に担持させる微生物としては、ガス処理に使用される微生物が使用でき、例えば、バチルス属、シュードモナス属、フラバオバクテリューム属、アシイノバクター属、マイクロカーハウス属、ジャニバクター・ブレビス等のジャニバクター属、メタン資化属、アルカリジェネス属、マイコバクテリウム属、バクテリウム属、ニトロソモナス属、アンシロバクター属、キサントバクター属、マイコバクテリウム属、ロドコッカス属、バシラス属、ミクロコッカス属、コリネバクテリウム属及びアシネトバクター属等が挙げられる。被処理ガスがトルエンを含む場合、例えば、バチルス属が好ましい。被処理ガスがキシレンを含む場合、例えば、シュードモナス属が好ましい。微生物は、1種類の微生物を単独で使用してもよいし、2種類以上の微生物を組み合わせて使用してもよい。
本発明のガス処理方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、被処理ガスをエマルジョンに接触させる。これにより、被処理ガス中の揮発性有機化合物をエマルジョン、好適にはエマルジョン中の植物性油に吸収させることができる。また、微生物担持担体との接触前に、被処理ガスをエマルジョンに接触させることによって、例えば、微生物の活性及び生育に適した湿度の被処理ガスを微生物担持担体に供給することができる。
被処理ガスとエマルジョンとの接触は、例えば、エマルジョンを被処理ガスに散布及び/又は噴霧することによって行っても良いし、被処理ガスをエマルジョン内に供給することによって行っても良い。被処理ガスとエマルジョンとの接触は、処理効率向上の点から、被処理ガスをエマルジョン内に供給することが好ましく、被処理ガスをより均一にエマルジョンと接触させる点から、エマルジョン内にバブル(気泡)状の被処理ガスを供給することがより好ましい。被処理ガスをバブル(気泡)状にしてエマルジョン内に供給することによって、例えば、被処理ガスとエマルジョンとの接触面を増加し、より均一に被処理ガスをエマルジョンに接触させることが可能になり、処理効率を向上できる。また、バブル状の被処理ガスをエマルジョンに供給することによって、エマルジョンを攪拌することができ、例えば、植物性油の分散を均一な状態に保つこともできる。バブル(気泡)状の被処理ガスの供給は、例えば、エマルジョン内に配置した散気管及び/又は散気板を通じて被処理ガスを供給することによって行うことができる。
エマルジョンの温度は、被処理ガスに含まれる揮発性有機化合物の種類及び被処理ガスの温度等に応じて適宜設定でき、例えば、15〜30℃であり、25〜30℃が好ましい。
つぎに、エマルジョンと接触させた被処理ガスを微生物担持担体と接触させ、また、微生物担持担体にエマルジョンを散布する。被処理ガスを微生物担持担体と接触させることにより、被処理ガス中の揮発性有機化合物が、微生物及び/又は担体によって分解及び/又は吸着させることができる。また、微生物担持担体にエマルジョンを散布することにより、微生物を活性化することができ、担体に吸着した揮発性有機化合物をエマルジョンによって洗浄及び/又は吸収することができる。エマルジョンの散布は、連続的に行っても良いし、断続的に行っても良い。
被処理ガスと微生物担持担体との接触は、例えば、エマルジョンとの接触後の被処理ガスを微生物担持担体に供給することによって行うことができる。例えば、1つの処理槽の底部にエマルジョン、その上部に微生物担持担体をそれぞれ配置し、処理槽の底部のエマルジョンに被処理ガスを供給し、エマルジョンと接触後の被処理ガスを処理槽内を上昇させることによって、微生物担持担体に供給しても良い。また、例えば、エマルジョンとの接触を行う処理槽とは別に、微生物担持担体を配置した生物処理槽を準備し、連結管を通じてエマルジョン接触槽からエマルジョンと接触後の被処理ガスを生物処理槽に供給することによって行っても良い。
