JP2010025126A - エンジンの空気量検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気脈動に起因するエアフロメータの出力誤差を補正しつつ、いかなる運転状態にあっても、より精度の高い吸入空気量の検出を可能とするエンジンの空気量検出方法を提供する。
【解決手段】エンジン回転数NEとスロットル開度TA及びVVTの位相値θAから定常時に収束する吸気圧力PMを求めるとともに同吸気圧力PMを徐変処理した吸気圧力徐変値PMNを算出する。そして、吸気圧力PMと吸気圧力徐変値PMNの差を吸気圧力変化値DLPMとし、吸気圧力PMと脈動補正カット実行圧力PMCUTとを比較するとともに吸気圧力変化値DLPMと脈動補正カット実行圧力変化値DLPMCUTとを比較することで車両が加速状態にあるか否かを判断する。加速状態にあると判断された場合には、脈動補正係数Kを「1.0」とすることで実質的にはエアフロメータ出力GAの補正を禁止する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車載エンジンの吸気脈動等を補償しつつ、その燃焼室に吸入される空気量を検出するエンジンの空気量検出方法に関する。
エンジンの燃焼室に吸入される空気量を求めるために、スロットルバルブ上流部に例えば熱式等からなるエアフロメータを設置し、このエアフロメータの出力を基にして上記吸入される空気量を算出することがよく行われている。
一方、前記エアフロメータのうち、特にブリッジ回路を用いて流量測定が行われている熱式のものは、燃焼室へ向かって流れる空気の量だけでなく、吸気脈動により発生する、逆向きの空気の量も同様に燃焼室に吸入される空気量として感知する。このため、同熱式のエアフロメータは、吸気脈動が発生するとその影響を直接受け、出力が実際の吸入空気量に対して大きくなる傾向がある。
そして、スロットル開度が小さい低負荷状態では、吸気脈動が生じてもこれがエアフロメータに到達するのを防ぐ壁としてスロットルバルブが働くため、この熱式エアフロメータとしての出力誤差も比較的小さいが、スロットル開度が大きい高負荷状態では、同吸気脈動による出力誤差が無視できないものとなる。すなわち、この場合、吸気バルブの開閉に伴って発生する吸気脈動は、大きく開かれたスロットルバルブを介して容易にエアフロメータに到達するようになるため、同熱式エアフロメータとしての上述した特性に起因して、その出力誤差は大きくなる。
そこで従来は、熱式エアフロメータによるこういった誤差を伴った出力を補正するために、スロットル開度とエンジン回転数とをパラメータとした脈動補正係数を求め、エアフロメータの出力にこの補正係数を乗算することで、吸気脈動に起因するエアフロメータの出力誤差を低減するようにしている。
通常、上記熱式エアフロメータの出力は、これが上記燃焼室への吸入空気量の算出に用いられる際、例えば特許文献1に見られるように平均化されたり、あるいは特許文献2に見られるように平滑化されるなどの処理が施されることが多い。そして、このような場合でも、上記脈動補正係数に基づいて同エアフロメータの出力が予め補正されることで、それら平均化あるいは平滑化される値の精度も確実に向上されるようになる。
特開昭62−142838号公報。 特開平5−306643号公報。
ただし、従来は上述のように、この脈動補正係数をスロットル開度とエンジン回転数とに基づいて求め、これをエアフロメータの出力に乗算しているために、例えば車両の加速中など、スロットルバルブが急速に開かれている最中であっても、該スロットル開度に応じてエアフロメータの出力補正が行われる。脈動補正係数はそもそも、エンジンの定常状態を想定してその際に生じる吸気脈動に起因するエアフロメータの出力誤差を低減するための値であることから、こうして加速中にエアフロメータの出力補正が行われる場合には、逆に誤差が増大し、上記算出される空気量も実際の値と異なるようになることがある。そして、このような実際と異なる空気量に基づいて空燃比制御等が行われる場合には、自ずとその制御性も悪化するようになる。
なお、近年は、機関バルブ(吸・排気バルブ)のバルブタイミングやバルブリフト量を可変とするバルブ特性可変機構の採用により、これら可変機構によるバルブ特性の変更時にもスロットルバルブ開閉時と同様の問題が発生している。
また、熱式エアフロメータに限らず、エンジンの吸気脈動に起因する双方向への空気の流れを同等に感知して、それら流量に応じた検出信号を出力するタイプのエアフロメータにあっては、その出力誤差を補正する上でのこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされてものであり、その目的は、吸気脈動に起因するエアフロメータの出力誤差を補正しつつ、いかなる運転状態にあっても、より精度の高い吸入空気量の検出を可能とするエンジンの空気量検出方法を提供することにある。
上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、車載エンジンの吸入空気量操作機構上流に設けられた空気量センサを通じて当該エンジンの燃焼室に吸入される空気量を検出するに、同エンジンの吸気通路内の吸気脈動及び偏流の少なくとも一方に起因する前記空気量センサの検出誤差を補償するための補正係数を前記吸入空気量操作機構の操作量及びエンジン回転数に基づいて求め、前記空気量センサの出力をこの求めた補正係数により補正して前記燃焼室に吸入される空気量を検出するエンジンの空気量検出方法において、前記吸入空気量操作機構の操作に伴うエンジンの過渡状態中、前記補正係数をエンジン運転状態に応じた所定の値に保持することをその要旨とする。
前述した吸気脈動について、たとえスロットル開度が大きくても、吸入空気量が増加・減少あるいは、オーバーシュート・アンダーシュートしているような過渡状態中においては、吸入空気が増加または減少する方向への吸入空気の慣性力が大きく吸気脈動は発生しない、あるいは吸気脈動が小さいことが発明者等により確認されている。すなわち、吸気脈動は定常時(定常運転時)に発生するものであり、補正係数も通常は、定常時での吸気脈動に起因する空気量センサの出力誤差を低減するための値として求められている。
