JP2006024485A - 導電性膜または導電性画像作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、酸化銀を熱分解して得た銀膜もしくは銀画像に簡便な方法によって光沢を付与して、導電性ばかりでなく、見栄えにも優れた銀膜もしくは銀画像を得る方法を提供するものである。
【解決手段】酸化銀を加熱処理することによって得た銀膜もしくは銀画像をさらに加圧して、表面の平滑性を上げて、光沢を付与する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化銀を加熱して銀を得る方法を用いた銀膜、または銀画像の作製方法に関するものである。
銀は高導電性材料や記録材料、表面の被覆剤、印刷刷版等に広汎に使われている素材である。銀膜あるいは銀画像作製法は、化学的に銀を析出させる湿式めっき法や金属銀を直接溶融・付着、または蒸着させる方法、銀の小粒子をペースト状に加工して、所用の位置に塗布する、あるいは印刷によりパターンを形成する、ハロゲン化銀を光還元する等々多くの方法がある。
特に、簡便な方法として銀の小粒子をペースト状に加工した銀ペースト法はよく用いられる。銀ペーストは、加工性において優れており、印刷、特にスクリーン印刷により銀画像を形成することにより導電回路を作製する等様々な用途に使われる。しかしながら、強度を出すには高温で焼結する必要があり、やはり対象物が限定されてしまう。また、硬化性の樹脂を用いて比較的低い温度で強度が得られるものもあるが、これは樹脂分が銀粒子同士の密着を阻害し、抵抗値が高めになる欠点がある。これらの欠点を改良するため、近年銀のナノ粒子を用いた銀ペーストが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。これはナノメートルのレベルまで微細化した銀粒子を用いることにより、焼結温度を引き下げたものである。しかし、やはり微粒子化にはコストがかかる等の欠点がある。
有機または無機の銀化合物を熱分解により銀に変換しても、銀を得ることは可能である。中でも酸化銀は比較的還元されやすく、加熱処理によって金属銀に分解される。また、銀含量が高く、分解の際には酸素ガスしか発生しないので、高純度の銀が効率よく取り出せる。さらに、分解時に粒子同士の融着により、従来の銀ペーストよりも高い導電性が期待できる(例えば、特許文献1参照)。また、近赤レーザーの照射によっても光熱変換により銀に分解するため、レーザーによる導電性画像直描用の素材としても使用することができる(例えば、特許文献2参照)。しかし、粒子同士の融着が不充分であったり、発生するガスに逃げ道が必要であったりするので、酸化銀粒子の熱分解で得られる銀膜は多孔質であり、そのために得られる銀膜には光沢に乏しく、非常に見栄えの悪いものである。
この欠点を、改良するために酸化銀と三級脂肪酸銀塩の併用が提案されている(例えば、特許文献3及び非特許文献2参照)。三級脂肪酸銀塩が熱により溶融した状態で銀が析出するため、高光沢かつ高導電性の銀膜が得られる。しかし、基材への接着性が弱く、使用できる基材が限られる欠点がある。
特開2003−308732号公報 特開2004−058466号公報 特開2003−203522号公報 「エレクトロニクス実装技術」2002年、18巻、1月号、26〜31頁 「コンバーテック」2003年、31巻、8月号、80〜83頁
本発明の課題は、酸化銀を熱分解して得た銀膜もしくは銀画像に簡便な方法によって光沢を付与して、導電性ばかりでなく、見栄えにも優れた銀膜もしくは銀画像を得ることである。
本発明者は、この課題を解決するため研究を行った結果、酸化銀を加熱処理することによって得た銀膜もしくは銀画像をさらに加圧してやることにより、表面の平滑性を上げて、表面に光沢を付与することにより、本発明を完成するに至った。
加圧の方法はどのようなものでも良く、定盤を用いて静的に圧力をかける方法やロールで加圧する動的な方法が挙げられる。さらに加圧する際は、銀膜または銀画像に金属鏡面を押し付けることができれば、さらに好ましい。加圧で加えられる圧力は、使用する基材にもよるが、おおよそ50〜500kgf/cm2が好ましい。加圧時間も特に制限は無いが、静的に圧力をかける場合で数秒から30秒程度で充分である。ロール等で動的に加圧する場合も、送り速度に特に制限はないが、加圧が全体にまんべんなく行われるように、数回にわたって行われることがより好ましい。
