以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態について説明する前に、本発明に係る概略的な概念について説明する。最近では、1つの通信端末に複数の通信手段が搭載されるようになってきている。例えば通信端末に搭載される通信手段として、3G(携帯電話無線通信により用いられる物理回線)、WLAN(Wireless LAN)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、PHSなどの物理回線が考えられる。そして、プレゼンス情報を交換するサービスに関しても、それぞれの通信手段を用いたサービスが提供されるようになってきている。より具体的には、CDMA(Code Division Multiple Access)方式にて無線接続可能な通信手段と、WLANを用いた通信手段とが搭載された通信端末の場合、CDMAによる通話サービスと、WLANのVoIP(Voice Over Internet Protocol)通信サービスのいずれも利用することができる。勿論、同一の通信手段(CDMA方式にて無線接続可能な通信手段と、WLANを用いた通信手段)上で異なる複数のサービスを利用することが可能な場合も考えられる。このように、複数の通信手段による通信サービスを利用する場合、ユーザが例えば第1の通信手段を会社用に用いて、第2の通信手段を個人用に用いるなどの状況が想定される。
本発明においては、図1に示されるように、インターネット上でのSIPサーバやプレゼンスサーバを含む接続制御サーバ(図示せず)を介さずに、peer to peer通信によって、各通信端末(図1の場合、通信端末A乃至E)間で直接的にプレゼンス情報を交換するシステムを考える。なお、WLANを用いた通信を行う場合、WLANのVoIP通信サービスを利用する他の通信端末のIPアドレスが互いに予め取得されている。
複数の通信端末同士で複数の通信手段(通信サービス)を用いてプレゼンスを交換する場合、通信端末での各通信サービスにおけるプレゼンスが更新される度に、通信サービスごとにプレゼンスの更新を行う。例えば異なる3つの通信手段(通信手段1乃至3)を備える、4つの通信端末(通信端末A乃至D)間でプレゼンスを交換する場合を想定する。
従来においては図2に示されるように、通信端末Aにおいて第1の通信サービスのプレゼンスが更新されると、通信端末Aは、第1の通信手段を用いて第1の通信サービスのプレゼンス更新通知(状態更新通知)を他の通信端末B乃至Dに対して行う。他の通信端末B乃至Dは、通信端末Aからの第1の通信サービスのプレゼンス更新通知を受信すると、それぞれ、受信されたプレゼンス更新通知に対する応答(ACK)である更新応答を第1の通信サービスを用いて通信端末Aに送信する。また、通信端末Aは、第2の通信手段を用いて第2の通信サービスのプレゼンス更新通知(状態更新通知)を他の通信端末B乃至Dに対して行う。他の通信端末B乃至Dは、通信端末Aからの第2の通信サービスのプレゼンス更新通知を受信すると、それぞれ、受信されたプレゼンス更新通知に対する応答(ACK)である更新応答を第2の通信サービスを用いて通信端末Aに送信する。以下、第3の通信サービスを用いた場合についても同様である。
すなわち、通信端末Aにおいて各通信サービスのプレゼンスが更新された場合、搭載された3つの通信手段(通信サービス)ごとにプレゼンス更新通知の送信処理が実行され、他の通信端末ごとに3回のプレゼンス更新通知の送信処理が実行される。
従来においては図2に示されるように、複数の通信手段を用いて別々にプレゼンスの交換を行うと、プレゼンスの更新通知の回数が増えてしまい、それに伴って消費電流が増加してしまう。その結果、通信端末における電池持ちが悪くなってしまう。また、いずれの通信手段を用いたサービスによって他の通信端末と接続することができるか否かを知ることは困難であった。勿論、プレゼンス情報の交換を行う他の通信端末との間で事前に現在の接続状況などを確認するようにしてもよいが、他の通信端末との間で頻繁に接続を行うようにしてしまうと、結局、それに伴って消費電力が増加してしまい、通信端末での電池持ちが悪くなってしまう。
そこで、本発明においては、通信端末において各通信サービスのプレゼンスが更新された場合、その通信端末は、通信手段(あるいは通信サービス)ごとに他の通信端末にプレゼンス更新通知を行うのではなく、例えば図3に示されるように、複数の通信手段のいずれか1つの通信手段(図3の場合、第1の通信手段)を用いて、他の通信端末に対してすべての通信サービスのプレゼンス更新通知をまとめて行うようにする。このとき、複数の通信手段のうち、いずれかの通信手段を用いるか否かに関しては、例えば各通信手段の回線の接続状況や通信コストなどを考慮して決定するようにしてもよいし、あるいは、予め決められた優先度に従い、複数の通信手段の中からいずれか1つの通信手段を選択するようにしてもよい。これにより、プレゼンス更新通知の送信回数を削減し、消費電力を抑制しつつ、最新のプレゼンス情報を更新することができる。以下、この方法を用いた本発明の実施形態について説明する。
