JP2010031204A - 光増感剤および光電変換素子 - Google Patents

光増感剤および光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換素子の変換効率を向上させる。
【解決手段】下記式(I)で示される3a位(*)に不斉炭素を有する色素またはその塩であって、このエナンチオマー過剰率が1%e.e.以上である。
Figure 2010031204

(mは0〜3の整数、nは1〜4の整数、pは0〜2の整数、R1、R2は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、R3はアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環残基、R4、R5、R6は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、R5とR6とで環状構造を形成してもよい。R7、R8は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、R9は水素、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、Z1はカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、Z2はヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基を示し、Z1とZ2とで複素環を形成してもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、光増感剤およびこの光増感剤を用いた光電変換素子に関するものである。
近年、地球温暖化の急速な進行や化石燃料資源の枯渇が問題となっており、その解決策が世界中で研究されている。その中で、尽きることのないクリーンなエネルギー源である太陽光を利用した太陽電池が注目されている。現在主流となっているのは結晶、多結晶、アモルファスの各種シリコン太陽電池であり、ガリウム、ヒ素等の無機材料を利用した高効率な太陽電池の開発も進んでいるが、これらの無機材料は製造コストが高いことに加えて、使用原料の毒性等の問題を抱えている。
一方、有機色素を光増感剤として光半導体微粒子に吸着させた光電変換素子を電極とするいわゆる色素増感太陽電池(Dye Sensitized Solar Cell、DSC)が開発されている(非特許文献1)。色素増感太陽電池は、一般に導電性基板上に色素を吸着した光電極と、白金等の対極の間をヨウ素系の電解液で充たした構造を有しているが、なかでもグレッツエル方式DSCは、高温焼結した多孔質の酸化チタンを光電極として用い、これにルテニウム色素を吸着させたものであり、高変換効率でかつ低コストで製造できる可能性があるため、その早期の実用化が期待されている。
しかしながら、グレッツエル方式DSCに使われる高変換効率の色素の多くはルテニウム等の希少金属の錯体であり(例えば特許文献1)、コスト的にも資源的にもまだ解決すべき問題がある。このような問題を克服すべく、希少金属を含まない有機色素を光増感剤として用いる検討もすでに報告されているが、変換効率も低く実用レベルに達していないのが現状である。(例えば特許文献2)。
Nature,353,p737−740(1991) 特許第3731752号公報 特許第4080288号公報
上述のように、現在知られている有機色素を光増感剤として使ったDSCの変換効率はシリコン太陽電池に比べ低く、さらに耐久性の面でも改善が強く望まれている。
本発明は、上記の問題点を解決することを目的としてなされたものである。具体的には従来の有機色素より変換効率と耐久性に優れた新規有機系色素の開発を目的とし、それを使って実用化レベルのDSC用の光電変換素子を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、下記一般式(I)または(II)で表される光学活性体を光増感剤として用いることで、変換効率の高い光電変換素子が得られることを見出し発明の完成に至った。
すなわち、本発明の光増感剤は、下記一般式(I)で示されるインドリン環の3a位(*)に不斉炭素を有する色素またはその塩であって、該色素またはその塩のエナンチオマー過剰率が1%e.e.以上であることを特徴とするものである。
Figure 2010031204
(一般式(I)において、mは0乃至3の整数を、nは1乃至4の整数を、pは0乃至2の整数を示す。R1、R2は水素原子、アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示す。3a位(*)の不斉炭素部位の絶対配置はRまたはSのどちらでもよい。R3はアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ環残基を示す。R4、R5、R6は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、R5とR6で結合して環状構造を形成していてもよい。R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。R9は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基またはアリール基を示す。Z1はカルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはシアノ基を、Z2はヒドロキシ基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示し、Z1とZ2は結合して複素環を形成していてもよい。)
また、本発明の光増感剤は、下記一般式(II)で示されるインドリン環の3a位(*)に不斉炭素を有する色素であって、該色素のエナンチオマー過剰率が1%e.e. 以上であることを特徴とするものである。
Figure 2010031204
(一般式(II)において、mは0乃至3の整数を、nは1乃至4の整数を、pは1乃至3の整数を、qは1乃至5の整数を示す。R1およびR2は水素原子、アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示す。3a位(*)の不斉炭素部位の絶対配置はRまたはSのどちらでもよい。Rアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ環残基を示す。R4、R5、R6は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、R5とR6で結合して環状構造を形成していてもよい。R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。X1は酸素原子、硫黄原子、置換アミノ基、アルキレン基または脂肪族縮合環を示す。a1環はX1と四級化された窒素原子で結合する置換基を有していてもよいヘテロ環を示す。X2は対アニオンを示す。)
