JP5860313B2 - 有機太陽電池用色素として有用な分子内ドナーアクセプター型分子 - Google Patents

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Description

本発明は、フラーレンとピロール環拡張ポルフィリンを組み合わせることで、有機太陽電池用色素として有用な新規な分子内ドナーアクセプター型分子を提供し、さらにその利用法に関する。
現在の太陽電池の主流であるシリコン系太陽電池は、発電コストの高さ、高純度シリコン生成に大量のエネルギーが必要であるなどの問題がある。それに代わる太陽電池として、デバイス構造が簡単で有機顔料や有機色素を用いることで安価に製造できる環境調和型次世代有機太陽電池が注目されている。特に次世代太陽電池として、有機薄膜太陽電池や色素増感太陽電池に注目が集まっている。
色素増感太陽電池は安価で製造可能であることから、実用化に向けて様々な技術が開発されている。特にグレッチェル等により開発されたルテニウム錯体はブラックダイと言われて光電変換効率が10%を越えることが報告されており色素増感太陽電池用色素の基本骨格として注目されている(非特許文献1)。
Nature、1991年、第353巻、p.737−740
ルテニウム錯体を用いた色素増感太陽電池は、レアメタルであるルテニウムを用いた色素を用いた場合光電変換効率がいいことが知られている。しかし、現在はルテニウム錯体の代替材料の開発が盛んに行われている。本発明は、ルテニウム錯体代わり得る有機太陽電池用色素として有用なフラーレンを機能化した新たな化合物の提供と、この化合物を用いた太陽電池及び光電荷分離素子を提供することを目的とする。
本発明者は、有機太陽電池用色素として有用なフラーレンを機能化する方法として新たに、ピロール環拡張ポルフィリンとフラーレンを共有結合で結合することが可能であること、さらにはピロール環拡張ポルフィリンにシアノメチル基の導入が可能であることを見し、新規なピロール環拡張ポルフィリンとフラーレンを共有結合した分子内ドナーアクセプター型分子の合成に成功して本発明を完成させた。
本発明は、下記一般式(A)で示される化合物に関する。
上記一般式(A)中、Mはニッケル、亜鉛または2つのH(以下、H2と表記する)であり、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基である。フラーレン基はC60のフラーレンを示す。
さらに本発明は、導電性基板の表面に上記本発明の化合物の自己組織化膜を有する光電荷分離素子および上記光電荷分離材料を用いる太陽電池に関する。
本発明では、上記一般式(A)で表される新規化合物を効率よく合成する条件を明らかにするとともに、合成した化合物の一部が蛍光を発する化合物であることを明らかにした。
化合物9のE体(上図)とZ体の混合物(下図)の1H NMRのスペクトルを図1に示す。 化合物9の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果を図2に示す。 化合物9のUV-Visスペクトルを図3に示す。 化合物10のZ体の1H NMRのスペクトルを図4に示す。 化合物10のE体の1H NMRのスペクトルを図5に示す。 化合物10のE体の13C NMRスペクトルを図6に示す。 化合物10の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果を図7に示す。 化合物111H NMRのスペクトルを図8に示す。 化合物11のE体の1H NMRのスペクトルを図9に示す。 化合物7aの1H NMRスペクトルを示す。 化合物121H NMRのスペクトル(Z体)を図11に示す。 化合物121H NMRのスペクトル(E体)を図12に示す。 化合物12の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果図を13に示す。 化合物131H NMRのスペクトル(Z体)を図14に示す。 化合物131H NMRのスペクトル(E体)を図15に示す。 化合物13の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果を図16に示す。 化合物13のUV-Visの結果を図17に示す。 化合物13の蛍光スペクトルを図18に示す。 化合物(14)(E体)のNMRデータを図19に示す。 化合物(14)(E体)のUV-Visデータ図20に示す。 化合物(14)(E体)の蛍光スペクトルデータを図21に示す。 化合物(14)(Z体)のNMRデータを図22に示す。 化合物(14)(Z体)のUV-Visデータを図23に示す。 化合物(14)(Z体)の蛍光スペクトルデータを図24に示す。
本発明は、上記一般式(A)で示される化合物に関する。この化合物は、フラーレンC60とポルフィリン誘導体を共有結合した化合物である。
上記一般式(A)中、Mはニッケル、亜鉛またはH2である。Rは、Hまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。フラーレン基はC60のフラーレンを示す。