図4は、本発明に係るネットワークシステム1の概略的な構成を表している。図4に示されるように、ネットワークシステム1には、通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割したセル内にそれぞれ固定無線局である基地局(図示せず)が設置されている。これらの図示せぬ基地局には、移動無線局である通信端末2−1乃至2−3のそれぞれが有する第1の通信手段としての第1の通信部(図5の無線電話通信部)を用いて、例えばW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)と呼ばれる符号分割多元接続方式によって無線接続されており、例えば2[GHz]の周波数帯の5[MHz]帯域を利用して静止時に2[Mbps]、移動時に384[Kbps]のデータ転送速度で大容量データを高速にデータ通信することができる。なお、通信端末2−1乃至2−3は、以下において、それぞれを個々に区別する必要がない場合、通信端末2と総称する。
図示せぬ基地局は、有線回線を介して事業者網であるCDMAネットワーク3に接続されており、CDMAネットワーク3には、事業者が管理する接続制御サーバ4が接続されている。この事業者側の接続制御サーバ4は、事業者網であるCDMAネットワーク3内部での接続制御を行う。また、CDMAネットワーク3には、一般に公開されているInternet網であるインターネット5が接続されている。なお、通信端末2−1乃至2−3は、各通信端末2が有する第2の通信手段としての第2の通信部(図5の無線LAN通信部51)を用いて、図示せぬアクセスポイントを介してインターネット5に無線接続することが可能である。
このように、本発明の実施形態においては、通信端末2−1乃至2−3が複数の通信手段を備えており、一方の通信手段が事業者網であるCDMAネットワーク3を経由する無線の通信手段で、他方の通信手段がWLANのようにインターネット5に接続可能な通信手段を想定している。ただし、2つの通信手段の組み合わせとして、3G(携帯電話無線通信により用いられる物理回線)、WLAN(Wireless LAN)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、PHSなどの物理回線の中からいずれか2つのものが考えられる。また、通信端末2に3つ以上の通信手段を備えるようにしてもよい。
なお、本発明の実施形態においては、説明を簡略化するために、通信端末2−1乃至通信端末2−3の3つの通信端末2が存在する場合について明示的に説明するが、このような場合に限られず、2つまたは4つ以上の通信端末2が存在する場合についても本発明を当然に適用することができる。
図5は、図4の通信端末2(通信端末2−1、通信端末2−2、または通信端末2−3)の内部の構成を表している。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調停された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのデータに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ18(またはスピーカ50)により出力される。
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ17に表示させる。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ20により撮像された動画像データに関しても、図示せぬビデオRAMを介してメインディスプレイ17(液晶ディスプレイでもよいし、有機ELディスプレイでもよい)に表示させることも可能である。
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ17に表示させる。
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン15に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ20から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。
また、通信端末2は、外部メモリインタフェース45を備えている。この外部メモリインタフェース45は、メモリカード46を着脱することが可能なスロットを備えている。メモリカード46は、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。さらに、通信端末2には、現在の正確な現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)47が設けられている。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより通信端末2を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。
無線LAN通信部51は、内蔵されたアンテナ(図示せず)を介して、IEEE802.11a/b/gなどの所定の規格に準拠した無線LAN通信を行う。なお、本発明の実施形態においては、通信端末2がユーザにより持ち運ばれて移動した場合、適宜、通信端末2の無線LAN通信部51は、通信端末2に近接するアクセスポイント(図示せず)と通信を行い、新たに付与されたIPアドレスを取得する。取得された最新のIPアドレスは、通信端末2の記憶部42に記憶(保持)される。これにより、通信端末2のIPアドレスが動的に切り替えられる。