本発明の光電変換素子は、上記一般式(I)または(II)で示されるインドリン環の3a位(*)に不斉炭素を有する色素またはその塩であって、該色素またはその塩のエナンチオマー過剰率が1%e.e. 以上である光増感剤を吸着した半導体層を有することを特徴とするものである。
本発明の光増感剤は、上記一般式(I)または(II)で表される色素またはその塩であり、そのエナンチオマー過剰率が1%e.e. 以上であることを特徴としており、この色素を光電変換素子の半導体層に吸着させることによって、相当するラセミ体の光増感剤に比べて、光電変換効率が大幅に向上した光電変換素子を得ることが可能となる。このエナンチオマーの過剰が光電変換効率の向上をもたらすことは本発明者らが初めて見いだしたもので、その作用機序は必ずしも明かではないが、電極に吸着する際に分子同士の配向性が改善され、その結果、電子移動効率が上がり変換効率が向上するものと推定される。
本発明において上記一般式(I)で表される化合物は、上記一般式(I)で示されるフリーの酸及びその塩のいずれでも良い。上記一般式(I)で表される化合物の塩としては、例えばカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、又はテトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウムなどのアルキルアンモニウム塩のような塩を好ましく挙げることができる。
一般式(I)におけるR1、R2は水素原子、アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示し、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基等の分岐アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、これらのアルキル基は後述の置換基でさらに置換されていてもよい。アラルキル基とは後述するようなアリール基で置換されたアルキル基を意味し、例えばベンジル基、フェニルエチル基、メチルナフチル基等が挙げられ、それらはさらに置換基を有していてもよい。
アルケニル基としては、例えばビニル基、アリール基等が挙げられ、それらはさらに置換基を有していてもよい。
置換基としては、特に限定されるものではないが、アルキル基、アリール基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、ニトロシル基、アシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、置換若しくは非置換メルカプト基、置換若しくは非置換アミノ基、置換若しくは非置換アミド基、アルコキシル基、アルコキシアルカン基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基等を好ましく挙げることができる。
より具体的には、アシル基としては、例えば炭素数1から10のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等を好ましく挙げることができる。ハロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素等の原子を、リン酸エステル基としては例えば、リン酸アルキル(C1−C4)エステル基などが挙げられる。置換若しくは非置換メルカプト基としては例えば、メルカプト基、アルキルメルカプト基などが挙げられる。
置換若しくは非置換アミノ基としては例えば、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、モノ又はジ芳香族アミノ基などが挙げられ、モノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基、モノ又はジプロピルアミノ基、モノフェニルアミノ基又はベンジルアミノ基等が挙げられる。置換若しくは非置換アミド基としては例えば、アミド基、アルキルアミド基、芳香族アミド基等が挙げられる。アルコキシ基としては例えば、炭素数1から10のアルコキシ基等が挙げられる。アルコキシアルキル基としては例えば(C1−C10)アルコキシ(C1−C4)アルキル基等を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては例えば炭素数1から10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。またカルボキシル基、スルホ基およびリン酸基等の酸性基はリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの金属塩やテトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウム等のアンモニウム塩のような塩を形成していてもよい。
一般式(I)におけるR3はアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ環残基を示し、アルキル基、アラルキル基の例としては前述の場合と同様である。アリール基としては、例えばフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナンスレニル、ピレニル、インデニル、アズレニル、フルオレニル等が挙げられ、それらはさらに置換基を有していてもよい。ヘテロ環残基とは、ヘテロ環式化合物から水素原子を1つ取り除いた基を意味し、例えばピリジル、ピラジル、ピペリジル、ピラゾリル、モルホリル、インドリニル、チオフェニル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、ロダニル等が挙げられ、それらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(I)におけるR4、R5、R6は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、それらの例としては前述の場合と同様である。R5とR6で結合して環状構造を形成してもよく、その際に形成する環状構造としては例えば、ベンゼン、ナフタレン、シクロペンタン、シクロペンタノン、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、チアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール等が挙げられ、それらはさらに置換基を有してもよいし、置換基としてさらに環状構造を有していてもよい。
