JP2010014853A - 磁性キャリアの製造方法、及びその製造方法を用いた磁性キャリア - Google Patents

磁性キャリアの製造方法、及びその製造方法を用いた磁性キャリア Download PDF

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Abstract

【課題】磁性キャリアコア表面への被覆樹脂のコートをより均一とし、コート層の密着性を高めた製造方法を提供する。
【解決手段】機械的衝撃力により被覆処理する手段を有する被覆処理装置を用いて、樹脂組成物を磁性キャリアコア表面に被覆処理する被覆処理工程、及び加熱手段を有する加熱処理装置を用いて、被覆処理した磁性キャリアを加熱処理する加熱処理工程とを有する、磁性キャリアの製造方法であって、前記加熱処理工程は、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする磁性キャリアの製造方法。Tg(℃)≦Th(℃)≦Tg+50(℃)・・・(1)1000(℃・min)≦Th×M(℃・min)≦30000(℃・min)・・・(2)(Th:加熱処理工程における加熱処理温度、Tg:樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度、M:加熱処理工程における加熱処理時間)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法において、電子写真感光体である静電潜像担持体上に形成された静電潜像を二成分系現像剤で現像して、静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像方法に用いられる磁性キャリアの製造方法、及び該製造方法を用いた磁性キャリアに関するものである。
近年、電子写真法に用いられる二成分系現像剤は、オフィスユースの加速度的なカラーシフト、グラフィック市場対応の高精彩化、軽印刷対応の高速化といった市場ニーズを満たすため、性能面での更なる高画質、高安定性が求められている。
現状、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアは、フェライト粒子や磁性体分散型樹脂コア表面に被覆樹脂をコートしたコートキャリアが主流である。コート層は、トナーの帯電量分布を安定化させるためや、磁性キャリアから感光体への電荷の注入を抑制するといった役割を果たしている。しかし、磁性キャリアコア表面への被覆樹脂のコートに関しては未だ検討が不十分であり、コートを均一に行うことに関わる課題は未だ多い。
従来の磁性キャリアの製造方法には、磁性キャリアコアと被覆樹脂溶液を攪拌しながら溶剤を揮発させ、磁性キャリアコア表面に被覆樹脂をコートする所謂浸漬法がある。又、磁性キャリアコアにより流動層を形成しながらスプレーノズルにより被覆樹脂溶液を吹き付け、磁性キャリアコア表面に被覆樹脂をコートする方法といった、湿式コート法によるものが多かった。
しかし、湿式コート法には、溶剤が揮発する際に磁性キャリア粒子の合一が発生しやすいという課題があった。一度合一が発生した磁性キャリアが攪拌によって解砕されると、その解砕面には磁性キャリアコア表面が露出し、磁性キャリアから感光体への電荷の注入現象である所謂リークが発生し易くなる。このリークが発生すると、感光体の表面電位が現像バイアスに収束して現像コントラストが確保できなくなり、白抜け画像が発生する場合がある。又、磁性キャリアコア表面が露出することで、特に高温高湿下ではトナーの電荷も保持できなくなり、長期耐久後のトナーの電荷が低いことによる画像不良等も発生しやすくなる。更には、磁性キャリアコア表面が露出することで、コア表面とコート層の界面からコート層が剥がれやすくなり、長期耐久後は、画像品質の低下を促進してしまう場合がある。
又、湿式コート法では、磁性キャリア粒子の合一が発生すると、収率も悪化する傾向にある。通常磁性キャリア製造工程の最終段階で分級を行うが、合一化し、且つ解砕されない磁性キャリアは除去されることになるからである。更には溶剤を完全に除去するための乾燥工程も必要であり、タクトアップの要因ともなることで、生産面からも湿式法に関しては未だ多くの課題が残る。
そこで、上記湿式コート法の課題を克服するものとして、乾式コート法が提案されている。例えば、高速攪拌混合機を用いて、粉体状の処理物を攪拌羽根で混合攪拌しながら、処理物に含有される被覆樹脂のガラス転移点(Tg)以上で熱的に被覆処理してキャリアを得る方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法では、装置内全体をジャケットで加熱し、処理物全体の温度が処理物に含有される被覆樹脂のTg以上となるため、上述したような磁性キャリア粒子の合一が発生しやすく、均一なコートを行うという点では未だ不十分である。
又、機械的衝撃力によって乾式コートを行う方法も提案されている(特許文献2)。例えば、ローターとライナーを有する表面処理装置を用いて、磁性体粒子表面に磁性体粒子
の1/10以下の粒径である樹脂粒子を被覆させる方法が開示されている。この方法では、キャリア表面に、被覆処理用の装置とは別の装置を用いて樹脂粒子を分散させており、分散用の装置が別に必要になるという不便さがある。分散用の装置を用いない場合には、樹脂粒子が遊離した状態のままとなり、キャリアコア表面への樹脂粒子の被覆処理を良好に行うことは困難である。又、被覆処理用の装置とは別の装置を用いて樹脂粒子をキャリアコア表面に付着させても、付着しきれない量の樹脂粒子を添加した場合、余剰の樹脂粒子は遊離した状態となってしまうため、これまた均一なコートを行うことは困難である。よって、この方法ではコート量が制限され、トナーの帯電量制御や、磁性キャリアから感光体への電荷の注入を抑制することは困難となってしまう場合がある。
又、機械的衝撃力を用いた粉体処理方法として、回転翼型の装置の利点を生かしつつ、従来にない強力な力を処理物に与える粉体処理方法が提案されている(特許文献3)。この方法によれば、混合、乾燥処理のみならず、複合化(融合化)、表面改質、平滑化、形状制御(球形化等)などの各処理を行うことができる。しかし、この方法を、磁性キャリアコアの表面に樹脂組成物を乾式で被覆処理するための方法として用いるためには、処理条件等に関する検討が未だ不十分であった。
特開平09−160307号公報 特開昭63−235959号公報 特開2005−270955号公報
本発明の目的は、磁性キャリアコア表面への被覆樹脂のコートをより均一とし、且つコート層の密着性を高めた磁性キャリアの製造方法、及びその製造方法を用いた磁性キャリアを提供することである。それにより、トナーへの帯電付与性を向上するとともに現像性を向上することである。又、長期に渡って、磁性キャリアコア表面のコート層の耐磨耗性を向上することができ、特に高温高湿下におけるトナーの帯電量低下を抑制することで、画像濃度低下を抑制することができる磁性キャリアを得ることである。
上記の課題は、下記の本発明の構成により達成される。
[1]機械的衝撃力により被覆処理する手段を有する被覆処理装置を用いて、樹脂組成物を磁性キャリアコア表面に被覆処理する被覆処理工程、及び加熱手段を有する加熱処理装置を用いて、被覆処理した磁性キャリアを加熱処理する加熱処理工程とを有する、樹脂組成物によって磁性キャリアコア表面を被覆処理してなる磁性キャリアの製造方法であって、
前記被覆処理工程は、少なくとも複数の攪拌部材が表面に設置された回転体と、前記攪拌部材と間隙を有して設けられたケーシングとを有する被覆処理装置を用い、前記回転体を回転させ、前記被覆処理装置中に投入された前記磁性キャリアコア及び前記樹脂組成物を混合することで前記磁性キャリアコアの表面に前記樹脂組成物を被覆処理し、
前記被覆処理装置に投入される前記磁性キャリア及び前記樹脂組成物は、前記回転体と前記ケーシングの内周部との間の空間に対する、投入される磁性キャリアコア及び樹脂組成物の空間充填率が、50%以上、98%以下となるように投入量を調整され、
前記被覆処理装置に投入された前記磁性キャリアコアと前記樹脂組成物は、前記複数の攪拌部材の一部の攪拌部材により、前記回転体の軸方向の一方向に送られ、前記複数の攪拌部材の羽根の他の一部の攪拌部材により、前記回転体の軸方向の逆方向に戻され、送りと戻しとを行いながら前記磁性キャリア表面に前記樹脂組成物の被覆処理が行われ、前記加熱処理工程は、下記式(1)及び(2)を満たす条件により加熱処理することを特徴とする磁性キャリアの製造方法。