また、加圧を行う目的は、表面をつぶすことにより平滑性を上げて、光沢をつけることにあるので、この目的のためには、加圧は加熱処理後に行うべきである。その理由の第一は、加熱処理前に加圧を行うと、一時的に表面の平滑性は上がるものの、加熱処理による粒子の融着とガスの発生により、平滑性が低下してしまい、加圧の効果が損なわれるからである。第二は、酸化銀の展延性が銀に劣るため、酸化銀の状態で加圧しても表面平滑化の効果が出にくいためである。加熱条件下で加圧することにより、両者を同時処理することも考えられ、作業性の点でもメリットは大きいが、加熱により酸化銀が銀に還元される反応時に定盤やロール等が強い力で押し付けられる形となるため、銀の一部が定盤やロール等に張り付いてしまい、銀膜あるいは銀画像の一部が基材から剥離する恐れが出てくる。これを避けるには銀膜または銀画像の張り付きを抑えるような処理や方法を取らねばならず、方法として簡便でなくなってしまう。
加圧の第一の目的は光沢付与であるが、それ以外にも(条件によっては顕著に現れるとは限らないが)副次的な効果が得られる。まず第一は基材と銀膜または銀画像との間の接着性の向上、第二は銀膜または銀画像の導電性の向上である。これは、加圧によって粒子同士が押し付けられて、粒子間および粒子と基材間の空隙が減少する効果によると考えられる。
酸化銀を加熱処理して得られた銀膜または銀画像をさらに加圧することにより、表面に光沢を付与し、見栄えを大幅に改善することができる。さらに、基材と銀膜または銀画像との接着性の向上や、銀膜または銀画像の導電性改善等の副次的な効果も見られ、簡便かつ有用な処理である。
酸化銀は一般に1価の酸化物(酸化銀(I):Ag2O)がよく知られている。その他に、2価の酸化物(酸化銀(II):AgOまたはAg22)、過酸化銀(Ag23)があるが、酸化銀(I)以外は構造が確定されていない、あるいは純粋なものが得られていない等構造的にあまり安定でない。普通に酸化銀と呼ぶ場合は、通常酸化銀(I)のことである。本発明では、酸化銀とは全て酸化銀(I)のことである。
本発明に用いられる酸化銀の製法については、特に制限はない。代表的な製法は硝酸銀の濃厚水溶液に当量の水酸化ナトリウムの希薄溶液を加え、生じる沈澱を回収することであり、純度の高い酸化銀を得ることができる。しかし、本発明で用いる酸化銀は、高純度である必要はない。従って、水酸化ナトリウム以外のアルカリ、例えばアミン等を用いてもかまわない。銀の供給源としては、硝酸銀は水溶性が高く、比較的安定であり、安全性も高いため、好ましいが、これに限定はされない。また、酸化銀の粒子径も特に制限はないが、10nmから10μmの範囲のものが好ましい。また、粒子径の調節のため、酸化銀調製時に分散剤等の薬品を添加しても、いっこうにかまわず、得られた酸化銀からこれら薬品を除去しても、あるいは除去せず酸化銀中に混在したまま用いてもどちらでもかまわない。製法の違いにより粒子径、混在物が異なる複数の種類の酸化銀を混合して用いても、いっこうにかまわない。
酸化銀は還元剤等の各種添加剤や溶剤により、ペースト化あるいは塗液化して、基材全面に、あるいは基材上に像様に塗布される。
添加剤の種類としては、例えば、分散性向上や消泡剤としての界面活性剤、液性改良のための増粘剤、pH調整剤、バインダーとしての高分子化合物、架橋剤、熱硬化剤、カップリング剤、増感色素、近赤外レーザー吸収色素、還元剤等が挙げられる。また、導電性改善のため銀、銅、錫、鉛、ニッケル、金、白金、パラジウムおよびこれらの合金に代表される各種導電性金属粉や導電性金属を含有する化合物、あるいはこれら導電性金属に被覆された導電性微粒子を添加することも可能である。また、これらの添加剤の機能は単一に限定されるものではなく、複数の機能を同時に有していても何ら問題はない。あるいは、類似の機能を有する薬品を複数種併用することも可能である。
酸化銀は加熱処理により分解・還元されて金属銀になるが、酸化銀を単独で加熱したときの分解温度は通常300℃以上である。しかしながら、酸化銀と還元剤を混合した場合には分解温度を300℃以下に低下させることができる。ここで言う還元剤とは、一般に還元作用を有する薬品という意味ではなく、酸化銀と混合・加熱した場合、酸化銀が金属銀に還元される温度を低下せしめる、即ち酸化銀の還元作用を促進している薬品という意味である。したがって、通常は還元作用を有さないもの、還元剤とは呼ばれないものも、ここでは酸化銀に対する作用のみに着目して還元剤と呼ぶこととする。
還元剤を添加すると、酸化銀を銀に還元するための加熱温度が低下するため、高温では燃焼してしまうような高分子フィルムのような基材でも使用可能となり、使用できる基材の幅を拡げることができるので、きわめて有用である。また、加熱温度が低下することは、使用エネルギーを減らせるという点でも有用である。
還元剤として使えるものには多くの種類がある。例としては、例えば特開2004−058466号公報に記載したような、環状アミン、水酸基、オキシアルキレン基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩の少なくとも1つを有するもの、特開2004−139754号公報に記載したようにエポキシ化合物やアクリル化合物、特開2004−176079号公報に記載したグリセリン、還元糖等が挙げられる。具体例としては以下のものがあげられるが、これに限定されるものではない。
