JP2006128218A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 導体回路等の金属層を、金属微粒子分散液を用いて、当該金属微粒子分散液がにじんでパターンのエッジ部等が不規則な形状になるのを防止しながら、基板表面に、密着性良く形成することができる回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板表面に吸水層を形成し、次いで、この吸水層の表面に、水を含む金属微粒子分散液を印刷または塗布した後、熱処理して金属層を形成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属微粒子分散液を用いて、導体回路等の金属層を有する回路基板を製造する製造方法に関するものである。
エレクトロニクス分野において、回路基板を製造するために、基板表面に導体回路等の金属層をパターン形成する方法として、従来は、フォトリソグラフ法によってパターン形成したレジスト膜を利用した形成方法が一般的に用いられてきた。しかし、この形成方法では、フォトリソグラフ法によるレジスト膜の形成に要する工程数が極めて多く、製造作業に手間がかかることなどから、回路基板の生産性が低くなり、製造コストが高くつくという問題があった。
そこで、粒径が100nm以下というごく微細な金属微粒子を、必要に応じてその表面を分散剤で処理した状態で、分散媒中に分散して金属微粒子分散液を調製し、この金属微粒子分散液を、インクジェット印刷法等の印刷方法によって、基板表面に、所定のパターン形状となるように印刷した後、およそ250℃以下の温度で熱処理して金属微粒子を溶着、一体化させて、導体回路等の金属層を形成することが検討されている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2002−299833号公報(特許請求の範囲、第0013欄〜第0015欄) 特開2002−334618号公報(特許請求の範囲、第0012欄)
上記の形成方法によれば、250℃以下という、比較的低温での熱処理によって、分散剤で処理した場合は、当該分散剤が金属微粒子から解離して気散すると共に、隣り合う金属微粒子同士が良好に溶着するため、基板表面に、導電性に優れた金属層を形成することができる。
しかし、上記の形成方法では、基板表面の微細な凹凸に沿うように金属層が形成されることによる、いわゆるアンカー効果(投錨効果)によってのみ、金属層が基板表面に密着しているため、金属層の、基板に対する密着力が十分でない。そのため、例えば、金属層を形成するための熱処理時や、形成した金属層が熱履歴を受けた際等に、基板と金属層との熱膨張係数の違いによって、あるいは、形成した金属層が外力を受けることによって、基板からはく離しやすく、特に、金属層が微細なパターンを有する導体回路である場合には、はく離による断線等を生じやすいという問題がある。
また、金属微粒子分散液は、基板の表面でにじみを生じやすいため、特に金属層が、微細なパターンを有する導体回路である場合には、当該金属微粒子分散液のにじみによって、パターンのエッジ部が不規則な形状になりやすい。そして、微細な幅を有するライン状のパターンでは、エッジ部が不規則な形状になることで、その線幅が不均一になったり、断線を生じたりしやすい。また、高周波回路では、エッジ部が不規則な形状になることで、ノイズが発生しやすいという問題もある。
本発明の目的は、導体回路等の金属層を、金属微粒子分散液を用いて、当該金属微粒子分散液がにじんでパターンのエッジ部等が不規則な形状になるのを防止しながら、基板表面に、密着性良く形成することができる回路基板の製造方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、基板表面の少なくとも一部に吸水層を形成し、次いで、この吸水層の表面に、水を含む金属微粒子分散液を印刷または塗布した後、熱処理することを特徴とする回路基板の製造方法である。
請求項2記載の発明は、吸水層が、少なくとも吸水性熱可塑性樹脂を含む請求項1記載の回路基板の製造方法である。
請求項3記載の発明は、吸水性熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上、熱分解開始温度未満の温度で熱処理する請求項2記載の回路基板の製造方法である。
請求項4記載の発明は、金属微粒子として、金、銀、銅、パラジウム、白金およびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の微粒子を用いる請求項1記載の回路基板の製造方法である。
請求項5記載の発明は、金属微粒子分散液を、インクジェット印刷法によって吸水層の表面に印刷する請求項1記載の回路基板の製造方法である。
請求項1記載の発明においては、基板表面の少なくとも一部に、あらかじめ、吸水層を形成し、この吸水層の上に、水を含む金属微粒子分散液を印刷または塗布している。そのため、印刷または塗布した金属微粒子分散液中の水を、吸水層によって急速に吸収することで、金属微粒子分散液を短時間で乾燥させて、金属微粒子を、吸水層の表面に定着させることができるため、金属微粒子分散液がにじんでパターンのエッジ部等が不規則な形状になるのを防止することができる。
