JP2010015977A - 燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解質型燃料電池において、電極やセパレータを大面積化しても集電効率を確保する。
【解決手段】単位セル10は、電解質・電極接合体(MEA)12と、該MEA12を挟持する1組のセパレータ14、16と、MEA12とセパレータ14、16の間に介装された緩衝層22、24とを有する。この中、緩衝層22、24は、無機粉体同士が融着した多孔質体からなり、該無機粉体と有機物を含む緩衝層前駆体から前記有機物が気化して得られたものである。緩衝層22、24の各々は、セパレータ14の突起部32とアノード側電極26との間、及びカソード側電極30とセパレータ16の突起部34との間の各クリアランスを充填し、且つアノード側電極26とセパレータ14の突起部32、カソード側電極30とセパレータ16の突起部34に密着する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解質・電極接合体とセパレータの発電部との間のクリアランスが充填された単位セルを具備する燃料電池及びその製造方法に関する。
燃料電池の電解質・電極接合体(MEA)は、例えば、NiO−イットリア安定化ジルコニア(YSZ)系サーメットからなるアノード側電極上に固体電解質、カソード側電極を順次積層することで作製される。そして、このMEAが1組のセパレータで挟持され、これにより単位セルが得られる。なお、アノード側電極に含まれるNiOは、初回の発電時にNiに還元される。
この種の燃料電池の発電特性を向上させるためには、例えば、単位セルの内部抵抗を小さくすることが想起される。この観点から、MEAからの集電効率を向上させることが試みられている。すなわち、特許文献1には、銀又は銀合金からなる多孔質体、ないし銀又は銀合金で被覆された金属多孔質体を集電体としてセパレータと空気極(カソード側電極)との間に介装することが提案されている。また、特許文献2には、各電極の表面に該電極に比して金属濃度が高い集電層を形成する技術が開示されている。
ところで、セパレータはプレス成形等によって作製され、MEAは焼成等によって作製されるが、このようにして得られたセパレータやMEAには、反りやうねり、歪み等が不可避的に残留してしまう。このため、セパレータとMEAとを全領域にわたって互いに密着させることは困難である。両者を密着させるために、換言すれば、互いの接触面積を大きくするために、締め付け荷重を大きくすることが想起されるが、締め付け荷重を過度に大きくしてしまうと、MEAに割れが生じたり、セパレータが変形したりするという不具合を招く。
また、燃料電池を大型化するべく電極面積やセパレータ面積を大きくした場合、上記のようにアノード側電極中のNiOがNiに変化したときに該アノード側電極に反りが発生する。すなわち、MEA全体が変形する。また、燃料電池を発電させるために昇温することに伴うセパレータの熱膨張量が無視し得ない程度となる。このため、MEAとセパレータとの間の一部に、互いが離間することによってクリアランスが形成される。以上のような事態が生じると、前記特許文献1、2に記載されるように集電層を形成しても、該集電層がセパレータから離間するので集電効率を向上させることができない。さらに、集電層を介して締め付け荷重を加える場合にも、MEAに割れが生じたり、セパレータが変形したりする懸念を払拭することができない。
特許文献3には、集電体とセパレータとの接触効率を向上させるべく、該集電体として複数の開口を有する多孔質導電体を用いるとともに、セパレータ又は電極として導電性突起を有するものを用いることが記載されている。該特許文献3の記載によれば、セパレータ又は電極の導電性突起が集電体の開口に進入し、さらに、該開口内の壁に接触するようになるので、集電体とセパレータ又は電極との接触効率が向上する、とのことである。また、特許文献3には、導電性突起が開口に噛み込むことに伴って集電体とセパレータ又は電極との相対的な位置ズレが回避される旨の記載がある。
特開2002−237312号公報 特開2004−355814号公報 特開2005−56816号公報
しかしながら、特許文献3記載の従来技術における導電性突起と開口内の壁との接触はスポット的な点接触であり、このため、集電効率の大きな向上は容易ではないと考えられる。
しかも、この場合、導電性突起と開口の位置が必ずしも合致するとは限らない。仮に、集電体における開口が存在しない位置に電極の導電性突起が当接した場合、集電体から押圧された導電性突起によって該電極の一端面が押圧されることになる。このため、電極の破壊起点となる懸念もある。
さらに、導電性突起及び集電体を金属で構成するため、これらが酸化したり、場合によってはクロム被毒を受けたりした場合、集電性能が低下してしまうという不具合がある。
