JP2010025080A - 可変圧縮比機構の故障判定装置 - Google Patents

可変圧縮比機構の故障判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可変圧縮比機構が作動故障であるかどうかを判定する際に出力性能の低下、燃費の悪化、排気エミッションの悪化などの不具合が生じることを抑制可能な可変圧縮比機構の故障判定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関のアイドル運転中に、可変圧縮比機構の故障判定用に設定された故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧縮比εを変更させる圧縮比強制変更制御を実行し、圧縮端筒内圧Pcuにおける最大値Pcumaxと最小値Pcuminを取得する(S103)。そして、算出した最大筒内圧変化幅ΔPcuwが基準変化幅ΔBw以下であるか否かを判定し(S104,S105)、最大筒内圧変化幅ΔPcuwが基準変化幅ΔBw以下である場合に可変圧縮比機構9に作動故障が生じていると判定する(S106)。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関に適用される可変圧縮比機構の故障判定装置に関する。
内燃機関の圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えた内燃機関では、出力性能の向上、燃費の向上、排気エミッションの向上等を図るため、内燃機関の圧縮比が、該内燃機関の運転状態に応じて制御される。
しかしながら、何らかの原因で可変圧縮比機構が正常に作動しなくなってしまうと、内燃機関の圧縮比を運転状態に応じて制御することができなくなる。その結果、出力性能低下に伴うドライバビリティの悪化、或いは排気エミッションの悪化などに繋がる虞がある。そこで、可変圧縮比機構が故障しているかどうかを判定する故障判定装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平1−88039号公報 特開2004−218522号公報
この種の故障判定装置としては、可変圧縮比機構における故障の発生を検知するためには、内燃機関の圧縮比を強制的に変更させる必要がある。しかしながら、可変圧縮比機構の故障判定を行うときに強制的に変更される圧縮比が、内燃機関の運転状態に適合することは希である。そのため、可変圧縮比機構の故障判定を優先して実行する背反として、当該故障判定時における出力性能の低下、燃費の悪化、排気エミッションの悪化などの回避が困難であった。
そこで、本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可変圧縮比機構が作動故障であるかどうかを判定する際に出力性能の低下、燃費の悪化、排気エミッションの悪化などの不具合が生じることを抑制可能な可変圧縮比機構の故障判定装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る可変圧縮比機構の故障判定装置は、以下の手段を採用する。
すなわち、内燃機関の機械圧縮比を運転状態に応じて変更可能な可変圧縮比機構と、
前記内燃機関のアイドル運転中に、前記可変圧縮比機構の故障判定用に設定された目標圧縮比の推移に則して前記機械圧縮比を変更させるべく前記可変圧縮比機構に作動指令を出す指令手段と、
前記作動指令に基づき前記可変圧縮比機構が前記機械圧縮比を変更することに起因して変化する所定の従動パラメータの値を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記従動パラメータの最大値と最小値との差である最大変化幅が前記目標圧縮比の推移に応じて設定される所定の基準変化幅以下である場合に、前記可変圧縮比機構が作動故障であると判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成において、可変圧縮比機構に故障が生じているかどうかを判定する際には、指令手段が出す作動指令に従って可変圧縮比機構が強制的に作動させられる。つまり、可変圧縮比機構に対する故障判定を行わないときの機械圧縮比は内燃機関の運転状態に適合す
るように制御されるのに対し、故障判定を行うときは運転状態に拘わらず、故障判定用に設定された目標圧縮比に一致するように変更される。
上記構成における従動パラメータは、指令手段に基づいて可変圧縮比機構が作動されることによって従動的に変化するパラメータであって、実際の機械圧縮比の変化に相関して変化するパラメータである。本発明では、機械圧縮比と従動パラメータとの相関関係に着目し、可変圧縮比機構を強制的に作動させたときに取得した従動パラメータの変化に基づいて可変圧縮比機構が故障しているかどうかの判定を行う。
可変圧縮比機構に作動故障が生じている場合には、目標圧縮比の推移に則して機械圧縮比を変更することができない。その場合、取得手段により取得される従動パラメータの最大変化幅が可変圧縮比機構に作動故障が生じていない場合に比べて小さくなる。本発明においては、従動パラメータの最大変化幅が所定の基準変化幅以下である場合に、可変圧縮比機構が作動故障であると判定することとした。
この基準変化幅は目標圧縮比の推移に応じて設定される。目標圧縮比の推移が異なれば、従動パラメータの適正な推移の仕方が相違するからである。本発明における基準変化幅は、可変圧縮比機構に作動故障が生じているかどうかを判定するための閾値であり、実際の機械圧縮比が目標圧縮比の推移に則して正常に変更されたとすれば取得できるであろう従動パラメータの最大変化幅よりも低く設定されると良い。
また、本発明においては、可変圧縮比機構の故障判定用に設定されている目標圧縮比の推移のうち、目標圧縮比の最大値と最小値との差(つまり、目標圧縮比の変動範囲)が大きいほど基準変化幅が大きい値として設定されても良い。これにより、指令手段によって作動指令が出される際、目標圧縮比の推移が様々なパターンに設定されても、基準変化幅をより適切な値に設定できる。
可変圧縮比機構の故障判定を実行する際に機械圧縮比を運転状態に拘わらず強制的に変更する必要がある。これに対して、本発明では内燃機関のアイドル運転中に可変圧縮比機構の故障判定を行うことができるので、該故障判定中に出力性能の低下、燃費の悪化、排気エミッションの悪化が生じることを抑制することができる。つまり、本発明によれば、これら不具合の発生を確実に回避しつつ可変圧縮比機構の故障判定を行うことができる。また、内燃機関のアイドル運転中は負荷や回転数等の運転状態の変動が無く安定されているため、従動パラメータを取得値に対する信頼性を高めることができる。従って、内燃機関のアイドル運転中に可変圧縮比機構の故障判定を行うことで、同判定を安定して精度良く実施することができる。
また、上記構成によれば、従動パラメータの最大値と最小値との差である最大変化幅と基準変化幅との大小関係に基づいて可変圧縮比機構の故障判定を行うため、従動パラメータの真の値に対して実際の取得値に誤差が生じた場合であっても、該故障判定に対するその誤差の影響を可及的に小さくすることができる。取得手段が、誤差を全く含ませずに従動パラメータの値を取得することは困難だからである。そのため、この構成によれば、可変圧縮比機構の故障判定にかかる精度を向上させることができる。
ところで、内燃機関は機械圧縮比が高くなるほど、燃焼サイクルにおける特定時期での筒内圧力が高くなる。この特定時期とは、圧縮行程における筒内圧力(例えば、圧縮上死点における圧縮端筒内圧力)や膨張行程における筒内圧力などである。そこで、本発明においては、内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧センサを更に備え、従動パラメータは、作動指令に基づいて可変圧縮比機構が作動しているときに筒内圧センサによって検出される筒内圧力であっても良い。
内燃機関のアイドル運転中では運転状態が安定しているため、可変圧縮比機構を強制的に作動させると、実際の機械圧縮比の変化に追従するように筒内圧力が変化する。そのため、指令手段からの作動指令が出された際の筒内圧力を取得し、これに基づいた筒内圧力の最大変化幅を基準変化幅と対比することによって、可変圧縮機構の故障判定を精度良く行うことができる。尚、この構成において、筒内圧センサによる筒内圧力の検出タイミングとしては、燃焼サイクル毎に共通していれば様々なタイミングを採用することができる。ここで、機械圧縮比の変化による影響が顕著に現れるのは圧縮行程や膨脹行程における筒内圧力である。従って、これらのタイミングにおける筒内圧力を筒内圧センサによって検出しても良い。
