JP2010017731A - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの円形管を溶接する際に目違いをできる限り小さくする。
【解決手段】第1及び第2円形管91,92を同期回転させる回転手段4と、第1円形管91を回転軸X1と直交する平面内で移動させる管移動手段16と、各円形管91,92の溶接部93,94の中心位置O1,O2を検知する中心検知部31と、中心位置O1の回転軸X1に対するズレを表す第1位置情報及び中心位置O2の回転軸X1に対するズレを表す第2位置情報を取得する位置情報取得部32と、第1及び第2位置情報と円形管91,92の回転角とに基づいて中心位置O1を中心位置O2に一致させるために必要な移動量を算出する移動量算出部33と、該移動量だけ第1円形管91が移動するよう管移動手段16の動作を制御する管移動制御部34とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば円形管等の2つのワークを溶接するための装置及び方法に関する。
例えばボイラ等に備えられる長尺の円形管を製造する際、同径の2つの円形管の開口端を開先加工して溶接部を形成し、各溶接部を互いに突合せた状態にしてこれら円形管を回転させながら互いに溶接するという手法が用いられている。従来、このような円形管同士の溶接を自動的に行うため、溶接部に外周側から侵入させるTIGトーチ等の工具を備えた溶接装置が利用されている(例えば特許文献1参照)。
溶接部の中心位置は自身の回転軸に対して偏心していることがあり、溶接される円形管が長尺で端部が大曲がりになるときにはこれが顕著となる。溶接を精巧に行うためには、このような大曲がりがあっても、2つの円形管が目違いなく突合された状態に維持されていることが重要となる。
特許文献1には、目違い量をできる限り小さくすることを目的とした溶接装置が開示されている。この装置によれば、2つの円形管の溶接部を突合せた後、一方の円形管を回転し、周方向に互いに等間隔で離れた4位置の各々における目違い量が所定の閾値を超えないようになるとこの回転を停止する。このように4位置の目違い量を所定範囲内に収めた上で溶接作業を開始するようにしている。
特開2004−268053号公報
しかし、特許文献1によれば、目違い量を計測する位置が4点に限られているため、隣り合う計測位置の相互間で目違い量が閾値を超えていたとしても、これを検知することができないおそれがある。このため、所定の回転角において一方の円形管の溶接部の中心が他方の円形管の溶接部の中心に近接したとしても、溶接作業を行う回転位置においては両円形管の目違い量が異なっている場合が考えられる。つまり、従来の装置によれば、溶接作業を開始して両円形管を回転したとき、目違い量が閾値を超えるような回転角度範囲が存在し得る。
そこで本発明は、例えば円形管等の2つのワークを溶接するにあたり目違いをできる限り小さくすることを目的としており、以って溶接品質を高めることを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明に係る溶接装置は、第1及び第2円形管を同期回転させながら突合せ溶接する溶接装置であって、前記第1及び第2の円形管を同期回転させる回転手段と、前記第1円形管を回転軸と直交する平面内で移動させる管移動手段と、前記第1及び第2円形管の各溶接部の中心位置を検知する中心検知部と、前記第1円形管の溶接部の中心位置の前記回転軸に対するズレを表す第1位置情報と、前記第2円形管の溶接部の中心位置の前記回転軸に対するズレを表す第2位置情報とを取得する位置情報取得部と、前記第1及び第2位置情報と前記第1及び第2円形管の回転角とに基づいて前記第1円形管の溶接部の中心位置を前記第2円形管の溶接部の中心位置に一致させるために必要な移動量を算出する移動量算出部と、前記移動量だけ前記第1円形管が移動するよう前記管移動手段の動作を制御する管移動制御部とを備えていることを特徴としている。
このような構成とすることにより、第1円形管と第2円形管とが回転軸に対して異なる方向に及び異なる量だけ偏心していても、この回転軸に対するズレを表す情報と回転角とに基づいて第1円形管の溶接部の中心位置を第2円形管の溶接部の中心位置に一致させるようにしているため、第1円形管の溶接部と第2円形管の溶接部とが回転角に関係なく目違いなく回転するようになる。このように回転角に関係なく目違いが解消されるため、溶接品質を高めることができる。
前記回転手段は、回転駆動源と、該回転駆動源に接続されて前記第1円形管に回転動力を出力する第1駆動軸と、該第1駆動軸にユニバーサルジョイントを介して連結されて前記第2円形管に回転動力を出力する第2駆動軸とを備えていてもよい。このような構成とすることにより、第1円形管の回転軸と直交する平面内での移動をユニバーサルジョイントで吸収することができる。
前記第1及び第2円形管の各溶接部の表面位置を検出する位置検出手段を更に備え、前記中心検知部は、前記位置検出手段により検知される各溶接部の周方向に互いに離れた複数の前記表面位置を取得し、該複数の表面位置を通過する真円を規定し、該真円の中心を該溶接部の中心位置として決定する構成であってもよい。また、前記第1及び第2円形管の各溶接部の頂点高さを検知する高さ検知手段を更に備え、前記中心検知部は、前記高さ検知手段により検知される各溶接部の所定回転角での頂点高さを取得し、該頂点高さと管径とに基づいて該溶接部の中心位置を算出する構成であってもよい。
