JP2010031894A - パワーユニット用のトルクロッドおよびその製造方法 - Google Patents

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章 大路
Manabu Yokawa
学 余川
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Abstract

【課題】防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングとの両ばね特性による防振効果が効率的に発揮され得るように設定された複合構造のトルクロッドを容易に設計製造することが出来る、トルクロッドの新規な製造方法を提供する。
【解決手段】ロッド本体12の長手方向の最大荷重入力時における本体ゴム弾性体20とコイルスプリング62の最大相対変位量の決定値を満たす本体ゴム弾性体20の静的ばね定数とコイルスプリング62の静的ばね定数を複数の組み合わせで仮設定し、本体ゴム弾性体20とコイルスプリング62の静的ばね定数の各組み合わせのそれぞれにおいて、自動車への装着状態での最大相対変位量下で発揮される全体的な動的ばね定数を求めると共に、それら各組み合わせのうちで動的ばね定数が最小のものを選択して、本体ゴム弾性体20とコイルスプリング62の各静的ばね定数を決定して設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等においてパワーユニットを車両ボデー等のベース部材に対して防振連結するトルクロッドとその製造方法に係り、特に少なくとも一方の連結部に防振ブッシュを備えてなるトルクロッドとその製造方法に関するものである。
従来から、自動車等においてパワーユニットを車両ボデー等のベース部材に対して防振支持させるのに用いられる防振装置の一種として、トルクロッドが知られている。トルクロッドは、ロッド本体の長手方向両側に連結部が設けられており、これらの連結部においてパワーユニットとベース部材の各一方に取り付けられることにより、パワーユニットのトルク反力をベース部材に伝達させて支持させる。
そして、かかるトルクロッドでは、パワーユニット振動のベース部材への伝達を抑えるために、一般に、連結部の少なくとも一方に防振ブッシュが設けられている。かかる防振ブッシュは、ロッド本体に設けたアウタ筒部にインナ軸部材を挿通して本体ゴム弾性体で連結せしめた構造とされている。
ところが、従来構造のトルクロッドでは、防振効果が専ら防振ブッシュにおける本体ゴム弾性体の弾性変形によるものとされていることから、配設スペースによるゴムボリュームの制限下で要求される線形領域を充分に確保することが難しかった。そのために、入力荷重が大きくなると防振ブッシュのばね特性が非線形的に大きくなって防振性能が大幅に低下するという問題があった。
このような問題に鑑み、特許文献1(特開2007−57070号公報)には、トルクロッドにおいて防振ブッシュとコイルスプリングを組み合わせて採用した複合構造の新規なトルクロッドが提案されている。コイルスプリングは、比較的に大きな線形領域を確保できることから、トルクロッドにおける防振ブッシュへの入力荷重を分担させることにより、大荷重入力時にもばね定数の著しい上昇を回避して防振性能を向上させることが出来る。しかも、コイルスプリングの変形領域においても、防振ブッシュの本体ゴム弾性体の弾性変形に基づく減衰効果も併せて発揮され得る。
かかる特許文献1に記載の如き防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングとを組み合わせて採用したトルクロッドについて、本発明者が更なる研究を重ねたところ、防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングとの両ばね特性に関して、特定の組合せ態様によって一層優れた防振性能が発揮されることが、新たにわかった。
すなわち、単に防振ブッシュの本体ゴム弾性体のばね特性だけに基づいて防振効果を得るようにしたトルクロッドでは、単に本体ゴム弾性体のばね特性だけを設計すれば良いことから、その設計は比較的容易である。しかし、特許文献1に記載の如き本発明が対象とする複合構造のトルクロッドでは、相互に独立した本体ゴム弾性体とコイルスプリングを組み合わせて、それら両者で複合的に発揮されるばね特性を、要求される防振性能等に応じて設計しなければならないことから、かかる設計が困難だったのである。
かかる状況下、本発明者が多くの実験と検討を繰り返した結果、優れた防振性能を発揮し得るように防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングとの両ばね特性を設定した複合構造のトルクロッドは、特定の設計工程を経ることによって、効率的に且つ容易に製造することが出来ることを新たに見い出したのである。そして、本発明は、この新たな知見に基づいて完成されたものである。
特開2007−57070号公報
本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングとの両ばね特性による防振効果が効率的に発揮され得るように設定された複合構造のトルクロッドを容易に設計製造することが出来る、トルクロッドの新規な製造方法を提供することにある。
また、本発明は、防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングとの両ばね特性による防振効果が効率的に発揮され得るように、特定の設計工程を経て製造された複合構造のトルクロッドを提供することも、目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、パワーユニット用のトルクロッドの製造方法に係る本発明の特徴とするところは、長手方向両側に連結部を備えたロッド本体における少なくとも一方の該連結部が、該ロッド本体に設けたアウタ筒部にインナ軸部材を挿通して本体ゴム弾性体で連結せしめた防振ブッシュで構成されていると共に、該アウタ筒部にコイルスプリングが組み付けられており、該ロッド本体の該連結部間に対してロッド長手方向の荷重が入力された際に該防振ブッシュの該インナ軸部材が該コイルスプリングに対して当接されるようになっているパワーユニット用のトルクロッドの製造方法であって、(i)前記ロッド本体の前記連結部間へのロッド長手方向の設計最大荷重の入力時において、前記防振ブッシュの前記本体ゴム弾性体の弾性変形と前記コイルスプリングの弾性変形とによって発生する前記インナ軸部材の前記アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における相対変位量の値を決定する最大相対変位量決定工程と、(ii)該最大相対変位量決定工程で決定された前記相対変位量に至るまでの中間荷重の入力時において前記防振ブッシュの前記インナ軸部材が前記コイルスプリングに対して当接する位置での該インナ軸部材の前記アウタ筒部に対する相対変位量の値を決定する当接相対変位量決定工程と、(iii)前記最大相対変位量決定工程で決定された前記相対変位量の値を満たす条件下で、前