JP2010027742A - 転写用紙、その製造方法、有機薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の転写用紙は、原紙面上に遅水性再湿糊層と速水溶性再湿糊層とを含む転写用紙基材と、導電性材料を含有するパターン形成層と、保護部材により形成されるオーバーコート層と、を有し、オーバーコート層形成後の王研式平滑度が1000秒以上である。この転写用紙に水を与え、前記糊層を溶解させ、フレキシブルフィルム等に接触させることで転写し、有機薄膜トランジスタを製造する。
【選択図】図1
Description
転写用紙の平滑度は、王研式透気平滑度試験機KY−55型(熊谷理機株式会社製)を用いた。
25℃における粘度は、VISCOMATE VM-150III型(東機産業社製)にて測定した。
25℃における表面張力は、Kyowa Interface Science CBVP-Z型(協和界面科学社製)にて測定した。
導電性パターン形成層の比抵抗値は、三菱MC−T400、4深針プローブ(ダイアインスツルメンツ社製)により測定した。
転写紙基材1:
広葉樹(L-BKP100%)をヤンキー抄紙機にて抄造し原紙を作成した。この原紙に軽質炭酸カルシウム分散液を塗布させた後、遅水性再湿糊としてカルボキシセルロース:ポリビニルアルコール=1:1混合溶液を塗工乾燥した。次に速水性再湿糊である黄色デキストリンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体混合液を塗工し、スーパーカレンダーにて表面処理を施し転写紙基材1とした。この転写紙基材の平滑性は800秒であった。
転写紙基材1の原紙の代わりにPETフィルム(平滑度が3000秒以上)を用い、転写紙基材1に用いた遅水性再湿糊と速水性再湿糊を塗工し、スーパーカレンダーにて表面処理を施し転写紙基材2とした。この転写紙基材の平滑性は3000秒であった。
導電性パターン形成層用インク液1:
アルバックマテリアル社製の金ナノメタルインク(Au1TeH)に1−ブタノールを添加することで25℃における粘度が12mPa・s、表面張力が22N/mのインク液に調整した。この金粒子のサイズを電子顕微鏡で測定したところ、平均粒径は5nmであった。液の一部を蒸発乾固させた結果、この液の固形分濃度は64wt%であった。このインク液を導電性パターン形成層インク1とした。
過塩素酸銀のエタノール溶液(10mM)500mlにビス(1,1−トリメチルアンモニウムデカノイルアミノエチル)ジスルフィド15gを加え、激しく撹拌しながら水素化ホウ素ナトリウム溶液(0.8M)300mlをゆっくり滴下してイオンを還元し、4級アンモニウムで被覆された銀粒子の分散液を得た。この分散液を濃縮しテトラデカンにて希釈することで固形分濃度67wt%の液に調整した。このインク液は、25℃における粘度が16mPa・s、表面張力は28N/mであった。この銀粒子のサイズを電子顕微鏡で測定したところ、平均粒径は350nmであった。このインク液を導電性パターン形成層インク2とした。
オーバーコート層液1:
プロピレングリコールモノメチルエーテルにポリビニルフェノール樹脂をその固形分が 11.5wt%になるように溶解し、これをオーバーコート層液1とした。
十条ケミカル社製の熱硬化型液(銘柄:MIG-N)をテトロン溶媒にて20%希釈した。これをオーバーコート層液2とした。
リコープリンティングシステム社製インクジェット装置に導電性パターン形成層インク1を装填し、転写紙基材1の中央から左右併せて10cmの部分に長さ10cmの直線パターンを63μmピッチにて形成させた。その後280℃で30分間インクを乾燥(第一乾燥)させた後、パターン層の一本を任意に選択し比抵抗値を測定したところ4.5×10-6Ω・cmと良好な値を示した。比抵抗値測定後、スピンコーターにてオーバーコート層液1をコーティングした。100℃で30分間乾燥(第二乾燥)させ、この転写用紙の直線パターン部を含む12cm2四方を切り取り、その平滑度を測定した。次にこの転写紙に水を与えPETフィルムに転写させた。その結果良好な転写物を得ることができた。この転写用紙の平滑度は1800秒であった。
実施例1の導電性パターン形成層インク1をインク2にする以外は実施例1と同様の方法にてパターン層の一本を任意に選択し比抵抗値を測定した。その結果1.8Ω・cmという高い値を示した。その後実施例1と同様の処理を施し、第二乾燥条件を400℃、1時間にして実施例1と同様の方法にて平滑度を測定したところ50秒であった。
比較例1の第一乾燥温度と時間を400℃1時間にする以外は比較例1と同様の方法にて比較例1と同様の方法にてパターン層の一本を任意に選択し比抵抗値を測定した。その結果3.8×10-6Ω・cmと良好な値を示した。その後、実施例1と同様の方法にて転写を行った結果良好な転写物を得ることができた。この転写用紙の平滑度は1400秒であった。
実施例1と同様の方法にて転写紙基材1の中央から左右併せて10cmの部分に長さ10cmの直線パターンを63μmピッチにて形成させた。その後300℃で30分間インクを乾燥(第一乾燥)させた後、この転写用紙の直線パターン部を含む12cm2四方を切り取りCVD法にて窒化酸化珪素膜(SiON)を蒸着させた後オーバーコート層液2を用い、実施例1と同様の方法で転写用紙を作成し、その平滑度を測定した。次にこの転写紙に水を与えPETフィルムに転写させた結果、この転写用紙も良好に転写することができた。この転写用紙の平滑度は2300秒であった。また、実施例1と同様の密着試験も良好であった。
