JP2007028119A - Icタグ管理装置、icタグ管理方法及びicタグ管理システム - Google Patents

Icタグ管理装置、icタグ管理方法及びicタグ管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、電波干渉を防止しつつ、かつシステム内のICタグ通信装置とICタグとにおける通信処理全体を高速化することが可能な管理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数のICタグと複数のICタグ通信装置との通信を管理する管理装置101であって、各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析する解析部203と、前記解析部203での解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知するタイミング通知手段206とを含むことを特徴とする管理装置を提供する。このように電波干渉の有無の解析結果に基づいて通信タイミングを通知するため、管理装置の配下にあるICタグ通信装置全体による通信処理をより高速化することが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ICタグ通信装置間の電波干渉を防止するためのICタグ管理装置、ICタグ管理方法及びICタグ管理システムに関する。
ICタグは、アンテナと集積回路から構成される電子装置であり、無線を介して、非接触で物体を識別するシステムに利用されている。
このようなICタグを用いたアプリケーション(システム)の一例として、商品の在庫管理がある。例えば、倉庫に保管されている商品(またはパレット単位)には、その商品を識別可能な情報が記載されたICタグチップが貼り付けられている。また、倉庫内にはICタグリーダ(tag reader)が設置されており、このICタグリーダを用いて、前記ICタグチップから識別情報を読み取り、収集する。これにより、利用者は、商品の在庫状況を知ることができる。しかし、ICタグチップが内部に有する情報を送信する電力、すなわち送信距離には限りがある。そのため、広い倉庫内で前記システムを構築する場合においては、ICタグの検出範囲を分割し、複数のICタグリーダを倉庫内に設置することが考えられる。また、工程管理を行うシステムでは、工程ごとにICタグリーダが必要なため、比較的近距離で複数のICタグリーダが稼動することになる。
その際、問題となるのが、複数設置されたICタグリーダ間の電波干渉問題である。ICタグリーダの信号距離は、ICタグチップの信号送信距離と比較すると十分大きな値となる。したがって、ICタグリーダの設置場所及びその信号発生タイミングによっては、あるICタグリーダの送信信号が、別のICタグリーダの信号と干渉し、ICタグの読み取り精度を著しく低減させる可能性がある。
このようなICタグをはじめとする非接触型の記録媒体に関する読み取り装置間の電波干渉を防止する方法が特許文献1に開示されている。特許文献1では、非接触記憶媒体の読み取り装置を管理する管理装置が備えられている、そして管理装置は、各読み取り装置に対して、非接触記憶媒体の読み取り処理を行うタイミング(電波を送信するタイミング)を通知する。
図28は、前記特許文献1の非接触型の施開錠装置の概要を示す説明図である。図28において、ロッカールーム等には、電気錠により施錠・開錠可能なロッカー1〜3が隣接して配置されている。また、ロッカー1〜3には、それぞれICカードリーダ11〜13が設けられている。利用者21は、利用可能な特定のロッカーの電気錠を施錠・開錠するための鍵データが記録されているICカードを保持している。ロッカー利用時に、利用者21がICカード31を各ロッカーのICカードリーダにかざす。すると、ICカードリーダは、ICカード31から前記鍵データを取得し、鍵データから施開錠を許可すべきICカードであるか否かを判別する。許可すべきICカード31であればロッカーの扉を施開錠し、そうでなければ何もしない。管理装置10は、複数設置されたICカードリーダ1〜3を管理しており、各ICカードリーダ11〜13に対して、ICカード31の読み取りタイミングを通知する。管理装置10は、各ロッカーの電気錠毎に異なるタイミングを設定し、1つのICカードリーダのみが通信を行うように制御する。これにより複数のICカードリーダ間の電波干渉問題を解消することができる。
特開2003−27789号明細書
ICカードやICタグに代表される非接触型無線媒体を用いたアプリケーションは、ロッカーに限らず、さまざまな用途が検討されている。例えば、ICタグのような無線記憶媒体を、物や人に貼り付けることにより、それらの位置情報を管理するものがある。中でも、ICタグの移動が頻繁に発生する場合や、安全や防犯を目的としたアプリケーションでは、ICタグの頻繁な検出が必要であり、システム全体におけるICタグの読み取り処理を効率的に行うことが求められる。
しかし、特許文献1に記載された方法では、全てのICカードリーダ毎に異なるタイミングが設定されている。つまり、システム内で一度に電波を発信できるICカードリーダは常時一台であり、全てのICカードリーダが各エリア内のICタグの読み取り処理を完了するのに非常に時間を要する。また、各ICカードリーダ装置毎に、ICカードのリード処理を行うことが可能な規定時間が定められている。図29は、管理装置10が各ICカードリーダ11〜13にリードコマンドを送信している様子を示す説明図である。図29に示すように、管理装置10は、ICカードリーダ11に規定時間を含むリードコマンドを送信する。これにより、ICカードリーダ11は、規定時間のあいだ電波を送信してエリア内のICカードと通信を行う。そして、規定時間が経過すると、管理装置は次のICカードリーダ12にリードコマンドを送信し、ICカードリーダ12が規定時間のあいだICカードと通信を行う。しかし、ICカードリーダ12は、規定時間内にリード処理を実行できずICカードから情報を読み出せない場合もある。このように、ICカードリーダは、ICカードの分布状況によっては、規定時間内に全てのICタグを確実に読み取ることができない場合がある。
そこで、本発明は、電波干渉を防止しつつ、かつシステム内のICタグ通信装置とICタグとにおける通信処理全体を高速化することが可能な管理装置、管理方法及び管理システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、電波干渉を防止しつつ、かつICタグ通信装置とICタグとの通信精度を向上させることが可能な管理装置、管理方法及び管理システムを提供することを目的とする。
本願第1発明は、上記の課題を解決するために、複数のICタグと複数のICタグ通信装置との通信を管理する管理装置であって、各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析する解析部と、前記解析部での解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知するタイミング通知手段と、を含むことを特徴とする、管理装置を提供する。
ICタグ通信装置は、ICタグ内の情報を読み取るICタグリーダ、ICタグ内に情報を書き込むICタグライタ又はICタグの情報を読み書きするICタグリーダ・ライタである。管理装置は、管理下にある全てのICタグ通信装置同士が電波干渉するか否かを解析する。ICタグ通信装置は、管理装置による電波干渉の解析結果に基づいた通信タイミングで通信を行う。例えば、管理装置は、同時にICタグとの通信を行うと互いに電波干渉するICタグ通信装置どうしにはそれぞれ異なる通信タイミングを通知する。一方、電波干渉しないICタグ通信装置どうしには同じ通信タイミングを通知する。よって、電波干渉するICタグ通信装置どうしは、互いに異なる通信タイミングでICタグと通信を行うので、ICタグ通信装置どうしの電波干渉を防止することができる。一方、電波干渉しないICタグ通信装置どうしは、同時にICタグとの通信を行っても電波干渉の問題は生じない。また、このように電波干渉の有無の解析結果に基づいて通信タイミングを通知するため、全てのICタグ通信装置の通信タイミングが異なるように設定する場合と比較して、管理装置の配下にあるICタグ通信装置全体による通信処理をより高速化することが可能となる。
本願第2発明は、第1発明において、前記解析部は、互いに電波干渉しないICタグ通信装置の組み合わせ(以下、不干渉グループという)を抽出し、前記タイミング通知手段は、前記不干渉グループのICタグ通信装置には概ね同じタイミングでの通信タイミングを通知し、互いに電波干渉するICタグ通信装置には異なる通信タイミングを通知することを特徴とする管理装置を提供する。
ここで、同じ通信タイミングとは、各ICタグ通信装置におけるICタグとの通信が、同時に開始される場合や同時には開始されないが通信期間が重なる場合を含む。一方、異なる通信タイミングとは、各ICタグ通信装置における通信期間が重ならない場合を言う。上述のように、互いに電波干渉しない不干渉グループのICタグ通信装置は、同じ通信タイミングでICタグと読出し又は書込みなどの通信を行うが、電波干渉の問題は生じない。一方、互いに電波干渉するICタグ通信装置は、異なる通信タイミングで通信を行うため、電波干渉の問題は生じない。
本願第3発明は、第2発明において、前記タイミング通知手段は、前記不干渉グループ内のICタグ通信装置の数が多い順に優先的にICタグとの通信を行わせるような通信タイミングを通知することを特徴とする、通信装置を提供する。
不干渉グループ内のICタグ通信装置の数が多いほど、ICタグとの通信エリアが大きくなる。ICタグ通信装置の数が多い不干渉グループにICタグとの通信を優先させることで、多数のICタグとの通信を早期に行わせることができる。よって、管理装置は、多数のICタグ通信装置と多数のICタグとの通信による多くの通信結果を早期に得ることができる。このように処理開始の早い段階で多くの結果を得ることができるので、ユーザに処理経過を提示する場合、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。
本願第4発明は、第1又は第2発明において、各ICタグ通信装置におけるICタグの検出数を取得する検出数取得手段をさらに含み、前記タイミング通知手段は、前記検出数取得手段が取得した検出数の多い順に優先的にICタグとの通信を行わせるような通信タイミングを通知することを特徴とする通信装置を提供する。