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数と前記コイルスプリングの静的ばね定数を複数の組合せで仮設定するばね定数仮設定工程と、(iv)該ばね定数仮設定工程で仮設定された前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数と前記コイルスプリングの静的ばね定数の複数の組合せのそれぞれについて、パワーユニットへの装着状態下で発揮される前記防振ブッシュの動的ばね定数を求める動的ばね定数確認工程と、(v)該動的ばね定数確認工程において求めた前記複数の防振ブッシュの動的ばね定数のうちで該動的ばね定数が最も小さくなる前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数と前記コイルスプリングの静的ばね定数の組合せを選択して決定する組合せ決定工程とを、含んで前記防振ブッシュを設計し、かかる防振ブッシュの設計値を採用して前記トルクロッドを製造するパワーユニット用のトルクロッドの製造方法にある。
本発明方法に従えば、例えば特許文献1に開示されている如き複合構造のトルクロッドにおいて、設計最大荷重に至る荷重領域で防振ブッシュのインナ軸部材とアウタ筒部との相対変位が許容されて設計最大荷重入力時に目的とする相対変位量が発現されるというチューニング条件下で、防振性能が最適と考えられる動的ばね定数を効率的に設計し、目的とするトルクロッドを製造することが可能となる。
特に本発明方法に従えば、先ず、比較的にチューニングが容易な本体ゴム弾性体およびコイルスプリングの各静的ばね定数の調整によって複数種類の仮設定を行い、その後、それら複数種類の仮設定の中から、動的ばね定数を指標として最適設計を選択決定するようにされる。
このように、静的ばね定数による仮設定の工程を経ることにより、設計最大荷重入力時におけるインナ軸部材とアウタ筒部の相対変位量の条件を正確に設定することが出来る。
また、静的ばね定数による仮設定の工程を経ることにより、動的ばね定数を複数種類に設計して動的ばね定数で直接に評価する場合に比して、設計作業の容易化と効率化が図られ得る。
更にまた、静的ばね定数による仮設定を複数種類行なってから、最終的に動的ばね定数で評価することにより、最適と考えられる防振性能を備えたトルクロッドを容易に且つ効率的に決定することが出来るのである。
なお、本発明方法では、特に、前記ばね定数仮設定工程において、仮設定する前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数:Ksrと前記コイルスプリングの静的ばね定数:Kssとの比の値を、何れも、Kss/Ksr=0.2〜2.0とすることが望ましい。
このような特定範囲の本体ゴム弾性体とコイルスプリングにおける静的ばね定数の比の値の領域では、要求される設計最大荷重入力時の相対変位量の条件下で最適と考えられる防振性能を発揮し得るような防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングとの設計が実現され得る。それ故、ばね定数仮設定工程における複数種類の仮設定範囲を、かかる静的ばね定数の比の値の特定領域内に制限することにより、目的とする防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングの最適設計を一層効率的に行なうことが可能となるのである。
一方、パワーユニット用のトルクロッドに関する本発明の特徴とするところは、前述の如き本発明方法に従って製造されたパワーユニット用のトルクロッドであって、前記ロッド本体の前記連結部間へのロッド長手方向の設計最大荷重が3000〜5000Nの範囲内に設定されていると共に、該設計最大荷重の入力時における前記インナ軸部材の前記アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における相対変位量の値が10〜14mmに設定されており、且つ、前記コイルスプリングの静的ばね定数が50〜300N/mmの範囲内に設定されていると共に、該本体ゴム弾性体の静的ばね定数:Ksrと該コイルスプリングの静的ばね定数:Kssとの比の値がKss/Ksr=0.2〜2.0の範囲内に設定されていることにある。
このような本発明に従う構造とされたパワーユニット用のトルクロッドにおいては、例えば自動車用のトルクロッドとして好適に採用される。そして、かかるトルクロッドは、自動車等への装着状態下において、パワーユニットのトルク反力の車両ボデーに対する伝達機能と、かかるトルク反力の伝達経路を通じて伝達される振動の防振機能とを、高度に両立して発揮し得る。
なお、コイルスプリングの静的ばね定数が50N/mmより小さいと、コイルスプリング自体の耐久性が問題となるおそれがある。一方、コイルスプリングの静的ばね定数が300N/mmを超えると、コイルスプリングの当接に伴う衝撃が問題となるおそれがあるし、設計最大荷重の入力時における防振ブッシュのインナ軸部材のアウタ筒部に対する相対変位量を充分に確保することが難しくなる。
また、本体ゴム弾性体の静的ばね定数とコイルスプリングの静的ばね定数との比の値(Kss/Ksr)が0.2より小さいと、本体ゴム弾性体の特性が支配的となり過ぎて大きな荷重入力時に本体ゴム弾性体の非線形的なばね特性に起因するばね定数の著しい増大とそれに伴う防振性能の低下が問題となることがあると共に、大荷重の入力頻度が大きい等の場合にコイルスプリングの耐久性が問題となるおそれがある。一方、本体ゴム弾性体の静的ばね定数とコイルスプリングの静的ばね定数との比の値(Kss/Ksr)が2.0より大きいと、本体ゴム弾性体とコイルスプリングの両者間でのばね特性の差が大きくなり過ぎてコイルスプリングの当接時におけるばね特性の立ち上がりが大きくなり過ぎるおそれがあると共に、コイルスプリングの特性が支配的となり過ぎてゴム弾性体による減衰効果が発揮され難くなって防振性能の低下が問題となることがあり、また、大荷重の入力頻度が大きい等の場合に本体ゴム弾性体の耐久性が問題となるおそれがある。
また、本発明のパワーユニット用のトルクロッドでは、前記防振ブッシュの前記アウタ筒部において、前記ロッド本体の長手方向での前記インナ軸部材に対する対向部分が該インナ軸部材側に曲率中心を有する円弧形状の周壁部とされていると共に、該円弧形状の周壁部の中央部分に形成された開口窓から該インナ軸部材に向かって前記コイルスプリングの軸方向一端側が突出せしめられて、該コイルスプリングの軸方向一端側が該インナ軸部材に対して該ロッド本体の長手方向で離隔して対向位置せしめられており、該ロッド本体の前記連結部間へのロッド長手方向の荷重入力時に該インナ軸部材が該コイルスプリングに対して緩衝材を介して当接せしめられるようになっている一方、該インナ軸部材には該コイルスプリングへの当接部分から両側に延び出して該アウタ筒部における該開口窓の周方向両側に対して所定距離を隔てて対向位置する一対のストッパ突部が形成されており、かかる一対のストッパ突部が該アウタ筒部に対して当接することにより、該防振ブッシュにおいて前記本体ゴム弾性体の弾性変形と該コイルスプリングの弾性変形とによって発生する該インナ軸部材の該アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における最大相対変位量を規定するストッパ機構が構成されている構造が、好適に採用され得る。