その上、導電性突起を有するMEA又はセパレータを作製すること自体煩雑であり、単位セルの作製プロセスが複雑化するとともに長時間化するという不都合もある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、電極やセパレータを大面積化しても集電効率に優れ、また、電極が破壊する懸念がなく、しかも、作製が容易な燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池において、
前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間の少なくともいずれか一方に介在された緩衝層の緩衝層前駆体を有し、
前記緩衝層前駆体は、電子伝導性を示す無機粉体と、可塑性を示す有機物とを含み、前記有機物が塑性変形を起こすことに伴って前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填して前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの双方の発電部に密着し、
前記単位セルが発電反応に供されたとき、前記有機物が消失することを特徴とする。
緩衝層前駆体は、その可塑性によって、アノード側電極又はカソード側電極とセパレータの反り・うねりに対応して変形する。これにより、反り・うねりが吸収されるとともに、該緩衝層前駆体中の無機粉体を介して電極からセパレータ、又はその逆方向の電子伝導チャネルが確保される。
すなわち、緩衝層前駆体を介装することにより、集電効率に優れ、発電特性に優れた燃料電池を構成することができる。
なお、前記「発電部」は、燃料電池の発電反応が起こる部位のことをいう。
緩衝層前駆体は、単位セルが構成されたときのセパレータ及び電解質・電極接合体の自重によって塑性変形が可能なものであることが好ましい。この場合、単位セルを構成することのみで緩衝層前駆体を容易に塑性変形させることが可能となるので、燃料電池の作製作業が著しく容易となるからである。
具体的には、緩衝層前駆体は、荷重が3.5kgf/m2に到達した時点で塑性変形を伴う緩衝効果を発現するものであることが好ましい。ここで、「緩衝効果」とは、緩衝層前駆体が示す「アノード側電極又はカソード側電極とセパレータとの反りやうねり、歪みを吸収し、アノード側電極又はカソード側電極とセパレータとの密着性を高める効果」のことをいう。
いずれの場合においても、緩衝層前駆体は、その有機物が熱可塑性樹脂を主体とするものであるととともに、該有機物と無機粉体との割合が重量比で95:5〜5:95であり、且つ無機粉体が10S/cm以上の電子伝導度を示すものであることが好ましい。これにより、緩衝層前駆体を形成することが容易となるとともに、集電効率が確保されるからである。
さらに、無機粉体が、比表面積が1〜15m2/gであることが好ましい。この場合、緩衝層前駆体が緩衝層に変化する際の収縮率を制御することが容易となるからである。
そして、セパレータは、アノード側電極に対向する側の端面、又はカソード側電極に対向する側の端面の少なくともいずれか一方に突起部を備えるものであることが好ましい。この場合、突起部が緩衝層前駆体にスパイク上に食い込むので、緩衝層前駆体との接触面積が増加する。これにより、集電効率が一層向上する。
上記したように、緩衝層前駆体の有機物は、最終的に、単位セルが発電反応に供されたとき、気化によって消失する。本発明には、この状態も含まれるものとする。すなわち、本発明は、アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池において、
前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間の少なくともいずれか一方に介在され、電子伝導性を示す無機粉体の多孔質体からなり、且つ集電特性を示す緩衝層を有し、
前記緩衝層は、前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填して前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの双方の発電部に密着し、
前記単位セルが発電反応に供されたとき、前記無機粉体が集電作用を営むことを特徴とする。
緩衝層は、上記のように塑性変形を起こした緩衝層前駆体の形状を保っている。この緩衝層が電極とセパレータとの間に介在することにより、集電効率が確保される。
勿論、緩衝層の厚みは、電解質・電極接合体又はセパレータに存在する初期歪み量(反り・うねり等の合計)に対応している。これにより、反応ガス流通路以外のクリアランスが充填され、結局、集電効率が一層確保される。