エマルジョンの散布は、例えば、微生物担持担体にエマルジョンを供給することによって行うことができ、好ましくは、エマルジョンをシャワー状にして噴霧及び/又は吐出することや、エマルジョンを霧状にして噴霧することによって行うことができる。エマルジョンの散布は、連続的に行っても良いし、断続的(間欠)に行っても良い。散布するエマルジョンの温度は、微生物の生育環境及び活性の観点から、例えば、15〜30℃であり、25〜30℃が好ましい。また、エマルジョンのpHは、同様の観点から、例えば、2〜8であることが好ましい。
エマルジョンは、さらに、微生物のその他の栄養源を含んでも良い。その他の栄養源としては、例えば、フェノール及びトルエン等の芳香族系炭化水素、ピルビン酸、フマル酸、酢酸、ギ酸、酪酸、安息香酸及び乳酸等の有機酸、グルコース、トレハロース、スクロース等の糖、アミノ酸、核酸及びビタミン等の活性化物質等が挙げられる。
[ガス処理装置]
本発明のガス処理装置は、本発明のガス処理方法を行うためのガス処理装置であって、被処理ガス導入口を備えるエマルジョン配置部と、エマルジョン配置部の上部に位置し、かつ、微生物担持担体を配置可能な担体配置部と、微生物担持担体にエマルジョンを散布可能な散布手段とを備える。本発明のガス処理装置によれば、本発明のガス処理方法を、効率よく行うことができる。
本発明のガス処理装置は、本発明のガス処理方法を行うためのガス処理装置であって、被処理ガス導入口を備えるエマルジョン配置部と、エマルジョン配置部の上部に位置し、かつ、微生物担持担体を配置可能な担体配置部と、微生物担持担体にエマルジョンを散布可能な散布手段とを備える。本発明のガス処理装置によれば、本発明のガス処理方法を、効率よく行うことができる。
エマルジョン配置部は、エマルジョンを配置可能であり、また、被処理ガス導入口を備え、被処理ガス導入口を通じて被処理ガスを直接エマルジョン内に供給可能であることが好ましい。エマルジョン配置部には、孔を有する散気手段が配置され、散気手段は被処理ガス導入口に接続されていることが好ましい。これにより、散気手段を通じてバブル(気泡)状の被処理ガスをエマルジョン配置部に配置されたエマルジョンに供給できる。散気手段としては、例えば、散気板及び散気管等が挙げられる。散気手段の孔径は、例えば、0.001〜0.5mmであることが好ましい。
担体配置部は、微生物担持担体を配置可能であって、エマルジョン配置部の上部に位置している。これにより、エマルジョン配置部に導入された被処理ガスを、ガスの流れ(上昇)に従い微生物担持担体に接触させることができる。担体配置部は、例えば、微生物担持担体を配置可能であって、通気性及び通水性を備える仕切り板をガス処理装置内に配置することによって形成できる。仕切り板は、例えば、網状部材及び有孔部材(多孔板)等の孔を有する部材によって形成できる。
担体配置部は、微生物担持担体を配置可能な担体充填部を複数有することが好ましい。担体充填部を複数有すれば、被処理ガスの成分に応じた担体や微生物を複数種類担体配置部に配置させることが可能になるからである。担体充填部は、充填された微生物担持担体への被処理ガスの接触及びエマルジョンの散布が可能であれば良く、例えば、上記担体配置部と同様の仕切り板によって形成することができる。また、担体充填部は、メンテナンスの点から、着脱可能であることが好ましく、取扱いが容易であることから、引き出し式であることがより好ましい。担体充填部は、例えば、横方向に並べて形成しても良いし、縦方向に積層して形成しても良いが、処理効率の向上及びガス処理装置の小スペース化の点から、ガス処理装置内におけるガスの流れに沿って縦方向に積層することが好ましい。担体充填部の数は、ガス処理装置の大きさに応じて適宜設定することができ、例えば、2、3、4、5又はそれ以上である。
散布手段は、担体配置部に配置された微生物担持担体にエマルジョンを散布するためのものであって、担体配置部の上部に位置していることが好ましい。散布手段としては、例えば、散水ノズル及び散水管等が挙げられる。ランニングコストの点から、散布手段は、エマルジョン配置部内のエマルジョンを散布可能なようにエマルジョン配置部と配管によって連結されていることが好ましい。
