JP2010014714A - 循環抗体の分析のための方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は循環抗体の分析のための改良方法を提供する。
【解決手段】この方法は、a)基材を含む分析装置を提供する工程であって、基材には、少なくとも1つのサンプル添加ゾーン、少なくとも1つの保持ゾーン、少なくとも1つのシンク、ならびに、サンプル添加ゾーン、保持ゾーン、および、シンクをつなぐ少なくとも1つの流路が設けられ、流路は開かれていて、突起部を含み、突起部は、基材の表面に対し実質的に垂直であり、サンプルの側面毛細管流動が達成されるような、また、細胞が突起部を通じて流れることができるような高さ(H)、直径(D)、および、相互間隔(t1,t2)を有し、保持ゾーンは、細胞構造が結合する少なくとも1つの親和性結合手段を含む、工程と、b)少なくとも1つのサンプルを、サンプル添加ゾーンに加える工程と、c)結果を読み取る工程であって、細胞構造に対する循環抗体が決定される、工程と、を含む。
【選択図】なし

Description

開示の内容
〔技術分野〕
本発明は、循環抗体の分析のための方法に関係する。
〔背景〕
迅速で、信頼性があり、また、費用効果のある分析方法や診断方法が望まれている。
国際特許出願第PCT/SE03/00919号(Amic AB)は、マイクロ流体システムであって、基材を含み、基材には少なくとも1つの流路があり、流路には、基材から上方に突き出た複数の微細柱が備えられており、微細柱間の間隔は、適用された液体サンプルにおける毛細管作用を誘導し、その液体を移動させるのに十分小さい、マイクロ流体システムに関する。装置は、例えば細胞が通過するのを妨げる“ふるい”として作用しうる密集ゾーンを含むことができることが開示されている。また、微細構造を有する実施態様も開示されており、その形状、大きさ、および/または、中心間距離が、細胞および同様のものを遅延させるか、もしくは分離することができるような勾配を形成している。
国際特許出願第PCT/SE2005/000429号(Amic AB)は、液体サンプル中の分析物の検出の前にサンプルの成分を分離するための装置および方法を示しており、ここで、サンプルは基材上の受入ゾーンに加えられ、基材は、反応ゾーンや、輸送またはインキュベーションゾーンをさらに選択的に含み、輸送またはインキュベーションゾーンは、受入ゾーンおよび反応ゾーンをそれぞれつないで、基材上の流路を形成しており、基材は無孔の基材であり、流路の少なくとも一部は突起部の領域から成り、突起部は、基材の表面に対して実質的に垂直であり、また、ゾーンにおける液体サンプルの側面毛細管流動が達成されるような高さ、直径、および、相互間隔を有しており、分離のための手段は、サンプルを入れるためのゾーンに近接して備えられている。赤血球を除去する実施態様が開示されている。
国際特許出願第PCT/SE2005/000787号(Amic AB)は、液体サンプルを取り扱うための装置であって、サンプルを入れるための少なくとも1つのゾーンを有する流路と、輸送またはインキュベーションゾーンとを含み、ゾーンは、表面に実質的に垂直な突起部を有するゾーンによってつなげられるか、またはそのようなゾーンを含んでおり、装置には、液体サンプルを入れる容量を有するシンクが備わっており、シンクは、表面に実質的に垂直な突起部を有するゾーンを含み、そのシンクが、液体サンプルを入れるための容量を制御するような外的影響に対して反応するように構成されている、装置に関係する。細胞のような粒子物体を、サンプルの大部分から除去するべき場合に、その装置を用いることができることが開示されている。細胞の著しい破裂なしで赤血球を分離することができることが述べられている。
国際特許出願第PCT/US2003/030965号(The General Hospital CorporationおよびGPB Scientific LLC)は、サンプルから細胞を分離するための方法を開示している。異なる特性を有する細胞の分離について開示されている。装置は、入力および出力チャネルならびにふたを有する閉じられた装置である。装置は、細胞集団を結合することができる一連の障害物を含む。
米国特許出願公開第2007/0059718 A1号は、細菌、原生動物、ウイルス性病原体、および、毒物のような生物災害分析物を検出し濃縮するための方法を開示している。
循環抗体の分析のための強固で信頼性のある方法に対する必要性がある。
〔発明の概要〕
本発明の1つの目的は、循環抗体の分析のための改良方法を提供することである。