上記一般式(A)で示される化合物は、ピロール環拡張ポルフィリンとフラーレンを共有結合で結合することで合成できる。例えば、下記反応スキームに示すように、下記式(A)で示される化合物が、ポルフィリンの中心金属であるMがニッケルであり、Rがエチル基である式(11)で示される化合物の場合、ピロール環拡張ポルフィリンとして式(10)で示される化合物とフラーレンを共有結合で結合することで合成できる。ポルフィリンの中心金属であるMが亜鉛の場合も同様の反応により合成できる。
上記反応は、詳細は実施例に示されているが、原料化合物(10)とフラーレンをサルコシンの存在下に有機溶媒中で所定時間(例えば、約3時間〜約48時間)、加熱還流することで合成できる。原料化合物(10)とフラーレンの比率は、例えば、原料化合物(10)1当量に対して、フラーレンを例えば、1〜50当量の範囲とすることができる。サルコシンは、アルデヒド基に効率よくフラーレンを結合するために必要であり、アゾメチンイリドを形成させる。次いでフラーレンと1,3-双極子付加反応を起こさせ、最終的にフラーレン上にピロリジン環が形成され、その使用量は、原料化合物(10)1当量に対して、例えば、サルコシン1〜50当量の範囲とすることができる。
反応をモニタリングし、反応が終了したら、有機溶媒を留去して、目的生成物を得る。目的生成物は、必要により適宜常法により精製することができる。上記反応に用いる有機溶媒は、原料化合物(10)、フラーレン及びサルコシンを溶解できる溶媒から適宜選択でき、例えば、トルエンであることができる。但し、トルエンに限定される意図ではなく、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム等の有機溶媒もトルエンの代りに、あるいはトルエンとの混合液として使用できる。
式(10)で示されるピロール環拡張ポルフィリンは、非特許文献1の記載を参考に合成することかできる。また、ポルフィリンの中心金属であるMが亜鉛であるピロール環拡張ポルフィリンは、式(10)の化合物から中心金属を酸中で脱メタルしたのち中和することでMがH2である化合物とし、次いで例えば、酢酸亜鉛を用いてMが亜鉛である化合物とすることで合成できる。式(1)の化合物から中心金属取り除いた後中和してMがH2である化合物とする反応は、式(10)の化合物を溶媒に溶解し、例えば、トリフルオロ酢酸と濃硫酸を加え一定時間(例えば、約1分から30分)処理した後、飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和することで実施することができる。また、酢酸亜鉛を用いてのMが亜鉛である化合物の合成は、例えば、クロロホルム・メタノール(1:1)中、数時間加熱還流することで実施できる。
本発明は上記本発明の一般式(A)で示される化合物の自己組織化膜を導電性基板の表面に有する光電荷分離素子に関する。さらに本発明は、本発明の光電荷分離素子を用いる太陽電池に関する。本発明の光電荷分離素子は、例えば、導電性表面に形成された酸化物半導体膜上に上記本発明の化合物の自己組織化膜を形成した色素増感酸化物半導体電極であることができる。さらに本発明は、前記色素増感酸化物半導体電極とその対極とそれらの電極に接触するレドックス電解質とから構成される太陽電池を包含する。
上記色素増感酸化物半導体電極は、基板としては、少なくともその表面が導電性表面に形成された基板が用いられる。このような基板としては、ガラス等の耐熱性基板上に、In23やSnO2の導電性金属酸化物薄膜を形成したものや金属等の導電性材料からなる基板が用いられる。基板上に酸化物半導体微粒子集合体膜を有するものを用いることができる。酸化物半導体微粒子集合体膜は、多孔質構造膜であり、その厚さは、例えば、10nm以上、好ましくは100〜10000nmであることができる。基板上の酸化物半導体膜表面に、本発明の化合物の自己組織化膜を形成する。本発明の化合物を有機溶媒に溶解させて形成した溶液中に、酸化物半導体膜を基板と共に浸漬すればよい。浸漬処理後、金属錯体を吸着した酸化物半導体膜は、例えば、常温〜80℃で乾燥することができる。
本発明の太陽電池は、前記酸化物半導体電極と対極とそれらの電極に接触するレドックス電解質とから構成される。レドックス電解質としては、I-/I3 -系や、Br-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は、従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I-/I3 -系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができる。電解質は、液体電解質又はこれを高分子物質中に含有させた固体高分子電解質であることができる。液体電解質において、その溶媒としては、電気化学的に不活性なものが用いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート等が用いられる。対極としては、導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、I3 -イオン等の酸化型のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