本発明のガス処理装置は、担体配置部の上部にガス排出口が形成されていることが好ましい。また、ガス排出口から排出された処理後のガスを、被処理ガスとしてエマルジョン配置部に供給可能な配管をさらに備えることが好ましい。この配管を通じて処理後のガスを再度被処理ガスとして供給することによって、処理効率のさらなる向上が好ましくは可能である。
つぎに、本発明のガス処理装置の例について図面を用いて説明する。但し、本発明は以下の例に制限されない。
(実施形態1)
図1は、本発明のガス処理装置の構成の一例を概略的に示す概略模式図である。図1に示すように、本実施形態におけるガス処理装置1は、エマルジョン配置部11、担体配置部12及び散布手段13を備える。エマルジョン配置部11には、ガス導入口14が形成されており、ガス導入口14に接続されたパイプP2を通じて矢印A方向に被処理ガスを導入可能である。ガス処理装置1の上面には、ガス排出口15が形成されており、エマルジョン配置部11及び担体配置部12を通過した処理後のガスを、ガス排出口15を通じて矢印B方向に排出可能である。
図1は、本発明のガス処理装置の構成の一例を概略的に示す概略模式図である。図1に示すように、本実施形態におけるガス処理装置1は、エマルジョン配置部11、担体配置部12及び散布手段13を備える。エマルジョン配置部11には、ガス導入口14が形成されており、ガス導入口14に接続されたパイプP2を通じて矢印A方向に被処理ガスを導入可能である。ガス処理装置1の上面には、ガス排出口15が形成されており、エマルジョン配置部11及び担体配置部12を通過した処理後のガスを、ガス排出口15を通じて矢印B方向に排出可能である。
エマルジョン配置部11にはパイプP1が接続されており、パイプP1の他端には散布手段13が連結されている。パイプP1にはポンプが形成されており、これによって、エマルジョン配置部11内のエマルジョン17を、パイプP1を通じて散布手段13から担体配置部12に散布可能である。エマルジョン配置部11は、例えば、ヒータ等の加熱手段(図示せず)や撹拌機(図示せず)等を有していても良い。加熱手段によって、エマルジョン17の温度を、例えば、微生物の活性及び揮発性有機化合物の吸収に最適な温度に調整することができる。撹拌機によってエマルジョン17を攪拌することによって、植物性油を均一に分散させることができる。
散布手段13は、管の長手方向に沿って孔が複数形成されており、この孔から担体配置部12にエマルジョンを散布することができる。
担体配置部12は、2つの担体充填部16を備え(但し、本実施形態においても、担体充填部の数は2つに限定されない)、担体充填部16にはそれぞれ微生物担持担体18a,18bを配置可能である。このように、担体充填部16を複数備えることによって、各担体充填部16に異なる種類の微生物担持担体18a,18bを配置することができる。
担体充填部16は、被処理ガスと接触可能であり、かつ、エマルジョンを散布可能なように、微生物担持担体を配置可能であれば良い。担体充填部16は、例えば、微生物担持担体を配置可能であって、孔を有する底面を少なくとも有していれば良く、微生物担持担体の落下を防ぐ点から、底面に加えて側面を有していても良い。また、担体充填部16は、取扱いの点から、着脱可能であることが好ましい。例えば、担体配置部12にガイドレール(図示せず)及びガイドストッパー(図示せず)を取り付け、担体充填部16を、ガイドレール上を移動させることによって着脱可能であっても良い。着脱可能な担体充填部16は、担体配置部12に、例えば、ロック金具等の留め金で固定することができる。
ガス処理装置1は、その他に、例えば、温度計(図示せず)及び湿度計(図示せず)等を備えていても良い。これらにより、例えば、ガス処理装置1内の温度及び湿度を、微生物の活性及び生育に適した状態に適宜調整できる。また、温度計及び湿度計は、担体配置部12に配置されていることが好ましく、例えば、各担体充填部16にそれぞれ配置されていても良い。