循環抗体の分析のための方法において、a)基材を含む分析装置を提供する工程であって、基材には、少なくとも1つのサンプル添加ゾーン、少なくとも1つの保持ゾーン、少なくとも1つのシンク、ならびに、サンプル添加ゾーン、保持ゾーン、および、シンクをつなぐ少なくとも1つの流路が設けられ、流路は、開かれていて、突起部を含み、突起部は、基材の表面に対し実質的に垂直であり、サンプルの側面毛細管流動が達成されるような、また、細胞が突起部を通じて流れることができるような高さ(H)、直径(D)、および、相互間隔(t1,t2)を有し、保持ゾーンは、細胞構造が結合する少なくとも1つの親和性結合手段を含む、工程と、b)少なくとも1つのサンプルを、サンプル添加ゾーンに加える工程と、c)結果を読み取る工程であって、細胞構造に対する循環抗体が決定される、工程と、を含む方法を提供する。
本発明のさらなる態様および実施態様は、添付した特許請求の範囲に規定するとおりであり、この特許請求の範囲を、参照により本願に組み入れる。
粒子および/または細胞が引力により保持される保持ゾーンと組み合わせて突起部を含む基材を提供することにより、いくつかの利点が得られる。
突起部は、基材に対して広い表面を与え、保持ゾーンの広い表面は、より効果的に細胞を結合するため、有利である。分析装置の動態は、突起部および親和性結合を組み合わせることにより、改良される。
親和性結合手段と組み合わせた突起部は、装置におけるサンプル液体の適切な流動を生み出す可能性を提供する。このことにより、望ましくない閉塞といった問題を避けることが可能になる。
本発明のさらなる利点は、本発明による開放システムでは、結果の読み取りがより簡単なことである。さらに、開放システムでは取り込まれた気体による問題が全くない。
細胞を分析するための、実質的に垂直な突起部を用いることの別の利点は、このことが、細胞を注意深く取り扱うような突起部の設計を可能にすることである。
〔定義〕
本発明の装置および方法を説明する前に、本発明は、本明細書に開示したような特定の配置、方法工程、および、材料に限定されず、このような配置、工程、および、材料は幾分変更されてもよいことが理解されるべきである。また、本明細書で用いた用語は、特定の実施態様のみを説明する目的で用いられ、限定することを意図するものではなく、これは、本発明の範囲が、添付した特許請求の範囲、および、その等価物によってのみ限定されるだろうためであることも理解されるべきである。
また、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形「ある(a)」「ある(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかに別様に規定していない限り、複数の指示対象を含むことにも留意しなければならない。したがって、例えば、「ある抗体(an antibody)」を含む反応混合物への言及は、2つ以上の抗体の混合物を含む。
用語「約」は、数値に関して用いられる場合、本分野の当業者にとって、よく知られており受容可能な精度区間を意味する。このような区間は±10%である。
装置および方法を説明し特許請求するにあたり、以下の用語が本明細書で定められた定義にしたがって用いられるだろう。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、「細胞が結合する親和性結合手段」という表現は、結合手段と細胞との間の引力により、細胞に結合する要素を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「分析」とは、少なくとも1つの分析物が決定される過程を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「分析装置」とは、その分析装置の助けにより分析を実施することができる、装置を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「分析物」とは、分析的手順において、1つ以上の特性が決定されるような、物質または化学的構成成分もしくは生物学的構成成分を意味する。分析物または成分それ自体は、しばしば測定することができないが、分析物の測定可能な特性は測定することができる。例えば、分析物の濃度を測定することが可能である。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「毛細管流動」とは、毛細管力により主に誘導される流動を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「覆い」とは、装置の一部または装置全体を取り囲む要素を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「循環抗体」とは、溶液中の抗体を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「検出可能グループ」とは、基材上に存在する場合に検出することができるような、分子もしくは原子の任意の配列を