本発明の太陽電池は、前記酸化物半導体電極、電解質及び対極をケース内に収納して封止するか又はそれら全体を樹脂封止する。この場合、その酸化物半導体電極には光があたる構造とする。このような構造の電池は、その酸化物半導体電極に太陽光又は太陽光と同等な可視光をあてると、酸化物半導体電極とその対極との間に電位差が生じ、両極間に電流が流れるようになる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
(1)出発原料であるホルミル化したピロール環拡張ポルフィリンの合成
原料となるホルミル化したピロール環拡張ポルフィリンである化合物8の合成経路を示す。ここまでの経路は既知である。(K. M. Smith., et al., Chem. Commun., 1996, 1475-1476)
初めに、ピロールとベンズアルデヒドをプロピオン酸中0.5時間140℃で加熱還流を行い、その後一晩室温で静置することにより化合物1を収率20 %で合成した。得られた化合物1に対し、酢酸亜鉛二水和物をクロロホルム、メタノール混合溶媒中で加熱撹拌を2時間110℃で行うことにより、中心に亜鉛が配位した化合物2を収率99 %で得た。化合物2を塩化メチレンに溶解させた溶液に対してNO2ガスを通気することでニトロ化を行い、化合物3を収率19 %で得た。脱メタルした化合物4は化合物3を12 N 塩酸とクロロホルムの混合溶媒中0.5時間室温で撹拌することで収率98 %で得た。化合物4を酢酸ニッケル四水和物と酢酸、メタノール混合溶媒中で加熱撹拌を2時間110℃で行うことで化合物5を収率98 %で得た。化合物5とエチルイソシアノアセテートと1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン(DBU)をdry テトラヒドロフラン中で加熱撹拌を3時間80℃で行う。中和後、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製することで化合物6が収率60 %で得られた。
化合物6と7.5等量の塩化リチウムと10等量の水をトリエタノールアミン中で、5分間200℃で加熱攪拌を行う。反応終了後、冷水に加えて析出させ、固体を吸引濾過でろ取した。乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製することで、化合物7が収率77 %で得られた。化合物7と100等量のPOCl3と100等量のDMFをdry塩化メチレン中で、0℃で30分攪拌を行う。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて35℃で加水分解を行う。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、化合物8が収率88 %で得られた。
実施例1
色素増感太陽電池用色素の合成
Nickel(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)pyrroloporphyrin(9)の合成
二口ナスフラスコにスターラーバーと化合物8(50 mg, 1 eq.)を加え、リフラックスコンデンサをつけてアルゴン置換を行う。クロロホルム(5 ml)を加えて完全に溶かした後、シアノ酢酸エチル(50 eq.)、トリエチルアミン(5 eq.)を加えて加熱還流を4時間80℃で行う。塩化メチレンと水を加えて水洗し、分液抽出する。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにクロロホルムを展開溶媒として用いて分離精製を行う。一番目の緑色のフラクションを回収し、得られた化合物をクロロホルム、メタノールから再結晶し、デシケーターで乾燥させ目的物 Nickel(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'- yl-ethylcarboxyl)pyrroloporphyrin(9)を得た。(33.8 mg, 40.6μmol) Yield 60 %
化合物(9)の物性
化合物9のE体(上図)とZ体の混合物(下図)の1H NMRのスペクトルを図1に示す。
化合物9の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果を図2に示す。目的化合物と一致するピークが得られた(Found = 832.2, M. W. = 833.6, Calc. for C52H34N6O2Ni)。また、同位体ピークのシミュレーションと比較した結果、良く一致した。
化合物9のUV-Visスペクトルを図3に示す。
Nickel(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-formylpyrrolo porphyrin(10)の合成
