JP2010019351A - 断熱材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱材間及び断熱材の各部において断熱性能が一定で断熱性能が良好な断熱材を硬質ウレタンフォームの粉砕物から製造する方法を提供する。
【解決手段】硬質ウレタンフォームを粉砕機51で粉砕し、分粒用スクリーン55を通過した粉砕物を得る粉砕・第1分粒工程と、前記粉砕物を風力分離塔62へ搬送し、前記風力分離塔内に生じさせた上昇気流により上昇した小径粉砕物と、重力により前記分離塔62内の下方へ落下した大径粉砕物とに分粒し、それぞれの粉砕物を回収する第2分粒工程と、前記小径粉砕物と前記大径粉砕物を重量比25:75〜75:25で混合し、通気性材質からなる袋体内に充填して断熱材とする混合・袋体充填工程とにより、断熱材を製造する。
【選択図】図6
【解決手段】硬質ウレタンフォームを粉砕機51で粉砕し、分粒用スクリーン55を通過した粉砕物を得る粉砕・第1分粒工程と、前記粉砕物を風力分離塔62へ搬送し、前記風力分離塔内に生じさせた上昇気流により上昇した小径粉砕物と、重力により前記分離塔62内の下方へ落下した大径粉砕物とに分粒し、それぞれの粉砕物を回収する第2分粒工程と、前記小径粉砕物と前記大径粉砕物を重量比25:75〜75:25で混合し、通気性材質からなる袋体内に充填して断熱材とする混合・袋体充填工程とにより、断熱材を製造する。
【選択図】図6
Description
本発明は、硬質ウレタンフォームの粉砕物を用いた断熱材とその製造方法に関する。
近年、産業廃棄物の増加を防ぐためなどの理由から、硬質ウレタンフォームの廃棄物を断熱材として再利用する方法が提案されている。
従来、硬質ウレタンフォームの廃棄物から断熱材を製造する方法として、硬質ウレタンフォームの廃棄物を粉砕して得た粉砕物を、フィルム等の包装材間に挟んで偏平状に圧縮し、その状態で大気圧下、包装材を封止して断熱材とする方法が提案されている。
しかし、硬質ウレタンフォームの粉砕物をフィルム等の包装材間に挟んで、包装材を封止した断熱材は、断熱材間で断熱性能にバラツキがあるだけでなく、包装材内の部位によって断熱性にバラツキを生じる問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、断熱材間及び断熱材の各部における断熱性能のバラツキが少なく、かつ断熱性能が良好な断熱材を硬質ウレタンフォームの粉砕物から製造する方法の提供を目的とする。
断熱材に関する発明は、通気性材質からなる袋体に硬質ウレタンフォームの粉砕物が充填された断熱材において、前記袋体に充填された粉砕物は、粒径が1mm未満の範囲に分布している小径粉砕物と、粒径が1mm〜20mmの範囲に分布している大径粉砕物とを、重量比25:75〜75:25で混合したものからなることを特徴とする。
断熱材の製造方法に関する発明は、硬質ウレタンフォームを粉砕機で粉砕し、孔径が20mmの分粒用スクリーンを通過した粉砕物を得る粉砕・第1分粒工程と、前記粉砕物を風力分離塔へ搬送し、前記風力分離塔内の気流により前記風力分離塔の上部から回収した小径粉砕物と、重力により前記分離塔内の下方へ落下した大径粉砕物とに分粒する第2分粒工程と、前記小径粉砕物と前記大径粉砕物を重量比25:75〜75:25で混合し、通気性材質からなる袋体内に充填して断熱材とする混合・袋体充填工程とよりなることを特徴とする。
本発明の断熱材によれば、通気性の袋体内に充填した硬質ウレタンフォームの粉砕物を、粒径が1mm未満の範囲に分布している小径粉砕物と、粒径が1mm〜20mmの範囲に分布している大径粉砕物とを、重量比25:75〜75:25で混合したもので構成したため、袋体内の各部において小径の粉砕物と大径の粉砕物の割合が一定になり易く、断熱性能のバラツキを少なくすることができる。さらに、本発明の断熱材は、断熱材間においても、小径粉砕物と大径粉砕物の重量比が一定であり、かつ混合された状態で袋体に充填されているため断熱性能のバラツキを少なくすることができる。
また、硬質ウレタンフォームは、骨格となるウレタン樹脂の部分で比較的熱伝導率が高く、今井嘉夫著、高分子刊行会「ポリウレタンフォーム」によれば、0.1438kcal/mh℃≒0.165W/m・Kの熱伝導率である。一方、独立した気泡部分では熱伝導率が低くなっており、全体として熱伝導率の低いものとなっている。硬質ウレタンフォームの粉砕物において、小径の粉砕物は、骨格となるウレタン樹脂の部分が大径の粉砕物よりも多くなるため熱伝導率が高くなり、一方、大径の粉砕物は、独立した気泡部分が小径の粉砕物よりも多くなるため熱伝導率が低くなる。
