JP2002196001A - 被検物質の測定器具及び測定方法 - Google Patents

被検物質の測定器具及び測定方法

Info

Publication number
JP2002196001A
JP2002196001A JP2001331719A JP2001331719A JP2002196001A JP 2002196001 A JP2002196001 A JP 2002196001A JP 2001331719 A JP2001331719 A JP 2001331719A JP 2001331719 A JP2001331719 A JP 2001331719A JP 2002196001 A JP2002196001 A JP 2002196001A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
measuring
test substance
sample supply
supply unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001331719A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Amada
武志 天田
Takeki Nakamura
雄樹 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shino Test Corp
Original Assignee
Shino Test Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shino Test Corp filed Critical Shino Test Corp
Priority to JP2001331719A priority Critical patent/JP2002196001A/ja
Publication of JP2002196001A publication Critical patent/JP2002196001A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】試料中の被検物質の測定において、測定妨害の
原因となる気泡が発生しても、この気泡侵入抑制手段に
よって気泡を捕捉し、気泡が測定反応に関与する物質間
の反応を阻害することにより測定が妨害されることな
く、正確な測定が行える測定器具及び測定方法を提供す
る。 【構成】試料中の被検物質の測定器具であって、試料供
給部及び判定部が非吸水性の材質からなる壁で囲まれた
空間を有する通路で結ばれた測定器具において、該試料
供給部が気泡侵入抑制手段を有することを特徴とする測
定器具及びこの測定器具を用いた測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中の被検物質
を測定するための測定器具及び測定方法に関するもので
ある。本発明は、特に化学、生命科学、食品衛生、環境
科学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
【0002】
【従来の技術】試料中の被検物質を測定するための測定
器具としては、種々のものが開発されている。なかで
も、簡易測定器具を用いたものが汎用されている。この
簡易測定器具は、紙、メンブレンフィルター又はプラス
ティック等に試薬等を塗布又は含浸等により含有させ、
乾燥させることにより製造されている。また、このよう
な簡易測定器具では、判定部が試料供給部を兼ねる場合
と、試料供給部に接触させた試料等を判定部に移動させ
る場合とがある。これらの簡易測定器具を用いた場合
に、試料供給部に接触させた試料等を判定部に移動する
方法としては、例えば、測定器具の判定部側を傾斜させ
て下方向に向ける、試料供給部と判定部を結ぶ通路の内
部に圧力をかける、毛細管現象の利用等が挙げられる。
【0003】この様に、試料供給部に接触させた試料等
を判定部に移動させる場合、試料供給部に試料等を接触
させる際に、気泡が試料供給部より空間を有する通路に
侵入してしまうことがあった。この場合、気泡が試料の
移動を妨げたり、判定部上に気泡が留まってしまうこと
により、この気泡が測定反応に関与する物質間の反応を
阻害したり、判定部におけるシグナルを見にくくすると
いったことにより測定を妨害することがあった。また、
試料を直接判定部に接触させる場合にも、気泡が判定部
の試薬層の上を覆ってしまい、この気泡が測定反応に関
与する物質間の反応を阻害したり、判定部におけるシグ
ナルを見にくくするといったことにより、測定を妨害す
ることがあった。
【0004】また、本発明者らは、特開平10−227
794号公報に記載されているように、試料中の被検物
質の有無を粒子が前記被検物質に対する特異的結合物質
で被覆された部分(判定部)において凝集するか否かに
より判定する測定方法を発明している。この公報には測
定方法の一形態として、試料及び粒子を判定部に移動さ
せるための非吸水性の材質からなる壁で囲まれた空間を
有する通路を具備した測定器具を用い、磁性粒子に磁石
を作用させることや、前記測定器具を傾けて粒子に重力
を作用させること等により、該磁性粒子又は該粒子を前
記空間内を判定部に沿って移動させて測定を行う測定方
法が挙げられている。この測定方法において、試料また
は粒子を添加する際に気泡がこの空間内に侵入してしま
うと、この気泡が粒子の通路を塞いでしまい粒子が判定
部に移動するのを妨げることや、更にはこの気泡が判定
部に入り込んでしまうことにより、判定部における粒子
の凝集反応を阻害することや、凝集反応を見にくくする
といったことにより測定に支障を来してしまい、結果と
して正確な診断が行えないことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、非吸水性の材質からなる壁で囲まれた空間を有する
通路を用いて判定部に試料、試薬等を供給することによ
り、測定を行う試料中の被検物質の測定器具及び測定方
法において、測定の妨害となる気泡の前記空間内への侵
入を抑制する手段を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料中の被検
物質の測定器具であって、試料供給部及び判定部が非吸
水性の材質からなる壁で囲まれた空間を有する通路で結
ばれた測定器具において、該試料供給部が気泡侵入抑制
手段を有することを特徴とする測定器具である。
【0007】また、本発明の測定器具は、前記気泡侵入
抑制手段が、前記試料供給部に設けられた障害物である
ことが好ましい。
【0008】更に、本発明の測定器具においては、前記
試料供給部に設けられた障害物が、該試料供給部の下部
