JP2010023111A - 絞り成形装置 - Google Patents

絞り成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010023111A
JP2010023111A JP2008191247A JP2008191247A JP2010023111A JP 2010023111 A JP2010023111 A JP 2010023111A JP 2008191247 A JP2008191247 A JP 2008191247A JP 2008191247 A JP2008191247 A JP 2008191247A JP 2010023111 A JP2010023111 A JP 2010023111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
punch
workpiece
die
upper punch
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008191247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5240510B2 (ja
Inventor
Ryosuke Kondo
良介 近藤
Koji Sugawara
広治 菅原
Takashi Yamamoto
貴史 山本
Takaaki Kayama
隆明 香山
Nobuhiro Takasu
信宏 高須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2008191247A priority Critical patent/JP5240510B2/ja
Publication of JP2010023111A publication Critical patent/JP2010023111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5240510B2 publication Critical patent/JP5240510B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】同一ワークの例えば内周部と外周部など複数箇所に対して絞り成形加工を行なっても十分な品質を確保できる絞り成形装置を提供すること。また、同加工を少ない金型数で行なうことができる絞り成形装置を提供すること。
【解決手段】有底筒状のワークWの側壁外周面及び側壁下面に当接するダイス2と、ワークWの側壁内周面及び底部内面に当接する上部パンチ6と、ダイス2及び上部パンチ6に対して、プレス機の軸心に沿って相対移動操作可能な下部パンチ部3とを有し、下部パンチ部3が、ワークWの底部中央部位を上向きに屈曲させる主パンチ部材4と、屈曲によってワークWの径方向中間部に形成された下向き湾曲部Weを押し上げて、ワークWの底部中央部位を主パンチ部材4と上部パンチ6との間隙を介して内径方向に送り込む補助パンチ部材5とを備えている絞り成形装置とした。
【選択図】図10

Description

本発明は、有底筒状のワークの側壁外周面及び側壁下面に当接するダイスと、少なくともワークの側壁内周面及び底部内面に当接する上部パンチと、ダイス及び上部パンチに対して、プレス機の軸心に沿って相対移動操作可能な下部パンチ部とを有する絞り成形装置に関する。
この種の絞り成形装置に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1に記された装置では、有底筒状のワークの端面を側面部から底部周囲部に向かって下方に加圧する端面パンチが設けられている。したがって、下部パンチによるワーク底部の上向きの突き上げに基づいて、ボス部を成形する際にも、ボス部のコーナー部に加わる応力が圧縮応力となって破断が防止され、また、側面部や底部周囲部の材料が端面パンチで押されてボス部側に流れるので、ボス部の肉ヒケが防止される。したがって、一回の絞り成形で内ボス付きのコップ状製品を製造できるとされている。
特開2004−322104号公報(段落番号0009、図3、図4)
しかし、特許文献1に記された絞り成形装置では、ワーク押さえでワークをダイス下方に押し下げつつ、ダイスの上方に向ってインナーパンチで押し上げて成形を行なう為、ワーク押さえとインナーパンチの間におけるワークの成形中の板厚制御が難しくなり、例えば、所望の板厚に調整するための成形条件範囲が狭くなり成形条件を調整する工数が増加することや、ダイス等の加工面の状態を適切に維持管理する為の工数が増加することが考えられる。また、ワークの外周に絞り成形を施したい場合には、別の外周絞り用の金型が必要となり、成形に必要な工程数や必要な金型数が増加し、製品コストの上昇を招くことが考えられる。