したがって、図3に示す模式図のように、小径の粉砕物17のみを袋体に充填して断熱材を形成した場合には、粉砕物間の間隙が少なくなって空気の対流による熱伝導性を低下させることができる反面、比較的熱伝導率の高い小径の粉砕物17が密に存在することによって熱伝導性が増加するため、断熱性向上効果が得られない。一方、図4に示す模式図のように、大径の粉砕物15のみを袋体に充填して断熱材を形成した場合には、熱伝導率の低い大径の粉砕物15により熱伝導性を低下させることができる反面、粉砕物間の間隙が大きくなって空気の対流による熱伝導性が増大するため、断熱性向上効果が得られない。それに対して、本発明の断熱材は、熱伝導率の比較的高い小径の粉砕物17と熱伝導率の低い大径の粉砕物15が重量比25:75〜75:25で混合されて袋体内に収容されているため、図5に示す模式図のように、熱伝導率の低い大径の粉砕物15によって熱伝導率が低くなると共に、大径の粉砕物15間の間隙に小径の粉砕物17が位置することによって間隙が減少し、空気の対流による熱伝導性増加を抑えることができるため、断熱性を向上させることができる。
また、平成11年3月に改正告示された通称次世代省エネルギー基準の設計施工指針によると、断熱材を熱伝導率にしたがいA−1,A−2、B、C、D、Eの6種類に分類すると共に、分類された断熱材に対して施工地区毎に、かつ断熱材の使用部位に応じて断熱材の厚みを規定している。各分類の熱伝導率[W/(m・K)]は、A−1が0.052〜0.051、A−2が0.050〜0.046、Bが0.045〜0.041、Cが0.040〜0.035、Dが0.034〜0.029、Eが0.028以下であり、熱伝導率が小さい分類ほど、断熱材の厚みが薄くなっている。本発明では、前記小径粉砕物と前記大径粉砕物を重量比25:75〜75:25とすることにより、熱伝導率を0.034W/(m・K)以下とすることができ、硬質ウレタンフォームの粉砕物を使用した断熱材の分類をDにすることができ、上記設計施工指針を満たした断熱材の厚みを薄くすることができるため、コスト低減及び建築物におけるスペースの低減効果がある。
また、本発明の断熱材は、袋体内に収容された小径の粉砕物と大径の粉砕物が、粉砕によって形成された表面の凹凸や突起等によって互いに絡みつく等により、使用中の偏在を生じにくく、均一な断熱性能を維持することができる。
本発明の断熱材の製造方法によれば、孔径が20mmの分粒用スクリーンを通して分粒した硬質ウレタンフォームの粉砕物を気流(風力)で大径粉砕物と小径粉砕物に分粒し、前記小径粉砕物と大径粉砕物を重量比25:75〜75:25で混合して袋体内に充填して断熱材としているため、製造された断熱材は、袋体内の各部において小径の粉砕物と大径の粉砕物の割合が一定になり易く、断熱性能のバラツキを少なくすることができる。さらに、各断熱材は、小径粉砕物と大径粉砕物の重量比が一定とされ、かつ混合された状態で袋体に充填されているため各断熱材間における断熱性能のバラツキを少なくすることができる。
以下に、図面を用いて本発明の実施例を説明する。図1は本発明の製造方法で得られた断熱材の斜視図、図2は図1における2−2断面図である。
図1及び図2に示す断熱材10は、建築用の断熱材であり、建築物の間柱の間等に配設されて内壁と外壁間の断熱層、および屋根裏に配設される天井用もしくは屋根用断熱層として使用されるのに好適なものである。前記断熱材10は、硬質ウレタンフォームの粉砕物の混合物11が、通気性材質からなる袋体21に収容されたものであり、略直方体の角柱からなる。前記断熱材10の寸法は適宜決定されるが、本実施例では、幅LWが329mm、397.5mm、415mm、435mm、465mmの五種類、高さLHが114mmの一種類、厚さLTが75mm、136mm、156mmの三種類から適宜選択して採用される。