前記溶接部を互いに溶接するため前記溶接部内に侵入するよう動作するトーチと、前記トーチを移動させるトーチ移動手段と、前記第1及び第2位置情報と前記第1及び第2円形管の回転角とに基づいて、管上の溶接位置とトーチ先端の相対位置が一定になるよう前記トーチ移動手段の動作を制御するトーチ動作制御部とを更に備えていてもよい。このような構成とすることにより、第1及び第2円形管の各溶接部が偏心回転していても、周方向に関して、管上の溶接位置とトーチ先端の相対位置がばらつかなくなる。したがって、溶接部の中心位置が回転軸に対して偏心していたとしても、例えば周方向全体に亘って良好に安定した裏波溶接を行うことができるようになる。
前記第2位置情報と前記第1及び第2円形管の回転角とに基づいて前記管上の溶接位置とトーチ先端の相対位置が一定になるために必要なトーチ移動量を算出するトーチ移動量算出部を更に備え、前記トーチ動作制御部は、該トーチ移動量だけ前記トーチが移動するよう前記トーチ移動手段の動作を制御する構成であってもよい。また、前記トーチと前記溶接部との間で生じる電気的物理量を検出する電気的物理量検出手段を更に備え、前記トーチ動作制御部は、トーチ高さを一定にすべく該電気的物理量が一定になるよう前記トーチ移動手段の動作を制御する構成であってもよい。
また、本発明に係る溶接方法は、第1及び第2のワークを同期回転させながら突合せ溶接する溶接方法であって、前記第1及び第2のワークの各溶接部の中心位置を検知し、前記第1のワークの溶接部の中心位置の回転軸に対するズレを表す第1位置情報と、前記第2のワークの溶接部の中心位置の回転軸に対するズレを表す第2位置情報とを取得し、前記第1及び第2位置情報に基づき、前記第1及び第2のワークの回転角に応じて前記第1のワークの溶接部の中心位置を前記第2のワークの溶接部の中心位置に一致させるよう前記第1のワークを回転軸と直交する平面内で移動させながら、前記第1及び第2のワークを互いに溶接する、ことを特徴としている。
このような方法とすることにより、上記同様にして、第1のワークの溶接部と第2のワークの溶接部とが回転角に関係なく目違いなく回転するようになる。このため、溶接品質を高めることができる。
以上のように、本発明によれば、目違いをできる限り小さくして2つのワークを互いに溶接することができ、以って溶接品質を高くすることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る実施の形態について説明する。以下、ワークの回転軸方向を「X方向」、X方向と直交する平面内の一方向を「Y方向」、この平面内でY方向と直交する方向を「Z方向」として説明する場合がある。また、本実施の形態に係る溶接装置は水平面上に適正に設置されるとX方向が水平に向く構成となっており、以下の説明ではこの状況を前提とし、便宜的にこの状況ではY方向も水平に向いてZ方向は鉛直に向くものとする。但し、これらの方向の定義は本発明の範囲を逸脱しない限り適宜変更可能である。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る溶接装置1の概要構成を示す模式図である。図1に示す溶接装置1は、ワークの一例である2つの円形管91,92をともに回転させながら互いに溶接するための装置であり、第1及び第2チャック2,3、回転ユニット4、溶接ユニット13、管移動ユニット16、及び制御ユニット30を備えている。
第1及び第2チャック2,3は円筒状に形成され、その中心部に直径25〜60mm程度の円形管91,92を挾持可能な構成となっている。また、各チャック2,3は同一軸線X1上にて互いに離れて配置されている。
回転ユニット4は、各チャック2,3に挾持された円形管91,92を回転させるよう構成されており、駆動源として電動の回転用モータ5を備えている。回転用モータ5の出力軸6は伝動機構7を介して第1駆動軸8に連結されている。第1駆動軸8はX方向に延在して第2チャック3と径方向に対向し、減速機構9を介してこの第2チャック3に連結されている。この減速機構9は第2チャック3の中心X1に回転駆動力を出力する構成となっている。
また、第1駆動軸8は、軸方向における第1チャック2が配置される側の端部にて軸継手10を介し、第1駆動軸8と実質的に同軸上に配置された第2駆動軸11の端部と連結されている。第1駆動軸8は軸方向と直交する方向への移動が規制されている一方、第2駆動軸11はこの方向への移動が許容されている。この第2駆動軸11の移動を許容するため、軸継手10はユニバーサルジョイントによって構成されている。
第2駆動軸11は第1チャック2と径方向に対向し、減速機構12を介してこの第1チャック2に連結されている。この減速機構12は第1チャック2の中心X1に回転駆動力を出力する構成となっている。この減速機構12の減速比は上記減速機構9の減速比と等しく、減速機構12が出力する回転の方向は上記減速機構9が出力する回転の方向と同じとなっている。なお、伝動機構7及び減速機構9,12は、例えばギヤ列、チェーン・スプロケット機構又はベルト・プーリ機構など、様々な動力伝動機構により構成される。
この回転ユニット4によれば、回転用モータ5が駆動すると、第1及び第2駆動軸8,11が同一方向に同一速度で回転する。第1駆動軸8の回転は、所定減速比だけ減速されるとともに所定回転方向に変換されて第2チャック3に伝達される。第2駆動軸11の回転は、これと同じ減速比で減速されるとともに同じ回転方向に変換されて第1チャック2に伝達される。従って、第1円形管91は第2円形管92と同一方向に同一速度で回転する。また、各円形管91,92の回転軸は第1及び第2チャック2,3の軸線X1と一致し、第1及び第2チャック2,3は同軸上に配置されている。結果として、各円形管91,92は同一の回転軸X1を中心にして同期回転することとなる。