一般式(I)におけるR7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、それらの例としては前述の場合と同様である。
一般式(I)におけるR9は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基またはアリール基を示し、それらの例としては前述の場合と同様である。
一般式(I)におけるZ1はカルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはシアノ基を示し、それらの例としては前述の場合と同様である。
一般式(I)におけるZ2はヒドロキシ基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示し、それらの例としては前述の場合と同様である。
また一般式(I)において、Z1とZ2で結合して複素環を形成してもよく、その際に形成する複素環としては前述のヘテロ環のような構造が挙げられ、それらはさらに置換基を有してもよいし、置換基としてさらに環状構造を有していてもよい。
一般式(II)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は前述した一般式(I)の場合と同様である。
1は酸素原子、硫黄原子、置換アミノ基、アルキレン基または脂肪族縮合環を示す。アルキレン基としては例えば、ジメチルメチレン基、ジブチルメチレン基等が挙げられる。脂肪族縮合環としては例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン等が挙げられ、それらはさらに置換基を有していてもよい。
a1環はX1と四級化された窒素原子で結合する置換基を有してもよいヘテロ環を示し例えば、前述のようなヘテロ環が挙げられ、それらはさらに置換基を有してもよいし、置換基としてさらに環状構造を有していてもよい。
2は対アニオンを示し例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハライドイオン、トシレート等のアリールスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン等のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、酢酸イオン等が挙げられる。
一般式(I)または(II)で示される化合物はシス体、トランス体などの構造異性体を取り得るが、いずれであっても本発明における光増感剤として好適に使用することができる。
本発明におけるエナンチオマー過剰率とは、立体異性体(エナンチオマーやジアステレオマー)の混合物中に存在する1種の立体異性体の過剰量を百分率で表した値である。エナンチオマー過剰率は光学活性カラムを使った液体クロマトグラフィーや旋光光度計等の一般的な方法で求めることができるが、本発明ではその中で最も正確に測定が可能な光学活性カラムを使った液体クロマトグラフィーにより求められる。本発明で使用できる色素のエナンチオマー過剰率は1%e.e.以上であり、好ましくは20%e.e.以上、より好ましくは70%e.e.以上、さらには90%e.e.以上であることがより好ましい。このように光学活性体を光増感剤として光電変換素子に用いることで、電極表面に色素の吸着が起こる際の分子同士の配向性を高めることができ、その結果、電子移動効率がラセミ体を用いた場合に比べて改善され、優れた変換効率を有する光電変換素子を得ることができる。
以下に本発明で使用する上記一般式(I)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2010031204
Figure 2010031204
Figure 2010031204
Figure 2010031204
Figure 2010031204
Figure 2010031204
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上記一般式(II)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2010031204
Figure 2010031204
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Figure 2010031204
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次に、本発明の一般式(I)または(II)で表される色素の合成ルートを下記に示す。中間体(1)または(4)からインドリン環の3a位(*)に不斉炭素を有する光学活性中間体(2)或いは(3)を合成し、例えば(2)とハロゲン化物との反応により中間体(5)を得る。中間体(6)は中間体(5)または中間体(7)から合成することができ、その後、酸性基や酸性基前駆体を有する化合物と反応することで一般式(I)または(II)で表される光学活性な色素(8)を得ることができる。同様にして中間体(3)より、逆の絶対配置の(9)を得ることもできる。また中間体(4)を用いた場合はラセミ体の色素(10)が得られる。
これらの合成ルートではラセミ化は極めて起こりにくく、化合物(2)或いは(3)の光学純度が保持された状態で色素(8)或いは(9)へ誘導することができる。このことより、一般式(I)或いは(II)そのもののエナンチオマー過剰率の測定が困難な場合は、中間体(2)或いは(3)のエナンチオマー過剰率の値を測定することによって、一般式(I)或いは(II)のエナンチオマー過剰率とすることもできる。なお、下記合成ルートにおいて、Rはアルキル基を、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、あるいはヘテロ環残基を、Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリル基、ヘテロ環残基を、Rは酸性基を有する置換基を、bはアルケニル基、ヘテロ環残基を、nは0乃至3の整数をそれぞれ示している。
