JP2010029691A - 自己解放式ラッチを備えた歯列矯正器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己解放式ラッチを備えた歯列矯正器具を提供する。
【解決手段】ブラケットあるいは頬面管などの歯列矯正器具に、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持するラッチが具備されている。このラッチは、アーチワイヤによりこの器具の略頬唇方向に特定の最小値を超える力が加えられるたびにアーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放する。この最小値は、同じ方向に歯から器具を撤去するために必要な力の約半分未満であるため、歯列矯正治療中に器具が歯から不用意に外れる可能性が低下する。
【選択図】図13

Description

本発明は、広義に、歯列矯正治療で用いられる器具に関する。本発明は、特に、アーチワイヤスロットにアーチワイヤを解放自在に保持するために解放式ラッチを備えたブラケットあるいは頬面管などの歯列矯正器具に関する。
歯科矯正治療は、歯科医学の分野の中でも特殊な種類の治療であり、偏位した歯を歯列矯正により本来あるべき位置に移動させる治療が含まれる。歯科矯正治療では、患者の咬み合わせを改善することが多く、通常これにより歯の審美性が向上する。
多くの歯列矯正治療プログラムで、全体として「ブレース」として周知である小さな器具とワイヤとのセットを使用する必要がある。こうした治療プログラムを実施する間、ブラケットとして周知の小型器具が患者の前歯、犬歯および双頭歯に固定され、アーチワイヤが各ブラケットのスロット内に挿入される。このアーチワイヤが、歯列矯正として本来あるべき位置に歯を移動させるための軌道を形成する。アーチワイヤの各部分は、患者の臼歯に固定されて頬面管として周知である小型器具内に通常保持される。
歯列矯正ブラケットの多くの種類では、アーチワイヤを挿入できるように片側が開口され、もう一方の側が壁や他の構造に接しているアーチワイヤ用スロットが設けられている。患者の前歯表面に接着するはずのブラケットには、多くの場合、頬唇側(すなわち患者の頬あるいは唇に対する側)あるいは咬合側(すなわち歯の外側先端部に対する側)のいずれかに開口したアーチワイヤスロットが設けられている。しかしながら、ブラケットによっては患者の歯の舌側に固定すべきものもあり、この場合には通常、舌側あるいは咬合側に開口したアーチワイヤスロットが設けられている。
多くの矯正歯科医は、アーチワイヤをブラケットに接続し、アーチワイヤスロット内に着座係合させる方向にアーチワイヤを押付けるためにリガチャ−を使用する。市販されている歯列矯正用リガチャーの1種類は、小型エラストマ製Oリングである。この歯列矯正用Oリングを、アーチワイヤスロットの歯肉側(すなわち、患者の歯肉あるいは歯茎に対する側)あるいは咬合側でブラケット本体に接続されている(「タイウイング」として周知の)小型ウィングの周囲に伸ばして装着する。装着したOリングリガチャーは、タイウィングならびにアーチワイヤの唇側上に延在して、アーチワイヤがアーチワイヤスロットの舌側壁部に接して完全に着座する位置に向けてアーチワイヤを押付ける。
ステンレス鋼で製造されたリガチャーなどの金属製リガチャーを利用して、アーチワイヤをブラケットのアーチワイヤスロット内に保持することもできる。金属製リガチャーは通常、当初は直線状であるワイヤの短い部分から製造されている。装着の際、ワイヤリガチャーをタイウィングの周囲に引掛け、アーチワイヤの唇側上に延在させる。リガチャーの端部を一緒にねじり、リガチャーを一定位置に保持するループを形成する。
残念なことに、矯正歯科医の中には、エラストマ製および金属製リガチャーに完全に満足していない者もいる。この種のリガチャーの場合、初期装着時にも、アーチワイヤあるいはリガチャーの交換が必要な再装着時にも、装着にやや時間がかかる。結紮に必要な時間を短縮できれば、医者がその患者にかける時間が全体として短縮され、歯列矯正治療の合計費用も削減できることになる。
エラストマ製および金属リガチャーには他にも欠点がある。例えば、ポリウレタンエラストマ製リガチャーでは治療中に変形や効力の減少を発生したとの報告がされている。患者が口に入れる食べ物や飲み物によりエラストマ製リガチャーが色を帯びて、やや見苦しくなる場合もある。金属製リガチャーの場合では、端部が尖っているため、歯垢や食べ物のかけらが取り切れず、炎症を起こす危険が高まる可能性がある。
従来のリガチャーに関する問題を克服するために、アーチワイヤをブラケットに結合するラッチを工夫して具備した歯列矯正ブラケットがこれまでさまざまに提案されてきた。こうしたブラケットは自己結合式ブラケットとしても周知である。このラッチには、クリップ、バネ部材、カバー、シャッタ、ベイル、あるいはアーチワイヤをアーチワイヤスロットに保持するようにブラケット本体に接続された他の構造が含まれる。
特許文献1、特許文献2および特許文献3には、ほぼU字型をした結紮ラッチを備えた自己結合式歯列矯正ブラケットが記載されている。一般に、こうしたブラケットのクリップはブラケット本体に摺動自在に装着されており、アーチワイヤスロットを開閉するために必要に応じて、歯科探針あるいは他の小型で先端の尖った歯科工具を用いて、このクリップを本体に対して移動させる。「Speed」ブラケットとして周知の自己結合式ブラケットも、アーチワイヤをブラケットに結紮するための可動式でほぼU字型をしたクリップである。
他の種類の自己結合式ブラケットには、スロット開口位置とスロット閉塞位置との間を枢支的に移動する、似た種類の旋回型シャッタを備えたラッチを具備している。例えば、特許文献4のブラケットには、一方の端部がスロットの一方の側に沿ったブラケットのタイウィングに枢支的に結合され、もう一方の端部がそのアーチワイヤスロットの反対側に沿って位置するタイウィングと解放自在に係合可能である回転式カバープレートが設けられている。旋回型ラッチを具備する歯列矯正ブラケットは他に、特許文献5、特許文献6および特許文献7に記載されている。
特許文献8および特許文献9には、アーチワイヤの長手方向軸を中心に回転するラッチを具備した自己結合式歯列矯正ブラケットが記載されている。これらの文献に記載されたラッチの形状はやや円柱状であり、これと嵌合する円柱状チャネルに回転自在に収容されるものであり、このラッチをスロット開口位置とスロット閉塞位置との間で回転自在に移動するのを補助するように、アームが外向き延出して設けられている。
特許文献10に記載されている自己結合式歯列矯正ブラケットには、平坦な可撓性バネ部材を含むラッチが具備されている。このバネ部材の一端は、アーチワイヤスロットの片側でブラケット本体に固定されており、もう一方の端部は、バネ部材がスロット閉塞位置に移動するとラッチ掛け金あるいは留め金に解放自在に係合するノッチを具備している。スロットを開口するには、ノッチを留め金から外し、アーチワイヤスロットからアーチワイヤを解放できる方向にバネ部材を折り曲げる。
他の種類の自己結合式歯列矯正ブラケットには、スロット開口位置とスロット閉塞位置との間を摺動できる本質的に平坦なプレート含むラッチが具備されている。こうした構造例は特許文献11、特許文献12および特許文献13に示されている。一般に、これらの文献に記載の摺動式ラッチは、アーチワイヤスロットの頬唇側に位置する真直ぐなチャネル内を移動する。
これまで提案されたもう1種類の自己結合式ブラケットには、ベイルと同様に機能するワイヤ材料で製造されたラッチが具備されている。特許文献14、特許文献15および特許文献16に記載の歯列矯正ブラケットには、スロット開口位置とスロット閉塞位置との間を回旋するワイヤに似たラッチが具備されている。特許文献17に記載の歯列矯正ブラケットには、スロット開口位置とスロット閉塞位置との間で摺動自在なワイヤ製ラッチが具備されている。
多くの歯科医は、当初は別個であるエラストマ製Oリングや金属製リガチャーワイヤを各ブラケットに結紮しなくてもよいことから、自己結合式歯列矯正ブラケットの方をこれ以外の種類より好む。しかしながら、従来の自己結合式歯列矯正ブラケットは、下に位置する歯の移動を最適に制御できない点において、完全に満足のいくものではない。治療中には、治療終了時に審美的に優れた結果が得られるように、各歯を隣接する歯に対してシフトさせなければならない可能性がある。必要に応じて、口腔内にて他の歯に対する正しい歯列矯正位置関係で各歯をその正確な目標位置にシフトさせることができるように、その歯の移動を正確に制御することが望ましい。
一般に、歯列矯正歯科医に重要となる歯の移動には3種類がある。傾斜移動がその1つであり、歯の近心−遠心方向における長軸の枢軸移動として定義することができる。もう1つの移動がトルク移動であり、歯の頬舌方向における長軸の枢軸移動として定義することができる。第3の種類が回転移動であり、歯の長軸を中心とした回転移動として定義することができる。歯科医が選択する器具により、歯の各種移動に対してその歯の移動を正確に制御できると好ましい。
自己結合式ブラケットなどの従来の直接装着器具に関連して目立つ問題は、歯の咬み合わせが著しく不良である場合に患者の歯からブラケットが自然に外れてしまう可能性があることである。例えば、患者の歯の1本が、歯列弓内で隣接する歯に対して舌方向に比較的大きくずれて位置している場合、アーチワイヤをブラケットのアーチワイヤスロットに係合させるために大幅に変形しなくてはならない。このような場合、アーチワイヤはその固有の特徴から通常のアーチ形状に復元しようとするため、咬み合わせが著しく不良である歯に接合されている器具に、アーチワイヤから大きな力が加わることになる。残念なことに、ブラケットの撤去に必要な力以上にアーチワイヤからそれと同じ方向に力が加われば、このブラケットは歯から外れてしまう可能性がある。
ブラケットが歯から自然に外れると、歯医者にとっても患者にとっても時間と費用の無駄になるため、できれば回避しなくてはならない。ブラケットが不意に歯から外れた場合には、アーチワイヤを各ブラケットのスロットから取外し、歯を洗浄およびエッチングして別のブラケットを具備できるようにする。歯医者以外の場所でブラケットが外れた場合には、患者が歯医者を訪れてブラケットを交換するまで、その歯の歯列矯正治療が中断してしまう。
これまで、歯列弓内にある1本以上の歯の咬み合わせが著しく不良であれば、歯医者は歯列矯正治療の初期段階において比較的直径の小さなアーチワイヤを使用することが多かった。こうしたアーチワイヤによる器具に対する効力は比較的小さいため、咬み合わせが著しく不良である歯に直接装着された器具が治療中に自然に外れることはあまりない。残念ながら、こうした直径の小さなアーチワイヤの場合、大きな直径のアーチワイヤの場合に比較するとアーチワイヤから全部の歯に加わる力が若干弱くなるため、治療の進行具合がやや遅くなる。
これまで数多くの種類の自己結合式歯列矯正器具が提案されてきたが、従来技術の現状を、患者の通院時間を短縮でき、歯科医の効率をあげて、この治療プログラムを迅速に完了できるように改良していく必要がある。例えば、歯科医ならびに患者にとって、装着処置の完了時間を短縮できるように、従来の自己結合式ブラケットに比較してアーチワイヤの装着時間を短縮できる自己結合式器具を提供できれば望ましい。さらに、こうした器具が、歯を最終目的位置まで移動させつつ、歯の移動を正確に制御できれば望ましい。
米国特許第3,772,787号 米国特許第4,248,588号 米国特許第4,492,573号 米国特許第4,712,999号 米国特許第4,103,423号 米国特許第5,516,284号 米国特許第5,685,711号 米国特許第4,371,337号 米国特許第4,559,012号 米国特許第5,711,666号 米国特許第5,094,614号 米国特許第5,322,435号 米国特許第5,613,850号 米国特許第4,149,314号 米国特許第4,725,229号 米国特許第5,269,681号 米国特許第4,260,375号
本発明による自己解放式ラッチは、器具から患者の歯にかかる最大力を、器具を歯から撤去するために必要な力より弱くできるなど、予め選択した値に制限できる点においても有利である。このため、器具から受ける圧力で患者が感じる痛みも抑えることができる。力を制限したラッチにより、歯根部分に隣接する血管があまり圧迫されずに血管内の血液が滞りなく循環して骨を再生できるように、歯根部分に不当な力をかけないようにすることも可能になる。
