JP2010013978A - 排気ガスセンサの劣化判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子の排気ガス側電極を触媒層で被覆した触媒付き排気ガスセンサの劣化判定装置に関し、排気ガスセンサの劣化を精度よく判定する。
【解決手段】内燃機関10の排気通路14に設置された触媒20と、触媒20の上流側に配置され、排気ガス側電極42の外側を触媒層38で被覆した空燃比センサ22と、触媒20の下流側に配置された酸素センサ24と、を備え、吸入空気量の領域毎にサブ学習値をそれぞれ演算し、高空気量領域でのサブ学習値が、低空気量領域でのサブ学習値よりも、リーン補正側の学習値となっている場合に、空燃比センサ22の劣化を判定する。好ましくは、高空気量領域でのサブ学習値が、リーン補正側の値に更新され、且つ、高空気量領域でのサブ学習値と、低空気量領域でのサブ学習値との差が、学習値の更新前後で所定値よりも拡大している場合に、空燃比センサ22の劣化を判定する。
【選択図】図3

Description

この発明は、排気ガスセンサの劣化判定装置に係り、特に、センサ素子の排気ガス側電極を触媒層で被覆した触媒付き排気ガスセンサの劣化判定装置に関する。
従来、例えば、特開平11−30141号公報に開示されるように、センサ素子の排気ガス側電極を触媒層で被覆したOセンサを備える空燃比制御装置が提案されている。この空燃比制御装置では、Oセンサのセンサ素子の表面に排気ガス側電極が形成されるとともに、この排気ガス側電極が、水素を触媒反応により除去する触媒層により被覆されている。
触媒層がないOセンサでは、酸素(O)および水素(H)が排気ガス側電極において酸化反応を生じる。この時、Oよりガス拡散速度の速いHは、Oよりも多く拡散する。このため、排気ガス成分はストイキであっても、電極近傍ではHリッチとなってしまう。かかる場合においては、Oセンサの出力は、排気ガスの成分がストイキよりもリーンにならないと急変しないため、空気浄化率とセンサ出力との関係がリーン側にシフトしてしまう。
この点、上述した触媒層を備えるOセンサでは、触媒層でOとHとが反応して平衡ガスとして排気ガス側電極に到達するため、センサ出力がリーン側にシフトする事態を抑制することができる。
特開平11−30141号公報 特開平11−247687号公報 特開平9−126012号公報 特開2006−322389号公報
ところで、触媒層を設けた限界電流式の排気ガスセンサは、検出精度が非常に高く、また、エンジン制御時のロバスト性が高いため、精密な空燃比制御を行うことができる。しかしながら、その一方で、触媒層は高温雰囲気において劣化しやすい特性を有している。したがって、触媒が劣化してセンサ出力が微妙にずれた場合においては、空燃比制御に大きな影響を与えてしまうこととなる。この劣化によるセンサ特性の変化は非常に微小である上に、気筒間の空燃比がばらついてH濃度が増加した場合との区別がつき難い。このため、排気ガスセンサの触媒層の劣化を精度よく判定することが困難であった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、センサ素子の排気ガス側電極を触媒層で被覆した排気ガスセンサの劣化を精度よく判定することのできる排気ガスセンサの劣化判定装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガスセンサの劣化判定装置であって、
内燃機関の排気通路に設置された触媒と、
前記排気通路における前記触媒の上流側に配置され、一方の側面に大気側電極が形成されるとともに、他方の側面に排気ガス側電極が形成された固体電解質よりなるセンサ素子と、前記排気ガス側電極を被覆して、触媒反応により水素を除去する触媒層と、を有する排気ガスセンサと、
前記排気通路における前記触媒の下流側に配置され、排気ガスの酸素濃度に応じた出力を発する酸素センサと、
前記触媒に流入する排気ガスの空燃比が制御目標空燃比と一致するように、前記排気ガスセンサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック手段と、
前記酸素センサの出力信号に基づいて、前記触媒の下流側の排気ガスの空燃比が制御目標空燃比と一致するように、燃料噴射量を補正するための学習値を学習する空燃比学習手段と、
前記学習値に基づいて、前記排気ガスセンサの劣化有無を判定する劣化判定手段と、を備え、
前記空燃比学習手段は、前記内燃機関の吸入空気量に応じた複数の領域毎に、前記学習値をそれぞれ学習し、