また、本発明にかかる可変圧縮比機構の故障判定装置は、アイドルスピードコントロールバルブ(以下、「ISCバルブ」という)と、該ISCバルブの開度を制御することによってアイドル運転中における機関回転数を目標アイドル回転数に維持するアイドルスピードコントロール手段(以下、「ISC手段」という)と、を更に備えても良い。この目標アイドル回転数は、アイドル運転中における機関回転数の目標値であり、例えば、エアコンやオルタネータなどによる負荷が高いほど高回転数側に設定されても良い。
上記構成において、指令手段からの作動指令によって機械圧縮比が実際に変更されると機関トルクが変化する。そうすると、アイドル運転中における機関回転数が変動するため、ISC手段は機関回転数が目標アイドル回転数に維持されるようにISCバルブの開度を調節する。ここで、機関トルクの変化量は実際の機械圧縮比の変化量に相関するため、ISCバルブの開度の変化量は機械圧縮比の実際の変化量と相関する。そこで、本発明における従動パラメータは、作動指令に基づいて可変圧縮比機構が作動しているときにISC手段によって制御されるISCバルブの開度であっても良い。つまり、指令手段からの作動指令が出された際のISCバルブの開度を取得し、ISCバルブの開度の最大変化幅を基準変化幅と対比することによって、可変圧縮機構の故障判定を精度良く行うことができる。
上記のように、本発明における可変圧縮比機構の故障判定は内燃機関のアイドル運転中に行われる。そのため、内燃機関のアイドル運転時という限られた時間の中で、目標圧縮比の推移に則して機械圧縮比を強制的に変更させ、迅速に従動パラメータの最大変化幅を取得する必要がある。
ここで、取得手段が従動パラメータの値を取得するタイミングとしては、内燃機関の燃焼サイクルを基準として行われると良い。一の燃焼サイクルにおいて取得された従動パラメータの値は、早くても次の燃焼サイクルに移行しないと変化しないと考えられる。従って、取得手段による従動パラメータの取得頻度は燃焼サイクルを基準として設定されると良い。
ここで、一の燃焼サイクルにおける所要時間は、アイドル運転中の機関回転数が高いほど短くなる。そのため、ある一定時間において、取得手段が取得することの可能な従動パラメータの値の取得回数とアイドル運転中における目標アイドル回転数との関係を考えると、目標アイドル回転数が高いほど上記取得回数を増やすことができる。逆に、目標アイドル回転数が低いほど、上記一定時間における従動パラメータの取得回数が減ってしまう。
そこで、本発明の指令手段は、内燃機関の燃焼サイクル毎における目標圧縮比の変更量を、アイドル運転中における機関回転数に基づいて設定すると良い。これによれば、アイドル運転中の機関回転数が低い場合のように従動パラメータの取得回数があまり確保でき
ない場合には、燃焼サイクル毎の機目標圧縮比の変更量を大きく(多く)することによって、可変圧縮比機構の故障判定にかかる作動を速やかに完了することができる。そのため、従動パラメータの最大変化幅を内燃機関のアイドル運転中に確実に取得することができる。従って、可変圧縮比機構の故障判定を内燃機関のアイドル運転中に確実に行うことができる。
また、アイドル運転中における機関回転数が高い場合のように従動パラメータの取得回数が充分に確保できる場合には、燃焼サイクル毎の目標圧縮比の変更量を小さく(少なく)することで、より細かなピッチで従動パラメータを取得できる。その結果、従動パラメータの最大変化幅をより精度良く取得することができ、可変圧縮比機構の故障判定にかかる精度を向上させることができる。
また、指令手段は、アイドル運転中における機関回転数が低いときは、該機関回転数が高いときに比べて、内燃機関の燃焼サイクル毎における目標圧縮比の変更量を大きい値として設定すると良い。また、指令手段は、アイドル運転中における機関回転数が低いほど、内燃機関の燃焼サイクル毎における目標圧縮比の変更量を大きい値として設定しても良い。これによれば、アイドル運転中における機関回転数に応じて、燃焼サイクル毎の機械圧縮比の変更量をより適切な値として設定することができる。従って、アイドル運転中での確実な可変圧縮比機構の故障判定の遂行と当該判定精度の向上とを、より好適に両立させることができる。
ところで、可変圧縮比機構に作動故障が生じていない場合であっても、応答性異常が生じる場合がある。応答性異常とは、指令手段からの作動指令によって要求される機械圧縮比の変化速度が比較的高い場合に、機械圧縮比の実際の変化速度(以下、「実変化速度」という)をその要求される速度まで高めることができない現象として捉えることができる。このような応答性異常が可変圧縮比機構に生じると、所望の時期までに機械圧縮比をその目標値まで変更させることが困難となる。
そこで、本発明においては、目標圧縮比の推移が該目標圧縮比の最大値を境に上昇状態から下降状態へと反転する所定の逆V字型推移パターン及び該目標圧縮比の最小値を境に下降状態から上昇状態へと反転する所定のV字型推移パターンのうち少なくとも何れか一方のパターンを含んで形成される場合に、指令手段は目標圧縮比が変化する速度(以下、「目標変化速度」という)のみが異なる二種類の作動指令を可変圧縮比機構に出しても良い。
ここで、可変圧縮比機構に応答性異常が生じていなければ、可変圧縮比機構が作動したときにおける機械圧縮比の実変化速度は目標変化速度に略一致する。そして、夫々の目標圧縮比の推移における相違点は目標変化速度のみであるため、双方における目標圧縮比の変動範囲は等しい。従って、この場合には、目標変化速度が低い方の作動指令が出された場合に取得される最大変化幅(以下、「低速変更時最大変化幅」という)と、目標変化速度が高く設定された方の作動指令が出された際に取得される最大変化幅(以下、「高速変更時最大変化幅」という)との差が殆ど生じない。つまり、高速変更時最大変化幅が低速変更時最大変化幅に比べて過度に小さくなることがない。
しかしながら、可変圧縮比機構に応答性異常が生じていると、可変圧縮比機構が作動したときにおける機械圧縮比の実変化速度が目標変化速度に対して過度に低くなってしまう。ここで、目標圧縮比の推移は逆V字型推移パターンとV字型推移パターンとのうち少なくとも何れかを含んで形成されるため、上記のように応答性異常が生じている場合には低速変更時最大変化幅に比べて高速変更時最大変化幅が過度に小さくなってしまう。これは、目標圧縮比の推移が逆V字型推移パターンを含む場合には、実際の機械圧縮比が目標圧
縮比の最大値まで上昇する前に、可変圧縮比機構が上昇状態の機械圧縮比を下降状態に反転させてしまうからである。また、目標圧縮比の推移がV字型推移パターンを含む場合には、実際の機械圧縮比が目標圧縮比の最小値まで低下する前に、可変圧縮比機構が下降状態の機械圧縮比を上昇状態に反転させてしまうからである。
そこで、本発明における判定手段は、各々の作動指令が出されたときに取得手段によって取得される最大変化幅の差(つまり、低速変更時最大変化幅と高速変更時最大変化幅との差)に基づいて、可変圧縮比機構に応答性異常が生じているか否かを判定すると良い。これによれば、目標変化速度のみが異なる二種類の作動指令に基づいて可変圧縮比機構を作動させた場合に取得される最大変化幅の差に基づき、同機構における応答性異常の有無を好適に判断することができる。
また、本発明における判定手段は、最大変化幅の差が、各々の作動指令において目標圧縮比が変化する速度(目標変化速度)の差に応じて設定される所定の基準差よりも大きい場合に可変圧縮比機構に応答性異常が生じていると判定すると良い。この所定の基準差は、可変圧縮比機構における応答性異常の有無を判定するために予め実験などによって求めておくことができる。
ここで可変圧縮比機構に応答性異常が生じている場合、目標変化速度の差が小さいときに比べて大きいときの方が、双方における最大変化幅の差が大きくなる。これに対して、この構成によれば所定の基準差を目標変化速度の差に応じて設定することができるので、可変圧縮比機構に応答性異常が生じているか否かについて妥当な判断を下すことができる。また、本発明においては、目標変化速度の差が大きいほど所定の基準差を大きな値として設定しても良い。可変圧縮比機構に応答性異常が生じている場合、目標変化速度の差が大きくなるに従って最大変化幅の差も大きくなるからである。
また、本発明における判定手段は、二種類のうち目標圧縮比が変化する速度が低い方の作動指令が出されたときに取得される最大変化幅が基準変化幅よりも大きく、且つ目標圧縮比が変化する速度が高い方の作動指令が出されたときに取得される最大変化幅が基準変化量以下となる場合に、可変圧縮比機構に作動故障ではなく応答性異常が生じていると判定すると良い。
ここで、二種類の目標変化速度については予め実験等によって求めておくと良い。特に、二種類のうち高い方の目標変化速度については、可変圧縮比機構に応答性異常が生じていない状態であれば最大変化幅が確実に基準変化幅よりも大きくなり、応答性異常が生じている状態であれば最大変化幅が確実に基準変化幅以下となるような速度として設定されると好適である。