Figure 2010031204
中間体(1)の合成方法としては、ケトンとアリールヒドラジンから生成するアリールヒドラゾンを硫酸等の酸触媒下で加熱することで置換インドールを合成する、Fischerのインドール合成法等が挙げられる。
中間体(1)から光学純度の高い中間体(2)或いは(3)を合成する方法としては、中間体(1)の不斉還元、もしくは中間体(1)を水素化ホウ素ナトリウム等のハイドライド試薬や接触還元法により還元して得られるラセミ体中間体(4)に対し、ジアステレオマー塩法等の光学分割やクロマトグラフィー法による分離によって得る方法などが挙げられるが、光学純度の高い化合物が得られる方法であればどのような手法を用いても構わない。中間体(4)はアミンであり、その塩基性を利用して光学活性な酸と塩を作り、繰り返し再結晶を行うことで光学純度を上げるジアステレオマー塩法が最も便利であると考えられる。また光学純度の確認は光学活性カラムを用いたクロマトグラフィー法が便利である。
中間体(5)はハロゲン化アルキル等による中間体(2)或いは(3)の求核置換反応、またはパラジウム触媒を用いたアリールハライドと中間体(2)或いは(3)のカップリング反応により容易に合成することができる。これらはインドリン窒素原子上の置換反応であり、この反応でもラセミ化は起こらない。
中間体(7)はNBSなどのハロゲン化剤により合成できる。
中間体(5)のカルボニル化反応による中間体(6)の合成方法としては、Friedel−Crafts反応に代表されるアシル化反応、Vilsmeiyer反応に代表されるホルミル化反応、あるいは一旦、ニトリル化を行い、ニトリル基をカルボニル基へ変換する方法が挙げられるが、カルボニル化合物を得られる方法であれば、どのような反応を用いても構わないが、ホルミル化の場合には、Vilsmeiyer反応が好適である。
中間体(7)から中間体(6)を合成する方法(n=0の場合)としては、グリニャール試薬や有機リチウムハロゲン原子でMgやLiに変換した後、ホルミル化剤としてギ酸エステルやホルムアミドを用いてホルミル化する方法等が挙げられる。
共役鎖を導入する場合(n≠0の場合)、鈴木カップリング等により共役鎖を延長した後、Vilsmeiyer反応によるホルミル化を経て中間体(6)を合成することができる。この際、ホルミル基を有するホウ素化合物を用いると共役鎖の延長とホルミル基の導入を一段階で行うことが可能である。鈴木カップリングは有機ハロゲン化合物と有機ホウ素化合物をパラジウム触媒下、クロスカップリングさせる方法であり、条件が比較的温和であることや官能基選択性の高さから幅広く用いられている。
中間体(6)と酸性基あるいは酸性基前駆体を有する化合物を縮合して色素(8)を得る方法としては、アルドール縮合やKnoevenagel縮合等のカルボニル化合物と活性メチレンの反応による方法、Wittig反応によるオレフィン合成の方法が挙げられる。
本発明の光電変換素子は、表面に導電性を有する基板と、酸化物半導体層を形成させそこに色素を吸着させた半導体層と、電解質層と、対極がこの順に積層されてなる。導電性を有する基板としては、金属のように支持体そのものに導電性があるもの、あるいは表面に導電層を有する場合にはガラス、あるいはプラスチックを支持体として用いることができる。この場合、導電層の材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、金、白金等やこれらを複数組み合わせたものを用いることができ、これを基板へ真空蒸着法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)などの方法によって直接形成させたり、これらが形成されたフィルムを基板へ貼着させたりすることによって導電層を形成することによって、表面に導電性を有する基板を形成することができる。
酸化物半導体の具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウムなどの酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、亜鉛、ニオブ、タングステン等の酸化物が好ましく、これらのうち(1)安価であること、(2)多孔質体を容易に形成すること、(3)電極としての導電性、耐久性、安定性および安全性、(4)本発明で合成した光増感剤とのエネルギー準位の適合性などの観点から、チタン、亜鉛の酸化物がより好ましい。これらの酸化物半導体は単一で使用してもよいし、2種類以上を適宜併用してもよい。
酸化物半導体層は、これらの酸化物半導体の微粒子を基板上に塗布し、電気炉やマイクロ波等によって加熱処理、あるいは電析によって、基板上に多孔質に形成させることができる。
酸化物半導体層に色素を吸着させる方法としては、色素溶液中あるいは色素分散液中にこの酸化物半導体層を形成させた基板を浸漬するなどの方法を用いることができ、これによって、半導体層を形成することができる。溶液の濃度は色素によって適宜決めることができ、色素を溶解させるのに使用しうる溶媒の具体例として、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、アセトン、t -ブタノール等が好ましく挙げられる。
なお、酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を吸着する際、吸着促進剤を色素溶液中に添加してもよい。吸着促進剤としては、コール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、デオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等がより好ましい。
電解質層は、アセトニトリルとエチレンカーボネートの混合液や、メトキシプロピオニトリルなどを溶媒として、金属ヨウ素やヨウ化リチウムなどのヨウ化物からなる電解質等を加えた液体電解質や、高分子ゲル電解液などの凝固体化電解質、p型半導体、ホール輸送剤などの固体電解質を用いて形成することができる。
対極は透明性が必要な場合は上記導電性を有する基板と同様に作製してもよいし、透明性を必要としない場合は、カーボンや導電性ポリマー、一般的な金属などを用いて作製することができる。
以下に本発明の光電変換素子を実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、下記実施例におけるインドリン、中間体(A−1)、(B−1)〜(B−7)、(C−1)〜(C−9)の構造は下記の化学式で表されるものである。