が上部よりも狭くなっているものであることが好まし
い。
【0009】また、本発明の測定器具においては、前記
試料供給部に設けられた障害物が、該試料供給部に配置
した網状体であることが好ましい。
【0010】更に、本発明の測定器具においては、前記
試料供給部に設けられた障害物が、該試料供給部に配置
した突起状体であることが好ましい。
【0011】また、本発明の測定器具においては、前記
判定部が試料中の被検物質に対する特異的結合物質が固
定されて該特異的結合物質により被覆されていることが
好ましい。
【0012】更に、本発明の測定器具においては、前記
被検物質が抗原であり、前記特異的結合物質が抗体であ
ることが好ましい。
【0013】また、本発明の測定器具においては、前記
被検物質が抗体であり、前記特異的結合物質が抗原であ
ることが好ましい。
【0014】更に、本発明は、試料供給部が気泡侵入抑
制手段を有し、かつ該試料供給部と判定部が非吸水性の
材質からなる壁で囲まれた空間を有する通路で結ばれた
測定器具を使用し、該試料供給部に試料を接触させた後
に、該判定部におけるシグナルにより被検物質の測定を
行う測定方法である。
【0015】そして、本発明の測定方法においては、前
記気泡侵入抑制手段が、前記試料供給部に設けられた障
害物によるものであることが好ましい。
【0016】また、本発明の測定方法においては、前記
試料供給部に設けられた障害物が、該試料供給部の下部
が上部よりも狭くなっているものであることが好まし
い。
【0017】更に、本発明の測定方法においては、前記
試料供給部に設けられた障害物が、該試料供給部に配置
した網状体であることが好ましい。
【0018】そして、本発明の測定方法においては、前
記被検物質が抗原であり、前記特異的結合物質が抗体で
あることが好ましい。
【0019】また、本発明の測定方法においては、前記
被検物質が抗体であり、前記特異的結合物質が抗原であ
ることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】〔1〕試料中の被検物質の測定器
具 (1)測定の方法 本発明の測定器具による試料中の被検物質の測定の方法
としては、シグナルにより被検物質の測定を行うことが
できるものであれば、どの様な測定の方法を用いてもよ
く、例えば、光学的測定方法、免疫学的測定方法等の測
定の方法を用いることができる。
【0021】光学的測定方法としては、試料と試薬とを
反応させて生成した反応生成物の量を光学的に測定する
方法が一般的に良く知られている。この光学的測定方法
では、例えば、酵素の触媒活性等によって色原体から色
素等を生成させ、この生成した色素等の量を光学的測定
装置を用いたり、又は目視により測定することにより試
料中の被検物質の量又は活性を測定することができる。
【0022】更に、免疫学的測定方法としては、抗原抗
体反応を利用して試料中の被検物質の有無又は量を測定
する方法を挙げることができる。
【0023】また、本発明の測定器具は、特開平10−
227794号公報に記載されているような、試料中の
被検物質の有無を粒子が被検物質に対する特異的結合物
質で被覆された部分(判定部)に集まるか否かにより判
定する測定方法にて使用することが特に好ましい。この
測定方法は、試料及び粒子を判定部に移動させるための
非吸水性の材質からなる空間を有する通路を具備した測
定器具を用い、磁性粒子に磁石を作用させることや、測
定器具を傾けて粒子に重力を作用させること等により、
該磁性粒子又は該粒子をこの空間内を判定部に沿って移
動させて測定を行うものである。
【0024】ここで、被検物質に対する特異的結合物質
(以下、特異的結合物質ということがある)とは被検物
質に対し親和性を有する物質をいい、被検物質との特異
的な相互作用により該被検物質に非共有結合的に安定に
結合する物質をいう。例えば、特異的結合物質は、被検
物質が抗原の場合にはその抗体であり、被検物質が抗体
の場合にはその抗原又はその抗体に対する抗体であり、
被検物質がヌクレオチド鎖の場合にはそれと相補的なヌ
クレオチド鎖である。ここで、抗体とは、抗体から作ら
れる断片、例えば、Fab、及びF(ab’)等も含
まれる。また、被検物質がリガンドの場合にはそのレセ
プターである。
【0025】(2)被検物質 本発明において測定を行う被検物質としては、タンパク
質、糖質、脂質、核酸のような有機物質、金属のような
無機物質等を挙げることができる。具体的には、HBs
抗原、抗HBs抗体、HBe抗原、抗HBe抗体、抗H
Bc抗体、抗HCV抗体、抗HIV抗体、抗ATLV抗
体等のウイルス関連の抗原又は抗体;大腸菌O157抗
原、抗トレポネーマ・パリダム(TP)抗体、抗マイコ
プラズマ抗体、抗ストレプトリジンO抗体(ASO)等
の細菌関連の抗原又は抗体;免疫グロブリンG(Ig
G)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンM
(IgM)、若しくは免疫グロブリンE(IgE)等の
免疫グロブリン;C反応性タンパク質(CRP)、α1
−酸性糖タンパク質、ハプトグロビン、補体C3、補体
C4、リウマトイド因子等の炎症マーカー;α−フェト
プロテイン、CEA、CA19−9等の腫瘍マーカー;
ヒト胎盤絨毛性ゴナドトロピン等のホルモン;アレルゲ
ン、アレルゲン特異IgE抗体等のアレルギー関連の抗
原又は抗体;抗トロンビンIII(ATIII)等の血
液凝固系関連物質;フィブリン体分解物(FDP)、D
ダイマー等の線溶系関連物質;ABO式血液型抗体、不
規則抗体等の血液型関連の抗原又は抗体;ウイルスのD
NA又はRNA;細菌のDNA又はRNA;ヒト等の動
物若しくは植物のDNA又はRNA;リポタンパク質
(a)、フェリチン等の他の疾病に関連した物質;薬
物;金属;毒物又は劇物等を例示することができる。
【0026】(3)試料 本発明において、試料とは、前記の被検物質が存在する
可能性があり、且つその被検物質の存在の有無の確認又
は場合によっては定量を行おうとする液状のものをい
う。例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、精
液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水等の体液;ヒト若
しくは動物の脳等の臓器、毛髪、皮膚、爪、筋肉、又は
神経組織等の抽出液;ヒト又は動物の糞便の抽出液又は
懸濁液;細胞或いは菌体の抽出液;植物の抽出液;穀
物、野菜、果物、魚介類、肉類又は加工食品等の食品、
水、茶、コーヒー、牛乳、又は果汁等の飲料、そして、
飲料水、河川水、湖沼水、海水、又は土壌の懸濁液等の
環境分析用試料等が挙げられる。
【0027】(4)測定器具 本発明の試料中の被検物質の測定器具は、試料供給部及
び判定部が非吸水性の材質からなる壁で囲まれた空間を