この構成によれば、可変圧縮比機構における作動故障の他、応答性異常の有無についても好適に検知することができる。
尚、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明によれば、可変圧縮比機構が作動故障であるかどうかを判定する際に出力性能の低下、燃費の悪化、排気エミッションの悪化などの不具合が生じることを抑制可能な可変圧縮比機構の故障判定装置を提供することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
本発明を実施するための第1の実施例について説明する。図1は、本実施例における圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)1の概略構成を示した図である。尚、本実施例においては、内燃機関1を簡潔に表示するため、一部の構成要素の表示を省略している。
気筒2内の燃焼室には、シリンダヘッド10に設けられた吸気ポート18を介して吸気管19が接続されている。気筒2への吸気の流入は吸気弁5によって制御される。吸気弁5の開閉は、吸気側カムの回転駆動によって制御される。また、吸気管19には該吸気管19内を流れる吸気の流路断面積を変更可能なスロットル弁7が設けられている。また、シリンダヘッド10に設けられた排気ポート20を介して、排気管21が接続されている。気筒2外への排気の排出は排気弁6によって制御される。排気弁6の開閉は排気側カムの回転駆動によって制御される。
更に、吸気ポート18には、該吸気ポート18を流れる吸気に燃料を噴射する燃料噴射弁17が取り付けられている。また、気筒2の頂部には、気筒2内の混合気に点火する点火プラグ16と、筒内圧力を検出する筒内圧センサ24が設けられている。また、ピストン15は、コンロッド14を介してクランクシャフト13に接続されている。これにより、ピストン15の往復運動に伴ってクランクシャフト13が回転する。クランクシャフト13の近傍には、該クランクシャフト13の回転角度(クランク角)を検出するクランクポジションセンサ25が配置されている。
内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」という)30が併設されている。このECU30は、CPUの他、後述する各種のプログラム及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
このECU30には、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ22が電気的に接続されている。そして、ECU30はアクセル開度に応じた信号を受け取り、内燃機関1に要求される機関負荷等を算出する。また、クランクポジションセンサ23がECU30と電気的に接続されている。そして、ECU30は内燃機関1のクランク角に応じた信号を受け取ることで、内燃機関1の機関回転数や、該機関回転数とギア比等から内燃機関1が搭載されている車両の車両速度等を算出する。また、筒内圧センサ24もECU30と電気的に接続されており、その出力信号がECU30に入力される。また、ECU30には、スロットル弁7、燃料噴射弁17、点火プラグ16が電気的に接続されており、これらがECU30によって制御される。
また、本実施例における内燃機関1には可変圧縮比機構9が備えられている。この可変圧縮比機構9によって、シリンダブロック3をクランクケース4に対して気筒2の軸線方向に相対移動させることで、内燃機関1の機械圧縮比(以下、単に「圧縮比」という)が変更される。すなわち、可変圧縮比機構9が、シリンダブロック3と共にシリンダヘッド10を、気筒2の軸線方向にクランクケース4に対して相対移動させることによって、シリンダブロック3、シリンダヘッド10およびピストン15によって構成される燃焼室の容積が変更され、その結果、内燃機関1の圧縮比が可変制御される。例えば、シリンダブロック3がクランクケース4から遠ざかる方向に相対移動すると、燃焼室容積が増えて圧
縮比が低下する。逆に、シリンダブロック3がクランクケース4に近づく方向に相対移動すると、燃焼室容積が減って圧縮比が増加する(高まる)。
ここで、可変圧縮比機構9の詳細構成について説明する。可変圧縮比機構9は、軸部9aと、該軸部9aの中心軸に対して偏心された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能且つカム部9bと同じように偏心状態で取り付けられた可動軸受部9cと、軸部9aと同心状に設けられたウォームホイール9dと、ウォームホイール9dと噛み合うウォーム9eと、ウォーム9eを回転駆動させるモータ9fによって構成される。
そして、カム部9bはシリンダブロック3に設けられた収納孔内に設置され、可動軸受部9cはクランクケース4に設けられた収納孔内に設置されている。また、モータ9fは、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。ここで、モータ9fからの駆動力は、ウォーム9eとウォームホイール9dとを介して軸部9aに伝えられる。そして、偏心状態にあるカム部9b、可動軸受部9cが駆動されることで、シリンダブロック3がクランクケース4に対して気筒2の軸線方向に相対移動させられる。
ここで、可変圧縮比機構9を構成するモータ9fはECU30と電気的に接続されている。そして、ECU30からの指令によりモータ9fが駆動されて、可変圧縮比機構9による内燃機関1の圧縮比εの変更が行われる。具体的には、内燃機関1の運転状態(機関負荷と機関回転数)に応じて設定されている目標値に圧縮比εが一致するように可変圧縮比機構9が作動される。これにより、内燃機関1の稼働中における出力性能の向上、燃費の向上、排気エミッションの向上などが図られる。
しかし、何らかの原因で可変圧縮比機構9が正常に作動しなくなる場合がある。この場合、上記した事項を実現できないばかりか、様々な不具合を招く原因となる。例えば、内燃機関1の運転状態に相応しくない圧縮比εにて運転を継続し、特に高回転領域で運転したような場合には、トルク変動によって大きな機関振動が引き起こされたり、ノッキングによって機関が損傷する虞がある。
そこで、本実施例では上記不具合を回避すべく、可変圧縮比機構9に作動故障が発生しているかどうかを判定する処理(以下、「可変機構故障判定処理」という)が内燃機関1の運転中にECU30によって実行される。
可変機構故障判定処理において、ECU30は、可変圧縮比機構9の故障判定用に予め設定されている目標圧縮比(以下、「故障判定用目標圧縮比」という)εtfの推移に則して圧縮比εを変更させるべく可変圧縮比機構9に作動指令を出し、圧縮比εを強制的に変更させる制御(以下、「圧縮比強制変更制御」という)を行う。
圧縮比強制変更制御において、可変圧縮比機構9が作動されることによって圧縮比εが変化すると、各燃焼サイクルにおける圧縮上死点における筒内圧(以下、「圧縮端筒内圧」という)Pcuが変化する。内燃機関1の圧縮比εと圧縮端筒内圧Pcuとは相関がある。そこで、ECU30は、圧縮比強制変更制御の実行時において、筒内圧センサ24の出力信号に基づいて圧縮端筒内圧Pcuを継続的にモニタリングする。そして、この圧縮端筒内圧Pcuの変化に基づいて可変圧縮比機構9が故障しているかどうかを判定する。尚、各燃焼サイクルにおいてピストン15が圧縮上死点に到達するタイミングはカム角センサ(不図示)の出力信号などに基づいて検出することができる。また、圧縮比強制変更制御の実行中は、燃料噴射弁17の噴射時期、点火プラグ16の点火時期、スロットル弁7の開度が一定に維持される。
上述したように、可変機構故障判定処理を行わない時(以下、「通常運転時」という)の圧縮比εは内燃機関1の運転状態に適合するように制御される。これに対して、圧縮比強制変更制御ではその運転状態に拘わらず、故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧縮比εが変更させられる。そこで、本実施例では、内燃機関1のアイドル運転中に可変機構故障判定処理を実施することとした。アイドル運転中であれば、内燃機関1に対する要求出力がドライバによって変更されることがなく、故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧縮比εを強制的に変更させても不都合がないからである。尚、本実施例においては圧縮端筒内圧Pcuが本発明における所定の従動パラメータに相当する。