本発明は、周知の自己結合式器具より優れた利点を備えることを特徴とする、ブラケットあるいは頬面管などの歯列矯正器具に関する。本発明の一態様において、この器具には、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に解放自在に保持するためのラッチが具備されている。アーチワイヤから器具に加わる力が特定の最小値を超えると、このラッチによりアーチワイヤはアーチワイヤスロットから解放される。この最小値は、歯から器具を撤去するために同じ方向に必要な力より大幅に小さな値であるため、治療中に器具が歯から自然に外れることはない。
本発明による別の態様は、スロット開口位置まで移動可能なラッチを具備して、そのラッチに対してアーチワイヤを舌方向に押し付けることによりスロット内にアーチワイヤを挿入できるようにした自己結合式器具に関する。アーチワイヤスロットの咬合側および歯肉側を互いに対して固定して、歯の回転、傾斜、挿入、挺出を所望する際に、器具およびその下に位置する歯の移動を良好に制御できるようにする。
本発明における別の態様は、アーチワイヤを舌方向に押し付けることによりスロット開口位置まで移動できるラッチを具備した自己結合式歯列矯正器具に関する。アーチワイヤスロットの舌側は、アーチワイヤがアーチワイヤスロット内に押し入れられる際に略舌方向に移動する。
本発明の別の態様は、少なくとも1つのクリップを含むラッチを具備した自己結合式歯列矯正器具に関する。このクリップを設けると、器具の製造時に利点が得られ、歯科医が歯の移動をうまく制御できるようになる。
さらに詳細に説明すると、本発明は、一実施形態において、歯に接着するためのベースと、ベースから延出する本体とを含む歯列矯正器具に関する。この器具にはまた、略近心−遠心方向に本体を横切って延在するアーチワイヤスロットが設けられている。この器具にはさらに、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に解放自在に保持するように本体に結合されたラッチが具備されている。略頬唇方向アーチワイヤから器具に約23N(2.3kg)を超える力がかかると、このラッチは、それと同じ方向にアーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放する。
本発明は、別の実施形態において、歯に接着するためのベースと、ベースから延出する本体とを含む歯列矯正器具に関する。この器具にはまた、略近心−遠心方向に本体を横切って延在するアーチワイヤスロットが設けられている。この器具にはさらに、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に解放自在に保持するように本体に結合されたラッチが具備されている。略頬唇方向アーチワイヤから器具に特定の最小値を超える力がかかると、このラッチは、それと同じ方向にアーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放する。この最小値は、同じ方向に器具を歯から撤去するために必要な力の約半分未満である。
本発明の別の実施形態も、歯に接着するためのベースと、ベースから延出する本体とを含む歯列矯正器具に関する。アーチワイヤスロットが略近心−遠心方向に本体を横切って延在しており、このスロットには咬合側、歯肉側および舌側がある。この器具にはさらに、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に解放自在に保持するように本体に結合されたラッチが具備されている。このラッチはスロット開口位置まで移動可能であり、アーチワイヤをアーチワイヤスロットの舌側に向けてラッチに押し付けるとアーチワイヤをスロット内に挿入することができる。このラッチがスロット開口位置に移動する際、アーチワイヤスロットの咬合側および歯肉側は互いに固定されている。
本発明はまた、別の実施形態において、歯に接着するためのベースと、ベースから延出する本体とを含む歯列矯正器具に関する。アーチワイヤスロットが本体を横切って延在しており、このスロットには咬合側、歯肉側および舌側がある。この器具にはさらに、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に解放自在に保持するように本体に結合されたラッチが具備されている。このラッチはスロット開口位置まで移動可能であり、アーチワイヤをアーチワイヤスロットの舌側に向けてラッチに押し付けるとアーチワイヤをスロット内に挿入することができる。アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に押し付ける際、アーチワイヤスロットの舌側は略舌方向に移動可能である。
本発明の別の実施形態は、歯に接着するためのベースと、ベースから延在して近心側および遠心側を有する本体とを含む歯列矯正器具に関する。この器具には、略近心−遠心方向に本体を横切って延在スルアーチワイヤスロットが設けられている。この器具はさらに、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持するスロット閉塞位置と、アーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放するスロット開口位置との間で移動可能なラッチを具備している。このラッチには、その近心側の近心に位置する近心クリップと、その遠心側の遠心に位置する遠心クリップとが含まれる。
別の実施形態において、本発明は、歯に接着するためのベースと、ベースから延出する本体とを含む歯列矯正器具に関する。アーチワイヤスロットが略近心−遠心方向に本体を横切って延在している。この器具はさらに、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持するスロット閉塞位置と、アーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放するスロット開口位置との間で移動可能なラッチを具備している。このラッチには、スリーブとそのスリーブ内を延在する弾性クリップとからなる少なくとも1つのアセンブリが含まれ、各スリーブは本体に固定されている。
本発明の他の態様は、請求の範囲に記載された特徴により定義される。
本発明の一実施形態により製造された歯列矯正器具に向かって舌方向に見た正面図であり、器具のアーチワイヤスロット内に歯列矯正アーチワイヤが収容されている。 図1に示した器具の断面斜視図であり、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に解放自在に保持するラッチを詳細に図示している。 図1および図2の器具およびアーチワイヤを近心側に向かって見た端面図である。 図3にやや似ているが、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に押し入れる際のラッチの状態を例示している。 図3にやや似ているが、アーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放する際のラッチの状態を例示している。 図2にやや似ているが、本発明の別の実施形態により製造した歯列矯正器具を示している。 図6に示した器具およびアーチワイヤの一部を示す拡大断面斜視図であるが、別のラッチ構造を示している。 図1にやや似ているが、本発明の別の実施形態により製造した歯列矯正器具を示している。 図1にやや似ているが、本発明のさらに別の実施形態により製造した歯列矯正器具を示している。 図2にやや似ているが、本発明の別の実施形態により製造した歯列矯正器具を示している。 本発明のさらに別の実施形態により製造した歯列矯正器具を示す斜視図である。 図10に示した歯列矯正器具の端面図であり、器具の近心側に向かって見た状態を示し、さらに、器具のアーチワイヤスロット内に収容されているアーチワイヤの断面を例示している。 図11にやや似ているが、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に進入させる際の器具の状態を例示している。 図11にやや似ているが、アーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放する際の器具の状態を例示している。 本発明の別の実施形態による歯列矯正器具を示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示す斜視図であり、この器具のアーチワイヤスロット内に収容されているアーチワイヤを図示している。 図15に示した器具の近心側に向かって見た端面図であり、アーチワイヤの断面を示している。 本発明のさらに別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示す斜視図であり、この器具のアーチワイヤスロット内にアーチワイヤが収容されている。 図17に示した器具の近心側に向かって見た部分断面の端面図である。 図18にやや似ているが、本発明の別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示している。 図18にやや似ているが、本発明のさらに別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示している。 図18にやや似ているが、本発明の別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示している。 図18にやや似ているが、本発明の別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示している。 本発明のさらに別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示す斜視図であり、この器具のアーチワイヤスロット内にアーチワイヤが収容されている。 図23に示した器具およびアーチワイヤの断面図であり、アーチワイヤの長手方向軸に沿って略近心−遠心方向に見た状態である。 本発明の別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示す分解組立斜視図である。 図25に示した器具の端面図であり、スロット閉塞位置にあるラッチが例示されている。 図25および図26に示した器具の端面図であり、スロット開口位置に移動したラッチが例示されている。 本発明の別の実施形態による歯列矯正器具を示す斜視図である。 図28に示した器具の端面図であり、器具の近心側に向かって見た状態である。この器具のアーチワイヤスロット内に収容されたアーチワイヤも例示している。 本発明のさらに別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示す端面図である。 本発明の別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態により製造された歯列矯正器具を示す斜視図である。
本発明の一実施形態により製造した歯列矯正器具を図1〜図5に例示し、その全体を符合30で表す。この器具30は、患者の歯の頬唇側表面に固定するように適合された歯列矯正ブラケットである。あるいは、この器具を、歯列矯正治療中に歯の移動を制御するため、アーチワイヤを収容するように適合された頬面管あるいは他の歯列矯正器具としてもよい。
器具30には、この器具30を接着剤で患者の歯のエナメル質に直接接着するためのベース32が含まれている。ベース32が、患者の歯面の凸型複合形状に嵌合する凹型複合形状であると好ましい。任意に、ベース32に、溝、粒子、凹部、切下げ部、化学結合、接合強化材料、他の材料あるいは構造、または器具30を直接患者の歯のエナメル質に装着できる上述の組み合わせを利用することができる。
