以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態1におけるMEMSについて図面を参照しながら説明する。本実施の形態1では、MEMSの一例として、加速度センサを例に挙げて説明する。図1は、半導体チップCHP1に形成された加速度センサを構成する構造体を示す平面図である。図1に示すように、半導体チップCHP1には、固定部1が設けられており、この固定部1には、梁2が接続されている。そして、梁2は、加速度センサの錘となる可動部3と接続されている。つまり、固定部1と可動部3は弾性変形可能な梁2で接続されており、可動部3は、図1のx方向に変位できるようになっている。そして、可動部3を挟むように固定電極4が設けられている。このように構成された加速度センサの構造体は、シリコンなどの半導体材料から構成されている。したがって、互いに梁2を介して接続されている固定部1と可動部3とは電気的に接続されており、可動部3に印加される電位は、固定部1に形成されている端子1aから供給されるように構成されている。一方、固定電極4にも固定電極4に接続されている端子4aから電位が供給されるようになっている。
図2は、図1のA−A線で切断した断面図である。図2に示すように、半導体チップCHPは、基板層S上に埋め込み絶縁層5が形成され、この埋め込み絶縁層5上に形成されたシリコン層とを有している。つまり、本実施の形態1では、加速度センサを構成する半導体チップCHPは、基板層Sと埋め込み絶縁層5とシリコン層とを備えるSOI(Silicon On Insulator)基板から構成されている。そして、図2では図示されていない固定部1および梁2と、図2に示されている可動部3および固定電極4はSOI基板のシリコン層を加工して形成されている。例えば、図2では、固定電極4は埋め込み絶縁層5上に形成されており固定されていることがわかる。この構成は、図2に示されていない固定部1も同様である。一方、可動部3もシリコン層から形成されているが、可動部3の下層に形成されている埋め込み絶縁層5は除去されている。同様に、図2に示されていない梁2の下層に形成されている埋め込み絶縁層5も除去されている。したがって、可動部3は、空洞の中に配置され、かつ、梁2によって支持されていることになる。このことから、可動部3は変位可能なように形成されていることになる。
本実施の形態1におけるMEMS(加速度センサ)は上記のように構成されており、以下に、その動作について説明する。まず、図1に示すように、加速度センサが静止した状態に置かれているとする。このとき、可動部3と固定電極4とは一定間隔だけ離れて配置されており、かつ、両方とも半導体材料(導電材料)から構成されていることから、容量素子を形成していることになる。すなわち、可動部3を一方の電極とし、固定電極4をもう一方の電極とする容量素子が形成されている。
この状態で、例えば、図1のx方向に加速度が発生すると、この加速度の影響を受けて可動部3がx方向に変位する。一方、固定電極4は固定されていることから変位することはない。したがって、可動部3と固定電極4との間の距離が変化する。可動部3と固定電極4との間の距離が変化するということは、可動部3と固定電極4から構成される容量素子の電気容量(静電容量)が変化することになる。この構造が図3に示す検出用容量部6を構成することになる。つまり、検出用容量部6は、可動部3と固定電極4からなる容量素子で形成されていることになる。
この容量素子の容量変化は加速度に対応した量であり、検出用容量部6で検出された容量変化は、容量電圧変換部7で電圧信号に変換される。その後、容量電圧変換部7で変換された電圧信号は、信号処理部8で信号処理され最終的に加速度信号として外部に出力される。このように構成されている加速度センサにより、加速度信号を検出することができる。
例えば、上述した加速度センサでは、MEMS構造体(検出用容量部6を含む)と容量電圧変換部7、信号処理部8をすべて1つの半導体チップに形成することも可能であるが、通常、MEMS構造体を形成する第1半導体チップと、集積回路を形成する第2半導体チップに分けて形成される。したがって、加速度センサとしては、MEMS構造体を形成する第1半導体チップと集積回路を形成する第2半導体チップとを1つのパッケージに実装することが行なわれている。以下では、例えば、加速度センサなどのMEMSの実装構成の一例について説明する。
図4は、本実施の形態1におけるMEMSの実装構成を示す上面図である。図4において、実際には外枠体10を覆うキャップが設けられているが、キャップの図示を省略している。図4において、外枠体10の内部には、外枠体10よりも小さなサイズの半導体チップCHP2が配置されており、この矩形形状をした半導体チップCHP2上に、半導体チップCHP2よりも小さく、矩形形状をした半導体チップCHP1が搭載されている。そして、半導体チップCHP1上には弾性支持部13が形成されており、この弾性支持部13によって半導体チップCHP1と図示しないキャップとが接続されるように構成されている。
半導体チップCHP1の内部にはMEMS構造体が形成されている。例えば、MEMS構造体としては、図1や図2に示す加速度センサの固定部1、梁2、可動部3および固定電極4などがある。この半導体チップCHP1には、例えば、上述したMEMS構造体(検出用容量部6)のほかに、例えば、MISFETなどの半導体素子が形成されており、これらの半導体素子を使用することにより容量電圧変換部7が形成されている。つまり、半導体チップCHP1には、例えば、MEMS構造体や容量電圧変換部7が形成されているが、MEMS構造体だけを形成している場合もある。このように構成されている半導体チップCHP1の表面には、MEMS構造体への入出力信号を取り出す複数のパッドPD1が形成されている。
次に、半導体チップCHP2の内部には、複数のMISFETなどの半導体素子からなる集積回路が形成されている。この集積回路によって、半導体チップCHP2には、図3に示す信号処理部8が形成されている。そして、半導体チップCHP2においても、内部に形成された集積回路からの入出力信号を取り出す複数のパッドPD2およびパッドPD3が形成されている。
さらに、半導体チップCHP1や半導体チップCHP2を内部に配置する外枠体10にはパッドPD4が形成されている。図4には示していないが、このパッドPD4を介して外枠体10の外部へ配線が引き出されている。そして、半導体チップCHP1に形成されているパッドPD1と半導体チップCHP2に形成されているパッドPD2とはワイヤW1により電気的に接続される。さらに、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4とはワイヤW2により電気的に接続されている。
以上の構成により、半導体チップCHP1に形成されているMEMS構造体と容量電圧変換部7の入出力信号が半導体チップCHP2に形成されている信号処理部8に伝達され、信号処理部8に伝達された入出力信号が外枠体10に形成されたパッドPD4を介して、外枠体10の外部に引き出されるようになっている。このようにして、外枠体10の内部にMEMS(例えば、加速度センサ)を構成する半導体チップCHP1および半導体チップCHP2を実装し、かつ、MEMSからの入出力信号を外枠体10から外部へ取り出すことができるようになっている。
続いて、図5は、図4のA−A線で切断した断面図である。図5に示すように、外枠体10の底部に存在する台座部の表面に第2電極E2が形成されており、この第2電極E2と電気的に接続する配線L2が外枠体10の内部を貫通して外枠体10の外部に引き出されている。この外枠体10の底部である台座部から一定距離だけ離れた上空に半導体チップCHP2が宙吊りされている。この半導体チップCHP2の裏面(外枠体10の底部と相対する面)に電極E1が形成されている。この電極E1は、半導体チップCHP2の裏面に形成されている配線L1で電気的に接続されている。半導体チップCHP2の裏面に形成されている電極E1と、外枠体10の底部に形成されている電極E2とは、一定距離だけ離間しているが、互いに相対するように配置されている。そして、電極E1と電極E2の表面には支持部11が形成されている。この支持部11は、例えば、半田材料から形成されている。半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3は、外枠体10に形成されているパッドPD4とワイヤW2で電気的に接続されており、パッドPD4は、外枠体10の内部を通過する配線によって外部へ引き出されている。