図2及び3を参照してECU30により実行される可変機構故障判定処理の詳しい内容について説明する。図2は、本実施例における可変機構故障判定処理での故障判定用目標圧縮比εtfの推移と、圧縮端筒内圧Pcuの推移を示したタイムチャートである。上段は故障判定用目標圧縮比εtfの推移を表し、下段は圧縮端筒内圧Pcuの推移を表す。横軸の時間tsは、圧縮比強制変更制御の開始時を表し、時間tfは圧縮比強制変更制御の終了時を表す。この圧縮比強制変更制御の終了時は、故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧縮比εの強制的な変更が完了する時期である。尚、故障判定用目標圧縮比εtfの推移における符号εidは、圧縮比強制変更制御の開始時における圧縮比(以下、「基準圧縮比」という)である。この基準圧縮比εidは、アイドル運転時に適合する値として予め設定されている。
図示のように、故障判定用目標圧縮比εtfの推移は、該故障判定用目標圧縮比εtfの最大値εtfu(時間t1,t3)を境に上昇状態から下降状態へと反転する逆V字型推移パターンと、最小値εtfl(時間t2)を境に下降状態から上昇状態へと反転するV字型推移パターンとが組み合わされて形成されている。尚、最大値εtfuは、基準圧縮比εidに対して第1規定値Δε1だけ高圧縮比側の目標値である。また、最小値εtflは、基準圧縮比εidに対して第2規定値Δε2だけ低圧縮比側の目標値である。この第1規定値Δε1と第2規定値Δε2とは、可変機構故障判定処理用に予め設定されている。
圧縮端筒内圧Pcuの推移について説明すると、実線は、可変圧縮比機構9に作動故障が生じていない場合、すなわち実際の圧縮比εが故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して変更された場合の圧縮端筒内圧Pcuの推移を示したものである。この作動故障とは、例えば可変圧縮比機構9におけるカム部9bと可動軸受部9cとが固着していたり、限られた一部の範囲でしかカム部9bと可動軸受部9cとが駆動されないことによって、圧縮比εを目標圧縮比εtfの推移どおりに変更できない状態として捉えることができる。
可変圧縮比機構9に作動故障が生じていると、図2の破線で表すように圧縮端筒内圧Pcuが推移する。可変圧縮比機構9に作動故障が生じている場合には、作動故障が生じていない場合と比較して圧縮端筒内圧Pcuの変化が小さくなる。本実施例の可変機構故障判定処理では、圧縮比強制変更制御を実施したときの圧縮端筒内圧Pcuにおける最大値Pcumaxと最小値Pcuminとの差(以下、「最大筒内圧変化幅」という)ΔPcuwを求め、この最大筒内圧変化幅ΔPcuwが基準変化幅ΔBw以下であるときに、可変圧縮比機構9に作動故障が生じていると判定する。
この基準変化幅ΔBwは、可変圧縮比機構9に作動故障が生じているかどうかを判定するための閾値であり、実際の圧縮比εが故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して正常に変更されたとすれば得られる最大筒内圧変化幅ΔPuwの値よりも低く設定されている。
尚、基準変化幅ΔBwは故障判定用目標圧縮比εtfの推移に応じて設定されている。故障判定用目標圧縮比εtfの推移が異なれば、圧縮端筒内圧Pcuの適正な推移の仕方も相違するからである。より具体的には、本実施例では、図2において設定されている故障判定用目標圧縮比εtfの最大値と最小値との差(故障判定用目標圧縮比εtfの変動範囲ということもできる)が大きいほど、基準変化幅ΔBwが大きい値として設定される。可変圧縮比機構9に作動故障がなければ、故障判定用目標圧縮比εtfの変動範囲が大きいほど、これに伴い変化する圧縮端筒内圧Pcuの変動範囲が大きくなるからである。このように、故障判定用目標圧縮比εtfの変動範囲との関係で基準変化幅ΔBwを設定することで、様々なパターンの故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧縮比強制変更制御を実施する場合であっても、基準変化幅ΔBwが適切な値に設定される。本実施例においては最大筒内圧変化幅ΔPuwが本発明における最大変化幅に相当する。
図3は、本実施例の可変機構故障判定処理にかかる制御ルーチンを示すフローチャートである。この制御ルーチンは、予めECU30のROMに記憶されているルーチンである。また、本ルーチンは、ECU30によって周期的に実行される。本ルーチンが実行されると、ステップS101では、内燃機関1がアイドル運転中であるか否かが判定される。そして、内燃機関1がアイドル運転中であると判定された場合には可変機構故障判定処理を行う条件が成立していると判断され、ステップS102に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦抜ける。
ステップS102では、故障判定完了フラグがOFFであるか否かが判定される。本ステップにおいて、故障判定完了フラグがOFFであると判定された場合には、可変機構故障判定処理を行うべきと判断されることでステップS103に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦抜ける。
ステップS103では、圧縮比強制変更制御を実行すべく、ECU30から可変圧縮比機構9への作動指令が出される。この作動指令により、図2に示した故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧縮比εが変更されるように可変圧縮比9が作動される。本実施例においては本ステップの処理を実行するECU30が本発明における指令手段に相当する。
また、本ステップでは、圧縮比強制変更制御の実行に際して、圧縮端筒内圧Pcuにおける最大値Pcumaxと最小値Pcuminが取得される。具体的には、ECU30が燃焼サイクル毎に圧縮端筒内圧Pcuを筒内圧センサ24の出力信号に基づいて検出する。本ルーチンにおいては、ECU30によって検出された圧縮端筒内圧Pcuの値が今回の圧縮比強制変更制御において検出されたなかで最大であれば、その値を最大値Pcumaxとして更新していく。また、ECU30によって検出された圧縮端筒内圧Pcuの値が今回の圧縮比強制変更制御において検出されたなかで最小であれば、その値を最小値Pcuminとして更新していく。これにより、圧縮端筒内圧の最大値Pcumax及び最小値Pcuminを取得が本ステップにおいて取得される。本ステップの処理が終了するとステップS104に進む。
ステップS104では、ステップS103において取得した最大値Pcumaxから最小値Pcuminを減算し、最大筒内圧変化幅ΔPcuwを算出する。本実施例においてはステップS103及び104の処理を実行するECU30が本発明における取得手段に相当する。
そして、ステップS105では、最大筒内圧変化幅ΔPcuwが基準変化幅ΔBw以下であるか否かが判定される。本ステップにおいて、肯定判定(ΔPcuw≦ΔBw)された場合(図2では破線にて表される)には、可変圧縮比機構9に作動故障が生じていると
判断され、ステップS106に進む。一方、否定判定(ΔPcuw>ΔBw)された場合(図2では実線にて表される)には、可変圧縮比機構9に作動故障が生じておらず正常に作動していると判断され、ステップS107に進む。本実施例においてはステップS105の処理を実行するECU30が本発明における判定手段に相当する。
ステップS106では、可変圧縮比機構9の故障フラグがONにされたあと、ステップS108に進む。また、ステップS107では、可変圧縮比機構9の故障フラグがOFFにされたあと、ステップS108に進む。尚、故障フラグがONされると可変圧縮比機構9が故障している旨がドライバに報知される。例えば、車両の運転室にインジケータを取り付けておき、故障フラグがONの状態のときに可変圧縮比機構9の故障ランプを点灯させる手法が採用できる。そして、ステップS108では、故障判定完了フラグがONにされたあと、本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本実施例では、内燃機関1のアイドル運転中に可変機構故障判定処理が行われるので、同処理の実行中に出力性能の低下、燃費の悪化、排気エミッションの悪化などが生じることを回避することができる。
また、可変圧縮比機構9の故障判定を行うに当たり、圧縮端筒内圧Pcuにおける最大値Pcumaxと最小値Pcuminとの差である最大筒内圧変化幅ΔPcuwの大きさに基づいているため、筒内圧センサ24による圧縮端筒内圧Pcuの検出値に多少の誤差が含まれていても、可変圧縮比機構9の作動故障に対する判定精度への影響を可及的に小さくすることができる。従って、可変圧縮比機構9の故障判定にかかる精度を向上させることができる。