そこで、本発明の目的は、成形条件を調整する工数やダイス等の加工面の状態を適切に維持管理する為の工数が少なくて済む絞り成形装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、同一ワークにおいて複数箇所の絞り成形、例えば、内周部と外周部に絞り成形を行なう際にも、少ない金型数で所望の品質を確保できる絞り成形装置を提供することにある。
本発明の第1の特徴構成を備えた絞り成形装置は、
有底筒状のワークの側壁外周面及び側壁下面に当接するダイスと、
少なくともワークの側壁内周面及び底部内面に当接する上部パンチと、
前記可動ダイス及び前記上部パンチに対して、プレス機の軸心に沿って相対移動操作可能な下部パンチ部と、を有し、
前記下部パンチ部が、
ワークの底部中央部位を上向きに屈曲させる主パンチ部と、
前記屈曲によってワークの径方向中間部に形成された下向き湾曲部を押し上げることによって、ワークの底部中央部位を前記主パンチ部と前記上部パンチとの間隙を介して内径方向に送り込む補助パンチ部とを備えている点にある。
本発明の第1の特徴構成による絞り成形装置では、内ボスを絞り加工で形成する際における主な操作は、ダイスの上方に向ってインナーパンチで押し上げる絞り成形操作ではなく、主パンチ部による屈曲操作に基づいて得られたワークの下向き湾曲部を補助パンチ部によって押し上げる操作であるため、成形中におけるワーク側壁の板厚制御が容易となり、所望の板厚に調整するための成形条件範囲が広く保たれ易いため、成形条件を調整する工数やダイス等の加工面の状態を適切に維持管理する為の工数が少なくて済む。また、ダイスの内周面によるワーク外周部の絞り加工と、下部パンチ部によるワーク内周部の絞り加工とを連続的に実施できるので、同一ワークにおいて複数箇所の絞り成形を行なう際にも、少ない金型数と工数で所望の品質を確保できる。さらに、ワークの底部を下部パンチ部によって上方に突き上げる操作は、後続する絞り加工段階の準備段階として下向き湾曲部を形成するのに用いられるのみで、絞り加工の主な操作ではないので、底部の中央に貫通孔のあるワークの絞り加工にも適用できる。
本発明の他の特徴構成は、前記補助パンチ部が、径方向外側から径方向内側に向かって次第に下がる傾斜面を備えている点にある。
本構成であれば、ワークの下向き湾曲部を、補助パンチ部の相対移動方向である真上ではなく、内向き斜め上方に押すことになるので、補助パンチ部の上面に対して内径側上方に位置する主パンチ部と上部パンチとの間隙を介してワークの底部中央部位を内径方向に送り込む操作をより円滑に実現できる。ところで、上記送り込む操作の進行に伴って、ワークの下向き湾曲部は次第に縮小すると同時に、下向き湾曲部の延出方向が次第に径方向外向きの成分を失い、真下向きの姿勢に変化する。しかし本構成であれば、この変化に対応するように、ワークの下向き湾曲部と当接する補助パンチ部の箇所も、傾斜面の効果によって次第に径方向の外側から内側に向かって移動する。その結果、常にワークの下向き湾曲部の最先端箇所が補助パンチ部によって押されることとなり、送り込む操作が円滑に行われる。
本発明の他の特徴構成は、前記補助パンチ部が、前記傾斜面の下端から径方向内側に向かって水平に延びる平坦面を備えている点にある。
本構成であれば、傾斜面に沿って径方向の外側から内側に向かって移動してきたワークの下向き湾曲部が、傾斜面の下端まで達した時点で移動を中止するので、以後、ワークの下向き湾曲部は、前述した傾斜面による内向き斜め上方ではなく、平坦面による真上への押し上げを受けることとなる。その結果、上部パンチの凹状コーナー部と下部パンチの凸状コーナー部との間での密着クランプによらずに、ワークの内ボスの上端縁に、下部パンチのコーナー部よりも更に曲率半径の小さなR状断面を形成できる。
本発明の他の特徴構成は、前記ダイスと前記上部パンチとの間に、前記屈曲に先立って、ワークの側壁外周面をクランプするクランプ部が形成されている点にある。
本構成であれば、ワークの下向き湾曲部を補助パンチ部によって押し上げる操作に際して、ワークの側壁外周面に変形を生じる虞が抑制され、仕上がりワークの寸法精度上において都合が良い。
本発明の他の特徴構成は、前記クランプ部が、前記屈曲に先立って、ワークの側壁外周面を内径側に向けて外周絞り加工すべく前記ダイスに形成された外周絞り面を含む点にある。
本構成であれば、逆絞りによって形成された内ボスのみでなく、外周面にも絞り面を備えたより複雑な形状の製品を、中途での金型交換無しで製造できる。
本発明の他の特徴構成は、前記クランプ部が、前記ダイスによって外周絞り加工済みのワークの側壁上端面を上方から拘束すべく前記上部パンチに形成された下向き支持端面を含む点にある。
本構成であれば、ワークの下向き湾曲部を補助パンチ部によって押し上げる操作に際して、ワークの側壁外周面の端部が上方に変位する類の変形を生じる虞が特に厳密に抑制される。
