JP2010027491A - 極細同軸ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールド特性が安定し、かつ半田付けによる短絡作業が可能なシールド層を有し、さらに製造コストを抑制できる極細同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】中心導体2の周囲に1次絶縁被覆層3を被覆して1次被覆線4を形成し、その1次被覆線4の外周にシールド層6、2次絶縁被覆層7を形成した極細同軸ケーブル1において、1次絶縁被覆層3の外周に、1本以上の金属単芯線5または極細芯線による撚線9を螺旋状に巻き付け、或いは縦添えし、その外周に、金属微粒子の焼結体からなるシールド層6を形成し、そのシールド層6の外周に2次絶縁被覆層7を形成したものである。
【選択図】図1
【解決手段】中心導体2の周囲に1次絶縁被覆層3を被覆して1次被覆線4を形成し、その1次被覆線4の外周にシールド層6、2次絶縁被覆層7を形成した極細同軸ケーブル1において、1次絶縁被覆層3の外周に、1本以上の金属単芯線5または極細芯線による撚線9を螺旋状に巻き付け、或いは縦添えし、その外周に、金属微粒子の焼結体からなるシールド層6を形成し、そのシールド層6の外周に2次絶縁被覆層7を形成したものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、極細同軸ケーブルおよびその製造方法に係り、特に、シールド特性が安定し、かつ半田付けによる短絡作業が可能なシールド層を有し、さらに製造コストを抑制できる極細同軸ケーブルおよびその製造方法に関するものである。
近年、医療機器や携帯電話用として極細同軸ケーブルが広範に用いられている。既存の極細同軸ケーブルの構造の一例を図6、10に示す。
図6、10は、従来の極細同軸ケーブルの横断面図である。
図6に示すように、極細同軸ケーブル60は、外径φ20μmの銀メッキ銅芯線61を7本撚合わせた中心導体62の外周に、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)からなる1次絶縁被覆層63を被覆して1次被覆線66を形成し、その1次被覆線66の外周に、中心導体62に用いたものと同様の銀メッキ銅芯線61を20本螺旋状に隙間なく巻いてシールド層64を被覆し、そのシールド層64の外周に、PFAからなる2次絶縁被覆層65を形成して構成される。
一方、特許文献1では、図10に示すように、金属微粒子を元に極細同軸ケーブルのシールド層を形成する技術が公開されており、この極細同軸ケーブル100は、上述した1次被覆線66の外周に、金属ナノ粒子の焼結体からなる膜厚10μm未満のシールド層101を設けたものである。
先ず、図6の極細同軸ケーブル60の製造方法を説明する。
図7は、1次絶縁被覆層を形成する1次被覆押出ラインの概略図であり、図8は、横巻きシールド層製造装置を示す概略図であり、図9は、2次絶縁被覆層を形成する2次被覆押出ラインの概略図である。
図7に示す1次被覆押出ライン70により、中心導体62の外周に1次絶縁被覆層63を形成し、1次被覆線66を形成する。その後、図8に示す横巻きシールド層製造装置80により、1次被覆線66の外周に、中心導体62に用いたものと同様の銀メッキ銅芯線61を20本螺旋状に隙間なく巻き付けてシールド層64を形成する。
そして、図9に示す2次被覆押出ライン90により、シールド層64が形成された1次被覆線66の外周に、2次絶縁被覆層65を形成し、極細同軸ケーブル60を得る。
上述の装置の具体的な動作を説明する。
図7に示すように、1次被覆押出ライン70では、銀メッキ銅芯線61を撚合わされた中心導体62をボビン(送出器)71で50m/minの速度で送り出し、その外周にPFA樹脂を1次絶縁被覆層63として約320℃で押出機72で押し出し、これを水冷槽73で冷却し、得られた1次被覆線66をボビン(巻取機)74で巻き取っている。
その後、図8に示すように、横巻きシールド層製造装置80では、水平面内で600rpmの速度で回転するボビン(送出器)74で5m/minの速度で1次被覆線66を下方に送り出すと共に、一対の芯線固定リング82,82で1次被覆線66を鉛直に送り出し、その芯線固定リング82,82の間の鉛直に送り出された1次被覆線66の外周に、20個の横巻芯線送出器83で銀メッキ銅芯線61を被覆し、上方のボビン81と同期回転しているボビン(巻取機)84でシールド層64が形成された1次被覆線66を巻き上げている。