半導体チップCHP2上には、接着材12を介して半導体チップCHP1が搭載されている。この半導体チップCHP1の表面(上面)には、パッドPD1が形成されており、このパッドPD1と、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD2がワイヤW1で電気的に接続されている。そして、半導体チップCHP1の上面と外枠体10を封止するキャップ14とは弾性支持部13により接続されている。弾性支持部13を構成する弾性支持部材は、支持部11を構成する支持部材よりも柔らかい材料から構成されている。例えば、弾性支持部13は、シリコンゲルから構成されている。このように、本実施の形態1では、外枠体10の内部に配置される半導体チップCHP1は、半導体チップCHP1の上面とキャップとの間に設けられている弾性支持部13で接続され、この半導体チップCHP1の下面(裏面)に接着材を介して半導体チップCHP2が搭載されている。つまり、半導体チップCHP2とこの半導体チップCHP2上に配置された半導体チップCHP1は、半導体チップCHP1とキャップ14とを接続する弾性支持部13により宙吊りにされている。このことは、本実施の形態1におけるMEMSの実装構成では、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1は、柔らかい弾性支持部13だけで支持されていることを意味する。したがって、外枠体10の外部で発生する振動外乱は、外枠体10と接触している弾性支持部13を介してだけ、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される。この場合、弾性支持部13は、例えば、シリコンゲルなどの柔らかい材料から構成されているので、外部からの振動外乱を吸収する効果が得られる。つまり、外枠体10の外部からの振動外乱は、半導体チップCHP1に伝達する前に、柔らかい弾性支持部13により吸収されるのである。この結果、本実施の形態1におけるMEMSの実装構成によれば、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される振動外乱を低減することができ、MEMSの検出感度を向上することができるのである。
次に、本実施の形態1のMEMSの実装構成における主要構成要素について、さらに詳しく説明する。図6は、外枠体10の底部(台座部)に形成されている電極E2の断面を拡大して示す図である。図6に示すように、外枠体10の底部に形成されている電極E2には、配線L2が接続されている。この配線L2は図5に示すように、外枠体10の底面を通って引き出されている。図7は、電極E2の平面構成を示す図である。図7に示すように、電極E2は一直線に配置されているのではなく、左右に蛇行するように形成されている。このように構成されている電極E2は、例えば、金膜や銅膜から形成されている。
続いて、半導体チップCHP2の裏面(外枠体10の底面と相対する面)に形成されている電極E1の構成について説明する。図8は、半導体チップCHP2の裏面を示す平面図である。図8に示すように、半導体チップCHP2の裏面には、複数の電極E1が形成されている。図8では、矩形形状の電極E1が同一直線状にない3箇所に形成されている。これら3箇所の電極E1は互いに、半導体チップCHP2の裏面に形成されている配線L1で接続されている。したがって、3箇所の電極E1は配線L1によって電気的に接続されていることになる。そして、各電極E1上には支持部11が形成されている。この支持部11は、例えば、半田材料から構成されている。
図9は、図8のA−A線で切断した断面図である。図9に示すように、半導体チップCHP2の裏面(下面)には、複数の電極E1が形成されており、これらの電極E1が配線L1で接続されていることがわかる。電極E1や配線L1は、例えば、銅膜や金膜から形成されている。電極E1上には支持部11が形成されていることがわかる。
半導体チップCHP2の内部には、図示しないが、集積回路を構成する半導体素子(MISFETなど)が形成されている。この半導体素子と接続する配線が半導体チップCHP2に形成されており、半導体チップCHP2の表面(上面)に半導体素子と配線を介して接続するパッドPD2(パッドPD3)が形成されている。
次に、半導体チップCHP2上に搭載されている半導体チップCHP1の主要構成について説明する。図10は、半導体チップCHP1の上面(表面)から見た平面図である。図10に示すように、半導体チップCHP1の上面には、複数のビアVと複数のパッドPD1が形成されており、各ビアVと各パッドPD1とは、それぞれ、配線Lで接続されている。図11は、図10のA−A線で切断した断面図である。図11に示すように、半導体チップCHP1は、基板層15と基板層15上に形成されて埋め込み絶縁層16と埋め込み絶縁層16上に形成されたシリコン層17を有している。この基板層15と埋め込み絶縁層16とシリコン層17によりSOI基板が構成されている。このSOI基板を構成するシリコン層17上にはキャップ層20が形成されている。SOI基板にはMEMS構造体が形成されており、例えば、埋め込み絶縁層16とシリコン層17を除去して形成された空洞部18の内部にシリコン層17を加工して形成された可動部19が形成されている。このMEMS構造体の可動部19は、例えば、MEMSが図1に示す加速度センサとすると、図1の可動部3に該当する。そして、図11に示す固定部19aは、図1に示す加速度センサでいえば固定部1に対応する。この固定部1にはビアVが接続されており、このビアVは配線Lを介してキャップ層20上に形成されたパッドPD1に接続されている。以上のように半導体チップCHP1には、例えば、加速度センサなどのMEMSを構成するMEMS構造体が形成されている。
本実施の形態1におけるMEMSの実装構成は上記のようになっており、以下では、本発明の特徴であるMEMSの実装方法について図面を参照しながら説明する。
まず、外枠体10、半導体チップCHP2および半導体チップCHP1を用意する。具体的には、図11に示す空洞部18とこの空洞部18内に設けられた変位可能な可動体19とを含むMEMS構造体を形成した半導体チップCHP1を用意する。そして、図8および図9に示すような半導体チップCHP1に形成されているMEMS構造体からの出力を電気信号として処理する集積回路を形成し、かつ、半導体チップCHP1よりも平面形状が大きな半導体チップCHP2を用意する。さらに、図12に示すような、凹形状をし、かつ、上部が開口している外枠体10を用意する。
続いて、図12に示すように、外枠体10の台座部に半導体チップCHP2を配置する。具体的には、半導体チップCHP2を真空チャックにより保持しながら、半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。このとき、半導体チップCHP2の裏面には、電極E1が形成されており、この電極E1上に支持部11が形成されている。例えば、半田材料からなる支持部11を電極E1上に形成するには、例えば、半田印刷法や半田ボールや半田柱の搭載によって実施することができる。一方、外枠体10の台座部には、電極E2が形成されている。半導体チップCHP2に形成されている電極E1と外枠体10の台座部に形成されている電極E2が相対するように半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。つまり、半導体チップCHP2に形成されている電極E1と外枠体10に形成されている電極E2が支持部11を介して接触するように位置合わせを行なって半導体チップCHP2を外枠体10の台座部上に配置する。半導体チップCHP2の裏面には、例えば、同一直線状にない3箇所に電極E1が形成されており、この電極E1上に支持部11が形成されている。したがって、半導体チップCHP2は、同一直線状にない3箇所によって支持されることになるので、安定した状態で半導体チップCHP2を外枠体10の台座部上に配置することができる。
そして、図13に示すように、外枠体10の底部を加熱することにより、支持部11を溶融させて半導体チップCHP2に形成されている電極E1と外枠体10に形成されている電極E2との接続を確実に行なう。すなわち、外枠体10の底部を加熱することにより、支持部11が加熱されるので、支持部11は溶融して液体化する。この液体化した支持部11は表面張力により電極E2と支持部11との接触が広がるので、支持部11と電極E2との接続を確実にすることができる。
以下では、この工程の詳細について説明する。図14は、半導体チップCHP2を外枠体10上に配置した状態を示している。この状態では、電極E1に形成されている半球状の支持部11が電極E2上に接触していることになる。図15は、電極E2と支持部11が接触する領域を示す図である。図15に示すように、電極E2上の接点11aで電極E2と支持部11が接触することになる。つまり、半導体チップCHP2を外枠体10の台座部上に搭載しただけでは、外枠体10に形成されている電極E2と支持部11との接触は接触面積の少ない点接触となっている。この状態では、電極E2上に支持部11が物理的に接触しているだけであり、電極E2と支持部11は確実に結合するという状態にまではいたっていない。したがって、この状態では、半導体チップCHP2と外枠体10の接続は不安定なものとなっている。