転写紙基材2を用い、実施例1と同様の方法でオーバーコート処理までを行った。なおパターン層の比抵抗値は4.1×10-6Ωと良好でかつ平滑度も3300秒と良好であった。しかし、これに水を与え実施例1と同じ要領にて転写させようとしても転写基材1を用いた実施例1では分離したが転写基材2を用いると分離させるこいとができなかった為、転写が行えなかった。
実施例1と同様の方法にて得られたPETフィルム転写物の上に実施例2で得られた転写用紙を実施例1と同様の方法で転写したところ良好に転写することができた。なお、PETフィルムと積層物の最上層に粘着テープを貼付け試験した密着性も良好であった。
実施例4で得られた転写物の上に実施例2で得られた転写用紙を実施例4と同様の方法で転写したところ良好に転写することができた。なお、密着性試験検査は良好であった。
実施例1で作成した平滑度1800秒の転写表面をサンドブラスターにて調整した。なお、調整された転写用紙の平滑度は下記の表1に示すとおりである。次に、実施例4、5と同様の方法にて先ず、PETフィルムに平滑度の異なる転写用紙を転写させ、その後、実施例1で用いた転写用紙を転写させた。得られたPETフルム転写物を用い、実施例1と同様の密着試験を行った。その結果は下記の表1に示すとおりであった。
実施例6と同様の方法にて、PETフィルムに平滑度の異なる転写用紙を転写させ、その後、実施例1で用いた転写用紙を転写させることでPETフルム転写物を作成した。
2 原紙
3 第一コート層
4 第二コート層
5 第三コート層
6 導電性パターン形成層
7 オーバーコート層
8 無機物絶縁層
10 ロール状転写紙基材
11 転写紙基材
12 インクジェットプリンター
13 導電性パターン
14 オーバーコート層液
15 平滑ローラ上
16 裁断機
17 水浴槽
Claims (14)
- 原紙面上に遅水性再湿糊層と速水溶性再湿糊層とを含む転写用紙基材と、
導電性材料を含有するパターン形成層と、
保護部材により形成されるオーバーコート層と、を有し、
王研式平滑度が1000秒以上であることを特徴とする転写用紙。 - 前記オーバーコート層は、有機絶縁層であることを特徴とする請求項1記載の転写用紙。
- 前記オーバーコート層は、無機絶縁性層を有し、該オーバーコート層は、熱硬化性樹脂により形成されることを特徴とする請求項1記載の転写用紙。
- 前記導電性材料は、金、ニッケル、銅、白金、パラジウム、銀及びこれらの合金の何れかからなる金属微粒子であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の転写用紙。
- 前記パターン形成層は、インクジェット方式により形成されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の転写用紙。
- 前記パターン形成層と前記オーバーコート層とを被転写体に転写させる転写用紙であって、
前記被転写体は、ガスバリア性処方を施されたフレキシブルフィルムであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の転写用紙。 - 原紙面上に遅水性再湿糊層と速水溶性再湿糊層とを順次含む転写用紙基材に、導電性材料を含有するパターン形成層を形成するステップと、
前記形成するステップによりパターン形成層を形成された転写用紙基材を加熱するステップと、
前記転写用紙基材に保護部材により形成されるオーバーコート層を形成するステップと、を有することを特徴とする転写用紙の製造方法。 - 前記オーバーコート層は、有機絶縁層であることを特徴とする請求項7記載の転写用紙の製造方法。
- 前記オーバーコート層は、無機絶縁性層を有し、該オーバーコート層は、熱硬化性樹脂により形成されることを特徴とする請求項7記載の転写用紙の製造方法。
- 前記導電性材料は、金、ニッケル、銅、白金、パラジウム、銀及びこれらの合金の何れかからなる金属微粒子であることを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の転写用紙の製造方法。
- 前記パターン形成層は、インクジェット方式により形成されることを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載の転写用紙の製造方法。
- ガスバリア性処理を施したフレキシブルフィルムを有し、
前記フレキシブルフィルムは、請求項1から6の何れか1項に記載の転写用紙上のパターン形成層とオーバーコート層とを含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。 - 請求項1から6の何れか1項に記載の転写用紙に水を与えて前記糊層を溶解させ、該転写用紙に接触させることにより、前記転写用紙上のパターン形成層とオーバーコート層とを含む積層膜を、ガスバリア性処理を施したフレキシブルフィルムに転写させるステップと、
前記積層膜上にさらに回路パターン形成層を形成するステップと、を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記転写させるステップを複数回繰り返すことにより、前記積層膜上に積層することを特徴とする請求項13記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
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