各円形管91,92の開口端には開先加工により溶接部93,94が予め形成されている。各円形管91,92は、互いの溶接部93,94をX方向に突合せるようにして対応するチャック2,3に固定される。各溶接部93,94の断面形状は略真円形状であり、これが溶接継手円となる。第1円形管91の溶接部93の中心位置O1及び第2円形管92の溶接部94の中心位置O2のうちの一方又は両方が回転軸X1に対して偏心している場合があり、これにより目違いが発生するときがある。図1では目違いが発生している状況を明示すべく便宜的にこれを誇張して示すが、実際に発生し得る目違いの量は最大で3mm程度である。この目違いを解消してできる限り精巧に溶接するための方法については後述する。
溶接ユニット13は、突合された各溶接部93,94を互いに溶接するための公知のTIGトーチ14を備えている。TIGトーチ14はロボットアーム15の先端に取り付けられており、ロボットアーム15の動作によりX方向、Y方向及びZ方向に移動可能になっている。ロボットアーム15は各チャック2,3の相互間に配置されており、TIGトーチ14はロボットアーム15の可動範囲内で溶接部93,94の表面に接離することができる。
なお、TIGトーチ14は、自身と溶接部93,94との間に電位差をかけ、溶接部93,94と接触したときに流れる電流を検出して溶接部93,94と接触したことを検知する接触センサ39としての機能も併せ持っている。なお、このように溶接部とトーチとの間の電気的物理量として電流を検出することで溶接部とトーチの接触を検知するようにしているが、溶接部とトーチとの間の電位差に基づいて溶接部とトーチの接触を検知するようにしてもよい。
管移動ユニット16は、第1円形管91を回転軸X1と直交する平面内で移動させるよう構成されており、駆動源として電動の鉛直移動用モータ17及び水平移動用モータ18を備えている。鉛直移動用モータ17の出力軸19には鉛直移動機構20が連結されており、鉛直移動用モータ17が駆動されると鉛直移動機構20の動作により第1円形管91がZ方向に移動する。水平移動用モータ18の出力軸21には水平移動機構22が連結されており、水平移動用モータ18が駆動されると水平移動機構22の動作によって第1円形管91がY方向に移動する。第1円形管91は管移動ユニット16によって回転中に移動し得るため、第2円形管92と比べて短尺であることが好ましい。この管移動ユニット16のより詳細な構造については後述する。
制御ユニット30は溶接装置1の動作を統括的に制御する構成となっており、より具体的には、回転ユニット4の回転用モータ5と、溶接ユニット13のTIGトーチ14及びロボットアーム15と、管移動ユニット16の鉛直移動用モータ17及び水平移動用モータ18とを駆動制御し、これにより回転ユニット4、溶接ユニット13及び管移動ユニット16の動作を制御する構成となっている。
制御ユニット30は、CPU、例えばROMやRAM等のメモリ、及び入出力インターフェース等を備えるロボットコントローラによって構成されうる。また、制御ユニット30は、メモリに記憶されてCPUが実行する制御プログラムの内容に基づき、中心検知部31、位置情報取得部32、管移動量算出部33、管移動制御部34、トーチ移動量算出部35、トーチ移動制御部36、回転制御部37及び溶接制御部38を機能ブロックとして備えていると言える。
各機能ブロック31〜38の動作や機能を簡単に説明すると、中心検知部31は溶接部93,94の各中心位置O1,O2を検知し、位置情報取得部32は検知した各中心位置O1,O2の回転軸X1に対するズレを表す情報を取得する。管移動量算出部33は、位置情報取得部32が取得した情報と円形管91,92の回転角とに応じて溶接中における第1円形管91のY方向及びZ方向への移動量を算出する。管移動制御部34は管移動ユニット16の動作を制御する。トーチ移動量算出部35は、位置情報取得部32が取得した情報と円形管91,92の回転角とに応じてトーチ14の位置のY方向及びZ方向に対する補正量を算出する。トーチ移動制御部36は溶接ユニット13のロボットアーム15の動作を制御する。回転制御部37は回転ユニット4の動作を制御し、溶接制御部38は溶接ユニット13のトーチ14の動作を制御する。これら各機能ブロック31〜38が動作することにより、溶接装置1を利用した第1及び第2円形管91,92の溶接作業が実行される。
図2は図1に示す溶接装置1の部分背面図である。図2に示すように、溶接装置1は、第2チャック3側に配置されるユニットを支持する架台41と、第1チャック2側に配置されるユニットを支持する架台42とを備えている。架台41の下面には脚43が取り付けられ、架台41は脚43を介して床面90に支持される。また、架台42の下面側には管移動ユニット16が配置されている。
架台41の側面には鉛直上向きに延在するブラケット44が取り付けられ、このブラケット44に取り付けられたベアリング45により第1駆動軸8が回転可能に支持されている。架台42の側面にも鉛直上向きに延在するブラケット46が取り付けられ、このブラケット46に取り付けられたベアリング47により第2駆動軸11のユニバーサルジョイント10側の端部が回転可能に支持されている。架台42の上面には、ブラケット46からX方向に離れた位置からベアリング台48が立設しており、このベアリング台48の上端部に取り付けられたベアリング49により第2駆動軸11のユニバーサルジョイント10と反対側の端部が回転可能に支持されている。
第1回転軸8上にはベース50が固定され、このベース50には第2チャック3に取り付けられたドラム51が固着している。これにより、第2チャック3は架台41に支持された状態となっている。同様に第2回転軸11上にはベース52が固定され、このベース52には第1チャック2に取り付けられたドラム53が固着している。これにより第1チャック2が架台42に支持された状態となっている。