そこで、本実施の形態1では、半導体チップCHP2と外枠体10との接続を確実なものとするために、外枠体10の底部に対して熱処理を施す。図16は、半導体チップCHP2を外枠体10の台座部上に配置した後、熱処理を施した状態を示している。図16に示すように、この熱処理によって、外枠体10の底部に加えられた熱は、電極E2を介して支持部11に伝達される。このため、支持部11は加熱される。この結果、例えば、半田材料からなる支持部11は溶融して液体化する。この液体化した支持部11は、表面張力によって電極E2との接触面積が大きくなるように変形する。つまり、図16に示すように、支持部11は半球状の形状から、電極E1や電極E2と接触する支持部11の端部の径が支持部11に中央部の径よりも大きくなる形状に変化する。この支持部11の形状の変化により、電極E2と支持部11との接触面積が大きくなる。
図17は、熱処理後の電極E2と支持部11が接触する領域を示す図である。図17に示すように、電極E2と支持部11が接触する接触領域11bの面積が大きくなっていることがわかる。つまり、図15と図17を比較するとわかるように、電極E2と支持部11との接触が点接触から面接触へ変化していることがわかる。したがって、熱処理によって、電極E2と支持部11との接続が確実に行なわれ、半導体チップCHP2が外枠体10にしっかり固定されることになる。
ここで、熱処理によって電極E2と支持部11の接続が確実なものとなるが、実際に熱処理を施して支持部11が溶融することにより、電極E2と支持部11に接触面積が大きくなることを検証できることが望ましい。つまり、どの程度の熱処理を施せば、実際に電極E2と支持部11との接触面積が大きくなるのかを検証できることが望ましい。そこで、本実施の形態1では、熱処理を施して支持部11と電極E2との接触面積が大きくなることを検証する手段を有している。この検証手段について説明する。まず、例えば、図12に示すように、外枠体10には電極E2が形成されており、この電極E2には配線L2が接続され、配線L2は外枠体10の外部へ引き出されている。さらに、図8および図9に示すように、半導体チップCHP2に形成されている電極E1は、配線L1によって互いに接続されている。したがって、半導体チップCHP2と外枠体10に配置すると、電極E1と電極E2が支持部11を介して接続されることになる。このとき、例えば、図13に示すように、左側の配線L2、左側の電極E2、左側の支持部11、左側の電極E1、配線L1、右側の電極E1、右側の支持部11、右側の電極E2、右側の配線L2からなる閉ループ回路が形成される。この閉ループ回路において、支持部11と電極E2との接触抵抗を測定することにより、支持部11と電極E2との接触状態を確認することができるのである。つまり、図15に示すように、熱処理を施す前、電極E2と支持部11とは点接触しているので、電極E2と支持部11との間の接触抵抗は大きくなる。これに対し、図17に示すように、熱処理を施した後、電極E2と支持部11とは面接触することになるので、電極E2と支持部11との間の接触抵抗は小さくなる。したがって、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定すれば、電極E2と支持部11との接触状態を確認することできるのである。
図18は、電極E2と支持部11との接触状態を検証するためのフローチャートである。例えば、図18に示すように、まず、半導体チップCHP2を外枠体10上に配置した後、外枠体10の底部を加熱する。その後、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定する(S101)。次に、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定した値が、半導体チップCHP2を外枠体10上に配置して熱処理を施していない初期状態の抵抗値(結合時の抵抗値)よりも小さくなるかを比較する(S102)。このとき、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっていない場合には、熱処理を継続し、かつ、外枠体10を加熱するヒータに流す電流値を増加させて加熱温度を上昇させる(S103)。一方、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっている場合には、熱処理を終了する(S104)。以上の検証手段により、電極E2と支持部11との間の接続状態を確認することができる。このように本実施の形態1では、半導体チップCHP2と外枠体10の台座部に配置する際、半導体チップCHP2に形成されている電極E1と外枠体10に形成されている電極E2とを支持部11で接続するように構成することで、電極E2と支持部11とを確実に接続することができるとともに、電極E2と支持部11との接触状態を確認する検証手段も備えることができるのである。具体的には、電極E1および電極E2を支持部11との濡れ性が良好な材料を使用することで、熱処理による支持部11の溶融後に、例えば、電極E2と支持部11との接触面積を大きくすることができる。これにより、電極E2と支持部11の接続が確実なものとなり、半導体チップCHP2を安定して外枠体10に固定することができる。さらに、電極E2を左右に蛇行する形状にすることで、溶融前の半球状の支持部11との接触領域を点接触とする一方、溶融後の支持部11との接触領域を充分大きくすることができるので、溶融前後での支持部11と電極E2との間接触抵抗の差異を大きくすることができる。この結果、上述した検証手段の信頼性を向上することができる。
続いて、図19に示すように、半導体チップCHP2の上面(表面)に接着材12を形成した後、この接着材12を介して半導体チップCHP2上に半導体チップCHP1を搭載する。具体的には、半導体チップCHP1を真空チャックで保持しながら、半導体チップCHP1を半導体チップCHP2上に配置する。
その後、図20に示すように、半導体チップCHP1の上面に形成されているパッドPD1と半導体チップCHP2の上面に形成されているパッドPD2とをワイヤW1で接続する。さらに、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4とをワイヤW2で接続する(ワイヤボンディング工程)。このとき、半導体チップCHP1や半導体チップCHP2がしっかり固定されていない場合には、ワイヤボンディングを充分に実施することができないが、本実施の形態1では、半導体チップCHP2と外枠体10が支持部11で確実に固定されているため、ワイヤボンディングの信頼性を向上することができる。つまり、本実施の形態1では、半導体チップCHP2と外枠体10とを支持部11で確実に固定しているが、この目的は、上述したワイヤボンディングを確実に実施するためのものである。なお、半導体チップCHP1と半導体チップCHP2とは接着材12を介して接続されているが、この接着材12は、ワイヤボンディングに支障がないように充分硬いものを選んでいる。
次に、図21に示すように、半導体チップCHP1の上面に、例えば、シリコンゲルからなる弾性支持部13を形成した後、この弾性支持部13と接触するようにキャップ14を外枠体10の上部に搭載する。そして、ベーク処理を施して弾性支持部13を硬化させることにより、半導体チップCHP1とキャップ14とを弾性支持部13で接続する。ここで、半導体チップCHP1に形成されているパッドPD1と半導体チップCHP2に形成されているパッドPD2とを接続するワイヤW1や、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4を接続するワイヤW2を弾性支持部13で覆うように構成してもよい。これにより、ワイヤW1やワイヤW2は弾性支持部13で固定されるため、外部の振動によるワイヤW1やワイヤW2の揺れを抑制することができる。このため、ワイヤW1間やワイヤW2間の容量変化を低減することができるので、安定した測定を実施することができ、MEMSの信頼性を向上することができる。
その後、キャップ14をシーム溶接などにより外枠体10に接合する。これにより、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2は外枠体10の内部で封止される。このとき、弾性支持部13は、例えば、シリコンゲルなどの柔らかい材料から構成されているので、外部からの振動外乱を吸収する効果が得られる。つまり、外枠体10の外部からの振動外乱は、半導体チップCHP1に伝達する前に、柔らかい弾性支持部13により吸収される。
一方、半導体チップCHP2と外枠体10とを接続する支持部11は、ワイヤボンディング工程では必要不可欠なものである。しかし、ワイヤボンディング工程後は、かえって問題を引き起こす元となる。すなわち、支持部11は、半導体チップCHP2と外枠体10とをしっかり固定するように構成されているが、このことは言い換えれば、外枠体10の外部からの振動外乱を伝達しやすいという性質をもっているということもできる。半導体チップCHP2にはMEMS構造体を形成した半導体チップCHP1が配置されているので、外枠体10の外部からの振動外乱は支持部11を介して半導体チップCHP2に伝わり、この半導体チップCHP2に伝わった振動外乱が半導体チップCHP1に伝達されてしまうことになる。半導体チップCHP1に振動外乱が伝達されると、可動体が誤動作してMEMSの検出精度が低下するおそれがある。したがって、ワイヤボンディング工程を実施した後は、半導体チップCHP2と外枠体10とをしっかり接続している支持部11を切り離すことが望ましい。そこで、本実施の形態1では、ワイヤボンディング工程を実施した後、電極E1と電極E2とを接続する支持部11を切り離す工程を実施している。以下では、この工程について説明する。
