JP2010015135A - 光ファイバ固定溝付き光導波路基板およびその製造方法、その製造方法に用いる型、ならびに、その光導波路基板を含む光電気混載モジュール - Google Patents

光ファイバ固定溝付き光導波路基板およびその製造方法、その製造方法に用いる型、ならびに、その光導波路基板を含む光電気混載モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】任意に選択されたベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを寸法精度よく形成することができ、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない光ファイバ固定溝付き光導波路基板などを提供すること。
【解決手段】光ファイバ固定溝付き光導波路基板は、ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層であって、光ファイバ固定溝とコア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を含む光導波路が形成されている。光ファイバ固定溝付き光導波路基板は、凹型から作製された凸型を用いて、ベース基板上に下部クラッド層を形成した後、コア層および上部クラッド層を順次形成することにより製造される。製造方法に用いる型は、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部または各凸部、および、堰に対応する凸部または凹部を有する。光電気混載モジュールは、光ファイバ固定溝付き光導波路基板を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバ固定溝付き光導波路基板およびその製造方法、その製造方法に用いる型、ならびに、その光導波路基板を含む光電気混載モジュールに関する。
光通信システムの実用化に伴い、その基本構成としての光導波路に関する技術が注目を集めている。光導波路とは、代表的には、屈折率が高いコア層を屈折率が低いクラッド層が取り囲んだ埋め込み型構造をなすか、あるいは、屈折率が低い下部クラッド層の上に屈折率が高いコア層を形成し、上部クラッド層を空気層としたリッジ型構造をなし、光導波路のコア層に入射した光は該コア層と該クラッド層との界面や該コア層と該空気層との界面で反射しながら該コア層中を伝播する。
一般に、光通信に用いられる光ファイバの接続部や末端部では、他の光ファイバと接続したり、発光素子や受光素子と光信号を授受したりするために、光導波路が用いられている。光ファイバと光導波路とを光結合する方法としては、光軸調整を簡便にするために、光導波路が形成されているベース基板上に、光導波路のコア層と直列に光ファイバ固定溝を設け、この固定溝に光ファイバを挿入して固定することが行われている。
例えば、特許文献1には、シリコン基板上に反応性イオンエッチングにより光ファイバ固定溝を形成した後、光ファイバ固定溝近傍にガラス微粒子膜からなる光導波路を形成する方法が開示されている。また、特許文献2および3には、アルミナセラミックス基板上にシロキサンポリマーからなる光導波路を形成した後、ダイシングにより光ファイバ固定溝を形成する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、シリコン基板上に石英系光導波路を形成した後、異方性エッチング(ウェットエッチング)により光ファイバ固定溝を形成する方法が開示されている。
しかし、ベース基板上に光導波路と光ファイバ固定溝とを別々に形成すると、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要があり、製造工程が煩雑になるという問題がある。そこで、特許文献5には、光ファイバ固定溝と光導波路のコア層を形成するためのコア溝とに対応する各凸部分を有するマスター型を用いて、ベース基板をプレス成形することにより、光ファイバ固定溝とコア溝とを有するベース基板を作製する方法が開示されている。この方法によれば、いったんマスター型を作製しておけば、光導波路や光ファイバ固定溝を形成する毎に、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がなく、生産効率が向上するという利点がある。
特開平8−313756号公報 特開2000−105324号公報 特開2000−131556号公報 特開2004−198653号公報 特開2004−347895号公報
ところが、特許文献5に開示された方法では、マスター型を用いたプレス成形により、光ファイバ固定溝とコア溝とを有するベース基板を作製しているので、ベース基板を構成する材料は、プレス成形が可能な材料(例えば、熱可塑性樹脂)に限定されるという問題がある。また、マスター型を用いたプレス成形を行うと、マスター型とベース基板との離型性が悪い場合、型欠けなどが生じて寸法精度が低下するという問題がある。さらに、剥離剤を塗布して、マスター型とベース基板との離型性を向上させたとしても、剥離剤の除去が難しいという問題がある。
上述した状況の下、本発明が解決すべき課題は、任意に選択されたベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを寸法精度よく形成することができ、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない光ファイバ固定溝付き光導波路基板およびその簡便な製造方法、その製造方法に用いる型、ならびに、その光導波路基板を含む光電気混載モジュールを提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、ソフトリソグラフィーを利用し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から作製された凸型を用いて、ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成すれば、ベース基板を構成する材料を限定する必要がなく、ベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とが寸法精度よく形成され、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない光ファイバ固定溝付き光導波路基板を簡便に製造することができることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ベース基板上に形成された下部クラッド層と、該下部クラッド層上に形成されたコア層と、該コア層を埋め込むように該下部クラッド層および該コア層上に形成された上部クラッド層と、該コア層と直列に該下部クラッド層上に形成された光ファイバ固定溝とを有する光ファイバ固定溝付き光導波路基板であって、該下部クラッド層が該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有し、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられていることを特徴とする光ファイバ固定溝付き光導波路基板を提供する。
本発明の光ファイバ固定溝付き光導波路基板において、好ましくは、前記光ファイバ固定溝の上端面部に比べて、前記コア溝の上端面部が低くなっている。また、前記下部クラッド層は、好ましくは、UV硬化型エポキシ樹脂の硬化物である。
本発明は、上記のような光ファイバ固定溝付き光導波路基板を製造する方法であって、(a)光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部を有する凸型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凸部とコア溝に対応する該凸部との間に堰に対応する凹部が設けられている凸型を作製する工程と、(b)ベース基板上にクラッド材料を塗布し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部が該ベース基板に対向するように該凸型を載置し、該クラッド材料を硬化させた後、該凸型を取り除いて、該ベース基板上に、該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成する工程と、(c)該コア溝内にコア材料を注入して充填し、該コア材料を硬化させてコア層を形成する工程と、(d)該コア層を埋め込むように該コア層が形成された領域の該下部クラッド層および該コア層上にクラッド材料を塗布し、該クラッド材料を硬化させて上部クラッド層を形成する工程とを包含することを特徴とする光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法を提供する。
本発明による光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法において、ベース基板上にクラッド材料を塗布し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部が該ベース基板に対向するように凸型を載置し、該クラッド材料を硬化させた後、該凸型を取り除いて、該ベース基板上に、該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成する工程に代えて、ベース基板上に光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部が対向するように凸型を載置し、該ベース基板と該凸型との間隙にクラッド材料を注入して充填し、該クラッド材料を硬化させた後、該凸型を取り除いて、該ベース基板上に該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成する工程を採用してもよい。
