JP2010031866A - ターボ機械用のヒートパイプ中間冷却器 - Google Patents

Abstract

【課題】多量の水を使わない中間冷却器を提供する。
【解決手段】ターボ機械２は、吸気部６及び排気部７を有する圧縮機４を備えていて、当該圧縮機４は、前記吸気部６で受け入れた空気を圧縮して、前記排気部７から送り出される圧縮空気流を形成する。ターボ機械２はさらに、前記圧縮機４の下流に動作可能に接続された中間冷却器９を備える。中間冷却器９は、前記圧縮空気流から熱を抽出するように構成された複数のヒートパイプを含む。
【選択図】図１

Description

本発明の例示的な実施形態はターボ機械の技術に関し、より詳細には、ターボ機械用のヒートパイプ中間冷却器に関する。

ターボ機械は、タービンに動作可能に接続されて、発電機等の別の機械をさらに駆動する圧縮機を含む。圧縮機は流入空気流を圧縮し、この流入空気流は燃焼器に供給されて燃料と混合され、発火して高温高圧燃焼生成物が形成される。この高温高圧燃焼生成物を用いて、タービンを駆動させる。場合によっては、一定の燃焼効率を得るために、圧縮機から出る圧縮空気流を再圧縮する。しかしながら、圧縮空気流を再圧縮すると、空気流温度が所望の範囲以上に上昇してしまう。従って、再圧縮する前に、空気流が中間冷却器に通される。中間冷却器は、再圧縮時に、再圧縮空気流の温度が所望の範囲内になるように、圧縮空気流の温度を低下させる。

従来の中間冷却器は、かなりの基盤と資本を必要とする大規模システムである。中間冷却器は、冷却剤として水を使用する。水を、熱交換部材を通して循環させ、圧縮空気流から熱を除去する。その後、熱交換器に再導入される前に取り込まれる熱を除去するために、水を冷却塔に案内する。冷却剤として水を使用することには、いくつかの欠点がある。水は、熱輸送力が限られている分、多量に必要となり、中間冷却器で用いることができるようになるまでに精製／浄化工程を経なくてはならず、費用がかさむ。多量の水は、熱応答を遅らせ、結果としてタービンのランプアップとターンダウンを遅らせる。さらにまた、既存の中間冷却器は、ポンプ、ファン及び高度な制御を必要とする複雑なシステムである。

本発明の例示的な実施形態によれば、ターボ機械は、吸気部及び排気部を有する圧縮機を含む。本圧縮機は、吸気部で受け入れた空気を圧縮して、排気部から送られる圧縮空気流を形成する。ターボ機械は、圧縮機の下流に動作可能に接続された中間冷却器をさらに含む。中間冷却器は、圧縮空気流から熱を抽出するように構成される複数のヒートパイプを含む。

本発明の別の例示的な実施形態によれば、ターボ機械によって発生する圧縮空気流から熱を抽出する方法は、空気流を圧縮機に送るステップを含む。圧縮機は、空気流に作用して、第１温度の圧縮空気流を生じる。本方法は、第１温度の圧縮空気流を圧縮機から、複数のヒートパイプを有する中間冷却器まで案内するステップと、圧縮空気流を複数のヒートパイプに通すステップとをさらに含む。ヒートパイプは、圧縮空気流から熱を吸収して、第１温度よりも低い第２温度の圧縮空気流を生じる。

本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、圧縮機の下流に動作可能に接続された中間冷却器は、圧縮空気流から熱を抽出し、圧縮空気流をタービンに送るように構成された複数のヒートパイプを含む。

本発明の例示的な実施形態は、多量の水とそれに関連して必要な基盤を必要とすることなく、圧縮空気流の温度を低下させるように機能する中間冷却器を提供する。すなわち、高い熱伝達率を有し、ほとんど作動冷却剤を必要としないヒートパイプを用いることによって、本発明の例示的な実施形態による中間冷却器は、圧縮空気温度を低下させるための費用効率が高く、信頼性が高い単純なシステムを提供する。

本発明の例示的な実施形態によるヒートパイプ中間冷却器を含むターボ機械システムの概略図である。 本発明の例示的な実施形態によるヒートパイプ中間冷却器の一部破断斜視図である。

図１をまず参照すると、本発明の例示的な実施形態によるターボ機械システムを、全体的に参照符号２で表す。ターボ機械システム２は、圧縮機吸気口６及び圧縮機排気口７を有する圧縮機４を含む。以下により詳細に説明するように、圧縮機排気口７は中間冷却器９に流動的に接続される。中間冷却器９は、燃焼器（図示せず）に供給する前の空気をさらに圧縮する第２圧縮機２０に導入する前に、圧縮機４から送られる圧縮空気の温度を低下させるように構成される。圧縮機２０は、圧縮機／タービン軸３３を介してタービン３０に動作可能に連結される。図示の例示的な実施形態では、タービン３０は、タービン／発電機軸４３を介して発電機４０に動作可能に連結される。