なお、上記したように、無機粉体は、10S/cm以上の電子伝導度を示すものであることが好ましい。この場合、該無機粉体が、比表面積が1〜15m2/gであるものであると一層好適である。
さらに、上記した理由から、セパレータは、アノード側電極に対向する側の端面、又はカソード側電極に対向する側の端面の少なくともいずれか一方に突起部を備えるものであると好適である。
また、本発明は、アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池の製造方法において、
電子伝導性を示す無機粉体と、有機物とを混合してスラリーを得る工程と、
前記スラリーから緩衝層の緩衝層前駆体をシート状成形体として形成する工程と、
前記緩衝層前駆体を、前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間との少なくともいずれか一方に介在させた単位セルを具備する燃料電池を作製するとともに、前記緩衝層前駆体を塑性変形させることで前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填し、該緩衝層前駆体を前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部に密着させる工程と、
を有することを特徴とする。
すなわち、この場合、緩衝層前駆体は、シート状成形体として作製される。
又は、緩衝層前駆体となるスラリーを塗布するようにしてもよい。すなわち、本発明は、アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池の製造方法において、
電子伝導性を示す無機粉体と、有機物とを混合してスラリーを得る工程と、
前記スラリーを、前記アノード側電極中の前記セパレータに臨む側の端面と前記カソード側電極中の前記セパレータに臨む側の端面の少なくともいずれか一方、又は、前記セパレータ中の前記アノード側電極に臨む側の端面と前記カソード側電極に臨む側の端面の少なくともいずれか一方に塗布して緩衝層の緩衝層前駆体を形成する工程と、
前記緩衝層前駆体を、前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間との少なくともいずれか一方に介在させた単位セルを具備する燃料電池を作製するとともに、前記緩衝層前駆体を塑性変形させることで前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填し、該緩衝層前駆体を前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部に密着させる工程と、
を有することを特徴とする。
このように、本発明によれば、一般的な単位セルの作製作業に加え、緩衝層前駆体のシート状成形体を作製する工程を行うか、又は、緩衝層前駆体となるスラリーを塗布する工程を行うのみでよい。すなわち、単位セル、ひいては燃料電池の作製作業が煩雑化することはない。
なお、緩衝層前駆体を緩衝層に変化させるには、燃料電池に対して昇温処理を施す工程を行い、緩衝層前駆体から有機物を消失させればよい。これにより、無機粉体の多孔質体からなり、且つ集電特性を示す緩衝層が形成される。
この昇温処理は、燃料電池の初回の運転時の昇温として行えばよい。すなわち、緩衝層前駆体を緩衝層に変化させるための熱処理を行う必要は特にない。
本発明によれば、アノード側電極又はカソード側電極とセパレータとの間に緩衝層前駆体を介装し、該緩衝層前駆体を、アノード側電極又はカソード側電極とセパレータとの反り・うねりに応じて塑性変形させ、さらに、該緩衝層前駆体中の有機物を除去することで無機粉体の多孔質体からなる緩衝層を得るようにしている。前記塑性変形に伴って緩衝効果が発現し、最終的に、緩衝層がアノード側電極又はカソード側電極とセパレータとの反り・うねりを吸収してアノード側電極又はカソード側電極とセパレータの発電部とに密着する。このため、電極からセパレータ、又はその逆方向への電子伝導が容易である。従って、集電効率が確保されるので、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
本実施の形態に係る燃料電池が具備する単位セルの全体概略縦断面図である。 図1中の緩衝層前駆体が緩衝層に変化した状態である別の実施の形態に係る単位セルの全体概略縦断面図である。 本実施の形態に係る燃料電池と、緩衝層を具備しない燃料電池における電解質・電極接合体及びセパレータの反り・うねりの大きさと出力との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る燃料電池につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る燃料電池が具備する単位セル10の全体概略縦断面図である。この単位セル10は、MEA12と、該MEA12を挟持する1組のセパレータ14、16と、MEA12とセパレータ14、16の間に介装された緩衝層前駆体18、20とを有する。後述するように、緩衝層前駆体18、20は、最終的には緩衝層22、24に変化する(図2参照)。