本発明による光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法において、好ましくは、前記凹型において、前記光ファイバ固定溝に対応する凹部の上端面部に比べて、前記コア溝に対応する凹部の上端面部が低くなっている。また、前記下部クラッド層を形成するためのクラッド材料は、好ましくは、UV硬化型エポキシ樹脂である。
本発明は、上記のような光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法に用いる型であって、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部、および、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部を有するか、あるいは、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部、および、光ファイバ固定溝に対応する該凸部とコア溝に対応する該凸部との間に堰に対応する凹部を有することを特徴とする型、ならびに、上記のような光ファイバ固定溝付き光導波路基板を含むことを特徴とする光電気混載モジュールを提供する。
本発明によれば、ソフトリソグラフィーを利用し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から作製された凸型を用いて、ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成するので、任意に選択されたベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とが寸法精度よく形成され、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない光ファイバ固定溝付き光導波路基板が簡便に得られる。
また、ロール状のベース基板を連続的に引き出して走行させながら、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から作製された凸型を貼り付けたロールを接触させて、ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成し、引き続いて、コア層および上部クラッド層を順次形成することにより、凹版印刷の要領で、光ファイバ固定溝付き光導波路基板を工業的に大量生産することが可能になる。
さらに、得られた光ファイバ固定溝付き光導波路基板は、下部クラッド層、コア層および上部クラッド層がベース基板上に形成されているので、ベース基板として、電気配線付きのフィルム基板を用いれば、発光素子および/または受光素子を実装する部分をダイシングソーでV字状に切断して45°ミラーを形成することにより、光電気混載モジュールを簡便に製造することができる。
本発明の光ファイバ固定溝付き光導波路基板の代表例の構成を模式的に示す部分平面図である。 図1のAA線で切断した断面を模式的に示す部分断面図である。 本発明による光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法の代表例を説明するための模式的な工程図である。
≪光ファイバ固定溝付き光導波路基板≫
本発明の光ファイバ固定溝付き光導波路基板(以下「本発明の光導波路基板」または単に「光導波路基板」ということがある。)は、ベース基板上に形成された下部クラッド層と、該下部クラッド層上に形成されたコア層と、該コア層を埋め込むように該下部クラッド層および該コア層上に形成された上部クラッド層と、該コア層と直列に該下部クラッド層上に形成された光ファイバ固定溝とを有する光ファイバ固定溝付き光導波路基板であって、該下部クラッド層が該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有し、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられていることを特徴とする。
本発明の光導波路基板は、ベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを有し、光ファイバ固定溝と光導波路のコア層とが直列に形成され、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバのコアの位置と光導波路のコア層の位置とが一致しているので、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバと光導波路のコア層との間で光信号を授受することができる。
本発明の光導波路基板の代表例を図1および図2に示す。本発明の光導波路基板は、この代表例に限定されるものではなく、その構成を適宜変更することができる。なお、図1は、光導波路基板を上方から見た部分平面図である。また、図2は、図1に示す光導波路基板を図1のAA線で切断した部分断面図である。
図1に示すように、光導波路基板を上方から見ると、左側には、光ファイバ固定溝5が形成されている。他方、右側には、光導波路(符号なし)が形成され、特に、コア溝6内に形成されたコア層3を埋め込むように上部クラッド層4が形成されている。光ファイバ固定溝5は、光ファイバ(図示せず)のコアの位置がコア溝6内に形成されたコア層3の位置と一致するように、コア層3と直列に形成されている。光ファイバ固定溝5とコア溝6との間には、堰7が設けられている。
図2に示すように、光導波路基板を図1のAA線で切断した断面を見ると、ベース基板1上には、まず、光ファイバ固定溝5とコア溝6とを有する下部クラッド層2が形成されている。下部クラッド層2は、接着剤層などを介在することなく、ベース基板1上に直接接着している。光ファイバ固定溝5は、光ファイバ(図示せず)のコアの位置がコア溝6内に形成されたコア層3の位置と一致するように、コア層3と直列に形成されている。それゆえ、光ファイバ固定溝5の上端面部8に比べて、コア溝6の上端面部9が低くなっていることが好ましい。光ファイバ固定溝5の上端面部8とコア溝6の上端面部9との段差は、好ましくは、上部クラッド層4の厚さに相当する。それゆえ、光ファイバ固定溝5の上端面部8と上部クラッド層4の上端面部10とを略平坦にすることができる。
本発明の光導波路基板に光ファイバを挿入して固定する際には、光導波路基板の光ファイバ固定溝5に光ファイバ(図示せず)を挿入した後、その上に固定用部材(例えば、光導波路基板上に平坦な部材)を載置し、例えば、接着剤などで固定する。それゆえ、光ファイバ固定溝5の上端面部8と上部クラッド層4の上端面部10とが略平坦であれば、光導波路基板と固定用部材との接着強度を高めることができる。また、複数個の光導波路基板を重ねて設置することにより、多層化することもできる。
なお、光ファイバ固定溝5とコア溝6との間には、堰7が設けられているが、堰7は下部クラッド層2を構成するクラッド材料で形成され、適度な厚さ(光ファイバ固定溝5とコア溝6との間隔)を有するので、光ファイバ固定溝5に装着される光ファイバ(図示せず)のコアとコア溝6内に形成されたコア層3との間における光信号の授受に支障をきたすことはない。堰7の厚さは、好ましくは5μm以上、50μm以下である。堰7の厚さが薄すぎると、堰7に対応する凹部を有する凸型を用いて、下部クラッド層2を形成する際に、堰7を綺麗に転写できないことがある。逆に、堰7の厚さが厚すぎると、光ファイバ固定溝5に装着される光ファイバ(図示せず)のコアとコア溝6内に形成されたコア層3との間における光信号の伝送損失が大きくなることがある。なお、堰7の高さ(すなわち、コア溝6の底面からの高さ)は、光ファイバ固定溝5に装着される光ファイバの外径やコア径などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
次に、図1および図2に示すように、下部クラッド層2およびコア層3上には、コア層3を埋め込むように上部クラッド層4が形成されている。コア層3および上部クラッド層4は、接着剤層などを介在することなく、下部クラッド層2上に直接接着している。ここで、ベース基板1、下部クラッド層2、コア層3および上部クラッド層4は、各々、各種の有機材料から構成されている。下部クラッド層2は、好ましくは、UV硬化型エポキシ樹脂の硬化物である。
なお、図1および図2において、光ファイバ固定溝5およびコア層3は、1個ずつしか形成されていないが、光導波路基板の用途などに応じて、2個またはそれ以上形成されていてもよい。また、コア層3は、紙面に対して左右方向に伸びる直線状に形成されているが、光導波路基板の用途などに応じて、所定のパターン状に形成されていてもよい。
<ベース基板>
本発明の光導波路基板は、ベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを有する。ベース基板を構成する材料としては、有機材料(例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、オキセタン系樹脂、シラン系樹脂、シリコーン系樹脂など)および無機材料(例えば、シリコン、GaAsやInPなどのIII−V族化合物半導体、石英ガラスなど)が挙げられる。これらの材料から構成されるベース基板のうち、厚さが小さいことや表面が平坦であることなどから、シリコン基板が好ましい。また、光電気混載モジュールの製造を考慮すると、耐熱性(特に、半田付けを想定した耐熱性、具体的には200〜250℃の耐熱性)の観点からは、ポリイミド系樹脂から構成されるフィルム、すなわちポリイミドフィルム(ハロゲン化ポリイミドフィルムを含む)が好ましい。なお、ベース基板として、ポリイミドフィルムを用いる場合には、市販品を利用してもよい。ポリイミドフィルムの市販品としては、例えば、東レ・デュポン株式会社の商品名「カプトン(登録商標)」シリーズが挙げられる。
