JP2010028700A - 出力物作成方法、および出力物、出力物作成装置、プログラム - Google Patents

出力物作成方法、および出力物、出力物作成装置、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より視認性の高い出力物を得る方法を提供する。
【解決手段】ページデータ103をCMYK→CMY変換手段123により3色(CMY)のページデータに変換する。プリンタ490に合計インク使用量制限がある場合、変換後のイエロー(Y)成分の量を、シアン(C)、マゼンダ(M)より少なく制限するプロファイルを用い変換を行う。変換後、ドットパターン・ページデータ合成手段127によりブラック(K)の位置符号化ドットパターン101と合成し位置情報付き校正物データ431を得る。ネットワーク150を介して位置情報付き校正物データ431を校正用端末471に送り、プリンタ490で印刷する。印刷した位置情報付き校正出力物133紙上に光学読取機構付ペン481で校正指示を記入し、校正指示情報をネットワーク150を介して校正管理サーバ405に送る。
【選択図】図6

Description

本発明は、視認性の良好な出力物を得るための出力物作成方法、および出力物、出力物作成装置、プログラム、に関する。
出版物や広告等を扱う印刷業界では、印刷会社と、出版社や広告会社等のクライアント間で、印刷見本を校正する作業が繰り返し行われ、その後、印刷会社によって最終的な印刷物が出力される。
この校正作業は、従来、印刷会社が作成した印刷見本にクライアントが校正指示を記入し(赤入れし)、その校正指示に従って印刷会社が修正を加えるという形で行われてきた。
最近では、ページ記述言語(PDL:page description language)やネットワーク・システム等の発達により、リモートプルーフと呼ばれる遠隔地にいながらにして校正を行うシステムも開発されている。
すなわち、印刷会社が、ページ記述言語で記述された電子校正原稿をネットワークを介してクライアントに送信し、クライアントがこの電子校正原稿に校正指示を加えて、印刷会社へ返送する方法である。
リモート校正システムの一つとして、本出願人が以前に特許出願を行った、特許文献1に記載の、デジタルペンを利用した校正システムがある。これは、ページ上の位置を符号化したパターンが印刷された用紙にペンで記述した記述情報を、デジタルデータへ変換する仕組みをもつデジタルペンの特性を利用したものである。例えば、サーバと少なくとも一つのクライアント端末で構成されるデジタルペン校正システムにおいて、サーバ側で位置情報を符号化したパターンデータと印刷原稿ページデータを合成することにより位置情報付校正原稿データを作成する。一方のクライアント側では、位置情報付校正原稿データを印刷し、位置情報付校正原稿データ印刷物上にデジタルペンによって校正指示を加え、その校正指示情報をデジタルデータとしてサーバに送信する。サーバ側で、受信した校正指示情報と記憶手段で記憶しておく印刷原稿ページデータとを合成するといった流れで、ネットワークを利用した校正のやりとりを実現できる校正方法である。
特許文献1では、校正用のシステムが開示されているが、デジタルペンの特性を利用したシステムは、ページデータの内容によって、点検・メンテナンス業務、採点業務、申込受付業務など様々な業務に適用できるものである。
特開2008−17103号公報
特許文献1に記載の、デジタルペンを利用した校正システムは、紙校正原稿に手書き記入される校正データを容易に電子化することを可能とするとともに、印刷会社とクライアントをネットワークを介して接続し、校正処理のやりとりを自動化したシステムを提供することを可能とする、優れた効果を有する校正処理システムである。
しかしながら、上記デジタルペン校正システムにおいては、通常CMYK4色で構成される印刷原稿ページデータをCMY3色に変換する必要がある。これは後に墨版Kから構成されるパターンデータと合成処理するためである。その結果、このデジタルペン校正で出力される出力物は、印刷原稿ページデータ部分がCMY3色で再現されること、および、位置を符号化したパターンデータとの合成処理がなされること、の2つの理由から、特に極小文字において視認性が悪く、文字校正が困難となる欠点がある。
また、前述のような、デジタルペンを利用したほかのビジネスにおいても、上記過程は同じため、同様の問題を抱える。
本発明は、前述した問題点に鑑みて、特開2008−17103号公報記載の校正用出力物作成方法等を改良することによりなされたもので、その目的は、視認性の良好な出力物を得るための出力物作成方法等を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換する色変換ステップと、変換されたページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成する合成ステップと、位置情報付きページデータを印刷する印刷ステップと、を有することを特徴とする出力物作成方法であって、色変換ステップでは、印刷ステップにおいて合計インク使用量が制限される場合、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とする出力物作成方法である。
ページ識別情報とページ上の位置を符号化したパターン画像とは、例えば、多数のドットをページ上に配したものであり、例えば、6×6個のドットの位置関係によってページ上の位置やページの識別情報が符号化されている。このパターン画像を、赤外線を吸収するカーボンを含むブラック(K)で印画することとする。
一方、ページデータは元々シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色から成るが、合成した印画するドットパターンと識別できるように、赤外線を反射する3色(シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y))のページデータに変換しておく。この3色のページデータとブラック(K)のドットパターンを合成し、印画することにより、ページ識別情報と位置情報が印画された出力物が作成される。
以上の構成によれば、シアン(C)、マゼンダ(M)に比べ、濃度の低いイエロー(Y)成分の量を少なく抑える色変換を行うことで、濃度が高く、視認性の良好な出力物を得ることができる。
