JP5757609B2 - ドナー―π―アクセプター型化合物、蛍光色素化合物及び色素増感太陽電池用蛍光色素化合物 - Google Patents

ドナー―π―アクセプター型化合物、蛍光色素化合物及び色素増感太陽電池用蛍光色素化合物 Download PDF

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Description

本発明は、ドナー―π―アクセプター型化合物、蛍光色素化合物及び色素増感太陽電池用蛍光色素化合物に関する。
これまで広く使用されているエネルギーは石油、石炭、天然ガス等の化石エネルギーであるが、これら化石エネルギーは有限であり、且つ、燃焼するとさまざまな汚染物質を排出するため、化石エネルギーに代わるクリーンなエネルギーの開発が進められている。クリーンエネルギーとしては、太陽光を利用した太陽光発電、風を利用した風力発電、地熱を利用した地熱発電、潮の干満差を利用した潮力発電等があり、それぞれ実用化されつつあるが、太陽光発電は枯渇することがなく、永続的にエネルギーを生み出すことができるので最も期待されているエネルギーである。
現在、太陽光発電には、シリコンを利用した結晶シリコン太陽電池が使用されている。しかし、シリコンは価格が高く、生産量を確保しにくい。このため、シリコンを使用せず、結晶シリコン太陽電池を製造する際に使用される大型な製造装置を必要とせず、低コストで製造でき、フレキシブルで多彩な色素増感太陽電池が注目されている。
色素増感太陽電池に使用する色素としては、例えば、ビス(イソチオシアナト)ビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ジピリジン)ルテニウム(II)、シス−ジアクア−ビス(2,2’ジピリジル−4,4’−ジカルボキシ)ルテニウム(II)、テトラ(4−カルボキシフェリル)ポルフィリン亜鉛(II)、鉄−ヘキサシアナイド錯体、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィル又はその誘導体等の金属錯体及びアゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、スクアリリウム系色素、ナフタロシアニン系色素、キノン系色素、キナクリドン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素等の有機色素が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
上記金属錯体系色素のうち、金属としてレアメタルを使用したものは光電変換効率が高く、太陽電池の素材として好ましい。しかし、レアメタルは生産量が少なくコストが高いので、大量生産にはなじまず、近年では有機色素(以下、単に色素ともいう)が盛んに研究されている。
色素増感太陽電池は、図8に示したように、ガラス基板11の一面に透明導電膜12が積層され、透明導電膜12の他面に色素が吸着された酸化チタン等の半導体微粒子である金属酸化物層13が形成されている第1電極1と白金等の金属からなる第2電極2が電解質溶液層3を介して対向するように配置されて構成されている。
色素増感太陽電池に光照射をすると、まず第1電極1の金属酸化物に化学吸着している色素が光励起し、色素から金属酸化物への電子注入が起こり、色素が酸化される。電子を失った色素は、やがて電解質溶液層13中のヨウ素等から電子を奪って還元され、ヨウ素等は第2電極2から電子を受け取り元に戻る。このようにして色素増感太陽電池は作動する。
従って、有機色素は金属酸化物へ容易に且つ強固に吸着しており、電子金属酸化物へより多くの電子を注入することが好ましい。電子供与基であるドナーと電子吸引基であるアクセプターがπ共役構造を有するπ共役構造部を介して結合されており、可視領域に強い吸収帯を有するドナー―π―アクセプター型色素(以下、「D―π―A型色素」という。)は、色素増感太陽電池用色素として注目されている。
D―π―A型色素としては、例えば、アクセプターとしてエチレン基の末端に、金属酸化物に吸着し且つ該金属酸化物に電子を供与するカルボキシル基(吸着基兼アクセプター)が付加されている色素増感太陽電池用色素(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。しかしながら、上記色素増感太陽電池用色素においては、吸着基兼アクセプターを導入するために前駆体の選択、製造に制限が生じ、分子設計・合成が困難であった。
また、本発明者等は、分子設計・合成が容易である吸着基とアクセプターが離れた位置に存在するD―π―A型色素として、化学式(10)で表されるドナー―π―アクセプター型化合物(以下、「D―π―A型化合物」という。)を合成し、報告した(非特許文献1、2)。
Figure 0005757609
化学式(10)において、ジブチルアミノ基はドナーであり、ピリジン基がアクセプターであり、カルボキシルアルキル基が吸着基であり、その他の部分がπ共役構造部である。この化学式(10)で表される化合物は吸着基とアクセプターが離れた位置に存在するので、合成は容易である。また、化学式(10)で表される化合物は吸着基を有しているので、金属酸化物に容易且つ強固に結合可能であり、電子はドナーからπ共役構造部を経由してアクセプターに移動し、そしてアクセプターから金属酸化物に流れるので光電変換効率が優れている。
しかしながら、上記化学式(10)で表されるD―π―A型化合物はπ共役構造部が6個の縮環構造を有しており、且つ、その分子構造幅が広いのでπ共役構造が分岐してしまい、図9に矢印Aで示したように、電子はドナーからπ共役構造部の右の部分のみを通過し、アクセプターを通って曲線状に金属酸化物に供与されていると推論される。
従って、本発明者等は、π共役構造が分岐しない構造にすれば、光電変換効率がより優れたものなるのではないかとの推論のもとに、鋭意検討の結果、π共役構造が分岐しない構造のD―π―A型化合物であって、特定のアクセプターを有する化合物は製造が容易であり、金属酸化物に容易且つ強固に結合でき、光電変換効率が優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。又、驚いたことに、π共役構造が分岐しない構造であって、特定のD―π―A型化合物においては吸着基が存在しなくても金属酸化物に強固に吸着することを発見して本発明を完成することに至った。
特開2010−218784号公報 特開2010−126724号公報