前記劣化判定手段は、吸入空気量が高い高空気量領域での前記学習値が、吸入空気量が低い低空気量領域での前記学習値よりも、空燃比をリーン側へ補正するための学習値となった場合に、前記排気ガスセンサの劣化を判定することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記劣化判定手段は、前記高空気量領域での前記学習値が、空燃比をリーン側へ補正する値に更新され、且つ、前記高空気量領域での前記学習値と、前記低空気量領域での前記学習値との差が、前記学習値の更新前後で所定値よりも拡大している場合に、前記排気ガスセンサの劣化を判定することを特徴とする。
第1の発明によれば、高空気量領域の学習値が、低空気量領域の学習値よりも、空燃比をリーン側へ補正するための学習値となった場合に、排気ガスセンサの劣化が判定される。排気ガスセンサの触媒層が劣化すると、該触媒層において除去しうる水素量が減少する。このため、排気ガス量が多量であるほど、すなわち高空気量であるほど、排気ガス側電極の周辺が正常時よりも水素リッチ雰囲気になってしまい、その結果、排気ガスセンサの出力は、実際の排気ガスの空燃比よりもリッチ側の出力となってしまう。空燃比の学習値は、この排気ガスセンサの出力ずれを補正する方向に学習される。このため、本発明によれば、吸入空気量の領域毎に学習された学習値を比較することにより、該排気ガスセンサの劣化を精度よく判定することができる。
第2の発明によれば、高空気量領域の学習値が、空燃比をリーン側へ補正するための値に更新され、且つ、高空気量領域における学習値と、低空気量領域における学習値との差が該学習値の更新前後で所定値よりも拡大している場合に、該排気ガスセンサの劣化が判定される。高空気量領域における学習値と、低空気量領域における学習値との差が所定値よりも拡大している場合には、高空気量領域の空燃比補正量が、低空気量領域のそれよりも所定値以上に拡大していることを示している。このため、本発明によれば、高空気量領域の空燃比が、低空気量領域のそれよりもリッチ側にずれていることを判定することができるので、かかる場合に、該排気ガスセンサが劣化していることを判定することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の幾つかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1のハードウェア構成を説明するための図である。図1に示すとおり、本実施形態のシステムは内燃機関10を備えている。内燃機関10には、吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12には、吸入空気量Gaを検出するエアフロメータ16が配置されている。また、内燃機関10の各気筒には、吸気ポート内に燃料を噴射するためのインジェクタ18が配置されている。
内燃機関10の排気通路14には、排気浄化触媒(以下、単に「触媒」とも称する)20が配置されている。触媒20は三元触媒であって、排気ガス中の有害成分であるCO、HC(炭化水素)、およびNOを、理論空燃比近傍で同時に除去するものである。
排気通路14には、触媒20の上流に、触媒付きの空燃比センサ(A/Fセンサ)22が配置されている。空燃比センサ22は、排気ガス中の酸素濃度をリニアに検出するセンサであって、触媒20に流入する排気ガス中の酸素濃度に基づいて内燃機関10で燃焼に付された混合気の空燃比を検出するものである。空燃比センサ22の構成については、詳細を後述する。
また、排気通路14には、触媒20の下流に酸素センサ24が配置されている。酸素センサ24は、排気ガス中の酸素濃度が所定値より大きいか小さいかを検出するためのセンサであって、センサ位置の排気空燃比がストイキよりも燃料リッチになると所定電圧(例えば0.45V)以上の出力を発生し、排気空燃比がストイキよりもリーンになると所定電圧以下の出力を発生する。このため、酸素センサ24によれば、触媒20の下流に、燃料リッチな排気ガス(HC、COを含む排気ガス)、あるいは燃料リーンな排気ガス(NOを含む排気ガス)が流出してきたかを判断することができる。
本実施の形態の装置は、ECU(Electronic Control Unit)26を備えている。ECU26には、上述した空燃比センサ22、酸素センサ24等の各種センサ、およびインジェクタ18などが接続されている。ECU26は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御する。
[空燃比センサの構成]
