JP2010026715A - 温度制御装置、及び評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーダ/ライタの温度とは切り離して記録媒体の温度を調節すること。
【解決手段】上面に記録媒体を設置可能な設置台と、前記設置台に記録媒体が設置された場合に、当該記録媒体の上面と共に第1槽を形成するカバー部材と、前記カバー部材に接続された給気管と、前記給気管を介して前記第1槽へ気体を送出する送風機と、を備える温度制御装置を提供する。さらに、温度制御装置は、前記設置台に設置される記録媒体又は当該記録媒体の近傍の温度を計測する温度センサを備え、前記送風機は、前記温度センサにより計測された温度に基づいて、前記第1槽への気体の送出を開始又は停止してもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度制御装置、及び評価方法に関する。
近年、非接触式IC(Integrated Circuit)カードや、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、携帯電話等の情報処理装置に内蔵される非接触式ICチップなど、誘導式読み書き通信装置との間で非接触式に通信可能な記録媒体が普及している。
誘導式読み書き通信装置(以下、リーダ/ライタという)は、ICカードやRFIDタグなどの記録媒体との間で、例えば13.56MHzなど特定の周波数の磁界を搬送波として使用して通信を行う。具体的には、リーダ/ライタが搬送波信号をのせた搬送波を送信すると、搬送波をアンテナで受信した記録媒体に含まれる情報処理回路が、記録媒体内に情報を記録し、又は搬送波信号に対する応答信号を返信する。それにより、リーダ/ライタは、記録媒体内に情報を書き込み、又は記録された情報を読み取ることができる。
このような非接触式に通信可能な記録媒体及びリーダ/ライタの可用性を確保するためには、通信距離の性能を正確に評価することが重要である。記録媒体とリーダ/ライタとの間の通信距離の評価は、一般的には、記録媒体をリーダ/ライタに相対させた状態で一定の間隔ずつ離しながら、データの読み書きが可能かどうかを検証することにより行われる。例えば、下記特許文献1では、評価装置の小型化のために、実際の通信距離よりも短縮した距離でリーダ/ライタの通信距離を評価することのできる技術が開示されている。
特開2005−182614号公報
さらに、非接触式の記録媒体が、その持ち運びの容易さから、あらゆる季節及びあらゆる場所で使用される可能性があることを考慮すると、例えば高温環境や低温環境などの極端な環境下で通信距離を評価することも求められる。そして、このような高低温環境下での評価試験は、通常、温度を一定に保つことのできる恒温槽の中に評価対象の記録媒体及びリーダ/ライタと、評価試験のための装置とを設置して行われる。
しかしながら、これまでの高低温環境下での評価試験では、記録媒体及びリーダ/ライタの保証温度範囲がそれぞれ異なることが適切に考慮されていなかった。一般的に、リーダ/ライタは、例えば屋外に恒常的に設置され得ることから、高温側も低温側も広い温度範囲での動作保証が求められる。これに対し、人間が持ち運ぶことの多い記録媒体は、一般的には、リーダ/ライタと比較すると狭い温度範囲で動作が保証される。そのため、リーダ/ライタの保証温度範囲の境界付近において恒温槽内で評価試験を行うと、記録媒体の温度は保証される範囲から外れることとなる。
このような状況下でも、正常に通信が行われた場合には特に問題は生じない。しかし、通信が失敗した場合には、リーダ/ライタが保証温度範囲内にも関わらず不具合を起こして動作しなかったのか、記録媒体が保証温度範囲外であるために正常に動作しなかったのかの切り分けが困難である。その場合、例えば記録媒体のみを一旦恒温槽の外に持ち出し、保証温度範囲内に戻してから素早く再試験を行うという方法がとられ得るが、そうした評価方法では評価の信頼性や測定の再現性が低下してしまう。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、リーダ/ライタの温度とは切り離して記録媒体の温度を調節することのできる、新規かつ改良された温度制御装置、及び評価方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、上面に記録媒体を設置可能な設置台と、前記設置台に記録媒体が設置された場合に、当該記録媒体の上面と共に第1槽を形成するカバー部材と、前記カバー部材に接続された給気管と、前記給気管を介して前記第1槽へ気体を送出する送風機と、を備える温度制御装置が提供される。