図22は、ワイヤボンディング工程を実施した後、半導体チップCHP2と外枠体10とを接続している様子を示す図である。図22に示すように、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4がワイヤW2で接続されている。このとき、半導体チップCHP2に形成されている電極E1と、外枠体10に形成されている電極E2は、支持部11でしっかり接続されている。つまり、支持部11と電極E2との接触面積は大きくなっており、電極E2と支持部11とは、確実に接続している。
続いて、図23は、図22に示す状態の外枠体10の底部をさらに加熱する様子を示している。図23に示すように、電極E1や電極E2は支持部11と濡れ性が良好な部材から構成されているので、さらに、支持部11の加熱が行なわれると、この加熱処理により支持部11は再び溶融して液体化する。液体化した支持部11は、表面張力により濡れ性の良好な電極E1側と電極E2側に引っ張られる。このように液体化した支持部11が電極E1側と電極E2側の両方から引っ張られる結果、電極E1と電極E2の間で分離する。これにより、電極E1と電極E2は物理的に分離される。このとき、半導体チップCHP1とキャップ14とを接続している弾性支持部13による収縮力(半導体チップCHP1をキャップ14側の上方に引き上げる力)により、支持部11の分離を加速することができる。
なお、半導体チップCHP2の底面と外枠体10の台座部との間の距離(詳しくいえば、支持部11が形成された電極E1と支持部11が形成された電極E2との間の距離)hが、半導体チップCHP1と半導体チップCHP2とを合わせた重さをm、半導体チップCHP1の表面に垂直な方向の弾性支持部13のばね定数をkz、外部から作用する振動外乱の最大許容加速度(正常動作を維持するために許容される加速度の最大値)をAmaxとした場合、h>(m/kz)・Amaxを満足していることが望ましい。このように半導体チップCHP2の底面と外枠体10の台座部との間の距離を設定することにより、最大許容加速度Amaxが印加されても、半導体チップCHP2と外枠体10がぶつかることなく、MEMSとしての機能を維持することができる。上述した関係は、半導体チップCHP2の底面と外枠体10の台座部との間の距離だけでなく、半導体チップCHP2の側面と外枠体10の間などの間隔を設定する際にも適用できる。
電極E1と電極E2とを接続している支持部11を分離することは、上述した閉ループ回路で、電極E1と電極E2間の接触抵抗を測定することにより確認することができる。つまり、図22に示すように、さらなる熱処理を施す前、電極E2と支持部11とは面接触しているので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は小さくなる。これに対し、図23に示すように、さらなる熱処理を施した後、電極E2と電極E1とを接続している支持部11が分離して電極E1と電極E2が切り離されることになるので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は無限大となる。したがって、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定すれば、電極E2と電極E1との接触状態を確認することできるのである。
図24は、電極E2と電極E1との接触状態を検証するためのフローチャートである。例えば、図24に示すように、まず、ワイヤボンディング工程を実施し、外枠体10をキャップ14で封止した後、外枠体10の底部を加熱する。その後、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定する(S201)。次に、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定した値が、無限大になるかを判定する(S202)。このとき、測定した抵抗値が無限大よりも小さい場合には、熱処理を継続し、かつ、外枠体10を加熱するヒータに流す電流値を増加させて加熱温度を上昇させる(S203)。一方、測定した抵抗値が無限大となっている場合には、熱処理を終了する(S204)。以上の検証手段により、電極E2と電極E1との間の接続状態を確認することができる。
以上の工程を経ることにより、図5に示すようなMEMSの実装構成を得ることができる。本実施の形態1では、外枠体10の内部に配置される半導体チップCHP1は、半導体チップCHP1の上面とキャップとの間に設けられている弾性支持部13で接続され、この半導体チップCHP1の下面(裏面)に接着材を介して半導体チップCHP2が搭載されている。そして、半導体チップCHP2と外枠体10とを接続していた支持部11は切り離されている。つまり、半導体チップCHP2とこの半導体チップCHP2上に配置された半導体チップCHP1は、半導体チップCHP1とキャップ14とを接続する弾性支持部13により宙吊りにされている。
つまり、電極E1および電極E2は支持部11に対して濡れ性の良い材料で構成されている。このため、支持部11を電極E1と電極E2間の抵抗値が無限大になるまで加熱すれば、支持部11は軟化して電気ヒューズのように切断される。その際、電極E1および電極E2に残った支持部11は表面張力により電極E1の表面や電極E2の表面を覆うように延びる。それによって、外枠体10と半導体チップCHP2は分離され、半導体チップCHP2は宙吊り構造となる。
このことは、本実施の形態1におけるMEMSの実装構成では、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1は、柔らかい弾性支持部13だけで支持されていることを意味する。したがって、外枠体10の外部で発生する振動外乱は、外枠体10と接触している弾性支持部13を介してだけ、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される。この場合、弾性支持部13は、例えば、シリコンゲルなどの柔らかい材料から構成されているので、外部からの振動外乱を吸収する効果が得られる。つまり、外枠体10の外部からの振動外乱は、半導体チップCHP1に伝達する前に、柔らかい弾性支持部13により吸収されるのである。この結果、本実施の形態1におけるMEMSの実装構成によれば、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される振動外乱を低減することができ、MEMSの検出感度を向上することができるのである。
本実施の形態1における技術的思想では、支持部11を熱により変形させることで、半導体チップCHP2と外枠体10の間を結合もしくは分離することを特徴としている。つまり、本実施の形態1では、支持部11を熱により変形させることで、半導体チップCHP2と外枠体10との結合・分離を制御しているので、支持部11を除去するためのエッチャントやガスなどを必要としない。このため、エッチャントやガスなどの出入り口も必要とせず、シリコンゲルなどからなる弾性支持部13も必ずスポット的に形成する必要もない。したがって、弾性支持部13の取り付け場所を自由に選択することができる。このことから、例えば、弾性支持部13のばね定数を設計する際には、弾性支持部13を半導体チップCHP1とキャップ14の間に全面的に充填させることで、外枠体10の形状(パッケージ形状)を特別に工夫しなくても弾性支持部13の横広がりによるばね定数誤差を低減することができる。
さらに、弾性支持部13を全面的に充填すれば、硬化時の伸縮量も均等になり、半導体チップCHP1の傾きや偏りを防ぐ効果も得られる。特に、弾性支持部13を半導体チップCHP1の上面に配置させる場合には、作業スペースが広いため歩留りと生産性が向上する。
本実施の形態1における技術的思想では、外枠体10を封止した後に支持部11を変形させて半導体チップCHP2と外枠体10の間を分離することを特徴としている。すなわち、外枠体10を封止した後に支持部11の分離処理を行うため、作業中のワイヤ倒れや、外枠体10の内部への異物(水分や埃)の混入がなく、クリーンルームなどの高度に管理された作業環境を必要としない。このため、高信頼で高歩留まり、かつ、低コストでのMEMSの生産を実現することができる。
さらに、本実施の形態1における技術的思想では、支持部11の結合・分離を検出する検出手段を備えている。すなわち、外枠体10側に形成されている電極E2と支持部11と半導体チップCHP2に形成されている電極E1との間の電気抵抗を測定することができる。したがって、この電気抵抗を測定することにより、半導体チップCHP2が外枠体10に結合されているのか、あるいは、分離されているのかを判断することができる。このため、半導体チップCHP2の確実な結合が可能となり、より高信頼のワイヤボンディングを実現することができる。同様に、半導体チップCHP2と外枠体10の間の分離も確認できるため、分離状態を確認するため、別途外枠体10に外部から加振させることで確認する必要がない。さらに、外枠体10を封止した状態でも確認ができるため、作業性が良く作業環境も自由に選べるため、低コストでMEMSを生産することができる。