有する通路で結ばれた測定器具において、該試料供給部
が気泡侵入抑制手段を有する測定器具である。また、本
発明の測定器具は、該試料供給部に接触させた試料等の
溶液(液体)が該通路の中を判定部の方向に移動するこ
とができる限りいずれの形状、構造でもよい。
【0028】本発明の測定器具の試料供給部と判定部を
結ぶ通路となる空間を囲む壁の材質は、非吸水性の材質
のものであれば何ら制限されず、例えば、ガラス、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリプ
ロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリレート等の非吸水性の材質が挙げられ
る。また、本発明の測定器具の他の部分(箇所)の材質
としては、前記非吸水性の材質または吸水性の材質のも
のを適宜用いることができる。
【0029】 試料供給部 本発明において、試料供給部は試料等の液体を受入れた
後に前記通路内に供給することができれば、いずれの形
状であってもよい。
【0030】 気泡侵入抑制手段 本発明においては、前記試料供給部が気泡侵入抑制手段
を有する。ここで、気泡侵入抑制手段とは、該試料供給
部に試料等を接触させた際に、気泡が非吸水性の材質よ
りなる壁で囲まれた空間を有する試料供給部と判定部を
結ぶ通路に侵入するのを抑制できるものをいい、例え
ば、該試料供給部に障害物を設けること等が挙げられ
る。
【0031】また、本発明において、該試料供給部に障
害物を設ける場合、この障害物としては、該試料供給部
の下部が上部よりも狭くなっている構造のものであるこ
とが好ましい。この場合、該試料供給部の上部(入口)
に試料等の液体を接触させると、入り口部分に気泡のみ
が捕捉され、気泡以外の液体は入口より下部に流れてい
くため、前記通路への気泡の侵入を防ぐことができる。
図1−Aは、このような構造の気泡侵入抑制手段を有す
る測定器具の例を示したものである。更に、本発明の測
定器具においては、図1−A’に示すように、該試料供
給部が広い部分(上部)から狭い部分(下部)にかけて
徐々に狭くなるように設計しても良い。
【0032】また、本発明の測定器具において、該試料
供給部に障害物を設ける場合、この障害物としては、該
試料供給部に配置された網状体であることが好ましい。
ここで、網状体としては、例えば、ネット状のもの、又
は非吸水性の多孔質体等を挙げることができる。また、
網状体を配置する場所としては、例えば、試料供給部の
上部(入口)等に配置すればよい。この場合、該試料供
給部の上部(入口)に配置された網状体に試料等の液体
を接触させると、網状体部分に気泡のみが捕捉され又
は、気泡がはじけることにより、気泡以外の液体は網状
体より下部に流れていくため、前記通路への気泡の侵入
を防ぐことができる。なお、粒子を用いた測定方法の場
合は、前記網状体は、粒子が容易に通過でき、かつ気泡
は通過できず捕捉されない程度の隙間を有していること
が好ましい。図1−Bは、このような網状体の気泡侵入
抑制手段を有する測定器具の例を示したものである。
【0033】更に、本発明の測定器具において、該試料
供給部に障害物を設ける場合、この障害物としては、該
試料供給部に配置された突起状体であることが好まし
い。ここで、突起状体としては、例えば、接触させた試
料等の液体中の気泡のみを捕捉し、気泡以外の液体は通
路内を判定部の方向に移動できるような形状であればど
のようなものでもよい。また、突起状体を配置する場所
としては、該通路内を試料等が判定部にスムーズに移動
できるような場所であればよく、例えば、該試料供給部
の下部等に配置すればよい。この場合、試料等の液体を
該試料供給部に接触させると、突起状体部分に気泡のみ
が捕捉され又は、気泡がはじけることにより、気泡以外
の液体は該通路を判定部の方向に流れていくため、前記
通路への気泡の侵入を防ぐことができる。図1−Cは、
このような突起状体の気泡侵入抑制手段を有する測定器
具の例を示したものである。
【0034】 判定部 本発明において判定部とは、試料中の被検物質の有無又
は量に応じてシグナルを生じる物質を存在(配置)させ
たものをいう。シグナルを生じる物質としては、光学的
測定法により測定を行う場合には、基質、酵素、補酵素
等の被検物質より色素等を生成させる反応に関する成分
を挙げることができる。また、免疫学的測定方法により
測定を行う場合には、被検物質に対する特異的結合物質
等の被検物質と抗原抗体反応を起こす成分を挙げること
ができる。更に、必要があれば非特異的反応を抑制する
ため、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、カゼ
イン又はその塩等の各種タンパク質、脱脂粉乳等を特異
的結合物質を固定した判定部などに接触させること等の
公知の方法により、該判定部をマスキングしてもよい。
なお、判定部は、一つでもよいし、又は複数あってもよ
い。
【0035】 空間を有する通路 本発明の測定器具において試料供給部及び判定部を結ぶ
非吸水性の材質からなる壁で囲まれた空間を有する通路
とは、試料供給部に接触させた試料等の液体を判定部に
移動させることができるものである。また、前記通路に
は、試料等の液体が通路の内部をスムーズに通過できる
ように空気孔が設けてあってもよい。
【0036】(4)試料吸収部 本発明における測定器具には、判定部に接触させた試料
を吸収除去する試料吸収部を配置することもできる。こ
の試料吸収部としては、多孔性吸収体、例えば、ろ紙、
ペーパータオル若しくはティッシュペーパー等の紙類、
グラスファイバーフィルタ、高分子吸収体、スポンジ等
の多孔質体、レーヨン若しくはポリエステル等の化学繊
維、布、不織布又は綿等の液体を吸収する性質を持つ材
料よりなるものであればどのようなものを用いても良
い。なお、この試料吸収部の形状、大きさについては特
に制限はない。
【0037】また、この試料吸収部が測定器具に配置さ
れる位置としては、判定部に被検物質を含む試料を接触
させた後に、前記測定器具の該判定部から前記試料が吸
収除去される位置であればどこに配置してもよい。ま
た、測定器具として板状体を使用する場合、試料吸収部
を、例えば、該測定器具の判定部の端部、又は該判定部
に隣接した位置等に配置すればよい。例えば、試料が判
定部の上をスムーズに移動できるように、試料が移動し
ていく方向、即ち判定部の水平方向から試料を吸収させ
ることができるような位置に試料吸収部を配置するのが
好ましい。
【0038】なお、試料吸収部は、試料を接触させた後
に、取り外せるように配置しても良い。更に、試料吸収
部を脱着可能な形態、又はカートリッジ等の形態にし
て、試料吸収部を何度も交換できるようにしても良い。
【0039】〔2〕本発明による試料中の被検物質の測