Ooyama et al., Eur. J. Org. Chem. 2010, 92-100 Ooyama et al., Bull. Chem. Soc. Jpn. 2010, 1113-1121
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、分子設計・合成が容易であり、金属酸化物に容易且つ強固に吸着し、光電変換効率の優れた新規なドナー―π―アクセプター型化合物、蛍光色素化合物及び色素増感太陽電池用蛍光色素化合物を提供することにある。
本発明の第一の観点に係るドナー−π−アクセプター型化合物は、
ドナー−π−アクセプター型化合物であって、式3で表される化合物であることを特徴とする。
Figure 0005757609

(式中、Xは水素、炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基、又は、末端にカルボキシル基を有する炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜3の整数である。)
また、前記式3で表される化合物が、下式(4)乃至(9)のいずれかであることが好ましい。
Figure 0005757609
本発明の第二の観点に係る蛍光色素化合物は、
上記いずれかのドナー−π−アクセプター型化合物からなることを特徴とする。
本発明の第三の観点に係る色素増感太陽電池用蛍光色素化合物は、
上記いずれかに記載のドナー−π−アクセプター型化合物からなることを特徴とする。
本発明に係るドナー−π−アクセプター型化合物の構成は上述の通りであり、分子設計・合成が容易な新規物質であって、蛍光色素化合物であり、金属酸化物に容易且つ強固に吸着し、光電変換効率が優れているので色素増感太陽電池用蛍光色素化合物として好適に使用できる。
化合物(4)、(5)及び(6)の吸収及び蛍光スペクトルを示すグラフである。 化合物(4)及び化合物(4)が酸化チタンに吸着したもののIRスペクトルを示すグラフである。 化合物(5)及び化合物(5)が酸化チタンに吸着したもののIRスペクトルを示すグラフである。 化合物(6)及び化合物(6)が酸化チタンに吸着したもののIRスペクトルを示すグラフである。 化合物(7)、(8)及び(9)の吸収及び蛍光スペクトルを示すグラフである。 図6(A)は化合物(4)の固体励起スペクトルを示すグラフであり、図6(B)は化合物(4)の固体蛍光発光スペクトルを示すグラフである。 図7(A)は化合物(6)の固体励起スペクトルを示すグラフであり、図7(B)は化合物(6)の固体蛍光発光スペクトルを示すグラフである。 色素増感太陽電池の一例を示す断面模式図である。 化学式(10)で表される化合物の電子の流れを示す模式図である。
本実施の形態に係るドナー−π−アクセプター型化合物は、ドナー−π−アクセプター型化合物であって、π共役構造が分岐しておらず、アクセプターがピリジン含有基、シアノフェニル基、ジシアノエテニル基、トリシアノエテニル基、ニトロフェニル基、ピリジニウム環含有基、トリフルオロメチルフェニル基、アルデヒドフェニル基又はホルミルフェニル基であることを特徴とする。
上記アクセプターは、ピリジン含有基、シアノフェニル基、ジシアノエテニル基、トリシアノエテニル基、ニトロフェニル基、ピリジニウム環含有基、トリフルオロメチルフェニル基、アルデヒドフェニル基及びホルミルフェニル基から選ばれる電子受容基であり、金属酸化物に吸着する機能の高いピリジン含有基が好ましい。
ピリジン含有基としては、例えば、一般式(1)、(11)、(12)、(13)及び(14)で表されるピリジン含有基が挙げられる。
Figure 0005757609
式中、R、R、R、R、R及びRは水素又は炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基であり、同一であってよいし、異なっていてもよい。
上記ドナーは、電子供与基であれば、特に限定されないが、電子を押し出すドナー特性の高いアミノ基を有する基が好ましい。例えば、一般式(2)、(21)又は(22)で表される基が挙げられる。
Figure 0005757609
式中、R、R、R、R10、R11及びR12は水素、炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基又は炭素数1〜12の分岐していてもよいアルコキシ基であり、同一であってよいし、異なっていてもよい。また、R、R、R及びR10がアルキル基又はアルコキシ基の場合はそれぞれ3個以下であり、アルキル基及びアルコキシ基は同一であってよいし、異なっていてもよい。
上記πは、エテニル基、ベンゼン環や窒素、酸素、硫黄等を含む複素環の縮合環化合物であって、π共役構造が分岐していない2価のπ共役構造部である。π共役構造の幅が広いと、ドナーからアクセプター方向に電子が移動する際にπ共役構造が分岐してしまい、一部分のπ共役構造しか電子の移動に寄与しなくなり光電変換効率が低いと推測される。このため、π共役構造は分岐していないことが必要であり、ベンゼン環や窒素、酸素、硫黄等を含む複素環が略直線状に縮合環化したものであることが好ましい。
上記πは、π共役構造を有し、π共役構造が分岐していない2価の基であれば特に限定されないが、カルバゾールイル基が好ましい。カルバゾールイル基はピロール環の両側に対称にベンゼン環が縮合された構造なので、分子構造計算上π共役構造は分岐しておらず略直線状である。
カルバゾールイル基の窒素にアルキル基が結合されていてもよい。アルキル基を導入することにより、カルバゾールイル基の窒素が金属酸化物に吸着することを回避できると共に、アルキル基は水素基より嵩高いのでドナー−π−アクセプター型化合物が凝集することを防止できる。
上記アルキル基としては、炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜6の直鎖アルキル基である。又、該アルキル基は、フェニル基又は炭素数1〜12の分岐していてもよいアルコキシ基で置換されていてもよい。
上記D―π―A型化合物においては、アクセプターが含有する窒素が金属酸化物に対して吸着基として作用するが、より金属酸化物に対する吸着性が向上するようにカルバゾールイル基の窒素に金属酸化物に対する吸着基が導入されてもよい。