このような構造によれば、インナ軸部材とコイルスプリングが緩衝材を介して当接することによって、緩衝作用に基づき当接打音の低減効果等が図られ得る。
特に本構造では、インナ軸部材のアウタ筒部への当接部分から両側に延び出した一対のストッパ突部がロッド本体の長手方向でアウタ筒部に当接することによって、インナ軸部材のアウタ筒部に対するロッド本体の長手方向の最大相対変位量を規定するストッパ機構が構成されていることから、一対のストッパ突部による安定した当接作用に基づき、インナ軸部材とアウタ筒部の最大相対変位量が高度に設定され得る。また、インナ軸部材とコイルスプリングの間に設けられた緩衝材やインナ軸部材とアウタ筒部の間に設けられたストッパ突部における形状や大きさ、構造、数、配置等の形態に基づいて、インナ軸部材とコイルスプリング乃至はアウタ筒部における当接作用や対向面間距離等が設計変更され得る。それによって、本体ゴム弾性体やコイルスプリングの各静的ばね定数のチューニング自由度が向上されて、最適な動的ばね特性が一層確実に得られる。
また、本発明のパワーユニット用のトルクロッドに関して特徴とするところは、長手方向両側に連結部を備えたロッド本体における少なくとも一方の該連結部が、該ロッド本体に設けたアウタ筒部にインナ軸部材を挿通して本体ゴム弾性体で連結せしめた防振ブッシュで構成されているパワーユニット用のトルクロッドであって、前記防振ブッシュを構成する前記インナ軸部材と前記アウタ筒部との対向面のうち、前記ロッド本体の長手方向および該防振ブッシュの軸方向との何れにも直交する該防振ブッシュ幅方向の両側にそれぞれ位置せしめられた各一対の対向面を、何れも、該防振ブッシュの軸方向と平行で且つ該ロッド本体の長手方向に広がる平面状対向面をもって対向させて、該インナ軸部材と該アウタ筒部における各平面状対向面を前記本体ゴム弾性体で連結する一方、該防振ブッシュにおけるトルク荷重の入力方向での該インナ軸部材と該アウタ筒部との対向部間には該防振ブッシュの軸方向に貫通するスリットを形成すると共に、このスリットを挟んで該アウタ筒部から該インナ軸部材に向かって該ロッド本体の長手方向に突出するコイルスプリングを組み付けて、トルク荷重の入力により該インナ軸部材が該アウタ筒部に対して該ロッド本体の長手方向に所定量変位せしめられた際に該インナ軸部材が該コイルスプリングに当接するようになすと共に、該インナ軸部材におけるトルク荷重の入力方向での該アウタ筒部への対向部分において、該コイルスプリングへの当接面から前記防振ブッシュ幅方向の両側にそれぞれ突出する一対のストッパ突部を設けて、大きなトルク荷重の入力時に該開口窓を挟んで対向位置する該一対のストッパ突部が該アウタ筒部に対して該本体ゴム弾性体と一体的に形成された緩衝ゴム層を介して緩衝的に当接することにより、該防振ブッシュにおいて該本体ゴム弾性体の弾性変形と該コイルスプリングの弾性変形とによって発生する該インナ軸部材の該アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における最大相対変位量を規定するストッパ機構を構成したパワーユニット用のトルクロッドにある。
このような本発明に従う構造とされたパワーユニット用のトルクロッドにおいては、インナ軸部材とアウタ筒部における防振ブッシュ幅方向で互いに対向配置された平面状対向面の間に本体ゴム弾性体が配設されていることによって、トルク軸方向となる本体ゴム弾性体がインナ軸部材及びアウタ筒部からストッパ突部に向かって延びる方向の寸法増大を抑えつつ、本体ゴム弾性体の容積が効率良く確保され得る。それ故、ストッパ突部の有効面積確保によりストッパ性能が効果的に発揮され得ると共に、本体ゴム弾性体の耐久性向上や大荷重入力時における本体ゴム弾性体の非線形的なばね特性の抑制効果が図られて、優れた防振性能が発揮され得る。
また、かくの如き本発明に従う構造とされたパワーユニット用のトルクロッドでは、前記トルク荷重の入力方向における前記防振ブッシュの前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数:Ksrと前記コイルスプリングの静的ばね定数:Kssとの比の値を、Kss/Ksr=0.2〜2.0となるように設定することが望ましい。このような静的ばね定数の比の範囲内で設定することにより、目的とする防振ブッシュの本体ゴム弾性体とコイルスプリングの最適設定が一層効果的に実現可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ、詳細に説明する。先ず、図1には、本発明の一実施形態としてのトルクロッド10が示されている。このトルクロッド10は、長手状のロッド本体12を備え、ロッド本体12の長手方向両側に設けられた連結部が、防振ブッシュとしての第一のゴムブッシュ14および第二のゴムブッシュ16により、それぞれ構成されている。そして、第一のゴムブッシュ14が図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられると共に、第二のゴムブッシュ16が図示しない自動車のボデーに取り付けられることにより、それらパワーユニットと車両ボデーの間に装着されて、パワーユニットから車両ボデーへの振動伝達を抑えつつ、パワーユニットのトルク反力を車両ボデーに対して伝達して、パワーユニットを車両ボデーに対して防振連結せしめるようになっている。なお、ロッド本体12の長手方向は、第一のゴムブッシュ14の中心軸と第二のゴムブッシュ16の中心軸を通る直線方向であって、図1〜3中の左右方向となる。
より詳細には、ロッド本体12は、図2〜6にも示されているように、同一形状とされた上下一対の分割板金具18,18を板厚方向(図3〜6中、上下)で重ね合わせて固定すると共に、それら一対の分割板金具18,18に対して一体的に本体ゴム弾性体としてのゴム弾性体20を加硫接着した、金具とゴムの複合構造体とされている。なお、分割板金具18は、金属材の他、合成樹脂材料で形成されていても良い。
かかる分割板金具18は、全体として、図1中の左右方向に延びる長手板形状を有している。その長手方向一方の端部近くには円形の小径開口部22が形成されていると共に、長手方向他方の端部付近には略トラック状の角丸長方形の大径開口部24が形成されている。かかる大径開口部24は、一対の円弧状部がロッド本体12の長手方向で対向位置している。
また、分割板金具18における小径開口部22および大径開口部24の各開口周縁部には、板厚方向で同じ側に突出する小径周壁部26および大径周壁部28が一体形成されている。更に、分割板金具18には、小径開口部22と大径開口部24との間を直線的に延びる補強凹溝30が、小径周壁部26および大径周壁部28の突出方向と反対側に開口して形成されている。
更にまた、分割板金具18には、大径開口部24から長手方向外方に向かって延びる収容凹溝32が形成されている。この収容凹溝32は、補強凹溝30と同じ側に開口しており、半円形状の一定断面をもって、大径開口部24から分割板金具18の長手方向一端部に至るまで直線的に形成されている。