定方法 本発明による試料中の被検物質の測定方法は、以下のよ
うな操作により行えばよい。
【0040】本発明による測定方法においては、試料供
給部及び判定部が非吸水性の材質からなる壁で囲まれた
空間を有する通路で結ばれた測定器具であり、該試料供
給部が気泡侵入抑制手段を有する測定器具を使用する。
測定の操作としては、まず、該試料供給部に被検物質の
存在が疑われる試料を接触させる。
【0041】試料は、例えば希釈液により希釈して判定
部に接触させることもできる。試料の希釈液としては、
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液、リン
酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等の各種緩衝液又は生
理食塩水等を用いることができる。なお、この緩衝液の
pHについては、pH4〜12の範囲内にあることが好
ましい。
【0042】また、試料の希釈液には、ウシ血清アルブ
ミン、ヒト血清アルブミン、カゼイン、又はその塩等の
各種タンパク質、塩化ナトリウム等の各種塩類、各種糖
類、脱脂粉乳、正常ウサギ血清等の各種動物血清、アジ
化ナトリウム等の各種防腐剤、非イオン性界面活性剤、
両イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤等の各種
界面活性剤等の添加剤を適宜加えて用いることができ
る。
【0043】そして、これらの添加剤を加える際の濃度
は特に限定されるものではないが、0.001〜10%
(w/v)が好ましく、特に0.01〜5%(w/v)
が好ましい。
【0044】また、界面活性剤としては、ソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
フィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノー
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシ
エチレンラノリン等の非イオン性界面活性剤、酢酸ベタ
イン等の両性界面活性剤又はポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸塩若しくはポリオキシエチレンアルキル
エーテル酢酸塩等の陰イオン性界面活性剤等を挙げるこ
とができる。
【0045】上記のように、測定器具の試料供給部に接
触させた試料を、前記通路を毛管現象又は担体を傾ける
こと等により判定部の方向へ移動させる。この後、判定
部におけるシグナルを測定することにより、試料中の被
検物質の有無又は量を測定する。
【0046】また、特開平10−227794号公報等
に記載されているような、試料中の被検物質の有無を粒
子が特異的結合物質で被覆された部分(判定部)におい
て凝集するか否かにより判定する測定方法により、本発
明の測定を行う場合には粒子を用いる。この場合、上記
のように、試料供給部に試料を接触させた後に、試料を
非吸水性の材質からなる壁で囲まれた空間を有する通路
を毛細管現象又は担体を傾けること等により判定部の方
向へ移動させ、判定部に接触させることにより試料中の
被検物質を、判定部上に被覆され固定された特異的結合
物質に結合させる。その後、判定部に接触させた試料を
除去する。ここで、判定部に接触させた試料の除去は、
液体を吸収する性質を持つ材料よりなる試料吸収部を設
けて試料を吸収させたり、ピペット等で試料を吸い取る
こと等により行うことができる。更に、被検物質に対す
る特異的結合物質が固定された粒子を該判定部に接触さ
せる。前記粒子を判定部に接触させる場合には、粒子を
試料供給部に接触させた後、該粒子を判定部に沿って移
動させることにより接触させればよい。また、判定部に
直接粒子を接触させてもよい。また、前記の粒子を判定
部に沿って移動させることは、磁性粒子に磁石を作用さ
せることや、前記測定器具を傾け粒子に重力を作用させ
ること等により、該磁性粒子又は該粒子を前記通路内を
判定部に沿って移動させることにより行うことができ
る。更に、磁石を作用させる場合の磁石としては、磁場
を発生して磁性粒子を磁化するものであればいずれのも
のでもよく、永久磁石、電磁石等を用いればよい。ま
た、磁束密度は、用いる磁性粒子と担体の面との相互作
用に依存するが、通常、5〜100ガウスである。
【0047】また、本発明において粒子としては、例え
ば、リポソーム、ラテックス粒子、ゼラチン粒子、ポリ
アクリルアミド粒子、マイクロカプセル、エマルジョン
等の有機高分子粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、ベ
ントナイト等の無機高分子粒子、他の人工粒子、又は赤
血球等を用いることができる。
【0048】また、粒子として磁性粒子を用いることも
できる。この磁性粒子は、少なくとも外部から磁石を作
用させている間は磁化する粒子であればよい。この磁性
粒子としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強
磁性金属、これらの強磁性金属を含む合金、非磁性体中
に強磁性金属又は強磁性金属を含む合金を含有するも
の、強磁性金属中又は強磁性金属を含む合金中に非磁性
体を含有するもの等の強磁性体を単独で粒子状に成形し
た粒子、強磁性体を核としてその表面をポリスチレン、
シリカゲル、ゼラチン、ポリアクリルアミド等の高分子
物質で被覆した粒子、ポリスチレン、シリカゲル、ゼラ
チン、ポリアクリルアミド等の高分子物質の粒子を核と
して強磁性体を被覆した粒子、赤血球、リポソーム又は
マイクロカプセル等の閉じた袋状の物質に強磁性体を封
入した粒子等を挙げることができる。なお、この磁性粒
子は、外部から磁石を作用させている間は磁化し、外部
からの磁石の遮断により速やかに減磁する性質を持つも
のであることが特に好ましく、そのような磁性粒子とし
ては、例えば、強磁性体である酸化鉄(III)(Fe
)を粒子内に分散させた磁性粒子である「Dyn
abeads M−450 uncoated(商品
名)(ダイナル社製)」が挙げられる。
【0049】更に、粒子としては、色素を被覆するか又
は色素を粒子中に分散若しくは封入させることにより着
色したものを使用してもよい。
【0050】粒子の粒子径は、好ましくは0.01〜1
00μmであり、特に好ましくは0.5〜10μmであ
る。また、粒子の比重は、分散媒中で沈降する比重であ
れば良く、例えば比重1〜10のものが好ましい。
【0051】また、本発明において粒子を用いた測定を
行う場合には、特異的結合物質を固定した粒子を用い
る。ここで、特異的結合物質を粒子に固定するには、特
異的結合物質を前記の粒子の表面に、疎水結合、親水吸