あるICタグ通信装置のエリアから他のICタグ通信装置のエリアへのICタグの移動が少ない場合には、前回のICタグの検出数と今回のICタグの検出数とは同程度になると考えられる。よって、前回の検出数の多いICタグ通信装置又は前回の検出数の多い不干渉グループにICタグとの通信を優先させることで、多数のICタグとの通信を早期に行わせることができる。よって、処理開始の早い段階で多くの結果を得ることができるので、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。上記構成は、ICタグの移動が少ない場合に特に有効である。
本願第5発明は、第1又は第2発明において、前記検出数取得手段が取得した検出数の平均を算出する算出手段をさらに含み、記タイミング通知手段は、平均の検出数の多い順に優先的にICタグとの通信を行わせるような通信タイミングを通知することを特徴とする通信装置を提供する。
ICタグの移動が頻繁な場合には、前回の検出数が多くても今回の検出数が多いとは限らない。そこで、平均の検出数の多いICタグ通信装置又は平均の検出数の多い不干渉グループにICタグとの通信を優先させる。これにより、多数のICタグとの通信を早期に行わせる可能性が高まる。よって、処理開始の早い段階で多くの結果を得ることができるので、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。上記構成は、ICタグの移動が頻繁な場合に特に有効である。
本願第6発明は、第2発明において、前記解析部は、不干渉グループのうち一部のICタグ通信装置の通信が終了した場合、前記不干渉グループ内であって前記一部のICタグ通信装置以外の別のICタグ通信装置と電波干渉しない、ICタグ通信装置の組み合わせを再度抽出し、前記タイミング通知手段は、抽出されたICタグ通信装置に通信タイミングを通知することを特徴とする管理装置を提供する。
例えば、管理装置がICタグ通信装置C1〜C6の通信タイミングを管理しているとする。また、ICタグ通信装置C2及びICタグ通信装置C4は互いに電波干渉せず、ICタグ通信装置C3及びICタグ通信装置C5も電波干渉しない。ICタグ通信装置C6は、ICタグ通信装置C4とは電波干渉しないがICタグ通信装置C2とは電波干渉する。ICタグ通信装置C1は、ICタグ通信装置C5とは電波干渉しないがICタグ通信装置C3とは電波干渉する。以上のような構成により、管理装置は不干渉グループ(C2、C4)と不干渉グループ(C3、C5)とを抽出する。さらに、管理装置は、不干渉グループ(C2、C4)のICタグ通信装置C2及びICタグ通信装置C4に、同じ通信タイミングを通知する。よって、ICタグ通信装置C2及びICタグ通信装置C4は、各エリア内のICタグと同じ通信タイミングで通信を開始する。ここで、不干渉グループ(C2、C4)のうちICタグ通信装置C2が先にICタグとの通信を完了し、ICタグ通信装置C4がまだICタグとの通信を継続しているとする。管理装置は、再度電波干渉しない組み合わせを抽出し、例えばICタグ通信装置C6がICタグ通信装置C4と干渉しないことに基づいて、不干渉グループ(C4、C6)を抽出する。そして、管理装置は、ICタグ通信装置C6に通信タイミングを通知して自身のエリア内のICタグとの通信を開始させる。このように、電波干渉しない組み合わせを常に抽出して通信タイミングを通知することで、管理装置が管理するICタグ通信装置とICタグとの通信をより効率的に完了させることができる。
本願第7発明は、第1発明において、各ICタグ通信装置とそのエリア内のICタグとの通信が完了したこと示す完了通知を、各ICタグ通信装置から受信する完了通知受信部をさらに含み、前記タイミング通知手段は、さらに前記完了通知に基づいて、ICタグ通信装置に対して通信を開始させるような通信タイミングを通知することを特徴とする、管理装置を提供する。
各ICタグ通信装置のエリア内のICタグの数や通信状況により、ICタグ通信装置とICタグとの通信時間はそれぞれ異なる。上記のように、各ICタグ通信装置からの完了通知に基づいて次のICタグ通信装置とICタグとの通信を開始させることで、電波干渉の問題を確実に防止することができる。よって、ICタグ通信装置は、ICタグの情報を確実に読み出したり、ICタグに確実に情報を書き込んだりすることができる。
本願第8発明は、第1発明において、前記解析部は、各ICタグ通信装置が他のICタグ通信装置から受信する電波の電波強度に基づいて電波干渉の有無を解析することを特徴とする管理装置を提供する。
例えば、各ICタグ通信装置は、他のICタグ通信装置から電波を受信しその電波強度を測定して、管理装置に出力する。管理装置は、所定の閾値よりも電波強度が大きいか否かに基づいて電波干渉の有無を解析することができる。
本願第9発明は、第1発明において、前記解析部は、各ICタグ通信装置が互いに電波を送受信することにより電波干渉の有無を検出させるための試験コマンドを各ICタグ通信装置に送信することを特徴とする、管理装置を提供する。
管理装置の解析部が試験コマンドを送信することで、各ICタグ通信装置は互いに電波を送受信する。例えば、ICタグ通信装置A、B及びCがあるとする。試験コマンドの受信により、ICタグ通信装置Aは電波を送信し、ICタグ通信装置B及びCがICタグ通信装置Aからの電波を受信する。同様に、ICタグ通信装置Bが電波の送信側になる場合は、ICタグ通信装置A及びCがICタグ通信装置Bからの電波を受信し、ICタグ通信装置Cが電波の送信側になる場合は、ICタグ通信装置A及びBがICタグ通信装置Cからの電波を受信する。そして、各ICタグ通信装置は、受信した電波の強度を測定して管理装置に送信する。管理装置が電波強度及び閾値に基づいて電波干渉の有無を判定する。あるいは、各ICタグ通信装置は、受信した電波の強度を測定して所定の閾値に基づいて電波干渉の有無を判定して、その判定結果を管理装置の解析部に送信しても良い。
本願第10発明は、複数のICタグと複数のICタグ通信装置との通信を管理する管理方法であって、各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析する解析ステップと、前記解析ステップでの解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知するタイミング通知ステップと、を含むことを特徴とする、管理方法を提供する。本願第1発明と同様の作用効果を奏する。
本願第11発明は、複数のICタグと通信を行う複数のICタグ通信装置と、前記ICタグ通信装置の通信を管理する管理装置とを含む管理システムを提供する。前記管理装置は、各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析する解析部と、前記解析部での解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知するタイミング通知手段とを有する。各ICタグ通信装置は、前記管理装置のタイミング通知手段からの通信タイミングを受信する通信タイミング受信部と、前記通信タイミングに基づいて、前記ICタグとの通信を行う通信部とを有する。
管理装置は、電波干渉の有無に基づいて通信タイミングをICタグ通信装置に通知する。各ICタグ通信装置は、その通信タイミングに基づいてICタグとの通信を行う。よって、各ICタグ通信装置は、互いに電波干渉することなくICタグと通信を行うことができる。
本願第12発明は、第11発明において、各ICタグ通信装置は、各ICタグ通信装置間で互いに電波を送受信する送受信部と、前記送受信部が受信した電波の電波強度を検出する電波強度検出部とをさらに有し、前記管理装置の解析部は、各ICタグ通信装置の電波強度検出部から電波強度を受信することを特徴とする管理システムを提供する。
ICタグ通信装置は、各ICタグ通信装置間で電波を送受信し、他のICタグ通信装置が自装置に送信する電波の強度を検出する。管理装置は、検出された電波強度を各ICタグ通信装置から受信し、この電波強度に基づいて電波干渉の有無を検出する。例えば、管理装置は、ある閾値以上の電波強度が検出されている場合には電波干渉が生じると判定する。このような結果に基づいて、互いに電波干渉を生じないように通信タイミングをずらして通信を行わせることで、各ICタグ通信装置同士の電波干渉を防止することができる。
本発明のICタグリーダ間における電波干渉防止システムによれば、ICタグリーダの設置時において、あらかじめICタグリーダ間の電波干渉状況を検査する。そして、前記状況から、干渉しないICタグリーダの組合せを見つけ、それらに対して同時にリード処理を実行するように制御装置が指示する。よって、管理システム全体のICタグの通信処理を効率的に、より短時間で実行することが可能となる。
<発明の概要>
ICタグ管理システムは、複数のICタグ通信装置と複数のICタグ通信装置を管理する管理装置とを含む。ICタグ通信装置は、その電波のエリア内のICタグと通信を行う。ICタグ通信装置は、ICタグ内の情報を読み取るICタグリーダ、ICタグ内に情報を書き込むICタグライタ又はICタグの情報を読み書きするICタグリーダ・ライタであり得る。
管理装置は、各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析し、その解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知する。例えば、管理装置は、同時にICタグとの通信を行うと互いに電波干渉するICタグ通信装置どうしにはそれぞれ異なる通信タイミングを通知する。一方、電波干渉しないICタグ通信装置どうしには同じ通信タイミングを通知する。ここで、同じ通信タイミングとは、各ICタグ通信装置におけるICタグとの通信が、同時に開始される場合や同時には開始されないが通信期間が重なる場合を含む。一方、異なる通信タイミングとは、各ICタグ通信装置における通信期間が重ならない場合を言う。よって、電波干渉するICタグ通信装置どうしは、互いに異なる通信タイミングでICタグと通信を行うので、ICタグ通信装置どうしの電波干渉を防止することができる。一方、電波干渉しないICタグ通信装置どうしは、同時にICタグとの通信を行っても電波干渉の問題は生じない。また、このように電波干渉の有無の解析結果に基づいて通信タイミングを通知するため、全てのICタグ通信装置の通信タイミングが異なるように設定する場合と比較して、管理装置の配下にあるICタグ通信装置全体による通信処理をより高速化することが可能となる。
なお、上記ではICタグ通信装置とは別途に管理装置を設ける構成となっているが、ICタグ通信装置が管理装置であっても良い。
<第1実施形態例>