本実施の形態1では、割と広い面積を持つ半導体チップCHP1の上面に弾性支持部13を形成している。このため、弾性支持部13を形成する際、高度の位置制御と量の制御を必要としないので、MEMSの高信頼性と作業の簡便性が得られ、低コストでMEMSを生産することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2におけるMEMSの実装構成について図面を参照しながら説明する。前記実施の形態1では、外枠体10の底部全体を加熱することにより、支持部11の接続・分離を行なっていたが、本実施の形態2では、外枠体10の底部全体ではなく、支持部11の近傍にマイクロヒータを設けて、支持部11だけを主に加熱する例について説明する。
図25は、本実施の形態2におけるMEMSの実装構成を示す上面図であり、前記実施の形態1におけるMEMSの実装構成を示す上面図(図4)と同様であるため、説明を省略する。次に、図26は、図25のA−A線で切断した断面図である。この図26は、図5とほぼ同様の構成をしているため、異なる構成について説明する。本実施の形態2の特徴は、外枠体10の底部において、電極E2の下部に局所加熱手段であるマイクロヒータH1が形成されている点である。マイクロヒータH1は、例えば、タングステン膜から形成されており、マイクロヒータH1上に配置されている支持部11を加熱することができるように構成されている。つまり、マイクロヒータH1によって、マイクロヒータH1上に配置されている電極E2を介して支持部11を加熱できるようになっている。
図27は、マイクロヒータH1の構成を示す断面図である。図27に示すように、外枠体10の底部には電極E2が形成されており、この電極E2は配線L2と接続されている。そして、この電極E2の下部に、電極E2と電気的に分離されているマイクロヒータH1が形成されており、このマイクロヒータH1は配線L3と接続されている。配線L3は外枠体10の外部まで引き出されており、外枠体10の外部からマイクロヒータH1を制御できるように構成されている。例えば、マイクロヒータH1は、タングステンからなる抵抗素子から構成されており、この抵抗素子に電流を流すことで生じるジュール熱を使用することにより、マイクロヒータH1として機能する。つまり、マイクロヒータH1は電気的な抵抗体として形成されており、電流を流すことで抵抗の温度が上昇する仕組みになっている。電流の供給はマイクロヒータH1と接続されている配線L3を介して外枠体10の外部から供給できるようになっている。
このように、本実施の形態2では、支持部11を加熱する手段としてマイクロヒータH1を備えているので、支持部11を加熱するために、外枠体10の底部全体を加熱する必要はなくなる。したがって、支持部11以外の部材に熱負荷がかかることを抑制できるため、MEMEの信頼性を向上することができるのである。
本実施の形態2におけるMEMSは上記のように実装構成されており、以下に、MEMSの実装方法について説明する。なお、前記実施の形態1と重複するところは省略する。
図28に示すように、外枠体10の台座部に半導体チップCHP2を配置する。具体的には、半導体チップCHP2を真空チャックにより保持しながら、半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。このとき、半導体チップCHP2の裏面には、電極E1が形成されており、この電極E1上に支持部11が形成されている。例えば、半田材料からなる支持部11を電極E1上に形成するには、例えば、半田印刷法や半田ボールや半田柱の搭載によって実施することができる。一方、外枠体10の台座部には、電極E2が形成されている。半導体チップCHP2に形成されている電極E1と外枠体10の台座部に形成されている電極E2が相対するように半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。このとき、外枠体10の底部において、電極E2の下部にはマイクロヒータH1が形成されている。
次に、半導体チップCHP2と外枠体10を結合する工程について説明する。図29は、半導体チップCHP2の電極E1を外枠体10の電極E2上に搭載した直後の状態を示しており、支持部11の形状は、初期の形状(半球状)のままである。この段階では、まだ半導体チップCHP2と外枠体10は物理的に接触されているだけであり、電極E1、電極E2と支持部11は結合状態となっていない。
この状態で、図30に示すように、電極E2の下部に電気的に分離された状態で形成されているマイクロヒータH1に電流を流す。これにより、マイクロヒータH1から発生したジュール熱が電極E2を介して支持部11に伝わる。この結果、支持部11は加熱して変形する。図30は、変形した状態の支持部11を示している。ここでは、真空チャックで半導体チップCHP2の高さ方向の位置を固定した状態で支持部11を加熱変形させている。しかし、必ずしもこのような方法である必要はなく、真空チャックをはずした状態で支持部11を加熱変形してもよい。
電極E1および電極E2は支持部11に対して濡れ性の良い材料として構成されているため、マイクロヒータH1により支持部11を加熱すれば、電極E1および電極E2に接触している支持部11は溶解して液体化する。この結果、液体化した支持部11は表面張力によって電極E1および電極E2を覆うように変形する。このため、支持部11と電極E2間あるいは支持部11と電極E1との間の接触状態は点接触から面接触となり、電極E1と電極E2間の電気抵抗は小さくなる。この抵抗値の変化をモニタし、マイクロヒータH1に流す電流値を制御することにより、電極E2と支持部11の結合工程の終点を確認することができる。電極E2と結合した後の支持部11は表面張力の働きにより、電極側(電極E2および電極E1)の径は太く、支持部の中央部の径は細い形状となる。
例えば、図18に示すように、まず、半導体チップCHP2を外枠体10上に配置した後、マイクロヒータH1に電流を流して支持部11を加熱する。その後、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定する(S101)。次に、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定した値が、初期状態の抵抗値(結合時の抵抗値)よりも小さくなるかを比較する(S102)。このとき、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっていない場合には、マイクロヒータH1に流す電流量を増加して加熱温度を上昇させて加熱処理を継続する(S103)。一方、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっている場合には、マイクロヒータH1に流す電流を停止して加熱処理を終了する(S104)。以上の検証手段により、マイクロヒータH1に流す電流値を制御しながら、電極E2と支持部11との間の接続状態を確認することができる。
続いて、図31に示すように、真空チャックを用いて、半導体チップCHP1を半導体チップCHP2上に乗せた後、接着剤12を介して半導体チップCHP1を半導体チップCHP2に固定する。ここで、接着剤12はワイヤボンディングに支障がないように充分硬いものを選んでいる。
その後、半導体チップCHP1のパッドPD1と半導体チップCHP2のパッドPD2とをワイヤW1で接続する。同様に、半導体チップCHP2のパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4とをワイヤW2で接続する。このとき、半導体チップCHP1や半導体チップCHP2がしっかリ固定されていない場合には、ワイヤボンディングを充分に実施することができないが、本実施の形態2では、半導体チップCHP2と外枠体10が支持部11で確実に固定されているため、ワイヤボンディングの信頼性を向上することができる。
次に、図32に示すように、半導体チップCHP1の上面に、例えば、シリコンゲルからなる弾性支持部13を形成した後、この弾性支持部13と接触するようにキャップ14を外枠体10の上部に搭載する。そして、ベーク処理を施して弾性支持部13を硬化させることにより、半導体チップCHP1とキャップ14とを弾性支持部13で接続する。
続いて、キャップ14をシーム溶接などにより外枠体10に接合する。これにより、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2は外枠体10の内部で封止される。このとき、弾性支持部13は、例えば、シリコンゲルなどの柔らかい材料から構成されているので、外部からの振動外乱を吸収する効果が得られる。つまり、外枠体10の外部からの振動外乱は、半導体チップCHP1に伝達する前に、柔らかい弾性支持部13により吸収される。