そして、かかる一対の分割板金具18,18は、各補強凹溝30および収容凹溝32が開口する面を互いに向かい合わせて、相互に組み合わされている。この組合せ状態下、一対の分割板金具18,18は、外周縁部において相互に直接に重ね合わされており、必要に応じて溶接等で相互に固着されている。また、一対の分割板金具18,18における補強凹溝30,30の重ね合わせ部分により、中空筒体構造をもってロッド本体12の長手方向に延びる中央連結部34が形成されている。更にまた、この中央連結部34の長手方向両端部には、一対の小径周壁部26,26によって形成された第一のアウタ筒部36と、一対の大径周壁部28,28によって形成された第二のアウタ筒部38とが、それぞれ設けられている。第一のアウタ筒部36が円筒形状を有していると共に、第二のアウタ筒部38がロッド本体12の長手方向に長手状の略矩形筒状を有しており、これら第一及び第二のアウタ筒部36,38の何れもが、ロッド長手方向に直交する一方向(図3〜6中、上下)に延びている。特に、第二のアウタ筒部38において、大径開口部24におけるロッド本体12の長手方向で対向された一対の周壁部が、円孤状の板部とされている。
また、一対の分割板金具18,18における収容凹溝32,32の重ね合わせ部分には、第二のアウタ筒部38の長手方向一方(図1〜3中、右)の周壁部から長手方向外方に向かって延びてロッド本体12の端部に開口する収容ハウジング40が、円筒形状をもって形成されている。即ち、この収容ハウジング40は、ロッド長手方向(図1〜3中、左右)の一端部から内方に向かって延び、第二のアウタ筒部38の当該周壁部において円形の開口窓42を通じて開口せしめられている。
さらに、上述の如く重ね合わされた一対の分割板金具18,18に対して、その全体を覆うようにしてゴム弾性体20が加硫接着されている。そして、一対の分割板金具18,18に対してゴム弾性体20が一体的に被着されることにより、一対の分割板金具18,18とゴム弾性体20の複合構造体としてロッド本体12が構成されている。
かかるロッド本体12においては、一対の分割板金具18,18の各補強凹溝30によって形成された中央連結部34の中空内部にゴム弾性体20が充填されている。また、ロッド本体12の表面の略全体がゴム弾性体20からなる被覆ゴム層で覆われている。
また、第一のアウタ筒部36には、第一のインナ軸部材44が挿通配置されている。この第一のインナ軸部材44は、第一のアウタ筒部36よりも小径の円筒形状を有しており、第一のアウタ筒部36と略同心状に配置されている。これら第一のインナ軸部材44と第一のアウタ筒部36との径方向対向面間には、厚肉円筒形状の第一の本体ゴム弾性体46が介装されており、第一の本体ゴム弾性体46の外周面が第一のアウタ筒部36の内周面に固着されていると共に、第一の本体ゴム弾性体46の内周面が第一のインナ軸部材44の外周面に固着されている。それによって、第一のインナ軸部材44と第一のアウタ筒部36が第一の本体ゴム弾性体46により弾性連結された構造の第一のゴムブッシュ14が形成されている。本実施形態では、第一のゴムブッシュ14の第一の本体ゴム弾性体46が、ロッド本体12を構成するゴム弾性体20と一体形成されている。
また、第二のアウタ筒部38には、第二のインナ軸部材48が略同心状に内挿配置されている。第二のインナ軸部材48は、全体として略矩形柱状を有しており、ロッド長手方向に長手状に延びる略一定の略矩形断面で軸方向(ロッド長手方向の一直交方向である図3中、上下)に延びている。第二のインナ軸部材48には、軸方向に貫通する取付孔50や肉抜孔52が、長手方向に所定距離を隔てて形成されている。
特に、第二のアウタ筒部38と第二のインナ軸部材48において、ロッド本体12の長手方向とブッシュ軸方向(第二のインナ軸部材48及び第二のアウタ筒部38の軸方向)の何れにも直交するブッシュ幅方向(図1,2中、上下または図5中、左右)で対向された各一対の面が、それぞれ、平面状対向面としてのアウタ平面51とインナ平面53とされている。これらアウタ平面51,51やインナ平面53,53は、ブッシュ軸方向と平行で且つロッド本体12の長手方向に広がる平面形状とされていると共に、各アウタ平面51及びインナ平面53の対向面間には、ロッド本体12のゴム弾性体20と一体形成されたブロック状のゴム弾性体が配設されている。各ゴム弾性体の幅方向一方の端面が、各アウタ平面51の略全体に固着されていると共に、各ゴム弾性体の幅方向他方の端面が、各インナ平面53における長手方向一方(図1中,右)の端部から長手方向他方に所定距離離隔された位置から長手方向他方の端部にかけて固着されている。ここで、本実施形態の第二の本体ゴム弾性体54がこれらブロック状の一対のゴム弾性体からなり、それによって、第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38が第二の本体ゴム弾性体54で弾性的に連結されてなる第二のゴムブッシュ16が構成されている。
また、第二のゴムブッシュ16における第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38の径方向対向面間において、第二の本体ゴム弾性体54を挟んだロッド本体12の長手方向中央側(図1中、左)には、第二の本体ゴム弾性体54が配設されていないことにより第二のゴムブッシュ16を軸方向に貫通する形態の第一のスリット56が形成されている。また、ロッド長手方向で第二のインナ軸部材48と対向位置せしめられた第二のアウタ筒部38の周壁部の内周面には、ゴム弾性体20からなるストッパゴム58が突設されて第一のスリット56内に配されていると共に、第二のインナ軸部材48と所定距離を隔てて対向位置せしめられている。また、ロッド長手方向で第二のインナ軸部材48を跨いで第一のスリット56と反対側における第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38の径方向対向面間には、第二の本体ゴム弾性体54が配設されていないことにより第二のゴムブッシュ16を軸方向に貫通する形態の第二のスリット60が形成されている。この第二のスリット60内に第二のインナ軸部材48の長手方向一方の端部が突出配置されている。
さらに、ロッド本体12の収容ハウジング40には、コイルスプリング62が収容配置されている。コイルスプリング62は、公知の蔓巻状の金属ばねからなり、軸方向の全長に亘って収容ハウジング40の内径寸法よりも小さな外径寸法で延びている。コイルスプリング62が収容ハウジング40の長手方向外側開口部から内挿されていると共に、かかる開口部に略円板形状の蓋金具64がかしめ加工等で固定されて、開口部が覆蓋されている。また、ロッド本体12の長手方向外方に位置するコイルスプリング62の軸方向外側(図1中、右)の端部が、蓋金具64から収容ハウジング40内に突設された小径の突起部に外挿配置されて蓋金具64を介してロッド本体12に支持されている。また、第二のゴムブッシュ16の第二のアウタ筒部38の周壁部に形成された開口窓42から第二のスリット60の内方に向かって、コイルスプリング62の内側端部が所定長さで突出している。