そして、上記検出方法では、空気量センサが、エンジンの吸気脈動に起因する双方向への空気の流れを同等に感知してそれら流量に応じた検出信号を出力する熱式のエアフロメータ等であっても、吸気脈動が発生しない、あるいは脈動が小さいエンジンの過渡状態中は、補正係数がエンジン運転状態に応じた所定の値に保持される。このため、エンジンの過渡状態中には、必要の無い補正を行うことによる空気量センサの出力誤差が抑えられ、また定常時には、吸入空気量操作機構の操作量及びエンジン回転数から求められる補正係数に基づく出力補正が適正に行われることとなり、いかなる運転状態にあっても、より精度の高い吸入空気量の検出が可能となる。なお、空気量センサの出力に補正係数を乗算してその補正を場合、前記所定値を「1.0」とすることで実質的に同センサの出力補正を禁止することもできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のエンジンの空気量検出方法において、前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブであり、前記エンジンの過渡状態開始を、少なくとも前記スロットルバルブの開度及びエンジン回転数に基づいて求めたエンジン負荷と同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値とに基づき判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、少なくともスロットルバルブの開度及びエンジン回転数に基づいて求めたエンジン負荷と同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値とに基づいてエンジンの過渡状態開始が判断されるため、エンジンが過渡状態となったか否かをより的確に判断することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載のエンジンの空気量検出方法において、前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブ及び機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構の少なくとも一方であり、前記エンジンの過渡状態開始を、前記スロットルバルブの開度及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量の少なくとも一方とエンジン回転数とに基づいて求めたエンジン負荷、並びに同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値に基づき判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、スロットルバルブの開度及びバルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量の少なくとも一方とエンジン回転数に基づいて求めたエンジン負荷、並びに同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値とに基づいてエンジンの過渡状態開始が判断されるため、スロットルバルブ及びバルブ特性可変機構の少なくとも一方を備えるエンジンが過渡状態となったか否かをより的確に判断することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載のエンジンの空気量検出方法において、前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブであり、前記エンジンの過渡状態開始を、前記スロットルバルブの開度と同開度の変化量とに基づき判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、スロットルバルブの開度と同開度の変化量とに基づいてエンジンの過渡状態開始を判断するため、エンジンが過渡状態となったか否かをより簡易に判断することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1記載のエンジンの空気量検出方法において、前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブ及び機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構の少なくとも一方であり、前記エンジンの過渡状態開始を、前記スロットルバルブの開度と同開度の変化量、及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量と同特性量の変化量の少なくとも一方に基づき判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、スロットルバルブの開度と同開度の変化量及びバルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量と同特性量の変化量の少なくとも一方に基づいてエンジンの過渡状態開始を判断するため、スロットルバルブ及びバルブ特性可変機構の少なくとも一方を備えるエンジンが過渡状態となったか否かをより簡易に判断することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2または4に記載のエンジンの空気量検出方法において、前記エンジンの過渡状態終了を、前記スロットルバルブの開閉操作に伴って燃焼室に吸入される空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期として判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、スロットルバルブの開閉操作に伴って燃焼室に吸入される空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期、すなわち正に定常状態に移行しようとする時期がエンジンの過渡状態終了と判断されるため、補正係数を所定値に保持する期間が極めて適切なものとなる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