ここで、色変換ステップは、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、印刷ステップにおける合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトに対して適用されることとしてもよい。ここで、オブジェクトとは、ページデータに入力された線や図、図形、文字等を指す。上記の構成によれば、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、印刷ステップにおける合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトについて、濃度の低いイエロー(Y)成分の量を抑える色変換を行うことで、濃度が高く、視認性の良好な出力物を得ることができる。
また、色変換ステップは、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して適用されることとしてもよい。上記の構成によれば、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%(%は、網点面積率(網パーセント)の意であるが、今回は簡略化し、%と表記した。以下同様である。)のオブジェクトについて、濃度の低いイエロー(Y)成分の量を抑える色変換を行うことで、濃度が高く、視認性の良好な出力物を得ることができる。
前述した目的を達成するために第2の発明は、ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換し、変換されたページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成し、位置情報付きページデータを印刷することにより得られることを特徴とする出力物であって、変換する際には、印刷する際に合計インク使用量が制限される場合、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とする出力物である。
上記出力物上に、光学読取機構付きペンによって記入を行う。
光学読取機構付きペンは、ペンの先が触れた位置情報付きページデータの出力物にブラック(K)で印画されている位置情報に含まれるページ識別情報と、ペン先が描くストロークに関して位置情報付きページデータの出力物上の座標データからなる記述情報を検出する。
ページデータはシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の赤外線を反射する3色で、位置情報は赤外線を吸収するブラック(K)で印画されているので、何らかの情報を加えたい位置に光学読取機構付きペンで記入すると、書き込んだ位置のブラック(K)の画像が読み取られ、位置情報が検出される。これにより、書き込んだ記述情報ストロークの座標データと、ページ識別情報が検出される。
これらのデータは、ネットワークなどを通じて所定のサーバ等に送られる。
校正業務の場合、出力物は印刷原稿であり、出版社や広告会社等が校正指示を記入し、その校正データを印刷会社のサーバ等に送信することが可能である。
点検メンテナンス業務であれば、出力物は、ガス会社等の点検用の帳票であり、点検者が点検結果を記入し、点検データをガス会社等に送信することが可能である。また、採点業務であれば、出力物は問題用紙であり、回答が書き込まれた後、採点者が○×等の採点情報を記入し、採点データを送信することが可能である。
ここで、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の成分の合計インク量が、印刷する際の合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトに対して、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うこととしてもよい。
また、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うこととしてもよい。
前述した目的を達成するために第3の発明は、ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換する色変換手段と、色変換手段によって変換されたページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成する合成手段と、位置情報付きページデータを印刷する印刷手段と、を有する出力物作成装置であって、印刷手段において合計インク使用量が制限される場合、色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とする出力物作成装置である。
ここで、色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の成分の合計インク量が、印刷手段における合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトに対して変換を行うこととしてもよい。
また、色変換手段は、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して変換を行うこととしてもよい。
前述した目的を達成するために第4の発明は、コンピュータを、ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換する色変換手段と、色変換手段によって変換されたページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成する合成手段として機能させるためのプログラムであって、位置情報付きページデータを印刷する印刷手段において合計インク使用量が制限される場合、色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とするプログラムである。
ここで、色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、前記印刷手段における合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトに対して変換を行うものであってもよい。
また、色変換手段は、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して変換を行うものであってもよい。
本発明により、オブジェクトの濃度が高く、視認性の良好な出力物を得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態では、デジタルペンを用いるシステムの代表的なものと考えられる、校正業務にこれを適用する例を示す。