本発明の他の特徴構成は、前記ダイスがプレス機の上下軸心と平行に移動操作可能な可動ダイスであり、前記外周絞り加工よりも以降の加工工程において、前記可動ダイスを前記上部パンチと一体的に下降させるキラーブロックが前記上部パンチと相対移動不能に設けられている点にある。
本構成であれば、上部パンチとダイスの間の相対移動がキラーブロックによって規制されるので、ダイスによって外周絞り加工済みのワークの外周絞りされた箇所が、上部パンチとダイスとの間で過剰に押し潰されて薄肉化される虞が抑制される。
本発明の他の特徴構成は、ワークの加工完了後に前記補助パンチ部を前記主パンチ部に対して上方に移動させる駆動機構が設けられている点にある。
本構成であれば、絞り加工の終了後に、補助パンチ部を上方に移動させることで、完成ワークはダイスとも主パンチ部とも強制的に分離されて、絞り成形装置から回収される。したがって、完成ワークの絞り成形装置からの回収作業が非常に簡単になる。また、補助パンチ部に完成ワークの回収手段を兼務させることで、完成ワーク回収専用の冶具を設ける必要がなく、結果として、絞り成形装置の全体をよりコンパクト化できる。
以下に本発明による最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、被加工物としての有底筒状のワークWから中間体Mとドラム状製品D1を経て最終製品D2を得るまでの加工プロセスを示す略図である。ワークWは、後述するプレス機100と従来公知の金型(不図示)とを用いた通常の円筒絞りによって得られる。ワークWは、平坦な円形の底部Waと、円筒状の側壁部Wbと、底部Waと側壁部Wbとを接続する断面が略円弧状のコーナー部Wcとを備える。
上記加工プロセスは、本発明の絞り成形装置1による複軸複合絞りを用いて、ワークWに外周絞り加工と内周絞り加工とを施すことで中間体Mを製造するための前期プロセスP1と、従来公知の別の成形装置(不図示)を用いて、中間体Mからドラム状製品D1を製造する後期プロセスP2と、ドラム状製品D1に外歯と内歯を付け、穴抜きを施すことで最終製品D2を得る補足プロセスP3,P4,P5とを含む。最終製品D2はオートマチックトランスミッション(ATM)または摩擦クラッチなどに用いられる。
(前期プロセスのための設備と操作)
前期プロセスP1で用いる絞り成形装置1は、プレス機100と金型50とを有する。
プレス機100は、水平に延設された固定ベッド10と、固定ベッド10の上方で水平に延設されたスライダ12とを有する。スライダ12はラム13を介して油圧機構またはギヤ伝導機構によって固定ベッド10に対して上下駆動可能に設けられている。固定ベッド10の上面にはボルスタ11が固定されている。
金型50は、ボルスタ11の上面に支持された概して円筒状のダイス2と概して円柱状の下部パンチ部3、スライダ12の下面に支持された上部パンチ6、及び、上部パンチ6の外周に固定された概して円筒状で剛体のキラーブロック7を有する。下部パンチ部3は、概して円柱状の主パンチ部材4(主パンチ部の一例)と、主パンチ部材4の外周に外嵌配置された概して円筒状の補助パンチ部材5(補助パンチ部の一例)とからなる。
ダイス2は、プレス機100の上下軸心Xと平行に移動操作可能な可動ダイス2となっている。可動ダイス2は、固定ベッド10を貫通して設けられたピラー16の上端に固定されており、固定ベッド10の下方には上下に移動操作可能なダイス駆動装置17が設けられている。ダイス駆動装置17は、可動ダイス2及びピラー16を所望の高さで、且つ、一定の耐荷重で保持可能に構成されている。
可動ダイス2は、鉛直に延びた第1内周面2aと、内周面2aの下端から径方向内側に傾斜して延びた絞り面2bと、絞り面2bの下端から鉛直に延びた第2内周面2cとを備える。
上部パンチ6は、鉛直に延びた下部外周面6aと、下部外周面6aの下端から径方向内側に傾斜して延びた第1絞り面6bと、第1絞り面6bの下端付近から下方に突出した環状の第2絞り面6cとを有する。下部外周面6aの上端には環状で下向きの支持端面6dが形成されている。第2絞り面6cの内側で上部パンチ6の中央部下面6eの下方には、下部パンチ部3による内周逆絞りを許す空間部Vが設けられている。
下部パンチ部3の補助パンチ部材5は、径方向外側から径方向内側に向かって次第に下がる傾斜面5aと、傾斜面5aの下端付近から径方向内側に水平に延びる平坦面5bとを備えている。
前期プロセスP1は、金型50を用いてワークWの外周に絞り加工を施す外周絞り加工と、外周絞り加工に引き続いて、金型50を全く交換することなく、ワークWの内周に絞り加工を施す内周絞り加工とからなる。
外周絞り加工は、図2に示すように、ダイス駆動装置17が可動ダイス2を所定の耐荷重で可動ダイス2の上死点に保持した状態で開始され、上部パンチ6とワークWを、保持された可動ダイス2に対して押し下げる操作で外周絞り加工が実行される。ここで、所定の耐荷重とは、縮径絞り抵抗によって、板厚増加に伴って成形荷重が増大していくが、板厚増加の抑制、且つ後述する後期プロセスP2で図1のD1形状に座屈することなく圧縮成形することができる絞り角度にすることによって低減させた成形荷重に耐えられる必要最低限の荷重をさす。