また、上記のように、金属微粒子を吸水層の表面に定着させた状態で、この両者を熱処理することによって、隣り合う金属微粒子同士を溶着させて、導電性に優れた金属層を形成することができる。
なお、本発明で言うところの、金属層によって形成される導体回路には、電気信号を伝達する信号線、デバイスに電力を供給する電力線、アースなどに用いるグラウンド線等の線状の配線回路の他、接地面などのベタ状のものや、ドット状のもの等の、種々の形状を有するものが含まれる。また、基板としては、平板状のもの等の、表面が平坦な基板の他、凹凸や段差をつけた基板、湾曲した基板、球状の基板、不定形の基板等が含まれ、基板の形状は特に限定されない。
吸水層は、請求項2に記載したように、少なくとも吸水性熱可塑性樹脂を含んでいるのが好ましい。吸水性熱可塑性樹脂を含む吸水層は、熱処理時に、金属層との界面において、吸水性熱可塑性樹脂の溶融によって、金属層とより強固に密着することができる。そのため、金属層を、吸水層を介して、基板表面に、より密着性良く形成することができる。
熱処理は、請求項3に記載したように、吸水性熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上、熱分解開始温度未満の温度で行うようにするのが好ましい。熱処理をこの温度範囲内で行うことにより、吸水性熱可塑性樹脂を、熱分解反応させることなく、より良好に溶融させて、上で述べた、金属層を、吸水層を介して、基板表面により強固に密着させる効果をさらに効果的なものとすることができる。
また、金属微粒子としては、金属層の導電性等を考慮すると、請求項4に記載したように、金、銀、銅、パラジウム、白金およびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の微粒子を用いるのが好ましい。
金属微粒子分散液を、吸水層の表面に、所定のパターン形状となるように印刷して、導体回路等の金属層を形成する印刷方法としては、ごく微細な導体回路等のパターンを、従来の、フォトリソグラフ法によってパターン形成したレジスト膜を利用する形成方法とほぼ同等程度の、高い精度でもって形成することを考慮すると、請求項5に記載したように、インクジェット印刷法を採用するのが好ましい。
本発明の回路基板の製造方法においては、まず、基板表面の少なくとも一部、詳しくは、少なくとも金属層を形成する領域、または基板表面の全面に、吸水層を形成する。吸水層は、前記のように、少なくとも吸水性熱可塑性樹脂を含んでいるのが好ましく、吸水性熱可塑性樹脂としては、吸水性を有する種々の熱可塑性樹脂が、いずれも使用可能である。吸水性熱可塑性樹脂としては、例えば、その分子中に、親水性構造単位として、ヒドロキシル基、エーテル基、アミド基、またはアミド結合を有する吸水性または水溶性の樹脂等が挙げられる。
その具体例としては、完全鹸化または部分鹸化されたポリビニルアルコールやそのアニオン変性物、カチオン変性物、シラノール変性物等のポリビニルアルコール類;ポリビニルアセタール;メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系樹脂;キチン類、キトサン類、デンプン、酸化デンプン、リン酸デンプン、カルボキシル化デンプン、ヒドロキシエチル化デンプン、シアノエチル化デンプン、アクリル酸グラフトデンプン、コーンスターチ、寒天、アルギン酸ナトリウム、トロロアオイ、トラガントガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、カラギニン、にかわ、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク、アルブミン等の天然樹脂やその変性物;ポリエチレンオキサイド(PEO);ポリプロピレンオキサイド(PPO);ポリエチレングリコール(PEG);ポリビニルエーテル(PVE);ポリアクリルアミド(PAAM);ポリビニルピロリドン(PVP);吸水性または水溶性のアクリル系樹脂;吸水性または水溶性のウレタン樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、特に、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂およびエチルセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、ポリビニルアルコールとしては、鹸化度が70〜99%、特に88〜99%であるものが好ましい。これらの吸水性熱可塑性樹脂は、吸水性に優れると共に、熱処理によって溶融した際に、金属層を、基板表面に強固に密着させる機能にも優れている。
吸水層は、吸水性熱可塑性樹脂のみによって形成することもできるが、吸水層の特性を改善するために、種々の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、カチオン性物質、無機の微粒子、架橋剤等が挙げられる。