ベース基板の厚さは、光導波路基板の用途などに応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上であり、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。ベース基板の厚さが薄すぎると、光導波路基板の強度が低下することがある。逆に、ベース基板の厚さが厚すぎると、光電気混載モジュールを製造した場合に、基板の透明性が低下することがある。
本発明の光導波路基板においては、特許文献5に開示されているように、マスター型を用いたプレス成形により、光ファイバ固定溝とコア溝とを有するベース基板を作製するのではなく、ソフトリソグラフィーを利用し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から作製された凸型を用いて、ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成するので、ベース基板を構成する材料を限定する必要がなく、ベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とが寸法精度よく形成される。
<下部クラッド層>
本発明の光導波路基板は、ベース基板上に光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層が形成されている。なお、光ファイバ固定溝とコア溝との間には、堰が設けられている。より詳しくは、下部クラッド層は、光ファイバ固定溝とコア層を形成したコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から作製された凸型を用いて形成された光ファイバ固定溝とコア溝とを有し、光ファイバ固定溝とコア溝との間には、堰が設けられている。
下部クラッド層を構成するクラッド材料は、従来公知の光導波路材料であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線(または光)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、紫外線(または光)硬化性樹脂が好適である。紫外線(または光)硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂は、硬化時の収縮が大きく、また、酸素により硬化が阻害される可能性が高く、硬化性に問題がある。それゆえ、エポキシ系樹脂が好適であり、硬化時に反りが生じにくいことから、UV硬化型エポキシ樹脂が特に好適である。
下部クラッド層の厚さは、光導波路基板の用途や使用する光の波長などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、コア溝の下側を除く光導波路領域において、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である。下部クラッド層の厚さが薄すぎると、充分な厚さのコア層を形成できないことがある。逆に、下部クラッド層の厚さが厚すぎると、光電気混載モジュールを製造した場合に、下部クラッド層の透明性が低下することがある。
下部クラッド層の屈折率は、コア層の屈折率より低い限り、特に限定されるものではないが、例えば、1.45〜1.65の範囲内で、クラッド材料の種類を選択することにより、任意に調節することができる。
<コア層>
本発明の光導波路基板において、下部クラッド層に形成されたコア溝内には、コア層が形成されている。
コア層を構成するコア材料は、下部クラッド層を構成するクラッド材料および上部クラッド層を構成するクラッド材料より屈折率が高い限り、従来公知の光導波路材料であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線(または光)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、紫外線(または光)硬化性樹脂が好適である。紫外線(または光)硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂は、硬化時の収縮が大きく、また、酸素により硬化が阻害される可能性が高く、硬化性に問題がある。それゆえ、エポキシ系樹脂が好適であり、硬化時に反りが生じにくいことから、UV硬化型エポキシ樹脂が特に好適である。
コア層の厚さは、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバのコア径や使用する光の波長などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
なお、コア層は、長手方向に対して垂直な断面の形状が矩形であることが好ましく、正方形であることが最も好ましい。すなわち、コア層のアスペクト比(幅/厚さ)は、好ましくは1/2以上、より好ましくは2/3以上であり、さらに好ましくは5/6以上であり、また、好ましくは2/1以下であり、より好ましくは3/2以下、さらに好ましくは6/5以下である。最も好ましくは1/1である。コア層のアスペクト比が小さすぎるか、あるいは、大きすぎると、コア層の長手方向に対して垂直な断面の形状が扁平になるので、コア層に光が入射したり、コア層から光が出射したりする際に光損失が生じることがある。
コア層の屈折率は、下部クラッド層および上部クラッド層の屈折率より高い限り、特に限定されるものではないが、例えば、1.45〜1.65の範囲内で、コア材料の種類を選択することにより、任意に調節することができる。
<上部クラッド層>
本発明の光導波路基板において、光導波路領域における下部クラッド層およびコア層上には、上部クラッド層が形成されている。
上部クラッド層を構成するクラッド材料は、下部クラッド層を構成するクラッド材料と同一であっても、異なっていてもよく、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線(または光)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、紫外線(または光)硬化性樹脂が好適である。紫外線(または光)硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂は、硬化時の収縮が大きく、また、酸素により硬化が阻害される可能性が高く、硬化性に問題がある。それゆえ、エポキシ系樹脂が好適であり、硬化時に反りが生じにくいことから、UV硬化型エポキシ樹脂が特に好適である。
上部クラッド層の厚さは、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバの外径やコア径などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。上部クラッド層の厚さが薄すぎるか、あるいは、厚すぎると、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入して接着する際に、光ファイバの上端面部と光導波路の上端面部とが略平坦にならないので、光ファイバの接着強度が低下することがある。
上部クラッド層の屈折率は、コア層の屈折率より低い限り、特に限定されるものではないが、例えば、1.45〜1.65の範囲内で、クラッド材料の種類を選択することにより、任意に調節することができる。
<光ファイバ固定溝およびコア溝>
本発明の光導波路基板は、光ファイバ固定溝とコア層を形成するためのコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から作製された凸型を用いて、下部クラッド層に形成された光ファイバ固定溝およびコア溝を有し、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている。
光ファイバ固定溝には、ベース基板上に形成された光導波路のコア層との間で光信号の授受を行うための光ファイバが装着される。コア溝内には、コア材料を注入して充填した後、このコア材料を硬化させることにより、光導波路のコア層が形成される。それゆえ、光ファイバ固定溝は、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバのコアの位置がコア溝内に形成されたコア層の位置と一致するように、コア層と直列に形成されている。また、上記したように、光ファイバ固定溝とコア溝との間には、堰が設けられている。なお、光ファイバ固定溝とコア溝との間に堰が設けられていても、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバのコアとコア溝内に形成されたコア層との間における光信号の授受に支障をきたすことはない。さらに、上記したように、光ファイバ固定溝の上端面部に比べて、コア層が形成されるコア溝の上端面部が低くなっていることが好ましい。
光ファイバ固定溝の長手方向に垂直な方向における断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、矩形、V字形、U字形などが挙げられる。