Tg(℃)≦Th(℃)≦Tg+50(℃)・・・(1)
1000(℃・min)≦Th×M(℃・min)≦30000(℃・min)・・・(2)
(Th:加熱処理工程における加熱処理温度、Tg:樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度、M:加熱処理工程における加熱処理時間)
[2]前記被覆処理工程は、前記被服処理装置中の前記回転体に備えられた流路及び/又は前記ケーシングに備えられた流路に流体が導入されることで温度制御がされ、前記被覆処理工程における被覆処理温度Tc(℃)と、前記加熱処理工程における加熱処理温度Th(℃)が、下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリアの製造方法。
Tc(℃)≦Th(℃)・・・(3)
[3]前記加熱処理工程における加熱処理は、酸素濃度が10.0体積%以下で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリアの製造方法。
[4]前記樹脂組成物が、少なくとも樹脂成分と個数平均粒径(D1)が0.01μm以上、3.00μm以下の微粒子とを有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の磁性キャリアの製造方法。
[5]請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造された磁性キャリア。
[6]前記磁性キャリアは、体積基準の50%粒径(D50)が15μm以上、100μm以下であり、真比重が2.5g/cm以上、5.2g/cm以下であることを特徴とする請求項5に記載の磁性キャリア。
本発明によれば、磁性キャリアコア表面への被覆樹脂のコートをより均一、且つコート層の密着性を高めた磁性キャリアを製造することができる。それにより、トナーへの帯電付与性を向上するとともに現像性も向上することができる。又、長期に渡って、磁性キャリアコア表面のコート層の耐磨耗性を向上することができ、特に高温高湿下におけるトナーの帯電量低下を抑制することで、画像濃度低下を抑制することができる磁性キャリアを得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明に係る磁性キャリアの製造方法は、機械的衝撃力により被覆処理する手段を有する被覆処理装置を用いて、樹脂組成物を磁性キャリアコア表面に被覆処理する被覆処理工程、及び加熱手段を有する加熱処理装置を用いて、被覆処理した磁性キャリアを加熱処理する加熱処理工程とを有している。
まず、本発明の磁性キャリアの被覆処理工程について詳しく説明する。
本発明における磁性キャリアの被覆処理工程は、少なくとも複数の攪拌部材が表面に設置された回転体と、上記攪拌部材と間隙を有して設けられたケーシングとを有する被覆処理装置を用い、上記回転体を回転させ、上記被覆処理装置中に投入された磁性キャリアコア及び樹脂組成物を混合することで上記磁性キャリアコアの表面に上記樹脂組成物を被覆処理し、
上記被覆処理装置に投入される磁性キャリア及び樹脂組成物は、上記回転体と上記ケーシングの内周部との間の空間に対する、投入される磁性キャリアコア及び樹脂組成物の空間充填率が、50%以上、98%以下となるように投入量を調整され、
上記被覆処理装置に投入された磁性キャリアコアと樹脂組成物は、上記複数の攪拌部材の一部の攪拌部材により、上記回転体の軸方向の一方向に送られ、上記複数の攪拌部材の羽根の他の一部の攪拌部材により、上記回転体の軸方向の逆方向に戻され、送りと戻しとを行いながら上記磁性キャリア表面に上記樹脂組成物の被覆処理が行われることを特徴としており、所謂乾式コート法である。以下、図1及び図2−1に示す乾式コート装置の模式図に従って、本発明を説明する。
本発明の被覆処理工程は、機械的衝撃力により被覆処理する手段を有する被覆処理装置を用いて行われるが、例えば以下のような構造の被覆処理装置を使用することができる。
まず、図1中の投入口5より、磁性キャリアコア及び樹脂組成物からなる被処理物を投入する。ケーシング1の内周部と回転体2の間の空間9に対する、投入される処理物の空間充填率としては50%以上、98%以下である場合に、磁性キャリアコア表面への樹脂組成物の被覆処理が均一且つ迅速に行うことができる。より好ましくは70%以上、98%以下である。ここで空間充填率とは、[投入される被処理物の仕込み量(質量)]/[(ケーシング1の内周部と回転体2の間の空間9の体積)×(被処理物のゆるみ見掛け密度)]×100で表される。空間充填率が50%以上である場合には、回転体2表面に設けられた攪拌羽根3と処理物との衝突に加えて、被処理物同士の衝突が十分に行えるとともに、ケーシング1の内周部と攪拌羽根3の微小間隙における被覆処理が効率よく行える。又、空間充填率が従来の機械的衝撃力による乾式コート法よりも高くできるので、タクトアップも可能となる。空間充填率が50%未満である場合には、被処理物同士の衝突が不十分となり、余剰の樹脂組成物が遊離した状態となってしまうため、均一なコートを行うことは困難となってしまう。又、磁性キャリアコア表面へのコート層の密着性に関しても不十分となってしまう。空間充填率が98体積%を超える場合には、空間9における充填率が大きすぎることで、被処理物の移動経路が短くなり、被処理物同士の衝突が不十分となり、均一なコートを行うことは困難となってしまう。
又、被処理物の投入の仕方としては、磁性キャリアコアと被覆用の樹脂組成物は別々に投入してもよく、投入前にミキサーやミルで混合した状態にしてもよい。本発明の磁性キャリアの被覆処理方法である乾式コート法においては、空間充填率が50%以上、98%以下であるので、投入された被処理物同士の衝突が十分であることから、被処理物を別々に投入しても良好な処理が可能であることが利点である。
次に、投入された被処理物は、回転体2表面に設けられた攪拌羽根3により攪拌・混合されながら、ケーシング1の内周部と攪拌羽根3との微小間隙において被覆処理された後、排出口6から排出される。尚、図1においては、回転体2は、下方に位置する攪拌羽根が紙面の前面を通って上方へと移動する方向に回転する。この際、図2−1に示す回転体2表面の攪拌羽根3aは、回転体2の軸方向の一方向(投入口5側→排出口6側)に被処理物を送るための送り攪拌機構として働き、攪拌羽根3bは、回転体2の軸方向の一方向とは逆方向(排出口6→投入口5)に被処理物を送るための戻し攪拌機構として働く。これらの機構により、被処理物は送りと戻しが繰り返され、ケーシング1内での被処理物の移動経路が複雑且つ長くなる。この送りと戻しにより、攪拌羽根3と被処理物の衝突、また被処理物同士の衝突をより十分に生じさせ、ケーシング1の内周部と攪拌羽根3の微小間隙における被覆処理をより効率よく行うことができる。その結果、磁性キャリアコア表面への樹脂組成物の被覆を均一且つ迅速に行うことができるようになった。
又、回転体2表面に設けられた攪拌羽根3の位置関係としては、以下の例のように配置されていることが好ましい。例えば攪拌羽根3bは、投入口5側の端部位置が、投入口5側の隣接する他の攪拌羽根3aの排出口6側の端部位置と、軸方向の位置において、重なっていることが好ましい。つまり、図2−1において、攪拌羽根3aの端部位置から垂直方向に線を引くと、攪拌羽根3aと3aに隣接する攪拌羽根3bとが幅dだけ重なる位置関係にあることが好ましい。他の攪拌羽根においても位置関係は同様である。攪拌羽根3aと攪拌羽根3bがこの位置関係にあると、処理物が攪拌羽根3aの端部から攪拌羽根3bの端部へと移動しやすくなり、回転体2の回転に伴い、処理物の送りと戻しをより効果的に行うことができる。なお、上記の攪拌羽根3aと攪拌羽根3bとが重なる幅dの長さは、羽根の回転体の軸方向の長さの50%以下であることが好ましい。
又、本発明に用いられる被覆処理装置の攪拌部材の形状としては、例えば図2に示したようなものを用いることができる。図2−1に示されるように、攪拌羽根3aもしくは3bといった、送り・戻しの攪拌羽根の他に、図2−2及び図2−3に示されるように回転体の軸方向と同方向に配置された攪拌羽根3cがあっても良い。また、攪拌部材の形状としては、図2−4に示されるように、パドル形状のものであってもよい。攪拌部材の形状・設置・角度に関しては、磁性キャリアコア及び樹脂組成物などの処理物の粒径、真比重、流動性で適宜調整可能である。