尚、実施例においては、圧縮比εの変化に伴い変化する従動パラメータとして圧縮端筒内圧Pcuを採用し、この圧縮端筒内圧Pcuの変化に基づいて可変圧縮比機構9の故障判定を行っているが、その他のタイミングにおける筒内圧(例えば、各燃焼サイクルでの膨脹行程における筒内圧)の変化に基づいて当該故障判定を行うこともできる。
<実施例2>
次に、本発明を実施するための第2の実施例について説明する。図4は、本実施例における内燃機関1の概略構成を示した図である。本実施例の内燃機関1は、内燃機関1のアイドル運転中における機関回転数(以下、「アイドル回転数」という)NEiを、その目標値である目標アイドル回転数NEitに維持するアイドルスピードコントロール機能を有する。この目標アイドル回転数NEitはアイドル運転中において、図示しないエアコンやオルタネータによる負荷の大きさに基づいて決定されるものであり、負荷が高いほど高回転数側に設定されている。
図示のように、吸気管19にはスロットル弁7をバイパスするバイパス管26が設けられている。バイパス管26には、その開度が変更されることでバイパス管26を流通する吸気の流路断面積を調節可能なアイドルスピードコントロールバルブ(以下、「ISC弁」という)27が設けられている。ISC弁27は、ECU30に電気配線を介して接続されており、ISC弁27の開度(以下、「ISC開度」という)ISCAがECU30によって制御される。本実施例では、ECU30が、アイドル運転中におけるアイドル回転数NEiが目標アイドル回転数NEitに維持されるようにISC開度ISCAのフィードバック制御を行うことにより、上記アイドルスピードコントロール機能が実現される。本実施例においてはISC開度ISCAのフィードバック制御を実行するECU30が本発明におけるアイドルスピードコントロール手段に相当する。尚、本実施例における内燃機関1には、筒内圧センサ24が設けられていない点で実施例1と相違する。
本実施例における可変機構故障判定処理でも、実施例1と同様にECU30からの指令によって圧縮比強制変更制御が実行される。圧縮比εが変化すると内燃機関1の熱効率が変化する。そのため、圧縮比強制変更制御において圧縮比εが変化すると、機関トルクが変化してアイドル回転数NEiが変動する。これに対して、ECU30は、スロットル弁7の開度を閉弁状態に維持しつつ、アイドル回転数NEiを目標アイドル回転数NEitに維持させるべくISC開度ISCAをフィードバック制御する。つまり、可変圧縮比機構9が圧縮比εを変更することに起因してISC開度ISCAが変化することになる。そこで、本実施例では、圧縮比強制変更制御の実行時における圧縮端筒内圧Pcuの変化ではなく、ISC開度ISCAの変化に基づいて可変圧縮比機構9の故障判定を行うこととした。本実施例においてはアイドル回転数NEiを目標アイドル回転数NEitに維持させるべく制御されるISC開度ISCAが本発明における所定の従動パラメータに相当する。
図5は、本実施例における可変機構故障判定処理での故障判定用目標圧縮比εtfの推移と、ISC開度ISCAの推移とを示したタイムチャートである。上段は故障判定用目標圧縮比εtfの推移を表し、下段はISC開度ISCAの推移を表す。尚、図2と共通する符号については同図と同義であり、その説明を省略する。
下段の実線は、可変圧縮比機構9に作動故障が生じていない場合におけるISC開度ISCAの推移である。故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して実際の圧縮比εが上昇するときには、ISC開度ISCAが閉じ方向に制御される。その結果、吸入空気量が減少することによってアイドル回転数NEiの上昇が抑制され、アイドル回転数NEiが目標アイドル回転数NEit近傍に維持される。一方、故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して実際の圧縮比εが下降するときにはISC開度ISCAが開き方向に制御される。その結果、吸入空気量が増加することによってアイドル回転数NEiの低下が抑制され、アイドル回転数NEiが目標アイドル回転数NEit近傍に維持される。
しかしながら、図中の破線に示されるように、可変圧縮比機構9に作動故障が発生している場合には、作動故障が発生していない場合(図中の実線)と比べてISC開度ISCAの変化が少なくなる。そこで、本実施例では、圧縮比強制変更制御を実施したときのISC開度ISCAにおける最大値ISCAmaxと最小値ISCAminとの差(以下、「最大ISC開度変化幅」という)ΔISCAwを求める。そして、この最大ISC開度変化幅ΔISCAwが第2基準変化幅ΔBw2以下である場合に、可変圧縮比機構9に作動故障が生じていると判定することとした。
第2基準変化幅ΔBw2は、可変圧縮比機構9に作動故障が生じているかどうかを判定するための閾値であり、実際の圧縮比εが故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して正常に変更された場合における最大ISC開度変化幅ΔISCAwよりも低い値に設定される。尚、第2基準変化幅ΔBw2は、実施例1における基準変化幅ΔBwと同様、故障判定用目標圧縮比εtfの推移に応じて設定されている。本実施例においては最大ISC開度変化幅ΔISCAwが本発明における最大変化幅に相当する。また、第2基準変化幅ΔBw2が本発明における基準変化幅に相当する。
図6は、本実施例の可変機構故障判定処理にかかる制御ルーチンを示すフローチャートである。この制御ルーチンは、予めECU30のROMに記憶されているルーチンである。また、本ルーチンは、ECU30によって周期的に実行される。尚、本ルーチンにおいて、図3と同じ参照符号の処理ステップはその処理内容が同じであるため、そのステップについての説明は省略する。
本ルーチンにおいて、ステップS203では、圧縮比強制変更制御を実行すべく、EC
U30から可変圧縮比機構9への作動指令が出される。この作動指令により、図5に示した強制変更パターンに則して圧縮比εが変化するように可変圧縮比9が作動される。本実施例においては本ステップの処理を実行するECU30が本発明における指令手段に相当する。
更に、本ステップでは、圧縮比強制変更制御の実行に際して、ISC開度ISCAにおける最大値ISCAmaxと最小値ISCAminが取得される。具体的には、ECU30は、アイドル回転数NEを目標アイドル回転数NEitに維持させるべくISC開度ISCAを制御する際の制御信号を記憶しておくことで、ISC開度ISCAの最大値ISCAmax及び最小値ISCAminを取得する。本ステップの処理が終了するとステップS204に進む。
ステップS204では、ステップS203において取得した最大値ISCAmaxから最小値ISCAminを減算し、最大ISC開度変化幅ΔISCAwを算出する。本実施例においてはステップS203及び204の処理を実行するECU30が本発明における取得手段に相当する。
ステップS205では、最大ISC開度変化幅ΔISCAwが第2基準変化幅ΔBw2以下であるか否かが判定される。本ステップにおいて、肯定判定(ΔISCAw≦ΔBw2)された場合(図5では破線にて表される)には、可変圧縮比機構9に作動故障が生じていると判断され、ステップS106に進む。一方、否定判定(ΔISCAw>ΔBw2)された場合(図5では実線にて表される)には、可変圧縮比機構9に作動故障が生じておらず正常に作動していると判断され、ステップS107に進む。本実施例においてはステップS205の処理を実行するECU30が本発明における判定手段に相当する。
以上のように、本実施例の可変機構故障判定処理では、圧縮比強制変更制御が実行されたときのISC開度ISCAの変化と圧縮比εの変化との関係に注目した。そして、上記ISC開度ISCAの変化に基づいて、可変圧縮比機構9の故障判定を正確に行うことができる。また、本実施例では筒内圧センサ24を設置する必要がないためコスト削減が可能となり、また、故障判定にかかる制御内容の簡易化、単純化を実現することができる。
尚、図2及び5に示した故障判定用目標圧縮比εtfの推移はあくまでも例示であり、その他の様々なパターンを採用しても構わない。最も単純なパターンとしての故障判定用目標圧縮比εtfの推移は、例えば故障判定用目標圧縮比εtfを基準圧縮比εidから最大値εtfuまで上昇させるパターン(例えば、図2及び5における時間t0〜t1を抜き出したパターン)、或いは故障判定用目標圧縮比εtfを基準圧縮比εidから最小値εtflまで下降させるパターンを採用し得る。しかし、図2及び5に示したように、故障判定用目標圧縮比の最大値εtfuが基準圧縮比εidよりも高圧縮比であって、且つ最小値εtflが基準圧縮比εidよりも低圧縮比であることが好ましい。そうすれば、可変圧縮比機構9において圧縮比εの上昇方向、或いは下降方向の何れかのみへの作動故障が生じている場合であっても、その故障を確実に検知することができる。