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態例に係る通信タイミングの管理システムの全体構成を示す図である。本実施形態例では、図示しないロッカーが隣接して配置されている。前記ロッカーは、ロッカー利用者が保有するICタグを用いて、電気的な認証処理を行うものとする。そのため、各ロッカーにはそれぞれICタグ内の情報を読み取るためのICタグリーダ(reader)111〜115が設置されている。認証の際、各ロッカーに設置されたICタグリーダ111〜115と、利用者121、122が有するICタグ131、134とが非接触で通信を行う。そして、認証が正しく行われた場合、各ロッカーの施開錠動作が有効になる。また、管理装置101は、ICタグリーダ111〜115とICタグとの通信を制御する。
(2)機能構成
(2−1)管理装置の機能構成
図2は、管理装置の機能構成を示すブロック図である。管理装置101の役割は、複数のICタグリーダ間での電波干渉を防止するために、各ICタグリーダとICタグとの通信タイミングをスケジューリングすることである。そのため、管理装置101は、複数のICタグリーダ間の電波干渉の有無を検証し、この検証結果に基づいて各ICタグリーダとICタグとの通信タイミングを決定する。そして、管理装置101は、決定した通信タイミングを、各ICタグリーダに通知する。
管理装置101の表示制御部201は、各種情報を管理装置101のディスプレイ(図示せず)に表示してユーザに提示する。各種情報としては、例えば、リーダ情報DB204内に記憶されているICタグリーダ間の電波干渉試験の結果や位置情報などICタグリーダに関する情報等が挙げられる。
入力受付部202は、管理装置101のユーザからの各種入力を受け付ける。例えば、キーボードからICタグリーダの配置情報や、各ICタグリーダが通信に使用する帯域などの各種情報を受け付ける。入力受付部202は、受け付けた各種情報をリーダ情報DB204に出力する。
解析部203は、リーダ情報DB204に格納されている各ICタグリーダ間の電波強度に基づいて、管理装置101の管理下にある全てのICタグリーダ間の電波干渉の有無を判定する。そして、解析部203は、電波干渉の判定結果をタイミング通知部206に送信する。また、解析部203は、各ICタグリーダ間の電波強度を取得するために、通信部207を介して各ICタグリーダに、試験実行コマンドを送信する。試験実行コマンドとは各ICタグリーダに電波干渉試験を開始させるためのコマンドであり、例えば送信先のICタグリーダのアドレス、試験実行コマンドの識別子などを含む。この試験実行コマンドを受信した各ICタグリーダは電波の送受信を行い、他のICタグリーダから受信した電波の強度を測定する電波干渉試験を行う。さらに、解析部203は、各ICタグリーダから電波干渉試験の結果を受信するために、受信履歴要求コマンドを各ICタグリーダに送信する。
リーダ情報DB204は、電波干渉試験の結果として各ICタグリーダ間の電波強度を各ICタグリーダから受信してICタグリーダ毎に格納する。また、リーダ情報DB204は、後述の電波干渉の有無の判定に用いる閾値を格納している。本実施の形態においては、システム内の全てのICタグリーダが同種類のものと仮定しているため、前記閾値はシステム内で共通である一つの値を意味する。例えば、システム内に出力電波の周波数特性が異なる2種類のICタグリーダ(A/B)が存在すれば、ICタグリーダA群に用いる閾値と、ICタグリーダB群に用いる閾値とで、リーダ情報DB204は2種類の閾値を格納することになる。
タイミング通知部206は、解析部203での判定結果に基づいて、ICタグとICタグリーダとの通信タイミングを、通信部207を介して各ICタグ通信装置に通知する。タイミング通知部206は、同時にICタグとの通信を行うと互いに電波干渉するICタグ通信装置どうしにはそれぞれ異なる通信タイミングを通知する。一方、電波干渉しないICタグ通信装置どうしには同じ通信タイミングを通知する。例えばタイミング通知部206は、ICタグリーダにICタグ内の情報を読み出させるために、通信タイミング、送信先のICタグリーダのアドレス、リードコマンドの識別子などを含むリードコマンドを生成して各ICタグリーダに送信する。
完了通知受信部205は、通信部207を介して各ICタグリーダから完了通知を受信し、タイミング通知部206に出力する。完了通知とは、ICタグリーダとそのエリア内のICタグとの通信が完了したことを示す通知である。タイミング通知部206は、この完了通知に基づいて次のICタグリーダに通信タイミングを通知する。
通信部207は、管理装置101とICタグリーダ等との間で各種データの送受信を行う。この管理装置101と各ICタグリーダ間との通信は有線であっても無線であっても良い。
(2−2)ICタグリーダの機能構成
図3は、ICタグリーダの機能構成を示すブロック図である。図3はICタグリーダ111の機能構成であるが、その他のICタグリーダも同様の機能構成を有している。ICタグリーダは、ロッカーの施開錠を行うために、ICタグ内の情報を無線通信により読み出して認証するか否かを判定する。また、ICタグリーダは、管理装置101から受信したコマンドを解析し、前記コマンドに該当する処理を行った後、必要に応じてレスポンスを管理装置101に出力する。例えば、ICタグリーダは、管理装置101からICタグ内の情報を読み出すためのリードコマンドを受信すると、ICタグ内に記録されている情報を読み出す。また、ICタグリーダは、試験実行コマンドを管理装置101から受信すると、他のICタグリーダから発信される電波を受信して電波強度を測定する。
有線通信部241は、管理装置101との通信を有線で行う。ここでは、管理装置101との通信を有線としたが、無線通信であっても良い。また、ICタグDB245は、各ICタグリーダが認証すべきICタグの情報を格納する。
制御部242は、管理装置101からのコマンドを無線通信部243及び電波強度測定部244に出力する。また、無線通信部243が受信したICタグの情報とICタグDB245に格納されている情報に基づいて、ロッカーを施開錠して良いかを認証する。また、制御部242は、無線通信部243によるICタグのリード処理が完了すると、管理装置101に完了通知を送信する。
無線通信部243は、管理装置101から制御部242を介してリードコマンドを受信すると、アンテナ246を介してエリア内に存在するICタグと無線通信を行う。これにより、無線通信部243は、ICタグ内に格納されている情報を取得する。また、無線通信部243は、試験実行コマンドを受信すると、自身以外の他のICタグリーダに対してアンテナ246を用いて電波を出力する。また、電波強度測定部244は、試験実行コマンドを受信すると、他のICタグリーダから電波を受信して電波強度を測定する。電波強度DB247は、測定された電波強度を各ICタグリーダ毎に格納する。
(2−3)ICタグの機能構成
図4は、ICタグ131の機能構成を示すブロック図である。ICタグ131は、外部のICタグリーダとの間で信号を送受信するためのアンテナ251、無線通信部252、記憶部253及びICタグの動作電圧を管理する電源管理部254から構成される。記憶部253は、ICタグに情報を書き込むICタグライタから受信した情報や、外部のICタグリーダに対して提供する情報を記憶する。本実施の形態のICタグは電池を内蔵しないパッシブタグを想定している。よって、電源管理部254は、ICタグ131が外部のリーダライタから放射される電磁フィールド内を通過する際、アンテナ251で発生する誘起電圧を管理する。なお、電源管理部254が電力供給機能を果たす電池を備えているアクティブタグであっても、または太陽電池等の自己発電機能を備えているICタグであっても構わない。
(3)処理の流れ
(3−1)全体の流れの概要
管理装置101での全体処理の流れを用いて、第1実施形態例の管理システムにおける全体処理の流れについて説明する。図5は、管理装置101が行う全体の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS501:本実施形態例の管理システムでは、電波干渉の有無を検証するために、各ICタグリーダに電波干渉試験を実行させる。そこで、管理装置101の解析部203は、各ICタグリーダに電波干渉試験を実行させるために、各ICタグリーダに試験実行コマンドを送信する。各ICタグリーダは、この試験実行コマンドを受信すると、電波干渉試験を実施して試験結果をICタグリーダ内部に記録する。電波干渉試験の詳細については後述する。これにより、複数のICタグリーダから構成される本管理システムにおいて、各ICタグリーダ間の電波干渉状況を検査することができる。
ステップS502:電波干渉試験が完了すると、管理装置101の通信部207は、各ICタグリーダの内部に記録されている電波干渉試験の結果を収集し、リーダ情報DB204は収集された試験結果を格納する。
ステップS503:解析部203は、リーダ情報DB204内の各ICタグリーダ間の電波強度に基づいて、管理装置101の管理下にある全てのICタグリーダどうしの電波干渉の有無を判定する。そして、タイミング通知部206は、この判定結果に基づいて、互いに電波が干渉しないICタグリーダの組合せを抽出する。さらに、タイミング通知部206は、この抽出結果に基づいて、複数のICタグリーダ間での電波干渉を防止可能なように通信タイミングをスケジューリングする。スケジューリングとは、前述ように電波干渉するICタグリーダどうしは異なる通信タイミングとし、電波干渉しないICタグリーダどうしは同じ通信タイミングとなるように通信タイミングを決定することを言う。
ICタグリーダが固定的に設置される場合は、ステップS501〜S503の処理は、管理システム設置時の初期設定となる。つまり、ステップS501〜S503の処理は初期設定時のみの処理となり、初期設定終了後はステップS504以降のステップが繰り返し行われる。
ステップS504:次に、タイミング通知部206は、スケジューリングの実行処理を行う。つまり、タイミング通知部206は、スケジューリングした通信タイミングで各ICタグリーダにリード処理を実行させるために、通信タイミングを各ICタグリーダに通知する。ここで、タイミング通知部206は、決定した通信タイミングを含むリードコマンドを生成して各ICタグリーダに送信する。これにより、ICタグリーダは、リードコマンドに含まれる通信タイミングに基づいて、ICタグから情報を読み出す。
本実施の形態においては、常時、ICタグの読み取り処理を行うアプリケーションを想定している。具体的には、前述のように決定された通信タイミングに従って、一定間隔ごとに特定のICタグリーダから電波が繰り返し送信される。
ステップS505:管理システムの終了時等、管理システムのユーザからシステムの終了要求があれば、前述のステップS504のICタグリーダによるリード処理を終了する。
(3−2)電波干渉試験の流れ