光ファイバ固定溝の幅および深さは、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバの外径などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
コア溝の幅および深さは、光導波路のコア層の幅および厚さや光ファイバ固定溝に装着される光ファイバのコア径などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
本発明の光導波路基板において、光ファイバ固定溝およびコア溝は、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から作製された凸型を用いて形成されるので、光ファイバ固定溝に装着される光ファイバのコアとコア溝内に形成されたコア層との精密な位置合わせを行う必要がない。
<UV硬化型エポキシ樹脂>
上記したように、下部クラッド層を構成する材料、コア層を構成するコア材料、上部クラッド層を構成するクラッド材料として、UV硬化型エポキシ樹脂が特に好適である。UV硬化型エポキシ樹脂は、自ら調製してもよいし、市販品を利用してもよい。
UV硬化型エポキシ樹脂には、屈折率や粘度調整のために、必要に応じて、ビスフェノール型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂を配合してもよい。ただし、より低粘度のエポキシ樹脂が取り扱い性に優れるので、好適である。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−アルキレンオキシド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、これらのハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、フッ素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、塩素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂)などが挙げられる。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂のうち、入手の容易さや取り扱い性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好適である。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名「jER(登録商標)828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER(登録商標)5050」(臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂)などが挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量は、UV硬化型エポキシ樹脂から得られるエポキシ系樹脂フィルムが所望の屈折率を有するように適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量が多すぎると、UV硬化型エポキシ樹脂から得られるエポキシ系樹脂フィルムの可撓性が低下することがある。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−エポキシ−ビニルシクロヘキセン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、リモネンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメタノール、ジシクロペンタジエンジエポキシド、オリゴマー型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「エポリード(登録商標)GT300」、「エポリード(登録商標)GT400」、「EHPE(登録商標)3150」)などのオレフィンを酸化することにより得られるエポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビフェノール型エポキシ樹脂、水添フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水添ナフタレン型エポキシ樹脂などの芳香族エポキシを直接水添したエポキシ樹脂または多価フェノール類を水添した後、エピクロルヒドリンと反応させることにより得られるエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの脂環式エポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの脂環式エポキシ樹脂のうち、入手の容易さや低粘度で作業性に優れることから、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好適である。
脂環式エポキシ樹脂の配合量は、UV硬化型エポキシ樹脂が所望の粘度を有するように適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、脂環式エポキシ樹脂の配合量が多すぎると、UV硬化型エポキシ樹脂から得られるエポキシ系樹脂フィルムが硬くて脆くなることがある。
UV硬化型エポキシ樹脂を硬化させるために、このUV硬化型エポキシ樹脂には、光カチオン重合開始剤が配合される。光カチオン重合開始剤としては、例えば、米国特許第3,379,653号に記載されているような金属フルオロホウ素錯塩および三フッ化ホウ素錯化合物;米国特許第3,586,616号に記載されているようなビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩;米国特許第3,708,296号に記載されているようなアリールジアゾニウム化合物;米国特許第4,058,400号に記載されているようなVIa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4,069,055号に記載されているようなVa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4,068,091号に記載されているようなIIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート;米国特許第4,139,655号に記載されているようなチオピリリウム塩;米国特許第4,161,478号に記載されているようなMF 陰イオン(ここで、Mは、リン、アンチモンおよびヒ素から選択される)の形のVIb元素;米国特許第4,231,951号に記載されているようなアリールスルホニウム錯塩;米国特許第4,256,828号に記載されているような芳香族ヨードニウム錯塩および芳香族スルホニウム錯塩;W.R.Wattらによって「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science)、ポリマー・ケミストリー(Polymer Chemistry)版」、第22巻、1789頁(1984年)に記載されているようなビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(例えば、リン酸塩、ヒ酸塩、アンチモン酸塩など);鉄化合物の混合配位子金属塩;シラノール−アルミニウム錯体;などが挙げられる。これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの光カチオン重合開始剤のうち、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族ヨードニウム錯塩または芳香族スルホニウム錯塩、II族、V族およびVI族元素の芳香族オニウム塩が好適である。これらの塩のいくつかは、例えば、商品名「UVI−6976」、「UVI−6992」(以上、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製)、商品名「FX−512」(スリーエム・カンパニー製)、商品名「UVR−6990」、「UVR−6974」(以上、ユニオン・カーバイド・コーポレーション製)、商品名「UVE−1014」、「UVE−1016」(以上、ゼネラル・エレクトリック・カンパニー製)、商品名「KI−85」(デグサ・アクチエンゲゼルシャフト製)、商品名「SP−150」、「SP−170」(以上、株式会社ADEKA製)、商品名「サンエイド(登録商標)SI−60L」、「サンエイド(登録商標)SI−80L」、「サンエイド(登録商標)SI−100L」、「サンエイド(登録商標)SI−110L」、「サンエイド(登録商標)SI−180L」(以上、三新化学工業株式会社製)などの市販品を入手することができる。
また、これらの光カチオン重合開始剤のうち、取り扱い性に優れ、潜在性と硬化性とのバランスに優れることから、オニウム塩が好適であり、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩が特に好適である。
光カチオン重合開始剤の配合量は、硬化するエポキシ樹脂成分の配合量に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂成分の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