着等の物理的吸着法、共有結合等の化学的結合法又はこ
れらの方法の併用等により行うことができる。また、粒
子に固定する特異的結合物質は、被検物質を介しての結
合が可能であれば、判定部に固定する特異的結合物質と
それぞれ同一でも異なってもよい。
【0052】また、特異的結合物質の粒子又は測定器具
の判定部とする箇所への固定量を変更することにより、
試料中の被検物質の濃度の高低に応じて容易に感度を変
更することができる。例えば、粒子又は測定器具の判定
部とする箇所に特異的結合物質を固定する際に、高濃度
の特異的結合物質を用いれば固定量が多くなって感度を
高めることができる。
【0053】また、粒子に特異的結合物質を固定する際
には、粒子に複数種類の被検物質に対する特異的結合物
質を同時に固定させても良いし、又は複数種類の被検物
質に対する特異的結合物質をそれぞれ別々の粒子に固定
させても良い。
【0054】なお、必要があれば非特異的反応を抑制す
るため、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、カ
ゼイン又はその塩等の各種タンパク質、脱脂粉乳等を特
異的結合物質を固定した粒子に接触させること等の公知
の方法により、該粒子をマスキングしてもよい。
【0055】更に、特異的結合物質を固定した粒子のか
わりに、被検物質又はその類縁体を固定させた粒子を用
いても良い。ここで、被検物質の類縁体とは、被検物質
の一部分、被検物質に別の物質が結合したもの、被検物
質の構造の一部分が置換されたもの等であって、被検物
質の特異的結合物質と結合する部分の構造を有し、特異
的結合物質に結合することができる物質のことである。
例えば、被検物質が抗原の場合、この抗原の抗原決定基
を含む物質をこの被検物質の類縁体として挙げることが
できる。
【0056】また、粒子は、例えば適当な分散媒に分散
して測定器具に接触させることができる。粒子の分散媒
としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩
衝液、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等の各種緩
衝液又は生理食塩水等を用いることができる。なお、こ
の緩衝液のpHについては、pH4〜12の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0057】また、この粒子の分散媒には、上記の試料
の希釈液として記載した添加剤をそれぞれ適宜加えて用
いることができる。そして、これらの添加剤を加える際
の濃度は特に限定されるものではないが、0.001〜
10%(w/v)が好ましく、特に0.01〜5%(w
/v)が好ましい。
【0058】上記のように、粒子を測定器具の(特異的
結合物質により被覆された)判定部に沿って移動させた
後、この面の判定部における粒子の分布状態(シグナ
ル)から被検物質の有無を測定する。この担体の判定部
上の粒子の分布状態、即ち像(シグナル)は、容易に肉
眼により、あるいは吸光度測定やパターン認識によるマ
イクロプレートリーダー等の光学的読み取り装置により
確認し、測定することができる。
【0059】〔3〕確認試験 なお、本発明の測定器具及び測定方法は、確認試験に使
用することができる。確認試験とは、即ち、試料中の被
検物質の測定において試料中に被検物質が存在する(陽
性)と測定された場合に、その測定結果が真に被検物質
の存在によるものか、又は非特異的反応によるものかを
確認するための試験のことである。本発明の測定器具及
び測定方法は、試料中の被検物質を特異的結合物質によ
り吸収して測定を行う、通常の確認試験に適用すること
ができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0061】〔実施例1〕 (気泡侵入抑制効果の確認)本発明の測定器具を用いて
試料供給部に試料及び粒子を接触させた場合に、気泡が
通路内に侵入するかどうかを確かめた。 (1)本発明及び比較例の測定器具の作製 HBs抗原測定器具Aの作製 アクリル樹脂押出板1(幅10mm、奥行き38mm、
厚さ1mm)〔アクリサンデー社製〕の手前の端から1
5mmより18mmの部分(図2の3の位置)に、抗H
Bs抗体溶液(シノテスト社製の抗HBs抗体を、5μ
g/mlの濃度でpH7の10mMリン酸緩衝液に溶解
したもの)20μlを、ピペットを用いて載せて接触さ
せ、37℃で3時間静置することにより固定化を行っ
た。次いで、溶液をピペットで吸引除去後、0.5%
(W/V)カゼインを含むトリス緩衝液(pH7.5,
50mM)(以下、これを希釈液Aという)0.3ml
をここに加えて、4℃で一晩放置し、これをピペットで
吸引除去することによりマスキングを行い、判定部3と
した。次に、図2のAに示すように、中央に2本の枠4
(奥行き16mm、高さ0.5mm、枠間の間隔5m
m)を形成した透明板よりなるカバー2(幅12mm、
奥行き40mm、厚さ2.5mm)及び試料吸収部8
(ベルクリンE2、鐘紡社製、厚さ2mmのものを幅4
mm、奥行き5mmに裁断したもの)を、前記のアクリ
ル樹脂押出板1の上に、図2のAに示すように組み合わ
せて、図3のAに示すアクリル樹脂押出板1とカバー2
で囲まれた高さ0.5mm、奥行き16mm、幅5mm
の空間を有する通路6が設けられた測定器具を作製し
た。この測定器具のカバー2に設けられた開口部5(幅
5mm、奥行き2mm、厚さ2.5mm)が試料供給部
5となる。なお、図2のBはカバー2の横断面図、図2
のCはカバー2を裏側から見た図である。更に、図2の
Aに示すように、中央部に前記試料供給部と同じ大きさ
の穴を空け、かつ、この穴の片側面が上部にかけて広が
るように成型した透明な障害物7(幅7mm、奥行き8
mm、高さ1mm)を、前記試料供給部5の上にアクリ
ル接着剤で張り付け、気泡抑制手段とした。これをHB
s抗原測定器具Aとした。なお、図3のBはHBs抗原
測定器具Aの縦断面図である。 HBs抗原測定器具Bの作製 図4のAに示すように、気泡抑制手段として、成型した
障害物の代わりに、ポリプロピレン製ネット9(NBC
I工業社製、24メッシュのものを幅8mm、奥行き8
mmに裁断したもの)を、前記試料供給部5の上にアク
リル接着剤で張り付け、気泡抑制手段としたこと以外
は、HBs抗原測定器具Aと同形同質のHBs抗原測定
器具Bを作製した。なお、図4のBはHBs抗原測定器
具Bの斜視図であり、図4のCはHBs抗原測定器具B
の縦断面図である。 HBs抗原測定器具Cの作製 図5のAに示すように、カバーを中央に2本の枠4(奥
行き16mm、高さ0.5mm、枠間の間隔5mm)を
形成した透明板よりなるカバー2’(幅12mm、奥行
き40mm、厚さ2.5mm)に変えたこと以外は、前
