JP2010035744A - 癒着防止材 - Google Patents

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雅弥 伊東
Hiroaki Kaneko
博章 兼子
Hitoshi Hirata
仁 平田
Michio Yamamoto
美知郎 山本
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Abstract

【課題】腹腔以外の領域にも好ましく適用できる癒着防止材の提供。
【解決手段】多糖類誘導体のハイドロゲルからなり、生理的な塩濃度下において、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が1〜1000N/m増加することを特徴とする癒着防止材。好ましい多糖類誘導体としては、カルボキシメチルセルロースとホスファチジルエタノールアミンとの縮合反応生成物が例示される。
【選択図】なし

Description

本発明は、癒着防止材、詳しくは生理的な塩濃度になると粘弾性が増加することを特徴とする多糖類誘導体の癒着防止材に関する。本発明の癒着防止材は、腹腔以外の部位、とりわけ整形外科領域の癒着防止材として好ましく利用できる。
生体組織の癒着は、損傷を受けた臓器表面が再生する際に、他の組織と結合することにより発生する。そのため、手術後の癒着を防止するため生体適合性の材料であるセルロースなどの多糖類を使用した種々の癒着防止材が提案されている。
例えば、特許文献1には、水に溶解させると癒着防止材として有用なゲルを形成する、カルボキシメチルセルロースをホスファチジルエタノールアミンで修飾した誘導体が開示されている。しかし、具体的に効果が確認されているのはラットの腹腔内癒着モデルを用いた評価系におけるものであり、整形外科領域での癒着防止効果については記載も示唆もされていない。
手術後の癒着は、程度の差はあるにせよ、手術により高い割合で引き起こされる合併症であるが、癒着はその生じる部位によって性質が異なり、腹部の癒着で有効な癒着防止材が必ずしも他の部位の癒着防止に有用であるとは限らない。このことは、当業者に広く理解されているところである。例えば、池田らはウサギ坐骨神経癒着モデルにおいて、産婦人科領域で術後の腹膜の癒着防止に使用されている吸収性布状シート、インターシード(登録商標)は神経の癒着防止に有意な効果がないことを報告している(非特許文献1)。
一般的に効果が高い癒着防止材としては、手術した部位に貼付、あるいは塗布し、一定期間そこに留まり、物理的バリアとして機能することが望ましい。そのような観点から、ゲル材においては、濃度が高く、粘度が高い方がより滞留性が高く、癒着防止効果が高いと思われてきた。例えば、Dam-Hieu Pらは、ラット坐骨神経癒着モデルにおける自己架橋ヒアルロン酸ゲルの効果を検証し、その際粘度の異なる2種類のゲルを評価し、粘度の高い方がより癒着防止効果が高いと報告している(非特許文献2)。さらにBurns JWらは、ラット盲腸癒着モデルにおけるヒアルロン酸溶液の癒着防止効果の検討において、ヒアルロン酸の濃度が高いほど癒着防止が高まることを見出している(非特許文献3)。
しかしながら、本発明の癒着防止材においては、用いる特定構造のセルロース誘導体の複素弾性率が低いハイドロゲルであっても、機能を発揮すべき生理的条件下では予想外に高い複素弾性率となり、癒着防止効果を発現することが判明した。
国際公開WO2007/015579号パンフレット Hand Surg., 2002, Jul, 7(1), pp11-4, Ikeda etc. Neurosurgery., 2005 Apr;56(2 Suppl):425-33, Dam-Hieu P et al. J Surg Res., 1995 Dec;59(6):644-52, Burns JW et al.