20個の横巻芯線送出器83から送り出された銀メッキ銅芯線61は、それぞれ芯線固定リング82,82の間に設けられた集合リング85により集合され、1次被覆線66の外周に銀メッキ銅芯線61が隙間なく巻かれるようになっている。
そして、図9に示すように、2次被覆押出ライン90では、図7の1次被覆押出ライン70と同様に、シールド層64が形成された1次被覆線66を、ボビン(送出器)84で50m/minの速度で送り出し、その外周にPFA樹脂を2次絶縁被覆層65として約320℃で押出機91で押し出し、これを水冷槽92で冷却し、ボビン(巻取機)93で巻き取り、極細同軸ケーブル60を得る。
次に、図10の極細同軸ケーブル100の製造方法を説明する。
極細同軸ケーブル100については、詳細な製造方法は明示されていないが、図7の1次被覆押出ライン70により1次被覆線66を形成し、その1次被覆線66に金属微粒子を塗布し、これを焼結させてシールド層101を形成し、その後、シールド層101が形成された1次被覆線66を図9の2次被覆押出ライン90に導入して2次絶縁被覆層65を形成すると考えられる。
この極細同軸ケーブル100の構造では少なくともシールド層101形成のための横巻きライン(横巻きシールド層製造装置80)は不要であり、全ての工程を連続的に行えるため、製造速度がアップして製品の低コスト化を図れる可能性が高い。
先ず、横巻きのシールド層64を有する通常の極細同軸ケーブル60の問題点を以下に示す。
(1)横巻き工程のライン速度が遅いため製造コストが高い。
製造時の最大の問題点としては、横巻き工程のライン速度約5m/minと、PFA被覆の押出速度約50m/minに比べてはるかに遅いため、横巻き工程そのものの加工費が嵩むと共に、押出ライン上で同時に横巻き作業ができないので製造工程が増えることになる。
そのため現状では、1次絶縁被覆層63を被覆した芯線(中心導体62)を一旦巻き取り、その後撚合わせラインで横巻きを施している。そして再び別の押出ラインで2次絶縁被覆層65を形成し、合計3工程で作業を行っている。
(2)ケーブル外径
現在実用化されている極細同軸ケーブルで最も細径なものは最外層の被覆外径が約φ200μmであるが、各方面から更なる細径化の要求がある。中心導体および1次絶縁被覆層、2次絶縁被覆層は導通抵抗、絶縁特性の面から細径化や薄膜化の余地はない。
現在実用化されている極細同軸ケーブルで最も細径なものは最外層の被覆外径が約φ200μmであるが、各方面から更なる細径化の要求がある。中心導体および1次絶縁被覆層、2次絶縁被覆層は導通抵抗、絶縁特性の面から細径化や薄膜化の余地はない。
シールド層は、特性を満たせば、薄膜化が可能である。具体的には、電気抵抗が従来の編組と同等であればよい。例えば、外径φ20μm銀メッキ銅芯線61を20本組み合わせた図6の横巻きシールド層64を銀ナノ粒子による焼結膜に置き換えた場合、厚みは約10μmに低減でき直径で約20μmの低減が可能になる。
つまり、特許文献1の技術を用いることで、上述のシールド層64に関わる問題点は解決できる。しかしながら、極細同軸ケーブル100では、以下に示す2点の問題点が新たに発生する。
(1)屈曲時のシールド層導通不良
極細同軸ケーブルは小径であるが故、屈曲を受ける頻度が高い。その際、屈曲部の外側ではシールド層に引張り歪みが発生する。一方、金属ナノ粒子の焼結体は一見するとバルクの金属と同じであるが、電子顕微鏡などで内部を観察すると粒子間の境界面(粒界)が無数に存在する。
極細同軸ケーブルは小径であるが故、屈曲を受ける頻度が高い。その際、屈曲部の外側ではシールド層に引張り歪みが発生する。一方、金属ナノ粒子の焼結体は一見するとバルクの金属と同じであるが、電子顕微鏡などで内部を観察すると粒子間の境界面(粒界)が無数に存在する。
そのため、引張り応力が付与される同材質のバルクより伸びずにクラックが発生してしまう。銀ナノ粒子の焼結体では、焼結温度条件などにもよるが1〜3%の伸び歪が加わるとクラックが発生してしまう。
ケーブル長手に関し直交方向に発生したクラックはシールド層の導通不良につながり、最終的にはシールド特性が劣化することになる。
(2)短絡接続が困難
同軸ケーブルは実際に使用される際、ほとんどの場合でシールド層を短絡(接地)処理する必要がある。横巻きシールド層を有する従来型の同軸ケーブルでは、シールド層の芯線部分だけを結束して半田付け或いは圧着接合により短絡処理するのが標準的な工法である。