次に、電波干渉試験について説明する。図6は、電波干渉試験の流れを示す模式図である。先述のように、電波干渉試験とは、管理システム内に複数存在するICタグリーダ間の電波干渉の有無を検査するためのものである。検査方法は、複数あるICタグリーダのうち、1台のICタグリーダが試験電波を発信し、残りのICタグリーダは、1台のICタグリーダの発信した試験電波を検出する形式で行う。
具体的に図6を用いて説明する。管理装置101の解析部203は、各ICタグリーダに試験実行コマンドを送信する。試験実行コマンドには、試験電波送信コマンドと試験電波受信コマンドとがある。管理装置101の解析部203は、1つのICタグリーダに試験電波送信コマンドを送信し、残りのICタグリーダに試験電波受信コマンドを送信する。試験電波送信コマンドを受信したICタグリーダの無線通信部243は、アンテナ246を解して試験電波を送信する。ここで、試験電波を送信するICタグリーダは、規定時刻、または規定時間のあいだ電波を送信しつづける。一方、試験電波受信コマンドを受信した他のICタグリーダの電波強度測定部244は試験電波を受信して電波強度を測定し、電波強度DB247は測定された電波強度を格納する。例えば、図6に示すようにICタグリーダ111は管理装置101から試験電波送信コマンドを受信し、他のICタグリーダ112〜115に電波を送信する。一方、ICタグリーダ112〜115は管理装置101から試験電波受信コマンドを受信し、ICタグリーダ111から出射される電波を受信して電波強度を測定する。例えば、ICタグリーダは、受信時間内における最大電波強度値を記録して保存する。また、電波の受信時間内における平均電波強度値を記録して保存しても良い。同様の処理をすべてのICタグリーダが行う。
次に、各ICタグリーダ111〜115は、管理装置の解析部203から受信履歴要求コマンドを受信する。受信履歴要求コマンドのパケットフィールドは、例えばそのコマンドを一意に識別するコマンド識別子を含んで構成される。各ICタグリーダの制御部242は、受信履歴として電波強度の測定結果を電波強度DB247から取り出し、管理装置101に送信する。例えば、制御部242は、受信履歴要求に対して後述の受信履歴応答を管理装置101に送信する。
管理装置101の解析部203およびタイミング通知部206は、受信した電波強度に基づいて、複数のICタグリーダ間での電波干渉を防止可能な、各ICタグリーダとICタグとの通信タイミングをスケジューリングする。
なお、図6には記載していないが、前記コマンドを受信した各ICタグリーダが、管理装置101に対して、前記コマンドを正常に受信した旨を示すレスポンスパケットを送信しても構わない。
また、図6においては、データ収集の際、ICタグリーダの数だけコマンドを管理装置101から送信している。しかし、ブロードキャストパケットやマルチキャストパケットを用いて、コマンドを一斉配信しても構わない。
(3−3)コマンドのパケットフィールド
次に、上述のように管理装置101が送信する試験電波受信及び送信コマンドのパケットフィールドについて説明する。図7は、管理装置101から送信されるコマンドのパケットフィールドの一例である。図7(a)は試験電波受信コマンド、図7(b)は試験電波送信コマンドの一例である。ここで、各ICタグリーダの接続情報(送信先IPアドレス等)は、管理装置101から各ICタグリーダ間における通信プロトコルのヘッダ情報として既に記載されているものとし、図中には記載していない。
図7(a)では、試験電波受信コマンドのフィールドの例として4つの場合を例に挙げている。(a−1)は、試験電波受信コマンドのコマンド識別子、試験電波を送信するICタグリーダの識別子、試験電波の受信開始時刻、受信終了時刻を記載する場合である。(a−2)は、コマンド識別子、試験電波を送信するICタグリーダの識別子、試験電波の受信開始時刻、及び受信継続時間を記載する場合である。(a−3)は、コマンド識別子及び試験電波を送信するICタグリーダの識別子のみを記載している。(a−3)の場合、ICタグリーダは、試験電波受信コマンド受信と同時に試験電波受信処理に移行する。受信処理の停止については、受信継続時間をあらかじめシステム全体で固定運用してもよいし、後述する受信履歴要求コマンド受信時まで継続としても構わない。(a−4)は、ICタグリーダが受信した試験電波の電波強度に基づいて、電波干渉の有無を判定するために用いる電波強度閾値がコマンドに記載されている場合である。
図7(b)では、前述の図7(a)と同様に試験電波送信コマンドのフィールドの例として4つの場合を例に挙げている。(b−1)は、試験電波送信コマンドのコマンド識別子、試験電波の送信開始時刻、送信終了時刻を記載する場合である。(b−2)は、コマンド識別子、送信開始時刻、及び送信継続時間を記載する場合である。(b−3)は、コマンド識別子のみを記載している。(b−4)は、コマンド識別子及び電波強度を記載する場合である。(b−4)の電波強度とは、送信する試験電波の電力の大きさを示すパラメータを意味する。
(3−4)受信履歴応答のパケットフィールド
次に、管理装置101の受信履歴要求に対してICタグリーダが送信する受信履歴応答のパケットフィールドについて説明する。図8は、受信履歴応のパケットフィールドの一例である。データフィールドには、試験電波を送信したICタグリーダの識別子、及びそのICタグリーダから受信した電波強度の値が、リーダ総数分だけ格納されている。なお、このデータフィールドにおいては、図8に示すように、ICタグリーダの数を格納するICタグリーダ数フィールド(データセット数フィールド)が含まれていてもよいし、データフィールド長、やデータフィールドの終端を示す特定のビットパターンが含まれていてもよい。
(3−5)管理装置の試験電波送信及び受信コマンドの送信処理の詳細
図9に、管理装置101における電波干渉試験のためのコマンド送信処理の流れを示すフローチャートの一例を示す。図中のIndexとは、各ICタグリーダを識別する情報を意味する。
ステップS601:管理装置101の解析部203は、Indexを1に設定する。
ステップS602:解析部203は、Indexに該当するICタグリーダに対しては試験電波送信コマンドを、それ以外のICタグリーダに対しては試験電波受信コマンドをそれぞれ送信する。
ステップS603:解析部203は、1台のICタグリーダにコマンドを送信すると、Indexを1インクリメントする。
ステップS604:そして、Indexの値をICタグリーダの総数と比較することによって、全てのICタグリーダに対して試験電波送信コマンド及び試験電波受信コマンドを送信する。
(3−6)電波干渉の判定方法
管理装置101のリーダ情報DB204は、各ICタグリーダから取得した電波干渉試験の試験結果を格納している。解析部203は、リーダ情報DB204内の電波強度を解析して、電波干渉の有無を判定する。具体的には、解析部203は、各ICタグリーダか検出した電波強度が所定の閾値を越えているか否かを判断することにより電波干渉の有無を判定する。
(A)閾値の決定方法1
ここで干渉の是非を判定する閾値について説明する。本実施形態例においては、前記閾値は、実験的に求められた値を利用するものとする。図10は、閾値を決定する検証モデルの一例を示す。本モデルは、干渉の被害をこうむる被干渉ICタグリーダ262と、被干渉ICタグリーダ262に対して干渉の影響を与える与干渉ICタグリーダ263と、ICタグ264と、閾値を取得する干渉閾値取得装置261とから構成される。ここでICタグリーダ間の電波干渉が問題となるのは、ICタグ264から被干渉ICタグリーダ262に対して送信された電波と、与干渉ICタグリーダ263から送信された電波とが干渉する場合である。このとき、被干渉ICタグリーダ262は、電波干渉によりICタグのデータを収集できない場合がある。
図10のモデルを利用した、干渉閾値決定方法の一例を説明する。干渉閾値取得装置261は、被干渉ICタグリーダ262に対して、ICタグ264の読み取りを命令する。ICタグリーダ262は、複数のICタグ264のデータを収集する。図10の例では、8個のICタグを読み取ることにする。それと同時に、干渉閾値取得装置261は、与干渉ICタグリーダ263に対して、妨害電波の送信を命令する。このようにして、与干渉ICタグリーダ263から妨害電波(干渉データ)が発信されている環境の中で、被干渉ICタグリーダ262が、ICタグをいくつ正確に読み取ることができるかを測定する。測定の際、干渉閾値取得装置261は、与干渉ICタグリーダ263から発信される電波の強度を指定可能である。また、被干渉ICタグリーダ262は、受信した電波の強度を測定するものとする。前記電波強度を変更させながら、複数回、ICタグの検出動作を繰り返す。実験結果から、例えば、被干渉ICタグリーダ262は、ICタグ264が8個とも読み取り可能な最大の電波強度を求め、それを閾値として設定する。
(B)閾値の決定方法2
図11は、閾値を決定する検証モデルの他の一例を示す。この検証方法では、ICタグリーダに新たに干渉信号発生器270を設ける。干渉信号発生器270は、他のICタグリーダが発生させる干渉電波を擬似的に生成して、アンテナ246からその電波を混入する。よって、干渉信号発生器270が接続されたICタグリーダ111の無線通信部は、ICタグからの電波と干渉信号発生器270からの干渉電波とが合成された電波を受信する。そして、ICタグリーダ111は、このような状況の中で、ICタグからの情報読み取りを試みる。本方式が前術の図10と異なる点は、検証の際に、与干渉ICタグリーダ263が不要となることである。なお、閾値の設定方法については前例と同様である。また、前記干渉信号発生器270は、ICタグリーダ111と別筐体にて外部接続される構成であってもよいし、ICタグリーダ内部に含まれる構成であっても構わない。
(3−7)電波干渉の判定結果及びスケジューリング
(3−7−1)電波干渉の判定結果
管理装置101の解析部203は、各ICタグリーダから受信した電波強度と閾値とを比較して、各ICタグリーダどうしの電波干渉の有無を判定する。図12(a)は電波干渉の判定結果を示す表である。縦軸は試験電波を送信したICタグリーダ(表中、送信リーダ)を、横軸は試験電波を受信したICタグリーダ(表中、受信リーダ)を示している。また、表中の○、×は、それぞれ、電波干渉あり(電波干渉の影響大)、電波干渉なし(電波干渉の影響少)を示す。管理装置101は、この表を用いて、互いに干渉しない(干渉の影響が少なく、ICタグの読み取りに支障がない)ICタグリーダの組合せを見つける。ここで注意しなければならない点は、同じICタグリーダの組合せであっても、一方が干渉なし、もう一方が干渉ありと判定されている場合、そのリーダの組合せは干渉すると判定すべき点である。例を挙げると、図12(a)において、ICタグリーダ#3が試験電波を送信した際、ICタグリーダ#1は電波干渉なし(×)と判断している。ところが、ICタグリーダ#1が試験電波を送信した際、ICタグリーダ#3は干渉あり(○)と判断している。この場合、最終的には、ICタグリーダ#1と#3の組合せは、干渉するものと判定する。