図1は、第1の実施形態に係る校正出力物作成装置100の機能構成図、図2は、校正出力物作成装置100のシステム構成図、図3は、校正出力物作成装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図1に示すように、校正出力物作成装置100は、ラスター・イメージ変換手段110、CMYK→CMY変換手段123、ドットパターン・ページデータ合成手段127、印刷手段130から成る。CMYK→CMY変換手段123およびドットパターン・ページデータ合成手段127は1つの処理システム120として実現される。
ラスター・イメージ変換手段110の入力は、例えばPS(PostScript(登録商標))、PDF(page
description format)、EPS(encapsulated
PostScript)等のページ記述言語(PDL:page
description language)による、文字・画像データであり、ラスター・イメージ変換手段110は、この入力データをプリンタやイメージセッタで出力可能なTIFF(Tagged Image File Format)等のビットマップ・データ(ラスター・イメージ)に変換する。
本実施例では、印刷原稿であるページデータPおよび位置符号化ドットパターンデータDを入力とし、それぞれのデータをラスター・イメージに変換し、ページデータP、位置符号化ドットパターンDに変換する。
ここで、位置符号化ドットパターンデータDは、ページ上の位置を複数のドットの位置の組合せで符号化したページ記述言語によるデータである。位置符号化ドットパターンについては、特許公表2003−508843公報に示されているので、ここでは、その詳細の記述を省略する。
CMYK→CMY変換手段123は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色からなるラスター・イメージ・データを、ブラック(K)以外の3色のラスター・イメージ・データに変換する。ここで、ブラック(K)は、赤外線を吸収するカーボンを含む色材であり、一方、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)は赤外線を反射する色材である。
CMYK→CMY変換手段123には、4色のページデータPが入力され、このデータをシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色のページデータPに変換する。これによって、印刷原稿であるページデータは、赤外線を反射する色材のみで、位置符号化ドットパターンDは赤外線を吸収するブラック(K)で構成される。
ドットパターン・ページデータ合成手段127は、印刷原稿のページデータPと位置符号化ドットパターンDを合成して、印刷原稿のページデータP上の位置を識別可能な合成データ129を生成する。
印刷手段130は、合成データ129をイメージセッタ、プリンタ等により印刷する。
図2は、校正出力物作成装置100のシステム構成図である。
図1で説明したラスター・イメージ変換手段110は、例えば、RIP装置(raster image processor)210で実現される。RIP装置210は、例えばPS(PostScript(登録商標))等のページ記述言語用インタプリタを記憶しておくROM(read only memory)等の記憶装置、ビットマップ・データへの変換に使用するRAM(random access memory)等の記憶装置、フォント等のアウトラインデータが格納されたハードディスク装置等の記憶装置、および、ページ記述言語用インタプリタを実行するためのCPU(central processing unit)からなるラスター・イメージ変換用のコンピュータ・システムである。
一方、CMYK→CMY変換手段123およびドットパターン・ページデータ合成手段127を実行する処理システム120は、制御部131、入出力インタフェース132、キーボード、マウス等の入力部135、ディスプレイ装置等の表示部137、ハードディスク装置等の記憶部139、通信制御装置、通信ポート等の通信部141からなる。
これらの各部はバス143に接続されている。
CMYK→CMY変換手段123およびドットパターン・ページデータ合成手段127は、プログラムとして、制御部131のROMまたは記憶部139に格納され、制御部131のCPUによって実行される。
入出力インタフェース132は、RIP装置210やプリンタ130等の外部装置の入出力制御を実行する。
入力部135は、キーボードやマウス等の入力機器の制御を行う。
表示部137は、ディスプレイ装置等の出力機器の制御を行う。
さらに、通信部141は、例えば、インターネット等のネットワーク150に接続するための通信ポートや通信制御装置からなる。
次に、図3に沿って、位置情報付き校正出力物作成処理の流れを説明する。また、図4は、位置情報付き校正出力物作成の説明図である。
まず、RIP装置210にPS、PDF形式等のページ記述言語による位置符号化ドットパターンD101を取り込み、ラスターデータD111に変換する(ステップ301)。
位置符号化ドットパターンD101は、印刷原稿ページデータ103と同寸法の紙面上に、紙面上の位置を、図4の301および303に示すようなブラック(K)のドットの組で符号化したPS、PDF形式等のページ記述言語によるデータである。
図4では、301および303の部分のドットを示しているが、実際には、同様の位置を符号化したドットが紙面上全体に配置されている。
RIP装置210は、位置符号化ドットパターンD101をラスターデータに変換し、ブラック(K)のTIFF(tagged image file format)データの位置符号化ドットパターンD111を出力する。
次に、RIP装置210にPS、PDF形式等のページ記述言語による印刷原稿ページデータP103を取り込み、ラスターデータP113に変換する(ステップ302)。
印刷原稿ページデータP103は、例えば、印刷会社にクライアントが持ち込む出版原稿、広告原稿等の印刷原稿で、ページ記述言語で記述されている。
RIP装置210は、印刷原稿ページデータP103をシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色からなるラスターデータに変換し、4色(CMYK)のTIFFデータの印刷原稿ページデータP113を出力する。
印刷原稿ページデータには、図4に示すように、最終的な製品となる原稿のほか、位置合わせ用のトンボや、ページ番号等のページ識別用の情報が含まれている。
次に、4色(CMYK)のTIFFデータの印刷原稿ページデータP113が処理システム120に入出力インタフェース132を介して入力される。
制御部131は、ROM等に格納されているCMYK→CMY変換用プログラムを起動し、4色(CMYK)のTIFFデータの印刷原稿ページデータP113を3色(CMY)のTIFFデータP125に変換し(ステップ303)、RAMまたはハードディスク装置等の記憶部139に格納する。