本体34はベース32から略頬唇側に外向きに延在する。本体34には、最も外側に位置する近心側36とその反対側で最も外側に位置する遠心側38とがある。図示の実施形態において、本体34は、ベース32と一体であるが、いずれの実施形態においても他の構造をとることができる。例えば、ベース32に、溶接、蝋付け、接着剤あるいは他の手段で本体34の舌側に接続されて本体34を超えて横方向(咬合−歯肉方向など)に延在可能な網目スクリーンあるいは他の接合強化構造を具備することができる。
アーチワイヤスロット40は、本体34を略近心−遠心方向に横切って延在する。アーチワイヤスロット40には、本体34に固定された平坦な咬合側壁部42により一部を画成された咬合側が含まれる。アーチワイヤ40にはまた、やはり本体34に固定された平坦な歯肉側壁部44により一部を画成された歯肉側も含まれる。あるいは、壁部42、44を湾曲させても、峰部、隆起部、あるいは他の突起形状の一部としてもよい。これらの壁部42、44は互いに不動であり、平行である。
図1〜図5に示す実施形態において、器具30には、近心側アーチワイヤスロット解放領域46と、遠心側アーチワイヤスロット解放領域48とが含まれる。この解放領域46、48は任意であるが、有利なことに、米国特許第4,531,911号に記載されているように、これにより内部ブラケットの幅が拡大し、歯の移動をうまく制御することができる。その開示内容全体を本明細書内に引用したものとする。歯の傾斜移動および回転移動を正確に制御できるように、平行な壁部42、44は互いに、断面が矩形形状であるアーチワイヤ50の咬合側および歯肉側にそれぞれ嵌合するように適合された距離をおいて位置している。
器具30にはまた、アーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40に解放自在に保持するように本体34に接続されたラッチ52が具備されている。この実施形態において、ラッチ52は、2対のアーム部分54とバネ部材56とを具備している。アーム部分54は平坦であり、アーチワイヤスロット解放領域46、48に隣接して本体34に結合されているが、他の配置も可能である。
アーム部分54は弾性であるため、舌方向にも頬唇方向にも変形できる。このアーム部分54に適した材料の例として、ステンレス鋼あるいは形状記憶合金(ニチノールなど)などで製造した平坦なバネ材料が挙げられる。このアーム部分54を、蝋付けあるいは溶接(レーザー溶接など)などの適した技術やファスナなどの利用により、本体34に固定してよい。
バネ部材56はアーチワイヤスロット40の長手方向に延在し、任意に、当初は平坦であった金属製材料を適した形状に曲げて製造する。図示した実施形態では、バネ部材56の中間部分はスリーブ継手58内に収容されている。その継手58は、アーチワイヤスロット40の下側の中央領域に隣接した本体34に固定されている。
バネ部材56に適した材料の例として、ステンレス鋼合金ならびに形状記憶合金が挙げられる。バネ部材56および本体34のどちらもステンレス鋼で製造されている場合、バネ部材56の中央部分を本体34に単に蝋付けあるいは溶接して、スリーブ58を省くことができる。一方、バネ部材56をニチノールなどの形状記憶合金で製造し、本体34をステンレス鋼で製造した場合には、ニチノール製バネ部材56をステンレス鋼製本体34に溶接あるいは蝋付けしにくい可能性がある。この場合、ステンレス鋼で製造したスリーブ58であれば、本体34に容易に蝋付けあるいは溶接することができ、バネ部材56を本体34にしっかり結合する手段となる。
バネ部材56には、最も外側の近心部分と最も外側の遠心部分とがある。この近心および遠心部分が、アーチワイヤスロット40の舌側を画成しており、アーチワイヤがアーチワイヤスロット40内に完全に固定されるとアーチワイヤ50の舌側壁部に接する。バネ部材56の近心部分および遠心部分がアーチワイヤ50の舌側に係合し、アーチワイヤ50をアーム部分54の舌側表面に接触させられるように、バネ部材56を形成すると好ましい。
図4は、アーチワイヤ50がアーチワイヤスロット40内に挿入される際の器具30の状態を例示したものである。図示のように、アーム部分54は略舌方向に内向きに十分変形して、空隙を設け、アーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40内に進入させる。この実施形態のアーム部分54は、アーチワイヤスロット40に平行に延在する基準軸を中心に弧を描いて内側に変形するが、他の構造も可能である。有利なことに、アーム部分54は、歯科医がアーチワイヤ50をアーム54に押し付けるにつれてスロット開口位置まで内向きに自己変形する。このため、ラッチ52をスロット開口位置に移動させるために手動の機器を使用する必要がない。
アーチワイヤ50を、バネ部材56の近心および遠心部分に係合するまでアーチワイヤスロット40内に収容し、そのままアーチワイヤ50を舌方向に移動しつづけると、バネ部材56が変形して、その近心および遠心部分を舌方向に偏向することができる。アーチワイヤ50をさらに舌方向に移動させると、バネ部材56はやや平坦化され、アーチワイヤ50の頬唇側がアーム部分54の外側対向端部を通過するまでに略平坦な形状に近づく。
アーチワイヤ50の頬唇側がアーム部分54の外端部を通過すると、アーム部分54は頬唇方向に自己偏向して、図1〜図3に示すように通常の形状に復元する。この時点で歯科医はアーチワイヤ50に加えていた圧力を解放するため、バネ部材56がアーチワイヤ50を、頬唇方向でアーム部分54の下側に接触する位置方向に押付ける。この後、アーチワイヤ50は器具30と協働して、ベース32を接着した歯の矯正治療を施すことになる。
図5は、アーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40から解放する際の器具30の状態を例示している。図示のように、アーム部分54は外向きに偏向して、アーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40から略頬唇方向に移動させる。アーム部分54は、アーチワイヤスロット40に平行に延在する基準軸を中心に弧を描いて曲がることにより外側に偏向するが、他の構造も可能である。
アーチワイヤ50が、アーム部分54の外端部から十分に離れた位置まで頬唇方向に移動すると、アーチワイヤ50は器具30から外れ、アーム部分54は自己偏向して、図1〜図3に示すように通常の直線状で平坦な位置に復元する。アーム部分54ならびにバネ部材56の弾性を十分にして、これらの製造材料の降伏応力を超えることなく、上述のように偏向および変形を繰り返すことができるようにすると好ましい。こうすることにより、アーム部分54およびバネ部材56は元の形状に必ず復元し、ラッチ52を何度開閉しても歯科矯正治療全体にわたり、アーム部分54を同じ状態で使用可能であると期待することができる。
器具30の頬唇側に、4つの肩60をそれぞれ、アーム部分54の1つずつに一部被せて延在させるように設けると好ましい。任意に、肩60を本体34と一体結合させるが、他の構造も利用可能である。アーチワイヤ50がアーチワイヤスロット40内に挿入される際にアーム部分54を各肩60から舌方向に移動させられるように、アーム部分54は肩60に固定しないでおく。
肩60は、アーム部分54の外側の撓み(すなわち略頬唇方向の撓み)に対する抵抗力となるが、アーム部分54が内側に撓む(すなわち略舌方向の撓み)際の抵抗力にはならない。肩60により、外側への曲げ移動に必要なアーム部分54の長さを効果的に短くし、外側移動時のアーム部分54を効果的に堅固にすることができる。これにより、アーム部分54を外側に押出してアーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40から解放するには、アーム部分54を反対の内側方向に押入れてアーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40内に挿入するために必要な力よりも大きな力が必要になる。
アーチワイヤ50から器具30に特定の最小値を超える力(特にこの実施例においてアーム部分54に対するアーチワイヤ50からの力)がかかるたび、図5に示すように、アーム部分54はスロット開口位置まで外側に偏向する。この最小値は、通常の歯列矯正治療中にアーチワイヤ50が不用意にアーチワイヤスロット40から外れないように十分高い値である。このため、アーチワイヤ50は治療プログラムを遂行するために十分の力を器具30に加えて、所望に応じて対象となる歯を移動させることができる。この最小値は、少なくとも約23N(2.3kg)であると好ましく、少なくとも約14N(1.4kg)であるとより好ましく、少なくとも約7N(0.7kg)であると好ましい。
アーチワイヤ50から器具30に対する力が選択最小値を超えると、アーム部分54は外向きに自己偏向してアーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40から解放してしまう。例えば、アーチワイヤ50の断面領域が比較的広く、アーチワイヤスロット40内に進入しようとその通常の形状からかなりの距離を偏向された場合(器具30を装着した歯の咬み合わせが著しく不良であり、隣接する歯からかなり離れている場合に起こる可能性がある)、アーチワイヤ50がアーチワイヤスロット40内に収容され、歯科医による舌方向のアーチワイヤ50への圧力は開放されるとすぐにアーム部分54は外向きに偏向する。したがって、ラッチ52のアーム部分54を設けることにより、アーチワイヤ50が上述した最小値を超える力を器具30にかけることはない。
ラッチ52を解放する力を特定するため、アーチワイヤスロット40の断面積を補完する(すなわち実質的に一杯にする)長手方向断面積を有するアーチワイヤ部分を選択する。次に、吊り策を作製して、これを近心側36および遠心側38に接触しない付近にアーチワイヤ部分に結合する。任意に、吊り策をアーチワイヤ部分に溶接あるいは蝋付けする。次に、器具30を静止位置に固定しながら、アーチワイヤの長手方向軸がアーチワイヤスロット40の長手方向軸に対して傾斜しないように注意して、この吊り策を器具30から引張る。この吊り策にInstron試験装置を接続し、クロスヘッド速度を0.5in/分(1.3cm/分)として、ラッチ52を解放する力を特定する。
ラッチ52の自己解放(すなわち自己開口)最小値が実質的に、同じ方向において対象となる歯から器具30を撤去するのに必要な力より実質的に下回ると好ましい。こうして選択した最小値が約36N(3.6kg)未満であると好ましい。さらに、ラッチ52の自己解放最小値が、同じ方向において対象となる歯から器具30を撤去するのに必要な力の約半分未満であれば好ましい。例えば、器具30と対象の歯との間の予想接着力が頬唇方向において71.5N(16lb)であれば、アーチワイヤ50が同じ頬唇方向に約36N(3.6kg)をやや超える力を器具30にかけるたびにアーチワイヤ50を自己解放するようにラッチ52を製造する。
自己解放式ラッチ52は、器具30が自然に外れてしまいがちな傾向を実質的に低下できる点において、歯科医には利用し易い。例えば、歯科医が比較的大きなアーチワイヤをアーチワイヤスロット40内に装着しようとして、歯科医がアーチワイヤを放すとすぐにラッチ52が自己解放してしまう場合には、歯科医はそれより軟質なアーチワイヤを使用すればよい。別の例として、当初アーチワイヤ50がアーム部分54によりアーチワイヤスロット40内に保持されており、その後アーチワイヤ50から器具30に大きな力が加えられる場合にも(例えば、患者が比較的硬い食べ物を咀嚼するなど、アーチワイヤ50が硬い物体にぶつかった場合などに起こり得る)、アーム部分54がそのスロット開口位置まで外向きに偏向してアーチワイヤ50を解放するため、器具30が歯から外れることはない。したがって、対象の歯にベース32を再接着せずとも、アーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40に再配置するだけで治療を再開することができる。
各対のアーム部分54が含む対向端部間の間隔を、治療中用いるはずである最小アーチワイヤの咬合側−歯肉側間寸法より小さくすると好ましい。アーチワイヤ50でアーチワイヤスロット40内を隙間なく埋める必要はなく、いずれの場合も壁部42、44と平らに係合していればよい。例えば、断面形状が円形であるなどのやや小型ワイヤを治療プログラムの一部に使用してもよい。各対のバネ部材56の対向端部間間隔は、断面形状の異なるさまざまなアーチワイヤを器具30と併用できるように選択すると好ましい。