記のHBs抗原測定器具Aと同様にして、HBs抗原
測定器具Cを作製した。なお、図5のBはカバー2’の
横断面図、図5のCはカバー2’を裏側から見た図であ
り、図6のAはHBs抗原測定器具Cの斜視図、図6の
BはHBs抗原測定器具Cの縦断面図である。 HBs抗原測定器具Dの作製 図7のAに示すように、気泡抑制手段として、成型した
障害物の代わりに、ポリプロピレン製ネット9(NBC
I工業社製、24メッシュのものを幅8mm、奥行き8
mmに裁断したもの)を、試料供給部5の上にアクリル
接着剤で張り付け、気泡抑制手段としたこと以外は、前
記のHBs抗原測定器具Cと同形同質のHBs抗原測
定器具Dを作製した。なお、図7のBはHBs抗原測定
器具Bの斜視図であり、図7のCはHBs抗原測定器具
Bの縦断面図である。 比較例のHBs抗原測定器具E及びFの作製 図8及び図9に示すように、比較例として、試料供給部
5に気泡抑制手段を配置しないこと以外はHBs抗原測
定器具A〜Dと同形同質のHBs抗原測定器具E及びF
を作製した。なお、図8及び図9のBはHBs抗原測定
器具E及びFの斜視図であり、図8及び図9のCはHB
s抗原測定器具E及びFの縦断面図である。
【0062】(2)抗HBs抗体固定粒子の作製 粒子(磁性粒子)〔Dynabeads M−450
uncoated、ダイナル社製、粒径:4.5μm、
粒径のC.V.5%以下、比重1.5、濃度3%(w/
v)〕1mlを、抗HBs抗体溶液(シノテスト社製、
pH7.0の10mMリン酸緩衝液に濃度0.1mg/
mlで溶解したもの)1mlと混合したものを用意し、
37℃で30分間反応させた。これに前記希釈液Aを約
20倍量加えてマスキングを行ない、得られた粒子を希
釈液Aにて洗浄した。この粒子を濃度が約0.1%(w
/v)となるように希釈液Aに再分散させた。このよう
にして、抗HBs抗体固定粒子分散液を調製した。
【0063】(3)気泡侵入抑制効果の確認 HBs抗原及び抗HBs抗体が共に陰性である血液に、
HBs抗原溶液(明治乳業社製のHBs抗原を、pH
7.2の10mMリン酸緩衝液に40μg/mlの濃度
で溶解したもの)を1ng/mlになるように添加して
試料を調製した。この試料50μlを、上記(1)で作
製したHBs抗原測定器具A〜Fの各試料供給部5にピ
ペットを用いて載せて判定部3に接触させた。これによ
り試料は、前記測定器具A〜Fの通路6内に移動し判定
部3に接触し、試料中のHBs抗原が判定部3に固定さ
れた抗HBs抗体と結合した。この後、試料は試料吸収
部8に吸収された。その後、上記(2)で作製した抗H
Bs抗体固定粒子の分散液50μlを、前記測定器具A
〜Fの各試料供給部5にピペットを用いて気泡が生じる
ように載せ、気泡が前記通路6内に侵入するかどうかを
みた。その結果、HBs抗原測定器具A〜Dでは、試料
供給部に試料を接触させた場合と、前記粒子の分散液を
接触させた場合のいずれも、気泡のみが試料供給部5の
上部に配置された気泡抑制手段に捕捉されることによ
り、前記通路6への気泡の侵入が抑制されることが確認
できた。これに対して、気泡抑制手段を配置していない
比較例のHBs抗原測定器具E及びFでは、試料供給部
5に試料を接触させた場合と、粒子の分散液を接触させ
た場合のいずれも、気泡が通路6の内部に侵入してしま
った。
【0064】〔実施例2〕 (血液試料中のHBs抗原の測定) (1)HBs抗原測定器具の作製 実施例1の(1)と同様にして、HBs抗原測定器具A
と同形同質の測定器具を作製した。
【0065】(2)抗HBs抗体固定粒子の作製 実施例1の(2)と同様にして抗HBs抗体固定粒子を
作製した。
【0066】(3)HBs抗原の測定 HBs抗原及び抗HBs抗体が共に陰性である血液に、
HBs抗原溶液(明治乳業社製のHBs抗原を、pH
7.2の10mMリン酸緩衝液に40μg/mlの濃度
で溶解したもの)を1ng/mlになるように添加して
試料を調製した。この試料50μlを、上記(1)で作
製したHBs抗原測定器具Aの試料供給部5にピペット
を用いて載せて判定部3に接触させた。これにより試料
は、前記測定器具Aの通路6内に移動し判定部3に接触
し、試料中のHBs抗原が判定部3に固定された抗HB
s抗体と結合した。この後、試料は試料吸収部8に吸収
された。この判定部3に接触させたHBs抗原陽性血液
が試料吸収部8に吸収除去された後、上記(2)で作製
した抗HBs抗体固定粒子の分散液をこのHBs抗原測
定器具Aの試料供給部5にピペットを用いて気泡が生じ
るように載せて判定部に接触させた。その後、このHB
s抗原測定器具Aの判定部3が形成された側面方向に磁
石を配置することにより、抗HBs抗体固定粒子が移動
するようにこのHBs抗原測定器具Aの空間を有する通
路6の底面の抗HBs抗体が固定されていない部分から
抗HBs抗体が固定されている判定部方向に磁束密度4
0〜60ガウスの磁場を発生させた。磁場を発生させて
から3分間以内に図10に示すように判定部3に粒子の
像が認められた。これにより、試料中にHBs抗原が存
在することが確認できた。なお、HBs抗原陰性血清を
試料として用いて測定した場合には粒子の像は認められ
なかった。
【0067】
【発明の効果】本発明の測定器具及び測定方法によれ
ば、試料供給部に試料等の液体を接触させる際に気泡が
発生しても試料供給部に配置した気泡侵入抑制手段によ
って気泡が捕捉されるため、気泡が試料の移動を妨げた
り、判定部上に気泡が留まること等によって、この気泡
が測定反応に関与する物質間の反応を阻害したり、判定
部におけるシグナルを見にくくするといったことにより
測定が妨害されることがなく、正確な測定が行える。ま
た、試料中の被検物質の有無を粒子が特異的結合物質で
被覆された部分(判定部)に集まるか否かにより判定す
る測定方法においても、試料供給部に試料または粒子等
の液体を接触させる際に気泡が発生しても試料供給部に
配置した気泡侵入抑制手段によって気泡が捕捉されるた
め、この気泡が粒子の通路を塞いでしまい粒子が判定部
に移動するのを妨げることや、更にはこの気泡が判定部
に入り込んでしまうことにより、判定部における粒子の
凝集反応が阻害することや、凝集反応を見にくくすると
いったことを防ぐことができ、正確な測定が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】気泡侵入抑制手段を有する測定器具を示す図で
ある。
【図2】気泡侵入抑制手段を有する測定器具を示す図で
ある。
【図3】気泡侵入抑制手段を有する測定器具を示す図で
ある。
【図4】気泡侵入抑制手段を有する測定器具を示す図で
ある。
【図5】気泡侵入抑制手段を有する測定器具を示す図で
ある。
【図6】気泡侵入抑制手段を有する測定器具を示す図で
ある。
【図7】気泡侵入抑制手段を有する測定器具を示す図で
ある。