CMYK→CMY変換は、ICCプロファイルを用いて行う。この場合、入力プロファイルはCMYK→Lab変換が可能なプロファイルを、出力プロファイルはLab→CMY変換が可能なプロファイルを準備する。ただし、CMYK→CMY変換が可能であれば、例えば、デバイスリンクプロファイル等、その変換手法は問わない。また、ブラック(K)の成分を、適切にシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の成分に加算し、CMYKによる表現色とほぼ同等の色を実現するように、CMYK-RGB変換、CMYK−逆UCR変換等も使用することができる。
ここで、出力するプリンタに合計インク使用量制限がある場合は、文字や細線など、4色(CMYK)の印刷原稿ページデータP113においてブラック(K)100%で構成されるオブジェクトについては、CMYK→CMY変換の際に、シアン(C)、マゼンダ(M)よりもイエロー(Y)成分の量を少なく制限する変換を行うようにしておく。
これを以下説明する。
印刷原稿において、重要な部分の一つが文字である。4色(CMYK)のページデータにおいては、文字はブラック(K)100%として構成される場合が多い。
4色(CMYK)のページデータP113においてブラック(K)100%の文字をCMY3色変換すると、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)でブラック(K)100%と同等の色を表現するべく変換が行われる。
よって、ブラック(K)100%であった文字は、3色(CMY)のページデータP125において、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各成分の量が大きい値(例えば100%)の文字として構成されることになる。
ところが、プリンタにおいて、印刷品質その他の理由により、合計インク使用量が制限されている場合がある。この制限は、各色のインクの合計使用量が240%を超えないようにする、などである。
しかし、色変換後の文字部分については、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各成分の合計インク量が大きくなる。
例えば、色変換後の文字部分について、CMY各成分の量が100%として構成されるとすると、合計インク量は300%となる。
合計インク使用量制限が240%の場合、これを60%分超えることになる。
よって、各色の成分の量を調整する必要がある。
図5は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)各成分の量の調整を示したものである。
従来、プリンタ490に合計インク使用量制限がある場合には、合計インク使用量制限を超える分については、各色から等分に減らすといったことが行われてきた。これを図5(a)に示す。
すなわち、合計インク使用量制限が240%であるのに対し、CMY各成分の合計インク量が300%である場合、超過分60%を各色から等分に減じるので、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の成分の量から20%ずつ引かれていた。
よって、出力の際には、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の成分の量が各80%となる。
しかしながら、この場合、出力物の文字については、視認性が低いという状況があった。
ここで、シアン(C)、マゼンダ(M)に比較してイエロー(Y)の濃度は低いため、合計インク量が同じであっても、イエロー(Y)の成分の量がシアン(C)、マゼンダ(M)と等量またはそれ以上あるときより、イエロー(Y)の成分の量がシアン(C)、マゼンダ(M)に比較して少ないときのほうが、濃度は高くなる。
そこで、出力物の文字の濃度を高め、視認性を向上させるために、従来のように、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の成分の量を等分に減じるのではなく、イエロー(Y)の成分の量を減じることで、合計インク量を減じる方法が考えられる。
これを図5(b)に示す。
すなわち、合計インク使用量制限が240%であるのに対し、CMY各成分の合計インク量が300%である場合、超過分60%をイエロー(Y)成分から減じる。
よって、出力の際には、シアン(C)、マゼンダ(M)成分の量は100%のままであるが、イエロー(Y)成分の量が40%となる。
結果、従来に比べ、濃度の低いイエロー(Y)成分の量が少なく構成されるので、合計インク量が同じであっても、文字部分の濃度が高く、視認性の高い出力物が得られるようになる。
方法としては、CMYK→CMY変換手段123においてICCプロファイルを用いる場合、変換後のイエロー(Y)成分の量がシアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少なくなる変換を行うプロファイルを作成することが考えられる。
その作成方法は、所望の結果が得られる測定値を作成し、ICCプロファイルを作成する方法、あるプロファイルにおいて、ブラック(K)100%の色を変換する部分を、所望の結果となるように操作する方法が考えられる。また、プロファイル調整ツールなどで所望の結果となるようプロファイルを調整することも考えられる。
本実施形態では、4色(CMYK)の印刷原稿ページデータP113においてブラック(K)100%で構成されるオブジェクトを色変換する例について示したが、これに限らず、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、印刷する際の合計インク使用量制限を超える全てのオブジェクトに対して本変換手法を適用することも可能である。
図3に沿った、位置情報付き校正出力物作成処理の流れの説明に戻る。
次に、処理システム120にRIP装置210の出力である位置符号化ドットパターンD111を入出力インタフェース132を介して入力する。
制御部131は、ROM等に格納されているドットパターン・ページデータ合成用プログラムを起動し、位置符号化ドットパターンD111と3色(CMY)のページデータTIFFデータP125を合成し、合成データP+Dを生成し(ステップ304)、RAMまたはハードディスク装置等の記憶部139に格納する。
合成データP+D129は、TIFFデータのままでもよいし、再び、PS、PDF等のページ記述言語形式に変換してもよい。
次に、制御部131は、プリンタ130を起動し、記憶部139に格納されている合成データP+Dを印刷する(ステップ305)。