このうち、カチオン性物質は、吸水層の吸水性を向上するために配合される成分であって、その具体例としては、カチオン性界面活性剤や、側鎖または主鎖にカチオン性基を有する高分子化合物が挙げられる。中でも特に、カチオン性基として4級アンモニウム基を有するとともに、対イオンが硝酸イオンであるカチオン性界面活性剤や高分子化合物の1種または2種以上が好適に使用される。カチオン性物質は、吸水性熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部以下、特に0.05〜1重量部の割合で配合するのが好ましい。
無機の微粒子は、吸水層の吸水性を向上すると共に、当該吸水層の機械的、熱的な強度等を向上するために配合される成分であって、その具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、マイカ、ガラス等の微粒子の1種または2種以上が挙げられる。その形状は、球状、粒状、棒状、針状、箔片状等の種々の形状とすることができるが、吸水層のもとになる、後述する塗工液の流動性等を考慮すると、球状または粒状が好ましい。粒径は、吸水層の厚みより小さければよいが、吸水層中に均一に分散させることを考慮すると、平均粒径が10μm以下、中でも3μm以下、特に1μm以下であるのが好ましい。また、無機の微粒子は、吸水性熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で配合するのが好ましい。
また、無機の微粒子を吸水層中に均一に分散させるため、当該吸水層のもとになる塗工液中には、カチオン系分散剤、アニオン系分散剤等の分散剤を配合してもよい。分散剤は、無機の微粒子100重量部に対して1重量部以下の割合で配合するのが好ましい。
架橋剤は、吸水性熱可塑性樹脂を架橋させて、吸水層の機械的、熱的な強度等を向上するために配合される成分であって、その具体例としては、メチロール化またはアルキロール化した尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物等の1種または2種以上が挙げられる。また、架橋剤に類似した機能を有する成分として、各種のシランカップリング剤やチタネート系カップリング剤を用いることもできる。架橋剤は、吸水性熱可塑性樹脂の官能基1当量あたり、架橋剤の官能基が5.0当量以下、特に1.5当量以下となる割合で配合するのが好ましい。
さらに、吸水層には、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、易滑剤、顔料、染料、有機の微粒子、充填剤、帯電防止剤等の各種添加剤を、公知の割合で配合することもできる。
吸水層は、上記の各成分を含む塗工液を、基板表面の全面、または、基板表面の、少なくとも金属層を形成する領域に、塗布または印刷して形成される。吸水層を形成するための塗布方法としては、例えば、ブレードコート法、エアナイフ法、ロールコート法、ブラッシュコート法、グラビアコート法、キスコート法、エクストルージョン法、スライドホッパー法、カーテンコート法、スプレー法、浸漬法等が挙げられる。また、印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法、平板印刷法、ディスペンサー法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
吸水層の厚みは、0.1〜50μmであるのが好ましい。厚みがこの範囲未満では、吸水層に十分な吸水性を付与して、金属微粒子分散液のにじみを防止したり、吸水層に、金属層を基板表面に強固に密着させる機能を付与したりできないおそれがある。また、厚みがこの範囲を超える場合には、熱処理時に、溶融した吸水性熱可塑性樹脂が、金属層に過剰に混入して、当該金属層の導電性を阻害するおそれがある。
上記吸水層が形成される基板は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマーなどの耐熱性に優れた樹脂や、ガラス、シリコン、セラミックス等の公知の材料によって形成することができる。
次に、本発明の回路基板の製造方法においては、上記吸水層の表面に、水を含む金属微粒子分散液を印刷または塗布する。そうすると、金属微粒子分散液中の水が吸水層に吸収されることで、金属微粒子分散液が短時間で乾燥されて、金属微粒子が、吸水層の表面に定着される。そのため、金属微粒子分散液がにじんでパターンのエッジ部等が不規則な形状になるのを防止することができる。
金属微粒子としては、熱処理によって溶着、一体化して、導電性を有する金属層を形成しうる種々の金属の微粒子が、いずれも使用可能であるが、特に、金、銀、銅、パラジウム、白金およびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の微粒子、すなわち、いずれか1種の金属からなる微粒子、2種以上の金属の合金からなる微粒子、または、これら微粒子の2種以上の混合物等が好ましい。これらの金属からなる微粒子は、導電性に特に優れると共に、熱処理によって、隣り合うもの同士が速やかに溶着、一体化して、均一な金属層を形成する機能にも優れている。