前記硬質ウレタンフォームの粉砕物の混合物11は、後述の製造方法によって分粒された小径粉砕物17と大径粉砕物15を、重量比25:75〜75:25で混合したものからなり、最も好ましい重量比は50:50である。前記硬質ウレタンフォームの粉砕物は、現場発泡により建築物の隙間を埋めて形成された硬質ウレタンフォームや、断熱材等として板状に形成された硬質ウレタンフォームなどの使用済みのものを粉砕したものであり、密度は10〜50kg/m3のものが好ましい。また、前記粉砕物の混合物11において、前記大径粉砕物15の量が小径粉砕物17の量よりも多くなると前記大径粉砕物15間の隙間による空気の対流による熱伝導率が高くなり、一方、前記小径粉砕物17の量が大径粉砕物15の量よりも多くなると、前記したように熱伝導率の高い小径粉砕物17により断熱材の熱伝導率が高くなって断熱性が低下するようになる。小径粉砕物17と大径粉砕物15を、重量比25:75〜75:25とすることにより、熱伝導率を0.034W/(m・K)以下とすることができ、硬質ウレタンフォームの粉砕物を使用した断熱材を次世代省エネルギー基準の設計施工指針における分類Dにすることができる。
さらに、前記大径粉砕物15は、粒径が1mm〜20mmの範囲に分布しているものが好ましく、一方、前記小径粉砕物17は、粒径が1mm未満の範囲に分布しているものが好ましい。前記大径粉砕物15の粒径が20mmを超えると、前記袋体21内における大径粉砕物15間の隙間が大きくなり、隙間のつながりが空気の対流を可能とする流路を構成して断熱性を低下させるおそれがあるため、好ましくない。また、前記大径粉砕物15と小径粉砕物17を粒径1mm以上か1mm未満かで分けた理由は、1mm未満の小径粉砕物は、1mm〜20mmの大径粉砕物の粒子間に隙間少なく密に埋まり易く、かつ空気の対流を抑えるため、大径粉砕物間の断熱性を高くすることができ、断熱材全体の断熱効果を高くできる理由による。なお、粒径が1mm未満の範囲に分布しているとは、1mm未満の範囲において粒径の異なるものが存在していることを意味し、例えば単一の粒径のもの、例えば粒径が0.8mmのみで構成されるものではないことを意味する。同様に、粒径が1mm〜20mmの範囲に分布しているとは、1mm〜20mmの範囲において粒径の異なるものが存在していることを意味し、単一の粒径のもの、例えば粒径が2mmのみで構成されるものではないことを意味する。
前記袋体21は、一端が開口した角柱のガゼット状のものが用いられ、前記袋体21内に前記粉砕物の混合物11が充填された後、開口部分がヒートシール部23とされてヒートシールにより封緘される。前記袋体21は、通気性を有する材質からなり、建築物等に使用した場合に結露等によって袋体21内にカビが発生するのを袋体の通気性で防ぐようになっている。通気性を有する材質としては、不織布が好適である。前記袋体21を構成する不織布は、繊維径を略15μmとした場合、目付15〜50g/m2の範囲で選択されるのが好ましい。前記不織布の目付量が15g/m2未満になると、前記断熱材10の施工時に袋体21が簡単に破れる問題が発生すると共に、前記小径粉砕物17を外径寸法1mmとした場合に、小径粉砕物17が袋体21から漏出するようになり、一方、前記不織布の目付量が50g/m2を超えると、不必要に繊維が多くなって不経済になる。本実施例において袋体21を構成する不織布は、ポリエチレン(PE)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)の両材質を混合したもので、その繊維径が15μm、目付が32g/m2の不織布から前記袋体21が形成されている。前記ポリエチレンおよびポリエチレンテレフタレートからなる不織布は、ガゼット袋の形成及びガゼット袋の開口部を封緘するシート加工に適している。
前記断熱材10は、長手方向に延びる一面が互いに隣接するようにして、例えば間柱間に配設される。間柱間に複数個が隣接して配置される断熱材10の個数は、本実施例では、16個または8個の何れかとされる。本実施例の断熱材10は、一個の高さLHが114mmとされているため、粉砕物17の弾性による多少の変形があっても、16個隣接させた場合の全長は略1820mmであり、一方、8個隣接させた場合の全長は略910mmであり、日本建築における寸法の基準である一間及び半間に相当し、使い勝手が良好である。