かかる構成によれば、設置台に設置された記録媒体の上面とカバー部材とにより形成された第1槽に給気管を介して送風機から気体が送出される。それにより、記録媒体の温度を制御することができる。
また、前記温度制御装置は、さらに前記設置台に設置される記録媒体又は当該記録媒体の近傍の温度を計測する温度センサを備え、前記送風機は、前記温度センサにより計測された温度に基づいて、前記第1槽への気体の送出を開始又は停止してもよい。
また、前記温度制御装置は、さらに前記設置台に設置される記録媒体又は当該記録媒体の近傍の温度を計測する温度センサと、前記温度センサにより計測された温度に基づいて、前記送風機により前記第1槽へ送出される気体の温度を調節する空調機と、を備えてもよい。
また、前記空調機は、前記温度センサにより計測された温度が記録媒体の保証温度の上限値を上回る場合には、前記送風機により前記第1槽へ送出される気体の温度を前記上限値よりも低い値に調節し、又は、前記温度センサにより計測された温度が記録媒体の保証温度の下限値を下回る場合には、前記送風機により前記第1槽へ送出される気体の温度を前記下限値よりも高い値に調節してもよい。
また、前記設置台は、前記設置台に記録媒体が設置された場合に、当該記録媒体の下面と共に第2槽を形成してもよい。
また、前記設置台は、前記第1槽と前記第2層との間を通気させるための通気孔を有してもよい。
また、前記温度制御装置は、さらに前記設置台を支持し上下方向に移動可能な移動台を備えてもよい。
また、前記温度制御装置は、さらに前記設置台から間隔を空けて前記第1槽の外部に固定されるアンテナ支持部を備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、設置台と、当該設置台の上面に設置された記録媒体と、内部へ気体を供給する給気管を有するカバー部材とを用いて第1槽を形成する形成ステップと、前記給気管を介して前記第1槽へ気体を送出することにより、前記記録媒体の温度を当該記録媒体の保証温度の範囲内に維持する維持ステップと、前記記録媒体の温度が当該記録媒体の保証温度の範囲内に維持された状態で、前記記録媒体と評価対象装置との間の通信性能を評価する評価ステップと、を含む評価方法が提供される。
以上説明したように、本発明に係る温度制御装置、及び評価方法によれば、リーダ/ライタの温度とは切り離して記録媒体の温度を調節することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕通信距離の一般的な評価方法
〔2〕本発明の一実施形態の説明
〔3〕変形例の説明
〔1〕通信距離の一般的な評価方法
図1は、非接触式の記録媒体とリーダ/ライタとの間の通信距離の一般的な評価方法について説明するための模式図である。
図1には、評価装置10、記録媒体20、リーダ/ライタ30、及びデータ処理装置40が示されている。
このうち、評価装置10は、移動台12、移動機構部14、駆動部16、及びアンテナ支持部18を主に備える。移動台12は、移動機構部14により支持される。移動機構部14は、駆動部16により駆動され又は手動により、移動台12を上下方向に移動させる。駆動部16は、データ処理装置40からの制御を受けて、移動機構部14を駆動する。アンテナ支持部18は、リーダ/ライタ30のアンテナ32を支持する。
記録媒体20は、例えば、移動台12の上面に設置される。そして、移動台12が上下方向に移動することにより、記録媒体20と、アンテナ支持部18により支持されたアンテナ32との間の距離が変化する。
図1では、記録媒体20として非接触式ICカードを示しているが、記録媒体20は非接触式ICカードに限定されない。例えば、記録媒体20は、RFIDタグや非接触式ICチップを搭載した携帯電話などであってもよい。
リーダ/ライタ30のアンテナ32は、アンテナ支持部18により支持され、及びリーダ/ライタ30の本体と接続される。リーダ/ライタ30は、データ処理装置40からの制御を受けて、記録媒体20へ所定の通信コマンド(例えばポーリングコマンドなど)を送信し、当該通信コマンドに対する応答の有無などをデータ処理装置40へ出力する。