同軸ケーブルは実際に使用される際、ほとんどの場合でシールド層を短絡(接地)処理する必要がある。横巻きシールド層を有する従来型の同軸ケーブルでは、シールド層の芯線部分だけを結束して半田付け或いは圧着接合により短絡処理するのが標準的な工法である。
ところが、金属微粒子によるシールド層の場合、端末で薄膜層のみを取り出して結束するのがほぼ不可能である。また、薄膜層のみを取り出したとしても、現在金属ナノ粒子として最も普及している銀の場合は、俗に言う半田食われが発生して短絡不良が発生してしまう。
このように、単にシールド層を金属微粒子の焼結体で構成した場合は短絡接続で問題が発生してしまう。
すなわち、図6の極細同軸ケーブル60は、屈曲に強く、短絡接続もし易いが、製造コストが高く、ケーブル外径も大きくなってしまい、一方、図10の極細同軸ケーブル100は、製造コストが抑えられ、ケーブル外径も小さくできるが、屈曲に弱く、短絡もし難くなってしまうという相反する問題を抱えている。
そこで、本発明の目的は、上述の課題を解決し、シールド特性が安定し、かつ半田付けによる短絡作業が可能なシールド層を有し、さらに製造コストを抑制できる極細同軸ケーブルおよびその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、中心導体の周囲に1次絶縁被覆層を被覆して1次被覆線を形成し、その1次被覆線の外周にシールド層、2次絶縁被覆層を形成する極細同軸ケーブルにおいて、前記1次絶縁被覆層の外周に、1本以上の金属単芯線または極細芯線による撚線を螺旋状に巻き付け或いは縦添えすると共に、金属微粒子の焼結体からなるシールド層を形成し、その外周に2次絶縁被覆層を形成した極細同軸ケーブルである。
請求項2の発明は、前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層表面から露出するように巻き付け或いは縦添えされる請求項1に記載の極細同軸ケーブルである。
請求項3の発明は、前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層内に埋設するように巻き付け或いは縦添えされる請求項1に記載の極細同軸ケーブルである。
請求項4の発明は、前記金属微粒子が、銀、銅もしくはその合金からなる請求項1〜3のいずれかに記載の極細同軸ケーブルである。
請求項5の発明は、中心導体の周囲に1次絶縁被覆層を被覆して1次被覆線を形成し、その1次被覆線の外周にシールド層、2次絶縁被覆層を形成する極細同軸ケーブルの製造方法において、前記1次絶縁被覆層の外周に、1本以上の金属単芯線または極細芯線による撚線を螺旋状に巻き付け或いは縦添えすると共に、金属微粒子の焼結体からなるシールド層を形成し、その外周に2次絶縁被覆層を形成する極細同軸ケーブルの製造方法である。
請求項6の発明は、前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層表面から露出するように巻き付け或いは縦添えする請求項5に記載の極細同軸ケーブルの製造方法である。
請求項7の発明は、前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層内に埋設するように巻き付け或いは縦添えする請求項5に記載の極細同軸ケーブルの製造方法である。
請求項8の発明は、前記シールド層は、スラリー化した金属微粒子を1次被覆線の外周に塗布し、これを管状の加熱炉で加熱焼成して形成する請求項5〜7のいずれかに記載の極細同軸ケーブルの製造方法である。
請求項9の発明は、前記シールド層の形成と、前記2次絶縁被覆層の形成とを同一ライン上で連続して行う請求項5〜8のいずれかに記載の極細同軸ケーブルの製造方法である。
本発明によれば、シールド特性が安定し、かつ半田付けによる短絡作業が可能なシールド層を有し、さらに製造コストを抑制できる極細同軸ケーブルを得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な一実施の形態を示す極細同軸ケーブルの横断面図である。