上記吸着基としては、従来公知の任意の吸着基を導入可能であり、例えば、カルボキシル基、フェニルシアノアクリル酸基、ローダニン−3−酢酸基、アルキルシラノール基等があげられ、末端にカルボキシルを有する炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは末端にカルボキシルを有する炭素数4〜8の直鎖アルキル基である。
また、カルバゾールイル基とアクセプターの間に、π共役構造が分岐していない2価の有機基が結合されてもよい。上記2価の有機基はπ共役構造が分岐しておらず略直線状なので、カルバゾールイル基と結合されると、カルバゾールイル基のπ共役構造と2価の有機基のπ共役構造は略直線状になり、π共役構造が分岐しないので光電変換効率がより優れる。
2価の有機基としては、π共役構造が略直線状の2価の有機基であれば特に限定されないが、チエニレン基、フリレン基、ピリジレン基、フェニレン基、カルバゾールイル基、エチレン基及びエチニレン基からなる群から選ばれた有機基を含有する有機基が好ましい。
上記チエニレン基、フリレン基、ピリジレン基、フェニレン基、カルバゾールイル基、エチレン基及びエチニレン基からなる群から選ばれた有機基を含有する有機基とは、チエニレン基、フリレン基、ピリジレン基、フェニレン基、カルバゾールイル基、エチレン基、エチニレン基及びこれらの有機基が縮環された基であり、チエニレン基が好ましい。
上記2価の有機基は1〜3個結合していることが好ましい。2価の有機基が2個又は3個結合している場合は同一の有機基でもよいし、異なる有機基であってもよい。有機基が結合しているとより長波長側の光を吸収して励起されやすく、色素増感太陽電池の素材として用いる際に好適である。
上記D―π―A型化合物の好ましい化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物があげられる。
Figure 0005757609
式中、Xは水素、フェニル基、炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基(炭素数1〜12の分岐していてもよいアルコキシ基で置換されていてもよい)、又は金属酸化物に対する吸着基であり、nは0〜3の整数である。
上記D―π―A型化合物の好ましい化合物の具体例としては、下記化学式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)及び(9)で表される化合物があげられる。
Figure 0005757609
Figure 0005757609
Figure 0005757609
Figure 0005757609
Figure 0005757609
Figure 0005757609
上記D―π―A型化合物の合成方法は、特に限定されず、従来公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。化学式(4)〜(9)で表されるD―π―A型化合物の合成方法の一例を以下に説明する。
(化学式(4)、(5)及び(6)で表されるD―π―A型化合物の合成方法)
第1ステップとして、4,4’−ジブロモー2−ニトロビフェニルと4−ピリジンボロン酸を反応させて化合物(41)を合成する。
Figure 0005757609
次に、第2ステップとして、化合物(41)にジフェニルアミンを反応させて化合物(42)を合成する。
Figure 0005757609
次いで、第3ステップとして、化合物(42)をトリフェニルホスフィン(PPh3)で処理するとニトロ基が還元され、隣のベンゼン環と反応してカルバゾール環を作成し、化学式(4)で表される化合物が合成できる。
第4ステップとして、化学式(4)で表される化合物に水素化ナトリウムの存在下でエチル−7−ブロモヘプタナートを反応させると、カルバゾール環の窒素にエチルヘプタナートが付加するので、次に、これを水酸化ナトリウムで加水分解すると、化学式(5)で表される化合物が合成できる。
また、異なる第4ステップとして、化学式(4)で表される化合物に水素化ナトリウムの存在下で1−ヨードブタンを反応させると、カルバゾール環の窒素にブタンが付加して化学式(6)で表される化合物が合成できる。
(化学式(7)、(8)及び(9)で表されるD―π―A型化合物の合成方法)
第1ステップとして、4−ブロモピリジンハイドロブロミドと2−チオフェンボロン酸を反応させて化合物(51)を合成する。
Figure 0005757609
次に、第2ステップとして、化合物(51)にn−ブチルリチウムと塩化トリブチル錫を順じ反応させて化合物(52)を合成する。
Figure 0005757609
次に、上記化学式(4)で表される化合物の合成における第1ステップの4−ピリジルボロン酸に代えて、上記化合物(52)を使用する以外は上述した化学式(4)、(5)及び(6)で表される化合物の合成と同様に合成することにより、化学式(7)、(8)及び(9)で表される化合物が合成できる
上記D―π―A型化合物は蛍光色素化合物である。化合物(4)〜(9)は黄色の固体であり、有機染料や有機エレクトロルミネッセンスの色素として好適に使用できる。
また、上記D―π―A型化合物の固体は、摩砕することで、変色する化合物である。摩砕前の固体は結晶質であるが、摩砕後の固体はアモルファス構造になる。この構造の変化により、固体励起波長(色調)と固体蛍光発光波長(蛍光発光色)が変化する。更に、摩砕後の固体を加熱することで、摩砕前の結晶質の構造に変化し、元の色調、蛍光発光色を呈することになる。
本実施の形態に係る色素増感太陽電池用蛍光色素化合物は上記D―π―A型化合物からなる。上記D―π―A型化合物においてπは、π共役構造が分岐することなく略直線状であり、その両側にドナーとピリジン含有基、シアノフェニル基、ジシアノエテニル基、トリシアノエテニル基又はニトロフェニル基であるアクセプターが結合されているから、π共役構造が分岐することなく略直線状であり、ドナーからアクセプター方向に効率よく電子が流れると共に、アクセプター中の窒素により金属酸化物に容易且つ強固に吸着することができるので、D―π―A型化合物は色素増感太陽電池用蛍光色素化合物として好適に使用できる。又、カルバゾールイル基の窒素にアルキル基が導入されていると、カルバゾールイル基の窒素が金属酸化物に吸着することを回避できると共に、アルキル基は水素基より嵩高いのでドナー−π−アクセプター型化合物が凝集することが防止できる。更に、カルバゾールイル基に吸着基が導入されていると、金属酸化物により容易且つより強固に吸着することができるので、色素増感太陽電池用蛍光色素化合物として好適に使用できる。