Figure 2010031204
Figure 2010031204
<ラセミインドリンの合成>
シクロペンタノン(42.5g)を酢酸(190g)に溶解し、120℃に加熱攪拌しながらフェニルヒドラジン(54.5g)を滴下した。同温で1時間加熱攪拌した後、室温まで放冷し、水(500g)を加えて生成物を析出させ、ろ別した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製することにより茶色結晶(56.0g)を得た。次いでこの茶色結晶(56.0g)をトルエン(700ml)に溶解させ、パラジウム炭素(2.5g)を加え、4気圧の水素雰囲気下、室温で10時間攪拌した。攪拌終了後、パラジウム炭素をろ別し、ろ液を減圧濃縮することでラセミインドリンを得た。52.5g。収率65%。
<ラセミインドリンの光学分割>
ラセミインドリンと等モルのD−フェニルグリシン系光学分割剤を水に溶解させ、90℃に加熱攪拌した。1時間攪拌後、室温まで放冷し、析出した固体をろ別した。得られた固体を水より再結晶した。これを三回繰り返し得られた塩をアルカリ処理することによって光学活性インドリンを得た。ラセミインドリン、及び本工程で得られた光学活性インドリンのHPLC分析をキラルカラム(ダイセル化学工業株式会社製CHIRALPAK AD−H、展開溶媒:ヘキサン/エタノール=90/10)によって行い、得られたクロマトグラムを図1及び2に示した。図1のラセミインドリンのクロマトグラムでは、RT=9.9分と10.7分に同等のエリア面積値を有する二つのピークが存在するが、図2の上記手法で得られた光学活性インドリンのクロマトグラムではほぼRT=9.9分のピークのみが認められ、その光学純度は99% e.e.であった。同様にして、L−フェニルグリシン系光学分割剤を使用して光学分割操作を行った場合には、RT=10.7分にピークを有する光学活性インドリンを光学純度99% e.e.で得ることができた。以降では、RT=9.9分に相当する光学活性インドリンをインドリン(a)、RT=10.7分に相当する光学活性インドリンをインドリン(b)と称する。
なお、下記において、(B−1a)、(B−1b)、(I−1a)、(II−24a)等のようにaやbを付記して記載したものは、原料のインドリン(a)または(b)に対応するエナンチオマーを示している。
<色素合成フロー>
下記実施例中、代表的な色素の合成フローを次の図式に示した。まずブロモ中間体(A−1)と光学活性或いはラセミ体のインドリンを反応させ、インドリンの窒素原子上にアリール基を導入した。次いで、チオフェン環を有さない化合物(I−1)、(I−19)、(I−32)、(II−24)等の場合は、Vilsmeiyer反応によってホルミル基を導入し、活性メチレンまたはメチル化合物と縮合させることで得た。チオフェン環を有する化合物(I−10)等の場合はインドリンの窒素原子にアリール基を導入後、NBSを用いる常法にてブロモ化し、ボロン酸類と反応させ、これをVilsmeiyer反応によってアルデヒドへ誘導し、活性メチレン化合物と縮合させることで得た。また、インドリン(a)またはインドリン(b)もしくはラセミインドリンを下記フローの原料インドリンとして用いることで、所望するエナンチオマーまたはラセミ体の色素を得た。
Figure 2010031204
<中間体の合成>
(中間体(B−1a)の合成)
(インドリンa)(光学純度99% e.e. 1.1g)、ブロモ中間体(A−1)(東京化成工業株式会社製)(2.4g)、パラジウム(II)酢酸(7.5mg)をm−キシレン(16ml)に溶解し、トリt−ブチルホスフィン(2 滴)を加えた後125 ℃で加熱攪拌した。2時間後、加熱を停止し、室温まで冷却後ろ過し、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、茶色オイルを得た(3.0g)。次に氷冷下でDMF(2.2g)に塩化ホスホリル(1.8g)を滴下し調製したVilsmeiyer試薬にこの茶色オイル(3.0g)を滴下し室温攪拌した。3時間後、反応液を氷冷した2%水酸化ナトリウム水溶液(60ml)に注ぎ入れ室温で1時間攪拌後、クロロホルムにて抽出、減圧濃縮し、残さをカラムクロマトグラフィーで精製することにより中間体(B−1a)を得た。2.5g。収率85%。λmax=395 nm(クロロホルム)。
(中間体(B−5a、6a、7a)、(B−1b、5b、6b、7b)および(B−1ラセミ、5ラセミ、6ラセミ、7ラセミ)の合成)
中間体(B−5a)(B−6a)(B−7a)も対応するブロモ中間体を用いて、上記(中間体(B−1a)の合成)に記載した方法と同様の方法にて合成し、また中間体(B−1b)(B−5b)(B−6b)(B−7b)および(B−1ラセミ)(B−5ラセミ)(B−6ラセミ)(B−7ラセミ)についても、それぞれ(インドリンb:光学純度99% e.e.)または(ラセミインドリン)を用いて同様の方法で合成した。
(中間体(B−2a、3a、4a)、(B−2b、3b、4b)および(B−2ラセミ、3ラセミ、4ラセミ)の合成)
中間体(B−2a)(B−3a)(B−4a)はインドリンaとブロモ中間体(A−1)を上記(中間体(B−1a)の合成)に記載した方法と同様の方法で反応させた後、NBSでブロモ化し、ボロン酸類と反応させ、これをVilsmeiyer試薬と反応させることにより合成した。中間体(B−2b)(B−3b)(B−4b)および(B−2ラセミ)(B−3ラセミ)(B−4ラセミ)についても、それぞれ(インドリンb)または(ラセミインドリン)を用いた同様の方法で合成した。
(中間体(C−1、2、3、4、5)の合成)
中間体(C−1)(C−2)(C−3)(C−4)(C−5)は特開平8−269345に記載の方法に従って合成したものを用いた。
(中間体C−6、7)
中間体(C−6)(C−7)についてはシグマ アルドリッチ ジャパン社等から購入したものを用いた。
(中間体C−8、9)
中間体(C−8)(C−9)は特開平4−275542に記載の方法に従って合成したものを用いた。
<実施例1(I−1a)の合成>
中間体(B−1a)(0.80g)、シアノ酢酸(東京化成工業株式会社製)(0.31g)、ピペリジン(0.5ml)をアセトニトリル(15ml)に溶解し、85℃で加熱撹拌した。4時間後、加熱を停止し、室温まで冷却し、塩酸で処理した。クロロホルムで抽出し、水(20ml)でクロロホルム層を2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗結晶をカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(I−1a)を得た。0.77g。収率84%。λmax=464nm(クロロホルム)。