<実施例3>
次に、本発明を実施するための第3の実施例について説明する。本実施例における内燃機関1の基本構成は実施例1と同様であり、その説明を省略する。本実施例における可変機構故障判定処理では、圧縮比強制変更制御を開始してから基準時間ΔTMb以内に、同制御を適正に完了させることを特徴とする。内燃機関1においてアイドル運転が継続される時間は限られており、このアイドル運転中に可変圧縮比機構9の故障判定を確実に行う必要があるからである。尚、圧縮比強制変更制御の適正な完了とは、可変圧縮比機構9の故障判定用に予め設定されている故障判定用目標圧縮比εtfの推移通りに圧縮比εを変
更させるべく可変圧縮比機構9の作動が最後まで遂行されることを意味するものである。
基準時間ΔTMbとは、圧縮比強制変更制御の実行にかかる所要時間の目標値であり、予め定めておく。本実施例では、内燃機関1の平均的なアイドル運転の継続時間を求めておき、これに対して更に所定時間だけ短縮した時間として基準時間ΔTMbを設定する。このように、圧縮比強制変更制御の所要時間を基準時間ΔTMb以内に抑えることで、アイドル運転中における可変圧縮比機構9の故障判定の確実な実行が保証される。この基準時間ΔTMbの長さは適宜変更できるものであるが、例えば30(sec)程度に設定して
も良い。
ECU30は、実施例1と同様に、圧縮比強制変更制御の実行によって変化する圧縮端筒内圧Pcuを、燃焼サイクル毎に筒内圧センサ24の出力信号に基づいて検出する。ここで、上述した基準時間ΔTMb内における燃焼サイクル数は、内燃機関1のアイドル回転数NEiが高いほど多くなり、アイドル回転数NEiが低いほど燃焼サイクル数が少なくなる。すなわち、内燃機関1のアイドル回転数NEiが高いほど基準時間ΔTMb内に圧縮端筒内圧PcuをECU30が取得できる取得回数が多くなり、アイドル回転数NEiが低いほど基準時間ΔTMb内に圧縮端筒内圧Pcuを取得できる取得回数が少なくなる。
そこで、本実施例では、圧縮比強制変更制御の実行により故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧縮比εを変更させる際、燃焼サイクル毎における故障判定用目標圧縮比εtfの変更量(以下、「圧縮比目標刻み量Δεcy」という)をアイドル回転数NEiに応じて変更させることとした。
図7は、本実施例におけるアイドル回転数NEiに応じた圧縮比目標刻み量Δεcyを説明するための説明図である。上段には、アイドル回転数NEiが高い場合であって圧縮比目標刻み量をΔεcy1とした場合の目標圧縮比εtfの推移を表す(L1にて図示)。また、中段(L2にて図示)及び下段(L3にて図示)には、アイドル回転数NEiが低い場合の目標圧縮比εtfの推移を表す(この図では、L2及びL3におけるアイドル回転数NEiは等しい)。
図中に示した符号Δt1、Δt2は、燃焼サイクル毎の所要時間である。上述のように、L1においては、L2及びL3に比してアイドル回転数NEiが高いため、燃焼サイクル毎の所要時間Δt1は、Δt2よりも短くなっている。また、L2における圧縮比目標刻み量はL1と共通のΔεcy1であり、L3における圧縮比目標刻み量はΔεcy1よりも大きいΔεcy2に設定されている。符号εid、εtfu、εtfl、Δε1、Δε2については、図2におけるものと同義である。また、故障判定用目標圧縮比εtfの推移において、L1〜L3における目標圧縮比の総変更量Σεcyは全て等しく設定されている(Σεcy=(Δε1+Δε2)×2)。
この図におけるL1では、圧縮比強制変更制御の実行にかかる所要時間が上述した基準時間ΔTMbに略等しい。以下、L1を基準としてL2及びL3を対比する。先ず、L1とL2とを対比すると、L2における燃焼サイクル毎の所要時間は、L1における同所要時間よりも長い(Δt2>Δt1)にも拘わらず双方の圧縮比目標刻み量Δεcyが等しい(Δεcy1)。この場合、L1及びL2における目標圧縮比の総変更量Σεcyは等しいため、L2にかかる圧縮比強制変更制御の所要時間が基準時間ΔTMbを超えてしまうことになる。
そこで、本実施例では、L3に表されるように、アイドル回転数NEiが低い場合には、該アイドル回転数NEiが高い場合に比べて圧縮比目標刻み量Δεcyを大きくするこ
ととした(Δεcy2>Δεcy1)。このように圧縮比目標刻み量Δεcyを大きくすることによって、L1に対してL3における燃焼サイクル毎の所要時間が長くなっても、圧縮比強制変更制御の所要時間を基準時間ΔTMb以内に収めることができる。
本実施例では、更に、圧縮比強制変更制御の実行時におけるアイドル回転数NEiが低いほど、圧縮比目標刻み量Δεcyを大きくすることとした。そのため、エアコンの使用状態などによってアイドル回転数NEiが変化しても、その状況に応じて圧縮比目標刻み量Δεcyを適切な値に設定することができる。そのため、アイドル回転数NEiに依存することなく圧縮比強制変更制御の所要時間を基準時間ΔTMb内に抑えることができる。従って、内燃機関1のアイドル運転が継続している間に、可変圧縮比機構9の故障判定を確実に行うことができる。
ここで、アイドル回転数NEiに応じた圧縮比目標刻み量Δεcyの算出方法について説明する。本実施例では、可変圧縮比機構9に対する可変機構故障判定処理の実行要求が出された場合、例えば図3におけるステップS102において肯定判定された場合に、ECU30は以下に示すように圧縮比目標刻み量Δεcyを算出する。具体的には、ECU30は、クランクポジションセンサ25の出力信号に基づいて現在のアイドル回転数NEiを検出する。そして、アイドル回転数NEi及び基準時間ΔTMbに基づいて、基準時間ΔTMb内における燃焼サイクル数(以下、「基準燃焼サイクル数」という)Ncyを算出する。この基準燃焼サイクル数Ncyは、例えば下式によって算出することができる。
Ncy=NE/(2×60)×ΔTMb
但し、NEの単位:r.p.m、ΔTMbの単位:sec
そして、目標圧縮比の総変更量Σεcyを基準燃焼サイクル数Ncyで除すことによって、圧縮比目標刻み量Δεcyを算出する。例えば、図7において、目標圧縮比の総変更量Σεcは(Δε1+Δε2)×2として算出することができる。尚、基準燃焼サイクル数Ncyを算出するに当たり、現在のアイドル回転数NEiの代わりに目標アイドル回転数NEitの値を採用しても構わない。
<実施例4>
次に、本発明を実施するための第4の実施例について説明する。本実施例における内燃機関1の基本構成は実施例1と同様であり、その説明を省略する。実施例1乃至3にかかる可変機構故障判定処理では、可変圧縮比機構9の作動故障の有無について判定した。しかしながら、このような作動故障が生じていない場合であっても、応答性異常が生じている場合がある。ここで可変圧縮比機構9の応答性異常とは、該可変圧縮比機構9が圧縮比εを変更させる際に要求される圧縮比の変化速度がある程度高い場合に、圧縮比の実際の変化速度(以下、「実変化速度」という)Vεrを要求される速度まで高めることができない現象として捉えることができる。この応答性異常が起こる状況としては、モータ9fや、該モータ9fに回転駆動されるウォーム9e等に不具合が生じ、実変化速度Vεrをあまり高めることができない状況等が例示できる。
そして、このような応答性異常が可変圧縮比機構9に生じると、所望の時期までに圧縮比εを目標値まで変更させることができなくなる。そこで、本実施例の可変機構故障判定処理においては、内燃機関1のアイドル運転中に可変圧縮比機構9の応答性異常の有無についても判定することとした。
本実施例における可変機構故障判定処理の基本部分は実施例1或いは実施例2と共通する。すなわち、内燃機関1のアイドル運転中に圧縮比強制変更制御を実行し、可変圧縮比機構9の故障判定用に予め設定されている故障判定用目標圧縮比εtfの推移に則して圧
縮比εを変更させるべく可変圧縮比機構9を作動させる。そして、ECU30は、圧縮比強制変更制御の実行時における圧縮端筒内圧Pcuの変化から最大筒内圧変化幅ΔPcuwを取得する。
一方、本実施例にかかる可変機構故障判定処理では、故障判定用目標圧縮比εtfが変化する速度、つまり単位時間当たりにおける故障判定用目標圧縮比εtfの変化量(以下、「目標変化速度」という)Vεtfのみが異なる二種類の作動指令が可変圧縮比機構9に出される。尚、この二種類の作動指令は、ECU30から同時に出されるものではなく、その順序については何れが先でも構わない。
ここで、目標変化速度Vεtfが低い方の作動指令にかかる故障判定用目標圧縮比εtfの推移を「低速変更パターン」と称し、目標変化速度Vεtfが高い方の作動指令にかかる故障判定用目標圧縮比εtfの推移を「高速変更パターン」と称する。図8は、本実施例における可変機構故障判定処理での故障判定用目標圧縮比εtfの推移と、圧縮端筒内圧Pcuの推移を示したタイムチャートである。(a)は、低速変更パターンにおけるタイムチャートである。(b)は、高速変更パターンにおけるタイムチャートである。