金属微粒子の形状は、球状、粒状、棒状、針状、箔片状等の種々の形状とすることができるが、金属微粒子分散液の流動性を向上して、例えば、インクジェット印刷法によって所定のパターン形状となるように印刷する際に、ノズルの目詰まり等が生じるのを防止することを考慮すると、球状または粒状が好ましい。また、粒径は、特に限定されないが、一次粒子の平均粒径が100nm以下であるのが好ましく、50nm以下であるのがさらに好ましい。金属微粒子の粒径がこの範囲を超える場合には、熱処理によって、表面が平滑で厚みが均一であると共に、緻密な金属層を形成できないおそれがある。また、例えばインクジェット印刷法によって所定のパターン形状となるように印刷する際に、ノズルの目詰まり等を生じるおそれもある。金属微粒子の粒径の下限値については特に限定されず、金属としての性質を有しうる最小の粒径のものまで使用可能であるが、所定の厚みを有する金属層を、効率よく形成することを考慮すると、一次粒子の平均粒径が1nm以上であるのが好ましく、5nm以上であるのがさらに好ましい。
金属微粒子は、金属微粒子分散液中での分散性を高めるために、その表面を、分散剤で処理してもよい。分散剤としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、スルホン基、フェニル基、ラウリル基、ステアリル基、ドデシル基、オレイル基等の、金属微粒子に対して親和性を有する基を含む化合物が好適に用いられる。
水を含む金属微粒子分散液は、金属微粒子を、水、または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒に分散させて調製される。水と混合してもよい水溶性有機溶媒としては、種々の、水溶性を有する有機溶媒が、いずれも使用可能である。その具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、2−エトキシエタノール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等の水溶性の含窒素有機化合物;酢酸エチル等の1種または2種以上が挙げられる。水溶性有機溶媒は、金属微粒子分散液の表面張力や沸点等を調整するために配合される。
混合溶媒における、水の含有割合は、1重量%以上であるのが好ましい。水の含有割合がこの範囲未満では、金属微粒子分散液を吸水層の表面に印刷または塗布した際に、当該吸水層に吸収される水の量が少ないため、当該金属微粒子分散液を短時間で乾燥させて、金属微粒子を、吸水層の表面に良好に定着させることができないおそれがあり、金属微粒子分散液がにじんでパターンのエッジ部等が不規則な形状になるおそれがある。
なお、混合溶媒における、水の含有割合の上限は、特に限定されない。溶媒としては、水のみを使用することもできるので、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒における水の含有割合を、ほぼ100%に近い値にすることも可能である。しかし、水溶性有機溶媒を配合することによる、金属微粒子分散液の表面張力や沸点等を調整する効果を十分に発揮させることを考慮すると、混合溶媒における水の含有割合は、50重量%以下、特に15〜35重量%であるのが好ましい。
吸水層の表面に、導体回路等を形成するために、金属微粒子分散液を、所定のパターン形状となるように印刷する印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法、平板印刷法、ディスペンサー法、インクジェット印刷法等が挙げられ、特にインクジェット印刷法が好ましい。インクジェット印刷法によれば、ごく微細な導体回路等のパターンを、従来の、フォトリソグラフ法によってパターン形成したレジスト膜を利用する形成方法とほぼ同等程度の、高い精度でもって形成することが可能である。
また、吸水層の表面に、接地面などのベタ状の導体回路等を形成するために、金属微粒子分散液を塗布する塗布方法としては、例えば、ブレードコート法、エアナイフ法、ロールコート法、ブラッシュコート法、グラビアコート法、キスコート法、エクストルージョン法、スライドホッパー法、カーテンコート法、スプレー法、浸漬法等が挙げられる。
また、導体回路等を形成するため、基板表面に、所定の印刷方法によって、吸水層を、所定のパターン形状となるように印刷すると共に、基板表面の全面に、上記の塗布方法によって金属微粒子分散液を塗布した後、基板表面の、吸水層を形成していない領域、すなわち、水が吸収されず、金属微粒子が定着されない領域に塗布された金属微粒子分散液を、エアーブロー等によって選択に除去する方法を採用することもできる。