<実施例2(I−1b)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−1b)を用いることにより化合物(I−1b)を得た。λmax=464nm(クロロホルム)。
<実施例3(I−19a)の合成>
中間体(B−1a)(1.50g)、ロダニン−3−酢酸(東京化成工業株式会社製)(0.65g)、酢酸アンモニウム(0.09g)を酢酸(15ml)に溶解し、125℃で加熱撹拌した。6時間後、加熱を停止し、室温まで冷却すると固化した。粗結晶をろ別し、メタノールで洗浄することにより化合物(I−19a)を得た。2.05g。収率98%。λmax=516nm(クロロホルム)。
<実施例4(I−19b)の合成>
実施例3と同様の手法を用い、中間体(B−1b)を用いることにより化合物(I−19b)を得た。λmax=516nm(クロロホルム)。
<実施例5(I−32a)の合成>
中間体(B−1a)(5.74g)、中間体(C−1)(4.14g)、酢酸アンモニウム(0.10g)を酢酸(200ml)に溶解し、125℃で加熱撹拌した。6時間後、加熱を停止し、室温まで冷却すると固化した。粗結晶をろ別し、カラムクロマトグラフィーに供することにより化合物(I−32a)を得た。3.12g。収率32%。λmax=554nm(クロロホルム)。
<実施例6(I−32b)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−1b)を用いることにより化合物(I−32b)を得た。λmax=554nm(クロロホルム)。
<実施例7(I−49a)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(C−3)を用いることにより化合物(I−49a)を得た。λmax=552nm(クロロホルム)。
<実施例8(I−49b)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−1b)と中間体(C−3)を用いることにより化合物(I−49b)を得た。λmax=552nm(クロロホルム)。
<実施例9(II−24a)の合成>
中間体(B−1a)(2.09g)、中間体(C−9)(1.44g)を無水酢酸(10ml)に溶解し、100℃で加熱撹拌した。1時間後、加熱を停止し、室温まで冷却すると固化した。粗結晶をろ別し、カラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(II−24a)を得た。1.91g。収率56%。λmax=606nm(クロロホルム)。
<実施例10(II−24b)の合成>
実施例9と同様の手法を用い、中間体(B−1b)を用いることにより化合物(II−24b)を得た。λmax=606nm(クロロホルム)。
<比較例1(I−1ラセミ)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)を用いることにより化合物(I−1ラセミ)を得た。λmax=464nm(クロロホルム)。
<比較例2(I−19ラセミ)の合成>
実施例3と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)を用いることにより化合物(I−19ラセミ)を得た。λmax=516nm(クロロホルム)。
<比較例3(I−32ラセミ)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)を用いることにより化合物(I−32ラセミ)を得た。λmax=554nm(クロロホルム)。
<比較例4(I−49ラセミ)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)と中間体(C−3)を用いることにより化合物(I−49ラセミ)を得た。λmax=552nm(クロロホルム)。
<比較例5(II−24ラセミ)の合成>
実施例9と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)を用いることにより化合物(II−24ラセミ)を得た。λmax=606nm(クロロホルム)。
<光電変換素子の作製>
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、電析により厚さ3μmの酸化亜鉛多孔質体膜を形成した。この酸化亜鉛多孔質体膜が形成されたFTOガラスを、実施例1〜10および比較例1〜5で得られた各色素を濃度が200μMになるようにエタノールに溶解させ、この溶液に1時間浸漬し光電極層を作製した。なお、添加剤としてコール酸を添加する場合には、この色素溶液にデオキシコール酸濃度が400μMになるようにデオキシコール酸を加えた。
(電解質層の形成)
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4 の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム0.5mol/l 、ヨウ素0.5mol/lとなるように混合し、電解質液とした。この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成した。
<評価>
上記で作製した各光電変換素子(受光面積4 mm×5 mm)に分光計器株式会社製「CEP−2000」を用いて100 mW/cm2の照射強度で光を当てて、光電変換素子の短絡電流(mA)と開放電圧(V)を測定し、短絡電流と受光面積より短絡電流密度(mA/cm2)を求めた。次いで、光電変換素子の電極間に接続する抵抗値を変化させて最大電力Wmax(mW)を観測し、形状因子と光電変換効率(%)を下記計算式により求めた。
Figure 2010031204
Figure 2010031204
結果を表1に示す。なお、実施例1〜10の各色素の光学純度は、中間体の原料であるインドリンaおよびインドリンbの光学純度99% e.e.が維持されているから、99% e.e.である。
Figure 2010031204