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「流路」とは、異なるゾーン間において液体の流動が起こりうる装置上の領域を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「流体連結」とは、流体を輸送することができる連結部を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「ふた」とは、装置の一部または装置全体を覆う要素を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、毛細管流動と関連して用いられる「開かれた」とは、システムが開かれている、すなわち、システムが取り囲まれていないことを意味する。開放システムの例には、サンプル液体と毛細管接触する(capillary contact)ふたがないシステムが含まれる。開放システムでは、ふたは、サンプル液体と毛細管接触しない、すなわち、ふたは毛細管力を生み出すことに関与していない。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「相互間隔」とは、隣接する突起部間の距離を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「保持ゾーン」とは、サンプルの少なくともいくつかの部分が保持されるゾーンを意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「サンプル」とは、分析されるべき混合物または溶液を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「サンプル添加ゾーン」とは、サンプルが加えられるゾーンを意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「シンク」とは、液体サンプルを入れる容量を有する領域を意味する。
特許請求の範囲および説明の全体にわたって用いられているように、用語「物質」とは、任意の純粋な化学的実体もしくは生物学的実体、または、少なくとも1つの化学的実体もしくは生物学的実体を含む任意の混合物もしくは溶液を意味する。
〔詳細な説明〕
第1の態様では、循環抗体の分析のための方法において、a)基材を含む分析装置を提供する工程であって、基材には、少なくとも1つのサンプル添加ゾーン、少なくとも1つの保持ゾーン、少なくとも1つのシンク、ならびに、サンプル添加ゾーン、保持ゾーン、および、シンクをつなぐ少なくとも1つの流路が設けられ、流路は、開かれていて、突起部を含み、突起部は、基材の表面に対し実質的に垂直であり、サンプルの側面毛細管流動が達成されるような、また、細胞が突起部を通じて流れることができるような高さ(H)、直径(D)、および、相互間隔(t1,t2)を有し、保持ゾーンは、細胞構造が結合する少なくとも1つの親和性結合手段を含む、工程と、b)少なくとも1つのサンプルを、サンプル添加ゾーンに加える工程と、c)結果を読み取る工程であって、細胞構造に対する循環抗体が決定される、工程と、を含む方法が提供される。
相互間隔(t1,t2)は、直交座標系におけるx方向およびy方向の相互間隔を意味する。1つの実施態様では、すべての突起部は、x方向および/またはy方向に同じ間隔を有する。代替の実施態様では、突起部は、x方向に異なる間隔を有している。1つの実施態様では、x方向の異なる突起部の距離は、t1、t1、t1...である。さらなる実施態様では、突起部は、y方向に異なる間隔を有している。1つの実施態様では、y方向の異なる突起部の距離は、t2、t2、t2...である。
装置は基材を含む。1つの実施態様では、基材は、覆いまたはふたによって、部分的に、または、全体的に取り囲まれている。覆いまたはふたを用いる場合、基材間の距離は、覆いまたはふたがサンプル液体に作用する毛細管力に影響しない程度である。
サンプル液体を加える、少なくとも1つのサンプル添加ゾーンが存在する。サンプル添加ゾーンおよび保持ゾーンおよびシンクと流体連結する流路が存在する。
1つの実施態様では、サンプルが、サンプル添加ゾーンから保持ゾーンを通ってシンクへと、流路中を流動する。
1つの実施態様では、どのサンプル液体も保持ゾーンを通って通過できないように、サンプル流体が流動する流路全体にわたって、保持ゾーンが配置される。代替の実施態様では、保持ゾーンと実質的に相互作用することなく、サンプル液体の一部が保持ゾーンを通過することができるように、保持ゾーンが配置される。
1つの実施態様では、a)サンプル添加ゾーン、b)保持ゾーン、および、c)シンクのうちの少なくとも1つが、基材の表面に実質的に垂直な突起部であって、サンプルの側面毛細管流動が達成されるような、また、細胞が突起部を通じて流動することができるような高さ(H)、直径(D)、および、相互間隔(t1,t2)を有する、突起部を含む。