上記色素増感太陽電池用蛍光色素化合物を金属酸化物に吸着する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、色素増感太陽電池用蛍光色素化合物をメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキド、ジメチルホルムアミド、アセトン等の有機溶剤に溶解又は分散した溶液又は分散液に金属酸化物粒子又は金属酸化物粒子層が形成されたガラス基板を浸漬・乾燥する方法が挙げられる。上記溶液又は分散液の色素増感太陽電池用蛍光色素化合物濃度は一般的に1×10−6M〜1Mであり、浸漬時間は1分〜48時間である。又、浸漬温度は常温〜溶媒の沸点の間である。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、核磁気共鳴(NMR)は核磁気共鳴装置(バリアン社製、400MR)で測定し、マススペクトル(MS)は二重収束質量分析装置(日本電子社製、SX102型)で測定した。
(実施例1)
4,4’−ジブロモ−2−ニトロフェニル1.00g(2.80mmol)、4−ピリジンボロン酸0.342g(2.80mmol)及びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムPd(PPh0.226g (0.196mmol)を三口フラスコに投入し、アルゴン雰囲気下にジメチルホルムアミド9ml、1M炭酸ナトリウム水溶液2.5mlを添加した後、100℃で6時間加熱撹拌して反応した。
反応終了後、過剰のジクロロメタンと水を添加し、ジクロロメタン層を抽出し濃縮した。
ジクロロメタン層を濃縮・乾燥後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により精製することにより、薄く黄色かかった白色固体0.539gを得た。
得られた薄く黄色かかった白色固体は化合物(41)であり、収率は54.0%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=7.40(2H,dd,J=2.10Hz,J=6.65Hz)、7.96(2H,dd,J=2.10Hz,J=6.65Hz)、7.74(1H,d,J=8.02Hz)、7.83(2H,dd,J=2.10Hz,J=4.35Hz)、8.02(1H,dd,J=1.96Hz,J=8.02Hz)、8.37(2H,d,J=1.66Hz)、8.74(1H,dd,J=1.66Hz,J=4.45Hz)ppm
MS(ESI):m/z=355(M+H);calcd.for C1711BrN:355.19
得られた化合物(41)1.38g(3.89mmol)、ジフェニルアミン1.31g(7.77mmol)、酢酸パラジウムPd(OAc) 34.8mg(0.155mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(t−Bu)P31.4mg(0.155mmol)及びt−ブトキシナトリウムNaO(t−Bu)1.12g(11.7mmol)を三口フラスコに投入し、アルゴン雰囲気下にトルエン85mlを添加した後、100℃で4時間加熱撹拌して反応した。
反応終了後、乾燥し、過剰のジクロロメタンと水を添加し、ジクロロメタン層を抽出し濃縮した。
得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により精製することにより、橙色の固体1.191gを得た。
得られた橙色の固体は化合物(42)であり、収率は69.0%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=7.08−7.16(m、8H)、7.32−7.38(m、6H)、7.74(1H,d,J=8.08)、7.81(2H,dd,J=1.72Hz,J=4.56Hz)、8.15(1H,dd,J=2.00Hz,J=8.12Hz)、8.29(1H,d,J=1.72Hz)、8.72(2H,dd,J=1.72Hz,J=4.46Hz)ppm
MS(ESI):m/z=444(M+H);calcd.for C2921:443.50
得られた化合物(42)1.10g(2.48mmol)及びトリフェニルホスフィンPPh 1.63g(6.20mmol)を三口フラスコに投入し、アルゴン雰囲気下にオルトジクロロベンゼン5mlを添加した後、160℃で16時間加熱撹拌して反応した。
反応終了後、過剰のオルトジクロロベンゼンと水を添加し、ジクロロメタン層を抽出し濃縮した。
得られた濃縮物を乾燥し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により精製することにより、黄色の固体0.925gを得た。
得られた黄色の固体は化合物(4)であり、収率は90.0%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=6.96(1H,dd,J=2.00Hz,J=8.48Hz)、7.05(2H,t,J=7.28Hz)、7.12(4H,d,J=7.48Hz)、7.18(1H,d,J=1.96Hz)、7.31(4H,t,J=7.32Hz)、7.61(1H,dd,J=1.64Hz,J=8.16Hz)、7.73(2H,dd,J=1.68Hz,J=4.48Hz)、7.88(1H,d,J=1.60Hz)、8.06(1H,d,J=8.44Hz)、8.17(1H,d,J=8.20Hz)、8.63(2H,dd,J=1.60Hz,J=4.40Hz)、10.30(s,1H,−NH)ppm
MS(ESI):m/z=412(M+H);calcd.for C2921:411.50
得られた化合物(4)0.35g(0.85mmol)をジメチルホルムアミド130mlに溶解し、水素化ナトリウム0.06g(2.55mmol)を少量ずつ添加した。25℃で1時間攪拌した後、エチル−7−ブロモヘプタネイト1.01g(4.25mmol)を添加し、更に1時間攪拌して反応した。
反応終了後、ジメチルホルムアミドをロータリーエバポレーターで除去した。
その後、過剰の水とジクロロメタンを添加・洗浄し、ジクロロメタン層を抽出した。
ジクロロメタン層を濃縮・乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により分離精製することにより黄色の粘性固体0.331gを得た。
得られた粘性固体は、下記化合物(43)であり、収率は68.5%であった。
Figure 0005757609