(3−7−2)スケジューリング
次に、解析部203はこの電波干渉の判定結果をタイミング通知部206に出力する。そして、タイミング通知部206は、この判定結果に基づいて、電波干渉しないICタグリーダの組合せを検出する。図12(b)は、電波干渉しないICタグの組み合わせを示す表である。表中の各グループは、同時に電波を発信しても干渉しない(ICタグの読み取りに支障をきたすほどの影響を与えない)ICタグリーダの組合せを示すデータである。例えば、スケジュールインデックス(Scd_Idx)が2の場合、ICタグリーダ#2とICタグリーダ#4は、互いに電波が干渉しないICタグリーダである。図12(a)の電波干渉結果に基づけば、図12(b)に示すように3セットのグループができる。ここで、同一のグループ内に存在するICタグリーダ同士は、同時に電波を送信しても互いに電波が干渉しないと判断される。
そこで、タイミング通知部206は、同一のグループ内に存在するICタグリーダ同士には、同じ通信タイミングを通知する。つまり、タイミング通知部206は、同じ通信タイミングを含むリードコマンドを、同一のグループ内に存在するICタグリーダに送信する。そして、それらのICタグリーダには、同一の通信タイミングでICタグの読み取りを実行させる。一方、タイミング通知部206は、異なるグループ内に存在するICタグリーダどうしには、異なる通信タイミングを含むリードコマンドを送信する。そして、それらのICタグリーダには、異なる通信タイミングでICタグの読み取りを実行させる。
(3−8)スケジュールの実行処理
(3−8−1)フローチャート
図13は、管理装置によるスケジューリングの実行処理を示すフローチャートである。図中のScd_Indexは、図12(b)に示すものと同じ意味であり、スケジュール識別情報を表す。
ステップS605:管理装置101のタイミング通知部206は、Scd_Indexを初期値である1に設定する。
ステップS606:その後、タイミング通知部206は、Scd_Indexに該当するICタグリーダに対して、ICタグを読み取るためのリードコマンドを送信した後、管理システムで規定された規定時間のあいだ待機する。リードコマンドには、スケジューリングされた通信タイミングを含まれる。このリードコマンドを受信したICタグリーダは、この通信タイミングに基づいてICタグのリード処理を行う。
ステップS607:タイミング通知部206は、規定時間が経過すると、Scd_Indexの値を1インクリメントする。
ステップS608:タイミング通知部206は、Scd_Indexの値とスケジュールの総数とを比較し、全てのスケジュールが実行されたか否かを判定する。図12(b)のスケジュールの場合、Scd_Index1〜3が全て実行されたか否かを判定する。そして、全てにスケジュールが終了するまで上記の処理を繰り返す。
(3−8−2)スケジュール実行処理のパターン1
図14は、スケジュール実行処理の一例を示す模式図である。管理装置101は、図12(b)で示すスケジュールに従ってICタグのリード処理を実行する。初めに、スケジュール1(Scd_Index=1)を実行するため、管理装置101のタイミング通知部206は、該当するICタグリーダ#1に対してリードコマンドを送信する。リードコマンドを受信したICタグリーダ#1の無線通信部243は、管理システムで規定された規定時間のあいだ、リード処理を実行する。そして、ICタグDB245は、無線通信部243が取得したICタグ情報を記憶する。規定時間が経過すると、管理装置101のタイミング通知部206は、スケジュール2(Scd_Index=2)を実行するために、該当する2つのICタグリーダ(#2,#4)に対して、リードコマンドを送信する。2つのICタグリーダ(#2,#4)に対するリードコマンドには、同じ通信タイミングが含まれている。よって、ICタグリーダ#2と#4は、同時に電波を送信し、ICタグのリード処理を行う。同様にして、管理装置101のタイミング通知部206は、スケジュール3の2つのICタグリーダ(#3,#5)に対して、同じ通信タイミング含むリードコマンドを送信する。そして、2つのICタグリーダ(#3,#5)は、同じ通信タイミングでリード処理を行う。これらのスケジュール1〜3が終了すると、再びスケジュール1に戻って同様の処理を繰り返す。管理装置101は、システム管理者からのシステム終了要求を受け付けない限り、上記操作を繰り返し実行する。
(3−8−3)スケジュール実行処理のパターン2
図15は、スケジュール実行処理の別の一例を示す模式図である。図15では、図14と同様に各ICタグリーダでリード処理が行われる。そして、無線通信部243によるICタグのリード処理が完了すると、各ICタグリーダの制御部242は、管理装置101に完了通知を送信する。管理装置101の完了通知受信部205は、通信部207を介してICタグリーダから完了通知を受信する。そして、タイミング通知部206は、この完了通知に基づいて次のICタグリーダに通信タイミングを通知する。つまり、スケジュール1が完全に終了した後、スケジュール2を開始し、スケジュール2が完全に終了した後、スケジュール3を開始する。具体的に、タイミング通知部206は、ICタグリーダ#1からの完了通知を受信すると、ICタグリーダ#2及びICタグリーダ#4によるリード処理を開始する。同様にICタグリーダ#2及び#4からの完了通知を受信すると、ICタグリーダ#3及び#5によるリード処理を開始する。
このように、各ICタグリーダからの完了通知に基づいて次のICタグリーダとICタグとの通信を開始させることで、電波干渉の問題を確実に防止することができる。
(4)作用効果
以上のように電波干渉の有無の解析結果に基づいて通信タイミングを通知するため、全てのICタグリーダの通信タイミングが異なるように設定する場合と比較して、管理装置の配下にあるICタグリーダ全体によるリード処理をより高速化することが可能となる。より具体的には、電波干渉試験により互いに干渉しないICタグリーダの組合せを検出し、干渉しないICタグリーダに対して同時にリード処理を実行させることによって、管理システム全体としてのICタグ読み取り処理を効率化しつつ電波干渉を防止することができる。
<第2実施形態例>
(1)全体構成
上記第1実施形態例では、ロッカー設備に関する電波干渉の防止方法について説明した。本実施の形態では、倉庫等におけるICタグを用いた在庫管理システムへの適用例について説明する。図16は、本発明の第2実施形態例に係る通信タイミングの管理システムの全体構成を示す図である。図中の破線で囲んだ領域320は、倉庫等のタグの検出対象となる領域を示している。前記領域320内には、複数のICタグリーダ311〜315が配置されている。倉庫内には、ICタグが貼り付けられた商品や部品等が保管されており、その配置場所に応じて、対応するICタグリーダを用いてICタグの情報を取得するものとする。ここで、各ICタグリーダ311〜315は管理装置301とネットワーク接続されており、管理装置301が各ICタグリーダの通信タイミングを制御する。
(2)機能構成
(2−1)管理装置の機能構成
図17は、管理装置の機能構成を示すブロック図である。表示制御部201、入力受付部202、解析部203、リーダ情報DB204、完了通知受信部205、タイミング通知部206、通信部207の機能構成は第1実施形態例の同一の符号番号の機能構成と同様である。
管理装置301の表示制御部201は、各種情報を管理装置301のディスプレイ(図示せず)に表示してユーザに提示する。各種情報としては、例えば、リーダ情報DB204内に記憶されているICタグリーダ間の電波干渉試験の結果や位置情報などICタグリーダに関する情報や、ICタグDB208内に記憶されている各ICタグリーダが読み出したICタグ内の情報等が挙げられる。
入力受付部202は、管理装置301のユーザからの各種入力を受け付け、リーダ情報DB204に出力する。
解析部203は、リーダ情報DB204に格納されている各ICタグリーダ間の電波強度に基づいて、管理装置301の管理下にある全てのICタグリーダ間の電波干渉の有無を判定する。そして、解析部203は、電波干渉の判定結果をタイミング通知部206に送信する。また、解析部203は、各ICタグリーダ間の電波強度を取得するために、通信部207を介して各ICタグリーダに、試験実行コマンドを生成して送信する。さらに、解析部203は、受信履歴要求コマンドを各ICタグリーダに送信し、各ICタグリーダから電波干渉試験の結果を受信する。
タイミング通知部206は、解析部203での判定結果に基づいて、ICタグとICタグリーダとの通信タイミングを、通信部207を介して各ICタグ通信装置に通知する。このとき、タイミング通知部206は、電波干渉しないICタグリーダの組合せを検出し、各グループを構成するICタグリーダの数を検出する。ここで、グループとは、同時に電波を発信しても干渉しない(ICタグの読み取りに支障をきたすほどの影響を与えない)ICタグリーダの組合せである。そして、タイミング通知部206は、グループを構成するICタグリーダの数が多いグループの順に、リードコマンドを送信して各グループのICタグリーダにリード処理を実行させる。ICタグリーダ数の多いグループの順にリード処理を実行させることで、ユーザに処理経過を提示する場合、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。
完了通知受信部205は、通信部207を介して各ICタグリーダから完了通知を受信し、タイミング通知部206に出力する。タイミング通知部206は、この完了通知に基づいて次のICタグリーダに通信タイミングを通知する。
通信部207は、管理装置301とICタグリーダ等との間で各種データの送受信を行う。この管理装置301と各ICタグリーダ間との通信は有線であっても無線であっても良い。
検出数取得部209は、各ICタグリーダ又は各グループが検出したICタグの数を取得する。各ICタグリーダは、管理装置301のタイミング通知部206が通知した通信タイミングでICタグのリード処理を行う。ここで、各ICタグリーダは、自身のエリア内のICタグと通信を行うが、この通信を行ったICタグ内の情報及びその通信を行ったICタグの数を管理装置301に送信する。よって、リーダ情報DB204は、電波干渉試験の結果である各ICタグリーダ間の電波強度、電波干渉の有無の判定に用いる閾値、ICタグリーダの位置情報などとともに、各ICタグリーダが検出したICタグの数を記憶する。検出数取得部209は、このリーダ情報DB204内のICタグの数に基づいて、各ICタグリーダ又は各グループが検出したICタグの数を取得し、タイミング通知部206に出力する。