このため、上述したように第1駆動軸8は第2チャック3及び第2円筒管92とともにY方向及びZ方向への移動が規制されることとなる。また、架台42は管移動ユニット16が動作に伴いY方向及び/又はZ方向に移動し、架台42が管移動ユニット16の動作によってY方向及び/又はZ方向に移動すると、第1チャック2及び第1チャック2に固定された第1円形管91が連動するようになっている。
図3は図2に示す管移動ユニット16の平面図である。図2及び図3を併せて参照するが、管移動ユニット16は、水平な床面90に平行に近接して対向するベース板61上に設けられている。ベース板61は平面視で略矩形状の平板であり、複数のボルト62によって床面90に固定されている。
ベース板61の上面には、ブラケット63を介して鉛直移動用モータ17が固定されている。鉛直移動用モータ17の出力軸19はX方向に向けられ、軸継手64を介してベースプレート61の上方をX方向に延びるボールネジ65と連結されている。ボールネジ65はブラケット67を介してスライド板68に固定されたナット66に螺合している。このスライド板68は平面視で略矩形状の平板であり、ベース板61に平行に近接して対向している。ベース板61の上面にはX方向に延びるガイドレール69が設けられ、スライド板68の下面にはガイドレール69に係合してガイドレール69に沿ってX方向にスライド可能なスライダ70が取り付けられている。これによりスライド板68は、ベース板61の上方でベース板61に対してX方向にスライド可能になっている。また、ボールネジ65はX方向に延在する軸を中心にして回転可能である一方、ベース板61に対して軸方向及び軸直交方向には移動不能である。ナット66はスライド板68に回転不能に取り付けられている一方、スライド板68と共にベース板61に対してX方向に移動可能である。
スライド板68の上面には2枚のウェッジ板71が立設している。各ウェッジ板71は、互いにY方向に離れて配置されており、スライダ板61の可動方向であるX方向に延在している。ウェッジ板71の上面には、この延在方向両端部において鉛直方向に傾斜するテーパ面72が形成されている。このテーパ面72にはスライダ73が取り付けられ、このスライダ73にはガイドレール74が係合している。各ガイドレール74は正面視で三角形状のブラケット79を介してアッパー板75の下面に固定されている。ガイドレール74はウェッジ板71のテーパ面72と同じように傾斜している一方、アッパー板75はスライド板68の上方で床面90、ベース板61及びスライド板68と平行に、すなわち水平に設けられている。
アッパー板75の上面には2つのレール台76が設けられている。各レール台76は互いにX方向に離れて配置されてY方向に延在している。各レール台76の上面には、Y方向に延在するガイドレール77が取り付けられており、このガイドレール77には架台42の下面に取り付けられたスライダ78が係合している。つまり、架台42はアッパー板75に対し、Y方向にスライド可能に支持されている。
アッパー板75の上面の略中心部には、ブラケット79を介して水平移動用モータ18が取り付けられている。水平移動用モータ18の出力軸21はX方向に向けられ、軸継手80に連結されている。この軸継手80には、伝動機構81の入力要素でありX方向に延びる入力軸が連結されている。伝動機構81は略直方体状のハウジングに収容され、このハウジングはブラケット82を介してアッパー板75の上面に固定されている。伝動機構81は、その出力要素として、ハウジングからY方向に突出するロッド83を備えている。伝動機構81は、入力要素に入力された回転駆動力を減速すると共にY方向の直線運動に変換し、出力要素であるロッド83に伝達する構成となっている。ロッド83は入力軸の回転方向に応じてY方向の一方又は他方に選択的に移動する。このロッド83の先端には矩形箱状のブロック84が固着され、このブロック84はブラケット85を介して架台42の下面に固定されている。
上記構成の管移動ユニット16によれば、鉛直移動用モータ17が駆動されると、ボールネジ65が回転してナット66がスライド板68と共にX方向に移動する。このため、ウェッジ板71がX方向に移動してアッパー板75が楔作用でZ方向に移動し、架台42も共にZ方向に移動する。この架台42のZ方向の移動に連動して、第2駆動軸11、ベース52及びドラム53とともに第1円形管91がZ方向に移動する。第1円形管91は、鉛直移動用モータ17の回転方向に応じてZ方向の一方又は他方に選択的に移動する。
また、水平移動用モータ18が駆動されると、伝動機構81のロッド83がブロック84及びブラケット85と共にY方向に移動し、ブラケット85と固定された架台42がガイドレール77に案内されてY方向に移動する。この架台42のY方向の移動に連動して、第2駆動軸11、ベース52及びドラム53と共に第1円形管91がY方向に移動する。第1円形管91は、水平移動用モータ18の回転方向に応じてY方向の一方又は他方に選択的に移動する。
つまり、本実施の形態の鉛直移動機構20は、ボールネジ65、ナット66、スライド板68、ガイドレール69及びスライダ70、ウェッジ板71、ガイドレール73及びスライダ74、アッパー板75によって構成されている。水平移動機構22は、ガイドレール77及びスライダ78、及び伝動機構81によって構成されている。