データ処理装置40は、移動機構部14、駆動部16、及びリーダ/ライタ30と接続される。データ処理装置40は、例えば、リーダ/ライタ30から記録媒体20への通信コマンドの送信を所定の回数(例えば1000回など)繰返し、記録媒体20からの応答の結果を順次記録する。このとき、正常な応答を得られた割合が所定の閾値を超えた場合には、その距離での通信は成功したと判定する。
データ処理装置40は、例えば、駆動部16を制御し、移動台12を移動させて記録媒体20とアンテナ32との間の距離を一定距離(例えば1mmなど)ずつ変化させながら、前述の通信可否の判定を繰り返す。その結果、記録媒体20とリーダ/ライタ30のアンテナ32との間の通信可能な最大の距離が導かれる。
このような通信距離の評価を高低温環境下で行う際には、図1に示した装置一式が恒温槽(図示せず)内に設置される。そして、リーダ/ライタ30の保証温度範囲の境界付近で通信距離を評価する場合には、記録媒体20の温度を記録媒体20の保証温度範囲内に留めるために、測定の都度記録媒体20を恒温槽から取り出して冷却又は加温するといった作業が行われる。
しかしながら、かかる作業では測定の再現性が低下し評価試験の信頼性を損なうと共に、試験者の手間も増大する。そこで、次節より説明する本発明の一実施形態に係る温度制御装置を創作するに至った。
〔2〕本発明の一実施形態の説明
図2は、本発明の一実施形態に係る温度制御装置100の機構部の物理的な構成を示す説明図である。図2を参照すると、温度制御装置100の機構部は、設置台110、カバー部材120、移動台130、アンテナ支持部140、及び装置台150を備える。
設置台110は、例えば、移動台130の上部に支持される。設置台110は、その上面に、記録媒体102を設置するための記録媒体設置部112を有する。記録媒体設置部112には、評価試験に際して、記録媒体102が設置される。設置台110の記録媒体設置部112に記録媒体102が設置されると、当該記録媒体102の上面は、設置台110及びカバー部材120と共に、第1槽160を形成する。
また、設置台110の記録媒体設置部112は、中央に第1開口部114を有する。それにより、記録媒体設置部112に記録媒体102が設置されると、当該記録媒体102の下面は、設置台110と共に第2槽162を形成する。さらに、設置台110は、その一側面を貫通する通気孔116を有し、前述の第1槽160と第2槽162との間を通気させる。
カバー部材120は、例えば、移動台130の上部に支持される。カバー部材120は、前述したように、設置台110に記録媒体102が設置された場合に、当該記録媒体102の上面と共に第1槽160を形成する。また、カバー部材の一側面には、給気管122及び排気管124が接続される。かかる給気管にはさらに送風機(図示せず)が接続され、当該送風機から給気管122を介して第1槽160の内部へ気体が送出される。
また、カバー部材120の一側面には、設置台110に設置される記録媒体102又はその近傍の温度を計測する温度センサ126も設けられる。温度センサ126は、設置台110に設置される記録媒体102又はその近傍の温度を計測し、計測値を出力する。
移動台130は、例えば、設置台110及びカバー部材120を支持する。移動台130は、例えば、図1に示した移動機構部14(図2には図示せず)などにより上下方向に移動可能なように構成される。移動台130が上下方向に移動することにより、記録媒体102が設置された設置台110及びカバー部材120も上下方向に移動する。また、移動台130は、中央に第2開口部132を有する。
アンテナ支持部140は、リーダ/ライタのアンテナ104を支持する。アンテナ支持部140は、例えば、装置台150の上に固定される。そのため、移動台130が上下方向に移動すると、記録媒体102とアンテナ104との間の距離が変化する。ここで、図2に示したように、移動台130が所定の高さだけ下方に移動した際、アンテナ支持部140が第2開口部132を通って第2槽162の中に進入可能なように設置台110、移動台130、及びアンテナ支持部140を構成するのが好適である。それにより、記録媒体102とアンテナ104が近接又は接触した状態で試験を行うことが可能となる。
図2に示した温度制御装置100において、リーダ/ライタのアンテナ104は、設置台110の記録媒体設置部112に設置された記録媒体102との間で、第1開口部114及び第2開口部132を通って伝達する電磁波を用いて通信することができる。
なお、設置台110、カバー部材120、及び移動台130は、耐熱性に優れた電磁波透過材、例えばフェノール樹脂(紙ベークライト)などを用いて形成するのが好適である。また、設置台110、カバー部材120、及び移動台130のうち2つ以上の構成要素を、一体的な部材として形成してもよい。