図3に示すように、外周絞り加工が完了する時点で、キラーブロック7が可動ダイス2の上端と当接し、この当接によって、上部パンチ6とキラーブロック7と可動ダイス2の三者が一体化する。したがって、引き続き、上部パンチ6の押し下げが継続されると、可動ダイス2は、上部パンチ6からキラーブロック7を介して所定の荷重を超える下向き応力を受けて、この下向き応力によって上部パンチ6と共に下降操作される。すなわち、可動ダイス2がキラーブロック7と当接して以降は、下部パンチ部3が、可動ダイス2及び上部パンチ6に対して、プレス機100の軸心に沿って相対的に上方に移動操作されることで、図4に示すように、ワークWの内周絞り加工(内ボスの形成)が実行される。
(前期プロセスP1の詳細)
〈1〉可動ダイス2をダイス駆動装置17によって上死点に位置させ、所定の耐荷重で保持した状態とする。
〈2〉図2及び図6(b)に示すように、被加工物(有底筒状のワークW)を下方から被せた上部パンチ6を下降させることで、位置保持されている可動ダイス2の内面に挿入する。これによって、ワークWの側壁部Wbの外周面は可動ダイス2の内周面2aによって支持され、同側壁部Wbの内周面は上部パンチ6の下部外周面6aによって支持される。また、上部パンチ6の下部外周面6aの上端に形成された下向き支持端面6bは、ワークWの側壁上端面Wdを上方から拘束する機能を果たす。
〈3〉以降、上部パンチ6とワークWを、ダイス駆動装置17によって保持された可動ダイス2に対して押し下げる操作を連続的に行っていく。先ず、図6(a)に示すように、ワークWのコーナー部Wcが可動ダイス2の絞り面2bと当接した状態が得られる。
〈4〉引き続く上部パンチ6の押し下げ操作によって、図7(a)に示すように、ワークWのコーナー部Wc及び側壁部Wbの一部が絞り面2bによって内径側に押し出されることで、外周絞り加工が開始される。
〈5〉引き続く上部パンチ6の押し下げ操作によって、図8(a)に示すように、ワークWの側壁部Wbが、可動ダイス2の絞り面2bのみでなく、上部パンチ6の外周に形成された第1絞り面6bにも密着された時点で、外周絞り加工は完了する。この完了と同時に、ワークWの側壁部Wbが上部パンチ6の第1絞り面6bと、可動ダイス2の絞り面2bと、上部パンチ6の支持端面6dとによってクランプされた状態が実現される。第1絞り面6bと絞り面2bと支持端面6dとはクランプ部を構成する。この時、さらに同時に、図3及び図8(b)に示すように、可動ダイス2の上端面がキラーブロック7の下面と当接することで、以降、可動ダイス2は上部パンチ6及びキラーブロック7と一体的な下降を示すことになる。
〈6〉引き続き、可動ダイス2が上部パンチ6及びキラーブロック7と共に下降すると、最初に、図9に示すように、下部パンチ部3のうちの主パンチ部材4の上縁部がワークWの底部Waの中央部位を上向きに屈曲させる。
〈7〉これら可動ダイス2と上部パンチ6とキラーブロック7の三者のさらなる下降によって同屈曲操作が進行すると、ワークWの径方向中間部に下向き湾曲部Weが形成される。図10(a)には、十分に明確な下向き形状を得た段階における下向き湾曲部Weが例示されている。
〈8〉前記三者がさらに下降されると、先ず、図10(a)に示すように、下向き湾曲部Weの下端付近が補助パンチ部材5の傾斜面5aの上端付近と当接し、且つ、上部パンチ6の第2絞り面6cの一部がワークWの下向き湾曲部Weの内径側内面に当接した状態が得られる。
〈9〉引き続き前記三者がさらに下降されると、下向き湾曲部Weが補助パンチ部材5によって押し上げ操作される。この押し上げ操作では、下向き湾曲部Weは、補助パンチ部材5の傾斜面5aから径方向内側向きの成分を有する応力を受けるため、真上方向に押し上げられるのではなく、径方向内側寄りの成分を有する斜め上向きに塑性変形されながら押し上げられる。その結果、図10(a)に破線の矢印で示すように、ワークWの底部Waの中央部位が、主パンチ部材4と上部パンチ6の第2絞り面6cとの間隙を介して内径方向に主パンチ部材4の上面4aに沿うように送り込まれる。この送り込みは、上部パンチ6の第2絞り面6cと下向き湾曲部Weとの間に包囲された環状空間Sの縮小を伴い、これらの操作が並行して進行することで、ワークWの内周絞り加工が進められる。
〈10〉前記三者の下降操作がさらに進むと、下向き湾曲部Weと当接する補助パンチ部材5の位置が、次第に傾斜面5aに沿って下方及び径方向内側に移動しながら、遂に、図11(a)に示すように、上部パンチ6の第2絞り面6cと下向き湾曲部Weとの間に包囲された環状空間Sが略消失され、内周絞り加工が終了に近づく。尚、補助パンチ部材5の傾斜面5aと平坦面5bとの間には中間体Mの仕上げ形状に適合したR状のコーナー部5cが設けられている。