(実施形態2)
図2は、本発明のガス処理装置の構成のその他の例を概略的に示す模式図である。同図において、図1と同一箇所には同一の符号を付している。図2に示すように、本実施形態におけるガス処理装置2は、エマルジョン配置部11、担体配置部12及び散布手段13を備え、エマルジョン配置部11内には散気手段19が配置され、その一端がガス導入口14と接続している。これにより、被処理ガスをバブル状にしてエマルジョン配置部11内のエマルジョン17に供給できる。散布手段13として、複数の散水ノズルが配置されている。
図2は、本発明のガス処理装置の構成のその他の例を概略的に示す模式図である。同図において、図1と同一箇所には同一の符号を付している。図2に示すように、本実施形態におけるガス処理装置2は、エマルジョン配置部11、担体配置部12及び散布手段13を備え、エマルジョン配置部11内には散気手段19が配置され、その一端がガス導入口14と接続している。これにより、被処理ガスをバブル状にしてエマルジョン配置部11内のエマルジョン17に供給できる。散布手段13として、複数の散水ノズルが配置されている。
ガス処理装置2では、ガス排出口15が担体配置部12の上部であって、ガス処理装置15の側面に形成されている。ガス排出口15には、分岐部を有するパイプP3が接続されており、分岐したパイプP3の一方は、処理後のガスを外部に放出することが可能であり、他方は、処理後のガスを再度被処理ガスとしてエマルジョン配置部11に供給可能なようにパイプP2と連結している。このように、処理後のガスを循環させて、ガス処理を繰り返し行っても良いし、ガス導入口15から導入される被処理ガスのVOC濃度を調整しても良い。パイプP3には、複数のバルブが設けられており、各バルブの開閉により、処理後のガスの排出を制御できる。
エマルジョン配置部11には、パイプP4が接続されている。パイプP4にはバルブが設けられており、バルブの開閉によって水を適宜補充可能である。また、エマルジョン配置部11は、その他に、例えば、界面活性剤供給手段(図示せず)及び植物性油供給手段(図示せず)等を備えていても良い。
(実施形態3)
図3は、本発明のガス処理装置の構成のさらにその他の例を概略的に示す模式図である。同図において、図1及び2と同一箇所には同一の符号を付している。図3に示すように、本実施形態におけるガス処理装置3において、担体配置部12には3つの担体充填部16が形成されている。
図3は、本発明のガス処理装置の構成のさらにその他の例を概略的に示す模式図である。同図において、図1及び2と同一箇所には同一の符号を付している。図3に示すように、本実施形態におけるガス処理装置3において、担体配置部12には3つの担体充填部16が形成されている。
ガス導入口14と接続するパイプP2は、被処理ガスを導入するブロア(送風機)22及びチャンバー20をそれぞれ備えており、チャンバー20では、被処理ガスの湿度を調整可能である。また、パイプP2は、エマルジョン17がブロア22に逆流することを防ぐ観点から、ガス導入口14とブロア22との間に蛇行部を有していても良い。
各担体充填部16に充填する微生物及び微生物を担持させる担体の種類は、被処理ガスに含まれる揮発性有機化合物の種類に応じて適宜決定できる。本実施形態のように、担体配置部12に担体充填部16を3つ形成した場合、例えば、最上段の担体充填部16aにロドコッカス属の微生物を担持させた連続気泡のスポンジを配置し、中段の担体充填部16bにシュードモナス属の微生物を担持させた木片(ヤシガラ及びピートモス)を配置し、最下段の担体充填部16cにはバチルス属の微生物を担持させたゼオライト(モレキュラシーブ)を配置することができる。また、この場合、担体充填部16aに充填する連続気泡のスポンジの含水率は、例えば、5〜20重量%であることが好ましい。また担体充填部16bに充填する担体(木片)は、圧力損失の点から、ヤシガラ及びピートモスの割合を、ヤシガラ:ピートモス(体積比)=70:30でとすることが好ましい。