このコイルスプリング62の内側突出先端部を覆うように緩衝ゴムカバー66が設けられている。緩衝ゴムカバー66は略有底円筒形状を有しており、ゴム弾性体20と一体形成されている。なお、コイルスプリング62の内側突出先端部には、カップ状の摺動カバー68が被せられており、コイルスプリング62と共に緩衝ゴムカバー66に覆われている。摺動カバー68には、例えば、大きな剛性を有すると共に、表面における摩擦係数が小さい自己潤滑性を有する合成樹脂材等が好適に採用され得る。
コイルスプリング62の内側端部が、摺動カバー68の円板状の底部を介して緩衝ゴムカバー66の略円板状の底部に当接されていると共に、緩衝ゴムカバー66の底部が第二のインナ軸部材48の幅方向中央部分とロッド長手方向に所定距離:L1を隔てて対向位置せしめられている。コイルスプリング62が収容ハウジング40に収容配置された状態下、コイルスプリング62の内側端部における摺動カバー68を介した緩衝ゴムカバー66への当接による支持作用やコイルスプリング62の外側端部における蓋金具64を介したロッド本体12への支持作用によって、コイルスプリング62が収容ハウジング40と略同心状に配置されていると共に、コイルスプリング62の中心軸がロッド本体12の長手方向に延びて、第一のゴムブッシュ14と第二のゴムブッシュ16の各中心軸をつなぐ線の略延長線上に位置せしめられている。
特に本実施形態では、ロッド長手方向で第二のアウタ筒部38やコイルスプリング62と対向位置せしめられる第二のインナ軸部材48の長手方向一方の端部が特徴的な構造とされている。即ち、かかる長手方向端部における幅方向中央部分が、コイルスプリング62に向かって山形に突出しており、第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38のロッド長手方向の相対変位に際して、コイルスプリング62の内側端部に対する当接部分70とされている。さらに、かかる当接部分70の山形の両裾部分が幅方向両側に延び出して、その延び出した先端部分が、第二のアウタ筒部38におけるコイルスプリング62が突出する開口窓42を周方向両側に外れた位置に対して所定距離:L2を隔てて対向位置せしめられたストッパ突部72,72として構成されている。かかる所定距離:L1が所定距離:L2に比して小さくされている。
また、本実施形態では、ロッド本体12の長手方向と第二のインナ軸部材48の軸方向の何れにも直交する幅方向(図1中、上下)の寸法に関して、第二のインナ軸部材48における第二の本体ゴム弾性体54が固着された部分(二面幅部分)の幅寸法、換言すると第二のインナ軸部材48の一対のインナ平面53,53におけるブッシュ幅方向の離隔寸法:DAが、コイルスプリング62の軸方向一端部に設けられた緩衝ゴムカバー66の底部の幅寸法:DBよりも小さくされていると共に、かかる幅寸法:DBが、第二のインナ軸部材48において当接部分70および一対のストッパ突部72,72を備えた部分の幅寸法:DCよりも小さくされている。即ち、DA<DB<DCとされている。
このようなトルクロッド10においては、第一のインナ軸部材44が図示しないパワーユニットに固定されると共に、第二のインナ軸部材48が図示しないボデーに固定されることによって、パワーユニットと車両ボデーの間に介装されて、特にロッド本体12の長手方向が略車両前後方向に延びるようにして自動車に装着されるようになっている。そして、ロッド本体12におけるパワーユニットと車両ボデーとの各連結部間となる第一のゴムブッシュ14と第二のゴムブッシュ16の長手方向間に荷重が入力されて、第一及び第二のインナ軸部材44,48の少なくとも一方とロッド本体12が相対的に変位され、第一及び第二の本体ゴム弾性体46,54の少なくとも一方の弾性変形に基づき防振効果が発揮され得る。
また、自動車の急加速や急減速等に伴う大荷重がロッド本体12の長手方向に入力されて、第二のインナ軸部材48が、ロッド本体12の第二のアウタ筒部38に対して第一のインナ軸部材44に接近する方向(図1〜3中、左)に変位せしめられて、ストッパゴム58を介して第二のアウタ筒部38に当接することにより、第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38の相対的な変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
一方、上述の大荷重入力によって、第二のインナ軸部材48が第二のアウタ筒部38に対して第一のインナ軸部材44から離隔する方向(図1〜3中、右)に変位せしめられ、第二のインナ軸部材48の当接部分70が、緩衝ゴムカバー66の底部と摺動カバー68の底部を介してコイルスプリング62の軸方向一端部に当接すると共に、緩衝ゴムカバー66の筒状部分の弾性変形により、コイルスプリング62がロッド本体12の長手方向に圧縮変形する。即ち、これら第一及び第二の本体ゴム弾性体46,54の少なくとも一方の弾性変形や緩衝ゴムカバー66の弾性変形とコイルスプリング62の弾性変形に基づき防振効果が発揮され得る。なお、蓋金具64には、収容ハウジング40内を外部空間と連通せしめる通孔74が貫通形成されており、コイルスプリング62の弾性変形が許容されている。
さらに、かかるコイルスプリング62の圧縮変形に加えて、第二のインナ軸部材48のストッパ突部72,72が、ロッド本体12の長手方向で対向された第二のアウタ筒部38の周壁部に被着されたゴム弾性体20等を介して該周壁部に当接することによって、第二のインナ軸部材48とロッド本体12における第二のアウタ筒部38の相対的な変位量が緩衝的に制限されるようになっている。要するに、第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38におけるロッド長手方向の相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機構が、第二のインナ軸部材48の幅方向両側に一体形成された一対のストッパ突部72,72と、第二のアウタ筒部38におけるコイルスプリング62が突出する開口窓42を周方向両側に外れた位置で各ストッパ突部72と当接せしめられる部分を含んで構成されている。
ここで、本発明に従う構造とされた本実施形態のトルクロッド10は、本発明のトルクロッドの製造方法に従うことにより、有利に実現され得る。
具体的には、本実施形態に従う構造とされたトルクロッド10を製造するに際しては、ロッド本体12や第一及び第二のゴムブッシュ14,16、コイルスプリング62を含む基本構造を決定したうえで、第二のゴムブッシュ14,16およびコイルスプリング62における特性の最適値を設定し、得られた設定値に基づいて材料や形状等を特定して細部構造を決定する。そして、このようにして決定された設計値に基づいて製造することによって、目的とする特性を備えたトルクロッド10を効率的に製造することが出来るのである。