なお、通信端末2(通信端末2−1、通信端末2−2、または通信端末2−3)においては、例えば図6に示されるように、通信手段(あるいは通信サービス)ごとに現在の通信端末2のプレゼンスがメインディスプレイ17に表示される。例えば通信端末2−1の場合、図6(A)に示されるように、CDMAネットワーク3を経由する無線電話の通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「移動中」がメインディスプレイ17の所定の表示領域に表示されており、他方、WLANを用いてインターネット5に接続可能な通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「圏外」がメインディスプレイ17の所定の表示領域に表示されている。
同様に、例えば通信端末2−2の場合、図6(B)に示されるように、無線電話の通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「圏外」がメインディスプレイ17の所定の表示領域に表示されており、他方、WLANを用いた通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「在席」がメインディスプレイ17の所定の表示領域に表示されている。なお、通信端末2−3についても同様である。
但し、例えば通信端末2−1のメインディスプレイ17に表示される現在の通信端末2−1のプレゼンスは、明示した図6(A)の場合に限られず、各通信手段(通信サービス)の状態に応じて適宜更新される。通信端末2−2乃至2−3についても同様に、明示した図6(B)または(C)の場合に限られず、各通信手段(通信サービス)の状態に応じて適宜更新される。
また、通信端末2−1乃至2−3の記憶部42には、プレゼンス情報登録テーブルが格納されており、例えば通信端末2−1乃至2−3のそれぞれが図6(A)乃至(C)のようなプレゼンスをメインディスプレイ17に表示している場合、プレゼンス情報登録テーブルには、図7のように、通信サービス(例えば無線電話の通信手段上の通信サービスと、WLANを用いた通信手段上の通信サービス)ごとに、各通信端末2のプレゼンス情報が登録されている。
図8のフローチャートを参照して、図5の通信端末2(通信端末2−1、通信端末2−2、または通信端末2−3)におけるプレゼンス登録処理について説明する。ステップS1において、制御部41は、ユーザにより操作キー14が操作されることにより、通信サービスごとのプレゼンス入力画面上にて、新たな通信端末2のプレゼンス(各通信サービスごとのプレゼンス)の入力が受け付けられたか否かを判定し、新たな通信端末2のプレゼンス(各通信サービスごとのプレゼンス)の入力が受け付けられたと判定するまで待機する。
例えば通信端末2−1の場合、図6(A)に示されるように現在、無線電話の通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「移動中」が表示されており、他方、WLANを用いた通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「圏外」が表示されているものとする。このとき、ユーザにより操作キー14が操作されることで、無線電話の通信サービスのプレゼンス入力画面上にて、無線電話の通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1の新たなプレゼンスとして「在席」の入力が受け付けられると、新たな通信端末2のプレゼンス(各通信サービスごとのプレゼンス)の入力が受け付けられたと判定される。そして、通信端末2−1のメインディスプレイ17に表示される表示画面は、図6(A)に示される表示画面から図6(D)に示される表示画面に遷移する。
また、例えば通信端末2−2の場合、図6(B)に示されるように現在、無線電話の通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「移動中」が表示されており、他方、WLANを用いた通信手段上の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスとして「圏外」が表示されているものとする。このとき、ユーザにより操作キー14が操作されることで、WLANを用いた通信サービスのプレゼンス入力画面上にて、WLANを用いた通信手段の通信サービスにおける通信端末2−2の新たなプレゼンスとして「離席中」の入力が受け付けられると、新たな通信端末2のプレゼンス(各通信サービスごとのプレゼンス)の入力が受け付けられたと判定される。そして、通信端末2−1のメインディスプレイ17に表示される表示画面は、図6(B)に示される表示画面から図6(E)に示される表示画面に遷移する。