なお、図1におけるMEA12は、作製後に反りが生じた状態が誇張して示されている。セパレータ14側の突起部32の先端は、MEA12の端部側で緩衝層前駆体18内に進入し、MEA12の中心部側でのみ緩衝層前駆体18の端面に接触する。その一方で、セパレータ16側の突起部34の先端は、MEA12の中心部側で緩衝層前駆体20内に進入しているが、MEA12の端部側では緩衝層前駆体20の端面に接触するのみである。この状態では、接触抵抗が大きくなる。
MEA12は、アノード側電極26上に固体電解質28、カソード側電極30がこの順序で積層されて構成されている。この中、アノード側電極26の材質としては、好適には、Niとセラミックスとのサーメットが選定される。セラミックスの具体例としては、8〜10mol%のY23を固溶したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、9〜12mol%のSc23を固溶したスカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、サマリウム添加セリア(SDC)等が挙げられる。なお、本実施の形態においては、アノード側電極26は、Ni−YSZサーメットからなり、その厚みは200〜500μm程度に設定されている。
固体電解質28の材質としては、高い酸化物イオン伝導度を示す物質が選定され、その具体例としては、SSZが挙げられる。なお、固体電解質28の厚みは、一般的に、5〜20μm程度である。
カソード側電極30の厚みも、固体電解質28と同様に5〜20μm程度に設定される。また、カソード側電極30の好適な材質としては、La−Co−O系ペロブスカイト型酸化物、La−Sr−Co−O(LSC)系ペロブスカイト型酸化物、La−Sr−Co−Fe−O(LSCF)系ペロブスカイト型酸化物の群中から選択されるいずれか1種や、これらのペロブスカイト型酸化物中の1種に対し、Sm23固溶CeO2(SDC)、Y23固溶CeO2(YDC)、Gd23固溶CeO2(GDC)、La23固溶CeO2(LDC)等の蛍石型酸化物を混合した混合物が挙げられる。なお、本実施の形態では、LSCF系ペロブスカイト型酸化物を用いている。
このように構成されたMEA12は、セパレータ14、16同士の間に介装される。ここで、セパレータ14におけるアノード側電極26を臨む端面、及びセパレータ16におけるカソード側電極30を臨む端面には、それぞれ、アノード側電極26、カソード側電極30に向かって延在する突起部32、34が形成されている。この突起部32、34と、緩衝層前駆体18、20が変化して生成した後述する緩衝層22、24(図2参照)との間のクリアランスに、燃料ガス又は酸化剤ガスが流通される。すなわち、突起部32、34は、これらの反応ガスを流通するための反応ガス流通路を形成する。
本実施の形態においては、MEA12とセパレータ14、16との間、すなわち、セパレータ14とアノード側電極26との間、及びカソード側電極30とセパレータ16との間に緩衝層前駆体18、20がそれぞれ介装されている(図1参照)。この場合、緩衝層前駆体18、20は、無機粉体と有機物とを重量比で5:95〜95:5の割合で含む。有機物が95重量%を超える場合、後述する緩衝層22、24を多孔質体として得ることが容易ではない。また、有機物が5重量%未満である場合、緩衝層前駆体18、20をシート状成形体やスラリーとすることが容易でなくなる。
セパレータ14とアノード側電極26との間に介装される緩衝層前駆体18に含まれる無機粉体としては、集電効率を確保するという観点から、電子伝導度が10S/cm以上であるものを採用することが好ましい。すなわち、例えば、Ni、Pt、Pd、Cu、Fe、Au、Ag、Ru等の金属であってもよいし、NiO、CuO、FeO、Fe23等の金属酸化物であってもよい。又は、NiO−YSZ、NiO−SDC、NiO−スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等のサーメットであってもよいし、LaSrCrO3、LaSrTiO3等の複合酸化物であってもよい。
また、無機粉体としては、比表面積が1〜15m2/gであるものが好適である。この場合、緩衝層前駆体18、20から緩衝層22、24を得るために昇温する際、緩衝層前駆体18、20の焼結の度合い、ひいては、緩衝層22、24とセパレータ14、16及びMEA12とが常時密着可能となるように収縮率を制御することが容易である。