UV硬化型エポキシ樹脂は、常温で液状である。それゆえ、下部クラッド層を形成する際には、ベース基板上にUV硬化型エポキシ樹脂を塗布し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部がベース基板に対向するように凸型を載置した後、あるいは、ベース基板上に光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部がベース基板に対向するように凸型を載置し、ベース基板と凸型との間隙にUV硬化型エポキシ樹脂を注入して充填した後、例えば、照射積算光量(エネルギー密度)0.01J/cm以上、10J/cm以下の紫外線を照射して硬化させることにより、下部クラッド層を構成する硬化したエポキシ系樹脂フィルムが得られる。コア層を形成する際には、下部クラッド層に形成されたコア溝にUV硬化型エポキシ樹脂を注入して充填した後、例えば、照射積算光量(エネルギー密度)0.01J/cm以上、10J/cm以下の紫外線を照射して硬化させることにより、コア層を構成する硬化したエポキシ系樹脂フィルムが得られる。上部クラッド層を形成する際には、コア層を埋め込むようにコア層が形成された領域の下部クラッド層およびコア層上にUV硬化型エポキシ樹脂を塗布した後、例えば、照射積算光量(エネルギー密度)0.01J/cm以上、10J/cm以下の紫外線を照射して硬化させることにより、下部クラッド層を構成する硬化したエポキシ系樹脂フィルムが得られる。
≪光ファイバ固定溝付き光導波路基板の用途≫
本発明の光ファイバ固定溝付き光導波路基板は、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入した後、光ファイバ固定溝と光ファイバとの間隙に、例えば、クラッド材料を滴下して硬化させることにより、光ファイバ固定溝に光ファイバを接着して固定する。このようにして光ファイバを装着した光導波路基板は、例えば、光電気混載モジュール、光インターコネクトなどといった光通信技術にかかる光学部品に幅広く利用することができる。
≪光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法≫
本発明による光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法(以下「本発明の製造方法」ということがある。)は、(a)光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部を有する凸型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凸部とコア溝に対応する該凸部との間に堰に対応する凹部が設けられている凸型を作製する工程と、(b)ベース基板にクラッド材料を塗布し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部が該ベース基板に対向するように該凸型を載置し、該クラッド材料を硬化させた後、該凸型を取り除いて、該ベース基板上に、該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成する工程と、(c)該コア溝内にコア材料を注入して充填し、該コア材料を硬化させてコア層を形成する工程と、(d)該コア層を埋め込むように該コア層が形成された領域の該下部クラッド層および該コア層上にクラッド材料を塗布し、該クラッド材料を硬化させて上部クラッド層を形成する工程と、を包含することを特徴とする。
本発明の製造方法において、ベース基板にクラッド材料を塗布し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部が該ベース基板に対向するように凸型を載置し、該クラッド材料を硬化させた後、該凸型を取り除いて、該ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成する工程に代えて、ベース基板上に光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部が対向するように凸型を載置し、該ベース基板と該凸型との間隙にクラッド材料を注入して充填し、該クラッド材料を硬化させた後、該凸型を取り除いて、該ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成する工程を採用してもよい。
一般に、光ファイバ付き光導波路基板をスタンパ法で大量生産する際には、光導波路を形成する工程の途中で光ファイバを設置すると、小さいチップ状の光導波路に長いケーブル状の光ファイバが接続された状態で取り扱うことになるので、場所を取り、取り扱いも非常に煩雑になる。そこで、本発明者らは、まず、光ファイバ固定溝付き光導波路基板を製造した後に、光ファイバ固定溝に必要な長さの光ファイバを挿入して固定すれば、光ファイバ付き光導波路基板を効率よく簡便に得られることを見出した。すなわち、本発明の製造方法は、ベース基板上に光導波路および光ファイバ固定溝を形成するにあたり、最終的に得られる光ファイバ固定溝付き光導波路基板の光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入して固定する際に、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がないように、光ファイバ固定溝とコア溝との間に堰を設けるようにしたものである。
本発明の製造方法は、ソフトリソグラフィーを利用し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部を有する第2の型(凸型)を用いて、ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層を形成するものである。なお、ソフトリソグラフィーとは、スタンパ法の一種であり、シリコーン系ゴムやウレタン系ゴムなどの柔らかい材料から形成された第2の型(凸型)を用いて、下部クラッド層を転写する方法である。
以下に、図3を参照しながら、本発明の製造方法の代表例について詳しく説明するが、本発明の製造方法は下記の代表例に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
まず、図3(a)に示すように、例えば、リン青銅などの金属または合金を切削し、光ファイバ固定溝に対応する凹部12、コア溝に対応する凹部13、堰に対応する凸部19を形成して、第1の型(凹型)11を作製する。
次いで、例えば、ガラス基板上に、間隙を開けて、第1の型11を載置する。この状態で、ガラス基板と第1の型11との間隙に、例えば、二液硬化型シリコーン系ゴムなどの硬化性シリコーン材料を注入して充填する。このとき、ガラス基板と第1の型11との間隙を適宜調整する必要があるが、ガラス基板と第1の型11との間に、例えば、シリコーン系ゴムシートなどのスペーサを置いて調整すればよい。あるいは、スペーサを用いることに代えて、第1の型11に、スペーサの役割を果たす複数個の凸部を設けておいてもよい。
そして、ガラス基板と第1の型11との間隙に注入して充填した硬化性シリコーン材料を硬化させた後、第1の型11を取り除いて、図3(b)に示すように、光ファイバ固定溝に対応する凸部17とコア溝に対応する凸部18と堰に対応する凹部20とを有する第2の型(凸型)16を作製する。
なお、第2の型16を作製する際には、第1の型11から第2の型16が容易に離型するように、第1の型11上に、剥離剤を塗布しておいてもよい。剥離剤としては、従来公知の剥離剤を用いればよく、特に限定されるものではない。
次いで、例えば、ポリイミドフィルムなどのベース基板1上にクラッド材料を塗布し、図3(c)に示すように、光ファイバ固定溝に対応する凸部17とコア溝に対応する凸部18とが対向するように、より詳しくは、光ファイバ固定溝に対応する凸部17がベース基板1に接触するように、第2の型16を載置する。この状態で、ベース基板1と第2の型16との間隙に充填されたクラッド材料を硬化させた後、第2の型16を取り除いて、図3(d)に示すように、ベース基板1上に、光ファイバ固定溝5とコア溝6と堰7とを有する下部クラッド層2を形成する。
あるいは、例えば、ポリイミドフィルムなどのベース基板1上に、光ファイバ固定溝に対応する凸部17とコア溝に対応する凸部18とが対向するように、より詳しくは、光ファイバ固定溝に対応する凸部17がベース基板1に接触するように、第2の型16を載置する。この状態で、図3(c)に示すように、ベース基板1と第2の型16との間隙にクラッド材料を注入して充填する。そして、ベース基板1と第2の型16との間隙に注入して充填したクラッド材料を硬化させた後、第2の型16を取り除いて、図3(d)に示すように、ベース基板1上に、光ファイバ固定溝5とコア溝6と堰7とを有する下部クラッド層2を形成する。
下部クラッド層2において、光ファイバ固定溝5とコア溝6との間には、堰7が設けられている。また、好ましくは、光ファイバ固定溝5の上端面部8に比べて、コア溝6の上端面部9が低くなっている。
本発明の製造方法では、第1の型11に、光ファイバ固定溝5に対応する凹部12、コア溝6に対応する凹部13および堰に対応する凸部19が設けられているので、また、第2の型16に、光ファイバ固定溝5に対応する凸部17、コア溝6に対応する凸部18および堰に対応する凹部20が設けられているので、光ファイバ固定溝5の深さ、すなわち光ファイバ固定溝5に対応する凹部12の深さまたは光ファイバ固定溝5に対応する凸部17の高さと、コア溝6の深さ、すなわちコア溝6に対応する凹部13の深さまたはコア溝6に対応する凸部18の高さとを適宜設定することにより、得られた下部クラッド層2における光ファイバ固定溝5に装着される光ファイバのコアの位置と、コア溝6内に形成されるコア層の位置とを精度よく一致させることができる。