図33は、ワイヤボンディング工程を実施した後、半導体チップCHP2と外枠体10とを接続している様子を示す図である。図33に示すように、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4がワイヤW2で接続されている。このとき、半導体チップCHP2に形成されている電極E1と、外枠体10に形成されている電極E2は、支持部11でしっかり接続されている。つまり、支持部11と電極E2との接触面積は大きくなっており、電極E2と支持部11とは、確実に接続している。
続いて、図34は、図33に示す状態の外枠体10の底部をマイクロヒータH1によってさらに加熱する様子を示している。図34に示すように、電極E1や電極E2は支持部11と濡れ性が良好な部材から構成されているので、さらに、支持部11の加熱が行なわれると、この加熱処理により支持部11は再び溶融して液体化する。液体化した支持部11は、表面張力により濡れ性の良好な電極E1側と電極E2側に引っ張られる。このように液体化した支持部11が電極E1側と電極E2側の両方から引っ張られる結果、電極E1と電極E2の間で分離する。これにより、電極E1と電極E2は物理的に分離される。
電極E1と電極E2とを接続している支持部11を分離することは、上述した閉ループ回路で、電極E1と電極E2間の接触抵抗を測定することにより確認することができる。つまり、図33に示すように、さらなる熱処理を施す前、電極E2と支持部11とは面接触しているので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は小さくなる。これに対し、図34に示すように、さらなる熱処理を施した後、電極E2と電極E1とを接続している支持部11が分離して電極E1と電極E2が切り離されることになるので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は無限大となる。したがって、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定すれば、電極E2と電極E1との接触状態を確認することできるのである。
例えば、図24に示すように、まず、ワイヤボンディング工程を実施し、外枠体10をキャップ14で封止した後、マイクロヒータH1で支持部11を加熱する。その後、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定する(S201)。次に、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定した値が、無限大になるかを判定する(S202)。このとき、測定した抵抗値が無限大よりも小さい場合には、マイクロヒータH1による熱処理を継続し、かつ、マイクロヒータH1に流す電流値を増加させて加熱温度を上昇させる(S203)。一方、測定した抵抗値が無限大となっている場合には、マイクロヒータH1による熱処理を終了する(S204)。以上の検証手段により、マイクロヒータH1に流す電流を制御しながら、電極E2と電極E1との間の接続状態を確認することができる。
以上の工程を経ることにより、図26に示すようなMEMSの実装構成を得ることができる。本実施の形態2によれば、支持部11を外枠体10に形成されているマイクロヒータH1(局所加熱手段)で局所的に加熱変形させることにより、半導体チップCHP2と外枠体10間を結合もしくは分離することができる。このため、外枠体10の他の部材は熱の影響を殆ど受けず、弾性支持部13の熱変質もしくは変形を防げる効果が得られる。さらには、外枠体10を含めたMEMSの構成要素間の熱選択性も考慮しなくてもよい効果が得られる。
さらに、本実施の形態2では、ジュール熱を発生させることで加熱するマイクロヒータH1に流す電流値を制御することで発生する熱量もしくは温度を制御することができる。このとき、電極E1、支持部11および電極E2を含む閉ループ回路を用いて電極E1と電極E2間の抵抗値を測定し、この測定した抵抗値に基づいて、マイクロヒータH1に流す電流量を制御している。すなわち、支持部11を電極E2としっかり結合させるときには、電極E1と電極E2間の抵抗値がある一定値以下になるまでマイクロヒータH1による加熱処理を行ない、また、電極E1と電極E2間を物理的に分離するときには、電極E1と電極E2の間の抵抗値が無限大になるまでマイクロヒータH1に電流を流す制御を行っている。これにより、半導体チップCHP2と外枠体10(詳しくは、電極E1と電極E2)間の結合と分離を同じ局所加熱手段であるマイクロヒータH1で実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3におけるMEMSの実装構成について図面を参照しながら説明する。前記実施の形態2では、外枠体10の上部に配置されるキャップ14と半導体チップCHP1とを弾性支持部13で支持することにより宙吊り構造を実現する例について説明したが、本実施の形態3では、外枠体10の底部(台座部)と半導体チップCHP2とを弾性支持部13で支持する実装構成について説明する。
図35は、本実施の形態3におけるMEMSの実装構成を示す上面図であり、前記実施の形態2におけるMEMSの実装構成を示す上面図(図25)とほぼ同様である。前記実施の形態2と本実施の形態3の異なる点は、本実施の形態3では、半導体チップCHP1の上面に弾性支持部13が存在しない点である。次に、図36は、図35のA−A線で切断した断面図である。この図36は、図26とほぼ同様の構成をしているため、異なる構成について説明する。すなわち、図36においては、半導体チップCHP2と外枠体10の底部が弾性支持部13で接続されている。このように前記実施の形態2(図26)と本実施の形態3(図36)では、両方とも弾性支持部13で半導体チップCHP1と半導体チップCHP2の積層構造が外枠体10に接続されている点は共通する。だだし、前記実施の形態2(図26)では、半導体チップCHP1とキャップ14が弾性支持部13で接続されているのに対し、本実施の形態3(図36)では、半導体チップCHP2と外枠体10の底部が弾性支持部13で接続されている。本実施の形態3でも、半導体チップCHP2と半導体チップCHP1の積層構造は、弾性支持部13だけを介して外枠体10と接続されている。このことは、前記実施の形態2と同様に、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1が柔らかい弾性支持部13だけで支持されていることを意味する。したがって、外枠体10の外部で発生する振動外乱は、外枠体10と接触している弾性支持部13を介してだけ、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される。この場合、弾性支持部13は、例えば、シリコンゲルなどの柔らかい材料から構成されているので、外部からの振動外乱を吸収する効果が得られる。つまり、外枠体10の外部からの振動外乱は、半導体チップCHP1に伝達する前に、柔らかい弾性支持部13により吸収されるのである。この結果、本実施の形態3におけるMEMSの実装構成でも、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される振動外乱を低減することができ、MEMSの検出感度を向上することができる。
本実施の形態3におけるMEMSは上記のように実装構成されており、以下に、MEMSの実装方法について説明する。なお、前記実施の形態1と重複するところは省略する。
図37に示すように、外枠体10の台座部に半導体チップCHP2を配置する。具体的には、半導体チップCHP2を真空チャックにより保持しながら、半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。このとき、半導体チップCHP2の裏面には、電極E1が形成されており、この電極E1上に支持部11が形成されている。一方、外枠体10の台座部には、電極E2が形成されている。半導体チップCHP2に形成されている電極E1と外枠体10の台座部に形成されている電極E2が相対するように半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。このとき、外枠体10の底部において、電極E2の下部にはマイクロヒータH1が形成されている。
本実施の形態3において、図37に示すように、半導体チップCHP2の裏面には、電極E1および支持部13が外縁領域近傍に形成されているものの、半導体チップCHP2の裏面にある中央領域には広いスペースがある。一般的に、数〜数十mm角である半導体チップCHP2の裏面中央領域には直径数mmの領域が確保できる。このため、本実施の形態3では、外枠体10の底部(台座部)に弾性支持部13を構成するシリコンゲルなどの弾性支持部材を塗布している。
続いて、図38に示すように、外枠体10の底部(台座部)に塗布した弾性支持部13上に半導体チップCHP2を搭載し、その後、外枠体10の底部から弾性支持部13をベークすることにより、外枠体10と半導体チップCHP2とを接続する。このとき、半導体チップCHP2に形成されている電極E1と、外枠体10の底部に形成されている電極E2とは、支持部11で接触している。