また、前記断熱材10は、前記袋体21において、長手方向に延びる一面、例えば面22に、防湿シート25を接着剤で接着した後に建築物に配設してもよい。前記防湿シート25は、前記断熱材10の一面側から断熱材10内に不要な水の侵入を防ぐためのものであり、室内側を向けて配置される。前記防湿シート25としては、適宜のプラスチックシートを使用することができるが、日本工業規格のJIS A 6930における住宅用プラスチック系防湿フィルム(B種)に合格するものが好ましく、例えば、厚み0.1mmからなる公知のポリエチレンシートを挙げることができる。前記防湿シート25は、前記断熱材10の袋体21と接着された際に、前記袋体21の外方へ突出するフランジ26,27を形成する大きさが好ましい。前記フランジ26は短手方向のフランジ、フランジ27は長手方向のフランジである。前記フランジ26,27を間柱にタッカーを用いて固定すれば、容易に前記断熱材10を建築物に取り付けることができ、施工が容易となる。また、隣接する断熱材10同士のフランジを重ねて断熱材10を建築物に取り付けることにより、隣接する断熱材10間を通って室内側から水分が室外側へ放出されるのを防ぐことができる。
本発明における断熱材の製造方法について説明する。断熱材の製造方法に使用される装置の一例を図6に示す。図示の装置は、粉砕機51と風力分粒装置61とを有する。
前記粉砕機51は、粉砕用硬質ウレタンフォームPの投入口53を有する矩形のケース52内に駆動用モータで回転する回転刃54が設けられ、前記ケース52内の底部側には、回転する前記回転刃54の刃先近くに分粒用スクリーン55が設けられている。前記粉砕機51は、回転刃54が粉砕用硬質ウレタンフォームPを分粒用スクリーン55に押し付けながら回転することにより、前記粉砕用硬質ウレタンフォームPを粉砕する。前記分粒用スクリーン55はパンチングメタル又は格子からなるものであって、孔径が20mmからなり、粒径20mm以下の粉砕物が通過できるようになっている。前記ケース52の底部には前記分粒用スクリーン55を通った粉砕物を粉砕機外へ取り出すための粉砕出口57が形成されている。前記粉砕出口57は、配管58によって風力分粒装置61の粉砕物入り口63と接続され、粉砕物搬送用ブロワー59によって前記粉砕物を風力分粒装置61へ搬送するように構成されている。前記粉砕物搬送用ブロワー59は、前記粉砕出口57から粉砕物P1を配管58内へ吸引し、さらに風力分離装置61へ向けて送り出すことが可能な構成からなる。図示の例では、前記粉砕出口57から真下に延設された配管の垂直部58aと、前記垂直部58aの下端から風力分離装置61へ向けて水平方向に延設された配管の水平部58bとの境界付近に、前記粉砕物搬送用ブロワー59のファン59aが位置し、前記垂直部58a側には吸引力を生じさせ、一方、前記水平部58bの前方側(風力分離装置61側)には送風するようになっている。
前記風力分粒装置61は、上部側面に前記粉砕物入り口63が形成された風力分離塔62を有する。前記風力分離塔62の下部には、大径粉砕物排出口66が形成され、前記風力分離塔62内の下部へ重力で移動してきた大径粉砕物15を前記大径粉砕物排出口66から排出して大径粉砕物回収容器73に回収するように構成されている。前記大径粉砕物回収容器73は、非通気性の材質からなり、空気の漏出がない、あるいは少ないように前記大径粉砕物排出口66に取り付けられている。前記大径粉砕物回収容器73としては、非通気性の袋、例えばセメント袋等のトン袋を使用し、前記トン袋の口を前記大径粉砕物排出口66に取り付けるのが、安価でかつ作業性が良い。一方、前記風力分離塔62の上部には小径粉砕物排出口65が形成され、前記小径粉砕物排出口65に接続された上部配管67の先端67aに小径粉砕物回収容器71が取り付けられる。前記小径粉砕物回収容器71は、通気性のある材質のもの、例えば布袋等からなる通気性の袋からなる。
前記風力分離塔62内は、前記粉砕物搬送用ブロワー59によって前記風力分離塔62内に吹き込まれた空気により圧力が高くなり、しかも下方の前記大径粉砕物排出口66に取り付けられた大径粉砕物回収容器73が非通気性の材質からなり、一方、上方の小径粉砕物排出口65に上部配管67を介して取り付けられている小径粉砕物回収容器71が通気性の材質からなるため、前記粉砕物搬送用ブロワー59によって前記風力分離塔62内に粉砕物P1と共に吹き込まれた空気は、前記小径粉砕物排出口65から上部配管67を経て前記小径粉砕物回収容器71へ流れる気流を形成する。したがって、前記風力分離塔62内に搬送された粉砕物P1は、粉砕物P1中の軽い小径粉砕物17が前記気流に乗って前記小径粉砕物排出口65から上部配管67へ搬送され、前記小径粉砕物回収容器71へ回収される。一方、前記気流に乗れない重い大径粉砕物15は、重力で前記風力分離塔62の下部へ移動し、前記大径粉砕物回収容器73に回収される。
