JP2010032079A - コジェネレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】湯切れや湯余りを防止して省エネ効果の高い発電装置の運転制御ができるコジェネレーションシステムを提供する。
【解決手段】コジェネレーションシステムの運転制御装置40は、予め指定された運転停止時間、湯水使用装置26aで消費される湯水量の消費パターン、貯湯槽30内の残湯量の予測値および当日の湯水使用装置26aで消費された湯水量の消費データに基づいて、発電装置10を発電制御もしくは発電停止制御する。これにより、必要な分だけ貯湯槽に湯水が貯まるように発電制御し、必要以上に貯湯槽に湯水が貯まらないように発電停止制御できるので、湯切れや湯余りを防止して省エネ効果の高い発電装置の運転ができるコジェネレーションシステムを提供することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、コジェネレーションシステムに関する。
コジェネレーションシステムとしては、負荷装置に電力を供給する発電装置と、発電量指示値に応じた発電量となるように発電装置を制御する運転制御装置と、発電装置の廃熱を回収した湯水を貯湯する貯湯槽とを備えたものが知られている。このコジェネレーションシステムの一例としては、特許文献1に示されているコジェネレーションシステムがある。このコジェネレーションシステムは、1日分の湯水貯湯量と湯水消費量を予測し、湯水貯湯量が多過ぎる場合は発電を1日に1回停止する制御に切り替え、湯水貯湯量が不足する場合は発電を停止しない制御に切り替えている。
特開2005−38676号公報
特許文献1に記載のコジェネレーションシステムにおいては、不規則な湯水消費が生じた場合、湯切れが起きたときはガス湯沸し器や電気湯沸し器等の別系統で湯水を補給する必要があって省エネ効果が悪くなっていた。また、夜間に湯余りが起きたときは放熱ロスが大きく省エネ効果が低下するという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、湯切れや湯余りを防止して省エネ効果の高い発電装置の運転制御ができるコジェネレーションシステムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、負荷装置に電力を供給する発電装置と、前記発電装置の廃熱を回収した湯水を貯湯するとともに湯水使用装置に該湯水を供給する貯湯槽と、予め指定された運転停止時間、前記湯水使用装置で消費される湯水量の消費パターン、前記貯湯槽内の残湯量の予測値および当日の前記湯水使用装置で消費された湯水量の消費データに基づいて、前記発電装置を発電制御もしくは発電停止制御する運転制御装置と、を備えたことである。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記運転制御装置は、一定期間前までの前記湯水使用装置で消費される湯水量を時間帯毎に記憶して前記消費パターンを作成し、前記湯水使用装置で消費される湯水量が最大量となる日のデータに基づいて制御することである。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、前記運転制御装置は、前記湯水使用装置で消費される湯水量の消費パターンを、入力指定された前記運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータと前記運転停止時間以外の運転時間に消費される湯水量の第2のデータとに分け、前記運転時間に消費される湯水量の第2のデータから当日の開始から現在までの前記湯水使用装置で消費された湯水量のデータを減算し、該減算値に前記運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータを加算して閾値とし、前記運転時間中に該閾値が前記貯湯槽内の残湯量の予測値より大きくなったときは前記発電装置の発電制御を続行し小さくなったときは前記発電装置を発電停止制御することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、運転制御装置が、予め指定された運転停止時間、湯水使用装置で消費される湯水量の消費パターン、貯湯槽内の残湯量の予測値および当日の湯水使用装置で消費された湯水量の消費データに基づいて、発電装置を発電制御もしくは発電停止制御する。