〈11〉図11(b)に示すように、内径方向に送り込まれたワークWの底部Waの中央部位が、主パンチ部材4の上面4aと上部パンチ6の中央部下面6eとの双方に密着されると、内周絞り加工が終了する。この時、図4に示すように、プレス機100のスライダ12の右方端部から下方に延びた被規制ブロック18もまた固定ベッド10の右方端部から上方に延びた規制ブロック19と当接することで、スライダ12の下降自体も規制される。
尚、内周絞り加工が終了する間際には、傾斜面5aに沿って径方向の外側から内側に向かって移動してきたワークWの下向き湾曲部Weは、傾斜面5aの下端、すなわち傾斜面5aと平坦面5bの境界付近まで達した時点で移動を中止する。以後、ワークWの下向き湾曲部Weは、傾斜面5aによる斜め上向きではなく、平坦面5bによる真上への押し上げを受けることとなる。また、主パンチ部材4の鉛直外周面と上部パンチ6の第2絞り面6cの鉛直内周面とによる案内も、この真上への押し上げを助ける。その結果、ワークWの内ボスの上端縁に、下部パンチのコーナー部よりも更に曲率半径の小さなR状断面が形成可能となる。
〈12〉外周絞り加工及び内周絞り加工が完了すると、スライダ12及び上部パンチ6を上方に逃がした後、駆動機構20によって補助パンチ部材5を主パンチ部材4及び可動ダイス2に対して上方に移動させる。これによって、外周絞り加工及び内周絞り加工を終えたワークW(中間体M)が、絞り成形装置1及び金型50から簡単に取り出される。
(後期プロセスのための設備と操作)
図1に説明するように、後期プロセスP2では、前期プロセスP1で得た中間体Mを、金型50とは別の金型(不図示)を設置したプレス機100を用いてドラム状製品D1に加工する。さらに、補足プロセスP3として、ドラム状製品D1にギヤ状の外歯を設け、補足プロセスP4では内歯を設け、補足プロセスP5で底部中央部に穴抜きを施すことで、最終製品D2とする。
〔別実施形態〕
〈1〉本発明による絞り成形装置は、外周絞りの加工を含まない絞り加工にも適用することができる。この場合の可動ダイスは、下部パンチ部と上方パンチとによる内ボスの絞り加工時にワークの外周部をクランプしておくクランプ機能のみを果たせばよい。したがって、可動ダイスの内面には絞り加工用の傾斜面を設けず、直線状の母線を備えた単純な円筒状とすればよい。尚、この実施形態の場合にもキラーブロックは有効に機能する。
〈2〉絞り加工完了後に補助パンチ部材を上方に移動させる駆動機構は必須ではない。この場合、必ずしも補助パンチ部材を主パンチ部材と別体として設ける必要はなく、下部パンチ部3を、概して円柱状の主パンチ部と、主パンチ部を外嵌するような概して円筒状の補助パンチ部とが一体的に形成された構成としてもよい。
〈3〉外周絞りの加工を含まない絞り加工にも適用する場合には、ダイスは必ずしも可動ダイスとする必要はなく、キラーブロックも不要であるが、この場合の内ボスの絞り加工は、ダイスが、ワークの外周部をクランプしつつ上方パンチに対して相対移動不能に支持された状態で行われるべきである。
〈4〉本発明による絞り成形装置は、当初から底部中央部に大径の貫通孔が形成されているワークを初期ワーク形状とし、この初期ワークに内ボスの絞り加工をする際にも適用できる。
ワークの加工の流れを示す説明図 絞り成形装置(絞り加工前)を示す一部破断正面図 絞り成形装置(外周絞り完了時)を示す一部破断正面図 絞り成形装置(内周絞り完了時)を示す一部破断正面図 絞り成形装置(ワーク取り出し時)を示す一部破断正面図 絞り成形装置(絞り加工前)の要部を示す説明図 絞り成形装置(外周絞り途中)の要部を示す説明図 絞り成形装置(外周絞り完了時)の要部を示す説明図 絞り成形装置(内周絞り準備期)の要部を示す説明図 絞り成形装置(内周絞り途中)の要部を示す説明図 絞り成形装置(内周絞り完了直前から完了時)の要部を示す説明図
符号の説明
D1 ドラム状製品
D2 最終製品
M 中間体
V 空間部
W ワーク
Wa 底部
Wb 側壁部
Wd 側壁上端面
We 下向き湾曲部
1 絞り成形装置
2 可動ダイス(ダイス)
2b 絞り面
3 下部パンチ部
4 主パンチ部材
5 補助パンチ部材
5a 傾斜面
6 上部パンチ
6d 支持端面
7 キラーブロック
10 固定ベッド
11 ボルスタ
12 スライダ
17 ダイス駆動装置
50 金型
100 プレス機

Claims (8)

  1. 有底筒状のワークの側壁外周面及び側壁下面に当接するダイスと、
    少なくともワークの側壁内周面及び底部内面に当接する上部パンチと、
    前記ダイス及び前記上部パンチに対して、プレス機の軸心に沿って相対移動操作可能な下部パンチ部と、を有し、
    前記下部パンチ部が、
    ワークの底部中央部位を上向きに屈曲させる主パンチ部と、