本発明における断熱材の製造方法は、粉砕・第1分粒工程、第2分粒工程、混合・袋体充填工程よりなる。
粉砕・第1分粒工程では、粉砕用の硬質ウレタンフォームPを前記粉砕機51内に投入口53から投入し、前記回転刃54で粉砕し、前記分粒用スクリーン55を通過した粉砕物P1を得る。本実施例では、前記分粒用スクリーン55を通った粉砕物P1は外径寸法が20mm以下のものとなっている。なお、前記粉砕用硬質ウレタンフォームPは、現場発泡により建築物の隙間を埋めて形成された硬質ウレタンフォームや、断熱材等として板状に形成された硬質ウレタンフォームなどの使用済みの硬質ウレタンフォームを粉砕したものであり、密度10〜50kg/m3のものが好ましい。
粉砕・第1分粒工程では、粉砕用の硬質ウレタンフォームPを前記粉砕機51内に投入口53から投入し、前記回転刃54で粉砕し、前記分粒用スクリーン55を通過した粉砕物P1を得る。本実施例では、前記分粒用スクリーン55を通った粉砕物P1は外径寸法が20mm以下のものとなっている。なお、前記粉砕用硬質ウレタンフォームPは、現場発泡により建築物の隙間を埋めて形成された硬質ウレタンフォームや、断熱材等として板状に形成された硬質ウレタンフォームなどの使用済みの硬質ウレタンフォームを粉砕したものであり、密度10〜50kg/m3のものが好ましい。
第2分粒工程では、前記粉砕物P1を風力分離塔62へ搬送する。前記粉砕物P1に含まれる小径粉砕物17は軽いため、前記風力分離塔62内の前記気流で上部の小径粉砕物排出口65から前記配管67を経て配管67の先の小径粉砕物回収容器71に回収される。一方、前記粉砕物P1に含まれる大径粉砕物15は重いため、重力によって前記風力分離塔62内の下方へ落下し、前記大径粉砕物排出口66を経て前記大径粉砕物回収容器73に回収される。本実施例では、前記小径粉砕物17は外径寸法が1mm未満の範囲に分布し、前記大径粉砕物15は外径寸法が20mm〜1mmの範囲に分布するように前記風力分離塔62内の気流の強さ等が設定されている。このように、本実施例では、前記風力分離塔62の風力分離により、外形寸法1mmのものから外形寸法20mmのものまでを含む大径粉砕物群と、外形寸法1mm未満のものが含まれる小径粉砕物群とに分けられ、大径粉砕物群については前記大径粉砕物回収容器73に回収され、小径粉砕物群については前記小径粉砕物回収容器71に回収される。
混合・袋体充填工程では、前記小径粉砕物17(すなわち小径粉砕物群)と前記大径粉砕物15(すなわち大径粉砕物群)を重量比25:75〜75:25で混合して混合物11とし、図7に示すように、前記混合物11を通気性材質からなる前記袋体21内に充填し、ヒートシール部23をヒートシールして封緘し、前記断熱材10とする。前記大径粉砕物15と前記小径粉砕物17の混合方法は、適宜の混合装置、例えば混合撹拌機により行うことができる。また、前記袋体21は、本実施例では前記のようにポリエチレン(PE)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)の両材質を混合したもので、その繊維径が15μm、目付が32g/m2の不織布から前記袋体21が形成されている。
密度10〜50kg/m3の硬質ウレタンフォームを粉砕機で粉砕し、分粒用スクリーンを通して外形寸法20mm以下の粉砕物を得、さらに風力分粒機によって粒径が1mm〜20mmの範囲に分布している大径粉砕物と、粒径が1mm未満の範囲に分布している小径粉砕物とに分粒し、小径粉砕物と大径粉砕物を重量比25:75にした実施例1と、小径粉砕物と大径粉砕物を重量比50:50とした実施例2と、小径粉砕物と大径粉砕物を重量比75:25とした実施例3について、それぞれDALTON社製、パグミキサーにより混合し、粉砕物の混合物とした。この混合物(実施例1の混合物120g、実施例2の混合物115g、実施例3の混合物193g)を、ポリエチレン(PE)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)の両材質を混合した繊維径15μm、目付32g/m2の不織布から前記幅LW329mm、高さLH114mm、厚さLT75mmとした直方体のガゼット状袋体に充填し、開口しているヒートシール部をヒートシールで封緘して実施例1、実施例2、実施例3の断熱材を形成した。