断面積が比較的広いアーチワイヤをアーチワイヤスロット50内に装着する場合、弾性バネ部材56に変形する性質があるため、器具30がアーチワイヤスロット40に沿って移動するにつれて有効な治療が行われ、対象の歯を移動させることができる。こうした移動の間、弾性バネ部材56はアーチワイヤ50を、アーム部分54に向けた方向かつアーム部分54の4つすべてと平坦に接触する位置の方向に押付ける。こうすることにより、バネ部材56にある固有の偏向力により対象の歯に力が加わるため、歯科医が選択した位置に対象の歯を移動させ易くなる。
任意に、器具30に1つ以上のタイウィングあるいはタイウィング部分62を設ける。例示した器具30には、本体34にそれぞれ一体結合された4つのタイウィング部分62がある。
タイウィング部分62を設けることにより、アーチワイヤ50を器具30に結合するもう1つの方法が得られる。例えば、アーチワイヤ50を無理やり力を入れないとアーチワイヤスロット40内に完全に挿入できない場合、リガチャーを1つ以上のタイウィング部分62周囲ならびにアーチワイヤ50の一部周囲に通すことにより、アーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40内に完全に着座させなくとも、アーチワイヤ50を器具30に結紮することができる。一定時間の経過後に対象の歯が隣接する歯と一直線上になる方向に移動して、アーチワイヤスロット40に接近すると、アーチワイヤ50をアーチワイヤスロット40内に完全に着座させるための力が小さくてすむようになる。この時点で、リガチャーを撤去し、アーチワイヤ50をラッチ52によりアーチワイヤスロット40内に保持してもよい。
本発明による別の実施形態により製造された歯列矯正器具30aを図6に示す。器具30aは上述の器具30と本質的に同じであるが、以下の点で異なる。
器具30aには、間隔をおいて位置する4つのアーム部分54aを有するラッチ52aがある。アーム部分54aは、幅が狭く、任意にワイヤ材料で製造されている点でアーム部分54とやや異なる。任意に、アーム部分54a部分を収容する小さな穴を本体34aに穿孔することにより、各アーム部分54aを本体34aに固定することができる。アーム部分54aを穴内に固定するには、締まりばね、溶接あるいは蝋付け、接着剤、ファスナ、あるいは他の適した手段を利用可能である。
図6では2つのアーム部分54aのみを図示しているが、ラッチ52aには、ラッチ52のアーム部分54の配置と同じように、対向する対として4つのアーム部分54aを配置する。さらに、ラッチ52aには、バネ部材56と本質的に同じであるバネ部材56aがある。他のすべての態様において、器具30aは上述した器具30と同じである。
図6aには、図6に示した54aの代わりに所望に応じて利用可能な別のアーム部分54a´が図示されている。図6aに示すアーム部分54a´は、互いに無関係に移動する別個部分53a´の積層体で作製されている。この積層体には、5枚、10枚あるいはこれ以外の適した数の部分53a´を具備することができる。別個部分53a´を用いることにより、所望に応じてアーム部分54a´を唇方向あるいは舌方向に撓ませることができる。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30bを図7に正面図として示す。器具30bは器具30aに類似しているが、以下の点において異なる。
器具30bには、2つのアーム部分54bを備えたラッチ52bが含まれている。各アーム部分54bは、器具30bのアーチワイヤスロット内に収容されているアーチワイヤ50bの唇側を横切って延在している。
各アーム部分54bを、アーチワイヤ50bの咬合側から歯肉側までの寸法の少なくとも半分を超える距離だけアーチワイヤ50bの唇側を横切って延在させると好ましい。図7に、アーチワイヤスロットの解放領域の咬合側から歯肉方向に下降するアーム部分54bを示しているが、別の方法として、アーム部分54bを各アーチワイヤスロット解放領域の歯肉側から咬合方向に延在させてもよい。アーム部分54bを、1つの固体ワイヤ部分から製造しても、図6aに例示したアーム部分54a´のように積層アレイとして複数部分を配置して製造してもよい。
本発明の別の実施形態により製造した歯列矯正器具30cを図8に例示する。器具30cは器具30aに類似しているが、以下の点において異なる。
器具30cには、4つのアーム部分54cを具備するラッチ52cが含まれている。アーム部分54cは、長く、互いに重なり合っている点を除き、アーム部分54aにやや似ている。さらに、アーチワイヤスロット解放領域の咬合側から延在するアーム部分54cは、アーチワイヤスロット解放領域の歯肉側から延在するアーム部分54cの側方に配置されているが、他の構造も同様に利用可能である。
任意に、図8に示すように、アーム部分54cをそれぞれ、アーチワイヤ唇側の咬合側から歯肉側までの寸法の半分より長い距離を、アーチワイヤ唇側を横切って延在させる。別の方法として、各アーム部分54cを、上述した部分53a´と同じように別個部分の積層体で製造する。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30dを図9に断面図として例示する。器具30dは器具30aに類似しているが、以下の点において異なる。
器具30dには、当初平坦な弾性金属製バネ材料で製造されていると好ましいバネ部材56dを具備したラッチ52dが含まれている。バネ部材56dには、近心部分、遠心部分、およびその近心部分と遠心部分との間の中間部分とがある。さらに、バネ部材56dは細長く、器具30dが具備するアーチワイヤスロット40dの長手方向に延在している。
バネ部材56dの近心部分および遠心部分は、器具30dの本体34dに移動自在に結合されている。図示の実施形態において、1対のスリーブ57dが本体34dに固定されており、各スリーブ57dが、バネ部材56dの近心部分か遠心部分かのいずれかを収容している。しかしながら、バネ部材56dを本体34dに結合するために他の構造も利用可能であり、その例として、本体34dにスロットを設ける、あるいは、近心および遠心部分のスロットを通過して延在する頭付きピンを本体34dに結合することが挙げられる。
バネ部材56dの中間部分は普通、近心部分および遠心部分から頬唇方向に距離を置いて離れているが、所望に応じてバネ部材56dの固有偏向力に対抗して舌方向に移動させることができる。例えば、アーチワイヤをアーチワイヤスロット40dに挿入すると、バネ部材56dの中間部分は、舌方向に十分な距離を移動して、アーチワイヤをラッチ52dの4つのアーム部分54dを完全に通過させ、アーム部分54dをその通常のスロット閉塞位置に復元させることができる。図9にはアーム部分54dの2つしか図示していないが、ラッチ52dには、器具30aのアーム部分54aと同じ構造および配置の4つのアーム部分54dが具備されていることを理解されたい。別の方法として、アーム部分を別の構造にしてもよい(上述した他の方法によるなど)。
バネ部材56dの中間部分は、アーチワイヤスロット40dの舌側を画成する可動床あるいはタブとして機能する。アーチワイヤをアーチワイヤスロット40dに収容し、アーム部分54dがそのスロット閉塞位置に復元すると、バネ部材56dは、アーチワイヤをアーム部分54dと係合する位置に向けて押付ける(選択したアーチワイヤの断面形状がアーチワイヤスロット40dを実質的に十分満たすものであると仮定)。バネ部材56dが、治療中にアーチワイヤを係合して、本体34dの中央部分において治療を有効にすると好ましく、アーチワイヤをアーチワイヤスロット40dの平行な壁部に隣接する位置で係合すると好ましい。これにより、器具30dおよび対象の歯の移動を正確に制御することができる。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30eを図10〜図13に図示する。器具30eは器具30aと本質的に同じであるが、以下の点において異なる。
器具30eには、アーチワイヤ50e(図11〜図13)をアーチワイヤスロット40eに解放自在に保持するラッチ52eが含まれている。ラッチ52eには、アーム部分54aと同じである2対の可撓性アーム部分54eが具備されている。しかしながら、ラッチ52eには、細長い1つのバネ部材(バネ部材56aあるいは56bなど)ではなく、器具30eの本体34eの近心側および遠心側に隣接して配置された2対のバネ部材あるいはタブ55eが設けられている。
タブ55eを任意に、アーム部分54eあるいは上述した他のアーム部分のいずれかに類似した構造にする。例えば、タブ55eを、ニチノールやステンレス鋼などの可撓性である円形あるいは矩形ワイヤ材料で製造してもよい。タブ55eを本体34eに固定するには、タブ55eの一部を収容し、締まりばね、溶接あるいは蝋付け、ファスナあるいは接着剤などで一定位置に固定する穴を本体34eに穿孔するなどの適した手段であればいずれも利用可能である。
タブ55eには、アーチワイヤスロット40eの舌側を画成し、治療中にアーチワイヤ50eに接する頬唇側壁部がある。タブ55eはまた、所望に応じてアーチワイヤ50eをアーチワイヤスロット40e内に結紮できるよう十分に舌方向に移動することができる。図12には、アーチワイヤ50eがアーチワイヤスロット40e内に配置される際のタブ55eの移動状態を例示している。図示のように、アーチワイヤ50eが舌方向に押し入れられた際に、アーチワイヤ50eがアーム部分54eの対向する端部を通過できるように十分に、タブ55eは舌方向に撓み、弧を描いて折れ曲がる。その時点で、アーム部分54eは、その通常の位置に復元してアーチワイヤスロット40eを閉塞する。タブ55eの通常の直線形状への固有偏向力により、アーチワイヤ50eは押付けられて、その頬唇側がアーム部分54eの舌側と係合する。
図11は、歯列矯正治療中にアーチワイヤスロット40e内に位置するアーチワイヤ50eを例示するものである。図示のように、タブ55eは通常通り直線状であると同時に、アーチワイヤ50eを頬唇方向にアーム部分54eに接触させる位置に向けて押付ける機能を果たしている。したがって、タブ55eは、歯列矯正治療中、その治療を有効にする働きがある。
図13は、アーチワイヤ50eがアーチワイヤスロット40eから解放される際の器具30eの状態を例示している。図示のように、アーム部分54eは外向きに偏向してアーチワイヤスロット40eを開口して、アーチワイヤ50eを器具30eから解放できるようにする。好ましくは、またラッチ52のように、アーチワイヤ50eから略頬唇方向に器具30eに特定の最小値を超える力がかかると、ラッチ52eのアーム部分54eからアーチワイヤ50eが解放される。この最小値が、同じ方向に器具30eを対象である歯から撤去するのに必要な力の実質的に約半分未満であると好ましい。
図面に示したように、タブ55eの対向端部間の間隔は、アーム部分54eの対向端部間の間隔より短い。タブ55eの対向端部間の間隔を十分に小さくして、アーチワイヤ50eが舌方向の終点まで行き着いた時点でタブ55eの対向端部がアーチワイヤ50eの咬合側および歯肉側と係合しないようにすると好ましい。こうした構造にすることにより、タブ55eは確実に、アーチワイヤ50eの舌側あるいはその隣接角部に係合せず、引き続き、アーチワイヤ50eを図11に示す位置まで弾性的に引き返させる機能を果たすことができる。
別の方法として、図10〜図13のアーム部分52eならびに図7〜図9のアーム部分54b、54cおよび54dをそれぞれ、ワイヤを折り曲げて、湾曲部が脚部の長さよりも実質的に長い、ほぼ「U」字型の形状に製造することができる。次に、この湾曲部を、脚部がアーチワイヤスロットに向けて咬合あるいは歯肉方向に突出してアーム部分となるようにブラケット本体に固定する。任意に、この湾曲部を、アーチワイヤスロットの唇側に隣接した器具本体の浅い溝内に収容させることができる。