次に、図3は、温度制御装置100の論理的な構成を示すブロック図である。図3を参照すると、温度制御装置100は、図2に示した構成要素の他に、送風機170、空調機172、駆動部174、位置検出部176、及びデータ処理部180を備える。このうち、主に送風機170、空調機172、及びデータ処理部180は、評価試験に際し、恒温槽164の外部に配置される。
送風機170は、データ処理部180による制御を受けて、図2に示した給気管122を介して第1槽160へ気体を送出する。それにより、第1槽160の内部の気温は、恒温槽164の設定温度から冷却又は加温される。また、第1槽160の内部の気温が冷却又は加温されると、図2に示した通気孔116を通って熱が拡散し、第2槽162の内部の気温も冷却又は加温される。それにより、記録媒体102の温度が保証温度範囲内に維持される。
送風機170には、さらに空調機172が接続されてもよい。空調機172は、データ処理部180による制御を受けて、送風機170により第1槽160へ送出される気体の温度を調節する。
駆動部174は、データ処理部180による制御を受けて、図2に示した移動台130を上下方向に移動させる。また、位置検出部176は、移動台130のアンテナ支持部140又は装置台150に対する相対位置を検出してデータ処理部180へ出力する。
データ処理部180は、温度センサ126により計測された温度に基づいて、送風機170による第1槽160への気体の送出を開始又は停止させる。また、データ処理部180は、温度センサ126により計測された温度に基づいて、送風機170により第1槽160へ送出される気体の温度を空調機172に調節させてもよい。
また、データ処理部180は、位置検出部176から現在の移動台130の相対位置に関する情報を受け付ける。そして、データ処理部180は、評価試験の進行に応じて駆動部174を制御し、移動台130を上下方向に移動させる。
さらに、データ処理部180には、リーダ/ライタ制御部106が接続される。リーダ/ライタ制御部106は、記録媒体102へ送信した通信コマンドに対する記録媒体102からの応答をアンテナ104を介して取得し、データ処理部180へ出力する。
なお、図3ではデータ処理部180を1つの機能ブロックとして示しているが、例えば、前述したリーダ/ライタ制御部106との入出力機能、移動台130の駆動制御機能、並びに送風機170及び空調機172の制御機能を、それぞれ分散して配置してもよい。例えば、空調機172の制御を、空調機172自体の固有の制御機器を用いて行ってもよい。
また、アンテナ104は、リーダ/ライタ制御部106と一体として構成されていてもよい。その場合には、アンテナ104及びリーダ/ライタ制御部106が、アンテナ支持部140に共に支持され得る。
図4は、データ処理部180による温度制御プロファイルの一例を示す説明図である。図4の横軸は、恒温槽164内の温度T1、即ち評価試験時のリーダ/ライタ制御部106及びアンテナ104の温度を表す。一方、図4の縦軸は、データ処理部180により制御される第1槽160及び第2槽162の内部の温度T2、即ち記録媒体102の温度を表す。
リーダ/ライタの評価試験では、例えば、リーダ/ライタの保証温度の下限値から上限値までの間、リーダ/ライタが仕様に定められた所定の通信距離の性能を有するか否かが試験される。図4では、リーダ/ライタの保証温度の下限値をTRWL、上限値をTRWHとして示している。
これに対し、前述したように、リーダ/ライタと通信する記録媒体102の保証温度範囲は、一般的にリーダ/ライタの保証温度範囲よりも狭い。図4では、記録媒体102の保証温度の下限値をTCL、上限値をTCHとして示している。
図4の実線の折れ線は、データ処理部180により制御される温度T2の目標値を表している。例えば、データ処理部180は、恒温槽164内の温度T1が記録媒体102の保証温度の下限値TCLを下回る場合に、記録媒体102の温度T2がTCLよりも低くならないように、第1槽160及び第2槽162の温度を制御する。より具体的には、データ処理部180は、例えば、温度センサ126により計測された温度T2がTCLを下回った場合に送風機170による送風を開始させ、T2がTCL+αよりも高くなるまで送風を継続させる。