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=1.17(3H,t,J=7.12Hz)、1.31(2H,t,J=3.76Hz)、1.51(2H,t,J=6.96Hz)、1.84(2H,t,J=7.44Hz)、2.05(2H,t)(overlap with peak of residual acetone in aceton−d)、2.12(2H,t,J=7.44Hz)、4.04(q,2H)、4.40(2H,t,J=7.08Hz)、6.95(1H,dd,J=1.88Hz,J=8.40Hz)、7.05(2H,t,J=7.28Hz)、7.13(4H,d,J=7.52Hz)、7.26(1H,d,J=1.68Hz)、7.31(4H,t,J=6.64Hz)、7.61(1H,dd,J=1.56Hz,J=8.08Hz)、7.78(2H,dd,J=1.72Hz,J=4.48Hz)、7.96(1H,d,J=0.96Hz)、8.08(1H,d,J=8.40Hz)、8.18(1H,d,J=8.20Hz)、8.64(2H,dd,J=1.68Hz,J=4.44Hz)ppm
MS(ESI):m/z=568(M+H);calcd.for C3837:567.72
得られた化合物(43)0.33g(0.58mmol)をエタノール300mlに溶解した後、水酸化ナトリウム190mgを溶解した水酸化ナトリウム水溶液100mlを少量ずつ添加し、75℃で8時間攪拌して反応した。
反応終了後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。
その後、過剰の水とジクロロメタンを添加・洗浄し、ジクロロメタン層を抽出し濃縮した。抽出の際、水層に少量の塩酸を供給して、pHを3〜5に調節した。
次に、濃縮液をジクロロメタン−ヘキサン混合液に供給し、再沈殿して黄色の固体0.235gを得た。
得られた固体は、化合物(5)であり、収率は74.8%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=1.33(4H,t,J=3.64Hz)、1.51(2H,t,J=7.40Hz)、1.84(2H,t,J=7.28Hz)、2.21(2H,t,J=7.44Hz)、4.40(2H,t,J=7.20Hz)、6.95(1H,dd,J=1.92Hz,J=8.40Hz)、7.05(2H,t,J=7.28Hz)、7.13(4H,d,J=7.60Hz)、7.26(1H,d,J=1.68Hz)、7.32(4H,t,J=6.44Hz)、7.62(1H,dd,J=1.56Hz,J=8.12Hz)、7.79(2H,dd,J=1.72Hz,J=4.48Hz)、7.98(1H,d,J=1.00Hz)、8.08(1H,d,J=8.80Hz)、8.19(1H,d,J=8.12Hz)、8.64(2H,dd,J=1.56Hz,J=4.56Hz)ppm
MS(ESI):m/z=540(M+H);calcd.for C3637:539.67
得られた化合物(4)0.250g(0.608mmol)をジメチルホルムアミド130mlに25℃で溶解させた後、水素化ナトリウム(NaH)0.044g(1.82mmol)を少量ずつ加えた。
次いで、1−ヨードブタン0.559g(3.04mmol)をゆっくり滴下した。
滴下終了後、反応溶液を濃縮・乾燥し、過剰の水とジクロロメタンを添加・洗浄し、ジクロロメタン層を抽出し濃縮した。
ジクロロメタン層を濃縮・乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により分離精製することにより薄黄色の固体0.285gを得た。
得られた固体は、化合物(6)であり、収率は76.8%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=0.86(3H,t,J=7.44Hz)、1.31(2H,q,J=7.72Hz)、1.80(2H,t,J=7.48Hz)、4.39(2H,t,J=7.08Hz)、6.95(1H,dd,J=1.88Hz,J=8.40Hz)、7.05(2H,t,J=7.28Hz)、7.13(4H,d,J=7.52Hz)、7.25(1H,d,J=1.68Hz)、7.31(4H,t,J=6.64Hz)、7.62(1H,dd,J=1.56Hz,J=8.08Hz)、7.79(2H,dd,J=1.72Hz,J=4.48Hz)、7.97(1H,d,J=0.96Hz)、8.08(1H,d,J=8.40Hz)、8.18(1H,d,J=8.20Hz)、8.65(2H,dd,J=1.68Hz,J=4.44Hz)ppm
MS(ESI):m/z=468(M+H);calcd.for C3329:467.60
得られた化合物(4)、(5)及び(6)を1,4−ジオキサンに溶解して濃度:2×10−5Mの吸光度測定用試料を得た。得られた試料を紫外可視分光光度計(島津製作所社製、UV−3150)に供給して吸光スペクトルを測定した。
また、得られた化合物(4)、(5)及び(6)を1,4−ジオキサンに溶解して濃度2×10−6Mの蛍光測定用試料を得た。得られた試料を蛍光分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、F−4500)に供給し、蛍光スペクトルを測定した。
得られた結果を図3に示した。
また、得られた蛍光測定用試料を蛍光量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製、C−9920−01)に供給して蛍光量子収率を測定した。得られた蛍光量子収率と上記吸収スペクトル及び蛍光から読み取った吸収極大波長(モル吸収係数)及び蛍光極大波長を表1に示した。
Figure 0005757609
得られた化合物(4)、(5)及び(6)をテトラヒドロフランに溶解して濃度:1×10−4Mの溶液を作製した。得られた溶液に酸化チタンを添加し、25℃で16時間浸漬した後、酸化チタンを取り出し乾燥して赤外線スペクトル(IR)測定用試料を得た。得られた化合物(4)、(5)及び(6)と得られた試料を用いて、フーリエ変換赤外分光光度計(パーキンエルマー社製、Spectrum−One)で赤外線(IR)スペクトルを測定して結果を図4〜6に示した。
図4〜6のIRスペクトルに示されているように、化合物(4)、(5)及び(6)が酸化チタンに吸着すると、1600cm−1付近の吸収が高波数側にシフトしており、これはピリジン環の窒素原子と酸化チタンのチタン原子の間で強固な配位結合を形成していることを示している。従って、このIRスペクトルから、化合物(4)、(5)及び(6)が酸化チタンに対し略垂直且つ強固に吸着していることを示している。