このように、第1円形管91は第2駆動軸11と共にY方向及びZ方向に移動可能となっているが、第2円形管92は第1駆動軸8と共にY方向及びZ方向に移動不能となっている。本実施の形態では、第1及び第2駆動軸8,11を連結する軸継手10がユニバーサルジョイントであるため、この第2駆動軸11の軸直交方向への移動がユニバーサルジョイントにより吸収され、第2駆動軸11は架台41に連動して円滑に移動するとともにこのように第2駆動軸11が移動することがあっても第1及び第2駆動軸8,11の同期回転が妨げられることはない。なお、第2駆動軸11を第1駆動軸8と独立して回転可能にし、第2駆動軸11に第1駆動軸8と同期回転させるための回転駆動力を出力する電動の回転用モータを別途設けると、ユニバーサルジョイントを省略することができる。また、第1円形管91と第2駆動軸11とが一体に移動する構成であるため、第2駆動軸11の回転を第1チャック2に伝達するための減速機構12も一体に移動する。このように、第1円形管91を移動させるときには減速機構12の取合いが保持されたままとなるため、第1及び第2円形管91,92の同期回転が妨げられることはない。
なお、アッパー板75は、テーパ面72を有したウェッジ板71の水平移動に伴う楔作用によってZ方向に移動可能に構成されていればよいため、ウェッジ板71の移動方向はX方向に限られず水平面内を移動可能であればよい。従って、ガイドレール69の延在方向、ボールネジ65の軸や鉛直移動用モータ17の出力軸19の向きもX方向に限られず適宜変更可能である。また、伝動機構81は出力要素にY方向の直線運動を伝達するよう構成されていればよく、入力要素の軸の向きは特に限定されず伝動機構81の内部構造に応じて適宜変更される。従って、水平移動用モータ18の出力軸21の向きもX方向に限られず適宜変更可能である。
次に、図1を参照しつつ図4乃至図8に基づいて制御ユニット30が実行する制御内容、すなわち上記溶接装置1を利用して第1及び第2円形管91,92を突合せ溶接するための方法について説明する。
図4を参照し、第1及び第2円形管91、92の溶接に際し、まず対応するチャック2,3に円形管91,92を固定してチャック2,3の相互間で互いの溶接部93,94を突合せる(ステップS1)。次に、各溶接部93,94の中心位置O1,O2を検知する(ステップS2)。なお、ステップS1とステップS2との間には、溶接部93,94の突合せ位置をX方向に関して取得するステップを設けてもよい。
図5は第1実施形態に係る中心位置検知処理(ステップS2)の具体内容を示すフローチャートである。図6はこの処理の概念図である。図5に示す第1実施形態に係るフローの概要は、まず各溶接部の複数の表面位置を計測し、計測した表面位置に基づいて溶接部の断面形状を近似した真円を規定し、規定した真円の中心を溶接部の中心位置として決定する、というものである。このフローは各溶接部93,94について順番に行われるものであり、例えばまず第1円形管91の溶接部93の中心位置O1が検知された後、次いで同じフローに沿って第2円形管92の溶接部の中心位置O2が検知される(順番は逆でもよい)。このため図6は第1円形管91の溶接部93の中心位置O1を検知する場合を例示し、中心位置O2を検知する場合は説明の重複を避けるため省略する。
まず、計測したい表面位置の個数Nを設定する(ステップS201)。図6にはNが3の場合を例示している。「k」は本処理を容易に説明すべく便宜上用いるパラメータであり、計測済の表面位置の個数である。つまり、ステップS201でのkは0である。なお、溶接を行うたびこの個数Nを都度設定してもよいが、常に予め定めた個数Nの表面位置を計測するものとしてこのステップS201の処理を省略してもよい。
次に、回転ユニット4を駆動して円形管91の回転角を0degとし(ステップS202)、図6(a)に示すように溶接部93の表面位置P0を計測する(ステップS203)。表面位置P0の計測は接触センサ39として機能するトーチ14を用いて行われる。つまり、上記のようにトーチ14と溶接部93との間に電位差を設け、トーチ14をZ方向(本実施形態では鉛直下向き)に移動させる。トーチ14が溶接部93の表面に接触するとトーチ14と溶接部93との間に電流が流れ、制御ユニット30はこの電流を検知するとトーチ14の移動を停止させる。停止されたトーチ14(又はロボットアーム15)の座標に基づいて溶接部93の表面位置P0が計測される。このような手法を取るため、図6(a)に示すように、回転軸X1をYZ直交座標の原点(0, 0)に設定し、トーチ14のY方向の位置を回転軸X1のY方向の位置と揃えた場合には、表面位置P0がZ軸上にプロットされることとなる。
また、このときトーチ14は、X方向に関し、第1円形管91の溶接部93の表面に接触し得る位置であって突合せ位置にできる限り近付けた位置に配置される。このため、以降の処理を経て、できる限り突合せ位置に近い箇所の溶接部93の中心位置O1を計測することができる。
このように0degでの表面位置P0を計測してkが1になると(ステップS204)、回転ユニット4を駆動制御して円形管91を360/Ndegだけ回転する(ステップS205)。そして、図6(b)に示すように360/N×kdegの表面位置Pkを測定する(ステップS206)。この表面位置Pkもトーチ14のZ方向の移動に伴い計測され、回転軸X1を原点(0, 0)に設定し、トーチ14のY方向の位置を回転軸X1のY方向の位置と揃えた場合には、各表面位置PkがZ軸上にプロットされることとなる。
次に、kに1を加算し(ステップS207)、計測済みの表面位置の個数kが計測したい表面位置の個数Nに達したか否かが判断される(ステップS208)。達していないと判断されたときには、ステップS205に戻り、再び円形管を360/N degだけ回転し、360/N×kdegの表面位置Pkを計測してkを1だけ加算する。このように、計測済みの表面位置の個数kが計測したい表面位置の個数Nに達するまで、360/N deg毎の表面位置を計測すべく、ステップS205〜ステップS207の処理が繰り返される。