この状態で、電極E2の下部に電気的に分離された状態で形成されているマイクロヒータH1に電流を流す。これにより、マイクロヒータH1から発生したジュール熱が電極E2を介して支持部11に伝わる。この結果、支持部11は加熱して変形する。図38は、変形した状態の支持部11を示している。ここでは、真空チャックで半導体チップCHP2の高さ方向の位置を固定した状態で支持部11を加熱変形させている。しかし、必ずしもこのような方法である必要はなく、真空チャックをはずした状態で支持部11を加熱変形してもよい。
電極E1および電極E2は支持部11に対して濡れ性の良い材料として構成されているため、マイクロヒータH1により支持部11を加熱すれば、電極E1および電極E2に接触している支持部11は溶解して液体化する。この結果、液体化した支持部11は表面張力によって電極E1および電極E2を覆うように変形する。このため、支持部11と電極E2間あるいは支持部11と電極E1との間の接触状態は点接触から面接触となり、電極E1と電極E2間の電気抵抗は小さくなる。この抵抗値の変化をモニタし、マイクロヒータH1に流す電流値を制御することにより、電極E2と支持部11の結合工程の終点を確認することができる。電極E2と結合した後の支持部11は表面張力の働きにより、電極側(電極E2および電極E1)の径は太く、支持部の中央部の径は細い形状となる。
例えば、図18に示すように、まず、半導体チップCHP2を外枠体10上に配置した後、マイクロヒータH1に電流を流して支持部11を加熱する。その後、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定する(S101)。次に、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定した値が、初期状態の抵抗値(結合時の抵抗値)よりも小さくなるかを比較する(S102)。このとき、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっていない場合には、マイクロヒータH1に流す電流量を増加して加熱温度を上昇させて加熱処理を継続する(S103)。一方、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっている場合には、マイクロヒータH1に流す電流を停止して加熱処理を終了する(S104)。以上の検証手段により、マイクロヒータH1に流す電流値を制御しながら、電極E2と支持部11との間の接続状態を確認することができる。
続いて、図39に示すように、真空チャックを用いて、半導体チップCHP1を半導体チップCHP2上に乗せた後、接着材12を介して半導体チップCHP1を半導体チップCHP2に固定する。ここで、接着材12はワイヤボンディングに支障がないように充分硬いものを選んでいる。
その後、半導体チップCHP1のパッドPD1と半導体チップCHP2のパッドPD2とをワイヤW1で接続する。同様に、半導体チップCHP2のパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4とをワイヤW2で接続する。このとき、半導体チップCHP1や半導体チップCHP2が柔らかい弾性支持部13だけで接続されてしっかリ固定されていない場合には、ワイヤボンディングを充分に実施することができないが、本実施の形態3では、半導体チップCHP2と外枠体10が支持部11で確実に固定されているため、ワイヤボンディングの信頼性を向上することができる。
次に、キャップ14を外枠体10の上部に搭載する。そして、キャップ14をシーム溶接などのより外枠体10に接合する。これにより、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2は外枠体10の内部で封止される。
続いて、外枠体10の底部をマイクロヒータH1によってさらに加熱する。このとき、電極E1や電極E2は支持部11と濡れ性が良好な部材から構成されているので、さらに、支持部11の加熱が行なわれると、この加熱処理により支持部11は再び溶融して液体化する。液体化した支持部11は、表面張力により濡れ性の良好な電極E1側と電極E2側に引っ張られる。このように液体化した支持部11が電極E1側と電極E2側の両方から引っ張られる結果、電極E1と電極E2の間で分離する。これにより、電極E1と電極E2は物理的に分離される。
電極E1と電極E2とを接続している支持部11を分離することは、上述した閉ループ回路で、電極E1と電極E2間の接触抵抗を測定することにより確認することができる。つまり、さらなる熱処理を施す前、電極E2と支持部11とは面接触しているので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は小さくなる。これに対して、さらなる熱処理を施した後、電極E2と電極E1とを接続している支持部11が分離して電極E1と電極E2が切り離されることになるので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は無限大となる。したがって、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定すれば、電極E2と電極E1との接触状態を確認することできるのである。
例えば、図24に示すように、まず、ワイヤボンディング工程を実施し、外枠体10をキャップ14で封止した後、マイクロヒータH1で支持部11を加熱する。その後、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定する(S201)。次に、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定した値が、無限大になるかを判定する(S202)。このとき、測定した抵抗値が無限大よりも小さい場合には、マイクロヒータH1による熱処理を継続し、かつ、マイクロヒータH1に流す電流値を増加させて加熱温度を上昇させる(S203)。一方、測定した抵抗値が無限大となっている場合には、マイクロヒータH1による熱処理を終了する(S204)。以上の検証手段により、マイクロヒータH1に流す電流を制御しながら、電極E2と電極E1との間の接続状態を確認することができる。
本実施の形態3では、生産効率を考慮し、外枠体10を封止した後に支持部11による固定を開放しているが、これに限らずワイヤボンディング工程後であればいつ解放しても良い。例えば、ワイヤボンディング工程を実施した後、外枠体10をキャップ14で封止する前に支持部11による固定を開放することもできる。この場合、封止していない状態で支持部11に熱処理を加えることになる。すなわち、この熱処理によって、外枠体10の内部にある構成要素からのOUTガスの放出が問題となる場合は、封止前に支持部11による固定を開放することもできる。例えば、MEMSが角速度センサなどの場合、基準振動を維持するため、MEMS構造体を形成した半導体チップCHP1を真空状態に近い状態で封止する必要がある。この場合、本実施の形態3におけるMEMSの実装方法によれば、外枠体10をキャップ14で封止する前に支持部11による固定を開放することができるので、角速度センサの実装に適しているといえる。つまり、外枠体10をキャップ14で封止する前に、支持部11を加熱するので、このときに発生するOUTガスは外枠体10の外へ排出される。このことから、支持部11を加熱することにより発生するOUTガスの影響を考えることなく、外枠体10を真空封止することができる。以上の工程を経ることにより、図36に示すようなMEMSの実装構成を得ることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4におけるMEMSの実装構成について図面を参照しながら説明する。前記実施の形態2では、外枠体10の上部に配置されるキャップ14と半導体チップCHP1とを弾性支持部13で支持することにより宙吊り構造を実現する例について説明したが、本実施の形態4では、外枠体10の側面と半導体チップCHP2の側面とを弾性支持部13で支持する実装構成について説明する。
図40は、本実施の形態4におけるMEMSの実装構成を示す上面図であり、前記実施の形態2におけるMEMSの実装構成を示す上面図(図25)とほぼ同様である。前記実施の形態2と本実施の形態4の異なる点は、本実施の形態4では、半導体チップCHP2の側面と外枠体10の側面に弾性支持部13が存在している点である。次に、図41は、図40のA−A線で切断した断面図である。この図41は、図26とほぼ同様の構成をしているため、異なる構成について説明する。すなわち、図41においては、半導体チップCHP2の側面と外枠体10の側面が弾性支持部13で接続されている。