図3に示す構成のガス処理装置を用いてガスの処理を行った。担体配置部には、微生物(バチルス属)を担持させた微生物担持担体を配置した。担体は、ソフロンキューブ(商品名:積水アクアシステム株式会社製)を使用した。エマルジョンは、植物性油脂(ココナッツオイル)、水及びリン脂質(植物レシチン等のレシチン)の混合物を使用し、その比率は、植物性油:水:リン脂質(体積比)=10:100:5とした。また、エマルジョンには、微生物の栄養源としてアミノ酸、グルコースを添加した。被処理ガスは、印刷工場から排出されるトルエン及び酢酸ブチルを含むガスを使用した。エマルジョンの散布は、間欠制御で行い、3分間の散布を12分のインタバールで繰り返し行った。ガス導入口に導入する被処理ガスの流量は、30m3/minとした。なお、処理環境は、下記表1に示す通りであった。
パイプP2のガス導入口付近及びパイプP3のガス排出口付近には、それぞれVOC測定装置を接続し、ガス導入口に導入されるガス及びガス排出口から排出されるガス中の揮発性有機化合物の濃度を測定した。VOC測定装置は、新コスモス電機製 XCP3160(商品名)を用いた。得られた個々の揮発性有機化合物の濃度を総計し、それを総揮発性有機化合物(TVOC)濃度とし、その結果を下記表3及び図4Aのグラフに示す。なお、表3に示す処理率は、ガス導入口及びガス排出口におけるTVOC濃度(最大値)を用い下記式から算出した。
処理率(%)={(ガス導入口)−(ガス排出口)}/(ガス排出口)×100
処理率(%)={(ガス導入口)−(ガス排出口)}/(ガス排出口)×100
比較例として、エマルジョンに替えて、上記栄養源を添加した水を使用した以外は、上記実施例と同様に行った。その結果を下記表3及び図4Bのグラフに示す。なお、処理環境は下記表2に示すとおりであった。
図4A及びBのグラフは、ガス導入口及びガス排出口付近で測定したTVOC濃度の経時変化を示すグラフであって、図4Aが実施例の結果を示すグラフであり、図4Bが比較例の結果を示すグラフである。図4A及びBにおいて、実線がガス導入口付近で測定したTVOC濃度を示し、破線がガス排出口付近で測定したTVOC濃度を示す。図4Aに示すように、本実施例によれば、ガス排出口から排出されるガスのTVOC濃度は略一定であり、最大でも55ppmC、平均すると25ppm以下のレベルでトルエン及び酢酸ブチルを吸収及び/又は分解できた。一方、エマルジョンを使用しなかった比較例では、図4Bに示すように、処理開始から18分後から徐々にガス排出口から排出されるガスのTVOC濃度が徐々に増加し、最大で250ppmCにまで上昇し、またその平均値も150ppmCと実施例の5倍以上であった。また、実施例では、処理開始後57分には略0ppmCになったのに対し、比較例では、TVOC濃度が略0ppmCとなるまでに80分程度の処理時間が必要であった。
これらの結果から、エマルジョンを使用した実施例は、エマルジョンを使用しなかった比較例よりもVOC(トルエン及び酢酸ブチル)の吸収及び/又は分解速度が速く、また、その処理率も極めて高かった。したがって、本実施例によれば、ガスの処理効率を向上することができた。また、本実施例によれば、VOCの吸収及び/又は分解速度が速いため、ガス排出口から排出されるガス中のTVOC濃度を上昇させることなく、略一定のレベルでガス中のVOCを処理することができた。
本発明のガス処理方法及びガス処理装置は、例えば、塗料工場、印刷工場、化学工場、食品工場、蛍光灯製造工場、液晶モジュール製造工場、電子部品の製造工場、畜舎等から排出される揮発性有機化合物等を含むガスの処理に有用である。
1,2,3・・・ガス処理装置
11・・・エマルジョン配置部
12・・・担体配置部
13・・・散布手段
14・・・ガス導入口
15・・・ガス排出口
16,16a,16b,16c・・・担体充填部
17・・・エマルジョン
18a,18b・・・微生物担持担体
19・・・散気手段