図2は、本発明の実施の形態1において用いられる空燃比センサ22の構成を説明するための図である。図2に示す空燃比センサ22は、上述したとおり、内燃機関10の排気通路14に配置され、内燃機関10から排気される排気ガスの空燃比を、触媒20の上流側において検出するために用いられるセンサである。空燃比センサ22は、カバー32を備えており、このカバー32が排気ガスに晒されるように排気通路14に組み付けられる。
カバー32には、その内部に排気ガスを導くための孔(図示せず)が設けられている。カバー32の内部には、センサ素子34が配置されている。センサ素子34は、一端(図2における下端)が閉じられた管状の構造を有している。管状構造の外側表面は、拡散抵抗層36で覆われている。拡散抵抗層36は、アルミナ等の耐熱性の多孔質物質であり、センサ素子34の表面付近における排気ガスの拡散速度を律する働きを有している。
拡散抵抗層36の外側表面は、触媒層38で覆われている。触媒層38は、アルミナ等の基材に白金ロジウム等の触媒金属を担持したものである。更に、触媒層38は、該触媒層38を保護するための保護層40で覆われている。保護層40は、アルミナ等の耐熱性の多孔質物質で構成されている。
拡散抵抗層36の内側には排気ガス側電極42、固体電解質層44および大気側電極46が設けられている。排気ガス側電極42および大気側電極46は、Ptのように触媒作用の高い貴金属で構成された電極であり、それぞれ後述する制御回路と電気的に接続されている。固体電解質層44は、ZrOなどを含む焼結体であり、酸素イオンを伝導させる特性を有している。
センサ素子34の内側には、大気に開放された大気室48が形成されている。大気室48には、センサ素子34を加熱するためのヒータ50が配置されている。センサ素子34は、400℃程度の活性温度において安定した出力特性を示す。ヒータ50は、制御回路と電気的に接続されており、センサ素子34を適当な温度に加熱維持することができる。
[実施の形態1の動作]
(空燃比制御について)
本実施の形態1のシステムにおいては、空燃比のフィードバック制御が行われる。より具体的には、空燃比センサ22の出力信号に基づいて、実際の空燃比が目標空燃比に一致するようにインジェクタ18から噴射される燃料噴射量を制御するメインフィードバック制御が行われる。
また、メインフィードバック制御が行われている状況下においても、空燃比がリッチ側あるいはリーン側に偏ることがある。かかる状況が継続すると、NOx等の未浄化成分を触媒20において浄化できず、排気エミッションが悪化するおそれがある。
そこで、本実施の形態1の空燃比制御では、酸素センサ24を用いたサブフィードバック学習が行われる。サブフィードバック学習では、メインフィードバック制御に重畳している定常的な誤差分が、サブ学習値として学習される。より具体的には、酸素センサ24の出力信号に基づいて、触媒20の下流に流出してきた排気ガスが、燃料リッチ側に傾いているか、或いは燃料リーン側に傾いているかが判断される。かかる判断は、所定の吸入空気量範囲毎に判断される。そして、触媒20の下流の排気ガスを理論空燃比(ストイキ)にするための燃料噴射量の補正量が、サブ学習値として各空気量領域毎に記憶される。
このように、メインフィードバック制御およびサブフィードバック学習が正常に行われていれば、実空燃比を常に目標空燃比近傍に制御することができ、エミッションの悪化を効果的に抑制することができる。
(空燃比センサの劣化判定について)
次に、空燃比センサ22の劣化検出原理について説明する。上述したように、触媒付き酸素センサ24は触媒層38を備えている。ここで、触媒層がない空燃比センサでは、酸素(O)および水素(H)が拡散抵抗層内を拡散して、排気ガス側電極において酸化反応を生じる。この時、酸素よりガス拡散速度の速い水素は、酸素よりも多く拡散する。このため、排気ガス成分はストイキであっても、該排気ガス側電極近傍では水素リッチとなってしまう。かかる場合においては、空燃比センサの出力がリッチ出力側にずれてしまうため、結果的に空燃比がリッチ側へずれてしまう。
この点、上述した触媒層38を備える空燃比センサ22では、触媒層38で酸素と水素とが反応して平衡ガスとして排気ガス側電極42に到達する。このため、センサ出力が誤ってリッチ出力側にずれる事態を効果的に抑制することができる。
ここで、このような機能を有する触媒層38が劣化した場合、空燃比センサ22では所望の水素除去能力を発揮することができなくなる。このため、触媒20に流入する排気ガスがリッチ側にずれてしまい、その結果、サブフィードバック学習において、サブ学習値がリーン補正側に学習されることとなる。このような触媒層38の劣化に伴うリーン補正側への学習は、高空気量領域ほど、すなわち排気ガス量が増加するほど影響が大きくなる。