すなわち、ソフトリソグラフィーを利用し、光ファイバ固定溝5とコア溝6とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝5に対応する該凹部とコア溝6に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部19が設けられている凹型から作製された凸型を用いて、ベース基板1上に、光ファイバ固定溝5とコア溝6とを有する下部クラッド層2であって、光ファイバ固定溝5とコア溝6との間に堰7が設けられている下部クラッド層2を形成しているので、任意に選択されたベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを寸法精度よく形成することができ、しかも光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない。
なお、第2の型16がシリコーン系ゴムで形成され、下部クラッド層2が熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂あるいは紫外線(または光)硬化性樹脂で形成されている場合には、第2の型16を用いて、数十回程度、下部クラッド層2を形成すると、熱や経年変化などにより、第2の型16が劣化してくることがある。また、下部クラッド層2を形成した後、クラッド材料の残滓により汚染されることがある。このような場合には、第1の型11から第2の型16を再度作製して用いればよい。
次いで、図3(e)に示すように、コア溝6にコア材料を注入して充填し、このコア材料を硬化させてコア層3を形成する。なお、図3(e)において、コア層3は、1個しか形成されていないが、光導波路基板の用途などに応じて、2個またはそれ以上形成されていてもよい。また、コア層3は、紙面に対して左右方向に伸びる直線状に形成されているが、光導波路基板の用途などに応じて、所定のパターン状に形成されていてもよい。
本発明の光導波路基板は、上記したように、光ファイバ固定溝5とコア溝6との間に堰7が設けられている。その理由は、コア溝6にコア材料を注入して充填する際に、光ファイバ固定溝5にコア材料が侵入しないからである。本発明の製造方法では、図3(a)に示す第1の型11において、光ファイバ固定溝5に対応する凹部12とコア溝6に対応する凹部13との間に堰に対応する凸部19を設けることにより実現することができる。
次いで、図3(f)に示すように、コア層3を埋め込むようにコア層3が形成された領域(すなわち、光導波路領域)の下部クラッド層2およびコア層3上にクラッド材料を塗布した後、このクラッド材料を硬化させて上部クラッド層4を形成する。
本発明の光導波路基板は、上記したように、光ファイバ固定溝5の上端面部8に比べて、コア溝3の上端面部9が低くなっていることが好ましい。その理由は、コア層3を埋め込むように光導波路領域における下部クラッド層2およびコア層3上に上部クラッド層4を形成する際に、光ファイバ固定溝5の上端面部8と上部クラッド層4の上端面部10とを略平坦にすることができ、光ファイバ固定溝5に光ファイバを挿入して接着する際に、例えば、上からガラス板などを載置することにより、光ファイバの接着強度が向上するからである。本発明の製造方法では、図3(a)に示す第1の型11において、光ファイバ固定溝5に対応する凹部12の上端面部14に比べて、コア溝6に対応する凹部13の上端面部15を低くすることにより実現することができる。
本発明に用いる硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、オキセタン系樹脂、シラン系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、これらの樹脂は、溶剤に溶解した溶液型であっても溶剤を含まない無溶剤型であってもよいが、無溶剤型がより好ましい。さらに、これらの樹脂を硬化性樹脂として用いる場合には、硬化剤や架橋剤などを併用することができる。硬化性樹脂のうち、紫外線(または光)硬化性樹脂が好適であり、UV硬化型エポキシ樹脂が特に好適である。
クラッド材料およびコア材料として、紫外線(または光)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂のうち、粘度が低い硬化性樹脂を用いる場合は、液状の硬化性樹脂をベース基板1と第2の型16との間隙や下部クラッド層2に設けられたコア溝6に注入して充填した後、紫外線(または光)や熱により、硬化させて下部クラッド層2やコア層3を形成する。また、熱可塑性樹脂を用いる場合や、紫外線(または光)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂のうち、粘度が高い樹脂を用いる場合は、加熱して流動状態もしくは融液状態にした樹脂をベース基板1と第2の型16との間隙や下部クラッド層2に設けられたコア溝6に注入して充填した後、熱可塑性樹脂の場合は冷却することにより、硬化性樹脂の場合は紫外線(または光)や熱により、硬化させて下部クラッド層2やコア層3を形成する。作業効率の観点からは、充填する際の各材料の粘度は、好ましくは0.0001Pa・s以上、より好ましくは0.001Pa・s以上であり、また、好ましくは100Pa・s以下、より好ましくは50Pa・s以下である。なお、充填する際の各材料の粘度が低すぎると、硬化するのに長時間を要するので、作業効率が低下することがある。逆に、充填する際の各材料の粘度が高すぎると、取り扱い性が悪くなるので、作業効率が低下したり、空気が入り込んで欠陥部分が生じたりすることがある。
かくして、図3(f)に示すように、ベース基板1上に形成された下部クラッド層2と、下部クラッド層2上に形成されたコア層3と、コア層3を埋め込むように下部クラッド層2およびコア層3上に形成された上部クラッド層4と、コア層3と直列に下部クラッド層2上に形成された光ファイバ固定溝5とを有する光導波路基板が得られる。
なお、上記では、図3(a)に示すマスター型(第1の型11)を用いて、1個の光導波路基板を製造する方法について説明したが、複数個の光導波路基板に対応するマスター型(第1の型)を用いて、複数個の光導波路基板を製造することもできる。この場合、ベース基板1上に下部クラッド層2を形成した段階で、例えば、ダイシングすることにより、個々のチップに切り出して、その後は、上記と同様にして、個々の光導波路基板を製造すればよい。
本発明の製造方法によれば、任意に選択されたベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを寸法精度よく形成することができ、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない光ファイバ固定溝付き光導波路基板を簡便に製造することができる。
また、図3(b)に示す樹脂製の型(第2の型16)をロール表面に貼り付けて、凹版印刷の要領で、光導波路基板を大量生産することもできる。
さらに、得られた光導波路基板は、下部クラッド層2、コア層3および上部クラッド層4がベース基板1上に形成されているので、ベース基板1として、電気配線付きのフィルム基板を用いれば、発光素子および/または受光素子を実装する部分をダイシングソーでV字状に切断して45°ミラーを形成することにより、光電気混載モジュールを簡便に製造することができる。
≪光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法に用いる型≫
本発明による光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法に用いる本発明の型は、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部、および、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部を有するか、あるいは、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部、および、光ファイバ固定溝に対応する該凸部とコア溝に対応する該凸部との間に堰に対応する凹部を有することを特徴とする。
上記したように、本発明の製造方法では、ソフトリソグラフィーを利用して、ベース基板上に光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層を形成する。この際に用いるマスター型(第1の型)の代表例を図3(a)の符号11に示し、このマスター型(第1の型)から作製した樹脂製の型(第2の型)を図3(b)の符号16に示す。
図3(a)に示すように、第1の型11は、光ファイバ固定溝に対応する凹部12とコア溝に対応する凹部13とを有し、光ファイバ固定溝に対応する凹部12とコア溝に対応する凹部13との間には、堰に対応する凸部19が設けられている。第1の型11を構成する材料は、有機材料(例えば、永久レジスト、ポリメチルメタクリレート、エポキシ系樹脂など)または無機材料(例えば、リン青銅などの金属または合金、石英ガラスなど)のいずれでもよい。第1の型11を作製する方法としては、有機材料の場合は、例えば、フォトリソグラフィー、切削などが挙げられる。無機材料の場合は、例えば、切削、エッチング、エアーブラスト、貼り合わせなどが挙げられる。これらの材料および作製方法のうち、マスター型(第1の型)としての耐久性を考慮すると、無機材料および切削が特に好適である。