1つの実施態様では、a)流路、b)サンプル添加ゾーン、c)保持ゾーン、および、d)シンクの高さ、直径、および、相互間隔が同じである。代替の実施態様では、a)流路、b)サンプル添加ゾーン、c)保持ゾーン、および、d)シンクのうちの少なくとも1つの高さ、直径、および、相互間隔が異なっている。
1つの実施態様では、親和性結合手段は、抗体、アプタマー、レセプター、リガンド、一本鎖抗体、断片化抗体、および、レクチンから選択される。
1つの実施態様では、微細柱は、5〜200μmの微細柱の距離で配置される。別の実施態様では、微細柱の距離は、20〜100μmである。
1つの実施態様では、微細柱は、1〜1,000μmの微細柱の高さで配置される。別の実施態様では、微細柱の高さは、10〜100μmである。
1つの実施態様では、液体サンプルは、ヒトまたは動物の、血液、尿、肺液、滑液、創傷液、唾液、涙、および、汗から成る群から選択される。
1つの実施態様では、液体サンプルは、ヒトの血液由来である。
1つの実施態様では、細胞構造は、血液学的抗原システムの一部である。
1つの実施態様では、細胞構造は、HIV感染またはHIV検出に関与する抗原の一部である。
1つの実施態様では、液体サンプルは、ヒトの血液に由来し、細菌、ウイルス、または、小型の単細胞もしくは多細胞の感染病原体に対する循環抗体の決定のために用いられる。
1つの実施態様では、液体サンプルは、ヒトの骨髄に由来する。
本発明の他の特徴および使用、ならびに、それらに関連した利点は、説明および実施例を読んだ際に、本分野における当業者には明らかであるだろう。
本発明は、本明細書で示した特定の実施態様に限定されないことが理解されるべきである。以下の実施例は、例示の目的で提供されるものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。というのも、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲およびその等価物によってのみ限定されるからである。
〔実施例〕
≪実施例1:本発明に係る分析装置への細胞の付着≫
チップの突起部は、異なる中心間間隔を有し、流動の方向に最も大きな間隔を有した。突起部はその頂上部分に向かって細くなっていた。突起部の高さは65μmであった。突起部の直径は、底部分で70μmであり、頂上部分の直径は50μmであった。突起部間の間隔は、突起部の底部分でt1=t2=31.77μmであり、突起部の頂上部分でt1=t2=51.77μmであった。
装置表面への細胞の付着の原理は、赤血球(RBC)の強力な結合により例証される。RBC凝集素、荷電、および、表面抗原に対する抗体を含む異なる原理によって、自由な流動中に、RBCは、チップ表面の、定められた領域へと強力に付着した。
チップの1つのレーンに、レクチン1mg/mLを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を少量(0.1μL)適用し、その後、RBC 0.8%を含む懸濁液20μLを適用し、レクチンを含む検出ゾーンを通して流動させた。結果は、異なるレクチン(PHA−E、PHA−M、WGA、ジャカリン(Jacalin))に対して、様々なRBC結合性を示した。中でもWGAは最も効果的なものであった。明らかに目に見える結合RBCは、例えば0.1%の洗剤Tween 20を含む緩衝剤50μLで洗浄した後も、付着したままであった。ウサギ抗ヒトRBC 10μLを、Cy5ヤギ抗ウサギIgG 10μLと組み合わせて加えることで、結合RBCを定量的に決定した。
また、チップ表面へのRBCの強力な結合は、RBC表面抗原[例えば、グリコホリン(ヒトRBCの主要な表面タンパク質)]に対する抗体を用いても得られた。
また、一般的に細胞培養中で細胞に強力に結合する高分子量のポリリジンも、WGAに匹敵する数でRBCを結合することができた。
また、4castchipに対するRBCの付着も、ビオチン標識したRBCを、沈着ストレプトアビジンと組み合わせて用いることによって可能であった。ストレプトアビジンを含むPBS(pH7.5)(2mgストレプトアビジン/mL 0.13μL)を、チップの1つのレーンに適用した。スルホ−NHS−ビオチンを用いてビオチン標識したRBC1.6% 20μLを、ストレプトアビジンを含む検出ゾーンを通して流動させた。結果は、ストレプトアビジンに対する、明らかに目に見える強力なRBC結合性を示し、例えば0.1%の洗剤Tween 20を含む緩衝剤80μLで洗浄した後も、付着したままであった。
≪実施例2:RBC表面抗原に対する可溶性ヒト抗体の検出(間接抗グロブリン検査・IAT)≫