図4に示すように、プリンタ130によって印刷された位置情報付きページデータ133には、印刷原稿ページデータ125の内容がシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の赤外線を反射する3色で印画され、位置符号化ドットパターン111が赤外線を吸収するブラック(K)で印画される。
位置符号化ドットパターンはブラック(K)で印画されるが、301、303に示すように、例えば、約2mm角に6×6個程度の細かいドットが配されており、印画紙面が全体として少しグレーを帯びるが、校正用の印画出力として十分に使用することができる。
また、図4に示すように、位置符号化ドットパターンは、位置情報付きページデータ133の紙面全体に配されている。
以上のように、校正出力物作成装置100により位置情報付きページデータ133が生成される。
以上の第1の実施例の校正出力物作成装置100では、PDF、PS、EPS形式等のページ記述言語による位置符号化ドットパターンデータDをラスター・イメージ変換手段110によりTIFF等のビットマップ・データに変更し、その後、ドットパターン・ページデータ合成手段127により、ページデータPとの合成を行ったが、ページ記述言語による位置符号化ドットパターンデータDを、ラスター・イメージ変換手段110により変換することなく、ページ記述言語形式のままドットパターン・ページ合成手段127により合成してもよい。
この場合、ページデータは、CMYK→CMY変換手段123による変換(ステップ303)後、TIFFデータからPS、PDF形式等のページ記述言語形式のページデータP’に再変換する。
これにより、ページ記述言語形式の位置符号化ドットパターンデータDとページ記述言語形式のページデータP’をドットパターン・ページデータ合成手段127により合成し、ページ記述言語形式の合成データP’+Dを得る(ステップ304)。
この場合、合成データP’+Dはページ記述言語形式だが、印刷を行うプリンタの種類等によっては、TIFF形式等のビットマップ・データに変換してから印刷してもよい。
通常、校正出力物作成装置100は印刷会社に存在し、印刷会社で作成された位置情報付きページデータ133が、クライアントに渡され、これを使用して校正処理が実施される。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の校正出力物作成装置100を使用した校正処理システム400である。
図6は、校正処理システム400のシステム構成図、図7は、校正処理システム400の処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、校正処理システム400は、ネットワーク150を介し、印刷会社側のシステムとクライアント側のシステムが接続された構成を採る。
印刷会社側のシステムは、第1の実施形態で説明した校正出力物作成装置100と、校正管理サーバ405、データベース450、端末460等からなる。
一方、クライアント側のシステムは、少なくとも1台の校正用端末1(471)からなる。校正用端末1(471)にはプリンタ490および光学読取機構付きペン481が接続されている。また、クライアント側に複数の校正用端末(472、473等)を設けてもよい。
印刷会社側の校正管理サーバ405は、図2の処理システム120と同様のコンピュータ・システムで構成される。
すなわち、制御部131、入出力インタフェース132、入力部135、表示部137、記憶部139、通信部141がバス143で結合された構成を採る。
校正管理サーバ405の制御部131は、制御部131が有するROM等の記憶部に記憶されたCMYK→CMY変換123、ドットパターン・ページデータ合成127、出力データ変換410、データ送信手段430、校正データ・ページデータ合成手段440等のプログラムを実行するとともに、入出力インタフェース132、入力部135、表示部137、記憶部139等の制御を行う。
校正管理サーバ405は、通信部141を介してネットワーク150に接続されており、これもネットワーク150に接続されているクライアント側の校正用端末471、472、473との間でデータ通信を行うことが可能である。
また、校正管理サーバ405にはデータベース450が接続されており、印刷原稿ページデータ451等が格納されている。データベース450については後述する。
位置情報付き校正出力物作成処理は、第1の実施形態の場合と同様に、図3に示した処理の流れに沿って実行される。
すなわち、RIP110に、PDF、PS等のページ記述言語形式の位置符号化ドットパターンD101と、クライアントによって作成されたPDF、PS等のページ記述言語形式の印刷原稿ページデータP103が入力され、それぞれ、ラスターデータ(D、P)に変換される(ステップ301、302)。
次に、ラスターデータの印刷原稿ページデータP113がCMYK→CMY変換手段123により、CMYKの4色からCMYの3色のデータに変換され、CMY−TIFFの印刷原稿ページデータP125が生成される(ステップ303)。
変換の際、出力用のプリンタに合計インク使用量制限がある場合は、文字や細線など、4色(CMYK)の印刷原稿ページデータP113においてブラック(K)100%で構成されるオブジェクトについては、CMYK→CMY変換の際に、イエロー(Y)成分の量をシアン(C)、マゼンダ(M)より低く制限するプロファイルを用いた変換を行うようにしておく。
さらに、ブラック(K)の位置符号化ドットパターン111と、CMY−TIFFの印刷原稿ページデータP125が、ドットパターン・ページデータ合成手段127により合成され、合成データ(P+D)が生成される(ステップ304)。
第2の実施形態では、合成データ(P+D)をクライアント側に送ることにより、校正処理を実施するシステムである。
次に、校正処理システムの処理の流れを、図7に沿って説明する。
まず、制御部131は、合成データ(P+D)を出力データ変換プログラム410により所望の形式に変換する(ステップ601)。TIFF形式等ビットマップ・データであってもよいし、PS、PDF等のページ記述言語形式であってもよい。ページ記述言語形式のデータの場合、データ容量を削減することが可能である。
また、雑誌等複数のページからなる校正用出力物をまとめてクライアントに送るようにしてもよい。
この場合、各ページの印刷原稿ページデータ125に異なる位置符号化ドットパターン111が合成される。すなわち、各ページに異なるドットパターンが印刷されることになる。
各印刷原稿ページデータ125と合成されるドットパターンの種類は、ページデータとドットパターンを関連付けるデータ453としてデータベース450に格納される。また、CMYKおよびCMYの印刷原稿ページデータ113、125もページデータ451としてデータベース450に格納されている。
