JP2010035266A - 電動送風機およびこれを用いた電気掃除機 - Google Patents

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Teppei Hidekuma
哲平 秀熊
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Abstract

【課題】電動送風機のカーボンブラシ寿命末期に発生するスパークを低減すること。
【解決手段】一対のカーボンブラシの内、一方のカーボンブラシの反整流子側端面から余り代(整流子と接触しない部分)15より整流子側の範囲かつ整流子4の回転方向進入側側面に、カーボンブラシ断面積が小さくなるよう切り欠き部16を設けることで、カーボンブラシ寿命末期時に、カーボンブラシの切り欠き部を設けた範囲と整流子が当接することで、擬似的に電気角が減少したこととなり、電動送風機の入力を低下させることができ、カーボンブラシ9と整流子間で発生するスパークの低減が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は電動送風機のカーボンブラシ寿命末期の整流子及びカーボンブラシ間に発生するスパークを低減した電動送風機およびこれを用いた電気掃除機に関するものである。
従来、この種の電動送風機のカーボンブラシは、整流子と摺動し磨耗する範囲において、先端から後端まで基本的に同形状をしている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の電動送風機の断面図を示すものである。図6は、従来の電動送風機に用いられるカーボンブラシの構成を示すものである。
図7、及び図6に示すように、界磁巻線1と界磁コア2を有した界磁部3と、前記界磁部3の内側に配置され、整流子4と電機子巻線5と電機子コア6及び回転軸7を有する電機子8と、前記界磁巻線1の一端より接続され、前記整流子4に電流を伝達する一対のカーボンブラシ9と、前記界磁部3を収納し、前記電機子8をベアリング10を介し回転自在に挟持するハウジング11と、前記電機子8の回転軸7の一端に固定されたインペラ12と、前記インペラ12より吐き出された気流を圧力回復させるディフューザ13と、前記インペラ12及び前記ディフューザ13を覆うよう前記ハウジング11に圧入固定されたファンケース14から構成されている。
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作について説明する。
電動送風機に電源が印加されると、回路的には界磁巻線1からカーボンブラシ9、整流子4、電機子巻線5、整流子4、カーボンブラシ9、界磁巻線1の順に電流は流れる。動作について説明すると、界磁巻線1に電流が流れることにより界磁束が発生し、電流の流れる電機子巻線5が界磁束を受けることでフレミングの法則により電機子8が高速回転を始める。次に電機子8が回転することにより、回転軸7の一端に固定されたインペラ12が回転する。インペラ12が高速回転をすることにより、空気がファンケース14の吸気口から入り、インペラ12より圧縮され吐き出された空気は、ディフューザ13にて運動エネルギーから圧力エネルギーへと圧力回復をしながら変換され、最終的にハウジング11外、すなわち電動送風機の外部へ排出される。
特開2006−288709号公報
しかしながら、前記従来の構成では、カーボンブラシが磨耗し寿命末期になると、整流子の表面の荒れや、真円度の悪化、またカーボンブラシを整流子に押し当てるためのバネ力の低下によるカーボンブラシのチャタリング等に起因し、カーボンブラシと整流子間で発生するスパークが増大するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、カーボンブラシ寿命末期の整流子及びカーボンブラシ間に発生するスパークを低減した電動送風機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決する為に、本発明の電動送風機は、一対のカーボンブラシの内、一方のカーボンブラシの反整流子側端面から余り代(整流子と接触しない部分)より整流子側の範囲かつ整流子の回転方向進入側側面に、カーボンブラシ断面積が小さくなるよう
切り欠き部を設けたものである。
これによって、カーボンブラシ寿命末期時に、カーボンブラシの切り欠き部を設けた範囲と整流子が当接し、擬似的に電気角を小さくすることとなり、電動送風機の入力を低下させることができ、スパークの低減が可能となる。
本発明の電動送風機は、カーボンブラシ寿命末期の整流子及びカーボンブラシ間に発生するスパークを低減することができる。
第1の発明は、界磁巻線と界磁コアを有した界磁部と、前記界磁部の内側に配置され、整流子と電機子巻線と電機子コア及び回転軸を有する電機子と、前記界磁巻線の一端より接続され、前記整流子に電流を伝達する一対のカーボンブラシと、前記界磁部を収納し、前記電機子をベアリングを介し回転自在に挟持するハウジングと、前記電機子の回転軸の一端に固定されたインペラと、前記インペラより吐き出された気流を圧力回復させるディフューザと、前記インペラ及び前記ディフューザを覆うよう前記ハウジングに圧入固定されたファンケースとを備え、前記一対のカーボンブラシの内、一方のカーボンブラシの反整流子側端面から余り代(整流子と接触しない部分)より整流子側の範囲かつ整流子の回転方向進入側側面に、カーボンブラシ断面積が小さくなるよう切り欠き部を設けることにより、カーボンブラシ寿命末期時に、カーボンブラシの切り欠き部を設けた範囲と整流子が当接することで、擬似的に電気角が減少したこととなり、電動送風機の入力を低下させることができ、スパークの低減が可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の一対のカーボンブラシの両方に切り欠きを設けることにより、より電動送風機の入力を低下させることができ、スパーク低減効果を高めることが可能となる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明のカーボンブラシの切り欠きを、整流子側から半整流子側にかけて徐々にカーボンブラシの断面積が小さくなるよう傾斜形状とすることで、電動送風機の入力を徐々に低下させることができ、安定的にスパークを低減することが可能となる。
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれか1つの発明のカーボンブラシの切り欠き部がある範囲(カーボンブラシの断面積が小となる範囲)の材質を比抵抗が高いものとすることで、より電動送風機の入力を低下させることができ、スパーク低減効果を高めることが可能となる。
第5の発明は、特に、第1から第4のいずれか1つの発明の電動送風機を用いた電気掃除機としたことで、カーボンブラシ寿命末期に発生するスパークを低減することができ、電動送風機の信頼性品質を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図、図2は本発明の第1の実施の形態における電動送風機の断面図を示すものである。
図1及び図2において、界磁巻線1と界磁コア2を有した界磁部3と、前記界磁部3の
内側に配置され、整流子4と電機子巻線5と電機子コア6及び回転軸7を有する電機子8と、前記界磁巻線1の一端より接続され、前記整流子4に電流を伝達する一対のカーボンブラシ9と、前記界磁部3を収納し、前記電機子8をベアリング10を介し回転自在に挟持するハウジング11と、前記電機子8の回転軸7の一端に固定されたインペラ12と、前記インペラ12より吐き出された気流を圧力回復させるディフューザ13と、前記インペラ12及び前記ディフューザ13を覆うよう前記ハウジング11に圧入固定されたファンケース14とを備え、前記一対のカーボンブラシ9の内、一方のカーボンブラシ9の反整流子4側端面から余り代(整流子と接触しない部分)15より整流子4側の範囲かつ整流子4の回転方向進入側側面に、カーボンブラシ9の断面積が小さくなるよう切り欠き部16を設けている。