計測済みの表面位置の個数kが計測したい表面位置の個数Nに達したと判断されると、図6(c)に示すように計測した各回転角の表面位置P1,P2,P3を、所定回転角(例えば0deg)である場合の位置に変換する(ステップS209)。
次に、変換された各表面位置P1,P2,P3を通過する真円C1を規定する(ステップS210)。そして、規定された真円C1の中心座標(y1, z1)を求め、これを溶接部93の中心位置O1として決定する(ステップS211)。
図4に戻り、このように決定された中心位置O1,O2の回転軸X1に対するズレを表す情報を取得する(ステップS3)。図7はこの処理(ステップS3)の概念図を示している。ここでは、回転軸X1をYZ直交座標の原点(0, 0)に設定されるものとする。溶接部93の中心位置O1の座標が(y1, z1)であるとき、中心位置O1の回転軸X1(0, 0)に対するズレ量L1及びズレ角(つまりズレ方向)θ1は次式から求められる。
Figure 2010017731
また、溶接部94の中心位置O2の座標が(y2, z2)であるとき、中心位置O2の回転軸X1(0, 0)に対するズレ量L2及びズレ角θ2は次式から求められる。
Figure 2010017731
このように数1の式から溶接部93の中心位置O1の回転軸X1に対するズレ量及びズレ角(第1位置情報)を取得することができ、数2から溶接部94の中心位置O2の回転軸X1に対するズレ量及びズレ角(第2位置情報)を取得することができる。
再び図4に戻り、回転ユニット4の動作を制御して第1及び第2円形管91、92を同期回転させながら溶接ユニット13の動作を制御してトーチ14を溶接部93,94に侵入させて各円形管91,92を互いに溶接する(ステップS5)。ここで、各円形管91,92の回転速度は、溶接部93,94の外面が毎分10cm程度回転移動するような速度に設定される。
そして、同期回転する円形管91,92の回転角αに応じて管移動ユニット16の動作を制御して第1円形管91を移動させ、且つこの回転角αに応じてロボットアーム15の動作を制御してトーチ14を移動させる(ステップS6)。
図8はこの処理(ステップS6)のうち第1及び第2円形管91,92を移動させる処理の概念図である。第1円形管91は、自身の溶接部93の中心位置O1が第2円形管92の溶接部94の中心位置O2と一致するよう、回転軸X1と直交するYZ平面内で移動される。ここで、回転角αのときの溶接部93の中心位置O1の座標は(L1cos(θ1+α), L1sin(θ1+α))であり、溶接部94の中心位置O2の座標は(L2cos(θ2+α), L2sin(θ2+α))である。従って、中心位置O1を中心位置O2に一致させるために必要なY方向の移動量Yα、及び中心位置O1を中心位置O2に一致させるために必要なZ方向の移動量Zαは次式から算出される。
Figure 2010017731
このように算出された移動量Yα,ZαだけY方向及びZ方向に第1円形管91が移動するよう、制御ユニット30は鉛直移動用モータ17及び水平移動用モータ18に制御信号を出力してこれらモータ17,18を駆動する。これにより第1円形管91の溶接部93の中心位置O1が第2円形管92の溶接部94の中心位置O2と一致し、両溶接部93,94間での目違いが解消される。
また、溶接部93,94上の溶接位置とトーチ14の先端の相対位置が所定の値で一定すれば管の全周に亘って良好に安定した裏波溶接を施すことができるようになる。但し、第2円形管92の溶接部94の中心位置O2が回転軸X1に対して偏心している場合には、トーチ14のYZ平面内での位置が固定されていれば回転角αに応じてトーチ14に対する溶接部93,94の表面の位置が変化するため、結果としてトーチ14の先端と溶接部93,94上の溶接位置の相対位置が変化する。
ステップS6では、まずこの相対位置を回転角αに関わらず一定にするため、次式に基づいて、トーチ14を回転角αに応じた溶接部93,94の表面の位置変化に追従させるようトーチ14の先端の位置をY方向に補正する補正量yα及びZ方向に補正する補正量zαが算出される。
Figure 2010017731
そして、ステップS6ではこのように算出された補正量だけY方向及びZ方向にトーチ14が移動するよう制御ユニット30によりロボットアーム15が駆動制御される。これによりトーチ14は第2円形管92(及び第1円形管91)の偏心回転による溶接部93,94の表面の位置変化に追従して回転軸X1と直交するYZ平面内を移動し、トーチ14の先端と溶接部93,94の溶接位置の相対位置が回転角αに関わらず一定となる。
このように回転角αに応じて第1円形管91が移動するとともにトーチ14が移動しながら溶接作業が実行される。そして、溶接が完了したか否かが判断され(ステップS7)、溶接が完了していないと判断されたときには、ステップS5に戻り、第1及び第2円形管91,92が継続して回転されて溶接作業が継続される。制御ユニット30は、この制御ループを比較的短い時間間隔(例えば約1msec)で実行する構成となっている。他方、第1及び第2円形管91,92は上記のとおり比較的低速で回転している(例えば約2〜7deg/min)。このため、ステップS6における移動量Yα,Zα及び補正量yα,zαの算出は、回転角αが微少角度(例えば約2〜7×10−3deg)変化するたび行われる。また、実際に発生し得る目違い量は管径と比べると比較的小さいオーダーである(例えば1〜3mm)。このため回転角αの変化に応じた目違いの解消は高精度で行われ、且つ、トーチ14の溶接部93,94の位置変化に対するトーチ14の追従性が高くなる。
溶接作業が完了したと判断されると、所定の終了動作が実行され(ステップS8)、第1及び第2円形管91,92が溶接された状態で溶接装置1から搬出される。