平均算出部210は、各ICタグリーダ又は各グループが検出したICタグの検出数の平均を算出し、タイミング通知部206に出力する。
タイミング通知部206は、検出数取得部209から取得した各グループのICタグの検出数に基づいて、検出数の多いグループ順にリード処理を実行させる。これにより、ICタグリーダは、多数のICタグのリード処理を早期に行う。よって、ユーザに処理経過を提示する場合、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。また、タイミング通知部206は、平均算出部210から取得した各グループのICタグの検出数の平均に基づいて、検出数の多いグループ順にリード処理を実行させる。これにより、同様にユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。
(2−2)ICタグリーダ及びICタグの機能構成
ICタグリーダ及びICタグの機能構成は、第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。
(3)処理の流れ
(3−1)全体の流れの概要
本実施の形態も、第1実施形態例と同様に、近接した場所に複数のICタグリーダが設置されているため、ICタグリーダ間の電波干渉を防止する必要がある。したがって、第1実施形態例と同様に、まず管理装置301は、電波干渉試験を行い、互いに干渉しないICタグリーダの組合せを検索する。その後、互いに電波干渉しないICタグリーダの組合せに対してリードコマンドを送信し、電波の干渉を防止する。
電波干渉試験の方法、コマンド等のパケットフィールドの構成、電波干渉の判定方法、電波干渉の判定結果に基づいたスケジューリング等は第1実施形態例と同様であるので詳細な説明は省略する。
(3−2)スケジュール実行処理のパターン1
次に、第2実施形態例と第1実施形態例との差を説明するとともに、第2実施形態例でのスケジュール実行処理の一例について説明する。
第1実施形態例と大きく異なる点は、ICタグの分布状況が、時間や、リーダの位置によって変わるものであり、ICタグリーダ毎に読み取り時間が異なってくることである。したがって、第1実施形態例のようにスケジュール毎に規定時間を固定して運用してしまうと、ICタグリーダは、規定時間内にリード処理を完了できず、自身のエリア内の全てのICタグを正確に読み取ることができない場合もある。
また、利用するICタグリーダの伝送周波数の種類によっては、ICタグリーダの電波到達距離が大きくなることも考えられる。そのような場合、管理外である他の管理システムのICタグリーダから発信される電波が、自身の管理システムのICタグリーダとの電波と干渉し、自身の管理システムの運用に悪影響を及ぼす可能性がある。前記課題への対策として、LBT(Listen Before Talk)と呼ばれる手段が提案されている。この手法は、各無線端末が電波を発信する前に、他の端末から電波が発信されているか否かを傍受する。そして、電波が発信されていないことを確認した後に、自端末から電波を発信することにより、端末間の電波干渉をできるだけ回避する方法である。しかし、LBT機能により電波干渉の問題は少なくできるが、管理外の管理システム、管理外のICタグリーダからの電波送信の影響を受けて、リード処理がなかなか実行できない。そのため、ICタグリーダは、ICタグのリード処理に想定以上の時間を要する場合が考えられる。
これらの要因から、第1実施形態例の一例で示したように規定時間を固定して運用すると、規定時間内に全てのICタグをリードすることができない場合がある。これを防止するため、本実施の形態においては、管理装置301は、各ICタグリーダからリード処理の完了を示す完了通知を受信し、全てのICタグリーダから完了通知を受信するまで、次のリードコマンド送信動作を待機することとする。
図18は、スケジュール実行処理の一例を示す模式図である。ここで、ICタグリーダ311〜315は、それぞれICタグリーダ#1〜#5である。また、電波干渉試験の結果は第1実施形態例の図12(a)と同様であり、スケジューリングも図12(b)と同様である。つまり、ICタグリーダ#1が1つのグループであり、ICタグリーダ#2及び#4が同一のグループであり、ICタグリーダ#3及び#5が同一のグループである。また、スケジュール1〜3は、それぞれICタグリーダ#1のリード処理、ICタグリーダ#2及び#4のリード処理、ICタグリーダ#3及び#5のリード処理に対応している。
図18に示すように、管理装置301は、まず初めに、スケジュール1を実行する。具体的には、管理装置301のタイミング通知部206は、まずICタグリーダ#1に対してリードコマンドを送信する。タイミング通知部206は、ICタグリーダ#1から完了通知を受信するまで動作を待機する。タイミング通知部206は、完了通知を受信するとスケジュール2を実行し、ICタグリーダ#2と#4に対して同時にリードコマンドを送信する。ICタグリーダ#2と#4は、同時に電波を送信し、近接するICタグの読み取り処理を実行する。図16に示すように、ICタグリーダ#4に近接するICタグの個数は、ICタグリーダ#2に近接するICタグの個数と比較して多い。そのため、図18に示すように、ICタグリーダ#4の方がリード処理に要する時間が大きい。管理装置301のタイミング通知部206は、ICタグリーダ#2からリード完了通知を受信しても、ICタグリーダ#4から完了通知を受信するまでは動作を待機する。すなわち、実行中のスケジュールに該当する全てのICタグリーダからリード完了通知を受信するまでは、次のスケジュールを実行しないものとする。
このように完了通知を受信することで、設置されたICタグリーダの位置(タグの分布状況)や読み取り時間が変化する場合、またLBT機能に依存してICタグリーダ毎に読み取り実行時間が異なるような状況においても、ICタグの読み取りを確実に完了でき、かつ、ICタグリーダ間の電波干渉を防止することが可能となる。
なお、リード時間にタイムアウト値を規定し、前記タイムアウト時間を超過した場合には、管理装置301側からICタグリーダのリード処理を強制終了させても構わない。
(3−3)スケジュール実行処理のパターン2
図19は、スケジュール実行処理の一例を示す模式図である。図19に示すスケジュール2に示すように、ICタグリーダ#2の処理を複数回繰り返すことも可能である。特に、ICタグリーダ#2とICタグリーダ#4とのリード処理時間が大きく異なる場合に有効である。
スケジュール2において、ICタグリーダ#2のリード処理が完了し、ICタグリーダ#2は完了通知を管理装置301に送信する。すると、管理装置301側では、ICタグリーダ#2と同時にリードコマンドを送信したICタグリーダ(本例ではICタグリーダ#4)のリード完了状態を確認する。その結果、まだICタグリーダ#4のリード処理が完了していないため、再度、ICタグリーダ#2に対してリードコマンドを送信する。本例では、ICタグリーダ#2は、ICタグリーダ#4のリード処理が完了するまでの間に、リード処理を2回実行している。リード処理を2回実行できることの利点は、例えば、ICタグの移動が頻繁に発生するようなアプリケーションにおいては、最新の状態を取得できる点である。また、複数回のリード処理を行うことによって、信頼性をあげる効果も期待できる。なお、この例において、ICタグリーダ#4のリード処理完了が、ICタグリーダ#2の2回目のリード処理完了よりも早い場合もあり得る。その場合には、管理装置301は、ICタグリーダ#2に対して、強制的にリード処理中止を指示しても良い。これにより、速やかに次のスケジュールを実行することが可能となる。
(3−4)スケジュール実行処理のパターン3
図20は、スケジュール実行処理の一例を示す模式図である。前述の図19では、同一のリード処理の空き時間に、リード処理を複数回実行する場合を例に挙げた。更なる応用として、ICタグリーダ#2の空き時間帯に、ICタグリーダ#4と干渉しない、別のICタグリーダに対してリードコマンドを送信することも考えられる。
図20では、ICタグリーダ#2がリード処理を完了すると、ICタグリーダ#2は管理装置301に完了通知を送信する。管理装置301は、同一グループ内のICタグリーダ#4からまだ完了通知を受信していない。そこで、管理装置301は、ICタグリーダ#4と電波干渉を起こさないICタグリーダを検索するために、スケジュール再決定処理を行う。例えば、ICタグリーダ#6がICタグリーダ#2とは電波干渉するが、ICタグリーダ#4とは電波干渉しないとする。この場合、ICタグリーダ#2は既にリード処理を完了しているので、ICタグリーダ#4がリード処理を行っている間にICタグリーダ#6にリード処理を実行させても電波干渉の問題は生じない。よって、管理装置301のタイミング通知部206は、図20に示すようにICタグリーダ#2の完了通知の受信後、ICタグリーダ#6に通信タイミングを含むリードコマンドを送信し、ICタグリーダ#6にリード処理を実行させる。この方法により、管理システム全体のICタグのリード処理時間は、さらに短縮できる可能性がある。
(3−5)リード処理の工夫
(3−5−1)リード処理の工夫1
タイミング通知部206は、グループを構成するICタグリーダの数が多いグループの順に、リードコマンドを送信して各グループのICタグリーダにリード処理を実行させる。ここで、グループは、互いに電波干渉しないICタグリーダの組み合わせである。
タイミング通知部206は、解析部203が解析した電波干渉の有無に基づいて、電波干渉しないICタグリーダを組み合わせてグループを形成する。タイミング通知部206は、各グループを構成するICタグリーダ数を取得し、各グループのICタグリーダの数が多い順にスケジューリングを行う。つまり、管理装置301のタイミング通知部206は、ICタグリーダの数が多いグループから順にリード処理を行わせるように送信タイミングを決定し、リードコマンドを送信する。
図21は、各グループを構成するICタグリーダの名前及び各グループを構成するICタグリーダ数を示す表である。ここで、各グループのICタグリーダ数は、多い順にG2、G5、G3、G1、G4となっている。そこで、管理装置301のタイミング通知部206は、この順に通信タイミングを設定してリードコマンドを送信する。よって、各ICタグリーダは、ICタグリーダの多いグループの順にリード処理を実行する。