    前記屈曲によってワークの径方向中間部に形成された下向き湾曲部を押し上げることによって、ワークの底部中央部位を前記主パンチ部と前記上部パンチとの間隙を介して内径方向に送り込む補助パンチ部とを備えている絞り成形装置。
  2. 前記補助パンチ部が、径方向外側から径方向内側に向かって次第に下がる傾斜面を備えている請求項1に記載の絞り成形装置。
  3. 前記補助パンチ部が、前記傾斜面の下端から径方向内側に向かって水平に延びる平坦面を備えている請求項2に記載の絞り成形装置。
  4. 前記ダイスと前記上部パンチとの間に、前記屈曲に先立って、ワークの側壁外周面をクランプするクランプ部が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の絞り成形装置。
  5. 前記クランプ部が、前記屈曲に先立って、ワークの側壁外周面を内径側に向けて外周絞り加工すべく前記ダイスに形成された外周絞り面を含む請求項4に記載の絞り成形装置。
  6. 前記クランプ部が、前記ダイスによって外周絞り加工済みのワークの側壁上端面を上方から拘束すべく前記上部パンチに形成された下向き支持端面を含む請求項4または5に記載の絞り成形装置。
  7. 前記ダイスがプレス機の上下軸心と平行に移動操作可能な可動ダイスであり、
    前記外周絞り加工よりも以降の加工工程において、前記可動ダイスを前記上部パンチと一体的に下降させるキラーブロックが前記上部パンチと相対移動不能に設けられている請求項5または6に記載の絞り成形装置。
  8. ワークの加工完了後に前記補助パンチ部を前記主パンチ部に対して上方に移動させる駆動機構が設けられている請求項1から7のいずれか一項に記載の絞り成形装置。
JP2008191247A 2008-07-24 2008-07-24 絞り成形装置 Active JP5240510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008191247A JP5240510B2 (ja) 2008-07-24 2008-07-24 絞り成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008191247A JP5240510B2 (ja) 2008-07-24 2008-07-24 絞り成形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010023111A true JP2010023111A (ja) 2010-02-04
JP5240510B2 JP5240510B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=41729437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008191247A Active JP5240510B2 (ja) 2008-07-24 2008-07-24 絞り成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5240510B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014109263A1 (ja) * 2013-01-09 2014-07-17 新日鐵住金株式会社 プレス成形方法
JP2015033708A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 トーヨーエイテック株式会社 プレス成形金型、プレス成形方法、及びプレス成形装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04266429A (ja) * 1991-02-22 1992-09-22 F C C:Kk 二重筒体の製造方法
JPH09150223A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Aida Eng Ltd ボス付きカップ状部材の塑性加工方法
JP2001259750A (ja) * 2000-03-16 2001-09-25 Kojima Press Co Ltd 金属製品の成形方法及びそれに用いられる成形金型
JP2002113528A (ja) * 2000-10-10 2002-04-16 Toyota Motor Corp 絞り成形方法及びその装置
JP2003205321A (ja) * 2002-01-11 2003-07-22 Pacific Ind Co Ltd バーリング加工方法及びその金型

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04266429A (ja) * 1991-02-22 1992-09-22 F C C:Kk 二重筒体の製造方法