のエンジンの空気量検出方法において、少なくとも前記スロットルバルブの開度及びエンジン回転数に基づいて求めたエンジン負荷と同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値に基づいて前記空気量が安定し始める時期を判断し、この判断される空気量が安定し始める時期から所定時間後の時期として前記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、上記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を簡便に判断することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項3または5に記載のエンジンの空気量検出方法において、前記エンジンの過渡状態終了を、前記スロットルバルブの開閉操作及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性変更操作の少なくとも一方に伴って燃焼室に吸入される空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期として判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、スロットルバルブの開閉操作及びバルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性変更操作の少なくとも一方に伴って燃焼室に吸入される空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期、すなわち正に定常状態に移行しようとする時期がエンジンの過渡状態終了と判断されるため、補正係数を所定値に保持する期間が極めて適切なものとなる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のエンジンの空気量検出方法において、前記スロットルバルブの開度及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量の少なくとも一方とエンジン回転数とに基づいて求めたエンジン負荷、並びに同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値に基づいて前記空気量が安定し始める時期を判断し、この判断される空気量が安定し始める時期から所定時間後の時期として前記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を判断することをその要旨とする。
同検出方法によれば、スロットルバルブ及びバルブ特性可変機構の少なくとも一方を備えるエンジンにおいて、上記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を簡便に判断することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項7または9に記載のエンジンの空気量検出方法において、前記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を判断するための前記所定時間を、前記エンジンの過渡度合いを示すパラメータとエンジン回転数との少なくとも一方に基づき可変とすることをその要旨とする。
上記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期は、過渡度合いまたはエンジン回転数により若干変化する。この点、同検出方法によれば、この変化に対応するように前記所定時間が可変とされるため、空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を更に確実に判断することができる。
なお、上記車両の過渡度合いを示すパラメータとしては、上記求められたエンジン負荷の変化量やスロットルバルブの開度変化量並びにバルブ特性変化量等がある。
請求項11に記載の発明では、請求項2〜5のいずれかに記載のエンジンの空気量検出方法において、前記エンジンの過渡状態終了を、前記空気量センサの出力より求めた空気量またはセンサ出力値あるいはスロットル開度より求めた空気量が前記エンジンの加速/減速に伴って増加/減少し、減少/増加した後、最初に増加/減少に反転する変曲点に基づいて判断することをその要旨とする。
上記変曲点は通常、上記空気量の増加・減少が収まる時期、またはオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期、すなわち正に定常状態に移行しようとする時期に対応して現れる。このため、同検出方法によっても、前記補正係数を所定値に保持する期間を適切に定めることができる。
本発明によれば、吸気脈動に起因するエアフロメータの出力誤差を補正しつつ、いかなる運転状態にあっても、より精度の高い吸入空気量の検出が可能である。
本発明にかかる空気量検出方法の実施形態が適用されるガソリンエンジンシステムの概略構成図。 同エンジンシステムの電気的構成を示すブロック図。 第1の実施形態によるエアフロメータの出力補正処理を示すフローチャート。 第1の実施形態によるエアフロメータの出力補正処理を示すフローチャート。 第1の実施形態によるエアフロメータの出力補正態様を示すタイミングチャート。
(第1の実施形態)
図1は、上述した発明が適用された直列6気筒ガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)4の概略構成を表す図である。
エンジン4のシリンダブロック6には燃焼室を含む第1気筒8、第2気筒9、第3気筒10、第4気筒11、第5気筒12および第6気筒13が形成されている。各気筒8〜13にはインテークマニホールド16、サージタンク18を介して吸気通路20が接続されている。この吸気通路20の上流側にはエアクリーナ22が設けられており、このエアクリーナ22を介して吸気通路20内に外気が導入される。