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動送風機に電源が印加されると、回路的には界磁巻線1からカーボンブラシ9、整流子4、電機子巻線5、整流子4、カーボンブラシ9、界磁巻線1の順に電流は流れる。
動作について説明すると、界磁巻線1に電流が流れることにより界磁束が発生し、電流の流れる電機子巻線5が界磁束を受けることでフレミングの法則により電機子8が高速回転を始める。次に電機子8が回転することにより、回転軸7の一端に固定されたインペラ12が回転する。インペラ12が高速回転をすることにより、空気がファンケース14の吸気口から入り、インペラ12より圧縮され吐き出された空気は、ディフューザ13にて運動エネルギーから圧力エネルギーへと圧力回復をしながら変換され、最終的にハウジング11外、すなわち電動送風機の外部へ排出される。
また、電動送風機が長時間運転することでカーボンブラシ9が磨耗し、カーボンブラシ寿命末期時には、カーボンブラシ9の切り欠き部16を設けた範囲と整流子4が当接し、擬似的に電気角を小さくすることとなり、電動送風機の入力を低下させることができ、カーボンブラシ9と整流子4間で発生するスパークの低減が可能となる。
但し、元来電気角は電気的中性点と機械的中性点のずれを修正し、整流作用を改善するために設けられており、本発明のブラシホルダの切り欠きのサイズ(すなわち電気角の減少度合い)によっては逆にスパークの発生を加速する可能性もある。電動機の種類、仕様によりスパークを抑制するための最適な切り欠きのサイズは異なるため、本文での記載は避けるものとする。
以上のように、本実施の形態においては、一対のカーボンブラシの内、一方のカーボンブラシの反整流子側端面から余り代(整流子と接触しない部分)より整流子側の範囲かつ整流子の回転方向進入側側面に、カーボンブラシ断面積が小さくなるよう切り欠き部を設けることによって、カーボンブラシ寿命末期時に、カーボンブラシの切り欠き部を設けた範囲と整流子が当接し、擬似的に電気角を小さくすることとなり、電動送風機の入力を低下させることができ、カーボンブラシと整流子間で発生するスパークを低減することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態の電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図である。
なお実施の形態1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
図3において、一対のカーボンブラシ9の両方共に、反整流子4側端面から余り代(整流子と接触しない部分)15より整流子4側の範囲かつ整流子4の回転方向進入側側面に、カーボンブラシ9の断面積が小さくなるよう切り欠き部16を設けている。
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動送風機が長時間運転することでカーボンブラシ9が磨耗し、カーボンブラシ9寿命末期時には、カーボンブラシ9の切り欠き部16を設けた範囲と整流子4が当接し、擬似的に電気角を小さくすることとなり、また、一対のカーボンブラシ9の両方共に切り欠き部16を設けていることで、より電動送風機の入力を低下させることができ、カーボンブラシ9と整流子4間で発生するスパークの低減効果を高めることが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、一対のカーボンブラシの両方に切り欠きを設けることにより、より電動送風機の入力を低下させることができ、スパーク低減効果を高めることが可能となる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の第3の実施の形態の電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図である。
なお実施の形態1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
図4において、カーボンブラシ9の切り欠き部16を、整流子4側から半整流子4側にかけて徐々にカーボンブラシ9の断面積が小さくなるよう傾斜形状17としている。
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動送風機が長時間運転することでカーボンブラシ9が磨耗し、カーボンブラシ9寿命末期時には、カーボンブラシ9の切り欠き部16を設けた範囲と整流子4が当接することとなるが、切り欠き部16に傾斜形状17を設けていることにより、徐々に電気角を小さくなることで、電動送風機の入力も徐々に低下することになるため、安定的にスパークを低減することが可能となる。
以上のように、カーボンブラシの切り欠きを、整流子側から半整流子側にかけて徐々にカーボンブラシの断面積が小さくなるよう傾斜形状とすることで、電動送風機の入力を徐々に低下させることができ、安定的にスパークを低減することが可能となる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の第4の実施の形態の電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図である。
なお実施の形態1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
図5において、カーボンブラシ9の切り欠き部16がある範囲(カーボンブラシの断面積が小となる範囲)のカーボン材質を高比抵抗材質17としている。
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動送風機が長時間運転することでカーボンブラシ9が磨耗し、カーボンブラシ9寿命末期時には、カーボンブラシ9の切り欠き部16を設けた範囲と整流子4が当接す
ることとなるが、切り欠き部16がある範囲(カーボンブラシの断面積が小となる範囲)のカーボン材質を高比抵抗材質17としていることで、より電動送風機の入力を低下させることができ、スパーク低減効果を高めることが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、カーボンブラシの切り欠き部がある範囲(カーボンブラシの断面積が小となる範囲)の材質を比抵抗が高いものとすることで、より電動送風機の入力を低下させることができ、スパーク低減効果を高めることが可能となる。
以上のように、本発明にかかる電動送風機は、カーボンブラシ寿命末期に発生するスパークを低減することができるので、カーボンブラシを用いた電動機に有効であり、カーボンブラシを用いた電動機を搭載した機器に適用できる。
本発明の実施の形態1における電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図 本発明の実施の形態1における電動送風機の断面図 本発明の実施の形態2における電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図 本発明の実施の形態3における電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図 本発明の実施の形態4における電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図 従来の電動送風機のカーボンブラシ近傍の構成図 従来の電動送風機の断面図
符号の説明
1 界磁巻線
2 界磁コア
3 界磁部
4 整流子
5 電機子巻線
6 電機子コア
7 回転軸
8 電機子
9 カーボンブラシ
10 ベアリング
11 ハウジング
12 インペラ
13 ディフューザ
14 ファンケース
15 余り代
16 切り欠き部
17 傾斜形状
18 高比抵抗材質