本発明の目的は、腹腔以外の適用においても好ましく利用できる癒着防止材を提供することにある。特に、注射器を通して注入可能なハイドロゲルとすることができ、優れた体内での滞留性を有し、とりわけ整形外科の領域において好ましく適応できる癒着防止材を提供することにある。
本発明者らは、腹腔以外の部位にも適応できる癒着防止材について鋭意研究した。
その結果、生理的な塩濃度下において、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が1〜1000N/m増加するという特徴を有する多糖類誘導体のハイドロゲルが存在することを見出した。そして、かかるハイドロゲルが腹腔以外の癒着防止にも有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、多糖類誘導体のハイドロゲルからなり、生理的な塩濃度下において、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が1〜1000N/m増加することを特徴とする癒着防止材である。また、本発明はかかる癒着防止材を含んでなる、整形外科領域の手術用癒着防止剤である。
本発明で用いられる多糖類誘導体を水に溶解させると、注射可能な一定の弾性率および粘性を有するハイドロゲルとなる。かかるハイドロゲルが生理的な塩濃度下におかれると、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が1〜1000N/m増加するという顕著な効果を奏する。このことから、このゲルを医療用のインジェクタブルなハイドロゲルとして使用すると、適度な粘弾性および/または優れた体内での滞留性を有するため、癒着防止材として腹腔以外の部位にも好適に用いられる。本発明の癒着防止材はインジェクタブルなハイドロゲルであるため、取扱い性に優れ、複雑な形状の部位にも適用でき、内視鏡を用いた手術にも適用可能である。
本発明は、多糖類誘導体のハイドロゲルからなり、生理的な塩濃度下において、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が1〜1000N/m増加することを特徴とする癒着防止材である。
好ましい粘弾性の増加範囲としては、50〜700N/m増加するものであり、より好ましくは100〜500N/m増加するものである。
ここで、生理的な塩濃度とは、細胞の生存を維持させるように調整される生理的塩類溶液の塩濃度のことをいい、具体的な塩濃度をあげると、生理的食塩水(0.9%NaCl水溶液)、リンガー液、リン酸緩衝液などを例示することができる。
多糖類誘導体としては、好ましくは、下記式で表される繰り返し単位からなるセルロース誘導体が挙げられる。
Figure 2010035744
式中、R、R、およびRはそれぞれ独立に下記式(a)、(b)、(c)、および(d)からなる群より選ばれるものであり、
−H (a)
−CH−COOH (b)
−CH−COOX (c)
Figure 2010035744
式(c)中、Xはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、
式(d)中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数9〜27のアルキル基またはアルケニル基であり、
(b)と(c)の置換度の合計が0.3〜2.0であり、
(d)の置換度が0.001〜0.05、より好ましくは0.005〜0.015である。
上記式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数9〜27のアルキル基またはアルケニル基を表す。なかでも、RおよびRが炭素数9〜19のアルケニル基であるものが好ましく、その中でもRCO−および/またはRCO−がオレオイル基であるもの、特にRCO−およびRCO−がオレオイル基であるものが好ましい。
本発明の整形外科領域での癒着防止材としては、水100重量部に対し、本発明で用いる多糖類誘導体を0.1〜1.5重量部含む、注入可能なハイドロゲルである癒着防止材であることが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜1.0重量部のものである。
そのなかでも、1重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が5〜200N/mであるものが好ましい。さらに好ましくは、5〜100N/mのものである。
本発明は癒着防止材である。例えば、整形外科領域の癒着防止、具体的には末梢神経の癒着防止、腱の癒着防止などに好ましく用いられる。
本発明の癒着防止材調製のために用いるセルロース誘導体は、例えば次のようにして製造することができる。
<セルロース誘導体の製造方法>
上記した本発明で用いられるセルロース誘導体は、下記式で表される繰り返し単位からなり、分子量が5×10〜5×10のカルボキシメチルセルロースと、
Figure 2010035744
下記式で表されるホスファチジルエタノールアミンとを、
Figure 2010035744
カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基(すなわち(b)+(c)の置換基の合計)100当量に対し、ホスファチジルエタノールアミン0.1〜100当量の割合にて、水および水と相溶する有機溶媒とからなり、水が20〜70容量%含まれる混合溶媒に溶解し、縮合剤の存在下で反応させる工程を含む方法により製造することができる。
ここで、R、R、およびRはそれぞれ独立に、下記式(a)、(b)、および(c)から選ばれるものであり、
−H (a)
−CH−COOH (b)
−CH−COOX (c)
式(c)中、Xはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、
式(b)と(c)の置換度の合計が0.3〜2.0であり、
およびRはそれぞれ独立に、炭素数9〜27のアルキル基またはアルケニル基である。
かかる原料としてのカルボキシメチルセルロースは、分子量が5×10〜5×10であるものが好ましく、より好ましくは5×10〜5×10、さらに好ましくは5×10〜1×10である。
かかる原料としてのカルボキシメチルセルロースは、例えばパルプを水酸化ナトリウム溶液で溶解し、モノクロロ酢酸またはそのナトリウム塩でエーテル化し、精製することにより製造することができる。
上記式(c)におけるXのアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが好ましく、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが好ましい。
(b)と(c)の置換度の合計は、0.3〜2.0、好ましくは0.5〜1.8、より好ましくは0.6〜1.5である。(b)と(c)の割合は特に限定されないが、水に対する溶解性の点から、(c)が(b)よりも多く存在するほうが好ましい。
原料として好ましいカルボキシメチルセルロースの具体的な構造式は下記式で示す通りである。セルロース骨格におけるカルボキシメチル基の置換位置は、C−6位にあることが好ましい。
Figure 2010035744
上記セルロース誘導体の製造方法で用いられる上記式で表されるホスファチジルエタノールアミンにおいて、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数9〜27のアルキル基またはアルケニル基である。RおよびRとしては、いずれも炭素数9〜27のアルケニル基であることが好ましく、なかでもRCO−および/またはRCO−がオレオイル基であるものが好ましく、特にRCO−およびRCO−がオレオイル基であるものが好ましい。
かかる原料としてのホスファチジルエタノールアミンは、動物組織から抽出したもの、または合成して製造したものどちらでも使用できる。具体例としてジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジアラキドイルホスファチジルエタノールアミン、ジベヘノイルホスファチジルエタノールアミン、ラウロオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ミリストオレオイルホスファチジルエタノールアミン、パルミトオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジリノレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジリノレノイルホスファチジルエタノールアミン、ジアラキドノイルホスファチジルエタノールアミン、ジドコサヘキサエノイルホスファチジルエタノールアミンを挙げることができる。その中でも、合成する際に使用する有機溶媒への溶解性の面からジオレオイルホスファチジルエタノールアミンが好ましい。ホスファチジルエタノールアミンは生体由来の安全な物質である。
本発明で用いられるセルロース誘導体においては、セルロース誘導体分子間の疎水性相互作用を高める結果、本発明で用いられるセルロース誘導体はハイドロゲルを形成するものと考えられる。
本発明で用いられるセルロース誘導体の原料たるカルボキシメチルセルロースとホスファチジルエタノールアミンは、カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基100当量に対し、ホスファチジルエタノールアミンを0.1〜50当量、好ましくは1〜40当量、より好ましくは3〜30当量の割合で反応させる。0.1当量よりも少ないと生成されるセルロース誘導体がハイドロゲルを形成しない。また、40当量より多いと、生理的塩濃度の状態での粘弾性上昇が観察されなくなる。
カルボキシメチルセルロースとホスファチジルエタノールアミンとの縮合反応は、縮合に用いる縮合剤の反応性や反応条件によっては反応効率が悪くなることがあるため、ホスファチジルエタノールアミンは、目的とする置換度の計算値よりも過剰に用いることが好ましい。
カルボキシメチルセルロースとホスファチジルエタノールアミンとは、水および水と相溶する有機溶媒(A)とからなり、水が20〜70容量%である混合溶媒に溶解させる。水の含有量が20容量%よりも少ないとカルボキシルメチルセルロースが溶解しにくくなり、また70容量%よりも多いとホスファチジルエタノールアミンが溶解しにくくなるため反応が進まない。水の含有量は、好ましくは30〜60容量%である。