1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4−ピペリジノピペリジン、1,3−ジ−4−ピリジルプロパン、1,3,5−トリアジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、1,2,4,5−テトラジン、β−シクロデキストリン、キチン、キトサン、アミロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、フェニルイソ酪酸またはその銀塩、アビエチン酸またはその銀塩、2,4−ジエチルグルタル酸またはその銀塩、ベヘン酸、ベヘン酸銀、グリセリン、グリセルアルデヒド、トレオース、リボース、キシロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシルロース、フルクトース、ラクトース、マルトース等。
その他の溶剤や添加剤は、その機能を果たすものであるならば、特に制限はない。溶剤の例としては、水、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、メタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、α−テルピネオル等が挙げられる。バインダーの例としては、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。その他の添加剤についても、それぞれの分野での代表的な薬剤が挙げられる。
酸化銀を含むペーストまたは塗液を作製するために、酸化銀と溶剤や添加剤を混合する方法には、特に制限はない。必要な成分を配合し、プロペラ攪拌機、ホモジナイザー、ペイント・コンディショナー、ダイノミル、らいかい機、ニーダー、三本ロール、自転公転方式ミキサー等を用いて、均一に混合、分散すればよい。
このようにしてペースト化または塗液化された酸化銀は、しかるべき基材に付着、塗布、印刷等により膜または画像状に形成される。基材の材質に制限はなく、具体例としては、紙、アルミ板や銅板等金属板、PETフィルム等高分子フィルム、ガラス、セラミックス、石板等が挙げられるが、加圧処理を加えることより、金属板や高分子フィルムのような耐圧性の高い素材のほうがより好ましい。
銀膜を得る場合は、酸化銀膜を基材上に形成した後、これを加熱処理すれば良い。加熱条件は特に制限はなく、基材を傷めず、かつ酸化銀が銀に還元される温度、時間等の条件を適宜選択すれぱ良い。
酸化銀を用いて金属銀画像を作成する方法としては様々なものがあり、特に限定はされないが、例として以下のような方法が挙げられる。
まず第一の方法としては、少なくとも酸化銀を含むペーストまたは塗液を用いて基材上に画像状の酸化銀膜を形成し、これを熱またはレーザー照射により銀膜に変換して銀画像を形成する方法である。画像を形成する方法としては、特に制限はないが、ペーストをインクとして印刷方式で画像を形成することは、生産性良く高精細な画像が得ることができ、特に好ましい。印刷方式としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷等が挙げられ、中でもスクリーン印刷は適切な膜厚を得やすく好ましい。他の方法としては、例えば、塗液化した酸化銀を、画像部を切り抜いたマスクで覆った基材に塗布または噴霧後、マスクを除去する方法、インクジェット方式を用いて塗液化した酸化銀を画像状に直接噴霧する方法、ディスペンサーを用いてノズルに酸化銀塗液を少しずつ供給しながらノズルを動かすことにより、基材に画像を直接描画する方法等が挙げられる。
第二の方法は、酸化銀膜を基材上に形成し、ついでこれを像様に加熱して銀画像を形成する方法である。加熱方法は、加熱した金属塊をスタンプする方法等があるが、とりわけ、感熱プリンターの熱ヘッドを用いる方法や波長750〜900nmの近赤外レーザーの照射による方法が、高精細な画像を簡便に得ることができ特に好ましい。また、これらの方法では未加熱の部分が酸化銀のまま残されるが、これは画像形成後に洗浄等の方法により除去することが好ましい。
第三の方法は、酸化銀膜を基材上に形成し、次いでこの膜に還元剤を含有する液体を像様に付着させて潜像を作製し、還元剤が付着した部分のみが還元される条件で加熱して、現像する方法である。還元剤を膜へ像様に付着させる方法としては、上記第一の方法で述べたのと同様の方法が挙げられる。この場合も、第二の方法と同様、酸化銀の還元反応が生じない非画像部は、画像形成後除去されることが好ましい。