攪拌部材の周速としては、攪拌部材の最外端部で5m/sec以上、50m/sec以下であることが、磁性キャリアコア表面への樹脂組成物の被覆が均一且つ迅速に行えるという点で好ましい。より好ましくは10m/sec以上、20m/sec以下である。
攪拌部材の周速が上記の範囲内であれば、磁性キャリアコアに被覆されない樹脂組成物が残ってしまうこともなく、また、磁性キャリアコアの割れや欠けを発生させることもなく、安定して良好な被覆処理を行うことができる。
又、本発明に用いられる被覆処理装置の、ケーシングと攪拌部材との間隙としては0.5mm以上、30.0mm以下であることが、磁性キャリアコア表面への樹脂組成物の被覆が均一且つ迅速に行えるという点で好ましい。より好ましくは、1.0mm以上、10.0mm以下である。ケーシングと攪拌部材の間隙が上記の範囲内であれば、周速が前記範囲にある場合と同じく、安定して良好な処理を行うことができる。また、上記被覆処理装置を用いた上記被処理物の処理時間は、2分以上、60分以下であることが、好ましい。
本発明における磁性キャリアの加熱処理工程は、上記の被覆処理工程に続いて、下記式(1)及び(2)を満たす条件により加熱処理することを特徴としている。
Tg(℃)≦Th(℃)≦Tg+50(℃)・・・(1)
1000(℃・min)≦Th×M(℃・min)≦30000(℃・min)・・・(2)
(Th:加熱処理工程における加熱処理温度、Tg:樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度、M:加熱処理工程における加熱処理時間)
上記の被覆処理工程に続いて上記式(1)及び(2)を満たす加熱処理を行うことによって、理由は定かではないが、磁性キャリアにおけるコート層と磁性キャリアコアの密着性が向上し、長期に渡って良好な画像が得られる磁性キャリアを得ることができることを見出した。
加熱処理工程における加熱処理温度Th(℃)が、式(1)の範囲にあることで、被覆処理後のコート層中の樹脂成分が半溶融状態となり、コート層と磁性キャリアコア表面のわずかな間隙が生じるのを防いだり、被覆処理された磁性キャリアコアと樹脂組成物間の接着面の歪みを緩和することができるものと考えられる。このことにより、磁性キャリアコアとの密着性の高いコート層を形成することができる。より好ましくは、Th(℃)がTg(℃)以上、Tg+30(℃)以下である。また、本発明における被覆処理工程が上記の方法であることで、加熱処理工程において加熱処理温度が樹脂成分のガラス転移温度よりも高くなったとしても、被覆処理時に余剰となった樹脂組成物が磁性キャリアの合一を促進することもない。加熱処理温度Th(℃)が樹脂組成物中に含有される樹脂成分のガラス転移温度Tg(℃)より低い場合は、被覆処理工程後の磁性キャリアにおけるコート層中の樹脂成分が半溶融状態になっていないものと考えられ、長期における磁性キャリアの表面の耐磨耗性の向上が望めない。又、加熱処理温度Th(℃)が樹脂組成物中に含有される樹脂成分のガラス転移温度Tg+50(℃)より高い場合は、被覆処理工程後の磁性キャリアにおけるコート層中の樹脂成分が溶融状態となってしまうものと考えられ、
加熱処理工程において磁性キャリアの合一が促進されてしまう。
更に、加熱処理工程における加熱処理温度Th(℃)と加熱処理工程における加熱処理時間M(min)の関係が、式(2)の範囲にあることで、磁性キャリアに適正な熱エネルギーを与えることができると考えられ、磁性キャリアコアとの密着性のより高いコート層を形成することができる。より好ましくは、Th×M(℃・min)が3000(℃・min)以上、15000(℃・min)以下である。Th×M(℃・min)が1000より小さい場合は、密着性の更なる向上は望めない。Th×M(℃・min)が30000より大きい場合は、与える熱エネルギーが大きすぎるためか、磁性キャリアの合一が発生してしまう場合がある。
本発明における加熱処理工程に用いることのできる加熱処理装置としては、金属製や耐熱ガラスの容器に被覆処理物を入れて真空乾燥機で処理するようなバット式処理装置、被覆処理物を回転容器に入れて行うロータリー式加熱処理装置、攪拌翼及び加熱処理手段を備えたバッチ式混合機及び連続式ミルいずれの装置も使用可能である。本発明においては、磁性キャリアの合一を抑制し、均一に加熱処理ができるという点でロータリー式加熱処理装置を好ましく用いる。
又、本発明における被覆処理工程は、被服処理装置中の回転体に備えられた流路及び/又はケーシングに備えられた流路に流体が導入されることで温度制御がされ、前記被覆処理工程における被覆処理温度Tc(℃)と、加熱処理工程における加熱処理温度Th(℃)が、下記式(3)を満たすことが好ましい。
Tc(℃)≦Th(℃)・・・(3)
従って本発明における被覆処理工程で用いる被覆処理装置は、被覆処理装置中の回転体及びケーシングに温度制御のための流路を備えていることが好ましい。例えば、図1の4で示されるように、ケーシング1中にジャケット4が存在し、そのジャケットを流路とすることが挙げられる。また、回転体中及び回転体軸を空洞とし、その空洞を流路とすることができる。
本発明における被覆処理工程においては、被覆処理温度Tcを樹脂成分のガラス転移温度Tgより低くしても均一な被覆処理が可能である。この理由としては、本発明における被覆処理装置に投入する被処理物の空間充填率の調整と被覆処理装置中の送り/戻しの機構により、ケーシングや攪拌部材と投入された被処理物との衝突に加えて、被処理物同士の衝突が効果的に生じることによる衝突熱で、Tcが局所的にTg以上となっていることが考えられる。そのため、Tcをより低い温度に設定して被覆処理を施し、ThをTc以上として加熱処理を行うことで、磁性キャリアコアとのより密着性の高いコート層を形成することができる。ThがTcより低い場合には、被覆処理後の磁性キャリアにおけるコート層中の樹脂成分が半溶融状態になっていないものと考えられ、長期における磁性キャリアの表面の耐磨耗性の向上が望めない。
又、本発明における加熱処理工程の加熱処理は、酸素濃度が10.0体積%以下で行われることが好ましい。これは、磁性キャリアコアに用いる磁性体が、高温で酸素濃度が高い場合には、酸化されてしまうことがあるからである。磁性キャリアコアの酸化が進むと、調製された磁性キャリアの比抵抗が上がってしまい、良好な現像性が得られなくなる傾向がある。又、酸素濃度を10.0体積%以下にする手段としては、真空ポンプでの減圧処理及び窒素ガス等の不活性ガスのフローによって行う。本発明においては、窒素ガスのフローにより、酸素濃度を10.0体積%以下に抑制した条件で加熱処理を行うことで、磁性キャリアとしてトナーへの帯電付与性が向上し、磁性キャリアコアとコート層の密着性が高まるので、好ましく用いられる。
又、本発明の磁性キャリアの製造方法においては、磁性キャリアコアを被覆する樹脂組
成物が、少なくとも樹脂成分と個数平均粒径(D1)が0.01μm以上、3.00μm以下の微粒子とを有していることが好ましい。これは、樹脂組成物の樹脂成分が磁性キャリアコア表面に被覆される際に、上記微粒子が磁性キャリアコア間に介在しスペーサー効果を発揮するためである。これにより、磁性キャリアの合一の発生を更に抑制し、コート均一性を更に向上することができる。又、加熱処理工程においても、上記微粒子が磁性キャリアコア間に介在しスペーサー効果を発揮するので、コート均一性が高く、耐磨耗性の高い磁性キャリアを得ることができる。上記微粒子としては、架橋性の樹脂粒子や金属酸化物、カーボンブラック等が好ましく使用され、形状としては球状のものが好ましく用いられる。又、上記微粒子の個数平均粒径が0.01μmより小さい場合は、スペーサー効果が得られず、更なるコート均一性の向上は望めない。一方、上記微粒子の個数平均粒径が3.00μmを超える場合は、スペーサー効果は得られるものの、微粒子の分散が不均一となってしまうために、トナーへの帯電付与にバラつきが生じる場合がある。
本発明の製造方法により得られる磁性キャリアは、体積基準の50%粒径(D50)が15μm以上、100μm以下であり、真比重が2.5g/cm以上、5.2g/cm以下であることが好ましい。
本発明により得られる磁性キャリアは、D50が15μm以上、100μm以下であることで、磁性キャリア製造時の磁性キャリアコアと樹脂組成物の混合性も良好となり、コート均一性が向上する。又、得られた磁性キャリアを二成分現像剤として用いた際、現像極での磁気ブラシの密度が最適化されるとともに、トナーの帯電量分布をシャープにすることができるので、高画質化を図ることができる。