水と相溶する有機溶媒(A)としては、具体的にはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、モルフォリンなどの環状エーテル結合を有する有機溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド結合を有する有機溶媒、ピリジン、ピペリジン、ピペラジンなどのアミン類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類を挙げることができる。これらの中でも環状エーテル類あるいはスルホキシド類が好ましく、なかでもテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシドがより好ましい。
かかる反応に用いる試薬としては、カルボキシル活性化剤や縮合剤が好ましい。カルボキシル活性化剤としては、N−ヒドロキシスクシンイミド、p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシスクシンアミド、2,4,5−トリクロロフェノール、N、N−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。縮合剤としては1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドやその塩酸塩、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミドやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドなどが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル活性化剤としてN−ヒドロキシベンゾトリアゾール、縮合剤として1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を用いるのが好ましい。
反応温度は、好ましくは0〜60℃である。副生成物の産生を抑制するためには、反応を0〜10℃で行うことがより好ましい。反応環境は弱酸性下が好ましい。さらに好ましくはpH6〜7である。
<セルロース誘導体の精製方法>
本発明で用いられるセルロース誘導体の製造方法においては、得られたセルロース誘導体を、実質的にカルボキシメチルセルロースを溶解しないが水と相溶する有機溶媒(B)を用いてセルロース誘導体を精製する工程を加えてもよい。
ここで、実質的にカルボキシメチルセルロースを溶解しないとは、粉末状あるいは凍結乾燥状態で入手可能なカルボキシメチルセルロースナトリウム塩あるいはカルボキシメチルセルロース(COOH型)に関して、水が存在しない条件下でカルボキシメチルセルロースの有機溶媒に対する溶解性を調べたとき、溶解度は3%以下でそのほとんどが溶解しない有機溶媒のことをいう。具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトンなどのケトン類、フェノールなどの芳香族アルコール類を挙げることができる。これらの中でも沸点100℃未満のもの、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノールが好ましい。生体内で使用することを考慮するとエタノールが好ましい。
これらの群からなる有機溶媒(B)を用いて精製する場合、セルロース誘導体が水や有機溶媒(A)の混合液中に存在する状態で有機溶媒(B)を加えて沈殿を形成し、セルロース誘導体を取り出す方法を用いてもよい。また、上記により得られた沈殿、あるいは乾燥状態にある粉末、あるいは凍結乾燥により得られたスポンジなどの成型体に、有機溶媒(B)を添加し、洗浄する方法を用いてもよい。これらの精製方法により、反応に用いた縮合剤やカルボキシル活性化剤などの触媒類、反応せずに系中に残った未反応のリン脂質などを取り除くことができる。有機溶媒(B)中に懸濁している目的物を得るには、遠心分離、ろ過などの方法が利用される。また、ソックスレー抽出も、有機溶媒(B)による洗浄を行うために利用することができる。
<セルロース誘導体のハイドロゲル>
本発明の癒着防止材は、上述のセルロース誘導体を含有するハイドロゲルであり、水100重量部に対し、かかるセルロース誘導体を0.1〜1.5重量部、好ましくは0.5〜1.0重量部含むハイドロゲルである。
これらのハイドロゲルは、ゲルの入った容器を傾けても流れ落ちない程度の粘弾性を有するものが好ましく、スパテルなどの金属へらで触ると容易に変形することが可能で、患部に塗布することが容易な状態であり、また注射器など細管を有する器具で注入することが可能である。
かかるゲルの好ましい複素弾性率としては、水中におけるポリマー濃度が1.0重量%、温度37℃の条件で、動的粘弾性測定装置を用い、角速度10rad/secで測定したときに5〜200N/mであるものが好ましく、5〜100N/mであるものがさらに好ましい。この範囲が生理的な塩濃度下において、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が1〜1000N/m増加し、整形外科領域での癒着防止に最も効果があるからである。