インテークマニホールド16には、各気筒8〜13に対応してインジェクタ24,25,26,27,28,29がそれぞれ設けられている。このインジェクタ24〜29は通電制御により開閉駆動されて燃料を噴射する電磁式の燃料噴射弁であって、燃料タンク(図示略)内の燃料が燃料ポンプ(図示略)から圧送されてくる。インジェクタ24〜29から吸気ポート(図示略)に向けて噴射された燃料はインテークマニホールド16からの吸入空気と混合されて混合気となる。この混合気は、各気筒8〜13毎に設けられた吸気バルブ(図示略)が開弁することによって開かれた吸気ポートから各気筒8〜13の燃焼室内へ導入される。
吸気通路20には吸入空気量を調節するスロットルバルブ32がサージタンク18の上流側に位置して設けられている。このスロットルバルブ32は、スロットルモータ34により駆動されることにより、その開度、即ちスロットル開度TAが調節される。スロットルバルブ32の近傍にはスロットルセンサ36が設けられている。このスロットルセンサ36はスロットル開度TAを検出し、スロットル開度TAに応じた信号を出力する。
また、自動車の運転室内にはアクセルペダル38が設けられており、このアクセルペダル38の踏込量、即ちアクセル開度ACCPがアクセル開度センサ40によって検出される。そして、電子制御装置(以下、「ECU」と略す)50はこのアクセル開度ACCP等に基づいてスロットルモータ34を制御することによりスロットル開度TAを運転状態に応じた開度に調節する。
各気筒8〜13にはエグゾーストマニホールド60を介して排気通路62が接続されている。この排気通路62には触媒コンバータ64およびマフラ66がそれぞれ設けられている。排気通路62を流れる排気はこれら触媒コンバータ64およびマフラ66を通過して外部に排出される。
吸気通路20には空気量センサとして熱式エアフロメータ68が設けられている。この熱式エアフロメータ68は吸気通路20を流れる吸入空気量を測定し、吸入空気量に応じたエアフロメータ出力GAを出力する。
また、エンジン4のシリンダヘッド6aには各気筒8〜13に対応してそれぞれ点火プラグ70,71,72,73,74,75が設けられている。各点火プラグ70〜75は、イグニッションコイル70a,71a,72a,73a,74a,75aが付属することにより、ディストリビュータを用いないダイレクトイグニッションシステムとして構成されている。各イグニッションコイル70a〜75aは、点火時期にECU50内の点火駆動回路から供給される一次側電流の遮断に基づいて発生する高電圧を、直接点火プラグ70〜75に与えている。
エンジン4のシリンダブロック6には、クランク軸(図示略)に対する吸気カムシャフト(図示略)の相対位相を調整可能とする可変バルブタイミング機構(以下、「VVT」と称する)78が設けられている。このVVT78は、エンジン4の運転状態に応じて吸気バルブが好適なバルブタイミングとなるように、ECU50によりオイルコントロールバルブ(以下、「OCV」と称する)78aを介して駆動されている。
また、触媒コンバータ64より上流における排気通路62には、空燃比センサ80が設けられている。この空燃比センサ80は、排気の成分に現れる混合気の空燃比に応じた電圧信号Voxを出力する。そして、ECU50内では、この空燃比信号Voxや後述する補正後エアフロメータ出力GAHから算出した吸入空気量等に基づいて空燃比フィードバック制御がなされ、燃料噴射量の増減処理により、空燃比が目標空燃比に調整される。
なお、回転数センサ90は、エンジン4のクランク軸の回転に基づいてエンジン4の回転数NEに応じた頻度のパルス信号を出力する。ここでは、回転数センサ90は、第1気筒8の上死点、すなわち、0°CA(CA:クランク角)から30°毎にパルス信号を出力するように構成されている。
カム角センサ92は、気筒判別とカム角検出のために吸気カムシャフトの回転に基づいて所定の回転毎に基準信号となるパルス信号を出力する。ECU50はこれら回転数センサ90からの信号に基づいて回転数NEの検出を行い、カム角センサ92からの出力信号に基づいて気筒判別を行い、回転数センサ90およびカム角センサ92の両信号の関係からカム角の検出を行う。
また、シリンダブロック6にはエンジン冷却水温を検出するための水温センサ94が設けられて、冷却水温THWに応じた信号を出力する。
次に本実施形態における制御系統の電気的構成について図2のブロック図を参照して説明する。
ECU50は、中央処理装置(CPU)50a、読み出し専用メモリ(ROM)50b、ランダムアクセスメモリ(RAM)50c、およびバックアップRAM50d等を備え、これら各部50a〜50dと、入力回路50eおよび出力回路50f等とを双方向バス50gにより接続してなる論理演算回路として構成されている。ROM50bには後述するエアフロメータ出力補正処理を実現する各種制御プログラムや各種データが予め記憶されている。RAM50cには各種制御処理におけるCPU50aの演算結果等が一時的に記憶される。
また、入力回路50eはバッファ、波形整形回路およびA/D変換器等を含んだ入力インターフェースとして構成されており、前記スロットルセンサ36、アクセル開度センサ40、エアフロメータ68、空燃比センサ80、回転数センサ90、カム角センサ92、水温センサ94、各イグニッションコイル70a〜75aの点火確認信号IGfのライン等がそれぞれ接続されている。各種センサ36,40,68,80,90,92,94等の出力信号はデジタル信号に変換されて入力回路50eから双方向バス50gを介してCPU50a等に読み込まれる。
一方、出力回路50fは各種駆動回路等を有しており、前記インジェクタ24〜29、イグニッションコイル70a〜75a、スロットルモータ34、VVT用OCV78a等がそれぞれ接続されている。ECU50は各種センサ36,40,68,80,90,92,94等からの出力信号に基づいて演算処理を行い、インジェクタ24〜29、イグニッションコイル70a〜75a、スロットルモータ34、OCV78a等を駆動制御する。
本実施の形態では、ECU50は後述するエアフロメータ68の補正後エアフロメータ出力GAHから算出される吸入空気量および回転数センサ90により検出される回転数NE等に基づいて、インジェクタ24〜29による基本燃料噴射量や燃料噴射時期、イグニッションコイル70a〜75aによる点火時期、あるいはVVT78による吸気バルブの開閉弁タイミング即ち位相値(進角値)θAを制御している。そして空燃比センサ80により検出される空燃比に基づいて、インジェクタ24〜29による燃料噴射量の増減補正を実行して、混合気の空燃比を目標空燃比に精密に制御している。