抗体検出の原理は、ヒト血清中に少ない滴定量で存在する抗D抗体の検出により例証される。アッセイの原理には、沈着キャッチング(deposited catching)(例えば、RBC表面抗原に対する抗体)によるチップ表面の生存RBCの強力な付着性または結合性が関わっている。実施例1と同じ装置を用いた。したがって、チップの微細柱部を通った自由な流動により輸送されるRBCは、検出ゾーンに位置するチップ結合抗体によって捕捉される。異なる滴定量の抗D抗体を含む0.5%ゼラチンを含むLISS緩衝液に1:100で希釈されたヒト血清サンプルを少量(10μL)、RBCを感作するために適用した。洗浄(30μL)後、トランスフルオスフィア(transfluosphere)と抱合した抗ヒトグロブリン抗体(AHG)10μLを用いて、RBC表面のIgGの存在を検出した。結果は、抗D抗体滴定量に関して、RBCに対するAHG抱合体の用量依存的な結合性を示した。洗剤がない場合に、0.5%ゼラチンを含む低イオン強度生理食塩水(LISS)洗浄緩衝液を用いて、最適な感作が得られた。
高感度IATアッセイでは、AHG抱合体による検出は、極端に大きいストークシフト(励起および発光極大の分離)を有する蛍光染料の組み合わせによって[トランスフルオスフィアおよびユーロピウム抱合体のように]なされる。
≪実施例3:ABO式血液型抗原検査≫
RBCのABO式血液型抗原は、高い特異性で決定される。ドナー血液サンプル由来のRBCを、LISS緩衝液中で2回洗浄して調製し、その後、0.8%RBC溶液に再懸濁した。LISS緩衝液中の洗浄ドナーRBC(4%、20μL)は、沈着抗グリコホリン(1mg/mL、0.13μL/チップ)を用いた装置に付着した。モノクローナル抗RBC−A抗体およびモノクローナル抗RBC−B抗体10μLを用いて、その後、Cy5と抱合した抗マウスIgM抗体10μLによって、A型抗原およびB型抗原それぞれを検出した。最終的に、アッセイ緩衝液(20mM Tris、0.135M NaCl、10mM EDTA、0.1% Tween 20、1% BSA、pH7.4)60μLで、チップを洗浄した。635nmで読み取られる蛍光シグナルは、抗RBC−A抗体を用いた場合に、明らかに、A+RBCに対しては陽性であり、B+RBCに対しては陰性(バックグラウンドシグナルと等しい)であった。B+RBCでの実験では、同様の高い特異性が得られた。

Claims (7)

  1. 循環抗体の分析のための方法において、
    a)基材を含む分析装置を提供する工程であって、
    前記基材には、少なくとも1つのサンプル添加ゾーン、少なくとも1つの保持ゾーン、少なくとも1つのシンク、ならびに、前記サンプル添加ゾーン、前記保持ゾーン、および、前記シンクをつなぐ少なくとも1つの流路が設けられ、
    前記流路は開かれていて、突起部を含み、前記突起部は、前記基材の表面に対し実質的に垂直であり、サンプルの側面毛細管流動が達成されるような、また、細胞が前記突起部を通じて流れることができるような高さ(H)、直径(D)、および、相互間隔(t1,t2)を有し、
    前記保持ゾーンは、細胞構造が結合する少なくとも1つの親和性結合手段を含む、
    工程と、
    b)少なくとも1つのサンプルを、前記サンプル添加ゾーンに加える工程と、
    c)結果を読み取る工程であって、
    前記細胞構造に対する循環抗体が決定される、
    工程と、
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記液体サンプルは、ヒトまたは動物の、血液、尿、肺液、滑液、創傷液、唾液、涙、および、汗から成る群から選択される、方法。
  3. 請求項1〜2のうちのいずれか1項に記載の方法において、
    前記液体サンプルは、ヒトの血液に由来する、方法。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の方法において、
    前記細胞構造は、血液学的抗原システムの一部である、方法。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の方法において、
    前記細胞構造は、HIV感染またはHIV検出に関わる抗原の一部である、方法。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の方法において、
    前記液体サンプルは、ヒトの血液に由来し、細菌、ウイルス、または、小型の単細胞もしくは多細胞の感染病原体に対する循環抗体の決定のために用いられる、方法。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の方法において、
    前記液体サンプルは、ヒトの骨髄に由来する、方法。
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