次に、本発明の例示的な実施形態に従って構成された中間冷却器９を説明する図２を参照する。図示のように、中間冷却器９は、入口５５、出口５６及び内部室５８を有する圧力容器を画定する本体５３を含む。中間冷却器９は、支持構造物６０に戴置するものとして示される。図示の例示的な実施形態によれば、中間冷却器９は、全体的に６６で表わされ、圧縮機４からの圧縮空気流から熱を吸収するように構成された複数のヒートパイプを含む。この時点で、用語「ヒートパイプ」は、例えば銅又はアルミニウムであるがこれらに限らない高い熱伝導率を有する材料から作製された密閉管又は封管を意味するものと解釈すべきであることを理解されたい。密閉管の内部からすべての流体（気体及び固体）を排除するために真空ポンプが使用され、その後、パイプは、例えば水、エタノール、アセトン、ナトリウム又は水銀であるがこれらに限らないほんのわずかの容積パーセントの作動流体又は冷却剤で満たされている。部分真空は作動流体の蒸気圧に近いか、又はそれ未満であって、一部の流体が液相となり、一部が気相となる。

複数のヒートパイプの各々は、内部室５８内に延在し、第２端部７３に通じ、圧力容器の外側に配置され、中間すなわち熱交換帯７４を通る第１端部７２を含む。熱交換帯７４は実質的に、例えば、内部室５８内に位置する各ヒートパイプ６６の一部分である第１熱交換部７７と、例えば、内部室５８の外側に位置する各ヒートパイプ６６の一部分である第２熱交換部７８とを含む。この構成によって、圧縮空気に取り込まれる熱は、第１熱交換部７７によって吸収される。熱は、中間帯７４を通って第２熱交換部７８に急速に伝達される。例えばファン８４によって発生した対流空気流は、熱を除去するために、第２熱交換部７８を通過する。

この時点で、本発明の例示的な実施形態は、圧縮空気流から熱を除去するための単純で費用効率が高いシステムを提供することがわかるであろう。ヒートパイプの使用により、冷却剤として多量の水を必要としない、使いやすく、維持しやすく、低費用のシステムが実現する。そのため、本発明の例示的な実施形態により、タービンが負荷変動により早く応答することが可能になる。

本明細書では概して、装置又はシステムを製造及び使用し、かつ付随する方法を実施することを含めて、当業者が本発明を実施できるように、最良の形態を含めた実施例を用いて本発明を開示してきた。本発明の特許性を有する範囲は特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の実施例も包含する。かかる他の実施例は、特許請求の範囲の記載と文言上差のない構成要素を有しているか或いは特許請求の範囲の記載と文言上実質的な差のない均等な構成要素を有する限り、本発明の例示的な実施形態の範囲に属する。

２ ターボ機械システム
４ 第１圧縮機
６ 圧縮機吸気口
７ 圧縮機排気口
９ 中間冷却器
２０ 第２圧縮機
３０ タービン
３３ 圧縮機／タービン軸
４０ 発電機
４３ タービン／発電機軸
５２ 圧力容器
５３ 本体
５５ 入口
５６ 出口
５８ 内部室
６０ 支持構造物
６６ ヒートパイプ
６８ 別のヒートパイプ
７２ 第１端部
７３ 第２端部
７４ 中間熱交換器
７７ 第１熱交換部
７８ 第２熱交換部
８４ ファン

Claims (7)

1. 吸気部（６）及び排気部（７）を有しており、前記吸気部（６）で受け入れた空気を圧縮して、前記排気部（７）から送られる圧縮空気流を形成する圧縮機（４）と、
   前記圧縮機（４）の下流に動作可能に接続され、前記圧縮空気流から熱を抽出するように構成された複数のヒートパイプ（６６）を含む中間冷却器（９）と
   を備えるターボ機械（２）。
2. 前記中間冷却器（９）は圧力容器（５３）を含み、前記複数のヒートパイプ（６６）の各々は、前記圧力容器（５３）内に延在する第１端部（７２）と、前記圧力容器（５３）から突出する第２端部（７３）とを含む、請求項１記載のターボ機械（２）。
3. 前記中間冷却器（９）に向けられており、前記複数のヒートパイプ（６６）の各々の第２端部（７３）の上に強制空気流を案内する少なくとも１つのファン（８４）をさらに有する、請求項２記載のターボ機械（２）。
4. 前記複数のヒートパイプ（６６）の少なくとも一部は、液相及び気相の少なくとも一方の冷却剤が含まれる密閉されたヒートパイプである、請求項１記載のターボ機械（２）。
5. 前記複数のヒートパイプ（６６）の各々は外面及び内面を含んでおり、前記複数のヒートパイプ（６６）の少なくとも一部は前記内面に熱伝導性コーティングを有する、請求項１記載のターボ機械（２）。
6. 前記中間冷却器（９）の下流に配置され、前記中間冷却器（９）から送られる前記圧縮空気流をさらに圧縮する別の圧縮機（２０）をさらに有する、請求項１記載のターボ機械（２）。
7. 前記中間冷却器（９）は冷却剤としての水を含まない、請求項１記載のターボ機械（２）。

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