これにより、必要な分だけ貯湯槽に湯水が貯まるように発電制御し、必要以上に貯湯槽に湯水が貯まらないように発電停止制御できるので、貯湯槽内の湯切れや湯余りを防止して省エネ効果の高い発電装置の運転ができるコジェネレーションシステムを提供することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、運転制御装置は、一定期間前までの湯水使用装置で消費される湯水量を時間帯毎に記憶して消費パターンを作成し、湯水使用装置で消費される湯水量が最大量となる日のデータに基づいて制御するので、不規則な湯水消費が生じた場合であっても貯湯槽内の湯切れや湯余りをほぼ確実に防止することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2に係る発明において、運転制御装置は、湯水使用装置で消費される湯水量の消費パターンを、入力指定された運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータと運転停止時間以外の運転時間に消費される湯水量の第2のデータとに分け、運転時間に消費される湯水量の第2のデータから当日の開始から現在までの湯水使用装置で消費された湯水量のデータを減算し、該減算値に運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータを加算して閾値とし、運転時間中に該閾値が貯湯槽内の残湯量の予測値より大きくなったときは発電装置の発電制御を続行し小さくなったときは発電装置を発電停止制御するので、不規則な湯水消費が生じた場合、特に湯水消費時間が普段よりも早まった場合であっても貯湯槽内の湯切れをほぼ確実に防止することができる。
以下、本発明によるコジェネレーションシステムの一実施形態について説明する。図1はこのコジェネレーションシステムの概要を示す概要図である。このコジェネレーションシステムは、負荷装置21に電力を供給する発電装置10と、発電装置10の廃熱を回収した湯水を貯湯する貯湯槽30と、発電量指示値に応じた発電量となるように発電装置10を制御すると共に貯湯槽30内の湯余りや湯切れを起こさない発電指示値に応じた発電量となるように発電装置10を発電制御もしくは発電停止制御する運転制御装置40とを備えている。
発電装置10は、燃料電池発電装置であり、直流電力を発生する発電器11と、発電器11から供給された直流電力を交流電力に変換して出力する変換器(例えばインバータ)12とを備えている。なお、発電装置10としては、燃料電池発電装置の他に、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ガスタービン、マイクロガスタービンなどの原動機とこの原動機によって駆動される発電機から構成されたものでもよい。
発電器11は、改質装置、一酸化炭素低減装置(以下CO低減装置という)および燃料電池から構成されている。改質装置は、燃料供給装置13から供給される燃料を水供給装置14から供給される水で水蒸気改質して水素リッチな改質ガスを生成してCO低減装置に導出するものである。CO低減装置は、改質ガスに含まれる一酸化炭素を低減して燃料電池に導出するものである。燃料電池は、燃料極に供給された改質ガス中の水素および空気極に供給された酸化剤ガスである空気を用いて発電するものである。
燃料供給装置13と発電器11の間には、発電器11に投入される燃料量を検出する燃料投入量検出手段である流量計13aが設けられており、流量計13aは検出した燃料投入量を運転制御装置40に送信するようになっている。なお、燃料電池発電装置の場合の燃料投入量は、改質装置に供給される燃料の投入量を指す。
変換器12は、電力使用場所20に設置されている複数の負荷装置21に送電線15を介してそれぞれ接続されており、変換器12から出力される交流電力は必要に応じて各負荷装置21に供給されている。変換器12には、発電装置10から出力される発電出力量を検出する発電出力量検出手段である電力計10aが設けられており、電力計10aは検出した発電出力量を運転制御装置40に送信するようになっている。