本実施の形態4でも、半導体チップCHP2と半導体チップCHP1の積層構造は、弾性支持部13だけを介してだけ外枠体10と接続されている。このことは、前記実施の形態2と同様に、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1が柔らかい弾性支持部13だけで支持されていることを意味する。したがって、外枠体10の外部で発生する振動外乱は、外枠体10と接触している弾性支持部13を介してだけ、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される。この場合、弾性支持部13は、例えば、シリコンゲルなどの柔らかい材料から構成されているので、外部からの振動外乱を吸収する効果が得られる。つまり、外枠体10の外部からの振動外乱は、半導体チップCHP1に伝達する前に、柔らかい弾性支持部13により吸収されるのである。この結果、本実施の形態4におけるMEMSの実装構成でも、MEMS構造体が形成されている半導体チップCHP1に伝達される振動外乱を低減することができ、MEMSの検出感度を向上することができる。
本実施の形態4におけるMEMSは上記のように実装構成されており、以下に、MEMSの実装方法について説明する。なお、前記実施の形態1と重複するところは省略する。
図42に示すように、外枠体10の台座部に半導体チップCHP2を配置する。具体的には、半導体チップCHP2を真空チャックにより保持しながら、半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。このとき、半導体チップCHP2の裏面には、電極E1が形成されており、この電極E1上に支持部11が形成されている。一方、外枠体10の台座部には、電極E2が形成されている。半導体チップCHP2に形成されている電極E1と外枠体10の台座部に形成されている電極E2が相対するように半導体チップCHP2を外枠体10の台座部に配置する。このとき、外枠体10の底部において、電極E2の下部にはマイクロヒータH1が形成されている。
この状態で、電極E2の下部に電気的に分離された状態で形成されているマイクロヒータH1に電流を流す。これにより、マイクロヒータH1から発生したジュール熱が電極E2を介して支持部11に伝わる。この結果、支持部11は加熱して変形する。図42は、変形した状態の支持部11を示している。
電極E1および電極E2は支持部11に対して濡れ性の良い材料として構成されているため、マイクロヒータH1により支持部11を加熱すれば、電極E1および電極E2に接触している支持部11は溶解して液体化する。この結果、液体化した支持部11は表面張力によって電極E1および電極E2を覆うように変形する。このため、支持部11と電極E2間あるいは支持部11と電極E1との間の接触状態は点接触から面接触となり、電極E1と電極E2間の電気抵抗は小さくなる。この抵抗値の変化をモニタし、マイクロヒータH1に流す電流値を制御することにより、電極E2と支持部11の結合工程の終点を確認することができる。電極E2と結合した後の支持部11は表面張力の働きにより、電極側(電極E2および電極E1)の径は太く、支持部の中央部の径は細い形状となる。
例えば、図18に示すように、まず、半導体チップCHP2を外枠体10上に配置した後、マイクロヒータH1に電流を流して支持部11を加熱する。その後、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定する(S101)。次に、電極E2と支持部11との間の接触抵抗を測定した値が、初期状態の抵抗値(結合時の抵抗値)よりも小さくなるかを比較する(S102)。このとき、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっていない場合には、マイクロヒータH1に流す電流量を増加して加熱温度を上昇させて加熱処理を継続する(S103)。一方、測定した抵抗値が初期状態の抵抗値よりも小さくなっている場合には、マイクロヒータH1に流す電流を停止して加熱処理を終了する(S104)。以上の検証手段により、マイクロヒータH1に流す電流値を制御しながら、電極E2と支持部11との間の接続状態を確認することができる。
続いて、真空チャックを用いて、半導体チップCHP1を半導体チップCHP2上に乗せた後、接着材12を介して半導体チップCHP1を半導体チップCHP2に固定する。ここで、接着材12はワイヤボンディングに支障がないように充分硬いものを選んでいる。
そして、半導体チップCHP2の側面と外枠体10の側面との間の隙間に、例えば、シリコンゲルからなる弾性支持部材を充填し、その後、ベークなどの熱処理によって弾性支持部材を硬化させることにより、半導体チップCHP2の側面と外枠体10の側面の間を弾性支持部13で充填する。これにより、半導体チップCHP2と外枠体10とを弾性支持部13で接続することができる。
その後、図43に示すように、半導体チップCHP1のパッドPD1と半導体チップCHP2のパッドPD2とをワイヤW1で接続する。同様に、半導体チップCHP2のパッドPD3と外枠体10に形成されているパッドPD4とをワイヤW2で接続する。このとき、半導体チップCHP1や半導体チップCHP2が柔らかい弾性支持部13だけで接続されてしっかリ固定されていない場合には、ワイヤボンディングを充分に実施することができないが、本実施の形態4では、半導体チップCHP2と外枠体10が支持部11で確実に固定されているため、ワイヤボンディングの信頼性を向上することができる。
次に、キャップ14を外枠体10の上部に搭載する。そして、キャップ14をシーム溶接などのより外枠体10に接合する。これにより、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2は外枠体10の内部で封止される。
続いて、外枠体10の底部をマイクロヒータH1によってさらに加熱する。このとき、電極E1や電極E2は支持部11と濡れ性が良好な部材から構成されているので、さらに、支持部11の加熱が行なわれると、この加熱処理により支持部11は再び溶融して液体化する。液体化した支持部11は、表面張力により濡れ性の良好な電極E1側と電極E2側に引っ張られる。このように液体化した支持部11が電極E1側と電極E2側の両方から引っ張られる結果、電極E1と電極E2の間で分離する。これにより、電極E1と電極E2は物理的に分離される。
電極E1と電極E2とを接続している支持部11を分離することは、上述した閉ループ回路で、電極E1と電極E2間の接触抵抗を測定することにより確認することができる。つまり、さらなる熱処理を施す前、電極E2と支持部11とは面接触しているので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は小さくなる。これに対して、さらなる熱処理を施した後、電極E2と電極E1とを接続している支持部11が分離して電極E1と電極E2が切り離されることになるので、電極E2と電極E1との間の接触抵抗は無限大となる。したがって、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定すれば、電極E2と電極E1との接触状態を確認することできるのである。
例えば、図24に示すように、まず、ワイヤボンディング工程を実施し、外枠体10をキャップ14で封止した後、マイクロヒータH1で支持部11を加熱する。その後、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定する(S201)。次に、電極E2と電極E1との間の接触抵抗を測定した値が、無限大になるかを判定する(S202)。このとき、測定した抵抗値が無限大よりも小さい場合には、マイクロヒータH1による熱処理を継続し、かつ、マイクロヒータH1に流す電流値を増加させて加熱温度を上昇させる(S203)。一方、測定した抵抗値が無限大となっている場合には、マイクロヒータH1による熱処理を終了する(S204)。以上の検証手段により、マイクロヒータH1に流す電流を制御しながら、電極E2と電極E1との間の接続状態を確認することができる。以上の工程を経ることにより、図41に示すようなMEMSの実装構成を得ることができる。
本実施の形態4では、例えば、半導体チップCHP2の側面と外枠体10の側面が対向する全面に弾性支持部13を設けている。これにより、半導体チップCHP2の平面を構成するx方向(図示せず)およびy方向(図示せず)の特性を均一にすることができる。つまり、弾性支持部13を介した半導体チップCHP2(半導体チップCHP1も含む)と外枠体10で構成される系の固有振動数をx方向とy方向で均一にすることができる。このことは、x方向やy方向から伝達される振動外乱に対する遮蔽特性を均一にできることを意味し、MEMSの信頼性を向上することができるのである。ただし、半導体チップCHP2の側面と外枠体10の側面が対向する全面に弾性支持部13を設けず、例えば、部分的に点在するように弾性支持部13を配置してもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施の形態1〜4では、MEMS構造体を形成した半導体チップCHP1と、集積回路を形成した半導体チップCHP2を積層する実装構成について説明しているが、例えば、MEMS構造体と集積回路を1つの半導体チップCHP1に形成する場合にも、本発明の実装構成および実装方法を適用することができる。
さらに、前記実施の形態1〜4では、MEMSの例として加速度センサを挙げているが、これに限らず、本発明は、角速度センサ、振動子、マイクロミラーなどの可動部を備えるMEMSに幅広く適用することができる。