各図において、上段に描かれた実線は故障判定用目標圧縮比εtfの推移を表し、破線は可変圧縮比機構9に応答性異常が生じている場合における実際の圧縮比εの推移を表す。尚、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていない場合における実際の圧縮比εの推移は実線と略一致する。また、下段に描かれた実線は可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていない場合における圧縮端筒内圧Pcuの推移を表し、破線は可変圧縮比機構9に応答性異常が生じている場合における圧縮端筒内圧Pcuの推移を表す。尚、図2と共通する符号については同義であるため、その説明を省略する。
まず、各図における故障判定用目標圧縮比εtfの推移、つまり(a)の低速変更パターンと(b)の高速変更パターンについて説明する。図示のように、双方のパターンは共に故障判定用目標圧縮比εtfの最大値εtfuを境に上昇状態から下降状態へと反転する逆V字型推移パターンと、最小値εtflを境に下降状態から上昇状態へと反転するV字型推移パターンとが組み合わされて形成されている。
ここで、(a)における低速変更パターンでは時間ta1及びta3を境に逆V字型推移パターンが形成され、時間ta2を境にV字型推移パターンが形成されている。一方、(b)における高速変更パターンでは時間tb1及びtb3を境に逆V字型推移パターンが形成され、時間tb2を境にV字型推移パターンが形成されている。尚、低速変更パターン及び高速変更パターンにおける相違点は、故障判定用目標圧縮比の目標変化速度Vεtfのみであるため、双方における目標圧縮比の総変更量Σεcyは等しい。
以下、故障判定用目標圧縮比における目標変化速度Vεtfの違いが最大筒内圧変化幅ΔPcuwに及ぼす影響について説明する。先ず、(a)の低速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を行う場合について説明する。低速変更パターンにおいては、故障判定用目標圧縮比の目標変化速度Vεtfが低い。そのため、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていても実変化速度Vεrを目標変化速度Vεtfに略一致させることができる。従って、低速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を行う場合には、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていても、応答遅れを伴わずに実際の圧縮比εを故障判定用目標圧縮比εtfの推移に追従させることができる。
その結果、(a)の下段に示すように、可変圧縮比機構9における応答性異常の有無の違いが圧縮端筒内圧Pcuの変動範囲に対して殆ど影響を及ぼさない。ここで、低速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を行う場合であって、且つ応答性異常が生じていな
いときの最大筒内圧変化幅ΔPcuwをΔPcuw1とし、応答性異常が生じているときの最大筒内圧変化幅ΔPcuwをΔPcuw2とする。そうすると、ΔPcuw1とΔPcuw2との差は殆ど生じないか、生じたとしてもその差は小さくなる。この図においては、ΔPcuw2は基準変化幅ΔBwよりも大きい。
次に、(b)の高速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を行う場合について説明する。ここで、時間tb1及びtb3においては、故障判定用目標圧縮比εtfが最大値εtfuを境に上昇状態から下降状態へと反転するため、可変圧縮比機構9における軸部9aの回転方向が切り替えられる。同様に、時間tb2では、故障判定用目標圧縮比εtfが最小値εtflを境に下降状態から上昇状態へと反転するため、可変圧縮比機構9における軸部9aの回転方向が切り替えられる。
ここで、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていなければ、故障判定用目標圧縮比の目標変化速度Vεtfが高くても実変化速度Vεrを目標変化速度Vεtfに概ね一致させることができる。従って、この場合には高速変更パターンと低速変更パターンとにおける最大筒内圧変化幅ΔPcuwには差異が殆ど生じない。高速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を行う場合であって、且つ応答性異常が生じていないときの最大筒内圧変化幅ΔPcuwをΔPcuw3とすると、このΔPcuw3は上述したΔPcuw1と略等しくなるか、少なくともΔPcuw1に比べて過度に小さくなることはない。
一方、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じている場合には、高速変更パターンのように目標変化速度Vεtfが高く設定されていると、実変化速度Vεrを目標変化速度Vεtfまで高めることができない。そのため、時間tb1及びtb3までに実際の圧縮比εを最大値εtfuまで上昇させることができなくなる。また、時間tb2までに実際の圧縮比εを最小値εtflまで低下させることができなくなる。
その結果、高速変更パターンと低速変更パターンとにおける目標圧縮比の総変更量Σεcyは等しいにも関わらず、高速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を行った場合には最大筒内圧変化幅ΔPcuwが減少してしまう。従って、高速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を行う場合であって、且つ応答性異常が生じているときの最大筒内圧変化幅ΔPcuwをΔPcuw4とすると、このΔPcuw4は上述したΔPcuw2に比べて過度に小さくなる。この図においては、ΔPcuw4は基準変化幅ΔBwより低くなっている。
本実施例では、目標変化速度Vεtfのみが異なる二種類の作動指令に基づいて圧縮比強制変更制御を実行する場合に、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていなければ各々の圧縮比強制変更制御において取得される最大筒内圧変化幅ΔPcuwの差が小さくなり、該応答性異常が生じていれば該最大筒内圧変化幅ΔPcuwの差が大きくなることに着目した。そして、各々の最大筒内圧変化幅ΔPcuwの差に基づいて可変圧縮比機構9に応答性異常が生じているか否かを判定することとした。以下、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じているか否かを判定するためのECU30によって実行される制御内容について説明する。
[第1の制御]
まず、本実施例における第1の制御について説明する。この第1の制御では、ECU30が低速変更パターン及び高速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を実行し、夫々の最大筒内圧変化幅ΔPcuwである低速変更時変化幅ΔPcuwl及び高速変更時変化幅ΔPcuwhを取得する。ここで両者の大小関係は、上述したように高速変更時変化幅ΔPcuwhが低速変更時変化幅ΔPcuwl以下となる。
本制御においては、低速変更時変化幅ΔPcuwlと高速変更時変化幅ΔPcuwhとの差(以下、「最大筒内圧変化幅差ΔPcuwd」という)が小さい場合に可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていないと判定し、該最大筒内圧変化幅差ΔPcuwdが大きい場合に応答性異常が生じていると判定する。具体的には、最大筒内圧変化幅差ΔPcuwdが予め設定される基準差ΔPcuwdbよりも大きい場合に応答性異常が生じていると判定する。この基準差ΔPcuwdbは、可変圧縮比機構9における応答性異常の判定用に予め実験的に求めておくことができる。
ここで、可変圧縮比機構9における応答性異常の判定精度を向上させるには、低速変更パターンと高速変更パターンとにおける目標変化速度Vεtfの差(以下、「目標変化速度差ΔVεtf」という)を考慮すると良い。すなわち、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じている場合、目標変化速度差ΔVεtfが小さい場合より大きい場合の方が、最大筒内圧変化幅差ΔPcuwdが大きくなると考えられるからである。そこで、本制御においては、基準差ΔPcuwdbの大きさを目標変化速度差ΔVεtfに応じて設定することとした。より具体的には、目標変化速度差ΔVεtfが大きいほど基準差ΔPcuwdbを大きい値に設定することができる。これによれば、可変圧縮比機構9における応答性異常の判定精度を向上させることができる。本実施例においては基準差ΔPcuwdbが本発明における所定の基準差に相当する。