また本発明のハイドロゲルは無色透明であり、製造の過程でごみなどの異物が混入した場合、これを検知することが可能であり、工業生産する上でのメリットを有する。
またハイドロゲル中に含まれる水以外の他の成分としては、触媒として用いた縮合剤類、縮合剤が所定の化学反応を経由することで生成するウレアなどの副産物類、カルボキシル活性化剤、未反応のホスファチジルエタノールアミン類、反応の各段階で混入する可能性のある異物、pHの調整に用いたイオン類などが考えられるが、これらの成分は、上記の有機溶媒(B)を用いた精製あるいは洗浄によって取り除かれており、いずれの化合物も、生体内に入れたときに異物反応として認識されない程度の低いレベルに抑えてあることが好ましい。
また本発明の癒着防止材の保存方法は限定されないが、たとえば冷暗所に保管し、使用時に室温に戻して使用することができる。また本発明の癒着防止材の滅菌方法についても特に限定されないが、エチレンオキサイドガス滅菌、オートクレーブ滅菌、ガンマ線滅菌、電子線滅菌など一般的に医療機器、医療材料の滅菌に使用されている方法を用いることができる。
さらに本発明の癒着防止材を手術後に用いる場合、手術をした部位とその周辺部に、チ問えば0.1〜5.0mL程度を注射器で塗布し、術部全体を覆うことで癒着を防止することが期待できる。
以下の実施例により本発明の詳細をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)実施例に使用した材料は以下の通りである。
(i)CMCNa:カルボキシメチルセルロースナトリウム(日本製紙ケミカル(株)製、置換度0.69)、
(ii)テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)、
(iii)0.1M HCl(和光純薬工業(株)製)、
(iv)0.1M NaOH(和光純薬工業(株)製)、
(v)EDC :1−Ethyl−3−[3−(dimethylamino)propyl]−carbodi−imide・HCl((株)大阪合成有機化学研究所製)、
(vi)HOBt・HO :1−Hydroxybenzotriazole,monohydrate((株)大阪合成有機化学研究所製)、
(vii)L−α−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(COATSOME ME−8181、日本油脂(株)製)、
(viii)エタノール(和光純薬工業(株)製)、
(ix)NaCl(和光純薬工業(株)製)、
(x)注射用蒸留水(大塚製薬(株)製)、
(xi)消毒用エタノール(和光純薬工業(株)製)、
(xii)ペントバルビタールナトリウム(ネンブタール注射液、大日本住友製薬製)。
(2)セルロース誘導体中のリン脂質含量の測定
セルロース誘導体中のリン脂質の割合は、バナドモリブデン酸吸光光度法による全リン含量の分析により求めた。
(3)ハイドロゲルの複素弾性率の測定
ハイドロゲルの複素弾性率は、動的粘弾性測定装置であるRheometer RFIII(TA Instrument)を使用し、37℃、角速度10rad/secで測定した。複素弾性率とは弾性体の応力とひずみの比を表す定数のことである。
[実施例1]
(セルロース誘導体)
CMCNa500mgを水100mLに溶解し、さらにテトラヒドロフラン100mLを加えた。この溶液に、L−α−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン236.6mg(0.000318mol)(CMCNaのカルボキシル基100当量に対し20当量)、EDC67.2mg(0.00035mol)、HOBt・HO53.5mg(0.00035mol)を25mLのテトラヒドロフラン/水=1/1に溶解し、反応系に添加した後、終夜攪拌を行った。攪拌後、テトラヒドロフランを除去し、水をある程度蒸発させたところでエタノール中に加え、沈殿させた。ろ過により、エタノールを除き、再度エタノールにて洗浄し、ろ物を真空乾燥することでセルロース誘導体を得て、そのリン脂質含量を測定した。反応前のカルボキシメチルセルロースナトリウムの置換度は0.69であり、すべてのカルボキシメチル基はナトリウム化されていると仮定し、リン脂質含量を用いて計算により、式(d)の置換度を求めた。式(d)の置換度は1.9mol%/糖であった。
(ハイドロゲル)
真空乾燥したセルロース誘導体からなる組成物5mgを注射用蒸留水995mgに溶解し、濃度0.5重量%のハイドロゲルを調製した。得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定した結果、85.6N/mであった。
[実施例2]
(坐骨神経癒着試験)
日本チャールス・リバー(株)のLewisラット(9匹)を使用し、Ohsumiらの方法に従って坐骨神経癒着モデルを作製した[Hidehiko Ohsumi, Hitoshi Hirata, Takeshi Nagakura, Masaya Tsujii, Toshiko Sugimoto, Keiichi Miyamoto, Takeshi Horiuchi: Plastic and Reconstructive Surgery 116(3): 823-30, 2005]。すなわち、ラットをペントバルビタールナトリウムの腹腔内投与麻酔下で側臥位に固定し、臀部を剃毛した後、消毒用エタノールで消毒した。腹部から背部に向け臀部を4〜5cm切開して坐骨神経を露出させた。坐骨神経の上周膜を1.5cm剥離し、さらに周囲の筋組織を灼焼した。その後、上周膜を剥離した坐骨神経周囲に実施例1のハイドロゲル(0.5mL)を塗布し、切開部の筋層及び皮膚を縫合した。創傷部をイソジン消毒液で消毒した後、ケージに戻した。モデル作製6週間後、動物をペントバルビタールナトリウム麻酔下で、再度坐骨神経を露出させ、坐骨神経癒着の程度を肉眼的に観察し、以下に示す基準に従ってスコア化した。