次に、本発明の回路基板の製造方法においては、吸水層と、その表面に定着された金属微粒子とを熱処理する。そうすると、隣り合う金属微粒子同士が溶着して、導電性に優れた金属層が形成されると共に、金属層と吸水層との界面において、吸水性熱可塑性樹脂の溶融によって、当該両層が、より強固に密着される。そのため、本発明の製造方法によれば、金属層を、吸水層を介して、基板表面に、より密着性良く形成することができる。
熱処理の温度は、吸水性熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上で、かつ熱分解開始温度未満の温度であるのが好ましい。熱処理をこの温度範囲内で行うことにより、吸水性熱可塑性樹脂の溶融による、金属層を、基板表面により強固に密着させる効果をさらに効果的なものとすることができる。
なお、熱処理の温度は、吸水性熱可塑性樹脂をより良好に溶融させて、金属層を、吸水層を介して、基板表面により強固に密着させることを考慮すると、吸水性熱可塑性樹脂のガラス転移温度より30℃以上、特に50℃以上、高い温度に設定するのがさらに好ましい。また、熱処理の温度は、吸水性熱可塑性樹脂の熱分解を防止して、金属層を、吸水層を介して、基板表面により強固に密着させることを考慮すると、吸水性熱可塑性樹脂の熱分解開始温度より50℃以上、低い温度に設定するのが、より一層、好ましい。ここで言う熱分解開始温度とは、熱処理を行うのと同じ雰囲気中において、所定の吸水性熱可塑性樹脂を、10℃/分の昇温速度で加熱した際に、その重量減少率が5%に達する温度である。
熱処理の時間は特に限定されないが、金属微粒子を良好に溶着させて、導電性に優れた金属層を形成すると共に、吸水性熱可塑性樹脂を良好に溶解させて、金属層を、吸水層を介して、基板表面により強固に密着させるためには、30分間以上であるのが好ましい。また、熱分解にはいたらないものの吸水性熱可塑性樹脂が劣化したり、基板が劣化したり、金属層が酸化したりするのを防止すると共に、回路基板の生産性を向上し、製造コストの上昇を防止することを考慮すると、熱処理の時間は120分間以下であるのが好ましい。
熱処理は、大気中で行ってもよいし、金属層の酸化を防止したり、基板や吸水性熱可塑性樹脂の劣化を防止したりするために、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中や、水素雰囲気等の還元性雰囲気中で行ってもよい。
吸水層を形成する吸水性熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、大気中において、吸水性熱可塑性樹脂を、10℃/分の昇温速度で加熱した際の、示差走査熱量測定によって求めた。また、熱分解開始温度は、熱処理を行うのと同じ雰囲気中において、吸水性熱可塑性樹脂を、10℃/分の昇温速度で加熱した際の、熱重量分析測定によって求めた重量減少率が5%に達する温度とした。
実施例1:
吸水性熱可塑性樹脂としてのポリビニルアセタール〔ガラス転移温度:100℃、熱分解開始温度:330℃〕を、ブチルセロソルブに溶解して塗工液を調製し、この塗工液を、縦150mm×横150mm×厚み0.7mmのガラス基板(コーニング社製の品番:1737)の、片面の全面に、ロールコート法によって塗布した後、窒素雰囲気中で、120℃に加熱して30分間、乾燥させて吸水層を形成した。吸水層の厚みを、試料断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めたところ、20μmであった。
次に、金属微粒子分散液として、その表面がカチオン系分散剤で処理された、一次粒子の平均粒径が35nmである球状の金微粒子が、水とジエチレングリコールとの、重量比1:4の混合溶媒中に分散していると共に、金属微粒子分散液の総量中に占める金微粒子の割合で表される固形分濃度が30重量%に調整された液を用意した。
そして、この金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、先の吸水層の表面に、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、その線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、3.3μmであって、線幅のばらつきが小さいことがわかった。
次に、吸水層と、その表面に定着された金微粒子とを、大気中で、250℃に加熱して60分間、熱処理して金属層を形成した。形成した金属層を観察したところ、はく離や、それによる断線等の欠陥は全く見られなかった。
比較例1:
吸水層を形成していないガラス基板の片面に、直接に、実施例1で使用したのと同じ金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、その線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、15.7μmであって、線幅が大きくばらついていることがわかった。
次に、吸水層と、その表面の金微粒子とを、大気中で、250℃に加熱して60分間、熱処理して金属層を形成した。形成した金属層を観察したところ、はく離が25個所、はく離による断線が5個所で発生しているのがわかった。