【図8】気泡侵入抑制手段を有しない測定器具を示す図
である。
【図9】気泡侵入抑制手段を有しない測定器具を示す図
である。
【図10】測定器具の判定部における粒子の凝集像を示
す図である。
【符号の説明】
1 : アクリル板 2 : カバー 2’: カバー 3 : 判定部 4 : 枠 5 : 試料供給部 6 : 空間を有する通路 7 : 障害物 8 : 試料吸収部 9 : ネット
フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA06 AA24 AA26 AA28 AC03 AD46 CA39 CA40 DA08 DA09 DA12 DA22 EA04 ED03 ED06 ED16 FD01 FD02 FD20 GA11 GA25 GA30 HA12 HA19 HB10 JA08 JA11 JA13 JA14 JA16

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の被検物質の測定器具であって、
    試料供給部及び判定部が非吸水性の材質からなる壁で囲
    まれた空間を有する通路で結ばれた測定器具において、
    該試料供給部が気泡侵入抑制手段を有することを特徴と
    する測定器具。
  2. 【請求項2】 前記気泡侵入抑制手段が、前記試料供給
    部に設けられた障害物であることを特徴とする、請求項
    1に記載の測定器具。
  3. 【請求項3】 前記試料供給部に設けられた障害物が、
    該試料供給部の下部が上部よりも狭くなっているもので
    あることを特徴とする、請求項2に記載の測定器具。
  4. 【請求項4】 前記試料供給部に設けられた障害物が、
    該試料供給部に配置した網状体であることを特徴とす
    る、請求項2に記載の測定器具。
  5. 【請求項5】 前記試料供給部に設けられた障害物が、
    該試料供給部に配置した突起状体であることを特徴とす
    る、請求項2に記載の測定器具。
  6. 【請求項6】 前記判定部が試料中の被検物質に対する
    特異的結合物質が固定されて該特異的結合物質により被
    覆されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の試料中の被検物質の測定器具。
  7. 【請求項7】 前記被検物質が抗原であり、前記特異的
    結合物質が抗体である、請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の試料中の被検物質の測定器具。
  8. 【請求項8】 前記被検物質が抗体であり、前記特異的
    結合物質が抗原である、請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の試料中の被検物質の測定器具。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の測定器具を使用し、該
    試料供給部に試料を接触させた後に、該判定部における
    シグナルにより被検物質の測定を行う測定方法。
  10. 【請求項10】 前記気泡侵入抑制手段が、前記試料供
    給部に設けられた障害物によるものであることを特徴と
    する、請求項9に記載の測定方法。
  11. 【請求項11】 前記試料供給部に設けられた障害物
    が、該試料供給部の下部が上部よりも狭くなっているも
    のであることを特徴とする、請求項10に記載の測定方
    法。
  12. 【請求項12】 前記試料供給部に設けられた障害物
    が、該試料供給部に配置した網状体であることを特徴と
    する、請求項10に記載の測定方法。
  13. 【請求項13】 前記被検物質が抗原であり、前記特異
    的結合物質が抗体である、請求項9〜12のいずれか1
    項に記載の試料中の被検物質の測定方法。
  14. 【請求項14】 前記被検物質が抗体であり、前記特異
    的結合物質が抗原である、請求項9〜12のいずれか1
    項に記載の試料中の被検物質の測定方法。
JP2001331719A 2000-09-22 2001-09-21 被検物質の測定器具及び測定方法 Withdrawn JP2002196001A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001331719A JP2002196001A (ja) 2000-09-22 2001-09-21 被検物質の測定器具及び測定方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000329683 2000-09-22
JP2000-329683 2000-09-22
JP2001331719A JP2002196001A (ja) 2000-09-22 2001-09-21 被検物質の測定器具及び測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002196001A true JP2002196001A (ja) 2002-07-10

Family

ID=26602988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001331719A Withdrawn JP2002196001A (ja) 2000-09-22 2001-09-21 被検物質の測定器具及び測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002196001A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004092732A1 (ja) * 2003-04-16 2004-10-28 Sekisui Chemical Co., Ltd. 磁性体内包粒子及びその製造方法、免疫測定用粒子、並びに、免疫測定法
JP2005024323A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Sysmex Corp 免疫検査用検体前処理液及び処理方法
WO2006080140A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 血液処理装置及び血液導入方法
JP2008547017A (ja) * 2005-06-20 2008-12-25 オーミック・アクチボラゲット 流体輸送を生成するための方法及び手段
WO2009014060A1 (ja) 2007-07-20 2009-01-29 Arkray, Inc. 検体供給具およびそれを用いた検体分析用具