同様に、例えば、データ処理部180は、恒温槽164内の温度T1が記録媒体102の保証温度の上限値TCHを上回る場合に、記録媒体102の温度T2がTCHよりも高くならないように、第1槽160及び第2槽162の温度を制御する。より具体的には、データ処理部180は、例えば、温度センサ126により計測された温度T2がTCHを上回った場合に送風機170による送風を開始させ、T2がTCH−αよりも低くなるまで送風を継続させる。
ここで、目標温度からのオフセット値αは、温度制御のヒステリシスを考慮して選択する。αが大きいと繰返性や再現性に影響し、小さいと温度制御の安定性に影響する。例えば、JIS温度2級に準じてα=2℃としてもよい。
また、送風機170により送風される気体の温度を、空調機172により調節させてもよい。例えば、記録媒体102の温度T2がTCL+2℃を下回っている場合に、空調機172は、TCL+β℃の気体を送風機170により送風させてもよい。同様に、記録媒体102の温度T2がTCH−2℃を上回っている場合には、空調機172は、TCH−β℃の気体を送風機170により送風させてもよい。
制御用の気体の温度を決定する値βは、目標温度からある程度離れている方が望ましいが、温度差が大きいと記録媒体102の周囲に電磁波を吸収する結露を生じさせて評価の精度が低下するため、かかる点を考慮して選択されるべきである。例えば、JIS温度5級に準じてβ=5℃としてもよい。
なお、空調機172を用いる場合には、送風機170により送風される気体の湿度を恒温槽の温度T1における飽和水蒸気量を超えないように調節するのが好適である。それにより、記録媒体102の周囲に結露が付着するのを防ぐことができる。
また、第1槽160及び第2槽162の大きさは、温度の安定性と取扱いの容易さから決定されるべきである。第2槽の大きさは、恒温槽164の内部の空気の流れが強い場合には大きくしておくのが好適である。また、給気孔122及び排気孔124の大きさは、第2槽162へ通気する気体の流量が高温時及び低温時においても十分に確保され、第2槽162の温度が第1槽の温度と同等に変化し得るように決定されるべきである。
図5は、図2〜図4を用いて説明した温度制御装置100を用いたリーダ/ライタの通信距離の評価方法の流れを例示するフローチャートである。
図5を参照すると、リーダ/ライタの通信距離の評価は、まず温度制御装置100のセットアップから開始される(S502)。例えば、記録媒体102が設置台110の記録媒体設置部112に設置され、さらに移動台130の上に設置台110及びカバー部材120が取り付けられる。それにより、第1槽160が形成される。また、アンテナ支持部140の上にリーダ/ライタのアンテナ104が設置される。そして、図2に示した温度制御装置100の機構部が恒温槽164の中に配置される。
温度制御装置100のセットアップが終了すると、温度測定が開始される(S504)。例えば、温度センサ126によって記録媒体102又はその近傍の温度が測定され、測定値がデータ処理部180へ出力される。
次に、データ処理部180により、温度の測定値が記録媒体102の保証温度の範囲内か否かが判定される(S506)。測定値が記録媒体102の保証温度の範囲内でないと判定されると、データ処理部180は、送風機170による第1槽160の内部への気体の送出を開始させる(S508)。送風機170により送出された気体は、給気管122を介して第1槽160の内部へ送られ、記録媒体102の上面を冷却又は加温する。また、第1槽160の内部の気体は、通気孔116を通って第2槽162に入り、記録媒体102の下面を冷却又は加温する。それにより、記録媒体102の温度は、恒温槽164の設定温度に関わらず、記録媒体102の保証温度範囲内に維持される。
また、S506において、測定値が記録媒体102の保証温度の範囲内であると判定されると、さらに測定値が送風を停止すべき温度の範囲内にあるか否かが判定される(S510)。送風を停止すべき温度の範囲内とは、例えば、図4に関連して説明したTCL+α<T2<TCH−αの範囲内などである。測定値が送風を停止すべき温度の範囲内であれば、データ処理部180は、送風機170による第1槽160の内部への気体の送出を停止させる(S512)。
そして、ここまでの手順により記録媒体102の温度がその保証温度の範囲内に維持された状態で、記録媒体102とアンテナ104との間の通信距離が評価される(S514)。より具体的には、例えば、リーダ/ライタ制御部106からの制御を受けたアンテナ104から記録媒体102へ所定の通信コマンドが送信され、当該通信コマンドに対する応答の有無がリーダ/ライタ制御部106からデータ処理部180へ出力される。そして、データ処理部180は、所定の回数送信した通信コマンドに対する応答の有無等の結果に応じて、その距離での通信の成功又は失敗を判定する。