実施例2:
金属微粒子分散液として、その表面がカチオン系分散剤で処理された、一次粒子の平均粒径が15nmである球状の銀微粒子が、溶媒としての水中に分散していると共に、金属微粒子分散液の総量中に占める銀微粒子の割合で表される固形分濃度が30重量%に調整された液を用意した。
そして、この金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、実施例1で使用したのと同じ、ガラス基板の片面に形成された、ポリビニルアセタールからなる吸水層の表面に、線幅120μm、ライン長50mmの直線パターンと、縦50mm×横50mmのベタパターンとを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、直線パターンの線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、3.1μmであって、線幅のばらつきが小さいことがわかった。
次に、吸水層と、その表面に定着された銀微粒子とを、表1に示す条件で熱処理して金属層を形成し、そのうちベタパターンに、カッターナイフを使用して、基板に達する切り込みを、1mm間隔で、縦横それぞれ11本ずつ入れて、金属層を、縦1mm×横1mmの100個の小片に分け、その上にセロハンテープを貼り付けて、19.6Nの荷重をかけたゴムローラを3往復、通過させて圧着させた後、セロハンテープを、ベタパターンの表面に対して90°方向に剥離した際に、剥離せずに残った小片の数を計数した。そして、残った小片の数によって、下記の基準で、金属層の密着性を評価した。
◎:75〜100個、密着性きわめて良好。
○:50〜74個、密着性良好。
×:0〜49個、密着性不良。
結果を表1に示す。
Figure 2006128218
表より、熱処理をしない場合には、金属層の密着性が得られないのに対し、熱処理を、ポリビニルアセタールのガラス転移温度以上で、かつ熱分解開始温度未満の温度範囲で行った場合には、金属層の密着性を向上できることがわかった。
実施例3:
吸水性熱可塑性樹脂としてのカルボン酸変性ポリビニルアルコール〔ガラス転移温度:160℃、熱分解開始温度:210℃〕をブチルセロソルブに溶解して塗工液を調製し、この塗工液を、実施例1で使用したのと同じガラス基板の、片面の全面に、ロールコート法によって塗布した後、窒素雰囲気中で、120℃に加熱して30分間、乾燥させて吸水層を形成した。吸水層の厚みを、試料断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めたところ、35μmであった。
次に、実施例2で使用したのと同じ金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、先の吸水層の表面に、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、その線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、3.1μmであって、線幅のばらつきが小さいことがわかった。
次に、吸水層と、その表面に定着された銀微粒子とを、大気中で、180℃に加熱して60分間、熱処理して金属層を形成した。形成した金属層を観察したところ、はく離や、それによる断線等の欠陥は全く見られなかった。
実施例4:
吸水性熱可塑性樹脂としてのアクリル系樹脂〔スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体、ガラス転移温度:70℃、熱分解開始温度240℃〕のエマルションを塗工液として用いて、この塗工液を、縦150mm×横150mm×厚み0.05mmのポリイミド基板〔東レ・デュポン社製のカプトン(登録商標)V〕の、片面の全面に、スピンコート法によって塗布した後、大気中で、150℃に加熱して30分間、乾燥させて吸水層を形成した。吸水層の厚みを、試料断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めたところ、0.2μmであった。
次に、金属微粒子分散液として、その表面がカチオン系分散剤で処理された、一次粒子の平均粒径が5nmである球状の白金微粒子が、溶媒としての水中に分散していると共に、金属微粒子分散液の総量中に占める白金微粒子の割合で表される固形分濃度が20重量%に調整された液を用意した。
そして、この金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、先の吸水層の表面に、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、その線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、3.5μmであって、線幅のばらつきが小さいことがわかった。