このような方法を経ることにより、第1及び第2円形管91,92は目違いなく溶接される。しかも、これら円形管91,92の内周面側には全周に亘って適度に肉が盛られた裏波溶接が施されることとなる。したがって、耐久性の高い高品質の管製品を提供することができるようになる。
(第2実施形態)
図9は第2実施形態に係る中心位置検知処理(ステップS2)の具体内容を示すフローチャートであり、図10は第2実施形態に係る管の溶接部周辺の概要構成を軸方向に見た模式図である。なお、第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示す第2実施形態に係るフローの概要も、まず各溶接部93,94の複数の表面位置を計測し、計測した表面位置に基づいて溶接部93,94の断面形状を近似した真円を規定し、規定した真円の中心を溶接部の中心位置として決定する、というものである。
また、第1実施形態では、溶接部93,94の表面との接触を検知して溶接部93,94の表面位置を計測するためのセンサ39(図1参照)としてTIGトーチ14(図1参照)を利用しているが、本実施形態では図10に示すように、このTIGトーチ14と同様の原理で表面位置を計測する複数の位置計測センサ139(図示例では3つ)が、X方向と直交する平面内で互いに等間隔に離れて設けられている。各位置計測センサ139はこの平面内で回転軸X1に対して接離するよう移動可能になっている。この複数の位置計測センサ139の1つがTIGトーチ14によって構成されていてもよい。
図9を参照すると、まず、回転ユニット4を駆動して円形管91の回転角を0degとする(ステップS221)。次に、各位置計測センサを動作させて複数の表面位置を同時的に計測する(ステップS222)。ここでいう「同時的」とは、第1実施形態が中心位置O1,O2の検知に管91,92の回転動作を必要としていたのに対し、本実施形態では円形管91,92を回転させることなく測定可能であることを意味している。
次に、計測された各表面位置を通過する真円を規定する(ステップS223)。そして、規定された真円の中心座標を求め、これを溶接部93,94の中心位置O1,O2として決定する(ステップS224)。
このようにして検知された中心位置O1,O2に基づいて図4中のステップS3以降の処理を行うことにより、第1実施形態と同様にして耐久性の高い高品質の管製品を提供することができるようになる。
(第3実施形態)
図11は第3実施形態の中心位置検知処理(ステップS2)の具体内容を示すフローチャートであり、図12はこの処理の概念図である。なお、第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図11に示す第3実施形態に係るフローの概要は、まず所定回転角における各溶接部93,94の頂点高さを計測し、計測した頂点高さに基づいて溶接部93,94の中心位置を求める、というものである。このフローに沿って溶接部93,94の中心位置を求めるため、本実施形態には各円形管91,92の直径を表すデータが予め記憶される。
また、このフローに沿って溶接部93,94の中心位置を求めるため、本実施形態の溶接装置には頂点高さを計測する図示しない頂点計測センサが設けられる。
図11を参照すると、まず、回転ユニット4を駆動して円形管91の回転角を0degとする(ステップS231)。次に、頂点計測センサを動作させて円形管91,92の頂点高さを表す頂点位置を計測する(ステップS232)。ここで言う頂点位置とは、図12に示すように、溶接部93,94の表面のうちZ方向すなわち鉛直方向に関して最上端となる位置である。この頂点位置P10の座標が取得されると、頂点位置と予め記憶されている円形管の半径rに基づいて中心位置を求める(ステップS233)。図12に示すとおり、中心位置O1は、頂点位置P10をZ方向にrだけ平行移動することによって求めることができる。
このようにして検知された中心位置O1,O2に基づいて図4中のステップS3以降の処理を行うことにより、第1実施形態と同様にして耐久性の高い高品質の管製品を提供することができるようになる。
これまで本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、本発明の範囲を逸脱しない限り適宜変更可能である。例えば、互いに溶接されるワークは、角型管であっても同様にして適用することができる。この場合、ワークの溶接部の断面形状が矩形状となりえるが、例えば対角線の交点を中心位置と捉えることによって本発明を応用することができる。また、溶接ユニットが備える工具は、TIG型に限られず、例えばMAG型やMIG型やCO型など、どのような形式のものでもよい。
また、回転角に応じたトーチ14の先端位置の制御は、回転角と第1及び第2位置情報に基づいて実行するものに限られず、トーチと溶接部との間に生じる電位差や電流などの電気的物理量が所定の値で一定になるようにトーチを移動させることによってトーチ高さを制御するようにしてもよい。この電気的物理量を検出する装置としては、上記のようにトーチを用いることができる。この制御を実行することによっても、トーチ高さが適切に保持され、良好な安定した裏波溶接を行うことができるようになる。
本発明は、2つのワークを回転させながら突合せ溶接するための装置及び方法に広く適用されうる。特に、比較的長尺の円形管を製造する装置及び方法に好適に適用されうる。