負荷装置21は、電灯、アイロン、テレビ、洗濯機、電気コタツ、電気カーペット、エアコン、冷蔵庫などの電気器具である。なお、変換器12と電力使用場所20とを接続する送電線15には電力会社の系統電源16も接続されており(系統連系)、発電装置10の発電量より負荷装置21の総電力消費量が上回った場合、その不足電力を系統電源16から受電して補うようになっている。電力計22は、負荷装置21にて消費された電力消費量を検出する電力消費量検出手段であり、電力使用場所20で使用される全ての負荷装置21の合計電力消費量を検出して、運転制御装置40に送信するようになっている。
また、発電器11には、発電器11の廃熱を回収して発電器11を冷却する熱媒体が循環する冷却回路31が接続されている。冷却回路31上には、熱交換器32およびラジエータ37が配設されている。ラジエータ37は、冷却回路31を循環する熱媒体を冷却する冷却手段であり、運転制御装置40の指令によってオン・オフ制御されており、オン状態のときには熱媒体を冷却し、オフ状態のときには冷却しないものである。
一方、後述する貯湯槽30には、貯湯槽30内の湯水(貯湯水)を加熱するための湯水循環回路33が接続されている。湯水循環回路33上には、熱交換器32が配設されている。熱交換器32は、冷却回路31を循環する熱媒体と湯水循環回路33を循環する湯水との間で熱交換が行われるものである。これにより、発電器11の発電中に図示しないポンプが駆動されて、冷却回路31を熱媒体が循環し、湯水循環回路33を湯水が循環すると、発電器11の廃熱が熱媒体および熱交換器32を通って湯水に回収されて湯水が加熱されるようになっている。発電器11の廃熱とは、例えば、燃料電池発電装置の場合、燃料電池スタックの廃熱や改質装置の廃熱などをいい、エンジン発電装置の場合、エンジンの廃熱などが挙げられる。しかし、それに限定せず発電機それ自体の熱など回収可能な廃熱なら何でも利用できる。
貯湯槽30は、1つの柱状容器を備えており、その内部に温水が層状に、すなわち上部の温水が最も高温であり下部にいくにしたがって低温となり下部の温水が最も低温であるように貯留されるようになっている。貯湯槽30に貯留されている高温の温水が貯湯槽30の柱状容器の上部から導出され、その導出された分を補給するように水供給装置14からの水道水などの水(低温の水)が貯湯槽30の柱状容器の下部から導入されるようになっている。このような貯湯槽30は、発電装置10の近くに設置されている。
貯湯槽30の内部には残湯量検出センサである温度センサ群34が設けられている。温度センサ群34は複数(本実施形態においては10個)の温度センサ34−1,34−2,34−3,・・・,34−10から構成されており、上下方向(鉛直方向)に沿って等間隔(貯湯槽30内の上下方向高さの九分の一の距離)にて配設されている。温度センサ34−1は貯湯槽30の内部上面位置に配置されている。各温度センサ34−1,34−2,34−3,・・・,34−10はその位置の貯湯槽30内の液体(温水または水)の温度をそれぞれ検出するものである。この温度センサ群34による各位置での湯温の検出結果に基づいて貯湯槽30内の残湯量が導出されるようになっている。残湯量は、貯湯槽30内に蓄えられた熱量を表している。貯湯槽30と水供給装置14の間には貯湯槽30に供給される水(例えば水道水)の温度を検出する温度センサ38が設けられている。温度センサ38の検出結果(水道水温度)は運転制御装置40に送信されるようになっている。
貯湯槽30には、給湯管35が接続されている。給湯管35には、貯湯槽30側から順番に流量センサ36、補助加熱装置であるガス湯沸かし器(図示省略)および温度センサ(図示省略)が配設されている。流量センサ36は、貯湯槽30から供給されている湯水消費量(給湯量)を検出するものである。流量センサ36の検出信号は運転制御装置40に送信されるようになっている。また、図示していないが、給湯管35にはガス湯沸かし器と温度センサとの間に水供給装置14からの水道水が合流するようになっている。これにより、貯湯槽30からの湯水を降温している。ガス湯沸かし器は、給湯管35を通過する貯湯槽30からの湯水を加熱して給湯するようになっている。温度センサはガス湯沸かし器を通過した後、もしくは水供給装置14からの水道水が合流した後の湯水の温度を検出するものであり、その検出信号は運転制御装置40に送信されるようになっている。すなわち、温度センサで検出した湯水の温度が設定された給湯温度となるように、ガス湯沸かし器で加熱、もしくは水供給装置14からの水道水で降温している。