(スコア分類)
スコア0:癒着が認められない状態
スコア1:弱い癒着がある状態
スコア2:中程度の癒着がある状態
スコア3:かなりしっかりとした癒着がある状態
さらに、坐骨神経の上周膜を剥離した部分1.5cmの両端を切断し、片方の端に縫合糸を結びつけ、それをデジタル圧力計(SHIMPO社製)を用いて2cm/分で引っ張り、坐骨神経が周囲の筋組織からはがれる最大強度(N)を測定し、その値を癒着の強度として評価した。癒着がない場合、0Nとして扱った。
その結果、癒着のスコア、強度はそれぞれ、1.1±0.3、0.51±0.28N(平均値±標準偏差)となった。
[実施例3]
ラットを9匹用い、実施例1のハイドロゲルの代わりに実施例1で得られたセルロース誘導体10mgを注射用蒸留水990mgに溶解し、濃度1.0重量%で調製したハイドロゲル(0.5mL)を用いること以外、実施例2と同様の操作を行い、癒着の程度、強度に対する効果を評価した。その結果、癒着のスコア、強度はそれぞれ、1.6±0.5、0.78±0.46N(平均値±標準偏差)であった。
得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定したところ、306.1N/mであった。ハイドロゲルの複素弾性率は、動的粘弾性測定装置であるRheometer RFIII(TA Instrument)を使用し、37℃、角速度10rad/secで測定した。
[比較例1]
コントロールとして、ハイドロゲルを塗布せずに、実施例2と同様の操作を行い、癒着の程度、強度を評価した。その結果、癒着のスコア、強度はそれぞれ、2.0±0.7、1.24±0.18Nとなった(平均値±標準偏差)。
[比較例2]
陽性対照として、臨床現場で癒着防止効果を期待して使用されているArtz(登録商標)(科研製薬(株)製)(0.5mL)を用いること以外、実施例2と同様の操作を行い、癒着の程度、強度に対する効果を評価した。その結果、癒着のスコア、強度はそれぞれ、1.7±0.9、0.98±0.39N(平均値±標準偏差)であった。
Artzの複素弾性率を測定したところ、7.7N/mであった。
以下表1に実施例2、実施例3、比較例1、および比較例2の結果をまとめる。
Figure 2010035744
以上、6週間後において、癒着スコアでは比較例1に対して実施例2で統計学的に有意な差がみられた(P=0.005、Wilcoxon’sテスト)。また、癒着強度では比較例1に対して実施例2および実施例3で統計学的に有意な差がみられた(実施例2:P=0.00001、Student’s tテスト、実施例3:P=0.02672、Welch’s tテスト)。
以上より、実施例2で得られたハイドロゲルには、生体内において癒着を著しく抑制する効果があることが確認され、坐骨神経手術後の癒着を効果的に防止することができると判断した。
[実施例4]
(塩添加による複素弾性率増加)
CMCNa3500mgを水100mLに溶解し、さらにテトラヒドロフラン100mLを加えた。この溶液に、L−α−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン413.7mg(0.0000795mol)(CMCNaのカルボキシル基100当量に対し5当量)、縮合剤として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)169.4mg(0.0000874mol)を反応系に添加した後、終夜攪拌を行った。攪拌後、エタノール中に加え、沈殿させた。以下、実施例1と同様の操作を行い、セルロース誘導体を得た。置換度は1.0mol%/糖であった。セルロース誘導体からなる組成物20mgを注射用蒸留水1800mgに溶解後、最終濃度が0.9%となるように9%NaClを200mg添加し、最終濃度1.0重量%のハイドロゲルを調製した。得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定した結果、134.5±1.4N/m(平均値±標準偏差)であった。
[比較例3]
9%のNaClの代わりに注射用蒸留水200mgを添加すること以外、実施例4と同様の操作を行い、ハイドロゲルを調製した。得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定した結果、8.0±0.5N/m(平均値±標準偏差)であった。
[実施例5]