そこで、本実施の形態1では、酸素センサ24のサブ学習値に基づいて、空燃比センサ22の触媒劣化を検出することとする。より具体的には、以下に示す2つの条件が成立した場合に、空燃比センサ22の触媒劣化を判定することとする。
(1)高空気量領域のサブ学習値がリーン補正側に学習された場合
(2)高空気量領域のサブ学習値と低空気量時のサブ学習値との差がサブ学習値の更新前後で所定の基準値以上に拡大した場合
上記(1)の条件は、メインフィードバック制御による制御空燃比が、リッチ側にずれていることを示している。換言すると、空燃比センサ22における排気ガス側電極42の周囲の水素濃度が高いことを示している。つまり、(1)の条件が成立する場合には、触媒層38の触媒機能が正常に機能していない可能性が高い。しかしながら、排気ガス側電極42の周囲の水素濃度が高い場合としては、例えば、内燃機関10の気筒間の空燃比が一時的にばらついた場合等も想定される。
そこで、本実施の形態1の劣化判定では、空燃比センサ22の触媒層38が劣化すると、高空気量領域ほど内燃機関10の運転による水素の影響を受けることに着目し、上記(1)の条件に加えて、上記(2)の条件も規定することとしている。すなわち、上記(2)の条件は、高空気量領域のサブ学習値が、低空気量領域のサブ学習値よりも所定の基準値以上にリーン補正側へ学習されたことを示している。つまり、サブフィードバック学習による補正量が、高空気量領域ほどリーン補正側に大きくなっていることを示している。このため、上記(2)に示す条件を規定することで、空燃比のバラツキに起因する水素濃度増加と触媒層38の劣化とを明確に区別することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
次に、図3を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図3は、ECU26が、空燃比センサ22の劣化判定を実行するルーチンのフローチャートである。
図3に示すルーチンでは、先ず、劣化判定の前提条件が成立しているか否かが判定される(ステップ100)。ここでは、具体的には、内燃機関10の暖機が完了しているか否か、空燃比センサ22が活性温度に到達しているか否か、酸素センサ24が活性温度に到達しているか否か、空燃比のメインフィードバック制御が実行されているか否か、およびサブフィードバック学習が実行されているか否かが判定される。その結果、上記全ての条件が成立していないと判定された場合には、未だ劣化判定の前提条件が成立していないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ100において、すべての条件が成立していると判定された場合には、劣化判定の前提条件が成立していると判断されて、次のステップに移行し、サブ学習値が取得される(ステップ102)。ここでは、具体的には、吸入空気量の領域毎に学習されているサブ学習値がそれぞれ取得され、バックアップRAMへ格納される。
次に、各空気量領域のサブ学習値が全て更新されたか否かが判定される(ステップ104)。ここでは、具体的には、上記ステップ102において取得された各サブ学習値が、全て更新完了したか否かが判定される。その結果、各サブ学習値が更新完了していないと判定された場合には、劣化判定を実行することができないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ104において、各サブ学習値が全て更新されたと判定された場合には、劣化判定を実行可能と判断されて、次のステップに移行し、空燃比センサ22の劣化判定が実行される(ステップ106)。ここでは、具体的には、先ず、複数の空気量領域の中から2つの空気量領域が選択される。そして、高空気量側の領域において、上記ステップ106において更新されたサブ学習値がリーン補正側に学習されているか否かが判定される。尚、本ステップ106の処理は、他の空気量領域の組み合わせについても同様に行われる。その結果、高空気量領域のサブ学習値がリーン側に学習されていないと判定された場合には、空燃比センサ22が劣化していないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ106において、高空気量領域のサブ学習値がリーン側に学習されたと判定された場合には、更に、上記ステップ106において、高空気量領域のサブ学習値と低空気量領域のサブ学習値の差が、更新前後で所定の基準値以上に拡大したか否かが判定される。ここでは、具体的には、上記ステップ102において取得されたサブ学習値の差と、上記ステップ104において更新されたサブ学習値の差とが比較される。その結果、サブ学習値の差が更新前後で所定の基準値以上に拡大していないと判定された場合には、空燃比センサ22が劣化していないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ106において、サブ学習値の差が更新前後で所定の基準値以上に拡大していると判定された場合には、空燃比センサ22が劣化していると判断されて、次のステップに移行し、空燃比センサ22の劣化が判定される(ステップ108)。