30 ml二口ナスフラスコに化合物9(50 mg, 1 eq.)を入れてアルゴン置換を行う。氷浴につけて10℃以下にし、まず塩化メチレン(5 ml)を加えて溶かし、次にDMF(150 eq.)を、更にオキシ塩化リン(150 eq.)を加えて、0℃で攪拌する。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、スターラーで35℃にした水浴につけて攪拌することで加水分解を行い、気体が出なくなるまで続ける。分液抽出により有機層を取り分け、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させる。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにクロロホルムを展開溶媒として用いて分離精製を行う。四番目の茶色のフラクションを回収し、得られた化合物を塩化メチレン、ヘキサンから再結晶し、デシケーターで乾燥させ目的物Nickel(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-formylpyrroloporphyrin (10)を得た。(19.1 mg, 22.2μmol) Yield 37 %
化合物(10)の物性
化合物10のZ体の1H NMRのスペクトルを図4に示す。
化合物10のE体の1H NMRのスペクトルを図5に示す。
化合物10のE体の13C NMRスペクトルを図6に示す。
化合物10の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果を図7に示す。
目的化合物と一致するピークが得られた(Found = 860.2, M. W. = 861.6, Calc. for C53H34N6O3Ni)。また、同位体ピークのシミュレーションと比較した結果、一致した。
Nickel(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-(N-methyl-3',4'- fulleropyrrolidinyl)pyrrolo porphyrin(11)の合成
二口ナスフラスコにスターラーバーを入れ、化合物10(10 mg, 1 eq.)とフラーレンC60(3 eq.)及びサルコシン(30 eq.)を加え、リフラックスコンデンサをつけてアルゴン置換を行う。トルエンを加えて完全に溶かした後、加熱還流を18時間130℃で行う。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにトルエン:酢酸エチル混合溶液(96 : 4, v/v)を展開溶媒として用いて分離精製を行う。一番目のフラクションのフラーレンを回収した後、三番目の緑色のフラクションを回収し、得られた化合物を塩化メチレン、ヘキサンから再結晶し、デシケーターで乾燥させ目的物Nickel(II) 5,10,15,20-tetraphenyl [1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-(N-methyl-3',4'-fulleropyrrolidinyl)pyrroloporphyrin (11)を得た。(6.16 mg, 3.83μmol) Yield 33 %
化合物(11)の物性
化合物111H NMRのスペクトルを図8に示す。
化合物11のE体の1H NMRのスペクトルを図9に示す。
化合物11のUV-Visスペクトルを図10に示す。
実施例2
5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-formylpyrrolo porphyrin free base(12)の合成
一口ナスフラスコに化合物10 (5 mg)と塩化メチレン(2 ml)を加え、超音波振動により完全に溶かす。そこにTFA/濃硫酸(1 ml / 0.15 ml)を加え、2分間、-5℃で激しく撹拌する。反応溶液を0℃に冷却した蒸留水に移し、分液抽出により有機層を取り分ける。その後、有機層を炭酸水素ナトリウムで中和を行い、分液抽出により有機層を取り分け硫酸ナトリウムを用いて乾燥させる。得られた化合物を塩化メチレン、ヘキサンから再結晶し、デシケーターで乾燥させ目的物5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl) -22-formylpyrroloporphyrin (12)を得た。(3.6 mg, 4.4μmol) Yield 76 %
化合物(12)の物性
化合物121H NMRのスペクトル(Z体)を図11に示す。
化合物121H NMRのスペクトル(E体)を図12に示す。
化合物12の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果図13に示す。
目的化合物と一致するピークが得られた(Found = 805.3, M. W. = 804.9, Calc. for C53H36N6O3+H+)。また、同位体ピークのシミュレーションと比較した結果、一致した。
Zinc(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-formylpyrrolo porphyrin(13)の合成
一口ナスフラスコに化合物12b(2 mg, 1 eq.)とクロロホルムを加えて、溶解させる。ビーカーに酢酸亜鉛(10 eq.)とメタノールを加えよく攪拌して溶解させる。このメタノール溶液を先ほどのナスフラスコに加え、遮光しながら室温で1時間撹拌する。炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和し、分液抽出により有機層を取り分け硫酸ナトリウムを用いて乾燥させる。得られた化合物を塩化メチレン、ヘキサンから再結晶し、デシケーターで乾燥させ目的物Zinc(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-formylpyrroloporphyrin (13)を得た。(1.34 mg, 1.54μmol) Yield 62 %