図1に示すように、本形態に係る極細同軸ケーブル1は、中心導体2の外周に1次絶縁被覆層3が形成された1次被覆線4と、その1次被覆線4の外周に螺旋状に巻き付けられた1本以上の金属単芯線5と、その外周に形成された金属微粒子の焼結体からなる厚さ(金属単芯線5が巻かれた部分以外の厚さ)10μmのシールド層6と、そのシールド層6の外周に形成された2次絶縁被覆層7とで構成される。
中心導体2は、例えば外径φ20μmの銀メッキ銅芯線8を7本撚合わせたものである。1次絶縁被覆層3および2次絶縁被覆層7は、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)からなる。シールド層6に用いる金属微粒子としては、銀、銅もしくはその合金を用いるとよい。
金属単芯線5は、シールド層6の表面から露出していてもよく、シールド層6に埋設されていてもよい。また、金属単芯線5は、例えばピッチ約100mmで螺旋状に巻き付けるとよい。
以上のような構成の極細同軸ケーブル1によれば、従来の横巻きのシールド層64から、金属微粒子の焼結体からなる薄膜のシールド層6に変更することによりケーブル外径を小さくできる。
また、金属単芯線5をシールド層6に添わせることにより、金属薄膜のシールド層6でも容易に短絡(接地)接続が可能になると共に、万が一被覆層長手に直交するクラックが発生した場合でも電気的導通が確保できる。
この極細同軸ケーブル1の製造に用いる製造装置を説明する。
図3は、本発明に用いるシールド層および2次被覆押出ラインを示す概略図である。
シールド層および2次被覆押出ライン30は、1次被覆線4を送り出す送出器31と、送り出された直後の1次被覆線4の外周を回転しながら、1次被覆線4の外周に金属単芯線5を巻き付ける2個のボビン32,32と、金属単芯線5が巻き付けられた1次被覆線4の外周に金属微粒子ペーストを塗布するノズル内径が約0.2mmのダイス33と、金属微粒子ペーストを塗布した直後に焼成を行う横型管状炉34と、シールド層6が形成された1次被覆線4の外周にPFA樹脂を2次絶縁被覆層7として押し出す押出機35と、これを冷却する水冷槽36と、完成した極細同軸ケーブル1を巻き取る巻取機37とで構成される。
金属微粒子ペーストは、金属微粒子を有機溶剤で溶いたものであり、本実施の形態では、銀ナノ粒子(三ツ星ベルト社製M−DotSS)を有機溶剤であるデカノールで溶き、その粘度を予め1500〜2000mPa・sに調整したものを用いた。
横型管状炉34は長さ約9mで1m毎に温度を設定できる。入り口付近は約200℃に設定され、ここでは溶剤を揮発させる。以後の区間から出口までは炉温度設定は250〜320℃まで段階的に上がっていき、そこで銀ナノ粒子は焼結される。
次に、シールド層および2次被覆押出ライン30を用いた極細同軸ケーブル1の製造方法について説明する。
予め従来と同様の方法で製造した1次被覆線4をシールド層および2次被覆押出ライン30の送出器31にセットし、速度50m/minで送り出しながらボビン32,32により1次被覆線4の外周に金属単芯線5を巻き付ける。
その後、ダイス33を通過させ、金属単芯線5が巻かれた1次被覆線4の外周に金属微粒子ペーストを塗布し、これを横型管状炉34により焼成してシールド層6を形成し、その後押出機35により50m/minで外周に2次絶縁被覆層7を形成し、これを冷却槽36で冷却し、巻取機37で巻き取ると極細同軸ケーブル1が得られる。
本発明の極細同軸ケーブル1の製造方法によれば、PFA押出と同様にシールド層6の高速形成が可能であるため、シールド層6の形成と1次絶縁被覆層3および2次絶縁被覆層7の形成を1ラインで実施でき、低コスト化が図れる。
本発明の極細同軸ケーブル1の使用例として、極細同軸ケーブル1を多数本集合して図4、5に示すような多芯ケーブル化が考えられる。
図4は、極細同軸ケーブルを用いたフレキシブルフラットケーブルの横断面図であり、図5は、極細同軸ケーブルを用いた多芯同軸ケーブルの横断面図である。
図4に示すように、フレキシブルフラットケーブル40は、図1、2の極細同軸ケーブル1,20を任意の本数だけ平行配列し、上下から薄膜フィルム41を接着した構造である。
図5に示すように、多芯同軸ケーブル50は、図1の極細同軸ケーブル1を4本撚合わせ、押え巻き51、シールド52、シース53を被覆して4芯ユニットケーブル54とし、さらに、4芯ユニットケーブル54を16本抗張力鋼線55の周囲に撚合わせて形成された最終外径7mmの64芯同軸ケーブルである。