D50が100μmを超える場合は、製造時の被覆処理工程において磁性キャリアコアと樹脂組成物の混合性が不十分となり、偏在した樹脂組成物に起因して磁性キャリア間の合一が促進される傾向にある。又、得られた磁性キャリアを二成分現像剤として用いた際、現像極での磁気ブラシの密度が疎となって、画質が低下してしまう傾向にある。
D50が15μm未満の場合は、製造時の被覆処理工程において磁性キャリアコアと樹脂組成物の衝突力が不十分となってしまい、偏在した樹脂組成物に起因して磁性キャリア間の合一が促進される傾向にある。又、得られた磁性キャリアを二成分現像剤として用いた際、現像極での磁気ブラシの磁気拘束力が小さくなってしまい、感光体上への磁性キャリア付着が生じてしまう傾向にある。より好ましくは、D50が20μm以上、80μm以下である。
なお、本発明の製造方法により得られる磁性キャリアは、磁性キャリアコアの粒径及びコート量を調整することにより、体積基準の50%粒径(D50)を上記範囲に調整することができる。
また、本発明により得られる磁性キャリアは、真比重を2.5g/cm以上、5.2g/cm以下とした場合、製造時の被覆処理工程において磁性キャリアコアと樹脂組成物の混合性と衝突力が良好となり、コート均一性がより向上する。又、得られた磁性キャリアを二成分現像剤として用いた場合、トナーと磁性キャリアとの真比重の差が良好となり、トナーへの帯電付与をより良好にすることができる。より好ましくは、2.5g/cm以上、4.2g/cm以下である。即ち、上記範囲に真比重を調整した場合には、現像器内でのトナーと磁性キャリアとの攪拌が最適化されるので、トナーの帯電が迅速に行われるようになる。また、トナーの劣化を抑制することができ、更に補給用現像剤用のキャリアとして用いた場合、補強用現像剤が補給されても、長期にわたって良好な画像を得ることができる。なお、本発明の製造方法により得られる磁性キャリアは、磁性キャリアコアの真比重及びコート量を調整することにより、真比重の値を上記範囲に調整することができる。
また、本発明の製造方法により得られる磁性キャリアは、電界強度5000V/cmにおける比抵抗値が、1.0×10Ω・cm以上、1.0×1015Ω・cm以下である
ことが好ましい。比抵抗値が1.0×10Ω・cmより低くなると、磁性キャリアからの電荷がリークする可能性が高まり、磁性キャリアから静電潜像担持体表面の静電潜像に電荷が注入し、トナー層が形成されず画像が抜けてしまう、所謂リーク画像が発生してしまう傾向がある。比抵抗値が1.0×1015Ω・cmを超える場合は、現像性が低下し、エッジ強調された画像となってしまう、所謂白抜け画像が発生してしまう傾向がある。本発明の製造方法を用いる場合、樹脂組成物の磁性キャリアコアへの均一なコート性と磁性キャリアの合一が発生しにくいということから、磁性キャリアコアの抵抗値を上記範囲とすることで、十分な現像性が得られ、高い画像濃度が得られる。なお、本発明の製造方法により得られる磁性キャリアは、コート量の調整及び微粒子の抵抗を調整することにより、比抵抗値を上記範囲に調整することができる。
本発明に用いられる磁性キャリアコアとしては、公知のフェライト粒子、マグネタイト粒子、磁性体分散型樹脂キャリアコア等の磁性キャリアコアが使用でき、例えば以下に記載するように製造される。
磁性キャリアコアは、磁性体を用いて製造される。磁性体としては、鉄、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ルビジウム、ストロンチウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及びチタンから選ばれる一種または二種以上の元素を含む磁性フェライト粒子、又はマグネタイト粒子が挙げられる。好ましくは、マグネタイト粒子、又は、銅、亜鉛、マンガン、カルシウム、リチウム及びマグネシウムから選ばれる一種または二種以上の元素を少なくとも有する磁性フェライト粒子である。
具体的なフェライト用磁性体としては以下のものが挙げられる。Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Ca−Li−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Mn−Mg−Sr−Fe系フェライト、及びLi−Mg−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物のフェライト磁性体。
鉄系酸化物のフェライトは、それぞれ金属の酸化物、炭酸塩、硝酸塩を湿式あるいは乾式にて混合し、所望のフェライト組成となるよう仮焼成することにより得られる。次いで、得られた鉄系酸化物のフェライトを、サブミクロンまで粉砕する。粉砕されたフェライトに、粒径を調整するための水を20〜50質量%加え、結着樹脂として例えばポリビニルアルコール(分子量500〜10,000)を0.1〜10質量%加えて、スラリーを調製する。このスラリーを、スプレードライヤーを用いて造粒を行い、焼成することでフェライトコアを得ることができる。
又、磁性キャリアの真比重を調整するために、ポーラス状のフェライトコアを得る場合には、造粒時に、空孔密度をコントロールするための炭酸ナトリウムや炭酸カルシウム、及び各種の有機物の如き空孔調整剤を添加してスラリーを形成し、スプレードライヤーを用いて造粒を行い、焼成することで得ることができる。また、フェライト化反応中の粒子成長を阻害させるような材料を添加することにより、フェライト内部に複雑な空隙を形成することもできる。このような材料としては、酸化タンタル、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
また、磁性体分散型樹脂キャリアコアを製造するには、例えばビニル系または非ビニル系の熱可塑性樹脂、および磁性体ならびにその他の添加剤を、混合機により十分に混合する。得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練する。冷却された溶融・混練物を粉砕して、さらに分級することにより、磁性体分散型樹脂キャリアコアを得ることができる。得られた磁性体分散型樹脂キャリアコアは、さらに熱又は機械的に球形化してもよい。さらに他の方法としては、磁性体分散型樹脂キャリアコアの結着樹脂を形成するためのモノマーを磁性体存在下で重合して得ることもできる。ここで結着樹脂を形成するためのモノマーとしては以下のものが挙げられる。
ビニル系モノマー、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を生成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類。
フェノール類とアルデヒド類からフェノール樹脂を合成する方法が特に好ましく、この場合は、水性媒体に磁性体およびフェノール類とアルデヒド類を添加し、水性媒体中のフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合させることにより、磁性体分散型樹脂キャリアコアを製造することができる。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類は、フェノール(ヒドロキシベンゼン)のほか、フェノール性水酸基を有する化合物であればよい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類;芳香環(例えばベンゼン環)の水素またはアルキル基の水素の一部または全部が、塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類が挙げられる。