CMCNa2500mg、L−α−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン591、5mg(0.000159mol)(CMCNaのカルボキシル基100当量に対し10当量)、EDC168mg(0.000175mol)、HOBt・HO134mg(0.000175mol)を用いること以外、実施例1と同様の操作を行い、セルロース誘導体を得た。置換度は1.2mol%/糖であった。セルロース誘導体からなる組成物20mgを注射用蒸留水1800mgに溶解後、最終濃度が0.9%となるように9%NaClを200mg添加し、最終濃度1.0重量%のハイドロゲルを調製した。得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定した結果、187.5±33.4N/m(平均値±標準偏差)であった。
[比較例4]
9%のNaClの代わりに注射用蒸留水200mgを用いること以外、実施例5と同様の操作を行い、ハイドロゲルを調製した。得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定した結果、56.2±5.2N/m(平均値±標準偏差)であった。
[実施例6]
CMCNa1500mgを水100mLに溶解し、さらにテトラヒドロフラン100mLを加えた。この溶液に、L−α−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン411.4mg(0.000184mol)(CMCNaのカルボキシル基100当量に対し10当量)、縮合剤として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)168.3mg(0.000203mol)を反応系に添加した後、終夜攪拌を行った。攪拌後、エタノール中に加え、沈殿させた。以下、実施例1と同様の操作を行い、セルロース誘導体を得た。置換度は1.0mol%/糖であった。セルロース誘導体からなる組成物20mgを注射用蒸留水1800mgに溶解後、最終濃度が0.9%となるように9%NaClを200mg添加し、最終濃度1.0重量%のハイドロゲルを調製した。得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定した結果、294.9±22.0N/m(平均値±標準偏差)であった。
[比較例5]
9%のNaClの代わりに注射用蒸留水200mgを用いること以外、実施例6と同様の操作を行い、ハイドロゲルを調製した。得られたハイドロゲルの複素弾性率を測定した結果、109.8±7.8N/m(平均値±標準偏差)であった。
以上、比較例3よりも実施例4が、比較例4よりも実施例5が、比較例5よりも実施例6で複素弾性率が著しく増加し、複素弾性率5〜200N/mと低いハイドロゲルは生体内と同程度の0.9重量%となるようNaClを添加することで複素弾性率は著しく増加することが確認された。
本発明の癒着防止材は、例えば手術時に使用する機能性医療材料として用いられる。
本発明の癒着防止材の塩添加による複素弾性率増加を示す図。

Claims (8)

  1. 多糖類誘導体のハイドロゲルからなり、生理的な塩濃度下において、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が1〜1000N/m増加することを特徴とする癒着防止材。
  2. 多糖類誘導体が、下記式で表される繰り返し単位からなるセルロース誘導体であり、1.0重量%水溶液について動的粘弾性測定装置で角速度10rad/secにて求められる複素弾性率が5〜200N/mである、請求項1に記載の癒着防止材。
    Figure 2010035744
    式中、R、R、およびRはそれぞれ独立に下記式(a)、(b)、(c)、および(d)からなる群より選ばれるものであり、
    −H (a)
    −CH−COOH (b)
    −CH−COOX (c)
    Figure 2010035744
    式(c)中、Xはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、
    式(d)中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数9〜27のアルキル基またはアルケニル基であり、
    (b)と(c)の置換度の合計が0.3〜2.0であり、
    (d)の置換度が0.001〜0.05である。
  3. およびRが炭素数9〜19のアルケニル基である請求項2に記載の癒着防止材。
  4. CO−および/またはRCO−がオレオイル基である請求項2に記載の癒着防止材。
  5. 水100重量部に対し、多糖類誘導体を0.1〜1.5重量部含む、請求項1から4のいずれかに記載の癒着防止材。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の癒着防止材を含んでなる、整形外科領域の手術用癒着防止剤。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の癒着防止材を含んでなる、末梢神経の手術用癒着防止剤。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の癒着防止材を含んでなる、坐骨神経の手術用癒着防止剤。
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