なお、図3(a)に示す第1の型11において、光ファイバ固定溝に対応する凹部12、コア溝に対応する凹部13および堰に対応する凸部19は、各々1個しか形成されていないが、光導波路基板の用途などに応じて、各々2個またはそれ以上形成されていてもよい。また、コア溝に対応する凹部13は、紙面に対して左右方向に伸びる直線状に形成されているが、光導波路基板の用途などに応じて、所定のパターン状に形成されていてもよい。さらに、図3(a)に示す第1の型11は、1個の光導波路基板を製造するように構成されているが、複数個の光導波路基板を製造するように構成されていてもよい。
図3(b)に示すように、第2の型16は、光ファイバ固定溝に対応する凸部17とコア溝に対応する凸部18とを有し、光ファイバ固定溝に対応する凸部17とコア溝に対応する凸部18との間には、堰に対応する凹部20が設けられている。第2の型16を構成する材料としては、第1の型11を用いて、成型することができる限り、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線(または光)硬化性樹脂、熱(または二液)硬化性樹脂などの硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、硬化性樹脂を用いる場合には、硬化性樹脂を第1の型11に形成された凹部が埋まるように流し込み、これを硬化させることにより、第2の型16を作製することができる。また、熱可塑性樹脂を用いる場合には、加熱して流動状態もしくは融液状態にした熱可塑性樹脂を、第1の型11の凹部が形成された側に載置するか、あるいは、第1の型11の凹部が埋まるように流し込み、必要に応じて、加圧しながら、冷却することにより、第2の型16を作製することができる。
第2の型16を構成する材料のうち、形成される下部クラッド層の剥離性が向上することから、シリコーン材料が特に好適である。シリコーン材料のうち、硬化後にシリコーン系ゴムまたはシリコーン系樹脂となる硬化性シリコーン系ゴムオリゴマーもしくはモノマー、または、硬化性シリコーン系樹脂オリゴマーもしくはモノマーなどの硬化性シリコーン材料が好適であり、硬化性ポリシロキサンが特に好適である。硬化性シリコーン材料としては、通常、液状シリコーンと称されるものが用いられるが、形成される下部クラッド層の剥離性に優れ、かつ機械的強度に優れることから、硬化剤と組み合わせて用いる二液混合型が好適である。また、低粘度の硬化性シリコーン材料を用いれば、作製時に巻き込む泡の除去などの加工性に優れると共に、転写パターンの精密な型取りをすることができる。さらに、硬化性ポリシロキサンは、一液硬化型または二液硬化型のいずれでもよく、熱硬化型または室温硬化型のいずれでもよい。
硬化性シリコーン材料の具体例としては、例えば、アルキルシロキサン、アルケニルシロキサン、アルキルアルケニルシロキサン、ポリアルキル水素シロキサンなどを含有するものが挙げられる。特に、アルキルアルケニルシロキサンおよびポリアルキル水素シロキサンの二成分混合系であり、低粘度で室温硬化型のものが剥離性および硬化性の観点から好適である。
なお、図3(b)に示す第2の型16において、光ファイバ固定溝に対応する凸部17、コア溝に対応する凸部18および堰に対応する凹部20は、各々1個しか形成されていないが、光導波路基板の用途などに応じて、各々2個またはそれ以上形成されていてもよい。また、コア溝に対応する凸部18は、紙面に対して左右方向に伸びる直線状に形成されているが、光導波路基板の用途などに応じて、所定のパターン状に形成されていてもよい。さらに、図3(b)に示す第2の型16は、1個の光導波路基板を製造するように構成されているが、複数個の光導波路基板を製造するように構成されていてもよい。
第1の型から作製した第2の型を用いて、下部クラッド層に、光ファイバ固定溝とコア溝とを形成する理由は、以下の通りである。下部クラッド層に、光ファイバ固定溝とコア溝とを形成する際に、各溝に対応する凸部を有する凸型を用いて、下部クラッド層を形成すると、凸型と下部クラッド層との離型性が悪い場合に、型欠けなどが生じて寸法精度が低下する。また、剥離剤を塗布して、凸型と下部クラッド層との離型性を向上させたとしても、剥離剤の除去が難しいという問題がある。それゆえ、下部クラッド層を形成するためには、マスター型(第1の型(凹型))を用いて、樹脂製の型(第2の型(凸型))を作製し、これを使用することが有利である。
また、第2の型がシリコーン系ゴムなどの透明で柔軟性のある材料で構成されている場合は、コア溝のように、幅が狭い溝であっても、下部クラッド層を構成するクラッド材料の硬さに依存することなく、綺麗に転写することができる。それゆえ、下部クラッド層を構成するクラッド材料の選択範囲が広く、また、紫外線(または光)硬化性樹脂を用いた場合、紫外線(または光)硬化させる際に紫外線(または光)を透過させるために、下部クラッド層を形成するベース基板を構成する材料を透明な材料に制限する必要がなくなるなどの利点がある。
本発明の型を用いれば、ソフトリソグラフィーを利用して、任意に選択されたベース基板上に光導波路と光ファイバ固定溝とが寸法精度よく形成され、光導波路のコア層と光ファイバのコアとの精密な位置合わせを行う必要がない光ファイバ固定溝付き光導波路基板を簡便に製造することができる。
≪光電気混載モジュール≫
本発明の光電気混載モジュールは、上記のような光ファイバ固定溝付き光導波路基板を含むことを特徴とする。より詳しくは、本発明の光電気混載モジュールは、上記のような光ファイバ固定溝付き光導波路基板と、光ファイバ固定溝に挿入して固定された光ファイバと、ベース基板の裏側に形成された電気配線と、光導波路の一端(光ファイバ固定溝に対向していない端部)に形成された45°ミラーと、45°ミラーが形成された位置におけるベース基板の裏側に実装された光素子とを有する。
なお、本発明では、基本的には、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入して固定し、ベース基板の電気配線側に光素子を実装した状態を光電気混載モジュールというが、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入していない状態、および/または、ベース基板の電気配線側に光素子を実装していない状態を含めて、光電気混載モジュールということがある。
本発明の光電気混載モジュールは、裏面に電気配線を有するベース基板上に形成された光導波路を有し、かつ、光導波路の一端(光ファイバ固定溝に対向していない端部)に形成された45°ミラーを有するので、45°ミラーの位置におけるベース基板の電気配線側に光素子(発光素子および/または受光素子)を実装すれば、例えば、発光素子から出射した光が45°ミラーで反射され、光導波路のコア層中を伝播した後、光ファイバ固定溝に挿入して固定された光ファイバに入射することにより、光信号の授受を行うことができる。あるいは、光ファイバ固定溝に挿入して固定された光ファイバから入射した光が光導波路のコア層中を伝播した後、光導波路の一端(光ファイバ固定溝に対向していない端部)に形成された45°ミラーで反射され、受光素子に入射することにより、光信号の授受を行うことができる。
また、複数個の光ファイバ固定溝とコア溝とを有する光ファイバ固定溝付き光導波路基板を含む光電気混載モジュールの場合、例えば、2個の光ファイバ固定溝とコア溝とを有する光ファイバ固定溝付き光導波路基板を含む光電気混載モジュールの場合、ベース基板の電気配線側に発光素子および受光素子を実装することにより、光ファイバ固定溝Aに挿入して固定された光ファイバAから入射した光が光導波路Aのコア層A中を伝播した後、光導波路Aの一端(光ファイバ固定溝Aに対向していない端部)に形成された45°ミラーAで反射され、受光素子に入射し、電気回路を経て、45°ミラーBで反射され、光導波路Bのコア層B中を伝播した後、光ファイバ固定溝Bに挿入して固定された光ファイバBに入射することにより、光信号の授受を行うことができる。
なお、本発明の光電気混載モジュールにおける光信号の授受は、上記のような方式に限定されることはなく、光電気混載モジュールの機能に応じて、適宜設計すればよい。
本発明の光電気混載モジュールは、例えば、ベース基板として、電気配線付きのフィルム基板を用いて、上記のような光ファイバ固定溝付き光導波路基板を作製した後、光素子を実装する部分をダイシングソーでV字状に切断して45°ミラーを形成し、必要に応じて、ベース基板の電気配線側に光素子を実装し、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入して固定することにより製造することができる。なお、ベース基板の電気配線側に光素子を実装し、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入して固定する代わりに、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入して固定してから、ベース基板の電気配線側に光素子を実装してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
≪実施例1≫
1)リン青銅板(厚さ10mm)の表面を切削し、光ファイバ固定溝に対応する幅130μm、深さ130μmの凹部と、コア溝に対応する幅50μm、深さ50μmの凹部と、これらの凹部の間に、堰に対応する厚さ50μm、高さ90μmの凸部とを形成して、図3(a)に示すような第1の型(凹型)を作製した。