フェノール樹脂を生成するためのアルデヒド類としては以下のものが挙げられる。例えばホルマリン、パラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド、およびフルフラールであり、より好ましくはホルムアルデヒドである。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は1乃至4であることが好ましく、1.2乃至3であることがより好ましい。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成しにくかったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行しにくいために、生成する粒子の強度が弱くなったりする傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加し、造粒性が低下する場合がある。フェノール類とアルデヒド類との縮合は、塩基性触媒を用いて行うことができる。該塩基性触媒は通常のレゾール型樹脂の製造に使用されている触媒であればよく、該塩基性触媒の例にはアンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが含まれる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は0.02〜0.3であることが好ましい。
次に本発明に用いられる、磁性キャリアコア表面を被覆する樹脂組成物に関して説明する。
本発明に用いられる樹脂組成物は少なくとも樹脂成分を含有する。樹脂成分としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。また、樹脂成分としては、一種類の樹脂であってもよく、二種以上の樹脂の組み合わせでもよい。樹脂成分としての熱可塑性樹脂の例には、ポリスチレン;ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル;ポリ酢酸ビニル;ポリフッ化ビニリデン樹脂;フルオロカーボン樹脂;パーフルオロカーボン樹脂;溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセタール;ポリビニルピロリドン;石油樹脂;セルロース;酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ノボラック樹脂;低分子量ポリエチレン;飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといったポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂が含まれる。
樹脂組成物に含まれる樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子
量Mwは、15,000〜1,000,000であることが、磁性キャリアコアとの密着性や、被覆する際に特に均一に磁性キャリアコア表面を被覆することができるという点で好ましい。
また、樹脂組成物に含まれる樹脂成分の示差走査熱量分析装置により測定されるガラス転移温度(Tg)については、50℃以上150℃以下が、本発明における加熱処理をするのに好ましい。
また、樹脂組成物は微粒子を含有していても良い。磁性キャリアコアを被覆する樹脂組成物における微粒子の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、微粒子2乃至100質量部の割合で含有されることが好ましい。微粒子の含有量が上記範囲内にある場合には、微粒子の添加効果であるスペーサー効果が十分に発揮され、磁性キャリアコアに良好な樹脂被覆を行うことが可能となる。一方、被覆層の耐久性を損なうこともない。
本発明に用いる樹脂組成物に含まれる微粒子としては、有機材料および無機材料のいずれの微粒子であってもよいが、被覆する際に微粒子の形状を保持することができる強度を有している架橋樹脂微粒子、無機微粒子が好ましい。架橋樹脂微粒子を形成する架橋樹脂としては、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂及びナイロン樹脂が挙げられる。また、無機微粒子としては、マグネタイト、ヘマタイト、シリカ、アルミナ、チタニアが挙げられる。特に、上記の無機微粒子は、トナーへの帯電付与の促進、チャージアップの低減、及びトナーとの離型性の向上の点で好ましい。又、微粒子の形状としては、被覆処理時のスペーサー効果を得るために、球状のものが好ましく用いられる。
また、本発明に用いる樹脂組成物は、導電性微粒子を含んでいてもよい。導電性微粒子は、体積抵抗が1×10Ω・cm以下であることが好ましく、1×10Ω・cm以下であることがより好ましい。また、平均一次粒径が10nm以上100nm以下であることが好ましい。導電性微粒子は、カーボンブラック微粒子、グラファイト微粒子、酸化亜鉛微粒子、および酸化錫微粒子が挙げられる。特に導電性微粒子としてカーボンブラック微粒子が好ましい。これらの導電性微粒子は、少ない添加量でその良導電性により、磁性キャリアの比抵抗を適宜コントロールすることができる。
本発明に用いられる樹脂組成物に含有される樹脂成分の製法の例としては、溶液重合法や乳化重合法、懸濁重合法といったいずれの重合法も適用可能である。樹脂組成物は、樹脂組成物の体積基準の50%粒径(D50)をDb(μm)、電子写真用キャリアコアのD50をDc(μm)としたとき、Db/Dcが0.10以上、50以下を満たす微粒子状にて装置に導入されることが好ましい。この粒径範囲の樹脂組成物は、重合反応時の条件変更や、重合反応後、乾燥させた後に結着樹脂を粉砕することで、得ることができる。又、樹脂組成物に微粒子を添加する場合は、重合反応時に添加しても、粉砕後にミキサーで混合しても良い。
又、樹脂成分を溶媒に溶解させた樹脂溶液をスプレードライ法でドライアップして、樹脂組成物として用いることも可能である。スプレードライ法により樹脂組成物を得る際に微粒子を添加する場合は、メディアを用いたビーズミルで樹脂溶液中に微粒子を分散させた後に、スプレードライ法でドライアップしても、ドライアップ後にミキサーで樹脂組成物と微粒子を混合しても良い。更には、樹脂組成物に用いられる樹脂成分が粒径の大きな固形物である場合は、樹脂成分と微粒子とを混合し、樹脂成分と微粒子とを二軸式押出機にて混練し、その後粉砕機にて粉砕することにより樹脂組成物を得る方法も好ましく用いられる。
本発明の磁性キャリアと共に用いられるトナーとしては、結着樹脂、着色剤、ワックス等からなる公知のものが使用でき特に限定されない。例えば、粉砕法、重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等のいずれの方法で製造されたものであってもよい。又、結着樹脂の主たる成分としては、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、又はハイブリッド樹脂を用いることが好ましい。
以下に、本発明に関わる測定方法について詳細に述べる。
<被覆処理装置に投入される磁性キャリアコア及び樹脂組成物の空間充填率の測定方法>
まず、被覆処理装置を構成するケーシングの内周部と回転体との空間へ水を満たし、その水の体積(被覆処理装置中の空間体積)を測定する。次に、パウダーテスタPT−R(ホソカワミクロン社製)を用い、磁性キャリアと樹脂組成物の混合物のゆるみ見掛け密度(g/cm)の測定を行う。測定環境は、23℃、50%RHで行った。また測定は、混合物を、目開き150μmの篩を用いて、振幅を1mmで振動させながらちょうど100ccとなるまで容積100ccの金属製カップに捕集した。そして、金属製カップに捕集した混合物量から、ゆるみ見掛け密度(g/cm)を測定する。
ついで、下記に示した算出式により空間充填率(%)を得た。
空間充填率(%)=上記混合物の仕込み量(質量)/(混合物のゆるみ見掛け密度×上記空間の体積)×100
<被覆用樹脂組成物に含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)測定>
樹脂組成物に含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、樹脂組成物を約10mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂組成物に含有される樹脂成分のガラス転移温度Tgとする。
<被覆用樹脂組成物に含有される微粒子の個数平均粒径(D1)測定>
微粒子の粒度分布測定は、樹脂組成物に含有される樹脂成分が可溶な有機溶媒中に溶解し、微粒子が溶液中に分散した状態で行った。測定装置としては、レーザー回折粒度分布計LS−230型(ベックマンコールター製)を用いて少量モジュールを取り付けて測定した。測定の際に用いた光学モデルは、実数部1.5、虚数部0.3とし、溶媒の屈折率は使用した有機溶媒の屈折率を入力した。
<被覆用樹脂組成物、磁性キャリアコア、及び磁性キャリアの体積基準の50%粒径(D50)測定>