本発明の実施の形態に係る溶接装置の概要構成を示す概念図である。 図1に示す溶接装置の一部背面図である。 図2に示す管移動ユニットの平面図である。 本発明の実施の形態に係る溶接方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る溶接部の中心位置を検知する処理を説明するフローチャートである。 図5に示す処理の概念図あって、(a)が0degのときの表面位置の計測の概念図、(b)が360/N×kdegのときの表面位置の計測の概念図、(c)が各表面位置を通過する真円の概念図である。 溶接部の位置情報の取得処理の概念図である。 回転角に応じた第1円形管の移動量の算出処理の概念図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接部の中心位置を検知する処理を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る溶接装置の模式図である。 本発明の第3実施形態に係る溶接部の中心位置を検知する処理を説明するフローチャートである。 図11に示す処理の概念図である。
符号の説明
1 溶接装置
2,3 チャック
4 回転ユニット(回転手段)
8 第1駆動軸
10 ユニバーサルジョイント
11 第2駆動軸
13 溶接ユニット
14 トーチ
15 ロボットアーム(トーチ移動手段)
16 管移動ユニット(管移動手段)
20 鉛直移動機構
22 水平移動機構
30 制御ユニット
91 第1円形管
92 第2円形管
93,94 溶接部
O1,O2 中心位置
X1 回転軸

Claims (9)

  1. 第1及び第2円形管を同期回転させながら突合せ溶接する溶接装置であって、
    前記第1及び第2円形管を同期回転させる回転手段と、
    前記第1円形管を回転軸と直交する平面内で移動させる管移動手段と、
    前記第1及び第2円形管の各溶接部の中心位置を検知する中心検知部と、
    前記第1円形管の溶接部の中心位置の前記回転軸に対するズレを表す第1位置情報と、前記第2円形管の溶接部の中心位置の前記回転軸に対するズレを表す第2位置情報とを取得する位置情報取得部と、
    前記第1及び第2位置情報と前記第1及び第2円形管の回転角とに基づいて、前記第1円形管の溶接部の中心位置を前記第2円形管の溶接部の中心位置に一致させるために必要な移動量を算出する移動量算出部と、
    前記移動量だけ前記第1円形管が移動するよう前記管移動手段の動作を制御する管移動制御部とを備えていることを特徴とする溶接装置。
  2. 前記回転手段は、回転駆動源と、該回転駆動源に接続されて前記第1円形管に回転動力を出力する第1駆動軸と、該第1駆動軸とユニバーサルジョイントを介して連結されて前記第2円形管に回転動力を出力する第2駆動軸とを備えることを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  3. 前記第1及び第2円形管の各溶接部の表面位置を検出する位置検出手段を更に備え、
    前記中心検知部は、前記位置検出手段により検知される各溶接部の周方向に互いに離れた複数の前記表面位置を取得し、該複数の表面位置を通過する真円を規定し、該真円の中心を該溶接部の中心位置として決定する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接装置。
  4. 前記第1及び第2円形管の各溶接部の頂点高さを検知する高さ検知手段を更に備え、
    前記中心検知部は、前記高さ検知手段により検知される各溶接部の所定回転角での頂点高さを取得し、該頂点高さと管径とに基づいて該溶接部の中心位置を算出する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接装置。
  5. 前記溶接部を互いに溶接するため前記溶接部内に侵入するよう動作するトーチと、
    前記トーチを移動させるトーチ移動手段と、
    前記第1及び第2位置情報と前記第1及び第2円形管の回転角とに基づいて、管上の溶接位置とトーチ先端の相対位置が一定になるよう前記トーチ移動手段の動作を制御するトーチ動作制御部と
    を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶接装置。
  6. 前記第2位置情報と前記第1及び第2円形管の回転角とに基づいて管上の溶接位置とトーチ先端の相対位置が一定になるために必要なトーチ移動量を算出するトーチ移動量算出部を更に備え、
    前記トーチ動作制御部は、該トーチ移動量だけ前記トーチが移動するよう前記トーチ移動手段の動作を制御する構成であることを特徴とする請求項5に記載の溶接装置。
  7. 前記トーチと前記溶接部との間で生ずる電気的物理量を検出する電気的物理量検出手段を更に備え、
    前記トーチ動作制御部は、トーチ高さを一定にすべく該電気的物理量が一定になるよう前記トーチ移動手段の動作を制御する構成であることを特徴とする請求項5に記載の溶接装置。
  8. 第1及び第2のワークを同期回転させながら突合せ溶接する溶接方法であって、
    前記第1及び第2のワークの各溶接部の中心位置を検知し、
    前記第1のワークの溶接部の中心位置の回転軸に対するズレを表す第1位置情報と、前記第2のワークの溶接部の中心位置の回転軸に対するズレを表す第2位置情報とを取得し、
    前記第1及び第2位置情報に基づき、前記第1及び第2のワークの回転角に応じて前記第1のワークの溶接部の中心位置を前記第2のワークの溶接部の中心位置に一致させるよう前記第1のワークを回転軸と直交する平面内で移動させながら、前記第1及び第2のワークを互いに溶接する、ことを特徴とする溶接方法。
  9. 前記第1及び第2のワークがそれぞれ円形管であることを特徴とする請求項8に記載の溶接方法。
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