FTOガラス板(日本板硝子社製、13Ω/□)の一面にドクターブレードを用いて酸化チタンペースト(日揮触媒化成社製、PST−18NR)を塗布し、450℃で50分間焼成して厚さ9μmの酸化チタン層を形成した。次に、上記(4)及び(5)を、濃度:1×10−4Mのテトラヒドロフラン溶液に25℃で16時間浸漬した後、取り出し、乾燥して第1電極を得た。第1電極の酸化チタン層に電解質溶液(0.1Mヨウ化リチウム、0.05Mヨウ素及び0.6M1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨードジドのアセトニトリル溶液)を数滴たらし、パラフィルムスペーサーを介して第2電極である白金蒸着ガラス板を積層し、両端をクリップで固定して、第1電極と第2電極の間に電解質溶液層を形成して色素増感太陽電池セルを得た。
得られた色素増感太陽電池セルにソーラーシミレータ(旭スペクトラ社製、HAL−302)でAM1.5、100mWcm−2の疑似太陽光を照射(照射面積0.25cm)し、ポテンシオスタガット/ガルバノスタット(北斗電工社製、HA−501G)で電流―電圧曲線を測定した。得られた電流―電圧曲線から短絡電流及び開放光起電圧を読み取り、結果を表2に示した。また、短絡電流及び開放光起電圧からフィルファクター及び光電変換効率を計算して結果を表2に示した。
Figure 0005757609
カルボキシル基(吸着基)を有する化合物(5)では、光電変換効率が1.56と、良好な結果を示した。また、吸着基のない化合物(4)、(6)についても、光電変換効率が1.05、0.36と、電子が移動していることがわかる。カルボキシル基等の吸着基がなくても、ピリジン環が酸化チタン層に吸着し、電子を移動させることが可能なことを示している。なお、上記実施例では、カルボキシル基が酸化チタン層に良好に吸着し得る操作をしているため、他の条件、ピリジン環と酸化チタンとの吸着が良好に行われる条件であれば、化合物(4)、(6)の光電変換効率をより高めることが可能である。
(実施例2)
4−ブロモピリジンハイドロブロミド19.12g(80mmol)、2−チオフェンボロン酸11.26g(80mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PhP)Pd2.78g(2.4mmol)をジメチルホルムアミド240mlに溶解し、90℃、アルゴン雰囲気下で12時間攪拌して反応させた。
反応終了後、25℃まで冷却し、ロータリーエバポレーターでジメチルホルムアミドを除去し、過剰の水とジクロロメタンを添加・洗浄し、ジクロロメタン溶液を抽出した。得られたジクロロメタン溶液を濃縮乾燥した後昇華精製して白色の結晶10.92gを得た。
得られた結晶は、化合物(51)であり、収率は84.7%であった。
得られた結晶のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=7.21(1H,dd,J=5.00Hz,3.65Hz)、7.62(2H,dd,J=4.50Hz,1.60Hz)、7.64(1H,dd,J=5.10Hz,1.10Hz)、7.74(1H,dd,J=3.65Hz,1.10Hz)、8.58(2H,dd,J=4.55Hz,1.65Hz)ppm
MS(APCL):m/z=162.034(M+H);calcd.for CNS:161.22
得られた化合物(51)6.00g(37.2mmol)を300mlのテトラヒドロフランに溶解した後、−78℃に冷却し、アルゴン雰囲気下でn−ブチルリチウム5.01molをヘキサン60mlに溶解して添加し1時間攪拌した。
次に、塩化トリブチル錫18.15g(74.4mmol)を添加し、2時間に25℃に戻し、その後、12時間攪拌して反応させた。
次いで、反応液を2M炭酸ナトリウム水溶液600mlに注入して反応を停止させた。
これにジクロロメタンを添加・洗浄し、ジクロロメタン層を抽出した。
抽出したジクロロメタン溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、硫酸ナトリウムをろ過し、ろ過液を濃縮し、その残留物をクーゲロー蒸留装置、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により精製することにより褐色の液体11.46gを得た。
得られた液体は化合物(52)であり、収率は68.5%であった。
得られた液体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=0.89−0.92(9H,m)、1.19−1.22(6H,m)、1.34−1.42(6H,m)、1.61−1.67(6H,m)、7.30(1H,d,J=3.50Hz)、7.60(2H,dd,J=4.55Hz,1.65Hz)、7.82(1H,d,J=3.45Hz)、8.56(2H,dd,J=4.55Hz,1.70Hz)ppm
MS(ESI):m/z=452.14(M+H);calcd.for C2133NSSn:450.27
得られた化合物(52)8.00g(17.8mmol)、4,4’−ジブロモー2−ニトロビフェニル6.98g(19.6mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ(PhP)Pd1.02g(0.88mmol)をトルエン40mlに溶解し、90℃、アルゴン雰囲気下で12時間攪拌して反応させた。
反応終了後、25℃まで冷却し、ヘキサン400mlに注入し、析出した黄色の固体をろ過した。
ろ物を乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:メタノール=40:1(体積比))により分離精製することにより褐色の固体4.52gを得た。
得られた固体は、化合物(53)であり、収率は58.2%であった。
Figure 0005757609
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=7.39(2H,dd,J=6.55Hz,1.95Hz)、7.66−7.70(5H,m)、7.84(2H,d,J=3.90Hz)、8.11(1H,dd,J=8.10Hz,2.00Hz)、8.30(1H,d,J=1.95Hz)、8.63(2H,dd,J=4.45Hz,1.65Hz)ppm。