粒度分布測定は、マイクロトラックMT3300EX(日機装社製)にて測定を行った。測定には、乾式測定用のTurbotrac試料供給機を装着して行った。粒径は体積基準の50%粒径(D50)を求めた。
<磁性キャリアコア、被覆用樹脂組成物、及び磁性キャリアの真比重測定>
サンプルの準備としては、磁性キャリア、磁性キャリアコア、樹脂組成物はそのまま測定できる。磁性キャリアコア及び樹脂組成物を磁性キャリアから分離する必要がある場合は、分離は以下の方法で行った。先ず、磁性キャリア100質量部を蓋つきのガラス瓶に量り取り、トルエン200質量部を添加し、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうした。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。振とう後は、ビンの外側から磁性キャリアコアをマグネットにて捕集しつつ、トルエン溶液を分離した。こ
れを5回繰り返した後、真空乾燥機にて50℃、8時間乾燥させ、常温に冷却し、磁性キャリアコアを得、一方でトルエン溶液より、トルエンを除去することにより樹脂組成物を得て、それらを測定試料とした。
真比重の測定法としては、ヘリウムによるガス置換式の測定法を用いた。測定装置はアキュピック1330(島津製作所社製)を用いた。測定条件は、ステンレス製の内径18.5mm,長さ39.5mm,容量10cmのセルに、測定サンプルを4g入れる。次いで、試料セル中のサンプルの容積をヘリウムの圧力変化によって測定し、求められた容積とサンプルの質量から真比重を求める。
<被覆用樹脂組成物に含有される樹脂成分の分子量測定>
樹脂組成物に含有される樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、樹脂組成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<磁性キャリアの比抵抗測定>
磁性キャリアの比抵抗は、図3に概略される測定装置を用いて測定される。抵抗測定セルAは、断面積2.4cmの穴の開いた円筒状のホルダ15、下部電極(ステンレス製)11、下部電極台座(PTFE樹脂製)14、上部電極(ステンレス製)12から構成される。下部電極台座14上に円筒状のホルダ15を載せ、試料(例えば、キャリア)13を0.7g充填し、充填された試料13に上部電極12を載せ、試料の厚みを測定する。予め試料のないときの厚みをd’(ブランク)、0.7g充填したときの実際の試料の厚みd、試料を充填したときの厚みd’(試料)とすると、試料の厚みは下記式で表せる。
d=d’(試料)−d’(ブランク)
電極間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによってキャリア及びキャリアコアの比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター16(ケスレー6517 ケスレー社製)及び制御用に処理コンピュータ17を用いる。
測定条件は、磁性成分と電極との接触面積S=2.4cm、上部電極の荷重240gとする。電圧の印加条件は、エレクトロメーターの内部プログラムを利用し、まず最大1000V印加可能かどうか(電流のリミッターを超えない範囲)をエレクトロメーター自身が判断し、印加電圧の最大値を自動的に決める。その最大電圧値を5分割した電圧をステップとして30秒間保持させた後の電流値を測定する。例えば、最大印加電圧が1000Vの場合には、1000V、800V、600V、400V、200Vを印加し、それ
ぞれのステップで30秒保持後の電流値を測定する。それをコンピュータにより処理することで、電界強度、比抵抗を算出して、グラフにプロットする。比抵抗、電界強度は、下記式にて求められる。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm)/d(cm)電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
磁性キャリアの5000V/cmにおける比抵抗は、グラフ上5000V/cmにおける比抵抗をグラフから読み取る。グラフ上の5000V/cmの縦線と実測した比抵抗のラインの交点をもって、5000V/cm時の比抵抗値とする。また、交点が存在しない場合には、測定点の外挿を行い、5000V/cmの縦線の交点をもって、5000V/cm時の比抵抗値とする。
以下、具体的製造例及び実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<磁性キャリアコア製造例1乃至3>
下記に示す材料を用いて磁性キャリアコア(a−1)を作製した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(37質量%水溶液) 6質量部
・マグネタイト粒子(個数平均粒径0.3μm) 84質量部
上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水25質量部をフラスコに入れ、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、マグネタイト粒子がフェノール樹脂中に分散された磁性微粒子分散型の磁性キャリアコア(a−1)を得た。得られた磁性キャリアコア(a−1)の物性を表1に示す。又、水の量をそれぞれ10質量部、90質量部に変えることにより、粒径違いの磁性キャリアコア(a−2)及び(a−3)を得た。得られた磁性キャリアコア(a−2)及び(a−3)の物性を表1に示す。
<磁性キャリアコア製造例4>
下記の材料を用いて、フェライトキャリアコアを作製した。
Fe 66.5質量部
MnCO 28.1質量部
Mg(OH) 4.8質量部
SrCO 0.6質量部
となるようにフェライト組成物を湿式混合した後、900℃で2時間仮焼し、仮焼されたフェライト組成物をボールミルで粉砕した。得られた粉砕物の個数平均粒径は0.4μmであった。
得られた粉砕物に、水(粉砕物に対して300質量部)と重量平均分子量5,000のポリビニルアルコール(粉砕物に対して3質量部)を加え、スプレードライヤーにより造粒した。電気炉にて、酸素濃度1.0%の窒素雰囲気下、造粒物を1300℃で6時間焼結した後に粉砕し、さらに分級することによりMn−Mg−Sr−Feフェライト組成の磁性キャリアコア(a−4)を得た。得られた磁性キャリアコア(a−4)の物性を表1に示す。
<磁性キャリアコア製造例5>
下記の材料を用いて、フェライトキャリアコアを作製した。
Fe 66.5質量部
MnCO 28.1質量部
Mg(OH) 4.8質量部
SrCO 0.6質量部
となるようにフェライト組成物を湿式混合した後、900℃で2時間仮焼し、仮焼されたフェライト組成物をボールミルで粉砕した。得られた粉砕物の平均粒径は0.4μmであった。
得られた粉砕物に、水(粉砕物に対して300質量部)と重量平均分子量5,000のポリビニルアルコール(粉砕物に対して2質量部)、空孔形成剤として炭酸ナトリウム(個数平均粒径2μm)を5質量部加え、スプレードライヤーにより造粒した。電気炉にて、酸素濃度1.0%の窒素雰囲気下、1150℃で4時間焼成し、更に酸素を含まない窒素雰囲気下で、750℃、30分間焼結した後に粉砕し、さらに分級することによりポーラス状のMn−Mg−Sr−Feフェライト組成の磁性キャリアコア(a−5)を得た。得られた磁性キャリアコア(a−5)の物性を表1に示す。
<磁性キャリアコア製造例6>
下記に示す材料を用いて磁性キャリアコア(a−6)を作製した。
・ポリメチルメタクリレート樹脂(重量平均分子量80000) 30質量部
・マグネタイト粒子(個数平均粒径0.3μm) 70質量部
上記材料をヘンシェルミキサー等で混合した後、二軸式押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、更に機械式粉砕機を用いて微粉砕した。次に、微粉砕物を風力式分級機により分級した後、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械社製)を用いて表面改質処理を行うことにより磁性キャリアコア(a−6)を得た。得られた磁性キャリアコア(a−6)の物性を表1に示す。
<磁性キャリアコア製造例7>