給湯管35には、貯湯槽30に貯留している湯水を給湯として利用する湯水使用場所25に設置されている複数の湯利用機器26aが接続されている。この湯利用機器26aとしては、浴槽、シャワ、キッチン(キッチンの蛇口)、洗面所(洗面所の蛇口)などがある。また、給湯管35には、貯湯槽30の湯水を熱源として利用する湯水使用場所25に設置されている熱利用機器26bが接続されている。この熱利用機器26bとしては、浴室暖房、床暖房、浴槽の湯の追い炊き機構などがある。なお、熱利用機器26bは貯湯槽30の湯水を直接利用する場合や貯湯槽30の湯水を間接的に利用する場合がある。湯利用機器26aおよび熱利用機器26bは湯水使用装置である。
運転制御装置40は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図2等のフローチャートに対応したプログラムを実行して、発電装置10の運転計画を導出して更新記憶し、該更新記憶した運転計画に従って運転するとともに発電量指示値に応じた発電量となるように発電装置10を連続発電制御もしくは発電停止制御している。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは上記プログラムを記憶するものである。
次に、上述したコジェネレーションシステムの作動形態について図2〜図11を参照して説明する。なお、このコジェネレーションシステムを作動するにあたり近隣への騒音防止対策として、ユーザは強制的な運転停止時間を運転制御装置40に予め指定することができる。このため、以下の説明では0:00から6:00までを強制的な運転停止時間として設定しているものとする。運転制御装置40は、図示しない主電源が投入されると、ステップ100にてプログラムを起動しプログラムをステップ102に進める。運転制御装置40は、図2に示すステップ102〜108の処理によって運転計画を一日一回立てて該運転計画に従って発電装置10の運転(発電)を停止したり発電したりする。
運転制御装置40は、ステップ102において、例えば7日前から前日までの湯水消費量のデータに基づいて湯水消費パターンを作成して更新記憶する。ここで、例えば前日の湯水消費量のデータは、該前日に図2のステップ102〜108を実行している間に同時に図3のステップ302〜318を実行することにより作成される。そして、作成された前日の湯水消費量のデータは、翌日に実行する図2のステップ102において使用される。以下、図3に示す湯水消費パターン作成ルーチンについて説明する。
運転制御装置40は、湯水消費パターンを作成するための行列Ho_mを初期化する(ステップ302)。運転制御装置40は、行列Ho_mの各要素に7日分の各時間帯の湯水消費量を代入する。代入した結果の一例を図4に示している。なお、本システムを設置当初においては、家族構成、地域などの条件から予め作成された平均的な消費モデルパターンの数値を代入する。また、少なくとも1週間運転した後は、実際に測定した湯水消費量から作成され更新記憶された前回の湯水消費パターンの数値を代入する。
行列Ho_mは、列が何日前のデータであることを示し、行が一日のうちの時間帯を示している。そして、湯水消費量は、その湯水をつくるための発電量で表している。発電量の表示は、その期間の平均ワット数(平均発電電力)で表している。本実施形態では湯水消費量を求める期間が30分であるので、例えば湯水消費量が300Wのときには300W×1/2h=150Whが、湯水消費量に相当する湯水をつくるために必要な発電量となる。行列Ho_mの例えば1行1列の要素は、7日前の0:00に計測した湯水消費量すなわち8日前の23:30から7日前の0:00までに計測した湯水消費量の平均値であり、図4では300Wである。2行1列の要素は、7日前の0:30に計測した湯水消費量すなわち7日前の0:00から0:30までに計測した湯水消費量の平均値であり、図4では400Wである。1行7列の要素は、1日前の0:00に計測した湯水消費量すなわち2日前の23:30から1日前の0:00までに計測した湯水消費量の平均値であり、図4では340Wである。
運転制御装置40は、流量センサ36によって湯水消費量を制御周期(本実施形態では1分)毎に計測し(ステップ304)、計測した湯水消費量をフィルタ処理する(ステップ306)。運転制御装置40は、ステップ306において、湯水消費量を計測する度にその計測したデータおよび記憶されている過去数件分(本実施形態においては29件分)のデータに基づいて下記数1によってフィルタ処理を実行している。