ECU50により実行されるエアフロメータの出力補正処理を図3及び図4のフローチャートに示す。本エアフロメータ出力補正処理は、短時間周期(本実施形態では8ms)毎に繰り返し実行される処理であり、本処理終了後はエンジン4の運転を制御するための上述した各種制御を実行するメインルーチン(説明は割愛)に戻るようになっている。
エアフロメータの出力補正処理が開始されると、ECU50はまず、エンジン回転数NEとスロットル開度TA及びVVTの位相値θAから定常時に収束する吸気圧力PMを求めるとともに、この定常時に収束する吸気圧力PMを徐変処理した吸気圧力徐変値PMNを算出する。そして、これら吸気圧力PMと吸気圧力徐変値PMNとの差を吸気圧力変化値DLPMとし、次式[1]及び[2]の論理積(AND)条件を満たしているか判定する(図3ステップS1)。
ここで、吸気圧力変化値DLPMは、急加速時には値が大きくなり、緩加速時には値が小さくなるため、加速度合いを表すパラメータとして用いることができる。

吸気圧力PM≧脈動補正カット実行圧力PMCUT…[1]
吸気圧力変化値DLPM≧脈動補正カット実行圧力変化値DLPMCUT…[2]

なお、本実施形態において、脈動補正カット実行圧力PMCUTは「80kPa」であり、脈動補正カット実行圧力変化値DLPMCUTは「40kPa」である。
これら式[1]及び式[2]が共に満たされている場合、ECU50はエンジンが加速状態にあると判断して、脈動補正カットフラグXCUTを「1」にし(図3ステップS2)、脈動補正係数Kを「1.0」として(図4ステップS3)、補正後エアフロメータ出力GAHを算出し(図4ステップS13)、本処理を終了する。
一方、加速状態ではないと判断されると、現在の脈動補正カットフラグXCUTが「1」かどうかが判定される(図3ステップS4)。
このステップS4にて、脈動補正カットフラグXCUTが「1」ではないと判定されると、ECU50は、ROM50b内に記憶されているマップに基づき、エンジン回転数NEとスロットル開度TAとから脈動補正係数Kを求め(図4ステップS12)、補正後エアフロメータ出力GAHを算出し(図4ステップS13)、本処理を終了する。
一方、ステップS4にて、脈動補正カットフラグXCUTが「1」であると判定されると、ECU50は、吸気圧力徐変値PMNと吸気圧力変化値DLPMとを用いて、次式[3]及び[4]の論理和(OR)条件を満たし、更に式[5]との論理積(AND)条件を満たしているか判定する(図3ステップS5)。

吸気圧力徐変値PMN≧脈動補正復帰実行圧力PMR…[3]
吸気圧力変化値DLPM<脈動補正復帰実行圧力変化値DLPMR…[4]
脈動補正カットフラグXCUT=1…[5]

なお、本実施形態において、脈動補正復帰実行圧力PMRは「80kPa」であり、脈動補正復帰実行圧力変化値DLPMRは「10kPa」である。
これらの条件が満たされていない場合、ECU50は、加速後の吸入空気量がまだ安定し始めていないと判断し、脈動補正係数Kを「1.0」として(図4ステップS3)、補正後エアフロメータ出力GAHを算出し(図4ステップS13)、本処理を終了する。
一方、上記条件が満たされると、ECU50は、加速後の吸入空気量が安定し始めていると判断して、脈動補正復帰準備フラグXRを「1」とし(図3ステップS6)、脈動補正復帰カウンタCRをスタートする(図3ステップS7)。
次に、ECU50は、現在の脈動補正復帰カウンタCRの数値を読み込み、次式[6]の条件を満たしているか判定する(図4ステップS8)。

脈動補正復帰カウンタCR≧脈動補正復帰実行ディレイ時間CUTDLY…[6]

ここで、脈動補正復帰実行ディレイ時間CUTDLYとは、加速状態判定後に吸入空気量が安定し始めてから同空気量がオーバーシュートを終えるまでの時間である。なお、本実施形態において、この脈動補正復帰実行ディレイ時間CUTDLYは「20ms」である。
上記式[6]が満たされていない場合、ECU50は、吸入空気量のオーバーシュートがまだ終了しておらず、吸気脈動が発生していないと判断し、脈動補正係数Kを「1.0」とし(図4ステップS3)、補正後エアフロメータ出力GAHを算出し(図4ステップS13)、本処理を終了する。
一方、上記式[6]が満たされると、ECU50は、吸入空気量のオーバーシュートが終了して、吸気脈動が発生し始める時期に達したと判断し、脈動補正カットフラグXCUTを「0」に設定する(図4ステップS9)。
そして、ECU50は次に、脈動補正復帰準備フラグXRを「0」にセットし(図4ステップS10)、脈動補正復帰カウンタCRをクリアする(図4ステップS11)。その後、ROM5b内に記憶されているマップに基づき、エンジン回転数NEとスロットル開度TAとから脈動補正係数Kを求め(図4ステップS12)、補正後エアフロメータ出力GAHを算出し(図4ステップS13)、本処理を終了する。
本実施形態においてはこのように、吸気脈動が発生していない状態、すなわちエンジンが加速状態にあり、吸気量がオーバーシュートしている状態では、脈動補正係数Kを「1.0」とし、エアフロメータ出力GAに、この脈動補正係数Kをかけて補正後エアフロメータ出力GAHを得る。すなわちこの場合、実質的には補正を禁止する。
一方、吸気脈動が発生している状態、すなわちエンジンが加速状態にはなく、吸気量のオーバーシュートも終了している状態では、エンジン回転数NEとスロットル開度TAから脈動補正係数Kを算出し、エアフロメータ出力GAにこの脈動補正係数Kを乗算して補正後エアフロメータ出力GAを得る。従ってこの場合、補正後エアフロメータ出力GAHは、吸気脈動による誤差が抑制された出力となる。
そしてECU50は、これらの処理を経た補正後エアフロメータ出力GAHに基づいて、吸入空気量を算出し、例えば空燃比制御を行うための燃料噴射量等を求めることとなる。
図5に、本実施形態におけるこうしたエアフロメータの出力補正態様をタイミングチャートとして示す。