JPH09150223A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Aida Eng Ltd ボス付きカップ状部材の塑性加工方法
JP2001259750A (ja) * 2000-03-16 2001-09-25 Kojima Press Co Ltd 金属製品の成形方法及びそれに用いられる成形金型
JP2002113528A (ja) * 2000-10-10 2002-04-16 Toyota Motor Corp 絞り成形方法及びその装置
JP2003205321A (ja) * 2002-01-11 2003-07-22 Pacific Ind Co Ltd バーリング加工方法及びその金型

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014109263A1 (ja) * 2013-01-09 2014-07-17 新日鐵住金株式会社 プレス成形方法
US9505047B2 (en) 2013-01-09 2016-11-29 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Press-forming method
JP2015033708A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 トーヨーエイテック株式会社 プレス成形金型、プレス成形方法、及びプレス成形装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5240510B2 (ja) 2013-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102182154B1 (ko) 프레스 부품의 성형 방법, 프레스 부품의 제조 방법 및 프레스 부품의 성형용 금형
US10092940B2 (en) Method for forming a pressed component, method for manufacturing a pressed component, and die apparatus for forming a pressed component
JP5610062B2 (ja) 歯形部品の製造方法、歯形部品の製造装置、および歯形部品
WO2013161490A1 (ja) プレス部品の成形方法、プレス部品の製造方法およびプレス部品の成形用金型
WO2007032434A1 (ja) アンダカット部を有する成形品の製造方法及びその鍛造成形装置並びに中間成形体
JP5869746B2 (ja) バーリング加工方法及び金型
US9669448B2 (en) Tool and method for producing stamped parts
JP2006305599A (ja) 傘歯車の鍛造成形方法及び装置
CN109689243B (zh) 用于生产成型的、尤其具有凸缘的板构件的方法和装置
JP5561323B2 (ja) ワーク成形方法及びワーク成形装置
JP5240510B2 (ja) 絞り成形装置
JP5234621B2 (ja) 金属板の絞り加工方法
JP4886541B2 (ja) アンダカット部を有する成形品の鍛造成形方法及び装置
WO2014181751A1 (ja) ボス付き円筒容器の成形方法
JP2018144606A (ja) ヘッドレストステーの製造方法
JP5380847B2 (ja) ワーク成形方法及びワーク成形装置
US20090229432A1 (en) Punching method using punch and punch for punching
JP3671760B2 (ja) リング部材の成形方法およびプレス機
JP5234622B2 (ja) 金属板の張出し加工方法
JP2004322104A (ja) 絞り成形金型および絞り成形方法
JP2006305600A (ja) 傘歯車の鍛造成形方法及び装置
US10478886B2 (en) Stamping method and stamping apparatus
JP2001276950A (ja) 鍛造装置
JP2022107452A (ja) プレス絞り加工方法
JP2019502557A (ja) 歯部を成形により製造する方法、並びに歯部入口及び/又は歯部出口を校正する工具装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130320

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5240510

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3