その後、測定すべき全ての距離について試験が終了していない場合には、移動台130が上下いずれかの方向に移動され、S506以降の手順が繰り返される(S516)。測定すべき全ての距離について試験が終了した場合には、本フローチャートは終了する。
なお、データ処理部180は、典型的にはマイクロプロセッサを有するコンピュータを用いて実装される。図6は、データ処理部180が実装されるコンピュータの一例としての汎用コンピュータの構成例を示している。
図6において、CPU(Central Processing Unit)902は、汎用コンピュータの動作全般を制御する。ROM(Read Only Memory)904には、一連の処理の一部又は全部を記述したプログラム又はデータが格納される。RAM(Random Access Memory)906には、CPU902が演算処理に用いるプログラムやデータなどが一時的に記憶される。
CPU902、ROM904、及びRAM906は、バス908を介して相互に接続される。バス908にはさらに、入出力インタフェース910が接続される。
入出力インタフェース910は、CPU902、ROM904、及びRAM906と、入力部912、出力部914、記憶部916、通信部918、及びドライブ920とを接続するためのインタフェースである。
入力部912は、例えばボタン、スイッチ、レバー、マウスやキーボードなどの入力装置を介して、試験者からの指示や情報入力を受け付ける。出力部914は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)などの表示装置、又はスピーカなどの音声出力装置を介して試験者に対して情報を出力する。
記憶部916は、例えばハードディスクドライブ又はフラッシュメモリなどにより構成され、プログラム、プログラムデータ、試験結果データなどを記憶する。通信部918は、LAN(Local Area Network)又はインターネットなどのネットワークを介する通信処理を行う。ドライブ920は、必要に応じて汎用コンピュータに設けられ、例えばドライブ920にはリムーバブルメディア922が装着される。
データ処理部180の実行する一連の処理をソフトウェアで実行する場合には、例えば図6に示したROM904、記憶部916、又はリムーバブルメディア922に格納されたプログラムが、実行時にRAM906に読み込まれ、CPU902によって実行される。
〔3〕変形例の説明
ここまで、図2〜図6を用いて、本発明の一実施形態について説明した。これに対し、図7に示す第1の変形例、又は図8に示す第2の変形例を用いることもできる。
図7は、第1の変形例に係る温度制御装置200の構成を示すブロック図である。図7を参照すると、温度制御装置200において、図3に示した空調機172が省略されている。このように、温度制御装置200に空調機172が存在しない場合でも、送風機170により恒温槽164の外部の常温の気体を第1槽160の内部へ送出することにより、記録媒体102の温度を保証温度範囲内に維持することができる。このとき、送風機170は、データ処理部180による制御を受けず、常に気体を第1槽160の内部へ送出していてもよい。但し、空調機172を省略した場合には、湿度の条件により別途結露対策を講じる必要があることに留意すべきである。
また、図7を参照すると、温度制御装置200において、図3に示した第2槽162が省略されている。このように、温度制御装置200に第2槽162が存在しない場合でも、記録媒体102の上面を第1槽160の内部へ送出される気体によって冷却又は加温することで、記録媒体102の温度を保証温度範囲内に維持することができる。