同5図に示されるように、時刻tAまではスロットル開度TAが比較的小さいため(図5(e))、スロットルバルブ32が壁となって、吸気脈動が生じてもこれがスロットルバルブ32の上流側に設置されているエアフロメータ68には到達しにくい状態が維持される。このため、エアフロメータの出力誤差も比較的小さく、エンジン回転数NEとスロットル開度TAにより求められる脈動補正係数K(図5(f))は「1.0」に近い値となる。そして、この脈動補正係数Kにより前記補正後エアフロメータ出力GAHが算出されて、吸気脈動による誤差が補正される。
また、時刻tAでは、前記推定される吸気圧力PMとこの吸気圧力PMに基づき算出される吸気圧力徐変値PMNとの差である吸気圧力変化値DLPMとが共に設定値を超えるため(図5(a))、エンジンは加速状態にあると判断される。そしてこの判断に基づき、前記脈動補正カットフラグXCUT(図5(b))が「1」に設定され、脈動補正係数Kが「1.0」とされる。従ってこれ以降、実質的に脈動補正係数Kによるエアフロメータ出力GA(図5(g))の補正は行われない(補正禁止)。
次に、時刻tBでは、吸気圧力徐変値PMNが設定値を超え(吸気圧力変化値DLPMが設定値以下となった場合でもよい)(図5(a))、且つ脈動補正カットフラグXCUTが「1」であるため(図5(b))、吸入空気量が安定し始めたと判断される。そこで、前記脈動補正復帰準備フラグXRが「1」に設定され、且つ前記脈動補正復帰カウンタCRの計数がスタートされる(図5(d))。
そして時刻tCでは、加速状態と判断された後に生じる吸入空気量のオーバーシュートが終息し、いわゆる定常状態になって吸気脈動が発生し始める。本実施形態においてこのタイミングは、前記脈動補正復帰カウンタCRの値が設定時間(「20ms」)となっていることによって判断される。そして、この設定時間となっている場合には、脈動補正カットフラグXCUTが「0」に設定され(図5(b))、脈動補正復帰準備フラグXRが「0」に設定され(図5(c))、脈動補正復帰カウンタCRもクリアされる(図5(d))。
こうして時刻tC以降では、脈動補正カットフラグXCUTが「0」となることに基づいて上記補正禁止が解除され、再び、エンジン回転数NEとスロットル開度TAとにより求められる脈動補正係数Kにより補正後エアフロメータ出力GAHが算出される。すなわち、エアフロメータ出力GAの前記吸気脈動に対する補正が再開される。
なお、時刻tB〜時刻tC間は、加速状態判定後に生じる吸入空気量のオーバーシュートが終了するまで、脈動補正カットフラグXCUTを「1」に保持するためのディレイ処理期間である。
ちなみに従来では、図5(f)に破線で示す態様で脈動補正係数Kが求められ、吸気脈動が発生しない時刻tA〜時刻tC間においても、この脈動補正係数Kによってエアフロメータ出力GAが補正される制御構造となっていた。そのため、エンジンの加速中には本来必要の無い補正が行われ、エアフロメータ出力の誤差が助長されるかたちとなっていた。
以上説明したように、本実施形態の空気量検出方法によれば、次のような効果が得られるようになる。
(1)エンジン回転数NEとスロットル開度TA及びVVTの位相値θAから吸気圧力PMを推定するとともに、この推定する吸気圧力PMを徐変処理した吸気圧力徐変値PMNを算出する。そして、吸気圧力PMと吸気圧力徐変値PMNの差を吸気圧力変化値DLPMとし、吸気圧力PMと脈動補正カット実行圧力PMCUTとを比較するとともに吸気圧力変化値DLPMと脈動補正カット実行圧力変化値DLPMCUTとを比較することでエンジンが加速状態にあるか否かを判断する。ここで、加速状態にあると判断された場合には、脈動補正係数Kを「1.0」とすることで実質的にはエアフロメータ出力GAの補正を禁止するようにした。そのため、必要の無い補正を行うことによるエアフロメータ出力の誤差発生を抑えることができ、誤差の少ないエアフロメータ出力に基づいて吸入空気量を算出することができる。なお、たとえスロットル開度TAが大きくても、吸入空気量が増加、オーバーシュートしているような加速中においては、吸入空気が増加する方向への吸入空気の慣性力が大きく吸気脈動は発生しない、あるいは吸気脈動が小さいことが発明者等によって確認されている。
(2)前記吸気圧力徐変値PMNと脈動補正復帰実行圧力PMR、又は吸気圧力変化値DLPMと脈動補正復帰実行圧力変化値DLPMRとを比較することで吸入空気のオーバーシュートが安定しはじめたことを判断し、所定時間が経過するまでは脈動補正係数Kを「1.0」に保持するようにした。そのため、吸気脈動が発生しておらず、エアフロメータ出力GAを補正する必要がない期間を簡単且つ確実に判断することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、前記第1の実施形態において、図3及び図4に例示した処理のステップS1で利用するパラメータが異なるものである。
すなわち、第2の実施形態では、前記エアフロメータ68の出力補正処理が開始されると、まず、スロットルセンサ36からスロットル開度の絶対値|TA|を読み込むとともに、設定した単位時間当たりのスロットル開度変化値DLTAを算出し、次式[7]及び[8]の論理積(AND)条件を満たしているか判断する。
ここで、スロットル開度変化値DLTAは、急加速時には値が大きくなり、緩加速時には値が小さくなるため、加速度合いを表すパラメータとして用いることができる。

スロットル開度|TA|≧脈動補正カット実行スロットル開度TACUT…[7]
スロットル開度変化値DLTA≧
脈動補正カット実行スロットル開度変化値DLTACUT…[8]

なお、本実施形態において、脈動補正カット実行スロットル開度TACUTは「30°」であり、脈動補正カット実行スロットル開度変化値DLTACUTは「3°/8ms」である。
式[7]及び[8]が共に満たされる場合、エンジンは加速状態にあると判断され、満たされない場合には加速状態ではないと判断される。
その後の処理は第1の実施形態と同様である。
以上説明したように、この第2の実施形態の空気量検出方法によれば、次のような効果が得られるようになる。