MS(ESI):m/z=438.99(M+H);calcd.for C2113BrNS:437.31
得られた化合物(53)3.00g(6.9mmol)、ジフェニルアミン2.32g(13.7mmol)、酢酸パラジウムPd(OAc)0.062g(0.27mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(t−Bu)P0.055g(0.27mmol)及びt−ブトキシナトリウムt−BuONa1.98g(20.6mmol)をトルエン200mlに溶解し、100℃、アルゴン雰囲気下で5時間攪拌して反応させた。
反応終了後、25℃まで冷却し、トルエンをロータリーエバポレーターで除去した。
その後、過剰の水とジクロロメタンを添加・混合し、ジクロロメタン層を抽出した。
ジクロロメタン層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により分離精製することにより橙色の固体2.38gを得た。
得られた固体は、化合物(54)であり、収率は66.1%であった。
Figure 0005757609
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=7.07(2H,dd,J=6.75Hz,2.05Hz)、7.11−7.15(6H,m)、7.31(2H,dd,J=6.60Hz,2.05Hz)、7.36(4H,t,J=7.35Hz)、7.65−7.69(3H,m)、7.79(1H,d,J=3.90Hz)、7.83(1H,d,J=3.90Hz)、8.05(1H,dd,J=8.05Hz,1.95Hz)、8.22(1H,d,J=1.95Hz)、8.62(2H,dd,J=4.50Hz,1.65Hz)ppm
MAS(ESI):m/z=526.16(M+H);calcd.for C3323S:525.62
得られた化合物(54)1.00g(1.9mmol)とトリフェニルホスフィンPPh1.25g(4.8mmol)をo−ジクロロベンゼン4mlに溶解し、170℃、アルゴン雰囲気下で12時間攪拌して反応させた。
反応終了後、25℃まで冷却し、高真空下で減圧乾燥して固体を得た。
得られた固体をジクロロメタン−ヘキサン混合液で再沈殿して黄色の固体0.76gを得た。
得られた固体は、化合物(7)であり、収率は80.5%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=6.95(1H,dd,J=8.40Hz,1.95Hz)、7.05(2H,t,J=7.45Hz)、7.12(4H,dd,J=8.60Hz,2.05Hz)、7.16(1H,d,J=1.80Hz)、7.36(4H,t,J=7.45Hz)、7.58−7.59(2H,m)、7.66(2H,dd,J=4.40Hz,1.65Hz)、7.77(1H,d,J=3.90Hz)、7.83(1H,d,J=1.00Hz)、8.04(1H,d,J=8.50Hz)、8.11(1H,d,J=8.20Hz)、8.59(2H,dd,J=4.50Hz,1.65Hz)、10.30(1H,s)ppm
MS(ESI):m/z=494.17(M+H);calcd.for C3323S:493.62
得られた化合物(7)0.20g(0.41mmol)をジメチルホルムアミド70mlに溶解し、水素化ナトリウム0.03g(1.25mmol)を少量ずつ添加した。
25℃で1時間攪拌した後、エチル−7−ブロモヘプタネイト0.48g(1.2mmol)を添加し、更に1時間攪拌して反応した。
反応終了後、ジメチルホルムアミドをロータリーエバポレーターで除去した。
その後、過剰の0.1M水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンを添加・洗浄し、ジクロロメタン層を抽出した。
ジクロロメタン層を濃縮・乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により分離精製することにより赤色の粘性固体0.15gを得た。
得られた粘性固体は、化合物(55)であり、収率は58.3%であった。
Figure 0005757609
得られた粘性固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,アセトン−d/TMS)δ=1.17(3H,t)、1.31−1.32(2H,m)、1.50−1.53(2H,m)、1.81−1.84(2H,m)、2.04−2.06(2H,m)(overlapping peak of dissolved acetone in asetone−d)、2.21(2H,t)、4.02−4.06(2H,m)、4.36(6H,m)、6.94(1H,dd,J=8.40Hz,1.75Hz)、7.05(2H,t,J=7.40)、7.13(4H,dd,J=8.60Hz,1.10Hz)、7.24(1H,d,J=1.75Hz)、7.31(4H,t,J=7.45Hz)、7.58(1H,dd,J=8.15Hz,1.60Hz)、7.64−7.66(3H,m)、7.77(1H,d,J=3.85Hz)、7.90(1H,d,J=1.10Hz)、8.05(1H,d,J=8.35Hz)、8.11(1H,d,J=8.00Hz)、8.59(2H,dd,J=4.60Hz,1.70Hz)ppm
MS(ESI):m/z=650.28(M+H);calcd.forC3323S:649.84
得られた化合物(55)0.20g(0.41mmol)をエタノール100mlとジクロロメタン40mlの混合溶媒に溶解した後、0.05M水酸化ナトリウム水溶液40gを添加し、70℃で12時間攪拌して反応させた。
反応終了後25℃まで冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、真空乾燥した。
その後、過剰の水及びジクロロメタンを加えた。塩酸を少量加え、水層をpH5に調整した後、ジクロロメタン層を抽出した。
抽出したジクロロメタン層を濃縮、乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:メタノール=10:1(体積比))により精製して黄色の固体0.11gを得た。