図10〜図13に例示するようなタブ55eも、上記段落に記載した「U」字型状にしたがって製造することができる。アーム部分およびタブをこのように構成することにより、製造時に取扱う部品数を削減し、アーム部分あるいはタブを本体の小さな穴内に挿入する必要もなくなる。別の方法として、このように製造したアーム部分あるいはタブを、ほぼ「U」字型である別個部分の積層体で構成して、図6aに例示した積層部分53a´に類似した積層アレイとしてもよい。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30fを図14に例示する。器具30fは図10〜図13に示した器具30eに類似しているが、以下の点において異なる。
器具30fには、1対の対向結紮部材51f、51fを具備するラッチ52fが含まれている。各結紮部材51fを舌方向から見ると、その正面図はほぼ「U」字型形状となる。各結紮部材51fにはアーム部分54f、54fがあり、この結紮部材51fのアーム部分54fは、反対側の結紮部材51fのアーム部分54fに向かい合っている。しかしながら、他の構成も利用可能である。
各結紮部材51fは、ほぼ咬合−歯肉基準軸に沿って器具30fのアーチワイヤスロット40fとの間を摺動可能である。各アーム部分54fの外端部を斜面として、アーチワイヤ(図示せず)がアーチワイヤスロット40f内に挿入されると結紮部材54fがスロット開口位置まで互いに遠ざかる方向に摺動できるようにすると好ましい。しかしながら、他の方法として、歯科医が、歯科用プローブあるいはリガチャーディレクタを用いて各結紮部材51fの中間部分と係合させて、ラッチ52fを開口するように各結紮部材を外向きに摺動させてもよい。
任意に、器具30fに、図10〜図13に例示したタブ55eにやや類似の舌側アーチワイヤスロットタブを設けてもよい。この場合のタブは、アーム部分54fを舌方向に偏向させることによりアーチワイヤをアーチワイヤスロット41f内に挿入できるように十分に舌方向に移動可能である。こうした構造において、アーム部分54fおよびタブは、上述したアーム部分54eおよびタブ55eと同じように機能する。別の方法として、細長いバネ部材(バネ部材56あるいは56dなど)をタブの代わりに設けてもよい。
器具30fには、4つのタイウィング62fも含まれている。各タイウィング62fは、タイウィング62fの外側角部が結紮部材51fを収容するために設けられ、所望に応じて結紮部材51fを限定して摺動させられるように形成されている点を除き、図1〜図5に示した実施形態に合わせて説明したタイウィング62に類似している。結紮部材51fを、ステンレス鋼あるいはニチノールワイヤ材料から製造することができる。
本発明のさらに別の実施形態により製造した器具30gを、アーチワイヤ50gを器具30gのアーチワイヤスロット内に収容した状態で図15および図16に示す。器具30gは器具30fと実質的に同じであるが、以下の点において異なる。
器具30gには、この実施形態では全体としてほぼ半円形状であるリガチャー部材51gの1対が含まれている。各リガチャー部材51gが1対のアーム部分54gとなっており、外端部を斜面としておくと好ましい。各リガチャー部材51gは、器具30gのタイウィング内に位置する2本の通路を介して延在している。
アーム部分54gが移動すると、アーチワイヤ50gが器具30gのアーチワイヤスロット内に進入できる。例えば、歯科用プローブあるいはリガチャーディレクタを器具30gの咬合側あるいは歯肉側のタイウィングとリガチャー部材51gの中間部分との間の空隙に挿入して外向きに移動させることにより、リガチャー部材51gのアーム部分54gを通路内に移動させてもよい。別の方法として、アーチワイヤ50gをアーチワイヤスロット内に押し入れながら、アーム部分54gを舌方向に内向きに偏向する。リガチャー部材51gにひだ、止めあるいは、この通路方向の移動を制限して器具本体と係合させないようにする他の構造を設けてもよい。所望により、器具30gにタブ55eに類似のタブ、あるいは上述したバネ部材56、56dに類似のバネ部材を設けてもよい。
別の方法として、リガチャー部材51gの中間部分がアーチワイヤスロット方向に互いに引寄せられるたびに、ラッチ52gを開口できるようにリガチャー部材51gを形成してもよい。任意に、通路形状および/または通路方向を、こうした開口移動を可能にするように変更してもよい。例えば、この通路を咬合−歯肉方向に方向付けして、その中間部分を互いに引寄せることにより外端部54gを通路内に後退させることができる。別の方法として、通路を、アーチワイヤスロット解放領域付近の領域で近心−遠心方向に細長くして、中間部分が互いに引寄せられるとアーム部分54gを遠心方向に外向きに旋回させることができる。1対の先端の細いプライヤなどの適した手動装置のいずれかを用いて、この中間部分を互いに引寄せることができる。他の実施形態で上述したように、ラッチ52gは、アーム部分54gが外向きに撓むことにより開口する。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30hを図17および図18に例示する。器具30hは器具30と本質的に同じであるが、以下の点において異なる。
器具30hには、上述したラッチの変形であるラッチ52hが含まれている。ラッチ52hには、近心側バネクリップ68hと遠心側バネクリップ70hとが含まれている。近心側バネクリップ68hは、器具30hが含む本体34hの近心側に固定されており、遠心側バネクリップ70hは器具本体34hの遠心側に固定されている。
クリップ68h、70hは全体としてほぼ「C」字型形状であり、それぞれに、互いの方向に延在する1対のアーム部分54hが具備されている。各バネクリップ69h、70hをスリープ72h内に収容すると好ましい。スリーブ72hは、蝋付けあるいは溶接(レーザ溶接など)方法により器具30hの本体34hに固定されていると好ましい。クリップ68hと1つのスリーブ72hとが近心側アセンブリを構成し、クリップ70hともう一方のスリーブとが遠心側アセンブリを構成している。
スリーブ72hを設けると、バネクリップ68h、70hを本体34hに溶接あるいは蝋付けしにくい材料で製造することができるようになる点で有利である。例えば、クリップ68h、70hを、ほぼ理論通りのニチノールなどの弾性記憶形状合金で製造し、本体34hをステンレス鋼の合金で製造することができる。この場合、スリーブ72hも、従来の溶接あるいは蝋付け技術により本体34hに容易に溶接あるいは蝋付けできるステンレス鋼の合金で製造してよい。このようにスリーブ72hはバネクリップ68h、70hを本体34hに結合する機能を果たす。
アーム部分54hを含むクリップ68h、70hの弾性を高くして、アーチワイヤ50hを舌方向にクリップ68h、70hが取囲む空間内に押し入れることにより、アーチワイヤ50hをアーチワイヤスロット内に挿入できるようにする。アーチワイヤ50hがアーム部分54hに係合すると、クリップ68h、70hが自己偏向して、アーム部分54h間の空間を拡大するように十分な距離を移動して、アーチワイヤ50hをその空間内に貫通させる。アーチワイヤ50hをクリップ68h70hが取囲む空間内に収容すると、クリップ68h、70hは図17および図18に示すようにその通常の位置に復元して、アーチワイヤ50hをアーチワイヤスロット内に保持する。
アーム部分54hを含むクリップ68h、70hの剛性を十分にして、治療中、アーチワイヤ50hから略頬唇方向(具体的に言えば、アーチワイヤ50hをアーチワイヤスロットに挿入する方向とは反対の方向)に器具30hにかかる力が特定の最小値を下回っている限り、アーチワイヤ50hをアーチワイヤスロット内に保持させる。しかしながら、予測できない強い力が加わる場合などに起こり得るように、アーチワイヤ50hが上記と同じ方向に最小値を上回る力を器具30hに加えると、アーム部分54hは外向きに頬唇方向に偏向し、クリップ68h、70hが開口して、アーチワイヤ50hをアーチワイヤスロットから解放する。このような仕組みにより、器具30hが、予測されない比較的強い力が働いても歯から不用意に外れることはない。
アーム部分54hの外端部の形状を変更して、所望によるアーチワイヤ50hの挿入あるいは解放を容易にしてもよい。例えば、アーム部分54hの外側頬唇側角部を曲面あるいは先細り状にして、アーチワイヤ50hをアーチワイヤスロット内に挿入する間、クリップ68h、70hを離間させるようにしてもよい。しかしながら、アーチワイヤ50hから最小値を超える力がかかる前にアーム部分54hが離間しないように、必要に応じてアーム部分54hの対向端部を斜面にする、あるいは互いの方向に延在させてもよい。
本発明のさらに別の実施形態による歯列矯正器具30iを図19に例示する。器具30iは器具30hと本質的に同じであるが、器具30iには、図18に示した近心側バネクリップ68hとやや形状が異なる近心側バネクリップ68iを具備するラッチ52iが含まれている。クリップ68iをこのような形状にすると、小型アーチワイヤ50i(図示のように断面が円形であるアーチワイヤなど)を器具30iのアーチワイヤスロット内に挿入できる点で有利である。器具30iにはまた、図示していない遠心側バネクリップが具備されているが、これは近心側バネクリップ68iと本質的に同じである。
図19に示した実施例において、アーチワイヤがクリップ68iと離れているため、器具30iの歯科矯正治療力は弱い。任意に、クリップ68iを、これより太いアーチワイヤの唇側に係合するように形成して、この場合の器具30iによる歯科矯正治療力を強めることができる。
本発明のさらに別の実施形態による歯列矯正器具30jを図20に例示する。器具30jは図17および図18と合わせて説明した器具30hと本質的に同じであるが、器具30jには、図17および図18に示した近心側バネクリップ68hとやや形状が異なる近心側バネクリップ68jを具備するラッチ52jが含まれている。さらに具体的に言えば、近心側バネクリップ68jには、近心−遠心基準軸に沿った方向に図20の点線で示すように互いに重なりあっている1対のアーム部分54jが具備されている。器具30jにはまた、図示していない遠心側バネクリップが具備されているが、これは近心側バネクリップ68jと本質的に同じであり、任意に、器具本体の遠心側にスリーブにより装着することができる。
本発明による別の実施形態による歯列矯正器具30kを図21に例示する。器具30kは上述の器具30hと本質的に同じであるが、器具30kには、ほぼ「C」字型形状である近心側バネクリップ68kを具備したラッチ52kが含まれている。近心側バネクリップ68kは、器具30kのアーチワイヤスロット内に収容されるアーチワイヤの唇側を少なくとも部分的に、好ましくは全体に横切って延在する1本のアーム部分54kのみを具備している。
器具30kにはまた、図21に図示していない遠心側バネクリップが具備されているが、これは近心側バネクリップ68kと本質的に同じである。任意に、この遠心側バネクリップを器具30k本体の遠心側にスリーブにより装着する。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30Lを図22に例示する。器具30Lは上述の器具30hと本質的に同じであるが、器具30Lには、ほぼ「J」字型形状である近心側バネクリップ68Lを具備したラッチ52Lが含まれている。近心側バネクリップ68Lも、器具30Lのアーチワイヤスロット内に収容されるアーチワイヤの唇側を少なくとも部分的に、好ましくは全体に横切って延在する1本のアーム部分54Lのみを具備している。
器具30Lのブラケット本体34Lには、1対のボス74Lならびに1本の棒材76Lが含まれている。ボス74Lおよび棒材76Lを器具30Lの本体34Lに一体結合して、近心方向に外向きに突出させると好ましい。バネクリップ68Lには、図22に示すようにボス74Lと棒材76Lとの間にきっちり嵌合する「T」字型形状の舌側端部78Lが設けられている。
図面には図示していないが、器具30Lには、近心バネクリップ68Lの舌側端部74Lをカバーする小型の近心キャップが含まれている。このキャップによりボス78Lおよび棒材76Lの双方を係合し、蝋付け処理あるいはスポット溶接処理などによりこれらを固定すると好ましい。このキャップ、ボス74Lおよび棒材76Lが協働して、近心側バネクリップ68Lの舌側端部78Lを器具30Lの近心側にしっかり固定する。