(1)スロットルセンサ36からスロットル開度TAを読み込むとともに、単位時間あたりのスロットル開度変化値DLTAを算出する。そしてスロットル開度TAの絶対値|TA|と脈動補正カット実行スロットル開度TACUTとを比較するとともにスロットル開度変化値DLTAと脈動補正カット実行スロットル開度変化値DLTACUTとを比較することでエンジンが加速状態にあるか否かを判断する。ここで、加速状態にあると判断された場合には、脈動補正係数Kを「1.0」とすることで実質的にはエアフロメータ出力GAの補正を禁止するようにした。そのため、前記第1の実施形態のように吸気圧力PMを推定したり、吸気圧力PMを徐変処理した吸気圧力徐変値PMNを算出することなく、必要の無い補正を行うことによるエアフロメータ出力の誤差発生を抑えることができ、誤差の少ないエアフロメータ出力に基づいて吸入空気量を算出することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよく、その場合でもそれら実施形態に準じた作用及び効果を得ることができる。
・前記各実施形態においては、空気が安定し始めてからオーバーシュートが終わるまでの時間を20msと固定しているが、これを可変としてもよい。すなわち、オーバーシュートが終わるまでの時間は、加速度合いやエンジン回転数によって若干変わるため、加速度合いが大きくなるほど脈動補正復帰実行ディレイ時間が小さくなるように変化する値としてもよい。また、エンジン回転数に応じて変更したり、補正をしてもよい。
・前記各実施形態において、空気が安定し始めた時間とディレイ時間とでオーバーシュートの終了を判定しているが、エアフロメータの出力がエンジンの加速に伴って増加し、減少した後、最初に増加に反転する変曲点(図5(g)の時刻tC)に基づいてオーバーシュートの終了を判定してもよい。この場合、前記各実施形態におけるステップS5やステップS8などの処理は省略することができる。
・前記各実施形態において、加速中であると判定された場合には、脈動補正係数Kを「1.0」としたが、エンジン回転数NEとスロットル開度TAにより求められる脈動補正係数Kよりも大きく、「1.0」より小さい値としてもよい。このような場合でも前記各実施形態に準じた効果が得られる。
・前記各実施形態において、バルブ特性可変機構はバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構であったが、バルブリフト量を変更する可変バルブリフト機構やバルブタイミング及びバルブリフト量の両方を変更する機構でもよい。このような場合でも前記各実施形態に準じた効果が得られる。
・前記各実施形態において、エンジンが加速状態にないときの脈動補正係数Kはスロットル開度TAとエンジン回転数NEとに基づいて求められたが、バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量、すなわちバルブタイミング及びリフト量の少なくとも一方とエンジン回転数とに基づいて同脈動補正係数Kを求めてもよい。このような場合でも前記各実施形態に準じた効果が得られる。
・前記各実施形態において、エンジンが加速状態にあるか否かを判断したり、吸入空気のオーバーシュートが安定し始めたか否かを判断するためのエンジン負荷である吸気圧力PMをスロットル開度TAとエンジン回転数NE及びVVTの位相値θAから推定したが、スロットル開度TAとエンジン回転数NEから吸気圧力を推定してもよい。また、バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量、すなわちバルブタイミング及びリフト量の少なくとも一方とエンジン回転数とに基づいて吸気圧力を推定してもよい。このような場合でも前記各実施形態に準じた効果が得られる。
・前記各実施形態において用いられたスロットルバルブ32は、スロットルモータ34により駆動されるものであったが、これ以外にリンク式のスロットルバルブでもよい。
・前記各実施形態において用いられたエンジンは6気筒のエンジンであったが、これ以外に8気筒などの6気筒を超えるエンジンにも、あるいは4気筒などの6気筒未満のエンジンにも適用可能である。また、直列型でなくV型等にも適用できる。
・前記各実施形態においては、エンジンが加速状態にある場合を実施例としたが、エンジンが減速状態で吸入空気量が減少あるいはアンダーシュートしている場合も、加速状態と同様に脈動補正係数によるエアフロメータの出力補正を禁止する、あるいは脈動補正係数を所定値に保持することで、必要の無い補正をすることなくエアフロメータの誤差発生を抑えることができる。
・前記各実施形態においては吸気脈動に起因するエアフロメータの出力誤差について述べたが、吸気通路内の偏流によって誤差が生じるエアフロメータについても、同様に定常と過渡では偏流状態が異なるため、その補正量を変更することでエアフロメータ出力の精度向上を図ることができる。また、吸気脈動と偏流により生じる誤差の補正が併用される場合であっても同様である。
その他、上記各実施形態あるいはその変形例から把握することができる技術思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)車載エンジンの吸気通路のスロットルバルブ上流に設けられた空気量センサを通じて当該エンジンの燃焼室に吸入される空気量を検出するに、同エンジンの吸気脈動に起因する前記空気量センサの検出誤差を補償するための脈動補正係数を前記スロットルバルブの開度及びエンジン回転数に基づいて求め、前記空気量センサの出力をこの求めた脈動補正係数により補正して前記燃焼室に吸入される空気量を検出するエンジンの空気量検出方法において、前記スロットルバルブの開操作に伴うエンジンの過渡状態中、前記脈動補正係数による前記空気量センサの出力補正を緩和することを特徴とするエンジンの空気量検出方法。
上記検出方法によっても、エンジンの過渡状態には、必要の無い補正を行うことによる空気量センサの出力誤差が抑えられ、また定常時には、上記脈動補正係数に基づく出力補正が適正に行われることとなり、いかなる運転状態にあっても、より精度の高い吸入空気量の検出が可能となる。