以上説明したとおり、本実施の形態1の劣化判定装置によれば、空燃比センサ22の出力信号に基づいて学習されたサブ学習値に基づいて、該空燃比センサ22の劣化を精度よく判定することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、空燃比センサ22が前記第1の発明における「排気ガスセンサ」に、メインフィードバック制御が前記第1の発明における「フィードバック手段」に、サブフィードバック学習が前記第1の発明における「空燃比学習手段」に、サブ学習値が前記第1の発明における「学習値」に、それぞれ相当している。また、ECU26が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「空燃比学習手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより、前記第1の発明における「劣化判定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU26に後述する図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1においては、酸素センサ24の出力信号に基づいて学習されたサブ学習値に基づいて、空燃比センサ22の劣化を精度よく判定することとしている。ここで、空燃比センサ22の触媒層38が劣化すると、低温活性が悪くなる。このため、触媒層38では触媒反応が行われず、排気ガスがそのまま通過する。つまり、劣化した空燃比センサ22は、新品良品により低温時の応答時間が早くなる。そこで、本実施の形態2では、かかる傾向に着目し、低温時の応答性と高温時の応答性と比較に基づいて、該空燃比センサ22の劣化判定を行うこととする。
より具体的には、先ず、空燃比センサ22の触媒層38の活性が発現する低温側の温度(例えば、350〜400℃程度)において、該空燃比センサ22への電圧印加をオフし、空燃比を可変させたときの起電力応答(例えば、応答時間や出力軌跡長など)を測定する。そして、この起電力応答が、通常の活性状態(例えば、400℃以上)における起電力応答よりも所定値以上に速い場合に、該空燃比センサ22の劣化を判定することとする。このように、本実施の形態2によれば、空燃比センサ22の低温時の応答性に基づいて、該空燃比センサ22の触媒劣化を精度よく判定することができる。
[実施の形態2における具体的処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図4は、ECU26が、空燃比センサ22の劣化判定を実行するルーチンのフローチャートである。
図4に示すルーチンでは、先ず、劣化判定の前提条件が成立しているか否かが判定される(ステップ200)。ここでは、具体的には、内燃機関10の暖機が完了しているか否か、空燃比センサ22が活性温度に到達しているか否か、酸素センサ24が活性温度に到達しているか否か、空燃比のメインフィードバック制御が実行されているか否か、および劣化判定を実行しうる定常運転中か否かが判定される。その結果、上記全ての条件が成立していないと判定された場合には、未だ劣化判定の前提条件が成立していないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ200において、すべての条件が成立していると判定された場合には、劣化判定の前提条件が成立していると判断されて、次のステップに移行し、空燃比センサ22の素子温度の目標値が所定の低温(350〜400℃程度)に設定される(ステップ202)。ここでは、具体的には、素子温度が目標値となるように、ヒータ46への通電状態が制御される。また、本ステップ202では、空燃比センサ22へ印加されている電圧がオフされる。