Figure 2010032079
なお、u[k]およびy[k]は現時点でのデータ、例えば時刻kの入力データおよび出力値(処理値)であり、zは遅れ演算子である。
運転制御装置40は、湯水消費量の計測開始時点から30分経過するまでの間、ステップ308で「NO」と判定し続け、上記湯水消費量の計測とそのフィルタ処理を繰り返し実行して、その30分間の湯水消費量をフィルタ処理して平均値を算出する。そして、運転制御装置40は、湯水消費量の計測開始時点から30分経過した時点にて、ステップ308で「YES」と判定し、上記行列Ho_mとは異なる0:00から23:30までの1列48行でなる行列Ho_tempに30分間隔で各30分間で消費された湯水消費量の平均値を追加する(ステップ310)。30分間で消費された湯水消費量を1分間毎に計測してフィルタ処理し、この30分間に経過した時刻での湯水消費量として行列Ho_tempに順次書き込み、最終的に1日前の30分毎の湯水消費量を示す0:00から23:30までの1列48行でなる行列Ho_tempを作成する。
運転制御装置40は、0:00になるまで、ステップ312で「NO」と判定し続け、上記ステップ304からステップ310の処理を繰り返し実行する。そして、運転制御装置40は、0:00になった時点にて、ステップ312で「YES」と判定し、行列Ho_mにおいて、1列の7日前の全データを消去する(ステップ314)。例えば、図5に示すように、7日前の0:00〜23:30までの全データ300W,400W…900Wを消去する。そして、運転制御装置40は、図5に示すように、2列の6日前の全データから7列の1日前の全データを一列ずつ左に移動させ、ステップ310で行列Ho_tempに記録した30分間における湯水消費量の平均値の1日前の全データ200W,350W…800Wを行列Ho_mの空いている7列に追加する(ステップ316)。運転制御装置40は、このように作成された行列Ho_mの各列のデータを合算し、図5に示すように、その合算値が最大のデータを湯水消費予測値Ho_preとして湯水消費パターンを導出して更新記憶する(ステップ318)。0:00の湯水消費量は350Wであり、0:30の湯水消費量は490Wであり、・・・、23:30の湯水消費量は940Wである。この湯水消費パターンの一例を図6に示す。
次に、運転制御装置40は、ステップ104において、図7に示す貯湯槽残湯量推定ルーチンに沿ってプログラムを実行し、現在時刻の貯湯槽30の残湯量を導出して記憶する。運転制御装置40は、温度センサ38によって貯湯槽30に補給される水(例えば水道水)の温度を計測する(ステップ402)。運転制御装置40は、各温度センサ34−1〜34−10によって貯湯槽30内の各位置の湯水の温度を計測する(ステップ404)。そして、運転制御装置40は、補給される水の温度および貯湯槽30内の各位置の温度を下記数2に代入して貯湯槽30の残湯量を導出する(ステップ406)。
Figure 2010032079
ここで、Qは貯湯槽30に蓄えられている熱量[J]であり、Cpは水の比熱(4.189×10−3[J/(kg・K)])であり、Vは貯湯槽30の容積(本実施形態では150l=150kg)であり、Twは水道水の温度[℃]であり、Tiは貯湯槽30内のi番目の温度センサ34の温度[℃]である。
次に、運転制御装置40は、ステップ106において当日の開始(0:00)から現在までの湯水消費量を求める。すなわち運転制御装置40は、当日の開始(0:00)から現在まで所定時間(本実施形態では30分)毎に貯湯槽30の最上位の温度センサ34−1の検出温度と流量センサ36の検出流量を積算した値に基づいて湯水消費積算値を算出する。
次に、運転制御装置40は、ステップ108において、図9に示す運転計画ルーチンに沿ってプログラムを実行し、不規則な湯水消費が生じた場合に備え、発電停止制御と発電制御とを切り替えて貯湯槽30内の湯切れや湯余りを防止して省エネ効果の高い発電装置10の運転を制御している。