ラッチ52Lにはまた、図面に図示していない遠心側バネクリップが具備されているが、これは近心側バネクリップ68Lと同じであり、同じようにブラケット本体34Lに装着されている。すなわち、器具30Lには、器具30Lの遠心側に結合され、ボス74Lおよび棒材76Lにそれぞれ類似した、1対の遠心方向に延在するボスと遠心方向に延在する棒材とが具備されている。さらに、キャップを遠心側ボスと遠心側棒材とに固定して、遠心側バネクリップの舌側端部を器具本体34Lの遠心側に固定する。
任意に、器具30h〜30Lのバネクリップ(バネクリップ68h、68Lなど)を金属原材料の平坦部分から切断する。適した金属材料の例として、ニチノールおよびベータチタンの合金などの形状記憶合金が挙げられる。こうした原材料からバネクリップを切断するには、型打ち、抜き型、化学エッチング、EDM、レーザ切削加工、噴射水流式切削加工方法を利用してよい。有利なことに、図19および図20のクリップおよびスリーブの断面形状は嵌合する矩形であるため、このスリーブにより、クリップが咬合−歯肉軸を中心に器具本体に対して枢運することはない。
別の方法として、器具のバネクリップおよび特に器具30hのバネクリップを、形状記憶合金から製造された細管から切断する。適した形状記憶合金の例として、ニチノールおよびベータチタンの合金が挙げられる。この細管をスロットで切断して、アーム部分(アーム部分54hなど)を形成する。
別の方法として、器具30h〜30Lのバネクリップ、ブラケット本体あるいは他の構造に、クリップの曲げ程度を制限する材料部分を設ける。例えば、クリップ68Lに、外側角部に近い「A」として示す位置に小型で唇方向に延在する部分を具備してもよい。アーム部分54Lを外側に折り曲げてラッチ52Lを開口する場合、この唇側に延在する部材によりアーム部分54Lが不当に曲がることがなくなり、クリップ68Lが破損する可能性を低下させることができる。別の例として、タイウイングに、クリップ通路内で近心−遠心基準軸に沿って外向きに延在する小型突起部を設けて、クリップが開口した際に止めとして機能させ、その外向きの移動を制限させることができる。
図17〜図20に示した器具において、クリップを別々の位置に離間させて、断面形状の異なるワイヤを収容させることができる。このクリップには閉塞位置に繰り返し復元するという固有の復元力があるため、クリップの咬合側および歯肉側は、アーチワイヤの咬合側および歯肉側に接触した状態、あるいは付近に隣接した状態となる。こうした構造により、対象となる歯の移動をうまく制御することができる。
さらに、図17〜図24に示した器具のクリップを、アーチワイヤがクリップに対して舌方向に押し入れられた際にラッチを開口できる形状とすると好ましい。例えば、クリップの唇側を咬合−歯肉基準軸に対して角度をつけて延在させて、アーチワイヤが舌方向に押し入れられた際にクリップあるいはクリップの少なくともアーム部分を横方向(咬合あるいは歯肉方向など)に偏向させやすくして、ラッチを開口させ、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に挿入できるようにすると好ましい。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30mを図23および図24に例示する。器具30mには、近心側タイウィング61mとそれから離間した遠心側タイウィング63mとからなる「並列型タイウィング」構造を具備した器具本体34mが含まれている。器具本体34mにはまた、器具30mのアーチワイヤスロットの舌側に位置して略咬合−歯肉方向に延在する「垂直」チャネル80m(図24)が含まれている。
器具30mには、近心側タイウィング61mと遠心側タイウイング63mとの間の空間に収容されたラッチ52mが含まれている。このラッチ52mには、チャネル80mに収容された舌側部分82mがある。図面には図示していないが、器具30mには、器具本体34mの舌側に固定されたベースが含まれており、このベースがチャネル80m内に舌側部分82mを捕捉して、ラッチ52mを本体34mにしっかり接続するように保持する。
ラッチ52mには、1対のアーム部分54mが含まれており、それぞれ、器具30mのアーチワイヤスロット内にアーチワイヤ50mを収容する際にその唇側を係合できる形状となっている。各アーム部分54mはやや「C」字型形状であるが、他の形状も利用可能である。図24に例示しているような「C」字画像担体形状にすると、歯科医がアーチワイヤ50mをアーチワイヤスロット内に挿入しようとすると、アーム部分54mがそれぞれ咬合および歯肉方向に側方に偏向する点で有利である。
ラッチ52mを、ステンレス鋼あるいはニチノールなどの弾性材料で製造することができる。器具30mの他の態様は、上述した器具の特徴と同様である。
本発明による他の実施形態を図25〜図27に示す。本発明による歯列矯正器具30nには、ブラケット本体34nとラッチ52nとが具備されている。ラッチ52nはほぼ「U」字型形状であり、ラッチ52nの舌側部分82nは器具本体34nのチャネル80n(図27)に収容されている。
図25では、器具30nが分解状態として示されている。ここでは、ラッチ52nがを器具本体34nから分離している。図26および図27には、ラッチ52nを器具本体34nに組み入れた後の状態として器具30nを例示している。
ラッチ52nは、本体34nに対してチャネル80nの長さに沿って略咬合−歯肉方向に移動可能である。図26において、このラッチは、ラッチ52nの唇側端部84nが細長いキャビティ86n内に収容されたスロット閉塞位置にある。
図27において、ラッチ52nは、アーチワイヤをブラケットのアーチワイヤスロットから挿入あるいは開口できるスロット開口位置にある。ラッチ52nの舌側部分82nには、ラッチ52n咬合方向への移動をそこまでで留めるチャネル80n内に設けられた肩と係合する突起部88nが具備されている。このように突起部88nにより、ラッチ52nが本体34nから不用意に実質的に分離することはない。
器具30nには、蝋付け処理、専門溶接処理、あるいは他の適した手段により器具本体34nに固定されたベース32nも含まれている。ベース32nを図25では図示しているが、図26および図27では省略している。ベース32nは、器具30nを患者の歯面に固定する機能を果たし、ラッチ52nの舌側部分82nをチャネル80n内に捕捉して、ラッチ52nを本体34nと結合関係に保持する役割も役割を果たしている。
ラッチ52nは、アーチワイヤスロットの咬合および歯肉側に実質的に平行である略頬唇方向にアーチワイヤからラッチ52nに特定の最小値を超える力がかかるたびに、唇側部分84nがキャビティ86nから剥離されて唇側方向に外向きに偏向するように形成されている。この最小値は上述の通りであり、同じ方向に器具30nを歯から撤去するために必要な力を大幅に下回る値である。このため、キャビティ86n内に収容する唇側部分84nの長さとラッチ52hの形状および曲げ強度とを、加えられる力が選択最小値を超えたらラッチ52nが確実に開口するように選択する。このように、ラッチ52nは唇側部分84nを外向きに曲げることにより開口し、咬合方向に移動することなく(すなわち、図27に示す方向に移動することなく)キャビティ86nから最終的に解放される。
他の態様において、器具30nは、1999年3月25日に出願した本願出願人の係属中の出願特許第09/276,060号「SELF−LIGATING ORTHODONTIC BRACKET WITH ENHANCED ROTATION CONTROL」に記載の歯列矯正器具と同様である。所望に応じて詳細および他の任意の特徴について、この出願件を参照されたい。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30pを図28および図29に例示する。器具30pには、器具包帯34pに枢支的に結合されたラッチ52pが含まれている。図29に示すように、ラッチ52pは、図29に一方のみを図示した2つの円柱状蝶番部分92pの通路内に収容されている咬合端部あるいは横棒90pを具備している。蝶番部分92pのそれぞれは、各タイウイング62pの下の舌方向に位置している。
器具本体34pには、細長い突起状の止め94pが具備されている。ラッチ32pの歯肉側端部は、ノッチを形成するように湾曲している。図28および図29に例示したようにラッチ52pが閉塞位置にある場合、このノッチが止め94pに係合してアーチワイヤを器具本体34pのアーチワイヤスロットに保持する。
歯科医がラッチ52pを開口する際には、歯科医は歯科用プローブあるいは他の先端が細い手動装置をラッチ52pの歯肉側部分上に配置して、その歯肉側部分を歯肉方向に偏向させて、止め94pを係合から外せばよい。この時、ラッチ52pは蝶番92pの中心軸を中心に枢動してラッチ52pを開口し、アーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放することができる。
しかしながら、ラッチ52pにアーチワイヤから十分に大きな力が加わると、ラッチ52pの唇側部分は自動的に止め94pから外れて、ラッチ52pを自己開口させる。アーチワイヤがラッチ52pにかなりの力を加えるたびに、ラッチ52pはアーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放するため、器具30pが不用意に歯から撤去されることはない。アーチワイヤから上述したように特定の最小値を超える力が加えられるたびにラッチ52pが開口すると好ましい。
ラッチ52pにアーチワイヤから十分に大きな力が加わるたびにラッチ52pを確実に開口させるようにするために、さまざまな方法をとることができる。例えば、ラッチ52pの開口に必要な力を変更するため、ラッチ52pの咬合部分に具備されるノッチの形状ならびに止め94pの形状を必要に応じて変更することができる。他の例として、ラッチ52pに対するアーチワイヤの力が所望最小値ラッチ52pを超えるたびに確実にラッチ52pが同じように変形するように、ラッチ52pの材料について、その組成を変更する、あるいは異なる条件で処理してもよい。
別の方法として、ラッチ52pが一方の端部に固定しされて開口時に曲がるように、器具30pを形成することができる。任意に、ラッチの舌側を器具本体の一方の側部あるいは、図25〜図27に示したチャネル80nにやや類似した本体の舌側チャネル(図示せず)内に固定することができる。この場合、ラッチの反対側には、器具のキャビティ(キャビティ86nなど)、突起部あるいは他の形状と解放自在に係合するように適合されたノッチ、溝、湾曲部あるいは他の形状を設ける。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30qを図30に例示する。この器具には、器具本体34qならびに旋回可能なラッチ52qが含まれている。この実施形態において、ラッチ52qは、器具本体34qのタイウィング62qに枢支的に結合されている。
ラッチ52qには、器具本体34qの咬合側タイウィング62q上に解放自在に収容された咬合側部分96qが具備されている。咬合側タイウィング62qの咬合側部分92qおよび外端部が嵌合する湾曲形状であると好ましい。ラッチ52qが図30に例示する位置にある場合、ラッチ52qは、アーチワイヤ50qを器具本体34qのアーチワイヤスロット内に保持するように機能する。
ラッチ52qおよび器具本体34qを、アーチワイヤ50qから頬唇方向に特定の最小値を超える力が加えられるたびにラッチ52qがスロット開口位置に移動するように形成する。この最小値を上述した最小値と同じとすると好ましい。ラッチ52qを、咬合側部分92qを偏向させて咬合側タイウイング62qから外すように歯科用プローブあるいは他の手動装置を用いて手動で開口してもよい。
本発明の別の実施形態による歯列矯正器具30rを図31に例示する。図示のように、器具30rには、本体34rの舌側に沿って2本の距離を置いて離れているチャネル80rが具備されている点を除き、本体34と好ましくは同じである本体34rが含まれている。ラッチ52rには、咬合−歯肉基準軸に沿って見るとほぼ「U」字型形状である2つの結紮部材51r、51rが具備されている。各結紮部材51rの対向する側部には1対の外側アーム部分54rがあり、そのそれぞれにループ型部分が含まれている。