マグネタイト粒子(個数平均粒径0.3μm)と水(マグネタイト粒子100質量部に対して300質量部)と重量平均分子量5,000のポリビニルアルコール(粉砕物に対して3質量部)を加え、スプレードライヤーにより造粒した。電気炉にて、酸素濃度1.0%の窒素雰囲気下、造粒物を1300℃で6時間焼結した後に粉砕し、さらに分級することによりマグネタイト組成の磁性キャリアコア(a−7)を得た。得られた磁性キャリアコア(a−7)の物性を表1に示す。
Figure 2010014853
<樹脂組成物の製造例1>
メタクリル酸メチルモノマー100質量部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。さらにトルエン90質量
部、メチルエチルケトン110質量部、及びアゾビスイソバレロニトリル2.0質量部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下70℃で10時間保持し、MMA重合体溶液を得た。この溶液から溶剤を除去し、得られた固形物をハンマーミルにて粗粉砕し、更に機械式粉砕機を用いて微粉砕を行うことにより樹脂成分を得た。得られた樹脂成分100質量部に対して、平均一次粒径が20nm、体積抵抗値が9.8×10−2Ω・cmのカーボンブラック(c−1)を10質量部加えて、ヘンシェルミキサーを用いて2分間攪拌・混合を行い、樹脂成分と導電剤の混合物であるである樹脂組成物(b−1)を得た。得られた樹脂組成物(b−1)の物性を表2に示す。
<樹脂組成物の製造例2>
樹脂組成物の製造例1において、カーボンブラック(c−1)の添加量を20質量部に変更し、更に個数平均粒径0.3μmの架橋ポリメチルメタクリレート微粒子(d−1)を30質量部添加した以外は、樹脂組成物の製造例1と同様にして樹脂組成物(b−2)を得た。得られた樹脂組成物(b−2)の物性を表2に示す。
Figure 2010014853
<トナー製造例>
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン30質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン20質量部、テレフタル酸20質量部、無水トリメリット酸3質量部、フマル酸27質量部及び酸化ジブチル錫をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を四つ口フラスコに取りつけ、この四つ口フラスコをマントルヒーター内に設置した。窒素雰囲気下210℃で3時間反応を進め、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のピーク分子量Mpは6500、ガラス転移温度Tgは65℃であった。
次に下記に示す材料及び製法を用いて評価用トナーを作製した。
・上記ポリエステル樹脂 100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・パラフィンワックス(融点75℃) 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
上記の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、二軸式押出機(PCM−30型、池貝製作所製)にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、機械式粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機により分級し、トナー分級品を得た。得られたトナー分級品100質量部に対して、BET比表面積100m/gのアナターゼ型の酸化チタンを1.0質量部、BET比表面積130m/gの疎水性シリカ1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、評価用トナーを得た。得られたトナーの重量平均粒径(D4)は6.4μmであった。
<実施例1>
下記に示した材料及び製法を用いて磁性キャリアを作製した。
・磁性キャリアコア(a−1) 100質量部
・樹脂組成物(b−1) 4質量部
上記材料を図1に示した被覆処理装置を用いて磁性キャリアコア表面への樹脂組成物の被覆を行った。被覆処理条件としては、充填率を95体積%、攪拌羽根の最外端部周速を12m/sec、攪拌羽根とケーシングの間隙を3.0mm、処理時間を20分間とした。尚、温度制御のためのケーシング内の流路(ジャケット)には15℃の冷却水を導入した。被覆処理時の温度は80℃であった。
次に得られた被覆処理物を加熱処理した。加熱処理条件としては、被覆処理物をステンレス製の容器に入れ、真空乾燥機(装置i:DP63、ヤマト科学)にて処理温度100
℃、処理時間120min、酸素濃度0.1体積%とした。コート条件、加熱処理条件を表3、得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。尚、得られた磁性キャリアの物性評価及び現像性評価の基準を以下に示す。
<評価項目>
[磁性キャリアの合一度合いの評価]
得られた磁性キャリアを電子顕微鏡(SEM)で観察を行った。一視野に磁性キャリアが100個程度入るように、倍率としては250倍程度で観察した。この観察を10回行い、以下の基準で判断した。
A:合一磁性キャリアが3個未満。
B:合一磁性キャリアが3個以上、6個未満。
C:合一磁性キャリアが6個以上、10個未満。
D:合一磁性キャリアが10個以上、15個未満
E:合一磁性キャリアが15個以上。
[実効コート量]
得られた磁性キャリア10gを蓋つきのガラス瓶に量り取り、トルエン20gを添加し、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ)にて振とうした。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。振とう後は、ビンの外側から磁性キャリアをマグネットにて捕集しつつ、トルエンを除去した。これを5回繰り返した後、真空乾燥機にて50℃、8時間乾燥させ、常温に冷却した後、残りの質量M2を測定し、(10−M2)/(磁性キャリアコアに対する樹脂組成物の割合[%]/100)×100=実効コート量(%)とした。尚、実効コート量が100%に近いほど、被覆処理が良好に行われているものと判断した。又、100%にならない理由としては、被覆処理しきれない樹脂組成物の偏在や合一粒子の偏在によるもの、装置への融着や付着によるものと考えられる。実効コート量の評価としては、以下の基準で判断した。尚、評価B以上を実用可能レベルとした。
A:仕込み量に対する実効コート量が90%以上。
B:仕込み量に対する実効コート量が80%以上、90%未満。
C:仕込み量に対する実効コート量が70%以上、80%未満。
D:仕込み量に対する実効コート量が60%以上、70%未満。
E:仕込み量に対する実効コート量が60%未満。
[画像濃度の維持性]
まず、得られた磁性キャリア90質量部と前記評価用トナー10質量部をV型混合機にて混合し二成分現像剤とした。得られた二成分現像剤をキヤノン製フルカラー複写機IRC3220Nを用いて、通常の画像濃度が得られるかどうか評価した。評価は、高温高湿下H/H(30℃、80RH)にて、感光体上のトナーの載り量が0.6g/cmとなるように現像バイアスを調整し、画像を出力した。画像濃度は、ベタ画像を出力し、濃度計X−Rite500型により濃度測定を行い、6点の平均値をとって画像濃度とした。
この初期の画像濃度を100%とし、続いて35℃、90RHの環境下、印字比率10
%の画像にて5万枚(50k)耐久し、50k耐久後のH/H画像濃度の維持率を算出して以下の基準で判断した。尚、評価C以上が実用可能レベルとした。
A:50k耐久後の画像濃度の維持率が90%以上。
B:50k耐久後の画像濃度の維持率が80%以上、90%未満。
C:50k耐久後の画像濃度の維持率が70%以上、80%未満。
D:50k耐久後の画像濃度の維持率が60%以上、70%未満。
E:50k耐久後の画像濃度の維持率が60%未満。
[感光体上Q/M(mC/kg)の維持性]
上記画像濃度の維持性評価の際、感光体上のトナーの載り量が0.6g/cmとなった時点で、感光体上のトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q及び捕集されたトナー質量Mとを測定し、それより単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を計算し、感光体上Q/M(mC/kg)とした。