運転制御装置40は、ステップ102(ステップ318)で導出された湯水消費予測値Ho_preを読み込んで運転停止時間(0:00〜6:00)の湯水消費予測値を合算(合算値A)すると共に運転時間(6:00〜24:00)の湯水消費予測値を合算(合算値B)する(ステップ702,704)。導出された湯水消費予測値Ho_preと運転停止時間および運転時間の湯水消費予測値の一例を図10に示す。さらに、ステップ106で求めた当日の開始(0:00)から現在までの湯水消費積算値(積算値C)を読み込む(ステップ706)。そして、合算値Bから積算値Cを減算し(なお、合算値Bから積算値Cを減算した減算値が負になったときは0とする)、さらに合算値Aを加算して閾値Sを求め(ステップ708)、ステップ104で求めた貯湯槽30の残湯量が閾値Sよりも少ないか否かを判定する(ステップ710)。運転制御装置40は、貯湯槽30の残湯量が閾値Sより少ないときは、ステップ710にて「YES」と判定しプログラムをステップ712に進めて発電装置10を発電制御し、貯湯槽30の残湯量が閾値Sより多いときは、ステップ710にて「NO」と判定しプログラムをステップ714に進めて発電量指示値を0に設定し、発電装置10を発電停止制御する。
運転制御装置40は、ステップ712において、電力計22によって電力消費量を制御周期毎に計測し、計測した電力消費量をフィルタ処理する。このフィルタ処理は、電力消費量を計測する度にその計測したデータおよび記憶されている過去数件分(本実施形態においては6件分)のデータに基づいて上記数1と同様の下記数3によってフィルタ処理を実行している。運転制御装置40は、このフィルタ処理値を発電量指示値に設定し、その発電量指示値を発電器11に指示して発電装置10の発電制御を実施する。なお、発電量指示値の上限と下限は発電装置10の最大発電量(例えば1500W)と最小発電量(例えば750W)とする。これにより、発電装置10は、急激に変化する電力消費量に追従することなく、発電量の振動を抑制することができるため効率のよい発電が可能となる。
Figure 2010032079
ここで、y[k]はk時刻(時間)でのフィルタ処理値であり、u[k]はk時刻(時間)での電力消費量[J]であり、zは遅れ演算子であり、nはフィルタ次数(本実施形態においては5)である。
以上のように、上記閾値Sと貯湯槽30の残湯量とを比較して発電停止制御を行い、もしくは発電制御を続行する。例えば図11に示すように、17:00から24:00までの間は発電が停止される(0:00から6:00は強制的に運転停止される)ので発電量は0であり、6:00から17:00までの間は電力消費量に追従して発電されている。閾値Sは、先ず湯水消費予測値Ho_preから求めた運転時間の湯水消費予測値から当日の開始(0:00)から現在までの湯水消費積算値を減算し、次に湯水消費予測値Ho_preから求めた運転停止時間の湯水消費予測値を加算して求めているので、運転停止時間の湯水消費予測値の湯水が必ず残るようになっている。これにより、不規則な湯水の消費が生じても、貯湯槽30内の湯切れや湯余りを防止して省エネ効果の高い発電装置10の運転制御が可能となる。
上述した説明から明らかなように、本実施形態においては、運転制御装置40が、予め指定された運転停止時間、湯水使用装置26a,26bで消費される湯水量の消費パターン、貯湯槽30内の残湯量の予測値および当日の湯水使用装置26a,26bで消費された湯水量の消費データに基づいて、発電装置10を発電制御もしくは発電停止制御する。これにより、貯湯槽30での放熱を考慮した運転計画を立てることができるので、湯水を使用しない時間には貯湯槽30に湯水を溜めることがなくなる。したがって、放熱ロス分だけ省エネ効果の高い発電装置10の運転ができるコジェネレーションシステムを提供することができる。また、従来と比べて頻繁に運転計画を立てることができるので、予期しない湯水の消費があった場合でも、その消費に対応した運転を実施することができる。したがって、予期しない湯水の消費による湯切れの発生を防止することができるので、湯切れを防止しつつ省エネ効果がよい発電装置の運転ができるコジェネレーションシステムを提供することができる。
また、運転制御装置40は、一定期間前までの湯水使用装置26a,26bで消費される湯水量を時間帯毎に記憶して消費パターンを作成し、湯水使用装置26a,26bで消費される湯水量が最大量となる日のデータに基づいて制御するので、不規則な湯水消費が生じた場合であっても湯切れや湯余りをほぼ確実に防止することができる。