より詳しくは、例えば、ロッド本体12の部品寸法等の基本構造を決定した後、ロッド本体12の長手方向に入力される最大荷重を3000〜5000Nに決定する。また、図1に示される如きトルクロッド10の初期形状の状態から、かかる最大荷重入力により、第二のインナ軸部材48がロッド本体12に対して第一のインナ軸部材44から離隔する方向に変位して、第二のインナ軸部材48の当接部分70が緩衝ゴムカバー66を介してコイルスプリング62の軸方向一端部に当接すると共に、第二のインナ軸部材48の各ストッパ突部72が第二のアウタ筒部38の周壁部に当接する際の第二の本体ゴム弾性体54の弾性変形とコイルスプリング62の圧縮変形によって発生する、第二のインナ軸部材48の第二のアウタ筒部38に対する最大相対変位量:L2を10〜14mmに決定する。なお、この最大相対変位量:L2は、ストッパ突部72と第二のアウタ筒部38の周壁部の対向面間距離として表される。これにより、第二のインナ軸部材48の第二のアウタ筒部38に対する最大相対変位量決定工程を行う。
また、前述の最大荷重よりも小さな中間荷重がロッド本体12の長手方向に入力されて、図1に示される如きトルクロッド10の初期形状の状態から、第二のインナ軸部材48の当接部分70がコイルスプリング62に当接する位置での第二のインナ軸部材48の第二のアウタ筒部38に対する相対変位量が、第二のインナ軸部材48の当接部分70とコイルスプリング62の軸方向一端部に設けられた緩衝ゴムカバー66との対向面間距離:L1で表され、かかる相対変位量:L1を5mmに決定して、当接相対変位量決定工程を行う。
さらに、かかるトルクロッドにおいて、前述の最大相対変位量決定工程で決定された最大相対変位量:L2の値を満たす条件下で、各ゴム弾性体20の静的ばね定数と前記コイルスプリング62の静的ばね定数をそれぞれ異なる組合せで仮設定することによって、ばね定数仮設定工程を行う。要するに、このばね定数仮設定工程においては、第二のゴムブッシュ16を構成するゴム弾性体20の静的ばね定数とコイルスプリング62の静的ばね定数をそれぞれ異なる組合せで仮設定した、互いに異なる特性を有する複数種類のトルクロッドが仮設計されることとなる。
更にまた、前述のばね定数仮設定工程でゴム弾性体20の静的ばね定数とコイルスプリング62の静的ばね定数が複数の組合せで仮設定されたそれぞれのトルクロッドにおいて、パワーユニットへの装着状態下で発揮される第一及び第二のゴムブッシュ14,16の合成ばね作用に基づくトルクロッドの動的ばね定数を求め、動的ばね定数確認工程を行う。
また、動的ばね定数確認工程において求めた複数の動的ばね定数のうちで動的ばね定数が最も小さくなるゴム弾性体20の静的ばね定数とコイルスプリング62の静的ばね定数の組合せを選択する。特に本具体例では、コイルスプリング62の静的ばね定数が50〜300N/mmとされると共に、ゴム弾性体20の静的ばね定数:Ksrとコイルスプリング62の静的ばね定数:Kssの比がKss/Ksr=0.2〜2とされ、望ましくはKss/Ksr=0.46〜1.5とされる組み合わせを選択する。換言すれば、上述の複数の組み合わせにおいて、最小の動的ばね定数とされていても、上述のゴム弾性体20とコイルスプリング62のばね比やコイルスプリング62の静的ばね定数の範囲内にないものは、選択しない。これにより、組合せ決定工程を行う。
そして、上述の最大相対変位量:L2や相対変位量:L1、組み合わせ決定工程で得られたゴム弾性体20とコイルスプリング62の各静的ばね定数に基づいて、第一及び第二のゴムブッシュ14,16等を構成するゴム弾性体20の材質や形状、更にコイルスプリング62の材質や形状等の細部を具体的に決定する。この細部決定によって、前記実施形態としてのトルクロッド10を具体的に製造することが可能となるのである。要するに、上述の如くして決定された基本設計と細部設計の具体的内容に従って、特定の材質や寸法からなるロッド本体12やゴム弾性体20の一体加硫成形品を製作し、かかる一体加硫成形品の収容ハウジング40に特定のコイルスプリング62を収容配置して、蓋金具64をロッド本体12にかしめ固定する。これにより、コイルスプリング62の静的ばね定数が50〜300N/mmとされると共に、ゴム弾性体20の静的ばね定数:Ksrとコイルスプリング62の静的ばね定数:Kssの比がKss/Ksr=0.46〜1.5に設定されることに加え、動的ばね定数確認工程において求めた複数の動的ばね定数から最小の動的ばね定数を備えた本実施形態のトルクロッド10が実現されるのである。
かくの如き本発明方法に従って製造された本実施形態のトルクロッド10においては、コイルスプリング62の耐久性が十分に確保されつつ、自動車への装着状態で要求される最大荷重入力時の第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38の相対変位量下で、最小の動的ばね定数が容易に設定され得る。それ故、問題となる大荷重入力下で、防振性能が極めて有利に発揮され得るのである。
また、本実施形態では、第二のインナ軸部材48における第二の本体ゴム弾性体54が固着された部分の幅寸法:DAと、コイルスプリング62の軸方向一端部に設けられた緩衝ゴムカバー66の底部の幅寸法:DBと、第二のインナ軸部材48において当接部分70および一対のストッパ突部72,72を備えた部分の幅寸法:DCとの関係が、DA<DB<DCとされている。しかも、第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38を弾性連結する第二の本体ゴム弾性体54が、ブッシュ幅方向で対向配置された平面形状のインナ平面53とアウタ平面51の間に配設されている。これにより、第二の本体ゴム弾性体54の有効自由長が確保されつつ、コイルスプリング62の配設領域や第二のインナ軸部材48とコイルスプリング62の当接領域、ストッパ突部72を介した第二のインナ軸部材48と第二のアウタ筒部38との当接領域がそれぞれ有効に確保され得て、目的とする動的ばね定数の設定や耐久性確保が一層効果的に実現され得る。
因みに、上述の如きトルクロッド10の製造方法に従いトルクロッド10を製造する際に、複数の仮設計のトルクロッドにおける動的ばね定数のうちで動的ばね定数が最も小さくなるゴム弾性体20の静的ばね定数とコイルスプリング62の静的ばね定数の組み合わせを選択して決定する際に用いられるデータを、実施例1として表1に、実施例2として表2にそれぞれ示す。実施例1では、最大入力荷重を3000Nとし、最大相対変位量:L2を11mmとし、相対変位量:L1を5mmに設計した条件下、a−1〜a−8の8つの仮設計のトルクロッドについて特性を確認したものである。実施例2では、最大入力荷重を5000Nとし、最大相対変位量:L2を11mmとし、相対変位量:L1を5mmに設計した条件下、b−1〜b−8の8つの仮設計のトルクロッドについて特性を確認したものである。
Figure 2010031894
Figure 2010031894
要するに、これら表1及び表2に示されたKd値は、何れも、仮設計の8種類のトルクロッドa−1〜a−8又はb−1〜b−8について本発明方法に従う「動的ばね定数確認工程」を実施した結果である。それ故、かかる表1に記載された仮設計の8種類のトルクロッドa−1〜a−8においては、本発明方法に従う「組合せ決定工程」に従えば、動的ばね定数(Kd)値が最も小さいa−5が選択決定されることとなる。因みに、選択決定されたa−5は、Kss/Ksrの値が0.75であり、大荷重入力時の立ち上がりばね特性としてより好適な範囲とされるKss/Ksr=0.46〜1.5の要件も満たしている。