なお、比表面積が1m2/gよりも小さい無機粉体を用いた場合、焼結性が低下して無機粉体のみが残留し、緩衝層22、24とセパレータ14、16、又はMEA12との接触がいわゆる点接触となる傾向がある。このため、接触抵抗が高くなる懸念がある。一方、比表面積が15m2/gよりも大きい無機粉体を用いると、緩衝層前駆体18、20から緩衝層22、24に変化する際の収縮率が大きくなる。このため、緩衝層22、24とセパレータ14、16、又はMEA12との界面に剥離が生じる懸念がある。勿論、この場合、接触抵抗が大きくなる。
有機物の主成分は熱可塑性樹脂であり、その他、溶剤、可塑剤、分散剤等が含まれている。この中、熱可塑性樹脂は、前記無機粉体同士を保持するバインダとして機能する。また、緩衝層前駆体18に可塑性をもたらす。すなわち、緩衝層前駆体18は、熱可塑性樹脂の存在により柔軟性を示す。
なお、熱可塑性樹脂の好適な具体例としては、セルロース系、ポリアクリレート系、ポリビニルブチラート系、ポリビニルアルコール系、ポリメタクリレート系、エチレンビニルアセテート系等が挙げられる。ガラス転移温度が相違するものを2種以上混合するようにしてもよい。
可塑剤は、必須の成分ではないが、熱可塑性樹脂とともに緩衝層前駆体18に可塑性をもたらし、その結果、緩衝層前駆体18がさらなる柔軟性を示すようになることから、熱可塑性樹脂の体積を1とするとき、体積比で0.1〜1の割合で添加することが好ましい。この種の可塑剤としては、ポリカルボン酸アンモニウム塩、エステル型非イオン活性剤等を選定すればよい。
分散剤もまた、必須の成分ではないが、緩衝層前駆体18中で無機粉体が凝集することが防止され、これにより、熱可塑性樹脂(バインダ)内に略均等に分散されるようになるので、熱可塑性樹脂の体積を1とするとき、体積比で0.1以下の割合で添加することが好ましい。分散剤の具体例としては、ジブチルフタレート、ジイソデシルフタレート、グリセリン、サクローズアセテートイソブチレート等が挙げられる。
一方、カソード側電極30とセパレータ16との間に介装される緩衝層前駆体20に含まれる無機粉体として、集電効率を確保するべく、電子伝導度が10S/cm以上であるものが好適である。具体的には、LSC系酸化物、LSCF型酸化物、La−Co(LC)系酸化物、La−Sr−Mn(LSM)系酸化物、Ba−Sr−Co(BSC)系酸化物、Ba−Sr−Co−Fe(BSCF)系酸化物、Sm−Sr−Co系酸化物や、Pt、Au、Agが挙げられる。前記無機粉体と同様の理由から、この無機粉体も比表面積が1〜15m2/gであるものが好適である。
なお、緩衝層前駆体20に含まれる有機物中の成分やその役割については、上記緩衝層前駆体18に含まれる有機物中の成分やその役割と同様であるので、詳細な説明は省略する。
緩衝層前駆体18、20はともに、50〜500℃の間でMEA12の自重によって塑性変形が可能である。MEA12の自重による荷重は3.5kgf/m2程度であるから、緩衝層前駆体18、20は、荷重が3.5kgf/m2に到達した時点で塑性変形を開始するが、そのような荷重が加わるより前に、緩衝効果によって徐々に変形している。なお、一般的には、燃料電池は、複数個の単位セル10が積層されたスタックとして構成され、その際の締め付け荷重は15kgf程度である。
以上のように形成された単位セル10は、単独で、又は複数個が積層されたスタックとして燃料電池を構成する。そして、燃料電池が発電のために所定温度まで昇温されると、これに伴ってアノード側電極26に含まれるNiOがNiに還元される。このため、図2に示すように、アノード側電極26に最大でhの反りやうねりが生じ、結局、MEA12全体が反る。
同時に、緩衝層前駆体18、20から有機物が気化し始める。また、有機物の主成分である熱可塑性樹脂は、その可塑性のため、ガラス転移温度付近(概ね200℃程度)に到達するまで活発に変形を起こす。すなわち、図2から諒解されるように、セパレータ14とアノード側電極26との間、カソード側電極30とセパレータ16との間で、MEA12の反りに対応して変形する。その結果、緩衝層前駆体18は、セパレータ14の突起部32とアノード側電極26にそれぞれ密着してこれらセパレータ14の突起部32とアノード側電極26との間のクリアランスを充填する。勿論、緩衝層前駆体20も同様に、カソード側電極30とセパレータ16の突起部34にそれぞれ密着してこれらカソード側電極30とセパレータ16の突起部34との間のクリアランスを充填する。
緩衝層前駆体18、20の有機物は、最終的に全て気化する。その一方で、気化の間に無機粉体同士が互いに融着し合う。その結果、セパレータ14の突起部32とアノード側電極26との間、カソード側電極30とセパレータ16の突起部34との間に、無機粉体が融着してなる多孔質体がそれぞれ残留する。これら多孔質体が、緩衝層22、24である。