このように、本発明の極細同軸ケーブル1をフレキシブルフラットケーブルや多芯同軸ケーブルに用いることにより、シールド特性が安定し、かつ半田付けによる短絡作業が可能なシールド層を有し、さらに製造コストを抑制できるフレキシブルフラットケーブル40や多芯同軸ケーブル50が得られる。
上述の実施の形態においては、1次被覆線4の外周に金属単芯線5を螺旋状に巻き付けるとしたが、1次被覆線4に金属単芯線5を縦添えしてもよい。
金属単芯線5の本数に関しては、螺旋状に巻き付ける場合は、1本でも差し支えないが、縦添えする場合は、ケーブル断面に関し対象な位置に2本以上添えるのが望ましい。
なぜなら、1本である場合や複数本が接近して偏って配置されている場合、曲げ易さの偏りが発生し、例えば金属単芯線5を外側にしては曲げ難い結果になるためである。
金属単芯線5を螺旋状に巻き付けるか、或いは縦添えにするかの選択については、最終的な極細同軸ケーブル1に可撓性の要求がある場合は、螺旋状に巻き付ける方が望ましく、可撓性がそれほど要求されない場合は、縦添えでよく、押出速度の高速化に際しては大きな装置の変更なく対応可能である。
また、上述の実施の形態では、金属単芯線5を用いたが、これに代えて図2に示す極細同軸ケーブル20のように極細芯線による撚線(図2の極細同軸ケーブルでは、外径13μmの極細芯線7本による撚線)9を用いてもよい。これは、半田付けによる短絡作業において、金属単芯線5を用いた場合は断線すると導通が全く取れなくなるのに対して、撚線9を用いた場合では全芯が断線しない限り導通が確保できるためである。また、撚線9を用いることにより、半田付け面積が大きくなるため、接続の信頼性も金属単芯線5を用いた場合に比べるとより高くなる。
1 極細同軸ケーブル
2 中心導体
3 1次絶縁被覆層
4 1次被覆線
5 金属単芯線
6 シールド層
7 2次絶縁被覆層
9 極細芯線による撚線
2 中心導体
3 1次絶縁被覆層
4 1次被覆線
5 金属単芯線
6 シールド層
7 2次絶縁被覆層
9 極細芯線による撚線
Claims (9)
- 中心導体の周囲に1次絶縁被覆層を被覆して1次被覆線を形成し、その1次被覆線の外周にシールド層、2次絶縁被覆層を形成する極細同軸ケーブルにおいて、
前記1次絶縁被覆層の外周に、1本以上の金属単芯線または極細芯線による撚線を螺旋状に巻き付け或いは縦添えすると共に、金属微粒子の焼結体からなるシールド層を形成し、その外周に2次絶縁被覆層を形成したことを特徴とする極細同軸ケーブル。 - 前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層表面から露出するように巻き付け或いは縦添えされる請求項1に記載の極細同軸ケーブル。
- 前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層内に埋設するように巻き付け或いは縦添えされる請求項1に記載の極細同軸ケーブル。
- 前記金属微粒子が、銀、銅もしくはその合金からなる請求項1〜3のいずれかに記載の極細同軸ケーブル。
- 中心導体の周囲に1次絶縁被覆層を被覆して1次被覆線を形成し、その1次被覆線の外周にシールド層、2次絶縁被覆層を形成する極細同軸ケーブルの製造方法において、
前記1次絶縁被覆層の外周に、1本以上の金属単芯線または極細芯線による撚線を螺旋状に巻き付け或いは縦添えすると共に、金属微粒子の焼結体からなるシールド層を形成し、その外周に2次絶縁被覆層を形成することを特徴とする極細同軸ケーブルの製造方法。 - 前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層表面から露出するように巻き付け或いは縦添えする請求項5に記載の極細同軸ケーブルの製造方法。
- 前記金属単芯線または前記撚線は、前記シールド層内に埋設するように巻き付け或いは縦添えする請求項5に記載の極細同軸ケーブルの製造方法。
- 前記シールド層は、スラリー化した金属微粒子を1次被覆線の外周に塗布し、これを管状の加熱炉で加熱焼成して形成する請求項5〜7のいずれかに記載の極細同軸ケーブルの製造方法。
- 前記シールド層の形成と、前記2次絶縁被覆層の形成とを同一ライン上で連続して行う請求項5〜8のいずれかに記載の極細同軸ケーブルの製造方法。
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2008
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