次に、吸水層と、その表面に定着された白金微粒子とを、大気中で、180℃に加熱して60分間、熱処理して金属層を形成した。形成した金属層を観察したところ、はく離や、それによる断線等の欠陥は全く見られなかった。
実施例5:
吸水性熱可塑性樹脂としてのポリビニルピロリドン〔ガラス転移温度:160℃、熱分解開始温度:200℃〕をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して塗工液を調製し、この塗工液を、実施例1で使用したのと同じガラス基板の、片面の全面に、ロールコート法によって塗布した後、窒素雰囲気中で、120℃に加熱して30分間、乾燥させて吸水層を形成した。吸水層の厚みを、試料断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めたところ、10μmであった。
次に、金属微粒子分散液として、その表面がアニオン系分散剤で処理された、一次粒子の平均粒径が20nmである球状の銀微粒子が、水とトリエチレングリコールとの、重量比1:1の混合溶媒中に分散していると共に、金属微粒子分散液の総量中に占める銀微粒子の割合で表される固形分濃度が35重量%に調整された液を用意した。
そして、この金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、先の吸水層の表面に、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、その線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、3.5μmであって、線幅のばらつきが小さいことがわかった。
次に、吸水層と、その表面に定着された銀微粒子とを、大気中で、180℃に加熱して60分間、熱処理して金属層を形成した。形成した金属層を観察したところ、はく離や、それによる断線等の欠陥は全く見られなかった。
実施例6:
吸水性熱可塑性樹脂としてのカルボキシメチルセルロース〔ガラス転移温度:110℃、熱分解開始温度:240℃〕をブチルカルビトールアセテートに溶解して塗工液を調製し、この塗工液を用いて、実施例1で使用したのと同じガラス基板の片面に、スクリーン印刷法によって、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷した後、大気中で、100℃に加熱して30分間、乾燥させて吸水層を形成した。吸水層の厚みを、レーザー顕微鏡観察によって求めたところ、10μmであった。
次に、上記基板を、実施例2で使用したのと同じ金属微粒子分散液中に1分間、浸漬した後、引き上げて、エアーブローすることで、吸水層を形成していない領域、すなわち、水が吸収されず、銀微粒子が定着されない領域に塗布された金属微粒子分散液を選択に除去して、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、その線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、2.8μmであって、線幅のばらつきが小さいことがわかった。
次に、吸水層と、その表面に定着された銀微粒子とを、大気中で、180℃に加熱して60分間、熱処理して金属層を形成した。形成した金属層を観察したところ、はく離や、それによる断線等の欠陥は全く見られなかった。
比較例2:
吸水性を有しない通常の熱可塑性樹脂としてのポリエステル樹脂〔ガラス転移温度:30℃、熱分解開始温度:200℃〕をブチルカルビトールアセテートに溶解して塗工液を調製し、この塗工液を、実施例1で使用したのと同じガラス基板の、片面の全面に、ロールコート法によって塗布した後、窒素雰囲気中で、120℃に加熱して30分間、乾燥させて樹脂層を形成した。樹脂層の厚みを、試料断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めたところ、10μmであった。
次に、実施例2で使用したのと同じ金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、先の樹脂層の表面に、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、その線幅を、10点で測定して標準偏差を求めたところ、20.2μmであって、線幅のばらつきが大きいことがわかった。また、印刷直後の状態を観察したところ、一部で、印刷された金属微粒子分散液がはじかれて、印刷不良が生じているのが確認された。
次に、吸水層と、その表面の銀微粒子とを、大気中で、150℃に加熱して60分間、熱処理して金属層を形成した。形成した金属層を観察したところ、はく離が11個所、はく離による断線が3個所で発生しているのがわかった。
実施例7:
金属微粒子分散液として、その表面がカチオン系分散剤で処理された、一次粒子の平均粒径が25nmである球状のパラジウム微粒子が、水とジエチレングリコールとの混合溶媒中に分散していると共に、金属微粒子分散液の総量中に占めるパラジウム微粒子の割合で表される固形分濃度が30重量%に調整された液を用意した。混合溶媒における、水の含有割合は、表2に示す値とした。