20・・・チャンバー
21・・・湿度計
22・・・ブロア
P1〜P4・・・パイプ
11・・・エマルジョン配置部
12・・・担体配置部
13・・・散布手段
14・・・ガス導入口
15・・・ガス排出口
16,16a,16b,16c・・・担体充填部
17・・・エマルジョン
18a,18b・・・微生物担持担体
19・・・散気手段
20・・・チャンバー
21・・・湿度計
22・・・ブロア
P1〜P4・・・パイプ
Claims (8)
- ガスの処理方法であって、
被処理ガスをエマルジョンと接触させること、
エマルジョンと接触後の被処理ガスを微生物担持担体と接触させること、及び、
前記エマルジョンを前記微生物担持担体に散布することを含み、
前記エマルジョンは、水、界面活性剤及び植物性油を含み、
前記被処理ガスは、揮発性有機化合物を含む、ガス処理方法。 - 前記界面活性剤は、リン脂質、ペプチド及びサポニンからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1記載のガス処理方法。
- 前記植物性油は、食用油を含む、請求項1又は2に記載のガス処理方法。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のガス処理方法を行うためのガス処理装置であって、
エマルジョン配置部と、
微生物担持担体を配置可能な担体配置部と、
前記担体配置部にエマルジョンを散布可能な散布手段とを備え、
前記エマルジョン配置部は、被処理ガス導入口を備え、
前記担体配置部は、前記エマルジョン配置部の上部に位置する、ガス処理装置。 - 前記担体配置部は、着脱可能な担体充填部を複数有する、請求項4記載のガス処理装置。
- ガス排出口は、前記担体配置部の上部に形成されている、請求項4又は5に記載のガス処理装置。
- 前記ガス排出口から排出された処理後のガスを、被処理ガスとしてエマルジョン配置部に供給可能な配管をさらに備える、請求項6記載のガス処理装置。
- 前記散布手段は、前記エマルジョン配置部と配管によって連結されており、前記管を通じて、前記エマルジョン配置部内のエマルジョンを前記担体配置部に散布可能である、請求項4から7のいずれか1項に記載のガス処理装置。
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---|---|---|---|
JP2008203357A JP2010036133A (ja) | 2008-08-06 | 2008-08-06 | ガス処理方法及び処理装置 |
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ID=42009226
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KR101140245B1 (ko) | 2012-02-23 | 2012-05-15 | 코오롱아로마트릭스(주) | 메디아 복층부를 구비한 탈취장치 |
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CN103252155A (zh) * | 2013-05-21 | 2013-08-21 | 南京东博环境工程技术有限公司 | 一种水包油系乳化液治理有机废气的装置及其治理有机废气的方法 |
CN109289502A (zh) * | 2018-11-30 | 2019-02-01 | 江门市邑凯环保服务有限公司 | 一种强化生物法处理挥发性有机物的方法 |
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-
2008
- 2008-08-06 JP JP2008203357A patent/JP2010036133A/ja not_active Withdrawn
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