表1に示したように、すべての実施例において、光学活性体の光増感剤を用いた場合は、対応するラセミ体を用いた場合と比較して、光電変換効率の向上が見られた。一般的には、電極は不斉をもたない無機物であるため、光増感剤として光学活性体を用いたとしてもその効果は得られないと考えられてきた。しかしながら、本発明によれば最大で1%程の光電変換効率の向上が期待でき、7〜8%の変換効率を最高値とする酸化亜鉛電極DSCにおいては驚くべき結果である。なお、光電変換効率の向上の理由としては、吸着表面における色素分子の凝集状態が光学活性な光増感剤を用いることで改善されるため電子輸送の効率化がなされたためと考えられるが、このような効果はこれまで知られておらず、本発明によって初めて見いだされたものである。また、本発明ではラセミ体との比較のために、光電変換素子作製において同一条件下での検討を行っているが、光学活性体色素特有の性質を加味して、色素吸着時間等の最適化を行えば更なる変換効率の向上が期待できる。
ここで、エナンチオマー色素aとbが同程度の変換効率であることから、光増感剤としての性能は絶対配置には影響されないこともわかった。また、コール酸を添加した方がしない場合に比べて優れた変換効率を示したので、以下の実施例ではコール酸は常に添加し、ラセミ体とエナンチオマーaとの比較を行った。
<実施例11(I−8a)の合成>
中間体(B−1a)(4.41g)、シアノ酢酸(1.70g)、ピペリジン(2ml)をアセトニトリル(60ml)に溶解し、85℃で加熱撹拌した。4時間後、加熱を停止し、室温まで冷却すると固化した。粗結晶をろ別し、アセトニトリルで洗浄することにより化合物(I−8a)を得た。5.60g。収率94%。λmax=464nm(クロロホルム)。
<実施例12(I−9a)の合成>
実施例11と同様の手法を用い、中間体(B−6a)より化合物(I−9a)を得た。λmax=460nm(クロロホルム)。
<実施例13(I−10a)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−2a)より化合物(I−10a)を得た。λmax=519nm(クロロホルム)。
<実施例14(I−11a)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−3a)より化合物(I−11a)を得た。λmax=517nm(クロロホルム)。
<実施例15(I−12a)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−4a)より化合物(I−12a)を得た。λmax=519nm(クロロホルム)。
<実施例16(I−33a)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(C−2)より化合物(I−33a)を得た。λmax=521nm(クロロホルム)。
<実施例17(I−35a)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−5a)より化合物(I−35a)を得た。λmax=539nm(クロロホルム)。
<実施例18(I−38a)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−6a)より化合物(I−38a)を得た。λmax=544nm(クロロホルム)。
<実施例19(I−54a)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(C−4)より化合物(I−54a)を得た。λmax=556nm(クロロホルム)。
<実施例20(I−66a)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(C−5)より化合物(I−66a)を得た。λmax=574nm(クロロホルム)。
<実施例21(I−70a)の合成>
中間体(B−1a)(1.77g)、中間体(C−6)(0.88g)をエタノール(50ml)に溶解し、90℃で加熱撹拌した。6時間後、加熱を停止し、室温まで冷却すると固化した。粗結晶をろ別し、エタノールで洗浄することにより化合物(I−70a)を得た。2.45g。収率97%。λmax=554nm(クロロホルム)。
<実施例22(I−73a)の合成>
実施21と同様の手法を用い、中間体(C−7)より化合物(I−73a)を得た。収率96%。λmax=511nm(クロロホルム)。
<比較例6(I−8ラセミ)の合成>
実施例11と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)を用いることにより化合物(I−8ラセミ)を得た。λmax=464nm(クロロホルム)。
<比較例7(I−9ラセミ)の合成>
実施例11と同様の手法を用い、中間体(B−6ラセミ)を用いることにより化合物(I−9ラセミ)を得た。λmax=460nm(クロロホルム)。
<比較例8(I−10ラセミ)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−2ラセミ)より化合物(I−10ラセミ)を得た。λmax=519nm(クロロホルム)。
<比較例9(I−11ラセミ)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−3ラセミ)より化合物(I−11ラセミ)を得た。λmax=517nm(クロロホルム)。
<比較例10(I−12ラセミ)の合成>
実施例1と同様の手法を用い、中間体(B−4ラセミ)より化合物(I−12ラセミ)を得た。λmax=519nm(クロロホルム)。
<比較例11(I−33ラセミ)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)と中間体(C−2)より化合物(I−33ラセミ)を得た。λmax=521nm(クロロホルム)。
<比較例12(I−35ラセミ)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−5ラセミ)より化合物(I−35ラセミ)を得た。λmax=539nm(クロロホルム)。
<比較例13(I−38ラセミ)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−6ラセミ)より化合物(I−38ラセミ)を得た。λmax=544nm(クロロホルム)。
<比較例14(I−54ラセミ)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)と中間体(C−4)より化合物(I−54ラセミ)を得た。λmax=556nm(クロロホルム)。
<比較例15(I−66ラセミ)の合成>
実施例5と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)と中間体(C−5)より化合物(I−66ラセミ)を得た。λmax=574nm(クロロホルム)。
<比較例16(I−70ラセミ)の合成>