緩衝層前駆体18、20の厚みは、緩衝層22、24が前記hを充填し得る厚みとなるように設定される。ただし、単位セル10の自重や締め付け荷重によってMEA12が若干平坦化されるため、この分を考慮し、緩衝層前駆体18、20の厚みはhよりも小さく設定することが好ましい。
緩衝層22、24は、上記したように多孔質体である。このため、セパレータ14から供給された燃料ガス、及びセパレータ16から供給された酸化剤ガスは、それぞれ、緩衝層22、24の気孔を経由してアノード側電極26、カソード側電極30に到達する。すなわち、緩衝層22、24を設けたことで反応ガスの流通が妨げられることはない。
しかも、緩衝層22は、セパレータ14の発電部(突起部32)とアノード側電極26とに密着し、且つ緩衝層24は、カソード側電極30とセパレータ16の発電部(突起部34)とに密着している。そしてこれら緩衝層22、24は、電子伝導度が良好な無機粉体が融着し合って形成されたものである。すなわち、セパレータ14の突起部32とアノード側電極26、カソード側電極30とセパレータ16の突起部34には、電子伝導性に優れる緩衝層22、24が全域にわたって密着している。このため、アノード側電極26及びカソード側電極30に対しての電子の授受が効率よく営まれる。これにより、発電特性が優れた燃料電池が構成される。
ここで、セパレータ14、16の間に、NiOからなる緩衝層22、Ni−YSZからなる厚み500μmのアノード側電極26、YSZからなる厚み5μmの固体電解質28、GDCからなる厚み5μmの拡散防止層、LSCF系酸化物からなる厚み20μmのカソード側電極30、LSC系酸化物からなる緩衝層24が介装された単位セル10で構成された燃料電池と、緩衝層22、24を具備しないことを除いては同様に構成された燃料電池の出力を、MEA12の反り、うねりの大きさhとの関係でグラフとして図3に示す。勿論、緩衝層22、24は、hを充填してセパレータ14の突起部32とアノード側電極26、カソード側電極30とセパレータ16の突起部34に密着している。
この図3から諒解されるように、緩衝層22、24を具備しない燃料電池は、反り・うねりhが大きくなるにつれて出力が低下するのに対し、緩衝層22、24が介装された本実施の形態に係る燃料電池では、反り・うねりhが50〜200μmの範囲内である場合、反り・うねりhが大きくなっても出力が略保たれていることが明らかである。
このことから、本実施の形態に係る燃料電池は、電極面積やセパレータ14、16の面積を大きくしたときであっても、MEA12やセパレータ14、16の反り・うねりを良好に吸収して該MEA12やセパレータ14、16の発電部に密着し、これにより集電効率を確保し得、結局、燃料電池の発電特性の向上に寄与するといえる。
また、本実施の形態によれば、MEA12に伝導性突起を設ける必要がないので、電極の破壊起点が形成される懸念もない。
この燃料電池は、以下のようにして作製することができる。
第1の製法は、緩衝層前駆体18、20をシート状成形体とするものである。この場合、先ず、MEA12を作製する。すなわち、NiO−YSZの焼結体(アノード側電極26)上に、例えば、SSZの粉末がバインダとともに溶媒に添加されたスラリーを塗布し、その後、焼き付けを行って固体電解質28を形成する。
次いで、固体電解質28上に、例えば、LSCF系酸化物の粉末がバインダとともに溶媒に添加されたスラリーを塗布し、その後、焼き付けを行ってカソード側電極30を形成し、MEA12とする。
その一方で、上記したような無機粉体及び有機物を溶媒に添加してスラリーとする。ここで、溶媒としては、エタノール、トルエン、ターピネオール、ブチルカルビトール等を選定すればよい。その後、このスラリーをシート成形によってシート状成形体とする。
このシート状成形体を、上記のようにして得たMEA12とセパレータ14、16との間にそれぞれ介装する。シート状成形体は、その可塑性により、MEA12やセパレータ14、16の端面に不可避的に存在するうねりを吸収して平坦層としてMEA12とセパレータ14、16との間に介在する(図1参照)。
次に、ホットプレスを行えば、シート状成形体がMEA12に接合されるとともに、シート状成形体にセパレータ14、16の各突起部32、34が進入した状態で両者が接合される。
以降は、上記のようにシート状成形体が塑性変形を起こし、且つ燃料電池が昇温されることに伴ってシート状成形体(緩衝層前駆体18、20)から有機物が気化し、これにより無機粉体の融着物である多孔質体からなる緩衝層22、24(図2参照)が得られる。
第2の製法は、印刷を行うことによって緩衝層前駆体18、20を形成するものである。この場合、上記に従ってMEA12を作製する一方、緩衝層前駆体18、20とするスラリーを調製する。