次に、制御部131は、通信部141を制御し、所望の形式に変換された合成データ(P+D)である位置情報付き校正物データ431を、ネットワーク150を介してクライアントの校正用端末1(471)に送る(ステップ602)。
校正用端末1(471)は、受信した位置情報付き校正物データ431をプリンタ490により印刷する(ステップ603)。
図4に示したような位置情報付きページデータ133が出力される。
クライアントは、この位置情報付きページデータ133を見て、校正用端末1(471)、2(472)に付属している光学読取機構付きペン481、482を使用して、校正すべき部分に校正指示を書き込む(ステップ604)。
図8は、校正指示の書込み例を示す図、図9は、校正指示の説明図である。
図9(a)に示すように、光学読取機構付きペン481は、通常のボールペン等の筆記機能を持つとともに、CCDセンサ711を備える。通常のボールペンを使用して紙面上に文字等を書くと、例えば、ペンが接触している部分715(読取部分)の画像をCCDセンサ711が読み取る。CCDセンサ711は、赤外線センサ等であってもよい。
光学読取機構付きペン481は、そのほか、プロセサ721、メモリ723、バッテリ725等を有する。
例えば、アノト(登録商標)社の「アノトデジタルペン」等を使用することができる。
例えば、図8に示すように、クライアントが、位置情報付き校正出力物133の紙面上に、校正入力501、502、503のように光学読取機構付きペン481で校正指示を書き込むことができる。
校正入力501は、「特集」から始まる行を1文字分下げるよう校正記号で示している。また、校正入力502は、囲んだ部分の文字フォントを10ptにする指示である。また、校正入力503は、「このところ」という文字を削除(トルツメ)するよう指示している。
クライアントが、このように校正指示を位置情報付き校正出力物133の紙面上に書き込む際、光学読取機構付きペン481のCCDセンサ711は、ペンが接触している部分715(読取部分)の画像を読み取る。CCDセンサ711は、紙面上のCMYで印画された印刷原稿の図柄とともに、ブラック(K)で印画された位置符号化ドットパターンを読み取る。
ブラック(K)の画像のみを抽出すると、図9(a)の読取部分拡大図717に示したようなドットパターンが得られる。
このドットパターンには、このページデータのページを識別する情報と、紙面上での位置(座標)が符号化されており、光学読取機構付きペン481のプロセサ721は、ドットパターンからページ識別情報731と紙面上の位置(座標)を復号して求め、そのデータをメモリ723に格納する。
図9(b)は、メモリ723に格納される校正データの構造の例を示している。
校正データ433は、ページ識別情報731と校正情報733からなる。
ページ識別情報731は、各ページデータ125に重ねられたドットパターンの種類を示す情報である。
校正情報733は、例えば校正指示501、502、503の校正データ751、752、753である。
各校正データ501は、クライアントが書き込んだ校正指示のストロークの座標データの時系列サンプル(座標データ1(771)、座標データ2(772)、座標データ3(773)・・・・)である。
クライアントが光学読取機構付きペン481を校正用端末471のペン立てに戻すと、ペン481内のメモリ723に蓄えられた校正データ433がUSB(universal system bus)あるいはBluetooth(登録商標)経由で校正用端末471に送られ、校正用端末1は、ネットワーク150を介して、校正データ433を校正管理サーバ405に送信する(ステップ605)。
校正管理サーバ405は、校正データ433を受信する(ステップ606)。
制御部131は、校正データ・ページデータ合成手段を実施するプログラムを起動し、校正データ433のページ識別情報731をキーにデータベース450のドットパターン関連付けデータ453を検索し、当該ドットパターンを合成した印刷原稿ページデータを抽出する(ステップ607)。
制御部131は、該当する印刷原稿ページデータをデータベース450のページデータ451から取り込む(ステップ608)。
そして、取り込んだページデータ451に、受信した校正データ433の各校正データ501、502、503のストローク情報を加える。
これにより、校正指示情報が印刷原稿ページデータに付加されたページデータ435が得られる(ステップ609)。
制御部131は、通信部141(データ送信手段430)を制御し、校正入りデータ435をネットワーク150を介してクライアント側の校正用端末に送信する(ステップ610)。クライアント側の複数の校正用端末(471、472、473・・・)に送信するようにしてもよい。
クライアント側の校正用端末471、472、473は、受信した校正入りデータ435を、例えば、ディスプレイ上に表示する(ステップ611)。
これにより、クライアントは、紙面上で指示した校正内容を、ディスプレイ上で、印刷原稿ページデータとともに確認することができる。また、複数の校正用端末上で複数のクライアントが同時に校正指示内容を確認することも可能である。
クライアントにより校正指示内容確認後、校正管理サーバ405側の端末460は、元のページデータ451に対して、校正指示に従ったページデータ451の修正を行う。
修正処理後のページデータは、再び、ページデータ103として校正処理システム400(校正出力物作成装置100)の入力となる。
以上の処理を繰り返すことにより、最終的に校了済みのページデータが作成され、最終的な印刷処理が実行される。
以上のような校正処理システム400により、クライアントは校正原稿紙面上にペンで書きこむことによる校正指示が可能になる。モニタ上での校正入力に比べて細かな校正指示を容易に行える。
また、従来、紙面上に赤字で記入した校正出力物は、印刷会社に陸送されていたが、本発明により、校正指示内容を電子化することが可能になり、インターネット経由で校正指示内容を印刷会社に送ることにより、時間と輸送コストの削減が可能になる。また、元の印刷原稿ページデータと校正指示内容を合成することにより、印刷会社側およびクライアント側で校正指示内容を正確に表示することが可能になる。
以上に説明した第2の実施形態による校正処理システム400では、位置符号化ドットパターン101とページデータ103の双方をRIP110によりラスター変換したが、位置符号化ドットパターン101は、RIP110を通さずに、PS、PDF等のページ記述言語形式のままドットパターン・ページデータ合成127に入力するようにしてもよい。
この場合、ラスター変換されたページデータ103は、CMYK→CMY変換123後、ページ記述言語形式に変換され、ドットパターン・ページデータ合成127において、ページ記述言語形式の位置符号化ドットパターン101と合成される。