ステップS1において制御部41が、新たな通信端末2のプレゼンス(各通信サービスごとのプレゼンス)の入力が受け付けられたと判定した場合、制御部41はステップS2で、入力が受け付けられた新たなプレゼンスに基づいて、通信端末2のプレゼンス情報を記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに新たに登録する。記憶部42に登録される通信端末2のプレゼンス情報は、通信サービス(例えば無線電話の通信手段上の通信サービスと、WLANを用いた通信手段上の通信サービス)ごとに登録されており、例えば図6(A)に示される表示画面から図6(D)に示される表示画面に遷移す場合、記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに記憶されている、無線電話の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスは「移動中」から「在席」に更新される。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のプレゼンス登録処理と並行して実行される、図5の通信端末2における他のプレゼンス登録処理について説明する。
ステップS11において、制御部41は、通信端末2の状態が圏外または圏内に変化したか否かを判定する。すなわち、制御部41は、無線電話の通信手段上の通信サービスの場合、図示せぬ基地局から受信した電波の電界強度やS/N比などに基づいて電波状態を判別し、通信が著しく困難となる電波状態の場合には圏外と判断し、他方、WLANを用いた通信手段上の通信サービスの場合も、図示せぬアクセスポイントとの間での通信が著しく困難となり、インターネット5に接続することができない状態となると圏外と判断し、通信端末2の状態が圏外または圏内に変化したか否かを判定する。
ステップS11において制御部41が、通信端末2の状態が圏外または圏内に変化したと判定した場合、制御部41はステップS12で、通信端末2の状態の圏外または圏内への変化に従い、通信端末2のプレゼンス情報を記憶部42に新たに登録する。記憶部42に登録される通信端末2のプレゼンス情報は、通信サービス(例えば無線電話の通信手段上の通信サービスと、WLANを用いた通信手段上の通信サービス)ごとに登録されており、例えば図6(C)に示される表示画面から図6(F)に示される表示画面に遷移する場合、記憶部42に記憶されている、無線電話の通信サービスにおける通信端末2−1のプレゼンスは「会議中」から「圏外」に更新される。その後、処理はステップS11に戻り、ステップS11以降の処理が繰り返し実行される。
図10のフローチャートを参照して、図5の通信端末2−1におけるプレゼンス更新通知送信処理について説明する。このプレゼンス更新通知送信処理は、図8と図9のプレゼンス登録処理に並行して実行される。なお、図10を用いたプレゼンス更新通知送信処理においては、通信端末2−1から他の通信端末2−2または通信端末2−3へプレゼンス更新通知を送信する場合を想定する。
ステップS21において、制御部41は、図8または図9のプレゼンス登録処理によっていずれかの通信サービスのプレゼンス情報が更新されたか否かを判定する。ステップS21において制御部41が、いずれかの通信サービスのプレゼンス情報が更新されたと判定した場合、制御部41はステップS22で、時計回路47を用いて、予め所定の時間(例えば3分間など)に設定された送信間隔タイマ(すなわち、一旦、いずれかの通信サービスのプレゼンス情報が更新された後、他の通信端末2−2または通信端末2−3にプレゼンス情報を含むプレゼンス更新通知を送信するまでの送信間隔を計時するためのタイマ)の計時を開始し、送信間隔タイマが満了したか否かを判定し、送信間隔タイマが満了するまで待機する。
これにより、一旦、いずれかの通信サービスのプレゼンス情報が更新された後、予め所定の時間に設定された送信間隔タイマが満了するまでの間に更新されたプレゼンス情報を、後述するプレゼンス更新通知にまとめて他の通信端末2−2または2−3に送信することができる。
ステップS22において制御部41が、送信間隔タイマが満了したと判定した場合、制御部41は、記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに登録(記憶)されている各通信サービスのプレゼンス情報を読み出し、収集する。具体的には、図7のプレゼンス情報登録テーブルの場合、記憶部42に各通信サービスのプレゼンス情報として、無線電話通信部に関して「移動中」と、無線LAN通信部51に関して「圏外」が登録されている。このとき、記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに登録されている各通信サービスのプレゼンス情報「移動中」と「圏外」が読み出され、収集される。
ステップS24において、制御部41は、記憶部42に予め記憶されている通信サービス優先度テーブルを読み出す。図11は、記憶部42に予め記憶されている通信サービス優先度テーブルを表している。図11の場合、第1位の優先度の通信手段として無線電話通信部が対応付けられており、第2位の優先度の通信手段として無線LAN通信部51が対応付けられて登録されている。この優先度は、初期設定として、あるいは、ユーザの好みに応じて予め設定されている。