一方、図8は、第2の変形例に係る温度制御装置300の構成を示すブロック図である。図8を参照すると、温度制御装置300において、図3に示した温度制御装置100の構成に加えて、第2槽162の専用の温度センサ128及び送風機178が設けられている。このように、第2槽162に専用の温度センサ128及び送風機178を設け、送風機178から第2槽162の内部へ給気孔(図示せず)を介して気体を送出することにより、記録媒体102の下面の温度を制御してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種のその他変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書では、一実施形態に係る温度制御装置を記録媒体102とアンテナ104の間の通信距離の評価に用いる例について説明したが、評価試験の目的は通信距離の評価に限定されない。例えば、一実施形態に係る温度制御装置を、Nullポイント(通信領域内に存在する、位相が反転して通信が不可能となるポイントのこと)の評価に用いてもよい。また、本明細書で例示した任意の部材を結合又は分割して温度制御装置を構成してもよい。
記録媒体とリーダ/ライタ間の通信距離の一般的な評価方法を説明するための模式図である。 一実施形態に係る温度制御装置の機構部の構成を示す説明図である。 一実施形態に係る温度制御装置の論理的な構成を示すブロック図である。 一実施形態に係る温度制御プロファイルの一例を示す説明図である。 通信距離の評価の流れを例示するフローチャートである。 汎用コンピュータの構成の一例を示すブロック図である。 温度制御装置の第1の変形例に係る構成を示すブロック図である。 温度制御装置の第2の変形例に係る構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 温度制御装置
102 記録媒体
104 アンテナ
106 リーダ/ライタ制御部
110 設置台
112 記録媒体設置部
114 第1開口部
116 通気孔
120 カバー部材
122 給気管
124 排気管
126、128 温度センサ
130 移動台
132 第2開口部
140 アンテナ支持部
150 装置台
160 第1槽
162 第2槽
170、178 送風機
172 空調機
174 駆動部
176 位置検出部
180 データ処理部

Claims (9)

  1. 上面に記録媒体を設置可能な設置台と;
    前記設置台に記録媒体が設置された場合に、当該記録媒体の上面と共に第1槽を形成するカバー部材と;
    前記カバー部材に接続された給気管と;
    前記給気管を介して前記第1槽へ気体を送出する送風機と;
    を備える、温度制御装置。
  2. さらに、前記設置台に設置される記録媒体又は当該記録媒体の近傍の温度を計測する温度センサを備え、
    前記送風機は、前記温度センサにより計測された温度に基づいて、前記第1槽への気体の送出を開始又は停止する、
    請求項1に記載の温度制御装置。
  3. さらに、
    前記設置台に設置される記録媒体又は当該記録媒体の近傍の温度を計測する温度センサと、
    前記温度センサにより計測された温度に基づいて、前記送風機により前記第1槽へ送出される気体の温度を調節する空調機と、
    を備える、請求項1に記載の温度制御装置。
  4. 前記空調機は、前記温度センサにより計測された温度が記録媒体の保証温度の上限値を上回る場合には、前記送風機により前記第1槽へ送出される気体の温度を前記上限値よりも低い値に調節し、又は、前記温度センサにより計測された温度が記録媒体の保証温度の下限値を下回る場合には、前記送風機により前記第1槽へ送出される気体の温度を前記下限値よりも高い値に調節する、請求項3に記載の温度制御装置。
  5. 前記設置台は、前記設置台に記録媒体が設置された場合に、当該記録媒体の下面と共に第2槽を形成する、請求項1に記載の温度制御装置。
  6. 前記設置台は、前記第1槽と前記第2層との間を通気させるための通気孔を有する、請求項5に記載の温度制御装置。
  7. さらに、前記設置台を支持し上下方向に移動可能な移動台を備える、請求項1に記載の温度制御装置。
  8. さらに、前記設置台から間隔を空けて前記第1槽の外部に固定されるアンテナ支持部を備える、請求項1に記載の温度制御装置。
  9. 設置台と、当該設置台の上面に設置された記録媒体と、内部へ気体を供給する給気管を有するカバー部材とを用いて第1槽を形成する形成ステップと;
    前記給気管を介して前記第1槽へ気体を送出することにより、前記記録媒体の温度を当該記録媒体の保証温度の範囲内に維持する維持ステップと;
    前記記録媒体の温度が当該記録媒体の保証温度の範囲内に維持された状態で、前記記録媒体と評価対象装置との間の通信性能を評価する評価ステップと;
    を含む、評価方法。
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