また、以上に説明した第2の実施形態による校正処理システム400では、ラスター変換を実行するRIP110としてハードウエアRIPを想定したが、校正管理サーバ405側に設けた端末(端末460でもよい)でGhostScript等のプログラムによりラスター変換処理を実施してもよい。
さらに、第2の実施形態による校正処理システム400では、CMYK→CMY変換123およびドットパターン・ページデータ合成127を校正管理サーバ405で行う構成を採ったが、これらも、校正管理サーバ側に設けた端末(端末460でもよい)に予め格納されたプログラムにより実行してもよい。
以上の実施形態では、校正業務に本発明に係る出力物作成方法等を適用する例を示したが、前述のように、本発明に係る出力物作成方法等は、ページデータの内容によって、様々な業務にこれを適用することができる。例えば、作成するページデータの内容をガス会社等の点検用帳票とし、この出力物を持って点検員が点検を行い、点検結果を光学読取機構付きペンで書き込む。書き込んだ点検データをガス会社にネットワークを介して送信すれば、リアルタイムで作業報告の確認等行えるようになる。また、作成するページデータの内容をテスト用紙とし、鉛筆等で解答が書き込まれた後、光学読取機構付きペンで○、×等の採点を行う。その後採点データを送信すれば、送信先で採点データに基づく平均点や偏差値の算出を簡易にそして迅速にすることができるようになる。
本発明の校正用出力物作成方法の実施例として、ブラック(K)100%で構成される文字に対し、CMYK→CMY変換後のイエロー(Y)成分の量が下記条件の値となるように任意のICCプロファイルを調整し、色変換を実施した後、合計インク使用量制限のあるプリンタで出力を行った。色変換後のシアン(C)成分の量は100%に、マゼンダ(M)成分の量は99%に固定した。
条件1:シアン(C)100%、マゼンダ(M)99%、イエロー(Y)98%
条件2:シアン(C)100%、マゼンダ(M)99%、イエロー(Y)80%
条件3:シアン(C)100%、マゼンダ(M)99%、イエロー(Y)70%
条件4:シアン(C)100%、マゼンダ(M)99%、イエロー(Y)60%
条件5:シアン(C)100%、マゼンダ(M)99%、イエロー(Y)40%
CMYK→CMY変換後、出力を行う出力プリンタにはOKI(登録商標)製MicroLine(登録商標)9600PSを、出力用紙にはFujizerox製J紙を用いた。プロファイルの作成はGretagMacbeth製のProfileMakerPro4.1.5を用いて行った。プロファイルの調整はKodak(登録商標)製Colorflow(登録商標)を用いて行った。
出力プリンタの合計インク使用量制限は240%とした。
よって、条件5を除く全条件で、合計インク量が出力プリンタの合計インク使用量制限を超えたため、プリンタ出力の際に、シアン(Y)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)各成分の量の調整が従来どおりに行われた。つまり、合計インク使用量制限を満たす分だけ、各成分のインク量から等量ずつ減じられた。
すなわち、条件1の場合、合計インク量は297%となるため、出力プリンタの合計インク使用量制限240%を満たすべく、イエロー(Y)を含む各成分の量は19%ずつ減じられ、それぞれ約80%の状態で出力された。
また、条件2では、各成分の量は13%ずつ減じられ、シアン(C)が87%、マゼンダ(M)が86%、イエロー(Y)が67%の状態で出力された。
同様に、条件3、4では、イエロー(Y)成分の量はそれぞれ約60%、約54%の状態で出力された。
一方、条件5では、合計インク量が出力プリンタの合計インク使用量制限以下に収まったため、イエロー(Y)を含む各成分の量は調整されず、そのまま出力された。
よって、出力時の合計インク量はほぼ同じであったが、条件1から条件5にゆくに従って、出力時のイエロー(Y)成分の量は少なくなることになった。
図10に、ブラック(K)100%で構成される文字を上記各条件のもとでCMYK→CMY変換し、出力した結果を示す。図は、条件1から条件5で、色変換後のY成分の量(出力時の量ではない)、出力物の文字の視認性、文字拡大図、濃度、色バランスの結果について記載をしたものである。ここで、濃度は、ブラック(K)100%について、各条件の色変換を行った後、出力を行ったカラーチャートの光学濃度を測定したものである。
結果より、出力された文字については、合計インク量はほぼ同じであるが、イエロー(Y)成分の量の減少とともに濃度が上昇すること、イエロー(Y)成分の量の減少とともに文字の視認性が向上すること、イエロー(Y)成分の量の減少とともに文字の青みが強くなり、色バランスが崩れること、がわかった。
よって、プリンタの合計インク使用量制限がある場合、視認性の良好な出力物を得るには、CMYK→CMY変換を実施する場合に、イエロー(Y)の成分の量をシアン(C)、マゼンダ(M)成分より少なく制限する本変換手法が有効な手段であることがわかった。ただし、イエロー(Y)成分の量の減少とともに文字の色バランスが崩れる(青みが強くなる)ため、例えば出力プリンタの合計インク使用量制限が240%の場合、色バランスを考慮すれば、イエロー(Y)成分の制限は60%〜70%程度が好適であると考えられる。ただし、文字の色バランスを考慮しない場合はこの限りでなく、変換後のイエロー(Y)成分の量を0%から60%の範囲で制限し、文字の濃度を上昇させ、視認性を高めることができる。
今回、色変換の実施は、ブラック(K)100%の文字について行ったが、変換後のイエロー(Y)成分の量をシアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少なく制限する変換プロファイルによる校正用出力物作成方法は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、CMYK→CMY変換後の合計インク量が、使用出力機の合計インク使用量制限を越える全てのオブジェクトについて適用することもできる。対象オブジェクトの濃度を上昇させ、視認性を向上させたい場合には有効な方法である。