第四の方法は、酸化銀膜から銀膜を基材上に形成し、次いでこの銀膜から不要部を除去して画像を形成する方法である。代表的な方法としては銀膜上にレジストをパターニングして、酸によりエッチングを施す方法が挙げられる。レジストとしては、紫外線硬化性でアルカリ可溶性のドライフィルム等が使用できる。
以上に述べた方法等により得られた銀膜または銀画像は、光沢に乏しい多孔質である。これを前記に述べたように加圧することにより、表面の平滑性を上げて光沢が付与される。さらに粒子間、あるいは粒子と基材間の空隙もつぶされて小さくなることにより、密着性、導電性も向上する。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量基準である。
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製クラレポバール224)5部を蒸留水100部中で加熱撹拌し、溶解させた。冷却後,蒸留水を追加し、全量150部とした。これに酸化銀(和光純薬工業(株)製特級)100部を加え、ガラスビーズ150部とともにペイントコンディショナーで粉砕・分散した。得られた分散液を塗液とし、ワイヤーバーを用いて、白色PET(パナック(株)製ルミラーE−22、厚み188μm)に固形分塗抹量10g/m2になるように塗布した。作製した酸化銀塗布物を、200℃に設定した送風乾燥機で15分加熱処理をした。
こうして得た銀膜はやや茶色味を帯びた白色であり、光沢は帯びていない。表面抵抗を抵抗率計(三菱化学(株)製、商品名ロレスタ−EP)で測定したところ、8.6×10-2Ω/□であった。
この銀膜への加圧を、油圧ジャッキを装着した手動プレス機で行った。銀膜面にはアルミメタルミーをあてた。加えた圧力は300kgf/cm2であった。この処理により、銀膜全体が光沢を帯びてきた。表面抵抗を測定すると、7.5×10-2Ω/□であった。
酸化銀100部、アクリル樹脂(東亜合成(株)製、商品名UH−2900)15部、PEG#600ジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名ライトアクリレート14EG−A)5部、ジオキソラン200部をガラスビーズ150部とともにペイントコンディショナーで粉砕・分散した。得られた分散液を塗液とし、ワイヤーバーを用いて、実施例1と同じ白色PETに固形分塗抹量8g/m2になるように塗布した。作製した酸化銀塗布物を、200℃に設定した送風乾燥機で15分加熱処理をした。
こうして得た銀膜はやや白っぽい灰色であり、光沢は帯びていない。表面抵抗を抵抗率計で測定したところ、9.1×10-2Ω/□であった。
この銀膜への加圧を、カレンダーロールで行った。上側のロールは鏡面の金属ロールで、下側はゴムロールである。加圧には油圧ジャッキを用いた。試料の搬送速度は60cm/分、加えた圧力は200kgf/cm2であった。銀膜面が上側のロールにあたるようにして、2回カレンダーロールに通した。この処理により、銀膜全体が光沢を帯びてきた。表面抵抗を測定すると、8.3×10-2Ω/□であった。
酸化銀100部、アクリル樹脂(東亜合成(株)製、商品名UH−2000)15部、PEG#600ジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名ライトアクリレート14EG−A)5部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル15部を、自転・公転方式のミキサー((株)シンキー製、商品名あわとり練太郎、型式AR−250)を用いて、公転2000rpm、自転800rpmの条件下で3分間混合して、滑らかな酸化銀ペーストを調製した。
このペーストを用いて、スクリーン印刷による画像形成を行った。スクリーン印刷はサンハヤト(株)製シルク印刷機セットSR−350を用いた。スクリーンにはやはりサンハヤト(株)製スクリーンSR−352(材質テトロン、230メッシュ)を用いた。印刷基材には実施例1と同じ白色PETを用いた。印刷後、温風で乾かして、さらに200℃に設定した送風乾燥機中で20分加熱処理を行った。
こうして得た銀画像は白っぽい灰色であり、光沢は帯びていない。ベタ画像部(15×20mm)を利用し、抵抗率計で表面抵抗を測定したところ、3.3×10-2Ω/□であった。
この印刷物を、実施例2と同様にカレンダーロールで加圧した。加圧条件は圧力値が150kgf/cm2である以外は、実施例2と同じである。この処理により、銀膜全体が光沢を帯びてきた。表面抵抗を測定すると、2.5×10-2Ω/□であった。