器具30rには、器具本体に固定されると、結紮部材51rの舌側部分をチャネル80r内に固定する機能を果たすベース32rも含まれている。任意に、長手方向軸に垂直な方向に見たチャネル80rおよび結紮部材51rの断面形状を嵌合する矩形あるいは四角形にして、各結紮部材51rの舌側部分をチャネル80r内で枢動させないようにする。任意に、ベース32rおよび両方の結紮部材80rの舌側部分を器具本体に溶接、蝋付けあるいは他の方法で固定して、チャネル80r内で結紮部材51rを枢動させないようにする。
結紮部材51rを、上述したステンレス鋼製ワイヤや形状記憶合金製ワイヤなどの弾性ワイヤ材料から製造すると好ましい。ラッチ52rを開口するには、器具本体の近心側および遠心側に沿ってアーム部分54rを互いに反対方向に遠ざかるように旋回させる。上述したラッチの場合と同様、アーチワイヤからループ部分に特定の値を超える力が加わるたびにラッチ52rは自己開口してアーチワイヤを収容あるいは解放する。所望に応じて、ラッチ52rを手動で開口するために手動装置(プローブあるいは先端の細いプライヤなど)の収容にこのループ部分を利用してもよい。
本発明の別の実施形態により製造した歯列矯正器具30sを図32に図示する。器具30sには、審美性に優れたセラミック製近心側および遠心側部分31s、33sがそれぞれ具備されており、米国特許第5,439,379号および同第5,366,372号に記載されている器具にやや類似している。これら双方の特許内容全体を本明細書内に引用したものとする。器具30sには、アーチワイヤスロット40sを画成する金属製アーチワイヤスロットライナ39cも具備されている。アーチワイヤスロットライナ39sに適した材料および製造方法の例、ならびにアーチワイヤスロットライナ39sを本体部分31s、33sに装着するために適した方法の例が米国特許第5,358,402号および同第5,380,196号に記載されている。これら双方の特許内容全体を本明細書内に引用したものとする。
アーチワイヤスロットライナ39sには、近心側本体部分31sの近心側に並列して延在する近心側部分98sが含まれている。この近心側部分98sを米国特許第5,358,402号および同第5,380,196号に記載された方法を利用して本体部分31sの近心側に固定すると好ましい。この近心側部分98sは、ラッチ52sのスリーブ72sを収容する装着台として機能する。スリーブ72sは上述したスリーブ72hに類似しており、近心側バネクリップ68hを近心側本体部分31sに固定する機能を果たす。
例示を目的として図32に示したクリップ68sはクリップ68hに類似しているが、クリップ68i〜68Lなどの他のクリップを用いてもよい。さらに、ラッチ52sには、アーチワイヤスロットライナ39sの遠心側部分に遠心側スリーブにより固定された遠心側クリップ70sが具備されている。遠心側スリーブおよびアーチワイヤスロットライナ39sの遠心側部分は図示していないが、近心側スリーブ72sおよび近心側部分98sとそれぞれ同じである。ラッチ52sは上記の他の実施形態において説明したラッチと同様に機能する。
任意に、本発明による器具、特に図25〜図30に例示した器具30n、30pおよび30qに、スロット開口位置から第1の閉塞位置あるいは第2の閉塞位置まで移動可能な自己解放型ラッチを設けてよい。ラッチが第1の閉塞位置にくると、ラッチは十分な力でアーチワイヤを係合して歯科矯正治療を有効なものにする。第2の閉塞位置では、アーチワイヤスロットにおける有効な唇側−舌側寸法がアーチワイヤの唇側−舌側寸法全体よりやや大きいため、ブラケットによる歯科矯正治療が弱くなる。二重歯列矯正ブラケットの詳細は、1998年12月22日に出願された本願出願人による係属中の米国特許出願第09/218,929号「DUAL MODE SELF LIGATING ORGHODONTIC BRACKET」に記載されている。
上述の実施形態すべてにおいて、ラッチに対する圧力が解放された時点でラッチが自動的に元の形状に復元する固有の復元力が十分にある材料で製造する。こうすることにより、治療中にアーチワイヤによるラッチを何度も開口させても、ラッチが永久的に変形した状態を継続することがなく、繰り返し使用可能である。ラッチ52a〜52sにおける他の態様あるいは器具30a〜30sにおける他の特徴を詳細に記載していないが、対応するラッチ52の態様あるいは器具30の特徴と同じである。
当業者であれば、上記にて詳述した本発明による好適実施形態に数多くの変更および追加が可能であることは明白であろう。例えば、上述のラッチを、シングルタイウイングを具備するブラケット、3つのウィングを具備するブラケットなど、さまざまな他種類の歯列矯正器具と併用してもよい。
さらに、器具を、セラミック、プラスチックなどの金属以外の材料で製造してもよい。任意に、器具のアーチワイヤスロットにアーチワイヤスロットライナを設ける、あるいは器具をアーチワイヤに沿って移動させられる材料でコーティングすることも可能である。他にもさまざまな変形が可能である。したがって、本発明は上述した特定の実施形態に制限されるものではなく、請求の範囲およびその等価物によってのみ定められるものである。

Claims (71)

  1. 歯列矯正器具であって、
    該器具を歯に固着するためのベースと、
    該ベースから延出している本体と、
    略近心−遠心方向に前記本体を横切って延在するアーチワイヤスロットと、
    アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に解放自在に保持するために前記本体に接続されたラッチであって、前記アーチワイヤが略頬唇方向へ前記器具に約2.3kgを超える力を加えるときは、前記略頬唇方向に前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放するラッチと、
    を具備する歯列矯正器具。
  2. 前記アーチワイヤが前記器具に約1.4kgを超える力を加えるときは、前記ラッチが該アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放する、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  3. 前記アーチワイヤが前記器具に約0.7kgを超える力を加えるときは、前記ラッチが該アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放する、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  4. 前記アーチワイヤが前記アーチワイヤスロット内に進入できるように、前記ラッチがスロット開放位置に移動可能である、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  5. 前記アーチワイヤを前記ラッチに対して略舌側方向に押圧することにより、該ラッチが前記スロット開放位置に移動可能である、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  6. 前記ラッチが、前記アーチワイヤを解放するために略頬唇方向へ外向きに移動可能である少なくとも1つのアーム部分を有する、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  7. 前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に進入できるように、各アーム部分が略舌方向へ内向きにも移動可能である、請求項6に記載の歯列矯正器具。
  8. 前記アーチワイヤスロットが、前記本体に対して移動可能な複数の壁部により形成される舌側を有する、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  9. 前記ラッチが近心側クリップと遠心側クリップとを有し、それらクリップの各々の形状が全体として略「C」字型である、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  10. 前記本体が近心側と遠心側とを有し、前記近心側クリップが該近心側に固定され、前記遠心側クリップが該遠心側に固定されている、請求項9に記載の歯列矯正器具。
  11. 前記アーチワイヤスロットを開閉するために、前記ラッチが略咬合−歯肉方向に摺動可能である、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  12. 前記アーチワイヤスロットを開閉するために、前記ラッチが前記本体に対して回動可能である、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  13. 前記本体が、略近心−遠心方向に延在するチャネルを有し、前記ラッチが、該チャネル内に収容される舌側部分を有する、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  14. 前記本体が、略咬合−歯肉方向に延在するチャネルを有し、前記ラッチが、該チャネル内に収容される舌側部分を有する、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  15. 前記器具が、近心側部分および遠心側部分を備えたアーチワイヤスロットライナを有し、前記ラッチが、該近心側部分に結合された近心側クリップと、該遠心側部分に結合された遠心側クリップとを有する、請求項1に記載の歯列矯正器具。
  16. 歯列矯正器具であって、
    該器具を歯に固着するためのベースと、
    該ベースから延出している本体と、
    略近心−遠心方向に該本体を横切って延在するアーチワイヤスロットと、
    アーチワイヤを該アーチワイヤスロット内に解放自在に保持するために該本体に接続されたラッチであって、該器具を該歯から略頬唇方向へ脱離するために必要な力の約半分未満である特定の最小値を超える力を、該アーチワイヤが該略頬唇方向へ該器具に加えるときは、該アーチワイヤを該アーチワイヤスロットから解放するラッチと、
    を具備する歯列矯正器具。
  17. 前記アーチワイヤが前記アーチワイヤスロット内に進入できるように、前記ラッチがスロット開放位置まで移動可能である、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  18. 前記スロット開放位置にあるときの前記ラッチが、前記本体に対して、前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放するときの該ラッチの向きとは異なる向きを有する、請求項17に記載の歯列矯正器具。
  19. 前記アーチワイヤを前記ラッチに対して略舌側方向に押圧することにより、該ラッチが該スロット開放位置に移動可能である、請求項17に記載の歯列矯正器具。
  20. 前記器具が歯列矯正ブラケットあるいは頬面管である、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  21. 前記器具が少なくとも1つのタイウィングを有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  22. 前記ラッチが、前記アーチワイヤを解放するために略頬唇方向へ外向きに移動可能である少なくとも1つのアーム部分を有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  23. 前記アーチワイヤが前記アーチワイヤスロット内に進入できるように、各アーム部分がさらに略舌側方向へ内向きに移動可能である、請求項22に記載の歯列矯正器具。
  24. 前記本体が、各アーム部分上に延在する少なくとも1つの肩部を有する、請求項23に記載の歯列矯正器具。
  25. 前記アーチワイヤスロットが、前記本体に固定された複数の壁部により形成された咬合側と歯肉側とを有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  26. 前記アーチワイヤスロットが、前記本体に対して不動である複数の壁部により形成された舌側を有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  27. 前記アーチワイヤスロットが、前記本体に対して移動可能である複数の壁部により形成された舌側を有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  28. 前記複数の壁部が、前記本体に接続された複数の可動タブの一部である、請求項27に記載の歯列矯正器具。