一方、表2に記載された仮設計の8種類のトルクロッドb−1〜b−8においては、本発明方法に従う「組合せ決定工程」に従えば、動的ばね定数(Kd)値が最も小さいb−6が選択決定されることとなる。勿論、このb−6を本発明方法に従う最適設計値として選択決定しても良い。ところが、このb−6は、Kss/Ksrの値が0.06であり、大荷重入力時の立ち上がりばね特性としてより好適な範囲とされるKss/Ksr=0.46〜1.5は勿論、Kss/Ksr=0.2〜2.0の要件さえも満たしていない。即ち、かかるb−6では、ばね特性に関してゴム弾性体20が支配的となり過ぎて、大荷重の入力頻度が大きい等の場合にコイルスプリングの耐久性等が問題となるおそれがある。そこで、入力荷重を考慮して、特に耐久性や大きな荷重入力時における防振性能を重要視するような場合には、かかるKss/Ksrの値を優先的要件として採用することが望ましい。具体的には、例えばKss/Ksr=0.2〜2.0の要件を、本発明において併せて採用した場合には、表2に記載された仮設計の8種類のトルクロッドb−1〜b−8における最適設計値として、b−7を選択決定することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態には、ロッド本体12の両端にゴムブッシュ14,16が設けられた構造が示されているが、ゴムブッシュはロッド本体12の少なくとも一方の端部に設けられていれば良い。具体的には、例えば、第一のアウタ筒部と第一のインナ軸部材が硬質の部材で相互に連結されていると共に、第一のインナ軸部材の第一のアウタ筒部に対するこじり変位や中心軸回りでの回転が許容されているボールジョイント構造を連結部として採用することも出来る。また、例えば、ロッド本体の一方の端部が連結対象部材に対してゴムブッシュを介して弾性的に取り付けられていると共に、他方の端部が連結対象部材に対してボルト固定や溶接、係止等の手段によって剛体接合されていても良い。
さらに、コイルスプリング62の配設領域は、ロッド本体12において例示の如き第二のゴムブッシュ16を跨いだ長手方向他方(図1中、右)の端部側に限定されるものでなく、例えば、第一のゴムブッシュを跨いだ長手方向一方の端部側に設けたり、ロッド本体の長手方向中間部分における第一のゴムブッシュと第二のゴムブッシュの間に設けても良い。具体的には、図7,8に示されている如きトルクロッドが採用されても良い。なお、以下の説明において、前記実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
かかる図7,8に示されるトルクロッドでは、第二のゴムブッシュ16における第二のスリット60が、第一のスリット56に比してロッド本体12の長手方向中央側に位置しており、第二のゴムブッシュ16における第二のインナ軸部材48の当接部分70やストッパ突部72,72が、ロッド本体12の長手方向中央に向けて第二のスリット60内に配されている。また、ロッド本体12の長手方向中間部分には、上下の分割板金具18,18を厚さ方向に貫通し、且つ第二のアウタ筒部38の長手方向一方の周壁部を貫通して第二のスリット60に開口する嵌着凹所76が形成されていると共に、円筒形状の固定金具78を外挿配置したコイルスプリング62が嵌着凹所76に嵌め込まれている。この固定金具78の軸方向一方の端部が、上下の分割板金具18,18に突設された固定部80,80に対してかしめ固定されていると共に、コイルスプリング62の軸方向一方の端部がロッド本体12のゴム弾性体20に支持されている。一方、固定金具78の軸方向他方の端部に緩衝ゴムカバー66と擦動カバー68が設けられ、コイルスプリング62の軸方向他方の端部が、第二のスリット60内において擦動カバー68及び緩衝ゴムカバー66を介して第二のインナ軸部材48の当接部分70と対向配置されている。これにより、コイルスプリング62が第一のゴムブッシュ14と第二のゴムブッシュ16の間に設けられることとなり、それら両ブッシュ14,16の間のロッド長手方向に圧縮荷重が入力される際に、コイルスプリング62と第二のインナ軸部材48が当接することで、コイルスプリング62の線形的なばね特性を利用するトルクロッドが実現され得る。
また、コイルスプリングをロッド本体の複数の個所に設けることも可能であり、このように複数のコイルスプリングを採用した場合には、コイルスプリングの静的ばね定数が複数のコイルスプリングの合計のばね定数により求められる。
また、ロッド本体12は、必ずしも前記実施形態で示されているが如き分割構造体とされていなくても良く、例えば、特開2007−57070号公報の図12等に示されたロッド本体のようにダイカスト成形等の手段で形成されたロッド本体にかしめ部を設けて蓋金具をかしめ固定した構造等も採用することが出来る。
また、コイルスプリング62の軸方向端部における緩衝ゴムカバー66や擦動カバー68等は、要求される防振性能や製作性等に応じて設けられるものであり、必須の構成要件でない。
また、本発明方法に従ってトルクロッド10を製造するに際して、第二のゴムブッシュ16やコイルスプリング62の静的ばね定数をそれぞれ異ならせて仮設定して得られた複数のトルクロッド10の仮設計品について、それぞれ動的ばね定数を含めて最適設計するに際しては、それが実現できれば良い。即ち、実施環境に応じて、充分なシミュレーション設備が整っている場合には、かくの如き仮設定や仮設計のトルクロッドについての特性実験をシミュレーションで実施することが可能である。或いは、充分な製造設備が整っている場合には、複数のトルクロッドについての特性実験を、シミュレーションによることなく実際に製造したトルクロッドの実測値に基づいて行なうことが可能である。何れにしても、複数の異なる特性を設定したトルクロッドについて、その実特性をそれぞれ求めて本発明によって与えられる指標に従って最適設計するものであれば良い。
本発明の一実施形態としてのトルクロッドの平面図。 同トルクロッドの横断面図であって図3のII−II断面図。 図1のIII−III断面図。 図1のIV−IV断面図。 図1のV−V断面図。 図1のVI−VI断面図。 本発明の別の一具体例としてのトルクロッドの横断面図であって図8のVII−VII断面図。 図7のトルクロッドの縦断面図。
符号の説明
10:トルクロッド、12:ロッド本体、14:第一のゴムブッシュ、16:第二のゴムブッシュ、20:ゴム弾性体、38:第二のアウタ筒部、48:第二のインナ軸部材、54:第二の本体ゴム弾性体、62:コイルスプリング

Claims (6)

  1. 長手方向両側に連結部を備えたロッド本体における少なくとも一方の該連結部が、該ロッド本体に設けたアウタ筒部にインナ軸部材を挿通して本体ゴム弾性体で連結せしめた防振ブッシュで構成されていると共に、該アウタ筒部にコイルスプリングが組み付けられており、該ロッド本体の該連結部間に対してロッド長手方向の荷重が入力された際に該防振ブッシュの該インナ軸部材が該コイルスプリングに対して当接されるようになっているパワーユニット用のトルクロッドの製造方法であって、