そして、これらの金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、実施例1で使用したのと同じ、ガラス基板の片面に形成された、ポリビニルアセタールからなる吸水層の表面に、線幅120μm、ライン長50mmの直線パターンと、縦50mm×横50mmのベタパターンとを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、直線パターンの線幅を、10点で測定して標準偏差を求めた。
次に、吸水層と、その表面に定着されたパラジウム微粒子とを、大気中で、200℃に加熱して30分間、熱処理して金属層を形成し、そのうちベタパターンに、カッターナイフを使用して、基板に達する切り込みを、1mm間隔で、縦横それぞれ11本ずつ入れて、金属層を、縦1mm×横1mmの100個の小片に分け、その上にセロハンテープを貼り付けて、19.6Nの荷重をかけたゴムローラを3往復、通過させて圧着させた後、セロハンテープを、ベタパターンの表面に対して90°方向に剥離した際に、剥離せずに残った小片の数を計数した。そして、残った小片の数によって、下記の基準で、金属層の密着性を評価した。
◎:75〜100個、密着性きわめて良好。
○:50〜74個、密着性良好。
×:0〜49個、密着性不良。
結果を表2に示す。
Figure 2006128218
表より、混合溶媒における水の含有割合を1重量%以上とすることで、線幅のばらつきを小さくし、かつ金属層の密着性を向上できることがわかった。
実施例8:
吸水性熱可塑性樹脂としてのポリビニルアセタール〔ガラス転移温度:100℃、熱分解開始温度:330℃〕を、ブチルセロソルブに溶解して塗工液を調製し、この塗工液を、実施例1で使用したのと同じガラス基板の、片面の全面に、スプレーコート法またはロールコート法によって塗布した後、窒素雰囲気中で、120℃に加熱して30分間、乾燥させて、試料断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めた厚みが表3に示す値である吸水層を形成した。
次に、金属微粒子分散液として、その表面がアニオン系分散剤で処理された、一次粒子の平均粒径が20nmである球状の銀微粒子が、溶媒としての水中に分散していると共に、金属微粒子分散液の総量中に占める銀微粒子の割合で表される固形分濃度が35重量%に調整された液を用意した。
そして、この金属微粒子分散液を用いて、インクジェット印刷法によって、先の吸水層の表面に、線幅120μm×ライン長50mmの直線パターンを印刷し、大気中で、100℃に加熱して10分間、乾燥させた後、直線パターンの線幅を、10点で測定して標準偏差を求めた。
次に、吸水層と、その表面に定着された銀微粒子とを、大気中で、200℃に加熱して30分間、熱処理して金属層を形成し、そのうちベタパターンに、カッターナイフを使用して、基板に達する切り込みを、1mm間隔で、縦横それぞれ10本ずつ入れて、金属層を、縦1mm×横1mmの100個の小片に分け、その上にセロハンテープを貼り付けて、19.6Nの荷重をかけたゴムローラを3往復、通過させて圧着させた後、セロハンテープを、ベタパターンの表面に対して90°方向に剥離した際に、剥離せずに残った小片の数を計数した。そして、残った小片の数によって、下記の基準で、金属層の密着性を評価した。
◎:75〜100個、密着性きわめて良好。
○:50〜74個、密着性良好。
×:0〜49個、密着性不良。
また、直線パターンの配線抵抗を、4端子法によって測定した。結果を表3に示す。
Figure 2006128218
表より、吸水層の厚みが大きいほど、その吸水性を高めて、金属微粒子分散液のにじみを防止できる上、金属層の密着性を向上できること、逆に、吸水層の厚みが小さいほど、金属層の導電性を向上できることがわかった。

Claims (5)

  1. 基板表面の少なくとも一部に吸水層を形成し、次いで、この吸水層の表面に、水を含む金属微粒子分散液を印刷または塗布した後、熱処理することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 吸水層が、少なくとも吸水性熱可塑性樹脂を含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. 吸水性熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上、熱分解開始温度未満の温度で熱処理する請求項2記載の回路基板の製造方法。
  4. 金属微粒子として、金、銀、銅、パラジウム、白金およびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の微粒子を用いる請求項1記載の回路基板の製造方法。
  5. 金属微粒子分散液を、インクジェット印刷法によって吸水層の表面に印刷する請求項1記載の回路基板の製造方法。
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