Claims (5)

  1. 界磁巻線と界磁コアを有した界磁部と、前記界磁部の内側に配置され、整流子と電機子巻線と電機子コア及び回転軸を有する電機子と、前記界磁巻線の一端より接続され、前記整流子に電流を伝達する一対のカーボンブラシと、前記界磁部を収納し、前記電機子をベアリングを介し回転自在に挟持するハウジングと、前記電機子の回転軸の一端に固定されたインペラと、前記インペラより吐き出された気流を圧力回復させるディフューザと、前記インペラ及び前記ディフューザを覆うよう前記ハウジングに圧入固定されたファンケースとを備え、前記一対のカーボンブラシの内、一方のカーボンブラシの反整流子側端面から余り代(整流子と接触しない部分)より整流子側の範囲かつ整流子の回転方向進入側側面に、カーボンブラシの断面積が小さくなるよう切り欠き部を設けた電動送風機。
  2. 一対のカーボンブラシの両方に切り欠き部を設けた請求項1に記載の電動送風機。
  3. カーボンブラシの切り欠き部を、整流子側から反整流子側にかけて徐々にカーボンブラシの断面積が小さくなるよう傾斜形状とした請求項1または2に記載の電動送風機。
  4. カーボンブラシの切り欠き部がある範囲(カーボンブラシの断面積が小となる範囲)の材質を比抵抗が高いものとした請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動送風機。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動送風機を用いた電気掃除機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105297660A (zh) * 2015-10-19 2016-02-03 宁波大叶园林设备有限公司 具双手换握联动杠杆卡锁操作手柄的吹吸机

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