グループ内のICタグリーダの数が多いほど、ICタグとの通信エリアが大きくなる。上記のようにICタグリーダの数が多いグループにICタグとの通信を優先させることで、多数のICタグとの通信を早期に行わせることができる。よって、管理装置301は、多数のICタグリーダと多数のICタグとの通信による多くの通信結果を早期に得ることができる。このように処理開始の早い段階で多くの結果を得ることができるので、ユーザに処理経過を提示する場合、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。
(3−5−2)リード処理の工夫2
タイミング通知部206は、各グループが検出したICタグの数が多い順にリード処理を実行させる。
各ICタグリーダは、管理装置301のタイミング通知部206のリードコマンドに従ってリード処理を行う。ここで、ICタグリーダの制御部242は、リード処理により読み取ったICタグの情報を管理装置のICタグDB208に送信し、各ICタグリーダが検出したICタグの数をリーダ情報DB204に送信する。よって、リーダ情報DB204は、各種のICタグリーダの情報とともに各ICタグリーダが自身のエリア内で検出したICタグの数を各ICタグリーダ毎に格納している。
そこで、検出数取得部209は、リーダ情報DB204から各ICタグリーダが検出したICタグの数を取得する。検出数取得部209は、タイミング通知部206からグループ構成を取得し、グループ毎のICタグ検出数を算出する。そして、検出数取得部209は、算出したグループ毎のICタグ検出数をタイミング通知部206に送信する。あるいは、検出数取得部209は各ICタグリーダの検出数をタイミング通知部206に送信し、タイミング通知部206がグループ毎のICタグ検出数を算出する。タイミング通知部206は、このICタグ検出数の多いグループ順に、次回の通信タイミングを設定してリードコマンドを送信する。
図22は、各グループを構成するICタグリーダの名前、各グループを構成するICタグリーダ数、平均タグ検出数及び前回タグ検出数を示す表である。ここで、前回のリード処理で検出されたICタグの検出数は、多い順にG4、G2、G1、G3、G5になっている。そこで、管理装置301のタイミング通知部206は、この順に次回の通信タイミングを設定してリードコマンドを送信する。よって、各ICタグリーダは、前回のICタグ検出数が多いグループの順にリード処理を実行する。
あるICタグリーダのエリアから他のICタグリーダのエリアへのICタグの移動が少ない場合には、前回のICタグの検出数と今回のICタグの検出数とは同程度になると考えられる。よって、前回の検出数の多いICタグリーダ又は前回の検出数の多いグループにICタグとの通信を優先させることで、多数のICタグとの通信を早期に行わせることができる。よって、処理開始の早い段階で多くの結果を得ることができるので、ユーザに処理経過を提示する場合、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。上記構成は、ICタグの移動が少ない場合に特に有効である。
(3−5−3)リード処理の工夫3
タイミング通知部206は、各グループが検出したICタグの平均の検出数が多い順にリード処理を実行させる。
平均算出部210は、リーダ情報DB204内のリーダ検出数に基づいて、各ICタグリーダ又は各グループが検出したICタグの検出数の平均を算出する。なお、平均算出部210は、タイミング通知部206からグループ構成を取得して、グループ毎の平均のICタグ検出数を算出する。あるいは、平均算出部210は、各ICタグの検出数の平均をタイミング通知部206に送信し、タイミング通知部206がグループ毎のICタグの検出数を算出する。タイミング通知部206は、この平均ICタグ検出数の多いグループ順に、次回の通信タイミングを設定してリードコマンドを送信する。
再び図22を参照すると、平均タグ検出数は、多い順にG1、G3、G5、G2、G4となっている。そこで、管理装置301のタイミング通知部206は、この順に次回の通信タイミングを設定してリードコマンドを送信する。よって、各ICタグリーダは、平均ICタグ検出数が多いグループの順にリード処理を実行する。
ICタグの移動が頻繁な場合には、前回の検出数が多くても今回の検出数が多いとは限らない。そこで、平均の検出数の多いICタグリーダ又は平均の検出数の多いグループにICタグとの通信を優先させる。これにより、多数のICタグとの通信を早期に行わせる可能性が高まる。よって、処理開始の早い段階で多くの結果を得ることができるので、ユーザに処理経過を提示する場合、ユーザの視覚効果として高速に通信や処理が行われているように感じさせることができる。上記構成は、ICタグの移動が頻繁な場合に特に有効である。
(3−6)電波干渉試験の工夫
ICタグリーダが移動型の場合には、ICタグリーダの位置が随時変化する。よって、随時各ICタグリーダ間の電波干渉試験を行う必要がある。また、新たなICタグリーダが設置された場合にも、電波干渉試験を再度行う必要がある。そこで、全てのICタグリーダどうしの電波干渉試験を行うのでは無く、電波干渉試験を行うICタグリーダを選択する。これにより電波干渉試験に要する時間を短縮し、管理システム全体の処理時間を削減する。このような構成について以下に説明する。
(3−6−1)電波干渉試験の工夫1
図23(a)は新たなICタグリーダが新設される前のグループ構成、図23(b)は電波干渉試験を削減する工夫を説明する説明図である。
図23(a)に示すようにグループ化されたICタグリーダを含む管理システムに、新たにICタグリーダ#15が設置されたとする。ここで、グループ毎に電波干渉試験を実施する順番を決定しておくものとする。この順番は特に制限は無い。例えば、グループG1では#1、#12の順に電波干渉試験を実施するなどする。そして、図23(b)に示すように、グループ毎に新設のICタグリーダ#15との電波干渉試験を実施する。グループG1では、まずICタグリーダ#1と#15との電波干渉試験を行い、電波干渉が無い場合は次にICタグリーダ#12と#15との電波干渉試験を行う。ここで、管理装置301の解析部203は、まずICタグリーダ#1に試験実行コマンドを送信する。そして、電波干渉が無い場合、次にICタグリーダ#12に試験実行コマンドを送信する。同様に、グループG2では、まずICタグリーダ#2と#15との電波干渉試験を行う。このとき、電波干渉が有りと判定されているので、もうこれ以上グループG2との電波干渉試験を行う必要は無い。これは、グループ内に1つでもICタグリーダ#15と電波干渉を生じるICタグリーダが含まれていれば、電波干渉が生じるためである。同様の手順で電波干渉試験を実行することで、図23(b)に示すように電波干渉試験の数を減らすことができる。これにより、管理システム全体の処理時間を削減することができる。
(3−6−2)電波干渉試験の工夫2
図24(a)は新たなICタグリーダが新設される前のグループ構成、図24(b)は電波干渉試験を削減する工夫を説明する説明図である。
管理装置301のリーダ情報DB204は、各ICタグリーダ毎に位置情報を取得して格納しているものとする。図24(a)には、各グループを構成するICタグリーダとともに、その位置情報が記載されている。ここで、この管理システムの位置Bに、新たにICタグリーダ#15が設置されたとする。このとき、グループの内のICタグリーダのうち新設のICタグリーダ#15に位置的に近い順に電波干渉試験を実行する。これは、近い位置にあるICタグリーダほど干渉する可能性が高いからである。例えば、グループ1においては、まずICタグリーダ#12と#15との電波干渉試験を行う。ここで、ICタグリーダ#12の位置Cは、ICタグリーダ#1の位置DよりもICタグリーダ#15の位置Bに近い。そして、ICタグリーダ#12と#15とが電波干渉するため、もうこれ以上グループG1との電波干渉試験を行う必要は無い。同様の手順で電波干渉試験を実行することで、図24(b)に示すように電波干渉試験の数を減らすことができる。これにより、管理システム全体の処理時間を削減することができる。
<第3実施形態例>
(1)全体構成
図25は、本発明の第3実施形態例に係る通信タイミングの管理システムの全体構成を示す図である。第1実施形態例及び第2実施形態例では、管理装置と複数のICタグリーダから構成される管理システムについて説明し、それらが別の装置で構成されていることを述べた。しかし、ICタグリーダが管理装置の機能構成を有していても良い。すなわち、管理システムは複数のICタグリーダ411、112〜115のみから構成され、その中のある1台のICタグリーダ411が管理装置の機能を実行する。その適用例について以下に説明する。なお、以降の説明では、第1実施の形態例同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
(2)機能構成
(2−1)管理機能を有するICタグリーダの機能構成
図26は、管理機能を有するICタグリーダの機能構成を示すブロック図である。ICタグDB208は、自身のICタグリーダのリード処理により読み取ったICタグの情報と、他のICタグリーダが読み取ったICタグの情報とを格納している。
ICタグリーダの解析部203は、電波強度測定部215に試験実行コマンドを送信する。電波強度測定部215は、自身以外の他のICタグリーダに対する試験実行コマンドである場合は、該当するICタグリーダに試験実行コマンドを送信する。そして、他のICタグリーダから試験結果を受信してリーダ情報DB204に格納する。また、電波強度測定部215は、自身への試験実行コマンドである場合は、コマンドに応じて試験電波の送受信を行い電波強度を測定する。そして、試験結果をリーダ情報DB204に格納する。
その他の構成は、図17に示す第2実施形態例の管理装置301の機能構成と同様であるので説明を省略する。
(2−2)ICタグリーダ及びICタグの機能構成
ICタグリーダ及びICタグの機能構成は、第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。
(3)処理の流れ
図27は、スケジュール実行処理の一例を示す模式図である。管理装置の機能を実行するICタグリーダが選定されると、ICタグリーダ#1の解析部203は、電波干渉試験を実行する。第1実施形態例と同様に、自端末(ICタグリーダ#1)も含めて、全てのICタグリーダに関する試験電波の送信、検出処理を行う。その後、ICタグリーダ#1のタイミング通知部206は、互いに電波干渉しないICタグリーダの組合せを検出し、スケジュールを生成する。そして、ICタグリーダ#1のタイミング通知部206は、生成したスケジュールに基づいて、各ICタグリーダにリードコマンドを送信する。これにより、各ICタグリーダは、ICタグの読み取り処理を実行する。
ICタグリーダは、第1及び第2実施形態例の管理装置が行っている処理と同様の処理を行うのみであるで、詳細な説明を省略する。