次に、空燃比センサ22の素子温度が所定の低温となったか否かが判定される(ステップ204)。その結果、空燃比センサ22の素子温度が所定の低温になっていないと判定された場合には、該空燃比センサ22の劣化判定を行うことができないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ204において、空燃比センサ22の素子温度が所定の低温になったと判定された場合には、該空燃比センサ22の劣化判定を行うことができると判断されて、次のステップに移行し、空燃比が可変される(ステップ206)。ここでは、具体的には、空燃比が14から15へ切り替えられる。次に、本ステップ204では、空燃比センサ22の起電力応答が算出される。より具体的には、空燃比を切り替えた時の応答時間、或いは、出力の軌跡長が算出される。
次に、空燃比センサ22の劣化判定が実行される(ステップ208)。ここでは、具体的には、上記ステップ206において算出された応答時間の合計或いは平均値が、所定値よりも小さいか否かが判定される。所定値は、空燃比センサ22の劣化を判定するための値として、予め実験等により設定された値が使用される。その結果、応答時間の合計或いは平均値が、所定値以上であると判定された場合には、空燃比センサ22が劣化していないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ208において、応答時間の合計或いは平均値が、所定値より小さいと判定された場合には、空燃比センサ22の応答時間が低温時に早くなっていると判断されて、次のステップに移行し、空燃比センサ22の劣化が判定される(ステップ210)。
以上説明したとおり、本実施の形態2の劣化判定装置によれば、空燃比センサ22の低温時の出力応答性に基づいて、該空燃比センサ22の劣化を精度よく判定することができる。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において用いられる酸素センサの構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアフロメータ
18 インジェクタ
20 触媒
22 空燃比センサ
24 酸素センサ
26 ECU(Electronic Control Unit)
32 カバー
34 センサ素子
36 拡散抵抗層
38 触媒層
40 保護層
42 排気ガス側電極
44 固体電解質層
46 大気側電極
48 大気室
50 ヒータ

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設置された触媒と、
    前記排気通路における前記触媒の上流側に配置され、一方の側面に大気側電極が形成されるとともに、他方の側面に排気ガス側電極が形成された固体電解質よりなるセンサ素子と、前記排気ガス側電極を被覆して、触媒反応により水素を除去する触媒層と、を有する排気ガスセンサと、
    前記排気通路における前記触媒の下流側に配置され、排気ガスの酸素濃度に応じた出力を発する酸素センサと、
    前記触媒に流入する排気ガスの空燃比が制御目標空燃比と一致するように、前記排気ガスセンサの出力を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック手段と、
    前記酸素センサの出力信号に基づいて、前記触媒の下流側の排気ガスの空燃比が制御目標空燃比と一致するように、燃料噴射量を補正するための学習値を学習する空燃比学習手段と、
    前記学習値に基づいて、前記排気ガスセンサの劣化有無を判定する劣化判定手段と、を備え、
    前記空燃比学習手段は、前記内燃機関の吸入空気量に応じた複数の領域毎に、前記学習値をそれぞれ学習し、
    前記劣化判定手段は、吸入空気量が高い高空気量領域での前記学習値が、吸入空気量が低い低空気量領域での前記学習値よりも、空燃比をリーン側へ補正するための学習値となった場合に、前記排気ガスセンサの劣化を判定することを特徴とする排気ガスセンサの劣化判定装置。
  2. 前記劣化判定手段は、前記高空気量領域での前記学習値が、空燃比をリーン側へ補正する値に更新され、且つ、前記高空気量領域での前記学習値と、前記低空気量領域での前記学習値との差が、前記学習値の更新前後で所定値よりも拡大している場合に、前記排気ガスセンサの劣化を判定することを特徴とする請求項1記載の排気ガスセンサの劣化判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012241535A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Toyota Motor Corp ガスセンサ素子における貴金属触媒の劣化の有無を判定する方法と装置

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