また、運転制御装置40は、湯水使用装置26a,26bで消費される湯水量の消費パターンを、入力指定された運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータと運転停止時間以外の運転時間に消費される湯水量の第2のデータとに分け、運転時間に消費される湯水量の第2のデータから当日の開始から現在までの湯水使用装置26a,26bで消費された湯水量のデータを減算し、該減算値に運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータを加算して閾値とし、運転時間中に該閾値が貯湯槽30内の残湯量の予測値より大きくなったときは発電装置10の発電制御を続行し小さくなったときは発電装置10を発電停止制御するので、不規則な湯水消費が生じた場合、特に湯水消費時間が普段よりも早まった場合であっても湯切れをほぼ確実に防止することができる。
なお、上述した実施形態においては、湯水量の消費パターンは7日間のうち1日分の合算データが最大となる値を選択するようにしたが、各時間帯毎に最大となる値を選択し、もしくは7日間の平均値を選択するようにしても良い。また、電力量の消費パターン、湯水量の消費パターンおよび残湯量の予測値を24時間より大きい時間(例えば2日)を単位として作成するようにしてもよい。また、発電装置10としては、発電器11が交流電力を発生して交換器12を介さずに直接出力するものもある。
本発明によるコジェネレーションシステムの一実施形態の概要を示す概要図である。 図1に示した運転制御装置にて実行される制御プログラムのフローチャートである。 図1に示した運転制御装置にて実行される湯水消費パターン作成ルーチンのフローチャートである。 行列Ho_mを示す図である。 行列Ho_mの更新状況を示す図および湯水消費予測値を行列Ho_preで示した図である。 湯水消費パターンの一例を示すグラフである。 図1に示した運転制御装置にて実行される貯湯槽残湯量推定ルーチンのフローチャートである。 図1に示した運転制御装置にて実行される運転計画ルーチンのフローチャートである。 行列Ho_preによる運転停止時間および運転時間の湯水消費量予測値の求め方を示す図である。 変動する電力消費量および発電量を示すグラフである。
符号の説明
10…発電装置、10a…電力計、11…発電器、12…変換器、13…燃料供給装置、13a…流量計、14…水供給装置、15…送電線、16…系統電源、21…負荷装置、26a…湯利用機器、26b…熱利用機器、30…貯湯槽、34…温度センサ群、36…流量センサ、40…運転制御装置。

Claims (3)

  1. 負荷装置に電力を供給する発電装置と、
    前記発電装置の廃熱を回収した湯水を貯湯するとともに湯水使用装置に該湯水を供給する貯湯槽と、
    予め指定された運転停止時間、前記湯水使用装置で消費される湯水量の消費パターン、前記貯湯槽内の残湯量の予測値および当日の前記湯水使用装置で消費された湯水量の消費データに基づいて、前記発電装置を発電制御もしくは発電停止制御する運転制御装置と、
    を備えたことを特徴とするコジェネレーションシステム。
  2. 請求項1において、前記運転制御装置は、一定期間前までの前記湯水使用装置で消費される湯水量を時間帯毎に記憶して前記消費パターンを作成し、前記湯水使用装置で消費される湯水量が最大量となる日のデータに基づいて制御することを特徴とするコジェネレーションシステム。
  3. 請求項1または請求項2において、前記運転制御装置は、前記湯水使用装置で消費される湯水量の消費パターンを、入力指定された前記運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータと前記運転停止時間以外の運転時間に消費される湯水量の第2のデータとに分け、前記運転時間に消費される湯水量の第2のデータから当日の開始から現在までの前記湯水使用装置で消費された湯水量のデータを減算し、該減算値に前記運転停止時間に消費される湯水量の第1のデータを加算して閾値とし、前記運転時間中に該閾値が前記貯湯槽内の残湯量の予測値より大きくなったときは前記発電装置の発電制御を続行し小さくなったときは前記発電装置を発電停止制御することを特徴とするコジェネレーションシステム。
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