次いで、緩衝層前駆体18とするスラリーをアノード側電極26の露呈した端面に塗布するとともに、緩衝層前駆体20とするスラリーをカソード側電極30の露呈した端面に塗布する。これにより、緩衝層前駆体18、20が形成されたMEA12が得られる。
次いで、緩衝層前駆体18側にセパレータ14の突起部32を密着させ、且つ緩衝層前駆体20側にセパレータ16の突起部34を密着させれば、緩衝層前駆体18、20を具備する燃料電池が得られるに至る。
以降は、上記のように緩衝層前駆体18、20が塑性変形を起こす。また、燃料電池が昇温されることに伴って緩衝層前駆体18、20から有機物が気化し、これにより無機粉体の融着物である多孔質体からなる緩衝層22、24(図2参照)が得られる。
燃料電池をスタックとするには、以上のように構成された単位セル10同士を積層してタイロッド等で締め付けを行えばよい。
このように、本実施の形態によれば、作業を煩雑化させることなく単位セル10、ひいては燃料電池を簡便に作製することができる。
なお、第2の製法においては、緩衝層前駆体18、20とするスラリーを、セパレータ14、16のそれぞれの突起部32、34全てを被覆するように塗布してもよい。勿論、緩衝層前駆体18とするスラリーを、セパレータ14の全突起部32を被覆するように塗布する一方、緩衝層前駆体20とするスラリーをカソード側電極30に塗布するようにしてもよいし、緩衝層前駆体18とするスラリーをアノード側電極26に塗布する一方、緩衝層前駆体20とするスラリーを、セパレータ16の全突起部34を被覆するように塗布してもよい。
また、上記した実施の形態においては、固体電解質28の各端面にアノード側電極26及びカソード側電極30を直接積層するようにしているが、固体電解質28と少なくともいずれか一方の電極との間に、電極と固体電解質28とが互いに反応することを防止するための中間層を介在させるようにしてもよい。
さらに、緩衝層前駆体18、20ないし緩衝層22、24を2層同時に設ける必要は特になく、セパレータ14とアノード側電極26との間に緩衝層前駆体18ないし緩衝層22を介装するのみであってもよいし、カソード側電極30とセパレータ16との間に緩衝層前駆体20ないし緩衝層24を介装するのみであってもよい。
10…単位セル 12…電解質・電極接合体(MEA)
14、16…セパレータ 18、20…緩衝層前駆体
22、24…緩衝層 26…アノード側電極
28…固体電解質 30…カソード側電極
32、34…突起部

Claims (15)

  1. アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池において、
    前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間の少なくともいずれか一方に介在された緩衝層の緩衝層前駆体を有し、
    前記緩衝層前駆体は、電子伝導性を示す無機粉体と、可塑性を示す有機物とを含み、前記有機物が塑性変形を起こすことに伴って前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填して前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの双方の発電部に密着し、
    前記単位セルが発電反応に供されたとき、前記有機物が消失することを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記緩衝層前駆体は、前記単位セルが構成されたときの前記セパレータ及び前記電解質・電極接合体の自重によって塑性変形が可能なものであることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池において、前記緩衝層前駆体は、荷重が3.5kgf/m2に到達した時点で塑性変形を伴う緩衝効果を発現するものであることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記有機物が熱可塑性樹脂を主体とするものであるととともに、該有機物と前記無機粉体との割合が重量比で95:5〜5:95であり、且つ前記無機粉体は、10S/cm以上の電子伝導度を示すものであることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項4記載の燃料電池において、前記無機粉体は、比表面積が1〜15m2/gであるものであることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記セパレータは、前記アノード側電極に対向する側の端面、又は前記カソード側電極に対向する側の端面の少なくともいずれか一方に突起部を備えることを特徴とする燃料電池。
  7. アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池において、