得られた固体は、化合物(8)であり、収率は75.0%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,DMSO−d/TMS)δ=1.19−1.21(4H,m)、1.35−1.41(2H,m)、1.64−1.70(2H,m)、4.30(2H,t)、6.87(1H,dd,J=8.40Hz,1.90Hz)、7.02−7.08(6H,m)、7.13(1H,d,J=1.75Hz)、7.31(4H,t,J=7.40Hz)、7.54(1H,dd,J=8.10Hz,1.50Hzm)、7.70(2H,dd,J=4.45Hz,1.60Hz)、7.76(1H,d,J=3.85)、7.89(1H,d,J=3.85Hz)、7.91(1H,d,J=1.10Hz)、8.06(1H,d,J=8.35Hz)、8.10(1H,d,J=8.05Hz)、8.59(2H,dd,J=4.60Hz,1.60Hzs)ppm
MS(ESI):m/z=622.25(M+H);calcd.forC4035S:621.79
得られた化合物(7)0.15g(0.30mmol)をジメチルホルムアミド70mlに溶解させ、水素化ナトリウム(NaH)0.02(0.91mmol)を少量ずつ加えた。
室温(25℃)で1時間攪拌した後、1−ヨードブタン0.28g(1.5mmol)を加え、更に1時間攪拌して反応した。
反応終了後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。
その後、0.1M水酸化ナトリウム水溶液及びジクロロメタンを加え、ジクロロメタン層を抽出した。
ジクロロメタン層を濃縮、乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1(体積比))により精製し、黄色の固体0.10gを得た。
得られた固体は、化合物(9)であり、収率は62.0%であった。
得られた固体のNMRとマススペクトルの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400 MHz,アセトン−d/TMS)δ=0.88(3H,t)、1.28−1.36(2H,m)、1.77−1.83(2H,m)、4.37(2H,t)、6.94(1H,dd,J=8.35Hz,1.90Hz)、7.06(2H,t,J=6.40Hz)、7.13(4H,d,J=7.60Hz)、7.24(1H,d,J=1.80Hz)、7.32(4H,t,J=7.45Hz)、7.59(1H,dd,J=8.15Hz,1.60Hz)、7.66−7.67(3H,m)、7.79(1H,d,J=3.85Hz)、7.90(1H,d,J=1.20Hz)、8.06(1H,d,J=8.30Hz)、8.13(1H,d,J=8.05Hz)、8.60(2H,d,J=6.05Hz)ppm
MS(ESI):m/z=550.23(M+H);calcd.forC3731S:549.73
得られた化合物(7)、(8)及び(9)を用いて、実施例1で行ったと同様にして吸光スペクトル及び蛍光スペクトルを測定し、得られた結果を図7に示した。また、実施例1と同様にして蛍光量子収率を測定し、得られた蛍光量子収率と上記吸収スペクトル及び蛍光スペクトルから読み取った吸収極大波長(モル吸収係数)及び蛍光極大波長を表3に示した。
Figure 0005757609
得られた化合物(7)、(8)及び(9)を用い、実施例1と同様にして色素増感太陽電池セルを得て、電流―電圧曲線を測定した。得られた電流―電圧曲線から短絡電流及び開放光起電圧を読み取り、結果を表4に示した。又、短絡電流及び開放光起電圧からフィルファクター及び光電変換効率を計算して結果を表4に示した。
Figure 0005757609
カルバゾールイル基とピリジン環との間にチオフェン環を有することにより、化合物(7)〜(9)はいずれも良好な光電変換効率を示した。特にカルボキシル基(吸着基)を有する化合物(5)では、光電変換効率が2.27(η/%)と非常に高い。上記実施例では、カルボキシル基が酸化チタンに吸着しやすい条件で操作していることから、他の条件で化合物(7)、(9)を酸化チタンに吸着させれば、より高い光電変換効率を示すものと考えられる。
(実施例3)
実施例1で得られた化合物(4)及び(6)を、塩化メチレン溶液を用いて再結晶させた。再結晶により得られた化合物(4)及び(6)を、瑪瑙乳鉢及び乳棒を用い、10〜100N/cm−2の荷重で摩砕した。また、摩砕後の化合物(4)及び(6)の固体を加熱(120℃程度)した。
摩砕前後の化合物(4)及び(6)の励起極大波長及び蛍光極大波長を表5に示す。
Figure 0005757609
また、化合物(4)の摩砕前後、並びに加熱後のそれぞれの固体励起スペクトルを図6(A)に、固体蛍光発光スペクトルを図6(B)に示す。
また、化合物(6)の摩砕前後、並びに加熱後のそれぞれの固体励起スペクトルを図7(A)に、固体蛍光発光スペクトルを図7(B)に示す。
いずれの化合物も摩砕後では、摩砕前に比べて固体励起スペクトル及び固体蛍光発光スペクトルが長波長側にシフトしており、蛍光発光色が変化していることがわかる。また、加熱後の固体励起スペクトル及び固体蛍光発光スペクトルが短波長側にシフトして摩砕前のスペクトルに戻り、摩砕前の蛍光発光色と同様の発光を呈することがわかる。
本発明のドナー−π−アクセプター型化合物は、蛍光色素化合物及び色素増感太陽電池用蛍光色素化合物として好適に使用できる。
1 第1電極
2 第2電極
3 電解質溶液層
11 ガラス基板
12 透明導電膜
13 金属酸化物層

Claims (4)

  1. ドナー−π−アクセプター型化合物であって、式3で表される化合物であることを特徴とするドナー−π−アクセプター型化合物。
    Figure 0005757609

    (式中、Xは水素、炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基、又は、末端にカルボキシル基を有する炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜3の整数である。)
  2. 前記式3で表される化合物が、下式(4)乃至(9)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のドナー−π−アクセプター型化合物。
    Figure 0005757609
  3. 請求項1又は2に記載のドナー−π−アクセプター型化合物からなることを特徴とする蛍光色素化合物。
  4. 請求項1又は2に記載のドナー−π−アクセプター型化合物からなることを特徴とする色素増感太陽電池用蛍光色素化合物。
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