ステップS25において、制御部41は、記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに登録されている最新のプレゼンス情報に基づいて、通信端末2−1において、読み出された通信サービス優先度テーブルに記述された第1位の優先度の通信手段の状態が圏内であるか否かを判定する。例えば図7の場合、通信端末2−1において、通信サービス優先度テーブルに記述された第1位の優先度の通信手段である無線電話通信部に関して「移動中」と登録されていることから、第1位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定される。
ステップS25において制御部41は、第1位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定した場合、制御部41はステップS26で、記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに登録されている最新のプレゼンス情報に基づいて、他の通信端末2(他の通信端末2−2または通信端末2−3)における、第1位の優先度の通信手段の状態が圏内であるか否かを判定する。例えば図7の場合、通信端末2−2において、通信サービス優先度テーブルに記述された第1位の優先度の通信手段である無線電話通信部に関して「圏外」と登録されていることから、第1位の優先度の通信手段の状態が圏外であると判定される。一方、通信端末2−3において、通信サービス優先度テーブルに記述された第1位の優先度の通信手段である無線電話通信部に関して「会議中」と登録されていることから、第1位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定される。
ステップS26において制御部41が、他の通信端末2における、第1位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定した場合、制御部41はステップS27で、各通信サービス(例えば無線電話の通信手段上の通信サービスと、WLANを用いた通信手段上の通信サービス)のプレゼンス情報を含むプレゼンス更新通知を生成し、第1位の優先度の通信手段である無線電話通信部(アンテナ31や送信回路35、CDMA信号処理部36など)を制御し、第1位の優先度の通信手段である無線電話通信部を用いて、生成されたプレゼンス更新通知を他の通信端末2に送信する。
具体的には、図7の場合、通信端末2−2において第1位の優先度の通信手段の状態が圏外であり、通信端末2−3において第1位の優先度の通信手段の状態が圏内であることから、他の通信端末2のうち通信端末2−3についてのみ、第1位の優先度の通信手段である無線電話通信部を用いて、生成されたプレゼンス更新通知が送信される。
ステップS28において、制御部41は、通信サービスを用いて互いのプレゼンスを交換する他の通信端末2のうち、プレゼンス更新通知送信処理を実行していない通信端末2があるか否かを判定する。ステップS28において制御部41が、プレゼンス更新通知送信処理を実行していない通信端末2があると判定した場合、処理はステップS25に戻り、ステップS25以降の処理が実行される。これにより、他の通信端末2(例えば通信端末2−2乃至通信端末2−3)のすべてに対してプレゼンス更新通知送信処理が実行されるまで、ステップS25乃至S32の処理が順次実行される。
なお、ステップS26において制御部41が、他の通信端末2における、第1位の優先度の通信手段の状態が圏内ではないと判定した場合、制御部41は他の通信端末2に対して第1位の優先度の通信手段を用いてプレゼンス更新通知送信処理を実行することはできないと認識する。その後、処理はステップS29に進む。
一方、ステップS25において制御部41は、第1位の優先度の通信手段の状態が圏外であると判定した場合、制御部41はステップS29で、記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに登録されている最新のプレゼンス情報に基づいて、通信端末2−1において、読み出された通信サービス優先度テーブルに記述された第2位の優先度の通信手段の状態が圏内であるか否かを判定する。例えば図7の場合、通信端末2−1において、通信サービス優先度テーブルに記述された第2位の優先度の通信手段である無線LAN通信部51に関して「圏外」と登録されていることから、第2位の優先度の通信手段の状態が圏外であると判定される。なお、図7の場合と異なり、通信端末2−1において、通信サービス優先度テーブルに記述された第2位の優先度の通信手段である無線LAN通信部51に関して例えば「在席」などと登録されている場合、第2位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定される。
ステップS29において制御部41が、通信端末2−1において、読み出された通信サービス優先度テーブルに記述された第2位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定した場合、制御部41はステップS30で、記憶部42のプレゼンス情報登録テーブルに登録されている最新のプレゼンス情報に基づいて、他の通信端末2(他の通信端末2−2または通信端末2−3)における、第2位の優先度の通信手段の状態が圏内であるか否かを判定する。例えば通信端末2−2または通信端末2−3において、通信サービス優先度テーブルに記述された第2位の優先度の通信手段である無線LAN通信部51に関して例えば「在席」などと登録されている場合、第2位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定される。