JP2011099724A (ja) * 2009-11-05 2011-05-19 Fujifilm Corp アッセイ用デバイス
JP2018040797A (ja) * 2016-09-05 2018-03-15 株式会社ファンケル フェリチン検出用の検査キット及びフェリチンの検出方法
WO2019181400A1 (ja) * 2018-03-22 2019-09-26 富士フイルム株式会社 被検体の処理方法および被検体処理用容器
WO2023008129A1 (ja) * 2021-07-30 2023-02-02 富士フイルム株式会社 検査用カートリッジ

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004092732A1 (ja) * 2003-04-16 2004-10-28 Sekisui Chemical Co., Ltd. 磁性体内包粒子及びその製造方法、免疫測定用粒子、並びに、免疫測定法
US7632688B2 (en) 2003-04-16 2009-12-15 Sekisui Chemical Co., Ltd. Particle having magnetic material incorporated therein, process for producing the same, particle for immunoassay and method of immunoassay
JP2005024323A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Sysmex Corp 免疫検査用検体前処理液及び処理方法
US7368083B2 (en) 2005-01-28 2008-05-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Blood processing apparatus and blood introducing method
WO2006080140A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 血液処理装置及び血液導入方法
JP2008547017A (ja) * 2005-06-20 2008-12-25 オーミック・アクチボラゲット 流体輸送を生成するための方法及び手段
WO2009014060A1 (ja) 2007-07-20 2009-01-29 Arkray, Inc. 検体供給具およびそれを用いた検体分析用具
US9446402B2 (en) 2007-07-20 2016-09-20 Arkray, Inc. Specimen supplying tool and specimen analysing instrument using the same
JP2011099724A (ja) * 2009-11-05 2011-05-19 Fujifilm Corp アッセイ用デバイス
JP2018040797A (ja) * 2016-09-05 2018-03-15 株式会社ファンケル フェリチン検出用の検査キット及びフェリチンの検出方法
JP7032081B2 (ja) 2016-09-05 2022-03-08 株式会社ファンケル フェリチン検出用の検査キット及びフェリチンの検出方法
JP2022062284A (ja) * 2016-09-05 2022-04-19 株式会社ファンケル フェリチン検出用の検査キット及びフェリチンの検出方法
WO2019181400A1 (ja) * 2018-03-22 2019-09-26 富士フイルム株式会社 被検体の処理方法および被検体処理用容器
WO2023008129A1 (ja) * 2021-07-30 2023-02-02 富士フイルム株式会社 検査用カートリッジ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI588262B (zh) 用於分離或富集化細胞的方法及組合物
US5200084A (en) Apparatus and methods for magnetic separation
JP3863373B2 (ja) 生物学的流体の分離のための装置を用いる方法
US9575081B2 (en) Device and methods for detecting analytes in saliva
EP2488871B1 (en) An assay method involving the use of magnetic particles
JP4791867B2 (ja) 貴金属コート磁性粒子を用いた被検物質の検出方法
JP2007530938A (ja) アッセイ装置及び方法
CN101495868A (zh) 利用磁性颗粒进行受体结合试验的装置和方法
NO320231B1 (no) System, apparat og fremgangsmate for kontinuerlig magnetseparasjon av bestanddeler fra en blanding, og fremgangsmate for fremstilling av apparatet
JPH06505673A (ja) 磁気分離機、磁気分離方法、リガンド測定方法ならびに分離方法
KR101533230B1 (ko) 다단 미세유체 칩 및 이를 이용한 시료의 선택적 분리방법
JP2002196001A (ja) 被検物質の測定器具及び測定方法
JP2001221799A (ja) 判定部を複数有する被検物質の測定器具及び測定方法
WO2017009926A1 (ja) 特異的結合物質の固定化方法
JP3749959B2 (ja) 磁性粒子を用いる被検物質の測定方法及び該方法に使用する測定器具
JPH05504828A (ja) 毛管の流れ装置および二重捕捉アツセイ法
JP5642361B2 (ja) 循環抗体の分析のための方法
JP4284431B2 (ja) 粒子を使用する被検物質の測定器具及び測定方法
JP2000131320A (ja) 特異的結合物質固定粒子を用いる被検物質の測定方法
JP4045314B2 (ja) 粒子を使用する被検物質の測定方法
JP3762958B2 (ja) 粒子を用いる被検物質の測定方法及び該方法に使用する測定器具
JPH10239317A (ja) 地帯現象抑制測定方法及び測定試薬
JPH11326327A (ja) 粒子を使用する被検物質の測定方法及び測定器具
KR20170005008A (ko) 불완전 항체를 이용하여 혈액형 항원를 검출하기 위한 기기 및 방법
JP2023125973A (ja) 測定試料の調製方法および試料調製装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081202