4…エンジン、6…シリンダブロック、6a…シリンダヘッド、8…第1気筒、9…第2気筒、10…第3気筒、11…第4気筒、12…第5気筒、13…第6気筒、16…インテークマニホールド、18…サージタンク、20…吸気通路、22…エアクリーナ、24,25,26,27,28,29…インジェクタ、32…スロットルバルブ、34…スロットルモータ、36…スロットルセンサ、38…アクセルペダル、40…アクセル開度センサ、50…ECU、50a…CPU、50b…ROM、50c…RAM、50d…バックアップRAM、50e…入力回路、50f…出力回路、50g…双方向バス、60…エグゾーストマニホールド、62…排気通路、64…触媒コンバータ、66…マフラ、68…熱式エアフロメータ、70,71,72,73,74,75…点火プラグ、70a,71a,72a,73a,74a,75a…イグニッションコイル、78…VVT、78a…OCV、80…空燃比センサ、90…回転数センサ、92…カム角センサ、94…水温センサ。

Claims (11)

  1. 車載エンジンの吸入空気量操作機構上流に設けられた空気量センサを通じて当該エンジンの燃焼室に吸入される空気量を検出するに、同エンジンの吸気通路内の吸気脈動及び偏流の少なくとも一方に起因する前記空気量センサの検出誤差を補償するための補正係数を前記吸入空気量操作機構の操作量及びエンジン回転数に基づいて求め、前記空気量センサの出力をこの求めた補正係数により補正して前記燃焼室に吸入される空気量を検出するエンジンの空気量検出方法において、
    前記吸入空気量操作機構の操作に伴うエンジンの過渡状態中、前記補正係数をエンジン運転状態に応じた所定の値に保持する
    ことを特徴とするエンジンの空気量検出方法。
  2. 前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブであり、前記エンジンの過渡状態開始を、少なくとも前記スロットルバルブの開度及びエンジン回転数に基づいて求めたエンジン負荷と同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値とに基づき判断する
    請求項1記載のエンジンの空気量検出方法。
  3. 前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブ及び機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構の少なくとも一方であり、前記エンジンの過渡状態開始を、前記スロットルバルブの開度及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量の少なくとも一方とエンジン回転数とに基づいて求めたエンジン負荷、並びに同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値に基づき判断する
    請求項1記載のエンジンの空気量検出方法。
  4. 前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブであり、前記エンジンの過渡状態開始を、前記スロットルバルブの開度と同開度の変化量とに基づき判断する
    請求項1記載のエンジンの空気量検出方法。
  5. 前記吸入空気量操作機構が前記エンジンの吸気通路に設けられたスロットルバルブ及び機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構の少なくとも一方であり、前記エンジンの過渡状態開始を、前記スロットルバルブの開度と同開度の変化量、及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量と同特性量の変化量の少なくとも一方に基づき判断する
    請求項1記載のエンジンの空気量検出方法。
  6. 前記エンジンの過渡状態終了を、前記スロットルバルブの開閉操作に伴って燃焼室に吸入される空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期として判断する
    請求項2または4に記載のエンジンの空気量検出方法。
  7. 少なくとも前記スロットルバルブの開度及びエンジン回転数に基づいて求めたエンジン負荷と同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値に基づいて前記空気量が安定し始める時期を判断し、この判断される空気量が安定し始める時期から所定時間後の時期として前記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を判断する
    請求項6記載のエンジンの空気量検出方法。
  8. 前記エンジンの過渡状態終了を、前記スロットルバルブの開閉操作及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性変更操作の少なくとも一方に伴って燃焼室に吸入される空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期として判断する
    請求項3または5に記載のエンジンの空気量検出方法。
  9. 前記スロットルバルブの開度及び前記バルブ特性可変機構によって可変とされるバルブ特性量の少なくとも一方とエンジン回転数とに基づいて求めたエンジン負荷、並びに同エンジン負荷を徐変処理したエンジン負荷の徐変値に基づいて前記空気量が安定し始める時期を判断し、この判断される空気量が安定し始める時期から所定時間後の時期として前記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を判断する
    請求項8記載のエンジンの空気量検出方法。
  10. 前記空気量の増加・減少が収まる時期、及びオーバーシュート・アンダーシュートが収まる時期の少なくとも一方の時期を判断するための前記所定時間を、前記エンジンの過渡度合いを示すパラメータとエンジン回転数との少なくとも一方に基づき可変とする
    請求項7または9に記載のエンジンの空気量検出方法。
  11. 前記エンジンの過渡状態終了を、前記空気量センサの出力より求めた空気量またはセンサ出力値あるいはスロットル開度より求めた空気量が前記エンジンの加速/減速に伴って増加/減少し、減少/増加した後、最初に増加/減少に反転する変曲点に基づいて判断する
    請求項2〜5のいずれか一項に記載のエンジンの空気量検出方法。
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