ステップS30において制御部41が、他の通信端末2における、第2位の優先度の通信手段の状態が圏内であると判定した場合、各通信サービス(例えば無線電話の通信手段上の通信サービスと、WLANを用いた通信手段上の通信サービス)のプレゼンス情報を含むプレゼンス更新通知を生成し、第2位の優先度の通信手段である無線LAN通信部51を制御し、第2位の優先度の通信手段である無線LAN通信部を用いて、生成されたプレゼンス更新通知を図示せぬアクセスポイントを介して他の通信端末2に送信する。
その後、処理はステップS28に進む。
一方、ステップS29において制御部41が、通信端末2−1において、読み出された通信サービス優先度テーブルに記述された第2位の優先度の通信手段の状態が圏外であると判定した場合、または、ステップS30において制御部41が、他の通信端末2における、第2位の優先度の通信手段の状態が圏外であると判定した場合、制御部41は他の通信端末2に対して第1位および第2位の優先度のいずれの通信手段を用いても、プレゼンス更新通知送信処理を実行することはできないと認識する。そして、この場合、ステップS32で制御部41は、たとえいずれかの通信サービスのプレゼンス情報が更新された場合であっても、プレゼンス更新通知の送信を一時的に停止する。その後、処理はステップS28に進む。
ステップS28において制御部41が、プレゼンス更新通知送信処理を実行していない通信端末2はないと判定した場合、処理はステップS21に戻り、ステップS21以降の処理が繰り返し実行される。
本発明の実施形態においては、無線電話通信部と無線LAN通信部51は、他の通信端末2との間で通信し、無線電話通信部と無線LAN通信部51を介して他の通信端末2との間で交換する複数の通信サービスのプレゼンス情報を記憶し、いずれかの通信サービスのプレゼンス情報の更新があった場合、複数の通信サービスのプレゼンス情報を含むプレゼンス更新通知を、通信部(例えば無線電話通信部と無線LAN通信部51など)の優先度に従い、いずれかの通信部を用いて他の通信端末2に送信するように制御することができる。
これにより、複数の通信手段のいずれか1つの通信手段を用いて、他の通信端末に対してすべての通信サービスのプレゼンス更新通知をまとめて行うことができる。また、複数の通信手段のうち、いずれかの通信手段の状態が圏外であるためにその通信手段を用いることができない場合であっても、他の通信手段を用いてその通信手段の状態が圏外である旨をプレゼンスにて他の通信端末2に送信することができる。従って、プレゼンス更新通知の送信回数を削減し、消費電力を抑制しつつ、最新のプレゼンス情報を更新することができる。また、プレゼンス更新通知を送信する前に、使用する通信手段を用いて他の通信端末2側で受信可能であるか否かを判断するため、他の通信端末2の状態が圏外である場合にプレゼンス更新通知を送信することで無駄な消費電流が生じることを防止することができる。
その結果、通信端末2間で互いのプレゼンスを交換する場合における利便性を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態においては、通信手段の優先度を予め設定しておくようにしたが、このような場合に限られず、複数の通信手段のうち、いずれかの通信手段を用いるか否かに関しては、例えば各通信手段の回線の接続状況や通信コストなどを考慮して決定するようにしてもよい。この場合におけるプレゼンス更新通信送信処理は、図12に示される。なお、図12の処理は、図10の処理と基本的には同様であり、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。
ステップS54において、制御部41は、例えば各通信手段の回線の接続状況や通信コストなどを考慮して、無線電話通信部と無線LAN通信部51の優先度を決定する。その後、決定された優先度が用いられてプレゼンス更新通知送信処理が実行される。
なお、本発明は、携帯電話機以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の通信端末にも適用することができる。
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
1…ネットワークシステム、2(2−1乃至2−3)…通信端末、3…CDMAネットワーク、4…事業者側の接続制御サーバ、5…インターネット、14…操作キー、15…マイクロフォン、16…サイドキー、17…メインディスプレイ、18…レシーバ、19a乃至19d…磁気センサ、20…CCDカメラ、21…サブディスプレイ、31…アンテナ、32…アンテナ共用器(DUP)、33…受信回路(RX)、34…周波数シンセサイザ(SYN)、35…送信回路(TX)、36…CDMA信号処理部、37…圧縮伸張処理部、38…PCMコーデック、39…受話増幅器、40…送話増幅器、41…制御部、42…記憶部、43…電池、44…電源回路、45…外部メモリインタフェース、46…メモリカード、47…時計回路、50…スピーカ、51…無線LAN通信部。