    前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間の少なくともいずれか一方に介在され、電子伝導性を示す無機粉体の多孔質体からなり、且つ集電特性を示す緩衝層を有し、
    前記緩衝層は、前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填して前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの双方の発電部に密着し、
    前記単位セルが発電反応に供されたとき、前記無機粉体が集電作用を営むことを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項7記載の燃料電池において、前記緩衝層の厚みが、前記電解質・電極接合体又は前記セパレータに存在する初期歪み量に対応していることを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項7又は8記載の燃料電池において、前記無機粉体は、10S/cm以上の電子伝導度を示すものであることを特徴とする燃料電池。
  10. 請求項9記載の燃料電池において、前記無機粉体は、比表面積が1〜15m2/gであるものであることを特徴とする燃料電池。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記セパレータは、前記アノード側電極に対向する側の端面、又は前記カソード側電極に対向する側の端面の少なくともいずれか一方に突起部を備えることを特徴とする燃料電池。
  12. アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池の製造方法において、
    電子伝導性を示す無機粉体と、有機物とを混合してスラリーを得る工程と、
    前記スラリーから緩衝層の緩衝層前駆体をシート状成形体として形成する工程と、
    前記緩衝層前駆体を、前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間との少なくともいずれか一方に介在させた単位セルを具備する燃料電池を作製するとともに、前記緩衝層前駆体を塑性変形させることで前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填し、該緩衝層前駆体を前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部に密着させる工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池の製造方法。
  13. アノード側電極とカソード側電極の間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体と、前記電解質・電極接合体を挟持する1組のセパレータとで構成される単位セルを具備する燃料電池の製造方法において、
    電子伝導性を示す無機粉体と、有機物とを混合してスラリーを得る工程と、
    前記スラリーを、前記アノード側電極中の前記セパレータに臨む側の端面と前記カソード側電極中の前記セパレータに臨む側の端面の少なくともいずれか一方、又は、前記セパレータ中の前記アノード側電極に臨む側の端面と前記カソード側電極に臨む側の端面の少なくともいずれか一方に塗布して緩衝層の緩衝層前駆体を形成する工程と、
    前記緩衝層前駆体を、前記アノード側電極と前記セパレータとの間、又は前記カソード側電極と前記セパレータとの間との少なくともいずれか一方に介在させた単位セルを具備する燃料電池を作製するとともに、前記緩衝層前駆体を塑性変形させることで前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部との間のクリアランスを充填し、該緩衝層前駆体を前記アノード側電極又は前記カソード側電極と前記セパレータの発電部に密着させる工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池の製造方法。
  14. 請求項12又は13記載の製造方法において、さらに、前記燃料電池に対して昇温処理を施すことによって前記緩衝層前駆体から前記有機物を消失させ、前記無機粉体の多孔質体からなる緩衝層とすることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  15. 請求項14記載の製造方法において、前記昇温処理を、前記燃料電池の初回の運転時に行うことを特徴とする燃料電池の製造方法。
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