また、前記大径粉砕物83gを前記ガゼット状袋体に充填し、ヒートシール部をヒートシールで封緘して比較例1の断熱材(小径粉砕物:大径粉砕物=0:100の断熱材)を形成した。同様に、前記小径粉砕物229gを前記ガゼット状袋体に充填し、ヒートシール部をヒートシールで封緘して比較例2の断熱材(小径粉砕物:大径粉砕物100:0)を形成した。このようにして得られた実施例1〜3と比較例1及び比較例2の断熱材に対して、熱伝導率を、JIS規格 A9511の中のJIS A 1412−2「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部:熱流計法(FHM法)」で測定した。
熱伝導率の測定結果は、図8に示すとおりであり、実施例1〜3(小径粉砕物:大径粉砕物=25:75〜75:25)では0.0328〜0.0337W/(m・K)であるのに対し、比較例1(小径粉砕物:大径粉砕物=0:100)では0.0364W/(m・K)、比較例2(小径粉砕物:大径粉砕物=100:0)では0.0368W/(m・K)であり、実施例1〜3の断熱材は比較例1,2の断熱材よりも熱伝導率が低くなっており、断熱性の高いことがわかる。また、実施例1〜3の断熱材は、前記次世代省エネルギー基準の設計施工指針における分類D(熱伝導率0.034〜0.029W/(m・K))の断熱材として使用可能であることがわかる。
このように、本発明によれば、硬質ウレタンフォームの粉砕物から断熱性の良好な断熱材を容易に得ることができる。また、本発明によれば、小径粉砕物と大径粉砕物を重量比25:75〜75:25で混合して袋体に充填しているため断熱性能のバラツキを少なくすることができると共に、次世代省エネルギー基準の設計施工指針における分類Dの断熱材として使用可能である。
10 断熱材
11 粉砕物の混合物
15 大径粉砕物
17 小径粉砕物
21 袋体
51 粉砕機
55 分粒用スクリーン
61 風力分粒装置
62 風力分離塔
11 粉砕物の混合物
15 大径粉砕物
17 小径粉砕物
21 袋体
51 粉砕機
55 分粒用スクリーン
61 風力分粒装置
62 風力分離塔
Claims (3)
- 通気性材質からなる袋体に硬質ウレタンフォームの粉砕物が充填された断熱材において、
前記袋体に充填された粉砕物は、粒径が1mm未満の範囲に分布している小径粉砕物と、粒径が1mm〜20mmの範囲に分布している大径粉砕物とを、重量比25:75〜75:25で混合したものからなることを特徴とする断熱材。 - 硬質ウレタンフォームを粉砕機で粉砕し、孔径が20mmの分粒用スクリーンを通過した粉砕物を得る粉砕・第1分粒工程と、
前記粉砕物を風力分離塔へ搬送し、前記風力分離塔内の気流により前記風力分離塔の上部から回収した小径粉砕物と、重力により前記分離塔内の下方へ落下した大径粉砕物とに分粒する第2分粒工程と、
前記小径粉砕物と前記大径粉砕物を重量比25:75〜75:25で混合し、通気性材質からなる袋体内に充填して断熱材とする混合・袋体充填工程とよりなることを特徴とする断熱材の製造方法。 - 前記小径粉砕物は粒径が1mm未満の範囲に分布し、前記大径粉砕物は粒径が1mm〜20mmの範囲に分布していることを特徴とする請求項2に記載の断熱材の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015113924A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 断熱材 |
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JP7106243B1 (ja) * | 2022-06-06 | 2022-07-26 | 博男 丸谷 | 建築用断熱材、建築用断熱材の製造方法、及び、木造建築物の断熱方法 |
KR20240059423A (ko) * | 2022-10-27 | 2024-05-07 | 주식회사 현대엘앤씨 | 단열 마감재 시공 분사 시스템 |
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2008
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