(4)管理機能を有するICタグリーダの選定
なお、管理機能を有するICタグリーダの選定については、ICタグリーダが起動時に読み込む初期設定ファイルにその旨を記載する等、利用者(システム管理者)がICタグリーダ毎に直接、設定を行ってもよい。あるいは、遠隔のPC等からネットワークを介して設定を行ってもよい。また、人手を要さず、ICタグリーダ同士が接続と同時に自律的に決定する方法も考えられる。例えば、電源投入時から最も経過時間の長いICタグリーダが請け負うなどの決定方法が考えられる。選定後、他のICタグリーダは、選定されたICタグリーダに関する接続情報を取得するものとする。
なお、管理システム運用中に、管理機能を請け負うICタグリーダを変更する機能があっても構わない。あるICタグリーダが一定時間、管理機能を請け負った場合や、管理機能を請け負っているICタグリーダの障害が検出された場合、何らかの要因で前記ICタグリーダが管理システムから離脱する場合等には、その後も運用を継続させるために、管理機能を実行するICタグリーダを変更する必要がある。
(5)作用効果
このようにして、ICタグリーダ自身が、管理機能を有することによって、管理システムを構築するために必要な端末数を減らすことができる。
<その他の実施形態例>
(1)変形例1
上記では、ICタグリーダが電波強度を測定し、管理装置は電波強度を受信する。そして、管理装置は、その電波強度及び所定の閾値に基づいてICタグリーダ間の電波干渉の有無を判定する。しかし、各ICタグリーダが、他のICタグリーダから受信した電波の電波強度に基づいて電波干渉の有無を判断しても良い。そして、管理装置の解析部は、各ICタグリーダが判定した電波干渉の有無を受信し、それに基づいて管理装置の管理下の全てのICタグリーダ間の干渉の有無を判定するようにしても良い。つまり、各ICタグリーダは、それぞれの装置が他の装置と電波干渉するかを判定し、管理装置は管理下全てのICタグリーダ間の電波干渉の有無を判定する。
(2)変形例2
上記では、ICタグリーダが他のICタグリーダからの電波を受信して電波強度を測定するとしたが、ICタグリーダとは異なる別の装置が電波強度を測定しても良い。
(3)変形例3
上記では、ICタグの情報の読み取りを行うICタグリーダを例に挙げているが、ICタグライタ、ICタグリード・ライタにも本発明を適用可能である。よって、ICタグへの書込処理におけるICタグライタ間の電波干渉も防止しつつ、効率よく書込処理を行うことができる。
(4)変形例4
前述した管理装置、ICタグリーダにおける処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blue−ray Disc)、半導体メモリを挙げることができる。
前記コンピュータプログラムは、前記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
本発明のICタグリーダ間の電波干渉防止が可能な管理システムは、複数のICタグリーダが管理装置とネットワークで接続されている。そして、管理装置が各ICタグリーダを制御することによって、ICタグリーダ間の電波干渉による読み取り失敗回数を低減すし、さらに、システム全体のICタグリード処理を高速化することができる。本発明は、特に、複数のICタグリーダが近接して配置され、ICタグを用いて物品の在庫管理や、人の現在位置把握等を行い、特に厳重な状況監視(頻繁なICタグの検出)を必要とするアプリケーションにおいて有用である。
本発明の第1実施形態例に係る通信タイミングの管理システムの全体構成を示す図。 管理装置の機能構成を示すブロック図。 ICタグリーダの機能構成を示すブロック図。 ICタグ131の機能構成を示すブロック図。 管理装置101が行う全体の処理の流れを示すフローチャート。 電波干渉試験の流れを示す模式図 (a) 試験電波受信コマンドのパケットフィールド。(b) 試験電波送信コマンドのパケットフィールド。 受信履歴応のパケットフィールド。 管理装置101における電波干渉試験のためのコマンド送信処理の流れを示すフローチャートの一例。 閾値を決定する検証モデルの一例。 閾値を決定する検証モデルの他の一例。 (a) 電波干渉の判定結果を示す表。(b) 電波干渉しないICタグの組み合わせを示す表。 管理装置によるスケジューリングの実行処理を示すフローチャート。 スケジュール実行処理の一例を示す模式図。 スケジュール実行処理の別の一例を示す模式図。 本発明の第2実施形態例に係る通信タイミングの管理システムの全体構成を示す図。 管理装置の機能構成を示すブロック図。 スケジュール実行処理の一例を示す模式図。 スケジュール実行処理の一例を示す模式図。 スケジュール実行処理の一例を示す模式図。 各グループを構成するICタグリーダの名前及び各グループを構成するICタグリーダ数を示す表。 各グループを構成するICタグリーダの名前、各グループを構成するICタグリーダ数、平均タグ検出数及び前回タグ検出数を示す表。 (a) 新たなICタグリーダが新設される前のグループ構成を示す図。(b) 電波干渉試験を削減する工夫を説明する説明図 (a) 新たなICタグリーダが新設される前のグループ構成を示す図。(b) 電波干渉試験を削減する工夫を説明する説明図。 本発明の第3実施形態例に係る通信タイミングの管理システムの全体構成を示す図。 管理機能を有するICタグリーダの機能構成を示すブロック図。 スケジュール実行処理の一例を示す模式図。 特許文献1の非接触型の施開錠装置の概要を示す説明図。 管理装置10が各ICカードリーダ11〜13にリードコマンドを送信している様子を示す説明図。
符号の説明
101、301:管理装置
111〜115:ICタグリーダ
201:表示制御部
202:入力受付部
203:解析部
204:リーダ情報DB
205:完了通知受信部
206:タイミング通知部
208:ICタグDB
209:検出数取得部
210:平均算出部
215:電波強度測定部

Claims (12)

  1. 複数のICタグと複数のICタグ通信装置との通信を管理する管理装置であって、
    各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析する解析部と、
    前記解析部での解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知するタイミング通知手段と、
    を含むことを特徴とする、管理装置。
  2. 前記解析部は、互いに電波干渉しないICタグ通信装置の組み合わせ(以下、不干渉グループという)を抽出し、
    前記タイミング通知手段は、前記不干渉グループのICタグ通信装置には概ね同じタイミングでの通信タイミングを通知し、互いに電波干渉するICタグ通信装置には異なる通信タイミングを通知することを特徴とする、請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記タイミング通知手段は、前記不干渉グループ内のICタグ通信装置の数が多い順に優先的にICタグとの通信を行わせるような通信タイミングを通知することを特徴とする、請求項2に記載の通信装置。
  4. 各ICタグ通信装置におけるICタグの検出数を取得する検出数取得手段をさらに含み、
    前記タイミング通知手段は、前記検出数取得手段が取得した検出数の多い順に優先的にICタグとの通信を行わせるような通信タイミングを通知することを特徴とする、請求項1または2に記載の通信装置。
  5. 前記検出数取得手段が取得した検出数の平均を算出する算出手段をさらに含み、
    前記タイミング通知手段は、平均の検出数の多い順に優先的にICタグとの通信を行わせるような通信タイミングを通知することを特徴とする、請求項1または2に記載の通信装置。
  6. 前記解析部は、不干渉グループのうち一部のICタグ通信装置の通信が終了した場合、前記不干渉グループ内であって前記一部のICタグ通信装置以外の別のICタグ通信装置と電波干渉しない、ICタグ通信装置の組み合わせを再度抽出し、
    前記タイミング通知手段は、抽出されたICタグ通信装置に通信タイミングを通知することを特徴とする、請求項2に記載の管理装置。
  7. 各ICタグ通信装置とそのエリア内のICタグとの通信が完了したこと示す完了通知を、各ICタグ通信装置から受信する完了通知受信部をさらに含み、
    前記タイミング通知手段は、さらに前記完了通知に基づいて、ICタグ通信装置に対して通信を開始させるような通信タイミングを通知することを特徴とする、請求項1に記載の管理装置。
  8. 前記解析部は、各ICタグ通信装置が他のICタグ通信装置から受信する電波の電波強度に基づいて電波干渉の有無を解析することを特徴とする、請求項1に記載の管理装置。
  9. 前記解析部は、各ICタグ通信装置が互いに電波を送受信することにより電波干渉の有無を検出させるための試験コマンドを各ICタグ通信装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の管理装置。
  10. 複数のICタグと複数のICタグ通信装置との通信を管理する管理方法であって、
    各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析する解析ステップと、
    前記解析ステップでの解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知するタイミング通知ステップと、
    を含むことを特徴とする、管理方法。
  11. 複数のICタグと通信を行う複数のICタグ通信装置と、前記ICタグ通信装置の通信を管理する管理装置とを含む管理システムであって、
    前記管理装置は、
    各ICタグ通信装置どうしの電波干渉の有無を解析する解析部と、
    前記解析部での解析結果に基づいて、ICタグとICタグ通信装置との通信タイミングを、各ICタグ通信装置に通知するタイミング通知手段とを有し、
    各ICタグ通信装置は、
    前記管理装置のタイミング通知手段からの通信タイミングを受信する通信タイミング受信部と、
    前記通信タイミングに基づいて、前記ICタグとの通信を行う通信部とを有することを特徴とする管理システム。
  12. 各ICタグ通信装置は、
    各ICタグ通信装置間で互いに電波を送受信する送受信部と、
    前記送受信部が受信した電波の電波強度を検出する電波強度検出部とをさらに有し、
    前記管理装置の解析部は、各ICタグ通信装置の電波強度検出部から電波強度を受信することを特徴とする、請求項11に記載の管理システム。
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