実施例1で作製した酸化銀塗布物に、TDK製印字ヘッドLH4409付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いてパルス幅0.7ミリ秒、電圧20ボルトの条件で印字した。この印字試験での印字エネルギーは5000mJ/cm2である。感熱ヘッドの保護のために、酸化銀膜表面には厚さ5μmの耐熱PETフィルムを重ねて印字した。印字後の塗布物を水洗して、非画像部の酸化銀を除去した。得られた銀画像は白っぽい茶色であり、光沢は帯びていない。導電性を評価するため、ベタ画像部(15×20mm)を利用し、抵抗率計で表面抵抗を測定したところ、3.4Ω/□であった。また、画像の密着性をセロテープ剥離で評価すると、画像の半分ほどがセロテープにより剥離された。
この印字画像を、実施例2と同様にカレンダーロールで加圧した。加圧条件は圧力値が250kgf/cm2である以外は、実施例2と同じである。この処理により、銀画像全体が光沢を帯びてきた。表面抵抗を測定すると、1.2Ω/□であった。また、セロテープ剥離でも、画像の剥離は見られず、基材との密着性が向上していた。
実施例1で作製した酸化銀塗液を、ワイヤーバーを用いて、透明OHPフィルム(コクヨ(株)製VF1300N、厚み100μm)に固形分塗抹量12g/m2になるように塗布した。塗布物に、波長830nmの半導体レーザー(出力500mW)でテストパターン画像を描画した。描画後の塗布物を水洗して、レーザー未照射部の塗膜を除去した。得られた銀画像は茶色であり、光沢は帯びていない。導電性を評価するため、ベタ画像部(20×40mm)を利用し、抵抗率計で表面抵抗を測定したところ、2.6Ω/□であった。また、セロテープ剥離では画像の半分以上が剥離され、密着性に劣る結果だった。
この描画画像を、実施例2と同様にカレンダーロールで加圧した。加圧条件は圧力値が250kgf/cm2である以外は、実施例2と同じである。この処理により、銀画像全体が光沢を帯びてきた。表面抵抗を測定すると、8.2×10-1Ω/□であった。また、セロテープ剥離でも、画像の剥離は見られず、基材との密着性が向上していた。
(比較例1)
実施例5と同じ条件で作製した酸化銀塗布物を、実施例5と同様の条件で加圧を施した。しかる後に、実施例5と同様の条件で波長830nmの半導体レーザー(出力500mW)でテストパターン画像を描画した。描画後の塗布物を水洗して、レーザー未照射部の塗膜を除去した。得られた銀画像は茶色であり、光沢は帯びていない。導電性を評価するため、ベタ画像部(20×40mm)を利用し、抵抗率計で表面抵抗を測定したところ、2.1Ω/□であった。また、セロテープ剥離では画像の半分以上が剥離され、レーザーによる描画前に加圧しても、密着性は向上しない結果だった。
(比較例2)
実施例3と同じ条件で作製した酸化銀ペーストの印刷物を、加熱したカレンダーロールにより加熱と加圧を同時に行った。カレンダーロールの金属ロールを180℃に加熱し、圧力は200kgf/cm2に設定した。印刷面にはロールの保護のために厚さ5μmの耐熱PETフィルムを被せて、カレンダー処理を行った。搬送速度は20cm/分とし、2回通した。その結果、印刷面と耐熱PETフィルムが融着してしまい、フィルムを剥がす際に印刷画像の一部が一緒に剥離してしまった。
本発明は導電材料、記録材料として幅広く用いることができ、活用例としては本文中に述べた用途に加え、プリント基板回路、電磁波シールド材料、ICカード及びタグのアンテナコイル、平版印刷版等が挙げられる。

Claims (7)

  1. 少なくとも酸化銀より成る組成物を基材に塗布し、これを加熱処理することにより酸化銀を銀に変換するプロセスを経て作られた導電性膜を加圧することを特徴とする、導電性膜作製方法。
  2. 少なくとも酸化銀より成る組成物を基材に塗布し、これを加熱処理することにより酸化銀を銀に変換するプロセスを経て作られた導電性画像を加圧することを特徴とする、導電性画像作製方法。
  3. 少なくとも酸化銀より成る組成物を、印刷法により像様に塗布する、請求項2記載の導電性画像作製方法。
  4. 少なくとも酸化銀より成る組成物を基材に塗布し、これを部分的に加熱処理することにより導電性画像を作製する、請求項2記載の導電性画像作製方法。
  5. 部分的に加熱処理することにより酸化銀を銀に変換した後、非加熱部の酸化銀を除去してから、加圧することを特徴とする、請求項4記載の導電性画像作製方法。
  6. 部分的に加熱処理する方法が、感熱プリンター用の熱ヘッドである、請求項4あるいは5記載の導電性画像作製方法。
  7. 部分的に加熱処理する方法が、750〜900nmの範囲内に波長を有する近赤レーザーを照射することである、請求項4あるいは5記載の導電性画像作製方法。
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