  29. 前記複数のタブが弾性を有する、請求項28に記載の歯列矯正器具。
  30. 前記複数の壁部が、前記アーチワイヤスロットの長手方向に延在する細長いバネ部材の一部である、請求項27に記載の歯列矯正器具。
  31. 前記ラッチが近心側クリップと遠心側クリップとを有し、それらクリップの各々の形状が全体として略「C」字型である、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  32. 前記本体が近心側と遠心側とを有し、前記近心側クリップが該近心側に固定され、前記遠心側クリップが該遠心側に固定されている、請求項31に記載の歯列矯正器具。
  33. 前記本体が、略咬合−歯肉方向に延在するチャネルを有し、前記ラッチが、該チャネル内に収容される舌側部分を有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  34. 前記本体が、略近心−遠心方向に延在するチャネルを有し、前記ラッチが、該チャネル内に収容される舌側部分を有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  35. 前記器具が、近心側部分および遠心側部分を備えたアーチワイヤスロットライナを有し、前記ラッチが、該近心側部分に結合された近心側クリップと、該遠心側部分に結合された遠心側クリップとを有する、請求項16に記載の歯列矯正器具。
  36. 歯列矯正器具であって、
    該器具を歯に固着するためのベースと、
    該ベースから延出している本体と、
    略近心−遠心方向に該本体を横切って延在し、咬合側、歯肉側および舌側を有するアーチワイヤスロットと、
    アーチワイヤを該アーチワイヤスロット内に解放自在に保持するために該本体に接続されたラッチであって、前記アーチワイヤを該ラッチに対して該アーチワイヤスロットの舌側方向に押圧することにより、該アーチワイヤが該スロット内に進入できるようにスロット開放位置へ移動可能であり、該ラッチが該スロット開放位置に移動する間、該アーチワイヤスロットの該咬合側および該歯肉側が互いに対して静止状態にあるラッチと、
    を含む歯列矯正器具。
  37. 前記アーチワイヤスロットの前記咬合側および前記歯肉側が、前記本体に固定された複数の壁部により形成されている、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  38. 前記アーチワイヤスロットが、前記本体に対して不動である複数の壁部により形成された舌側を有する、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  39. 前記アーチワイヤスロットが、前記本体に対して移動可能である複数の壁部により形成された舌側を有する、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  40. 前記複数の壁部が、前記本体に接続された複数の可動タブの一部である、請求項39に記載の歯列矯正器具。
  41. 前記複数のタブが弾性を有する、請求項40に記載の歯列矯正器具。
  42. 前記アーチワイヤが前記スロット内に進入するにつれて、前記複数のタブが略舌方向に移動する、請求項40に記載の歯列矯正器具。
  43. 前記複数の壁部が、前記アーチワイヤスロットの長手方向に延在する細長いバネ部材の一部である、請求項39に記載の歯列矯正器具。
  44. 前記バネ部材が、近心側部分と、遠心側部分と、該近心側部分と該遠心側部分との間に位置する中間部分とを有し、該中間部分が、該近心側部分と該遠心側部分との唇頬側に位置する、請求項43に記載の歯列矯正器具。
  45. 前記バネ部材が、近心側部分と、遠心側部分と、該近心側部分と該遠心側部分との間に位置する中間部分とを有し、該中間部分が、該近心側部分と該遠心側部分との舌側に位置する、請求項43に記載の歯列矯正器具。
  46. 前記ラッチが、前記アーチワイヤを解放するために略頬唇方向へ外向きに移動可能である少なくとも1つのアーム部分を有する、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  47. 前記アーチワイヤが前記アーチワイヤスロット内に進入できるように、各アーム部分がさらに略舌方向へ内向きに移動可能である、請求項46に記載の歯列矯正器具。
  48. 前記器具を前記歯から略頬唇方向へ脱離するために必要な力の約半分未満である特定の最小値を超える力を、前記アーチワイヤが該略頬唇方向へ該器具に加えるときは、前記ラッチが移動して該アーチワイヤを解放する、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  49. 前記アーチワイヤが略頬唇方向へ前記器具に約2.3kgを超える力を加えるときは、前記ラッチが該略頬唇方向へ該アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放する、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  50. 前記本体が、略咬合−歯肉方向に延在するチャネルを有し、前記ラッチが、該チャネル内に収容される舌側部分を有する、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  51. 前記本体が、略近心−遠心方向に延在するチャネルを有し、前記ラッチが、該チャネル内に収容される舌側部分を有する、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  52. 前記器具が、近心側部分および遠心側部分を備えたアーチワイヤスロットライナを有し、前記ラッチが、該近心側部分に結合された近心側クリップと、該遠心側部分に結合された遠心側クリップとを含む、請求項36に記載の歯列矯正器具。
  53. 歯列矯正器具であって、
    該器具を歯に固着するためのベースと、
    該ベースから延出している本体と、
    略近心−遠心方向に該本体を横切って延在し、咬合側、歯肉側および舌側を有するアーチワイヤスロットと、
    アーチワイヤを該アーチワイヤスロット内に解放自在に保持するために該本体に接続されたラッチであって、前記アーチワイヤを該ラッチに対して該アーチワイヤスロットの舌側方向に押圧することにより、該アーチワイヤを該スロット内に進入できるようにスロット開放位置へ移動可能であり、該アーチワイヤが該アーチワイヤスロット内に押入れられるときに、該アーチワイヤスロットの該舌側が略舌方向に移動可能であるラッチと、
    を具備する歯列矯正器具。
  54. 前記アーチワイヤスロットの前記舌側が、略頬唇方向に付勢された複数の可動壁部により形成されている、請求項53に記載の歯列矯正器具。
  55. 前記アーチワイヤスロットの前記咬合側および前記歯肉側が、互いに対して不動であり、並列に延在している、請求項53に記載の歯列矯正器具。
  56. 前記器具を前記歯から略頬唇方向へ脱離するために必要な力の約半分未満である特定の最小値を超える力を、前記アーチワイヤが該略頬唇方向へ該器具に加えるときは、前記ラッチが移動して該アーチワイヤを解放する、請求項53に記載の歯列矯正器具。
  57. 前記アーチワイヤが略頬唇方向へ前記器具に約2.3kgを超える力を加えるときは、前記ラッチが該略頬唇方向へ該アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放する、請求項53に記載の歯列矯正器具。
  58. 歯列矯正器具であって、
    該器具を歯に固着するためのベースと、
    該ベースから延出し、近心側と遠心側とを有する本体と、
    略近心−遠心方向に該本体を横切って延在するアーチワイヤスロットと、
    アーチワイヤを該アーチワイヤスロット内に保持するスロット閉鎖位置と、該アーチワイヤを該アーチワイヤスロットから解放するスロット開放位置との間で移動可能なラッチであって、該本体の該近心側の近心に配置された近心側クリップと、該本体の該遠心側の遠心に配置された遠心クリップとを有するラッチと、
    を具備する歯列矯正器具。
  59. 各クリップの形状が全体として略「C」字型である、請求項58に記載の歯列矯正器具。
  60. 各クリップが、前記器具を前記歯から略頬唇方向へ脱離するために必要な力の約半分未満である特定の最小値を超える力を、前記アーチワイヤが該略頬唇方向へ該器具に加えるときは、該アーチワイヤを解放するために特定方向に移動可能である少なくとも1つのアーム部分を有する、請求項58に記載の歯列矯正器具。
  61. 前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に進入させるために、各アーム部分が前記特定方向とは反対の方向へさらに移動可能である、請求項60に記載の歯列矯正器具。
  62. 前記アーチワイヤが略頬唇方向へ前記器具に約2.3kgを超える力を加えるときは、前記ラッチが該略頬唇方向へ該アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放する、請求項61に記載の歯列矯正器具。
  63. 前記器具が、近心側部分および遠心側部分を備えたアーチワイヤスロットライナを有し、前記ラッチが、該近心側部分に結合された近心側クリップと、該遠心側部分に結合された遠心側クリップとを有する、請求項58に記載の歯列矯正器具。
  64. 歯列矯正器具であって、
    該器具を歯に固着するためのベースと、
    該ベースから延出している本体と、
    略近心−遠心方向に該本体を横切って延在するアーチワイヤスロットと、
    アーチワイヤを該アーチワイヤスロット内に保持するスロット閉鎖位置と、該アーチワイヤを該アーチワイヤスロットから解放するスロット開放位置との間で移動可能なラッチであって、スリーブと該スリーブ内を延在する弾性クリップとを有する少なくとも1つのアセンブリを備え、各スリーブが該本体にそれぞれ固定されているラッチと、
    を具備する歯列矯正器具。
  65. 前記本体が、近心側部分および遠心側部分を有し、前記ラッチが、該近心側の近心に配置された近心側クリップと、該遠心側の遠心に配置された遠心クリップとを有する、請求項64に記載の歯列矯正器具。
  66. 前記ラッチが、前記本体の近心側に固定された近心側スリーブと該本体の前記遠心側に固定された遠心側スリーブとを有し、前記近心側クリップが該近心側スリーブ内を延在し、前記遠心側クリップが該遠心側スリーブ内を延在する、請求項65に記載の歯列矯正器具。
  67. 各クリップが、前記器具を前記歯から略頬唇方向へ脱離するために必要な力を下回る特定の最小値を超える力を、前記アーチワイヤが該略頬唇方向へ該器具に加えるときに、該アーチワイヤを解放するために該略頬唇方向へ外向きに移動可能である少なくとも1つのアーム部分を有する、請求項66に記載の歯列矯正器具。
  68. 各アーム部分が、前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に進入させるように、略舌方向へ内向きにさらに移動可能である、請求項67に記載の歯列矯正器具。
  69. 各クリップが形状記憶合金から製造される、請求項64に記載の歯列矯正器具。
  70. 前記アーチワイヤが略頬唇方向へ前記器具に約2.3kgを超える力を加えるときは、前記ラッチが該略頬唇方向へ該アーチワイヤを前記アーチワイヤスロットから解放する、請求項64に記載の歯列矯正器具。
  71. 前記器具が、近心側部分および遠心側部分を備えたアーチワイヤスロットライナを有し、前記ラッチが、該近心側部分に結合された近心側クリップと、該遠心側部分に結合された遠心側クリップとを有し、請求項64に記載の歯列矯正器具。
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