    前記ロッド本体の前記連結部間へのロッド長手方向の設計最大荷重の入力時において、前記防振ブッシュの前記本体ゴム弾性体の弾性変形と前記コイルスプリングの弾性変形とによって発生する前記インナ軸部材の前記アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における相対変位量の値を決定する最大相対変位量決定工程と、
    該最大相対変位量決定工程で決定された前記相対変位量に至るまでの中間荷重の入力時において前記防振ブッシュの前記インナ軸部材が前記コイルスプリングに対して当接する位置での該インナ軸部材の前記アウタ筒部に対する相対変位量の値を決定する当接相対変位量決定工程と、
    前記最大相対変位量決定工程で決定された前記相対変位量の値を満たす条件下で、前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数と前記コイルスプリングの静的ばね定数を複数の組合せで仮設定するばね定数仮設定工程と、
    該ばね定数仮設定工程で仮設定された前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数と前記コイルスプリングの静的ばね定数の複数の組合せのそれぞれについて、パワーユニットへの装着状態下で発揮される前記防振ブッシュの動的ばね定数を求める動的ばね定数確認工程と、
    該動的ばね定数確認工程において求めた前記複数の防振ブッシュの動的ばね定数のうちで該動的ばね定数が最も小さくなる前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数と前記コイルスプリングの静的ばね定数の組合せを選択して決定する組合せ決定工程と
    を、含んで前記防振ブッシュを設計し、かかる防振ブッシュの設計値を採用して前記トルクロッドを製造することを特徴とするパワーユニット用のトルクロッドの製造方法。
  2. 前記ばね定数仮設定工程において仮設定する前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数:Ksrと前記コイルスプリングの静的ばね定数:Kssとの比の値を、何れも、Kss/Ksr=0.2〜2.0とする請求項1に記載のパワーユニット用のトルクロッドの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のパワーユニット用のトルクロッドの製造方法に従って製造されたパワーユニット用のトルクロッドであって、
    前記ロッド本体の前記連結部間へのロッド長手方向の設計最大荷重が3000〜5000Nの範囲内に設定されていると共に、該設計最大荷重の入力時における前記インナ軸部材の前記アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における相対変位量の値が10〜14mmに設定されており、且つ、前記コイルスプリングの静的ばね定数が50〜300N/mmの範囲内に設定されていると共に、該本体ゴム弾性体の静的ばね定数:Ksrと該コイルスプリングの静的ばね定数:Kssとの比の値がKss/Ksr=0.2〜2.0の範囲内に設定されていることを特徴とするパワーユニット用のトルクロッド。
  4. 前記防振ブッシュの前記アウタ筒部において、前記ロッド本体の長手方向での前記インナ軸部材に対する対向部分が該インナ軸部材側に曲率中心を有する円弧形状の周壁部とされていると共に、該円弧形状の周壁部の中央部分に形成された開口窓から該インナ軸部材に向かって前記コイルスプリングの軸方向一端側が突出せしめられて、該コイルスプリングの軸方向一端側が該インナ軸部材に対して該ロッド本体の長手方向で離隔して対向位置せしめられており、該ロッド本体の前記連結部間へのロッド長手方向の荷重入力時に該インナ軸部材が該コイルスプリングに対して緩衝材を介して当接せしめられるようになっている一方、該インナ軸部材には該コイルスプリングへの当接部分から両側に延び出して該アウタ筒部における該開口窓の周方向両側に対して所定距離を隔てて対向位置する一対のストッパ突部が形成されており、かかる一対のストッパ突部が該アウタ筒部に対して当接することにより、該防振ブッシュにおいて前記本体ゴム弾性体の弾性変形と該コイルスプリングの弾性変形とによって発生する該インナ軸部材の該アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における最大相対変位量を規定するストッパ機構が構成されている請求項3に記載のパワーユニット用のトルクロッド。
  5. 長手方向両側に連結部を備えたロッド本体における少なくとも一方の該連結部が、該ロッド本体に設けたアウタ筒部にインナ軸部材を挿通して本体ゴム弾性体で連結せしめた防振ブッシュで構成されているパワーユニット用のトルクロッドであって、
    前記防振ブッシュを構成する前記インナ軸部材と前記アウタ筒部との対向面のうち、前記ロッド本体の長手方向および該防振ブッシュの軸方向との何れにも直交する該防振ブッシュ幅方向の両側にそれぞれ位置せしめられた各一対の対向面を、何れも、該防振ブッシュの軸方向と平行で且つ該ロッド本体の長手方向に広がる平面状対向面をもって対向させて、該インナ軸部材と該アウタ筒部における各平面状対向面を前記本体ゴム弾性体で連結する一方、
    該防振ブッシュにおけるトルク荷重の入力方向での該インナ軸部材と該アウタ筒部との対向部間には該防振ブッシュの軸方向に貫通するスリットを形成すると共に、このスリットを挟んで該アウタ筒部から該インナ軸部材に向かって該ロッド本体の長手方向に突出するコイルスプリングを組み付けて、トルク荷重の入力により該インナ軸部材が該アウタ筒部に対して該ロッド本体の長手方向に所定量変位せしめられた際に該インナ軸部材が該コイルスプリングに当接するようになすと共に、
    該インナ軸部材におけるトルク荷重の入力方向での該アウタ筒部への対向部分において、該コイルスプリングへの当接面から前記防振ブッシュ幅方向の両側にそれぞれ突出する一対のストッパ突部を設けて、大きなトルク荷重の入力時に該開口窓を挟んで対向位置する該一対のストッパ突部が該アウタ筒部に対して該本体ゴム弾性体と一体的に形成された緩衝ゴム層を介して緩衝的に当接することにより、該防振ブッシュにおいて該本体ゴム弾性体の弾性変形と該コイルスプリングの弾性変形とによって発生する該インナ軸部材の該アウタ筒部に対する該ロッド本体の長手方向における最大相対変位量を規定するストッパ機構を構成したことを特徴とするパワーユニット用のトルクロッド。
  6. 前記トルク荷重の入力方向における前記防振ブッシュの前記本体ゴム弾性体の静的ばね定数:Ksrと前記コイルスプリングの静的ばね定数:Kssとの比の値を、Kss/Ksr=0.2〜2.0とする請求項5に記載のパワーユニット用のトルクロッド。
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