実施例21と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)より化合物(I−70ラセミ)を得た。λmax=554nm(クロロホルム)。
<比較例17(I−73ラセミ)の合成>
実施21と同様の手法を用い、中間体(B−1ラセミ)と中間体(C−7)より化合物(I−73ラセミ)を得た。λmax=511nm(クロロホルム)。
実施例11〜22および比較例6〜17で得られた各色素を用いて、実施例1〜10と同様にして光電変換素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010031204
表2から明らかなように、実施例1〜10と同様に、光学活性な色素はラセミ体と比べて優れた変換効率を示した。このことから、酸化亜鉛電極層の場合、光増感剤として光学活性体を用いることによって変換効率を改善できた。続いて、他の金属酸化物を電極層として用いた場合でも、同様の効果が得られるかを検討した。
<実施例23(I−22a)の合成>
実施例3と同様の手法を用い、中間体(B−7a)を用いることにより化合物(I−22a)を得た。λmax=509nm(クロロホルム)。
<実施例24(II−14a)の合成>
実施例9と同様の手法を用い、中間体(B−7a)と中間体(C−8)を用いることにより例示化合物(II−14a)を得た。λmax=603nm(クロロホルム)。
<比較例18(I−22ラセミ)の合成>
実施例3と同様の手法を用い、中間体(B−7ラセミ)を用いることにより化合物(I−22ラセミ)を得た。λmax=509nm(クロロホルム)。
<比較例19(II−14ラセミ)の合成>
実施例9と同様の手法を用い、中間体(B−7ラセミ)と中間体(C−8)を用いることにより例示化合物(II−14ラセミ)を得た。λmax=603nm(クロロホルム)。
<光電変換素子の作製>
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、酸化チタンペーストを厚さ12μmになるように塗布し、室温で乾燥後、100 ℃で1時間、更に550 ℃で1時間焼成し、酸化チタン多孔質体膜を形成した。この酸化チタン多孔質体膜が形成されたFTOガラスを、実施例1,3,5,20,23,24、比較例1〜3,15,18,19で得られた各色素を用いて、濃度が200μMになるように各色素をエタノールに溶解させ、この溶液に1時間浸漬し光電極層を作製した。このときの色素溶液には、この色素溶液にデオキシコール酸濃度が400μMになるようにデオキシコール酸を加えた。
(電解質層の形成)
電極層が上記酸化チタンを用いたものであること以外は酸化亜鉛電極と同様の手法で電解質層を形成した。
<評価>
電極層が上記酸化チタンを用いたものであること以外は酸化亜鉛電極と同様の手法で評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2010031204
表3から明らかなように、酸化チタンを電極層に用いた場合も酸化亜鉛の場合と同様に、光学活性な色素はラセミ体と比べて優れた変換効率を示すことがわかった。これらのことから、どのような金属酸化物を用いた光電変換素子であっても、光学活性な色素を光増感剤として用いることでその変換効率を改善できた。
ラセミインドリンのHPLCチャート 光学活性インドリンのHPLCチャート

Claims (3)

  1. 下記式(I)で示されるインドリン環の3a位(*)に不斉炭素を有する色素またはその塩であって、該色素またはその塩のエナンチオマー過剰率が1%e.e.以上であることを特徴とする光増感剤。
    Figure 2010031204
    (式(I)において、mは0乃至3の整数を、nは1乃至4の整数を、pは0乃至2の整数を示す。R1、R2は水素原子、アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示す。3a位(*)の不斉炭素部位の絶対配置はRまたはSのどちらでもよい。R3はアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ環残基を示す。R4、R5、R6は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、R5とR6で結合して環状構造を形成していてもよい。R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。R9は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基またはアリール基を示す。Z1はカルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはシアノ基を、Z2はヒドロキシ基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示し、Z1とZ2は結合して複素環を形成していてもよい。)
  2. 下記式(II)で示されるインドリン環の3a位(*)に不斉炭素を有する色素またはその塩であって、該色素またはその塩のエナンチオマー過剰率が1%e.e.以上であることを特徴とする光増感剤。
    Figure 2010031204
    (式(II)において、mは0乃至3の整数を、nは1乃至4の整数を、pは1乃至3の整数を、qは1乃至5の整数を示す。R1およびR2は水素原子、アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示す。3a位(*)の不斉炭素部位の絶対配置はRまたはSのどちらでもよい。Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ環残基を示す。R4、R5、R6は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、R5とR6で結合して環状構造を形成していてもよい。R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。X1は酸素原子、硫黄原子、置換アミノ基、アルキレン基または脂肪族縮合環を示す。a1環はX1と四級化された窒素原子で結合する置換基を有していてもよいヘテロ環残基を示す。X2は対アニオンを示す。)
  3. 請求項1または2記載の光増感剤を吸着した半導体層を有することを特徴とする光電変換素子。
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