化合物(13)の物性
化合物 131H NMRのスペクトル(Z体)を図14に示す。
化合物131H NMRのスペクトル(E体)を図15に示す。
化合物13の質量分析(MALDI-TOF-MS)の結果とシミュレーションの結果を図16に示す。
目的化合物と一致するピークが得られた(Found = 866.2, M. W. = 868.3, Calc. for C53H34N6O3Zn)。また、同位体ピークのシミュレーションと比較した結果、一致した。
化合物13のUV-Visの結果を図17に示す。
化合物13の蛍光スペクトルを図18に示す。
Zinc(II) 5,10,15,20-tetraphenyl[1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-(N-methyl-3',4'- fulleropyrrolidinyl)pyrrolo porphyrin(14)の合成
二口ナスフラスコにスターラーバーを入れ、化合物13(10 mg, 1 eq.)とフラーレンC60(3 eq.)及びサルコシン(30 eq.)を加え、リフラックスコンデンサをつけてアルゴン置換を行う。トルエンを加えて完全に溶かした後、加熱還流を18時間130℃で行う。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにトルエン:酢酸エチル混合溶液(96 : 4, v/v)を展開溶媒として用いて分離精製を行う。一番目のフラクションのフラーレンを回収した後、三番目の緑色のフラクションを回収し、得られた化合物を塩化メチレン、ヘキサンから再結晶し、デシケーターで乾燥させ目的物Zinc(II) 5,10,15,20-tetraphenyl [1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-(N-methyl-3',4'-fulleropyrrolidinyl)pyrroloporphyrin (14)を得た。(5.8 mg) Yield 30 %
化合物(14)の物性
化合物(14)のNMRデータを図19に示す。
化合物(14)のUV-Visデータを図20に示す。
化合物(14)の蛍光スペクトルデータを図21に示す。
化合物(14)のNMRデータを図22に示す。
化合物(14)のUV-Visデータを図23に示す。
化合物(14)の蛍光スペクトルデータを図24に示す。
5,10,15,20-tetraphenyl [1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-(N-methyl-3',4'-fulleropyrrolidinyl)pyrroloporphyrin free base (15)の合成
分液ロートに化合物14(10 mg, 1 eq.)を入れ、クロロホルム(10 ml)を加えて完全に溶かす。そこにメタンスルホン酸(4.6μl, 10 eq.)を加え100回ほど振る。炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、分液抽出により有機層を取り分ける。硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、溶媒を留去する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに塩化メチレンを展開溶媒として用いて分離精製を行う。得られた化合物を塩化メチレン、ヘキサンから再結晶し、デシケーターで乾燥させ目的物 5,10,15,20-tetraphenyl [1,2-c]-21-(2'-cyano-3'-yl-ethylcarboxyl)-22-(N-methyl-3',4'-fulleropyrrolidinyl)pyrroloporphyrin free base (15) を得た。(8.9 mg) Yield 91 %
エステルの加水分解
得られた化合物1114、および15は一般的な塩基性条件下の加水分解反応によりカルボン酸へほぼ定量的に誘導できた。
本発明は、有機太陽電池等の光電荷分離材料が関連する分野に有用である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(A)で示される化合物。

    上記一般式(A)中、Mはニッケル、亜鉛またはH2であり、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基である。フラーレン基はC60のフラーレンを示す。
  2. 導電性基板の表面に請求項1に記載の化合物の自己組織化膜を有する光電荷分離素子。
  3. 請求項2に記載の光電荷分離素子を用いる太陽電池。
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