[第2の制御]
次に、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じているか否かを判定する第2の制御について、図8を参照して説明する。本制御においては、低速変更時変化幅ΔPcuwl(図8(a)中では、ΔPcuw2に該当する)が基準変化幅ΔBwよりも大きく、且つ高速変更時変化幅ΔPcuwh(図8(b)中では、ΔPcuw4に該当する)が基準変化幅ΔBw以下となる場合に、可変圧縮比機構9に作動故障ではなく応答性異常が生じていると判定することとした。
尚、低速変更パターンでの目標変化速度Vεtf、及び高速変更パターンでの目標変化速度Vεtfについては予め実験等によって求めておく。特に、高速変更パターンでの目標変化速度Vεtfは、可変圧縮比機構9に応答性異常が生じていなければ高速変更時変化幅ΔPcuwhが確実に基準変化幅ΔBwよりも大きくなり、且つ応答性異常が生じていれば高速変更時変化幅ΔPcuwhが確実に基準変化幅ΔBw以下となるように、基準変化幅ΔBwとの関係でその最適値を求めておくと良い。
本制御によれば、低速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を実行した場合に低速変更時変化幅ΔPcuwl(ΔPcuw2)が基準変化幅ΔBwよりも大きくなることをもって、可変圧縮比機構9に作動故障が生じていないと判断することができる。この場合、高速変更パターンに則して圧縮比強制変更制御を実行した場合においても高速変更時変化幅ΔPcuwh(ΔPcuw4)が基準変化幅ΔBwよりも大きいことを確認できれば、可変圧縮比機構9には作動故障及び応答性異常が生じていないと判断することができる。一方、高速変更時変化幅ΔPcuwhが基準変化幅ΔBw以下である場合には作動故障は生じていないものの、応答性異常が生じていると判断することができる。
尚、本実施例では、上記二種類の作動指令に基づいて圧縮比強制変更制御を実行した場合の最大筒内圧変化幅ΔPcuwの差に基づいて可変圧縮比機構9における応答性異常の有無について判定する例を説明したが、最大ISC開度変化幅ΔISCAwの差に基づいて上記判定を行うことができる。
また、本実施例における故障判定用目標圧縮比εtfの推移は、上述した逆V字型推移パターン及びV字型推移パターンの双方を含んで形成されているが、何れか一方のパター
ンのみを含んで形成されていても構わない。
実施例1における内燃機関の概略構成を示した図である。 実施例1における可変機構故障判定処理での故障判定用目標圧縮比εtfの推移と、圧縮端筒内圧Pcuの推移を示したタイムチャートである。 実施例1の可変機構故障判定処理にかかる制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2における内燃機関の概略構成を示した図である。 実施例2における可変機構故障判定処理での故障判定用目標圧縮比εtfの推移と、ISC開度ISCAの推移とを示したタイムチャートである。 実施例2の可変機構故障判定処理にかかる制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3におけるアイドル回転数NEiに応じた圧縮比目標刻み量Δεcyを説明するための説明図である。 実施例4における可変機構故障判定処理での故障判定用目標圧縮比εtfの推移と、圧縮端筒内圧Pcuの推移を示したタイムチャートである。(a)は、低速変更パターンにおける圧縮端筒内圧Pcuを示した図である。(b)は、高速変更パターンにおける圧縮端筒内圧Pcuの推移を示した図である。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
5・・・シリンダヘッド
7・・・スロットル弁
9・・・可変圧縮比機構
15・・ピストン
17・・燃料噴射弁
19・・吸気管
21・・排気管
23・・クランクポジションセンサ
24・・筒内圧センサ
26・・バイパス管
27・・ISC弁
30・・ECU

Claims (8)

  1. 内燃機関の機械圧縮比を運転状態に応じて変更可能な可変圧縮比機構と、
    前記内燃機関のアイドル運転中に、前記可変圧縮比機構の故障判定用に設定された目標圧縮比の推移に則して前記機械圧縮比を変更させるべく前記可変圧縮比機構に作動指令を出す指令手段と、
    前記作動指令に基づき前記可変圧縮比機構が前記機械圧縮比を変更することに起因して変化する所定の従動パラメータの値を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記従動パラメータの最大値と最小値との差である最大変化幅が前記目標圧縮比の推移に応じて設定される所定の基準変化幅以下である場合に、前記可変圧縮比機構が作動故障であると判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする可変圧縮比機構の故障判定装置。
  2. 前記指令手段は、前記内燃機関の燃焼サイクル毎における前記目標圧縮比の変更量を、前記アイドル運転中における機関回転数に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比機構の故障判定装置。
  3. 前記指令手段は、前記アイドル運転中における機関回転数が低いときは、該機関回転数が高いときに比べて、前記内燃機関の燃焼サイクル毎における前記目標圧縮比の変更量を大きい値として設定することを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比機構の故障判定装置。
  4. 前記目標圧縮比の推移が該目標圧縮比の最大値を境に上昇状態から下降状態へと反転する所定の逆V字型推移パターン及び該目標圧縮比の最小値を境に下降状態から上昇状態へと反転する所定のV字型推移パターンのうち少なくとも何れか一方のパターンを含んで形成される場合に、前記指令手段は前記目標圧縮比が変化する速度のみが異なる二種類の作動指令を前記可変圧縮比機構に出し、
    前記判定手段は、各々の作動指令が出されたときに前記取得手段によって取得される前記最大変化幅の差に基づいて、前記可変圧縮比機構に応答性異常が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の可変圧縮比機構の故障判定装置。
  5. 前記判定手段は、前記最大変化幅の差が、各々の作動指令において前記目標圧縮比が変化する速度の差に応じて設定される所定の基準差よりも大きい場合に前記可変圧縮比機構に応答性異常が生じていると判定することを特徴とする請求項4に記載の可変圧縮比機構の故障判定装置。
  6. 前記判定手段は、前記二種類のうち前記目標圧縮比が変化する速度が低い方の作動指令が出されたときに取得される前記最大変化幅が前記基準変化幅よりも大きく、且つ前記目標圧縮比が変化する速度が高い方の作動指令が出されたときに取得される前記最大変化幅が前記基準変化量以下となる場合に、前記可変圧縮比機構に作動故障ではなく応答性異常が生じていると判定することを特徴とする請求項4に記載の可変圧縮比機構の故障判定装置。
  7. 前記内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧センサを更に備え、
    前記従動パラメータは、前記作動指令に基づいて前記可変圧縮比機構が作動しているときに前記筒内圧センサによって検出される筒内圧力であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の可変圧縮比機構の故障判定装置。
  8. アイドルスピードコントロールバルブと、該アイドルスピードコントロールバルブの開
    度を制御することによって前記アイドル運転中における機関回転数を目標アイドル回転数に維持するアイドルスピードコントロール手段と、を更に備え、
    前記従動パラメータは、前記作動指令に基づいて前記可変圧縮比機構が作動しているときに前記アイドルスピードコントロール手段によって制御される前記アイドルスピードコントロールバルブの開度であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の可変圧縮比機構の故障判定装置。
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