2)ガラス基板(厚さ2mm)上に、間隙を開けて、第1の型を載置し、ガラス基板と第1の型との間隙に、気泡を挟み込むことなく、二液硬化型シリコーン系ゴム(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SILPOT 184」)を注入して充填し、室温で24時間静置して硬化させて、シリコーン系ゴム製の第2の型(凸型)を作製した。得られた第2の型は、図3(b)に示すように、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部、および、これらの凸部の間に、堰に対応する凹部を有していた。
3)図3(b)に示すように、ベース基板としてのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名「カプトン(登録商標)Hタイプ」;厚さ25μm)上に、光ファイバ固定溝に対応する凸部とコア溝に対応する凸部とが対向するように、より詳しくは、光ファイバ固定溝に対応する凸部がベース基板に接触するように、第2の型を載置し、図3(c)に示すように、ベース基板と第2の型との間隙に、気泡を挟み込むことなく、クラッド材料として、市販のUV硬化型エポキシ樹脂(エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社製、商品名「E3129」;波長850nmにおける硬化後の屈折率n=1.52)を注入して充填し、第2の型側からUV照射を行って硬化させた後、第2の型を取り除いて、図3(d)に示すように、ベース基板上に、光ファイバ固定溝とコア溝とを有する下部クラッド層を形成した。下部クラッド層の厚さは、コア溝の上端面部とベース基板との間の間隔に等しく、90μm(コア溝の下側は厚さ40μm)であった。
4)下部クラッド層に形成されたコア溝に、コア材料として、市販のUV硬化型エポキシ樹脂(エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社製、商品名「E3135」;波長850nmにおける硬化後の屈折率n=1.53)を滴下し、毛細管現象を利用して、コア溝全体にコア材料を充填し、UV照射を行って硬化させて、図3(e)に示すように、コア溝内に幅50μm、厚さ50μmのコア層を形成した。
5)光導波路領域における下部クラッド層およびコア層上に、クラッド材料として、市販のUV硬化型エポキシ樹脂(エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社製、商品名「E3129」;波長850nmにおける屈折率n=1.52)を、コア層の上端面部から堰の上端面部までを埋めるのに必要な量で滴下し、UV照射を行って硬化させて、厚さ40μmの上部クラッド層を形成することにより、図3(f)に示すような光ファイバ固定溝付き光導波路基板を得た。
6)得られた光ファイバ固定溝付き光導波路基板の光ファイバ固定溝に、GI型光ファイバ(外径125μm、コア径50μm、長さ1m、一方の端部が芯線のままであり、他方の端部にFCコネクタが接続されている)の芯線側を挿入し、光ファイバ固定溝と光ファイバとの間隙に、市販のUV硬化型エポキシ樹脂(エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社製、商品名「E3129」)を滴下し、上面に載置したガラス板の側から、UV照射を行って硬化させて、光ファイバを光ファイバ固定溝に接着して固定した。このとき、光ファイバ固定溝の上端面部と上部クラッド層の上端面部とが略平坦であるので、光ファイバ固定溝に光ファイバを挿入して接着する際に、例えば、上からガラス板などを載置することにより、光ファイバの接着強度が向上する。
なお、工程3)〜6)において、UV硬化型エポキシ樹脂の硬化は、波長365nmの紫外線を用いて、照度10mW/cmで15分間、すなわちエネルギー密度9,000mJ/cmの条件で行った。
7)光ファイバのFCコネクタを光源に接続して波長850nmの光を光ファイバに入射させ、光量計を用いて、光ファイバ固定溝付き光導波路基板の光導波路端面から出射する光の量を測定した。光源と光量計との間に、光ファイバ固定溝付き光導波路基板を挿入した場合と挿入しない場合との光量差から、挿入損失を求めたところ、1dBであり、小さい値を示した。
以上のように、本実施例では、任意に選択されたベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを寸法精度よく形成することができ、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない光ファイバ固定溝付き光導波路基板を簡便に製造することができた。
本発明の光ファイバ固定溝付き光導波路基板は、任意に選択されたベース基板上に光ファイバ固定溝と光導波路とを寸法精度よく形成することができ、光ファイバのコアと光導波路のコア層との精密な位置合わせを行う必要がない。本発明による光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法およびそれに用いる型は、このような光ファイバ固定溝付き光導波路基板を簡便に製造することを可能にするので、製造コストの大幅な低減を図ることができる。それゆえ、本発明は、光ファイバ固定溝付き光導波路基板の適用が期待される様々な光学関連分野や電子機器分野で多大の貢献をなすものである。
1、ベース基板;2、下部クラッド層;3、コア層;4、上部クラッド層;5、光ファイバ固定溝;6、コア溝;7、堰;8、光ファイバ固定溝の上端面部;9、コア溝の上端面部;10、上部クラッド層の上端面部;11、第1の型(凹型);12、光ファイバ固定溝に対応する凹部;13、コア溝に対応する凹部;14、光ファイバ固定溝に対応する凹部の上端面部;15、コア溝に対応する凹部の上端面部;16、第2の型(凸型);17、光ファイバ固定溝に対応する凸部;18、コア溝に対応する凸部;19、堰に対応する凸部;20、堰に対応する凹部

Claims (8)

  1. ベース基板上に形成された下部クラッド層と、該下部クラッド層上に形成されたコア層と、該コア層を埋め込むように該下部クラッド層および該コア層上に形成された上部クラッド層と、該コア層と直列に該下部クラッド層上に形成された光ファイバ固定溝とを有する光ファイバ固定溝付き光導波路基板であって、該下部クラッド層が該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有し、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられていることを特徴とする光ファイバ固定溝付き光導波路基板。
  2. 前記光ファイバ固定溝の上端面部に比べて、前記コア溝の上端面部が低くなっている請求項1記載の光ファイバ固定溝付き光導波路基板。
  3. 前記下部クラッド層がUV硬化型エポキシ樹脂の硬化物である請求項1または2記載の光ファイバ固定溝付き光導波路基板。
  4. 請求項1記載の光ファイバ固定溝付き光導波路基板を製造する方法であって、
    (a)光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部を有する凹型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部が設けられている凹型から、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部を有する凸型であって、光ファイバ固定溝に対応する該凸部とコア溝に対応する該凸部との間に堰に対応する凹部が設けられている凸型を作製する工程と、
    (b)ベース基板上にクラッド材料を塗布し、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部が該ベース基板に対向するように該凸型を載置し、該クラッド材料を硬化させた後、該凸型を取り除いて、該ベース基板上に、該光ファイバ固定溝と該コア溝とを有する下部クラッド層であって、該光ファイバ固定溝と該コア溝との間に堰が設けられている下部クラッド層を形成する工程と、
    (c)該コア溝内にコア材料を注入して充填し、該コア材料を硬化させてコア層を形成する工程と、
    (d)該コア層を埋め込むように該コア層が形成された領域の該下部クラッド層および該コア層上にクラッド材料を塗布し、該クラッド材料を硬化させて上部クラッド層を形成する工程と、
    を包含することを特徴とする光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法。
  5. 前記凹型において、前記光ファイバ固定溝に対応する凹部の上端面部に比べて、前記コア溝に対応する凹部の上端面部が低くなっている請求項4記載の製造方法。
  6. 前記下部クラッド層を形成するためのクラッド材料がUV硬化型エポキシ樹脂である請求項4または5記載の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項記載の光ファイバ固定溝付き光導波路基板の製造方法に用いる型であって、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凹部、および、光ファイバ固定溝に対応する該凹部とコア溝に対応する該凹部との間に堰に対応する凸部を有するか、あるいは、光ファイバ固定溝とコア溝とに対応する各凸部、および、光ファイバ固定溝に対応する該凸部とコア溝に対応する該凸部との間に堰に対応する凹部を有することを特徴とする型。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項記載の光ファイバ固定溝付き光導波路基板を含むことを特徴とする光電気混載モジュール。
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