この初期の感光体上Q/Mを100%とし、続いて35℃、90RHの環境下、印字比率10%の画像にて5万枚(50k)耐久し、50k耐久後の感光体上Q/Mの維持率を算出して以下の基準で判断した。尚、評価C以上が実用可能レベルとした。
A:50k耐久後の感光体上Q/Mの維持率が90%以上。
B:50k耐久後の感光体上Q/Mの維持率が80%以上、90%未満。
C:50k耐久後の感光体上Q/Mの維持率が70%以上、80%未満。
D:50k耐久後の感光体上Q/Mの維持率が60%以上、70%未満。
E:50k耐久後の感光体上Q/Mの維持率が60%未満。
[コート層の耐磨耗性]
初期の磁性キャリアの実効コート量を100%とし、続いて35℃、90RHの環境下、印字比率10%の画像にて5万枚(50k)耐久し、50k耐久後の磁性キャリアの実効コート量の維持率を算出して以下の基準で判断した。尚、評価C以上が実用可能レベルとした。
A:50k耐久後の実効コート量の維持率が90%以上。
B:50k耐久後の実効コート量の維持率が80%以上、90%未満。
C:50k耐久後の実効コート量の維持率が70%以上、80%未満。
D:50k耐久後の実効コート量の維持率が60%以上、70%未満。
E:50k耐久後の実効コート量の維持率が60%未満。
<実施例2>
実施例1において、加熱処理装置を装置(i)からドラムミキサー(UD−LH−00
1型:杉山重工製、装置ii)に変えて、加熱処理時に窒素をフローさせて酸素濃度を8.0体積%にした以外は実施例1と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<実施例3乃至9>
実施例2において、製造条件を表3に示したように変えた以外は、実施例2と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<実施例10>
実施例1において、加熱処理装置を装置()からハイフレックスグラル(LFS−GS−2J型:深江パウテック製、装置iii)に変えて、加熱処理条件を表3に示したように
変えた以外は実施例1と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<実施例11>
実施例1において、加熱処理装置を装置(i)からソリッドエアー(ホソカワミクロン
製、装置iv)に変えて、加熱処理条件を表3に示したように変えた以外は実施例1と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<実施例12乃至20>
実施例2において、製造条件を表3に示したように変えた以外は、実施例2と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<比較例1>
実施例2において、加熱処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<比較例2乃至6>
実施例2において、製造条件を表3に示したように変えた以外は、実施例2と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<比較例7>
実施例2において、被覆処理装置を、熱的な乾式コート装置であるハイフレックスグラル(深江パウテック製)に変えた以外は実施例2と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
<比較例8>
実施例2において、被覆処理装置を、機械的衝撃力を用いた乾式コート装置であるハイブリタイザー(奈良機械製)に変えた以外は実施例2と同様にして磁性キャリアを作製し、各評価を行った。得られた磁性キャリアの物性を表4、現像性の評価結果を表5に示す。
Figure 2010014853
Figure 2010014853
Figure 2010014853
本発明の磁性キャリアの製造方法に用いることができる被覆処理装置の一例を示す模式図である。 本発明の磁性キャリアの製造方法に用いることのできる被覆処理装置に使用される攪拌部材の構成を示す模式図である。 本発明の磁性キャリアの製造方法に用いることのできる被覆処理装置に使用される攪拌部材の構成を示す模式図である。 本発明の磁性キャリアの製造方法に用いることのできる被覆処理装置に使用される攪拌部材の構成を示す模式図である。 本発明の磁性キャリアの製造方法に用いることのできる被覆処理装置に使用される攪拌部材の構成を示す模式図である。 本発明の磁性キャリアの比抵抗を測定する測定装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1:ケーシング
2:回転体
3、3a、3b、3c:攪拌羽根
4:ジャケット
5:投入口
6:排出口
7:支持体
8:駆動部
d:攪拌羽根の位置関係を示す間隔
11:下部電極
12:上部電極
13:サンプル
14:下部電極台座
15:ホルダ
16:エレクトロンメーター
17:処理コンピュータ
A:抵抗測定セル
d:サンプル高さ

Claims (6)

  1. 機械的衝撃力により被覆処理する手段を有する被覆処理装置を用いて、樹脂組成物を磁性キャリアコア表面に被覆処理する被覆処理工程、及び加熱手段を有する加熱処理装置を用いて、被覆処理した磁性キャリアを加熱処理する加熱処理工程とを有する、樹脂組成物によって磁性キャリアコア表面を被覆処理してなる磁性キャリアの製造方法であって、
    前記被覆処理工程は、少なくとも複数の攪拌部材が表面に設置された回転体と、前記攪拌部材と間隙を有して設けられたケーシングとを有する被覆処理装置を用い、前記回転体を回転させ、前記被覆処理装置中に投入された前記磁性キャリアコア及び前記樹脂組成物を混合することで前記磁性キャリアコアの表面に前記樹脂組成物を被覆処理し、
    前記被覆処理装置に投入される前記磁性キャリア及び前記樹脂組成物は、前記回転体と前記ケーシングの内周部との間の空間に対する、投入される磁性キャリアコア及び樹脂組成物の空間充填率が、50%以上、98%以下となるように投入量を調整され、
    前記被覆処理装置に投入された前記磁性キャリアコアと前記樹脂組成物は、前記複数の攪拌部材の一部の攪拌部材により、前記回転体の軸方向の一方向に送られ、前記複数の攪拌部材の羽根の他の一部の攪拌部材により、前記回転体の軸方向の逆方向に戻され、送りと戻しとを行いながら前記磁性キャリア表面に前記樹脂組成物の被覆処理が行われ、
    前記加熱処理工程は、下記式(1)及び(2)を満たす条件により加熱処理することを特徴とする磁性キャリアの製造方法。
    Tg(℃)≦Th(℃)≦Tg+50(℃)・・・(1)
    1000(℃・min)≦Th×M(℃・min)≦30000(℃・min)・・・(2)
    (Th:加熱処理工程における加熱処理温度、Tg:樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度、M:加熱処理工程における加熱処理時間)
  2. 前記被覆処理工程は、前記被服処理装置中の前記回転体に備えられた流路及び/又は前記ケーシングに備えられた流路に流体が導入されることで温度制御がされ、前記被覆処理工程における被覆処理温度Tc(℃)と、前記加熱処理工程における加熱処理温度Th(℃)が、下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリアの製造方法。
    Tc(℃)≦Th(℃)・・・(3)
  3. 前記加熱処理工程における加熱処理は、酸素濃度が10.0体積%以下で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリアの製造方法。
  4. 前記樹脂組成物が、少なくとも樹脂成分と個数平均粒径(D1)が0.01μm以上、3.00μm以下の微粒子とを有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の磁性キャリアの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造された磁性キャリア。
  6. 前記磁性キャリアは、体積基準の50%粒径(D50)が15μm以上、100μm以下であり、真比重が2.5g/cm以上、5.2g/cm以下であることを特徴とする請求項5に記載の磁性キャリア。
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