また、今回はデジタルペン校正システムを例に挙げたが、その他3色(CMY)で文字等視認性の要求される対象物を再現する場合には、本発明は有効である。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る校正用出力物作成方法等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施形態に係る校正出力物作成装置100の機能構成図 校正出力物作成装置100のシステム構成図 校正出力物作成装置の処理の流れを示すフローチャート 位置情報付き校正出力物作成の説明図 シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)各成分の量の調整を表す図 本発明の第2の実施形態に係る校正処理システム400のシステム構成図 校正処理システム400の処理の流れを示すフローチャート 校正指示の書込み例を示す図 校正指示の説明図 ブラック(K)100%の文字をCMYK→CMY変換し、合計インク使用量制限のあるプリンタで出力した結果を示す図
符号の説明
100………校正出力物作成装置
101………位置符号化ドットパターン
103………ページデータ
120………処理システム
123………CMYK→CMY変換手段
127………ドットパターン・ページデータ合成手段
133………位置情報付き校正出力物
150………ネットワーク
400………校正処理システム
405………校正管理サーバ
431………位置情報付き校正物データ
440………校正データ・ページデータ合成手段
450………データベース
471………校正用端末1
481………光学読取機構付きペン
490………プリンタ

Claims (12)

  1. ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換する色変換ステップと、
    変換された前記ページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成する合成ステップと、
    前記位置情報付きページデータを印刷する印刷ステップと、
    を有することを特徴とする出力物作成方法であって、
    前記色変換ステップでは、前記印刷ステップにおいて合計インク使用量が制限される場合、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とする出力物作成方法。
  2. 前記色変換ステップは、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、前記印刷ステップにおける合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトに対して適用されることを特徴とする請求項1に記載の出力物作成方法。
  3. 前記色変換ステップは、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して適用されることを特徴とする請求項1に記載の出力物作成方法。
  4. ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換し、
    変換された前記ページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成し、
    前記位置情報付きページデータを印刷することにより得られることを特徴とする出力物であって、
    前記変換する際には、前記印刷する際に合計インク使用量が制限される場合、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とする出力物。
  5. 変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、前記印刷する際の合計インク使用量制限を超える全てのオブジェクトに対して前記変換が行われることを特徴とする請求項4に記載の出力物。
  6. 変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して前記変換が行われることを特徴とする請求項4に記載の出力物。
  7. ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換する色変換手段と、
    前記色変換手段によって変換された前記ページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成する合成手段と、
    前記位置情報付きページデータを印刷する印刷手段と、
    を有する出力物作成装置であって、
    前記印刷手段において合計インク使用量が制限される場合、前記色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とする出力物作成装置。
  8. 前記色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、前記印刷手段における合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトに対して変換を行うことを特徴とする請求項7に記載の出力物作成装置。
  9. 前記色変換手段は、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して変換を行うことを特徴とする、請求項7に記載の出力物作成装置。
  10. コンピュータを、
    ページデータを、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色に変換する色変換手段と、
    前記色変換手段によって変換された前記ページデータと、ページ識別情報とページ上の位置を符号化したブラック(K)によるパターン画像とを合成し、位置情報付きページデータを作成する合成手段として機能させるためのプログラムであって、
    前記位置情報付きページデータを印刷する印刷手段において合計インク使用量が制限される場合、前記色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限し、シアン(C)、マゼンダ(M)成分よりも少ない量とするプロファイルを用いた変換を行うことを特徴とするプログラム。
  11. 前記色変換手段は、変換後のイエロー(Y)成分の量を制限しないで変換を行う場合、変換後のシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分の合計インク量が、前記印刷手段における合計インク使用量制限を超える、全てのオブジェクトに対して変換を行うものであることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
  12. 前記色変換手段は、変換前のページデータにおける、ブラック(K)100%で構成されるオブジェクトに対して変換を行うものであることを特徴とする、請求項10に記載のプログラム。
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